フェニックスバイオ(6190)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】(1)事業の概要 フェニックスバイオグループは、フェニックスバイオと連結子会社2社により構成されており、PXBマウス(ヒト肝細胞を持つキメラマウス)を用いた医薬品開発の受託試験サービスを主たる業務としております。 フェニックスバイオの事業の系統図は以下のとおりであります。なお、フェニックスバイオのセグメントはPXBマウス事業のみの単一セグメントであります。 [事業系統図] ・PXBマウス事業 フェニックスバイオは、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられた「PXBマウス=ヒト肝細胞キメラマウス」を作製する技術を持ち、このヒト肝細胞キメラマウス(製品名:PXBマウス)を用いて、医薬品開発における創薬過程のうち、主に前臨床過程において様々なサービスを展開しております。 医薬品の安全性、有効性を確保するためには、臨床試験においてヒトでの代謝を確認することが必要ですが、「PXBマウス」では薬を代謝するのに重要な臓器である肝臓の大部分がヒト肝細胞に置き換わっていることから、ヒトの代謝を予測することができると考えられ、フェニックスバイオは製薬会社に対し「PXBマウス」を用いた医薬候補物質の投与の受託試験サービスを提供しております。 また、「PXBマウス」は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞にしか感染しないウイルスを研究するツールとなることも実証されており、抗ウイルス薬の開発にも利用されております。 PXBマウスを用いた主なサービスは以下のとおりです。① DMPK/Tox試験(薬物動態関連試験、安全性試験) DMPK(Drug Metabolism and Pharmacokinetics)とは、薬物がヒトの体内に取り込まれて薬効を発揮する過程で酵素的酸化反応や抱合反応、あるいは加水分解などの代謝作用によって速やか、かつ安全に体外に排出する薬物の体内動態に関する評価・解析のことです。薬物が薬効を発揮するためには一定の時間、適切な有効濃度で体内にとどまる必要がありますが、同時に、ヒトにとって薬物は異物であるので代謝機構で速やかに排出されなければなりません。また、Tox(Toxicology)とは、肝臓を始めヒト体内の種々の組織や細胞に与える毒性の評価・解析のことであります。薬物は常に薬効と毒性が表裏一体の関係であるため、毒性が現れる臓器や症状、毒性を示す薬の量などを臨床試験に入る前に、十分予測しておく必要があります。特に肝臓は薬物代謝の主担当臓器であるため、毒性を示すことが多いとされています。 新薬候補のヒト臨床での開発が中止される理由のうちDMPK/Toxはおよそ30%を占めると報告があり、また、ヒトでの毒性の多くは肝毒性であるとの報告もあります。 PXBマウスは肝臓の70%以上は移植したヒト肝細胞によって形成されていることから、ヒト肝臓での薬物動態や肝毒性反応を擬似予想することができるモデル動物だと考えられます。フェニックスバイオでは、創薬の前臨床試験において有用なデータを取得することができると考え、PXBマウスを用いた薬物動態関連試験及び安全性試験の受託試験サービスを提供しております。② 肝炎試験(薬効評価) 新薬候補化合物の有効性について評価することが薬効試験の目的ですが、PXBマウスは、ヒト肝細胞を有することで、ヒト肝臓疾患モデル動物としての高い利用価値を持っています。特に、適切な疾患モデル動物の利用が困難となっていたC型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルス研究については、PXBマウスを利用することで大規模な薬効評価試験を速やかに実施することが可能となりました。これまでに国内外の多くの製薬企業や研究機関がPXBマウスを利用して新薬候補化合物の有効性を検証しており、フェニックスバイオグループは主に抗肝炎薬の薬効評価の受託試験サービスを提供しております。③ PXB-cellsの販売(PXBマウスから得られる新鮮ヒト肝細胞) 新薬候補の探索や最適化の過程では、短時間で大量の候補物質を評価するために、ロボットを用いた自動的解析手法であるin vitro ハイスループットスクリーニングが採用されています。このスクリーニングでは、主にヒト由来の細胞が用いられており、特に代謝に関連する評価ではヒト肝細胞が一般的に使用されています。しかし、供給をドナーに依存する新鮮ヒト肝細胞は、元々の入手量自体が潤沢ではない上に供給時期も不定期であり、さらに、多くのケースにおいて利便性を優先し冷凍保管されています。一旦冷凍されたヒト肝細胞は、細胞の機能がある程度低下しますが、創薬研究者は、凍結ヒト肝細胞を用いた評価に頼らざるを得ない状況にあります。これに対し、フェニックスバイオが提供するPXB-cellsは、PXBマウスから随時灌流採取した肝細胞を、非凍結のまま新鮮な状態で提供が可能です。