ユニオンツールグループは、ユニオンツール(ユニオンツール株式会社)および8社の連結子会社等により構成されております。産業用切削工具を主力とし、PCB工具(主にプリント基板用ドリル)の製造・販売を中心に事業を展開しております。ユニオンツールグループの事業内容および各社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。「日本」、「アジア」、「北米」および「欧州」の各セグメントで、以下の製品の製造・販売を行なっております。
ユニオンツールは日本、子会社台湾佑能工具股份有限公司、佑能工具(上海)有限公司および東莞佑能工具有限公司はアジアで製造・販売しており、子会社U.S. UNION TOOL,INC.は北米、UNION TOOL EUROPE S.A.は欧州、UNION TOOL HONG KONG LTD.、UNION TOOL SINGAPORE PTE LTD.およびUNION TOOL (THAILAND) CO., LTD.はアジアで販売しております。
作業工程の一部については、関連会社㈱大善に委託加工させており、再研磨作業等については、子会社ユニオンエンジニアリング㈱に委託加工させております。
ユニオンツールは日本、子会社東莞佑能工具有限公司はアジアで製造・販売するほか、子会社台湾佑能工具股份有限公司、佑能工具(上海)有限公司はアジア、U.S. UNION TOOL,INC.は北米、UNION TOOL EUROPE S.A.は欧州、UNION TOOL HONG KONG LTD.、UNION TOOL SINGAPORE PTE LTD.およびUNION TOOL (THAILAND) CO., LTD.はアジアで販売しております。
機械部品につきましては、関連会社㈱大善に委託加工させております。
事業系統図
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、ユニオンツールグループが判断したものであります。
(1)経営方針
ユニオンツールグループは「優れた製品を供給して社会に貢献する」ことを社是とし、「会社と社員の永遠の繁栄をはかる」ことを行動の基本方針としています。このような考え方を大切にし、主に産業用切削工具の分野で地道な努力を続けてまいりました。今日では、プリント配線板用超硬ドリル(PCBドリル)分野において世界のリーディングカンパニーとなっています。
今後とも「モノ造り」に専心し、高品質、高レベルな製品・サービスを柔軟に適時に提供することで、グローバルな市場の中、価値ある企業であり続けたいと願っております。
(2)目標とする経営指標
ユニオンツールグループは、売上高や営業利益などの絶対額と売上高営業利益率を重要な経営指標としており、各項目の着実な向上を目標としております。
(3)経営環境
ユニオンツールグループは前述のとおり、産業用切削工具、とりわけPCBドリルを主力製品としておりますが、これらは電子機器業界および自動車業界の影響を受けています。両分野とも今後の技術革新により更なる拡大が期待される業界であり、ユニオンツールグループ製品に対する需要も増加するものと思っております。技術革新は、より高付加価値な産業用切削工具を求め、切削性・耐久性のレベルアップはもとより、それらのバランスも必要としています。ユニオンツールグループは切削工具を製造する設備自体を自社で開発・製造しており、60年以上のノウハウをこの自社設備に集約させ、お客様の望む各種の品質要求を満たしてまいりました。この「技術に技術を上乗せ」していくノウハウの蓄積が、競合他社に対しての優位性を確固たるものとし、今後とも時代要請である技術向上の下支えに貢献していけるものと思っております。
インフレの進行、金利上昇による景気減速、中国経済の鈍化、急激な為替変動、地政学的リスクといった不確実性の高い状況が懸念され、ユニオンツールグループをめぐる事業環境はますます混迷を深めています。資源価格の上昇、部材不足によるコスト上昇の事例も出ている反面、生産品目の違い、生産の高度化、産出量の拡大など求められるものが地区ごとに異なるものとなっております。きめ細かくもスピード感を持った事業運営が必要とされています。このような難しい環境ですが、ユニオンツールグループは、一体となった戦略展開を大事にしつつ、拠点独自の特性を生かした活動を続けてまいります。
(4)対処すべき課題
1.ユニオンツールグループ製品の付加価値向上と生産設備内製化技術の向上
電子部品や電子機器向けの技術進化は耐熱性と供給量の向上を求めています。耐熱性強化の動きはプリント配線板などを硬くし厚くする傾向にあり、ユニオンツール切削工具に対しては、切れ味の鋭さと高寿命を求めています。この課題に対処するため、ユニオンツールは業界に先駆けてコーティング製品の市場投入を進めており、これらの更なる開発と生産設備内製化の強みを活かした高効率な生産体制を展開してまいります。
