平田機工グループは、平田機工および連結子会社12社(注)で構成されており、自動車関連、半導体関連、その他自動省力機器を柱に、自動省力機器の製造ならびに販売を主たる事業としております。
平田機工グループの顧客は各業界におきまして高いシェアを誇る会社が多く、そういった顧客のニーズに応えるために、平田機工グループは、常に最新のテクノロジーに対応した生産システムエンジニアリング能力と、現場にて培われたモノ造りの経験から、最適なトータルソリューションを提案しております。
各セグメントでは以下の事業をおこなっております。
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セグメント |
事業内容 |
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自動車関連 |
自動車・同部品メーカー向けに、電気自動車(EV)関連、エンジン、トランスミッション、その他車載用電子部品などの自動組立ラインを中心とした生産システムの製造ならびに販売をおこなっております。 |
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半導体関連 |
半導体製造工程のウェーハ搬送装置の製造ならびに販売をおこなっております。 |
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その他自動省力機器 |
高性能家電に組み込まれるモーターの組立設備をはじめあらゆる家電製品の生産設備、ストッカー・搬送装置などの物流関連機器およびタイヤ関連生産設備、医療・理化学機器などの製造ならびに販売をおこなっております。 |
日本国内においては、平田機工が自動省力機器を製造する際、電子部品等の主な仕入は連結子会社タイヘイテクノス株式会社からおこなっており、製造業務の委託を連結子会社タイヘイテクノス株式会社に、客先に納品した製品の保守サービスの委託を連結子会社ヒラタフィールドエンジニアリング株式会社にそれぞれおこなっております。
その他、海外連結子会社は、アジア、北米、欧州の各地域にて、自動省力機器の製造または販売をおこなっており、平田機工グループ全体でワールドワイドな販売活動およびサポート体制を構築しております。
なお、セグメント情報は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」にも掲載しております。
(注)連結子会社12社に、現在清算中のHIRATA Engineering Europe GmbHは含まれております。
[事業系統図]
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
なお、平田機工以外は全て連結子会社であります。
文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2024年6月26日)現在において平田機工グループが判断したものです。
① 経営方針
平田機工グループは、「我々は勇敢に技術革新を追求し 人格を養い能力を高め社会の発展に寄与する」という創業の精神(綱領)に基づきながら、時代時代で生まれてくるお客さまの商品と同様に、平田機工グループも常に、新しい技術への挑戦と革新を続けることで、時代の変化に対応してきました。また、新しい市場、お客さま、商品技術に関わることで、平田機工グループの成長につなげるとともに、世界中での仕事を通じて個人の見聞を広げ、個人の能力を高め、世界で競争できる能力を高めてまいりました。
さらに、2022年には中期経営計画(2022年度~2024年度)の公表と同時に、70年を超える歴史の中で積み重ねてきた平田機工の経営哲学を集約した「人技幸献」というスローガンを公表しました。これは「Hirataに関わるすべての人を幸福にするとともに、社会に技術で貢献する」という意味であり、 Hirataは技術があってこそ、技術は人(社員)があってこそ、Hirataは働く社員の幸せがあってこそ存在するということを表現したものでもあります。
このような経営方針のもと、今後もあらゆるステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを深めながら、企業の持続的な成長に向けて取組んでまいります。
② 外部環境認識
平田機工が成長市場と位置付けている市場への設備投資は、足元の変動はありながらも拡大傾向にあります。自動車市場は各メーカーのEVに対する投資に一服感があるものの継続した設備投資があり、半導体市場は在庫調整期間を経て底を打ったとの認識で市場が拡大すると見込んでおります。また、米国においては、インフレ抑制法(IRA)と、経済安全保障政策により、設備投資が促進されております。それ以外の世界諸国においても投資促進策が施行されております。
そのような市場拡大の一方で、エネルギー価格の高騰や物価上昇、為替の円安進行の影響は、平田機工事業における調達品価格と人件費の上昇、人材確保に大きな影響を及ぼしており、収益性の向上に向けた重要な課題と認識しております。このような社会的要請への対応策として、調達品価格の上昇に対してはサプライヤーさまとの共存共栄を目指し価格転嫁を受け入れるとともに、付加価値向上への取組みにより、平田機工がお客さまから受注する価格を引き上げることに取組んでおります。また、人件費の上昇、人材確保に対しては、物価高騰を上回る賃金上昇を実施し、事業戦略の実現に必要な人的資本への積極的な投資の機会と認識しております。さらに、円安進行に対しては、海外向け設備における価格競争力につながっており、競争状況に応じて戦略的なシェア拡大に取組んでおります。