PXB-cellsを利用することにより、創薬研究者は、肝細胞本来の機能を保持した状態で実験・評価することが可能となり、また、PXBマウスの安定生産を背景に、創薬研究者の都合に応じて実験を実施することが可能です。 PXBマウスの肝臓から、コラゲナーゼ灌流法によりヒト肝細胞を分離すると、約1.5×108個のヒト肝細胞が得られます。このヒト肝細胞の生存率は約85%、マウス肝細胞の混入率は5%程度です。このようにして得られたヒト肝細胞は、新鮮であるためシャーレへの接着率は非常に高く、新鮮ヒト肝細胞としての高い薬物代謝能を持ち、B型肝炎ウイルスの長期培養系としても有効です。 (2)PXBマウスについて① PXBマウス PXBマウスは、マウス肝臓に含まれる肝細胞の70%以上がヒト肝細胞で置換されたマウスとして日本、米国、カナダ、欧州、中国等で商標登録(PXBマウス及びPXB-mouse)されています。② PXBマウスの生産方法 PXBマウスの生産には、cDNA-uPA/SCIDマウスと凍結ヒト肝細胞を利用します。始めに3週齢(6~9g)のcDNA-uPA/SCIDマウスの脾臓より、ヒト肝細胞を注入移植します。移植後3週目よりマウスの尾より採血し、マウス血中のヒトアルブミン(ヒト肝細胞から分泌されるタンパク質の一種)濃度を測定します。ヒトアルブミン濃度とヒト肝細胞数はほぼ相関していることから、ヒトアルブミン濃度を測定することによってマウス肝臓の中でヒト肝細胞によるマウス肝細胞の置換の程度を推定することができ、移植後概ね11週目から被移植マウスの推定置換率は70%以上となります。 フェニックスバイオグループでは、年間4,000匹以上のPXBマウスをコンスタントに生産しています。また、PXBマウスの生産に用いるヒト肝細胞として、単一ドナーから得られた肝細胞を大量に購入して凍結保管しておりますので、生産を継続することが可能です。③ PXBマウスの特徴 PXBマウスの特徴は、マウスの生命維持に不可欠な器官の一つである肝臓において、異種であるヒトの肝細胞がマウス本来の肝細胞と70%以上入れ替わった状態を維持しつつ、実験動物として利用可能であることです。PXBマウスの肝臓の中にあるヒト肝細胞は、ヒト体内にある状態に極めて近いことを裏付けるデータが得られていますので、PXBマウスを利用することによって、ヒト肝細胞に関連する様々な実験を、同じドナーの肝細胞を持つPXBマウスを用いて繰り返し実施することが可能です。 《用語解説》 [(ヒト肝細胞)キメラマウス]キメラとは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ個体であります。フェニックスバイオのキメラマウス(フェニックスバイオ製品名:PXBマウス)はマウスにヒトの肝細胞を移植し、マウス肝臓がヒトの肝細胞に置換していることから、マウスとヒトの遺伝情報を有しております。 [前臨床、臨床試験]臨床試験とは、新薬候補化合物の有効性や安全性を実際にヒトに投与し確認することであり、前臨床(または非臨床)とは、臨床試験に先立ち、動物等を用いてこれらを確認することであります。 [代謝]生命の維持のために生物が行う、外界から取り入れた様々な物質を素材として行う一連の合成や化学反応のことであります。 [酵素的酸化反応]生物における代謝反応の一つで、酸素原子を付加することを補助する酵素により、酸素分子を物質と結合させる反応のことであります。 [抱合反応]生物における代謝反応の一つで、薬物などの異物や体内由来の物質(ホルモン、胆汁酸、ビリルビンなど)に他の親水性分子(硫酸、グルクロン酸、グルタチオンなど)が付加される反応であります。 [加水分解]ある一つの物質が二つの物質に分解する際、水を必要とする反応のことをいいます。 [体内動態]ある物質を対象として、生物の体内への取り込みから、体内への分布、代謝を経て排出までの過程のことをいいます。 [ハイスループットスクリーニング]創薬工程の初期において、膨大な化合物ライブラリーの中から、有効性のある化合物を選抜する手法のことであり、一般的にロボットを用いて自動的かつ高速で評価されています。 [コラゲナーゼ灌流法]コラーゲンを分解する酵素であるコラゲナーゼ溶液を動物の肝臓へ血脈から流し、肝臓外へ放出させる過程を継続させ、肝臓内のコラーゲンを分解することにより肝細胞を分散させ単離する方法であります。 [cDNA]細胞内での蛋白質合成においてDNAの遺伝子として働く部分(情報)を人工的に合成したDNAであり、complementary DNA (相補的DNA, cDNA)と呼ばれています。 [uPA]ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)は様々な蛋白質を溶かすことができる酵素の一つです。体内で凝固した血餅を溶解し除去する線溶系としての働きがよく知られています。 [SCID]severe combined immune deficiency(重度複合型免疫不全)の略称です。