2.海外拠点の生産・物流面での強固な連携と拠点ごとの営業戦略確立および遂行
米中貿易摩擦の長期化などから生産・物流面での停滞が見られます。さらに、国際情勢の緊張感の高まりや世界経済の大きな転換も感じられるようになり、事業環境の先行き不透明感が高まる状況になっています。ユニオンツールグループは、高付加価値の産業用切削工具をグローバルに展開していく中で、各拠点の需要動向の変化や独自の進化にきめ細かく対応していかなければならなくなってきています。今後とも海外拠点との連携を強化し、個別事情の収集と独自の営業戦略の構築・実践、さらにグループ全体の調和を確保するための統制の強化を果たしてまいりたいと思っております。
3.産業用切削工具分野で培ったノウハウとブランド力の更なる向上とこれらを活かした次世代製品の投入強化
当連結会計年度における産業用切削工具の全売上高に占める割合は約9割、そのうちPCBドリルで約7割を占めています。PCBドリルの競争優位性や世界のお客様から寄せられるユニオンツールグループへの期待は一層高まっていくものと思っております。産業用切削工具は常に最先端技術を必要とする分野になりますので、これまで培ったノウハウを更に向上させ、次世代製品への投入強化につなげていきたいと考えております。
4.サステナブルな意識など社会的要請事項への対応推進
企業を取り巻く社会からの要請事項に応えていくことが、ユニオンツールが掲げる「会社と社員の永遠の繁栄」達成のために必要だと考えております。2022年7月においては、この考え方を広く社内外で共有するため「サステナビリティ基本方針」を作成・公表しました。同時期に、取締役会のもと「サステナビリティ委員会」を設置し、広範な社会的要請事項について検討を始めており、より専門性が必要とされる3つの分野(環境、社会、企業統治)について部会を設置し効率的に成果をあげる活動を進めています。今後このような考え方や推進体制を積極的に活用し、ユニオンツールへの社会的要請事項の対応強化を図ってまいります。当事業年度における委員会や部会の主な活動については「第2 事業の状況」の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しておりますので、ご確認ください。また、ユニオンツールホームページ「https://www.uniontool.co.jp/sustainability/」に関連情報を掲載しておりますので、詳細はそちらをご覧ください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ユニオンツールグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応を迅速かつ効果的に実施する所存であります。なお、本文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在においてユニオンツールグループが判断したものであります。
①製造業の生産動向
ユニオンツールグループの主な製品は、プリント配線板用超硬ドリル(PCBドリル)や超硬エンドミルなどの産業用切削工具とその他製品である転造ダイス・測定機器などであります。このため、経営成績等は、製造業全般の生産動向や工場稼働率の動向により影響を受けています。
生産動向の強弱を決める要因は、消費者の嗜好変化、政治経済動向、燃料価格の上昇や部材不足などの生産側の問題、大規模自然災害等多岐にわたります。ユニオンツールグループは、どんな緊急時でも完全にストップする可能性が少ない消耗工具での事業展開に注力することで一定の業績を確保してまいりました。また、需要の急激な変化が常態であるとの認識を共有し、製販一体となった需要動向の精査と予測精度の向上を果たしつつ、見込生産を実施しております。その他、流通分を含めた在庫把握体制の強化やリードタイムの短縮に注力しております。
②PCBドリルへの依存体質
ユニオンツールグループの売上高の約7割がPCBドリルになっており、今後しばらくはこうした状況が続くものと予測されます。このため、同製品の主要市場であるプリント配線板市場の生産動向に、ユニオンツールグループの経営成績等は影響を受けています。近年、プリント配線板は高品質・高密度傾向が強く、その用途も拡大している分野で、お客様の要求もめまぐるしく変化し、多岐にわたっています。