③ 中期経営計画の取組み状況
中期経営計画(2022年度~2024年度)においては、平田機工グループとしての経営基盤を固め、既存事業で利益を出しながら、成長市場でのビジネス拡大を図る3年間と位置付け、2025年3月期の売上高1,000億円、営業利益100億円、営業利益率10%、ROE11%を数値目標に掲げております。本中期経営計画の数値目標に対して、当期は売上高828億39百万円、営業利益60億47百万円、営業利益率7.3%、ROE7.0%となりました。なお、資本コスト(WACC)6.1%に対して、売上債権増加と工場設備投資による固定資産増加により、投下資本が増加したことに加え、物価上昇による利益押し下げの影響により、投下資本利益率(ROIC)は6.3%となりました。セグメント別の実績は、次のとおりです。
2022~2024年度セグメント別の売上高・営業利益の目標と実績 (単位:億円)
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セグメント |
中計最終年度目標 (2024年度) |
1年目実績 (2022年度) |
2年目実績 (2023年度) |
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売上高 |
自動車関連 |
400 |
302 |
369 |
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半導体関連 |
400 |
289 |
273 |
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その他自動省力機器 |
200
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169 |
160 |
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その他(消去含む) |
22 |
23 |
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合計 |
1,000 |
784 |
828 |
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営業利益 (営業利益率) |
自動車関連 |
20 (5%) |
15.5 (5.1%) |
16.5 (4.5%) |
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半導体関連 |
60 (15%) |
34.4 (11.9%) |
44.5 (16.2%) |
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その他自動省力機器 |
20 (10%)
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9.3 (5.5%) |
1.1 (0.7%) |
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その他(消去含む) |
△0.1 (△0.7%) |
△1.7 (△7.3%) |
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合計 |
100 (10%) |
59.2 (7.5%) |
60.4 (7.3%) |
(注)「2023年度 決算説明資料」にて、2024年度の通期業績予想の営業利益と、中期経営計画で定めた営業利益の差異要因について、ご説明しております。詳細につきましては、以下をご参照ください。
https://www.hirata.co.jp/files/optionallink/ns_20240510_02.pdf
中期経営計画の基本方針と施策に対する実績と課題への対応策は、次のとおりです。
(1)成長市場でのビジネス拡大
自動車関連については、
・2023年後半より北米市場におけるEV販売台数の伸びが踊り場に入りましたが、平田機工は高性能なICE(内燃機関)にも柔軟に対応できる設計思想により、ICE、EV双方において変動する需要を取込んでおります。
・物価上昇に対応して2023年度の新規受注案件から本格的に価格転嫁の取組みを推進しております。
・持続的な収益拡大のため、人材・生産能力への先行投資として、人員採用数増、適切な人員配置、関西工場建替、七城工場増築等を実施し、量産効果が見込める設備の開発・改良に優先的に取組んでおります。
・注力分野であるEVバッテリーについては、充放電関連の大型案件を受注しております。また、中長期的な収益拡大に向けて、次世代バッテリー・燃料電池関連の量産効果を向上させるべく、標準モジュールを確立することに取組んでおります。さらに、新たに専門部署を設置し、お客さまの製品開発段階から参画することで、期待されるスペックを低コストで効率よく実現できる体制作りに取組んでおります。