免疫反応を司るリンパ球(T細胞、B細胞)を持たない病態のことをいいます。このことから、SCIDマウスは異種の細胞などを移植してもリンパ球や抗体などによる免疫反応が起こらず、異種細胞が生着することができます。 [ホスト動物]移植における、臓器を提供する側をドナー動物といい、提供を受ける側をホスト動物、またはレシピエント動物といいます。 [トランスジェニックマウス]遺伝子工学の手法を用いて、遺伝情報を変化させた遺伝子改変マウスのことをいいます。この手法により、通常のマウスが持っていない蛋白質をマウス体内で作らせたり、通常よりもある蛋白質を多く作らせたりすることにより、病態モデルマウスを作製したり、あるいは、ある特定の蛋白質の性質を調べるために利用されています。 [cDNA-uPA/SCIDマウス]cDNA-uPA/SCIDマウスは、urokinase-type plasminogen activator cDNAトランスジェニックマウスであり肝障害を有し、さらにはSCIDマウスであるため免疫不全動物という特徴を持ちます。フェニックスバイオでは、キメラマウス研究で一般的に利用されているThe Jackson Laboratory(米国)のuPAトランスジェニックマウスに代わり、cDNA-uPAマウスを、公益財団法人東京都医学総合研究所、中外製薬株式会社との共同研究で開発し(国際特許取得済み)、これをホスト動物としてPXBマウスを生産しています。このホスト動物を利用することにより、PXBマウスは、より長期間、安定的にヒト化状態を維持できるという特徴があります。 [CRO]Contract Research Organization(開発業務受託機関)とは、前臨床及び臨床試験等を製薬企業に代わり、受託する機関であります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてフェニックスバイオグループが判断したものであります。 (1)経営方針 フェニックスバイオは、事業を通じて21世紀の医療に貢献する企業となることを目指しております。 フェニックスバイオは、生物が元来持っている機能を利用することで、これまでにない医療技術及び医薬品開発技術の実用化が期待される中、ヒト細胞の機能に着目し、この機能を維持したまま対外で大量に増殖させる細胞技術を開発してきました。この技術を応用し、さらに、増殖したヒト細胞を実験動物に移植する技術により、ヒト細胞の機能を様々な用途に提供していく所存であります。 (2)経営戦略等 フェニックスバイオは、海外でのPXBマウス事業のさらなる拡大を図るため、2010年8月に完全子会社PhoenixBio USA Corporationを設立し、北米製薬企業やCROとのパイプを持つコンサル会社との提携等によって北米を中心とした海外展開に注力してまいりました。引き続きPhoenixBio USA Corporationが主軸となり、PXBマウスのサービス提供に関して協力企業との折衝を進めてまいります。 (3)経営環境 最近のトレンドとして、従来、医薬品の主流であった低分子化合物に代わる、タンパク質、核酸、細胞といった新しい形態の新薬開発が世界的に注目を集めており、ヒト細胞で構成された臓器をもつ実験動物として世界で唯一であるヒト肝細胞キメラマウスや、その動物から単離された新鮮ヒト肝細胞が、ヒト特異的なタンパク質や核酸に対する有効性、安全性を評価するうえで非常に有用なツールであるという認識が高まりつつあります。フェニックスバイオグループの製品であるPXBマウス、PXB-cellsはこのニーズに応えることができる素材であることから、北米のコンソーシアム(CMHL Consortium)や、国内外の大学、製薬企業との共同研究、さらに、業務提携先の非臨床試験受託機関との連携によって、新しい知見を積み重ね、プロモーションに利用して、認知度向上に務めております。また、薬効薬理分野においても、非アルコール性肝炎や脂質代謝などの新しい分野への応用を目指したモデル開発を進めております。併せて、フェニックスバイオ製品の普及のため、自社施設での受託試験サービスに加えて、国内外の非臨床試験受託機関との連携を一層強化し、PXBマウス及びPXB-cells等の製品販売を国内外で拡大していく計画であります。 フェニックスバイオグループでは、製品販売の拡大に合わせた供給体制の整備を進めてまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題a.PXBマウス需要への対応 フェニックスバイオグループの事業環境は、従来の肝炎関連の受託試験サービスが減少する一方で核酸医薬・遺伝子治療など安全性等分野でのマウス販売が増加している状況にあります。 堅調に推移するPXBマウスの需要に対応するため、外部への飼育委託による段階的な増産に取り組むとともに、今後、投資効率の高い増産計画を検討してまいります。