ユニオンツールグループは、PCBドリル分野で唯一世界展開を果たしている企業グループであり、生産設備の内製化(製造業の自由度を圧倒的に高めることができると考えております。)という特色を持っています。世界からの情報と内製技術の蓄積により高付加価値製品の一早い開発・製造が可能になっており、このような体制を強化することで競合他社に対する競争優位性を保てるものと思っております。
また、プリント配線板には、近年、技術革新が起こっています。このため予測し難いことではありますが、プリント配線板の技術開発動向も経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
技術革新要求は一定の地域で起きており、また、その要求を満たすための新技術・新製品はこれまでの技術の積重ねによって生み出されるものであることから、現在トップメーカーの地位にあるユニオンツールが突然厳しい立場になることはないと考えておりますが、業績の更なる安定のために対象市場が異なる超硬エンドミルや転造ダイス製品の拡大にも注力しています。
③日本を含むアジア向け売上高が高いこと
連結売上高の約9割が、日本を含むアジア向けとなっています。世界的にこの地区への製造業シフトが見られ、このような傾向は止むをえないものと考えております。このような状況から、この地区での政治的・経済的・社会的変化や法規制等の変更および天変地異の発生などにより、ユニオンツールグループの経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
当連結会計年度においては、西側諸国と中国・ロシアの対立など複数の地政学リスクが顕在化し、特にユニオンツールグループに関連深い東アジアでの動きがめまぐるしく変化していました。この変化の後も不透明感が高い状況にありますが、短期的な業績のブレは懸念されるものの、中期的にはアジア地区からの需要の拡大が期待されています。
④製品価格の下落傾向があること
プリント配線板は電子部品の電気的導通のベースとなるものであり、電子機器製品に必ず搭載されています。電子機器製品の本体価格は恒常的に低下する傾向にあり、搭載の各種部品・半導体等も同様の傾向にあります。このような状況下、主力のPCBドリルに対しても厳しい値下げ圧力がかかっています。ユニオンツールグループは、品質・技術・サポート体制・供給力の強化を図り、少しでも価格競争による影響を回避すべく努力しておりますが、製品価格の下落がユニオンツール経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記②においてユニオンツールグループ製品の高付加価値新製品に対する期待の高まりがあることを記載していますが、業界全般の価格推移に対する抵抗力が発揮できる地合いが出てきているものと思っています。今後とも価格下落圧力に対応できる新製品の開発・投入を進めてまいりたいと思っています。
⑤原材料価格動向
ユニオンツールグループ製品の主要原材料は超硬合金「タングステンカーバイド」であり、タングステン鉱石の市場価格変動の影響を受け調達価格が変動します。ユニオンツールグループは、高まる製品供給責任を重く受けとめ、安定した材料調達努力を続けておりますが、急激な需要増、供給量の低下など原材料価格の高騰があった場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。ユニオンツールグループは、原材料の一括購入、リサイクル材の活用および新材料の採用の試みなどを引続き強化してまいります。
⑥製造ノウハウ等が一つの拠点に集中していること
自社製機械設備製造の大部分および技術開発の大部分が、新潟県長岡市の長岡工場に集中しています。製造・技術一体となった効率高い生産設備の開発、最先端技術製品の市場に先んじての投入など、集中させているメリットは十分にあると考えていますが、同地区の地理的環境や物流網への変化・支障が生じた場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
近年、異常気象の発生や記録的大雪などが各所で問題になっていますが、新潟県長岡市は、同市独自の「消雪パイプ」道路網の整備が完了しているなど自然災害への備えが進んでいる地区であります。ユニオンツール長岡工場でも大雨による水害対策の整備に乗り出しており、備えを厚くしています。
⑦為替レートの変動について
外貨建売上高と海外子会社の現地通貨建決算書類の連結において、為替レートによる円換算を行います。急激な為替レート変動などがあった場合、ユニオンツールグループの経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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