・中期経営計画で目標に定めたキーデバイスの開発・改良における自動倉庫の改良、Dual Head Wire Bonding Machine、AGVの改良、Plant Simulationについては、2022年度に目標を達成しました。その開発成果から、Plant simulationについては、バッテリー組立・検査ライン、充放電ライン、EDU組立ライン、AGV・AMR(注)搬送システム等の成長市場における営業段階において、平田機工生産ラインだけでなく工場全体のモノの搬送の流れを解析し生産最適化する「物流解析ツール(搬送シミュレーション)」を積極的に導入し、お客さまに完成した動的イメージをご提案することで、大型で複雑な案件の受注につながっております。なお、開発未完了の充放電機については、専業メーカーとのパートナーシップにより、内製化から外部調達に切り替え、市場シェア拡大を優先しております。さらに、新たな開発品として、従来の無人搬送レベルから自律搬送レベルに機能を高度化したAMRを開発しております。
(注)AGV:Automatic Guided Vehicle(無人搬送車)
AMR:Autonomous Mobile Robot(自律走行搬送ロボット)
半導体関連については、
・生成AI向けの後工程装置や、EV車載向けパワー半導体をはじめとするレガシー半導体の投資が活性化したことにより、受注が増加傾向となっております。生産能力の拡大に向けては、海外関係会社と協力体制を構築しており、既存の中国・台湾に加え、東南アジア(マレーシア)においても連携を強化しております。
・中国においては平田機工と中国関係会社の間で、ロードポートの技術ライセンス契約を締結し、現地生産を拡大しております。地産地消により、輸送コスト削減、リードタイム短縮、貿易リスク回避を図っております。
・半導体需要が変動する中で、納品までのリードタイム短縮は継続的な課題と認識しており、サプライヤーさまによる協力に加え、DXの推進等による生産能力の向上と部材の入手性向上に取組んでおります。
・半導体関連生産設備の新規開発を加速させ受注拡大を目指すため、SEMI規格に準拠した標準ソフトウェアを開発・内製化しております。なお、このソフトウェア開発は、つながる工場化の脅威である、制御システムへのサイバー攻撃リスクを低減するOperation Technologyセキュリティへも対応しております。
その他自動省力機器・その他については、
・事業ポートフォリオの見直しという観点において、家電メーカー向け組立設備、医療・理化学機器等、高付加価値が見込まれる分野を見極めながら開発および生産を実施しております。
・医療・理化学機器においては、新分野への参入に注力しております。集束超音波技術および業界知見を持つソニア・セラピューティクス社と業務提携し、切除不能の膵がんを対象に、平田機工ロボットを組み込んだ治験用の集束超音波がん治療装置を共同開発し、国内病院に納入しております。今後は、国内向けの量産装置の開発、量産体制の構築、海外向けの臨床試験装置の開発を進めてまいります。
・新規事業創出や事業領域拡充を目指した取組みとして、かねてより取組んできた植物遺伝資源研究が事業化の体制構築段階へ移行しており、「ぷらんつプロ」という平田機工独自のサービスを開始しました。本サービスを通じて、植物遺伝資源提供国における社会的課題の解決に貢献するとともに、平田機工は遺伝資源の提供国と利用者との橋渡し役を目指すことで、事業と社会課題解決の両立を図ってまいります。
(2)グローバル企業としての競争力強化
・お客さまの地産地消のニーズに加え、物価上昇、人件費上昇等の経営環境変化に対しても、海外関係会社と連携強化し、定期的な教育・指導の実施や、連携案件を拡大させております。
・関係会社の事業ポートフォリオについて、高付加価値が見込め、量産が見込める分野へのシフトを図っております。中国の関係会社においては、これまで自動車関連設備を中心としてきましたが、半導体関連にも注力し、事業領域の拡大を図っております。
・平田機工グループの相乗的な企業価値向上に向けては、関係会社の経営体制およびレジリエンスを強化することが喫緊の課題であると認識しており、2023年度はその課題解決の前提となるグループガバナンス基本方針を社内向けに策定して活動開始しました。2024年度は、グループ経営体制のあり方を見直し、関係会社を統括するグループ本社としての機能を高度化する活動に注力してまいります。
(3)ESG経営の取組み強化
・中長期的な経営戦略と連動させながら全社的な取組みとして推進していくため、サステナビリティ推進委員会を設置しております。代表取締役社長が委員長を務め、適宜社外取締役や外部有識者の意見も取り入れながら、平田機工グループのサステナビリティ活動の推進を図っております。取組み状況については積極的に開示し、ステークホルダーの皆さまとの対話強化に取組んでまいります。
詳細については、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(4)ニューノーマル時代に即した経営の実現
・基幹業務をカバーする情報システム(PLM・ERP)については、2025年本稼働に向けたシステムの検証を進めております。製品の設計情報をライフサイクルに合わせて管理するPLMを導入することで、さらなる業務効率の向上、生産手法の最適化、品質の向上、保守ビジネスの拡大等が実現されることを目指しております。