そのうえで、引き続き高い品質のPXBマウスを提供するために、国内外の顧客や提携先CROからもたらされる納品後のマウスの情報について、フェニックスバイオの品質管理部門が一元的に対応、適切にフィードバックする体制を整えてまいります。 また昨今、強く動物愛護が求められる環境下においては、一方的な増産計画のみならず、動物福祉の観点からも理想的な設備と飼育方法で管理する責任があることから、国際的な動物管理及び使用に関する評価を行っているAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)に認証取得の申請をいたしました。今後も国際基準に準拠した動物福祉の実現に取り組んでまいります。 b.in vitro分野への展開・発展 近年、動物実験の代替手段として、ヒトの細胞や組織を利用したin vitro試験の重要性がますます高まっております。フェニックスバイオグループではin vitro試験で使用できる製品として、PXBマウスの肝臓から分離された新鮮ヒト肝細胞である PXB-cellsのほか、PXB-Shizuku、PXB-cells RF、PXB-cells Cryo等の関連製品を新たに市場投入しており、今後さらにその需要が高まることが期待されます。 このような状況において、フェニックスバイオグループはin vitroの評価法として世界的に開発が進められているMicrophysiological System(MPS:生体模倣システム)等の新規デバイスや新技術に対する研究開発を強化し、併せて、共同研究先であるUSC(University of Southern California)を通じて、医薬品開発競争の主要舞台である米国のトレンドを見極め、市場ニーズにあった製品開発を目指してまいります。 また、市場の拡大を見据えた体制として、並行して顧客開拓や増産検討も進めてまいります。 c.新しい市場の取り込み 創薬におけるモダリティ(治療薬の形態)は多様化しており、抗体医薬、細胞治療医薬、核酸医薬、遺伝子治療など新しい技術を用いた医薬品・治療法の開発が活発になっており、評価ツールとしてのヒト肝キメラマウスやヒト肝細胞の需要は増加しております。 今後、さらにフェニックスバイオグループが市場を獲得してゆくためには、PXBマウス、PXB-cellsに関して、次世代医薬品・治療法の評価ツールとしての有用性を示すデータ取得が一層重要になると認識しており、自社での研究開発に加えて、共同研究先、業務提携先とも協力して進めてまいります。 また、安全性等分野における核酸医薬、遺伝子治療、薬効薬理分野におけるMASLD(Metabolic Dysfunction-associated steatotic Liver Disease:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)や脂質代謝を、新しい市場での重要分野と位置づけ、PXBマウス、PXB-cellsの用途開発や新製品開発に取り組んでまいります。フェニックスバイオでは基幹技術であるPXBマウスの基本特許を、日米を始め主要地域において取得しておりますが、今後も社内研究や共同研究で新たに開発した知財の権利化について専心してまいります。 (5)目標とする経営指標 フェニックスバイオグループは経営指標として、事業規模を示す売上高を採用しております。サービス分野別に「薬効薬理分野」と「安全性等分野」に区分しており、特に市場規模が大きい「安全性等分野」の売上高を重要な経営指標として、事業拡大を目指してまいります。 また、「安全性等分野」においては顧客が自身の都合で試験ができる販売の形態を望むケースが多く、フェニックスバイオグループにおいてもPXBマウス及びPXB-cellsの生産に注力できることから、製品販売に重点を置く方針であります。従いまして、「製品販売」の売上高も重要な経営指標としております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてフェニックスバイオグループが判断したものであります。 (1)PXBマウス事業への依存について フェニックスバイオグループの売上高は単一事業であるPXBマウス事業のみとなっており、同事業に依存した収益構造となっております。経営資源を集中させることにより収益規模を拡大させることを目指しておりますが、今後、他社との競争によりPXBマウス事業の売上高が減少した場合には、フェニックスバイオグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)特定の顧客、市場への依存について フェニックスバイオグループの2026年3月期におけるAlnylam Pharmaceuticals,Inc.に対する売上高は、約38%を占めております。フェニックスバイオグループは安全性等分野においてPXBマウス及びPXB-cellsの有用性を示すデータの取得、新製品開発、プロモーション活動等を推進し、新規顧客獲得により特定の顧客に依存しない基盤づくりに努めてまいりますが、思うように進まず、同社の事業方針の変更や業績の変化等があった場合、フェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。 また、2026年3月期における米国市場に対する売上高は、約54%を占めております。そのため、米国政府による関税政策、薬価政策等の動向によっては、フェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。 (3)大学等の公的研究機関との関係 フェニックスバイオグループの販売先である大学及び公的研究機関は、その研究資金の大部分を科学研究費補助金など公的な補助金及び助成金に依存しております。現在、海外製薬企業を中心に民間企業への販路が拡大しているものの、今後も大学及び公的研究機関に対する売上は一定程度見込まれることから、科学研究費補助金等の削減又は制度の変更により、フェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。 (4)国立大学法人広島大学との共同研究について フェニックスバイオグループは、自社での研究活動の他、国立大学法人広島大学と共同研究を実施しております。フェニックスバイオグループは、今後も同大学との間で良好な関係を維持し、共同研究を継続していく方針でありますが、当該契約の更新が困難となった場合、フェニックスバイオグループの研究開発活動に悪影響を与える可能性があります。 (5)生産設備の事故、故障、感染症の発生について フェニックスバイオグループの事業は、マウス、ラットなど動物を扱う事業であり、これらはフェニックスバイオグループの研究施設及び生産施設内のクリーンルームで外部の病原菌からの感染を防止するなど、厳重な管理体制のもと飼育し、また不測の事態を考慮して複数の施設に分散する等リスク軽減のための処置を施しております。しかしながら、予期せぬ天災、環境設備の故障及び事故等で施設が損傷を受けた場合、又は動物に感染症等が発生した場合、フェニックスバイオグループの事業に重大な影響を与える可能性があります。 (6)ヒト肝細胞の入手について フェニックスバイオグループの主要な製品であるPXBマウスはヒトの肝細胞を移植しております。移植に使われるヒト肝細胞は、国内での入手は行えず、代理店を通じて国外業者から輸入しております。今後、仕入価格の高騰、法規制等でヒト肝細胞の入手が困難になった場合PXBマウスの生産に制約を受け、フェニックスバイオグループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (7)小規模組織であることについて フェニックスバイオグループの組織は2026年3月31日現在で取締役6名、監査役3名、従業員55名と小規模であり、内部管理体制も当該規模に応じたものであります。今後の事業拡大に伴い、計画的な人員の増強と内部管理体制の充実を図る方針でありますが、必要な人員を確保できない場合、フェニックスバイオグループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (8)技術者の確保、育成について フェニックスバイオグループの事業は特殊性が高く、かつ専門性が高いため、技術育成に期間を要します。また、技術の個人依存度が高いため急な増員が難しく、技術者が大幅に流出した場合にはフェニックスバイオグループの事業展開に影響を与える可能性があります。 (9)税務上の繰越欠損金について フェニックスバイオグループは2026年3月31日現在、1,550,623千円の税務上の繰越欠損金を有しております。従いまして、フェニックスバイオグループの業績が順調に推移し当期純利益が計上された場合でも、当該繰越欠損金が解消されるまで課税される税金負担が繰越控除の限度内にて軽減されると考えております。しかしながら、当該繰越欠損金が解消された以降は税負担が増加し、当期純利益に影響を与えることが予想されます。 (10)研究開発について フェニックスバイオグループは、開発競争の激しいバイオ産業のなかで収益力を維持するためには、技術の独自性及び先進性を保ち、顧客のニーズにあったサービスを提供できるよう技術開発を行う事が重要だと認識しております。 フェニックスバイオグループにおいて研究開発費は大きなウエイトを占めており、将来を見据えながら先行して研究開発及び設備投資を実施しております。しかしながら、研究開発が期待通りの結果を得られない場合は、先行して投資した研究開発費及び設備投資費を回収できない可能性があります。 (11)知的財産権について フェニックスバイオグループの属するバイオ産業は、技術進歩は著しく速く、日々新しい技術開発が進んでおります。フェニックスバイオグループの技術に関して第三者の知的財産権の侵害は存在しないと認識しておりますが、今後、知的財産権の侵害を理由とするフェニックスバイオグループへの訴訟が発生しないとは限らず、このような事態が発生した場合、フェニックスバイオグループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (12)配当政策について フェニックスバイオは創業以来、累積損失を計上しており利益配当を実施しておりません。 