・物流解析の推進、エミュレータの積極的な活用とリモートによる事前検証・出荷前検収により、生産効率の向上を図るとともに、お客さまへの提供価値の拡大につなげております。エミュレータは活用する事業分野の拡大と機能向上を進めており、検証や検収等での活用だけでなく、新たなサービスとして位置づけ、収益を生み出しております。
・VR・ARなどXRは導入が進み、さらなる活用拡大を検討しております。ARの具体的な取組みとして、組立・メンテナンスにおいてARを用いた作業マニュアルを導入することにより、メンテナンス作業の生産性向上、作業者の効果的な設備技術習得・トレーニングを実現することを目指しております。
・「デジタル化の進展への対応」はマテリアリティの一つとしても掲げており、サステナビリティ推進委員会においてもワーキンググループを立ち上げ、取組みを強化してまいります。
[リスク管理の方針・概要]
平田機工グループは、全てのステークホルダーのご期待に応えるため、また企業としての社会的責任に応えるため、事業活動に関わる種々のリスクを的確に把握し、適時適切に対応することで経営への影響を低減することが肝要と考えております。
なお、リスク管理の概要につきましては、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項」に記載しております。
[主要なリスク]
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、文中における将来に関する事項の記載は、本書提出日(2024年6月26日)現在において平田機工グループが判断したものです。
(1)市場環境等の変化に係るリスク
平田機工グループは、自動車をはじめとするEV関連・半導体・家電関連企業など多分野にわたる製品の生産企業から自動省力機器を受注しております。そのため、国内外の経済動向の変化、顧客製品のライフサイクルが下降トレンドに入ること等によって、これら顧客の設備投資状況に変化が生じた場合、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、原材料の供給不足による生産計画の遅延、資源価格や原材料価格の上昇、人材不足による労務コスト上昇などが発生した場合、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工の技術力は顧客から高い信頼を得ておりますが、予想を超える急激な技術革新に適切に対応できないような事態が発生した場合、受注が確保できないおそれがあり平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工グループでは、これらのリスクへの対策として、あるひとつの事業分野が好調であっても、その事業のみに資本を集中させることを避け、複数の事業を並行して推進することによって、特定の事業分野における製品のライフサイクルの循環等による経営への影響を低減させております。
また、常に技術革新を図る意識を活性化するため、各事業部門による技術交流会の実施や技術賞の授与等によって技術者の意識の活性化を図るとともに、改善提案等によるコスト低減に取組み、顧客ニーズに見合う製品の開発、他社との競争に勝ち抜く体質の強化を進めております。
(2)法規制等に係るリスク
平田機工グループは、海外でも事業活動を展開するにあたり、日本のみならず各国・地域の各種法規制に適切に対応するよう努めております。
しかし、行政当局等との法令解釈の相違等によって、違反行為を犯したと判断が下された場合、過料や課徴金等による損失によって平田機工グループの業績や財務状態およびそれに伴う企業イメージに悪影響を与える可能性があります。
また、法規制等に改正等が生じた場合、その対応整備のために、多額の費用が発生する可能性があります。その結果、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工グループでは、Hirataグループ行動規範において、関係法令等を遵守する旨明記するとともに、コンプライアンス委員会の開催、コンプライアンスに関する各種研修および施策の実施、実態調査による確認等により、会社や従業員の法令違反の可能性を低減する取組みをおこなっております。
(3)重要な訴訟の発生に係るリスク
①知的財産権に係るリスク
平田機工グループが保有する知的財産権について、他社によって平田機工グループの権利が侵害されるリスクは常時存在し、侵害された場合には、平田機工グループのビジネスに悪影響を与える可能性があります。また、平田機工グループが、意図せず他社の知的財産権を侵害した場合には、他社の権利に基づく損害賠償請求や差止請求等の訴訟が発生する可能性があります。その場合には、多額の費用負担が発生し、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工は知的財産権管理の専任部署である知財部において、設備受注前の引合段階や、受注後の企画、設計および製造等の各段階において、事業部や開発部門と知財部とで連携して先願調査をおこない、平田機工の製品や製造方法が他社の知的財産権を侵害していないことを確認する等によって、他社が保有する知的財産権の侵害を未然に防いでおります。
②製造物責任に係るリスク