フェニックスバイオは、事業の確立に向けて研究開発及び設備投資を実施している段階であり、投資した研究開発及び設備投資費用を回収するまでには至っておりません。さらに今後、生産体制を強化するため設備投資を実施する計画であります。しかしながら、フェニックスバイオは株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、事業の確立、経営基盤の安定及び累積損失の一掃後に、内部留保を勘案しながら還元していく方針であります。 (13)為替相場の変動について フェニックスバイオグループは販路拡大を目的に、米国を中心に海外製薬会社に対し積極的にPXBマウス販売や受託試験サービスを展開しており、2026年3月期において約7割が海外売上となっております。海外製薬企業との契約を締結する場合は、外貨建取引によっており、為替リスクを有しております。このため、為替相場が円高傾向になりますと、フェニックスバイオグループの業績に悪影響を与える可能性があります。フェニックスバイオグループは、為替リスクの低減に努める所存でありますが、為替相場の変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動がフェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。 (14)技術革新について フェニックスバイオグループの属するバイオ産業は、開発競争が激しく、技術革新が急速に進んでおります。フェニックスバイオグループの主要な製品であるPXBマウスは、ヒト肝細胞の置換率が70%以上という高置換率を誇っており、医薬品開発において有効な技術であると認識しております。しかしながら、今後これに代わる優れた技術、又は価格競争力に優れている技術が開発され、フェニックスバイオグループ技術の優位性を失った場合、技術の陳腐化、又は価格競争にさらされる恐れがあります。 (15)競合について PXBマウス事業の基幹技術である「ヒト肝細胞を持つキメラマウス」を安定生産するには、高い技術力と生産に係る経験を基礎とするノウハウを要するため、参入障壁が高いと考えておりますが、市場拡大が期待されることから、今後、他社が参入する可能性があります。現在の競合他社や新規参入によりフェニックスバイオの優位性が低下した場合、価格競争にさらされて、フェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。 (16)法的規制について フェニックスバイオグループでは、PXBマウスの生産で遺伝子組換え生物等を取り扱っており、国内においては遺伝子組換え生物等を用いる際の規制措置を定めた「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に則り、事業を行っております。製品(PXB-cells)の販売につきましては、経済産業省から第二種使用等拡散防止措置確認を取得して産業利用を行っております。また、海外での生産につきましても、現地法令等に則り事業を行っております。 フェニックスバイオグループでは、施設の保全、リスク管理並びに従業員への教育訓練等を実施し、法令等を遵守していく所存でありますが、事故による拡散及び法規制の強化等により、フェニックスバイオグループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。 (17)大株主との関係について フェニックスバイオのその他の関係会社である三和澱粉工業株式会社は、2026年3月31日時点でフェニックスバイオ発行済株式総数の31.33%(1,275,218株)を所有し、同社の子会社である株式会社特殊免疫研究所は、3.17%(129,000株)を所有しております。また、同社の緊密な者である森本俊一氏、三和商事株式会社は、それぞれフェニックスバイオ発行済株式総数の12.43%(506,000株)、0.17%(7,000株)を所有しております。 現在、これら大株主との関係については大きな変更を想定しておりませんが、将来において、大株主との関係に大きな変化が生じた場合は、フェニックスバイオグループの経営に影響を及ぼす可能性があります。 (18)感染症の拡大について 新型コロナウイルス感染症を含む感染症の発生、拡大により、フェニックスバイオグループの主要顧客である製薬企業において新薬開発が停滞した場合、フェニックスバイオグループの業績に影響を与える可能性があります。また、従業員間で感染症が拡大した場合、フェニックスバイオグループの事業活動に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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