平田機工は、国際標準化機構(ISO)が定める品質管理基準に基づいて自動省力機器の生産をおこなっており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、ハード・ソフトの両面における配慮に努めております。
しかし、万が一当該設備に欠陥が発生し、顧客に損害を与えた場合、製造物責任を追及される可能性があります。その結果、製造物責任訴訟等を提起される可能性があり、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。なお、平田機工グループは企業総合賠償責任保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に補填できない可能性があります。
平田機工では、前記の取組みの他、製品の納入先の国や地域が定めるCEマーキング、UL508A等の安全関連の基準を満たす設備を納入するとともに、社員や顧客に対しても安全面にも十分配慮した操作やメンテナンス方法の説明をおこなうことで、事故の発生を未然に防止する取組みをおこなっております。
(4)情報管理に係るリスク
強力なマルウェア(コンピュータウィルス等)の侵入等、予期せぬ事態によって情報漏洩・ランサムウェア等による情報セキュリティインシデントが起こる可能性を完全に排除することはできません。万が一、情報セキュリティインシデントが起きた場合、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工は、高度化する情報セキュリティの脅威に対応するため、クラウド環境・ネットワークを含む社内情報システムへの不正アクセスを防止するシステムの導入、情報セキュリティ基本方針、社内規程や対応マニュアルの見直し、平田機工グループの役員や従業員への教育、サイバー攻撃を想定した訓練、およびマルウェア感染対策の強化等を実施しています。万が一、マルウェア感染などの情報セキュリティインシデントが発生したとしても、迅速で適切な対応ができるようマニュアルを整備しています。
また、平田機工では、情報セキュリティ統括責任者を委員長とする情報セキュリティ委員会にて情報セキュリティ管理を推進する体制を構築し、定期的なアセスメントを通して、情報セキュリティ管理レベルの維持・向上に努めています。
(5)環境規制および気候変動に係るリスク
平田機工は、製品の省電力化を通し、設備稼働時のCO2排出量の削減を実現させるなど、環境に配慮した製品開発をおこなうとともに、品質や環境についても国際標準化機構が定める管理基準に基づいた生産活動をおこなっており、環境法令を遵守し汚染物質の漏洩防止や廃棄物の減量等、環境負荷の低減に努めております。
しかし、気候変動をはじめとした地球環境問題等による各国の環境規制強化等に適切に対応できなかった場合には、多額の費用負担の発生および企業イメージの悪化により、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。また、平田機工が排出した有害物質等によって想定外の環境問題が発生してしまった場合、多額の損害賠償責任の発生および企業イメージの悪化により、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。一方で、気候変動に対する環境規制強化等に伴い、顧客の工場で電動化と自動化が進み、工場・設備の生産性向上および省エネ性能を高める製品需要増加等の機会も想定されます。
平田機工は独自に定めた環境方針のもと、経営者、環境管理責任者をトップとした環境マネジメントシステム(EMS)推進体制を構築しております。この体制の下、環境負荷の把握・低減を進めるべく、地球温暖化対策、資源の有効活用、化学物質管理等について目標を定め、それぞれの目標に沿ってエネルギー投入量、水資源投入量、PRTR法対象物質使用量、CO2排出量、産業廃棄物排出量等の環境負荷を測定し、平田機工ウェブサイトにも結果を掲載しております。
なお、EUの有害物質規制であるRoHS指令、REACH規則などの国内外の化学物質関連法規制に対応するため、製品に含まれる化学物質の管理強化を進めております。
また、平田機工および子会社タイヘイテクノス株式会社においては、敷地内にそれぞれ1,000kw以上の電力容量を持ついわゆるメガソーラーと呼ばれる規模の太陽光発電システムを設置しており、環境負荷低減などの面から社会に貢献しております。
なお、中長期的な気候変動に対する対策については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(6)為替相場変動によるリスク
平田機工は、海外企業との取引に際し、契約条件によっては米ドルもしくは現地通貨にて会計処理をおこなう場合があり、その結果、円換算時の為替レートにより、為替差損益が発生する場合があり、為替相場の変動が平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工では、海外の顧客との取引開始時点において円貨での取引を提案し、為替相場変動によるリスク回避に努めており、円貨での取引ができない場合には受注時点で為替予約等によるリスクヘッジの取組みをおこなっております。
(7)海外での事業活動に係るリスク
平田機工グループは、北米、欧州、アジアに子会社を置き、世界的な事業展開を推進しております。これらの子会社では、現地国の政治動向の急激な変化、地政学的要因、予想しない法律または規制の変更、テロ・紛争、感染症等による社会的混乱等の影響を受ける可能性があり、その結果、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工グループでは、定期的に、また必要に応じて平田機工と国内外の子会社との間で情報交換をおこない、各社の経営状況の他、周辺環境の変化等についても積極的に情報の共有を図り、問題の早期把握と対応に注力しております。
(8)災害等に係るリスク
それぞれの事業拠点において大規模な災害等が発生した場合には、工場設備や情報機器の損壊、電力・水道等インフラの停止、物流網の寸断等により事業活動の停止を余儀なくされる可能性があり、その場合、平田機工グループの業績および財務状態に影響をおよぼす可能性があります。
平田機工では、予期せぬ災害や大規模な事故発生等の問題が事業の継続を危うくするような事態を避けるために、事前に想定されるリスクを抽出し、そのリスクの防止、防衛、低減を図ることで事業継続、さらに顧客への影響を緩和するとともに短期間での事業回復を図るため、いわゆるBCP(事業継続計画)を設定し、災害等への対応に備えております。
BCP方針に基づき、平常時には、各種訓練や点検、教育等を定期的に実施することで各々の取り組みの有効性を確認しており、状況に合わせて適時マニュアル等を改訂する体制を構築しております。また、備蓄品の保管等をおこなうことで有事に備えております。災害等発生時には、モバイル機器等で即時に社員の安否確認がおこなえるシステムを導入しており、また、対策本部の設置、緊急連絡等がおこなえる体制を整備しております。
新たな感染症の急拡大が生じた場合には、BCP対策本部を立ち上げ、コロナ禍のノウハウを活かした感染防止対策に取り組んでまいります。
(9)財務制限条項に係るリスク
平田機工は2024年3月末日現在、多通貨での借入および海外関係会社の安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額45億円のグローバル・コミットメントラインの契約を締結しております。2024年3月末日の実行残高は10億42百万円であります。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①国内借入人に関し、当事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、
(i)2023年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額、または(ⅱ)直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の70%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
②国内借入人に関し、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
また、平田機工は2024年3月末日現在、多通貨での安定した資金調達を目的として、銀行1行との間に総貸付極度額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。2024年3月末日の実行残高はありません。
同契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
さらに、平田機工は2024年3月末日現在、資金調達の安定性を高めることを目的として、銀行2行を貸付人として、それぞれ総貸付極度額10億円と20億円のコミットメントライン契約を締結しております。2024年3月末日の実行残高はそれぞれ10億円と12億円であります。
上記の2つの契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入人は、当事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を、直前の事業年度末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額の70%以上に維持すること。
②借入人は、連結損益計算書において、営業損益を2期連続して損失としないこと。
平田機工が仮に上記のコミットメントライン契約およびグローバル・コミットメントライン契約の制限条項に抵触し、上記の契約による融資を受けられなくなった場合でも、同契約以外での融資を受けられる環境にあり、ただちに資金繰りが逼迫する事態となる可能性は低いと考えております。しかし、資金運用の効率性や、資金的な緊急事態の発生可能性を考慮すれば、上記の契約による融資は重要であり、それが受けられなくなった場合、平田機工グループの財務状態に影響をおよぼす可能性があります。平田機工グループの事業展開において、海外関係会社の安定した資金調達のためにはグローバル・コミットメントラインの契約は重要であり、財務制限条項に抵触する事態が発生しないよう、更なる営業利益の確保、財務体質の強化を図ってまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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