日本エアーテック(6291)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 日本エアーテックグループは、日本エアーテック及び関連会社1社で構成され、半導体・電子工業分野及びバイオロジカル分野を主な需要先とした、クリーンエアーシステムの企画、製造、サービス等の総合技術の販売という単一セグメントに属する事業を営んでおります。 事業内容及び日本エアーテックと関連会社との関係は次のとおりであります。会社名事業内容蘇州安泰空気技術有限公司(中国)日本エアーテックよりクリーンエアーシステムの技術供与をうけ、クリーンエアー機器の製造販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 日本エアーテックグループにおける主要製品は次のとおりであります。 なお、事業の内容を系統的に分かりやすく説明するための事業部門等の区分が困難なため、事業部門等による区分は明示しておりません。品目区分主要製品クリーンルームパネル式クリーンルーム 内装材クリーンルーム機器エアーシャワー クリーンエアーオーブン パスボックス クリーン保管庫エアーカーテン フィルターユニット SS-エアーシャワー食品用エアーシャワー パッケージ式クリーンユニット保冷庫用エアーカーテン クリーンハンドドライヤー クリーン手洗乾燥機クリーンブースアルミ製クリーンブース 鋼板製クリーンブースSS-MAC EC-MAC サーマルクリーンチャンバーSS-クリーンブースクリーンベンチ標準クリーンベンチ 簡易クリーンベンチ 卓上クリーンベンチSS-クリーンベンチバイオロジカリー機器バイオクリーンベンチ 無菌手術ユニット 安全キャビネット 無菌治療室アイソレーター 動物飼育キャビネット 吸引捕虫器(バグキーパー)クリーンパーティション据付・保守サービス機器搬入据付 保守サービス 空気清浄機器部品 HEPAフィルターその他の製品ドラフトチャンバー クリーンクリーニング(注) アスベスト対策機器クリーンサプライ商品無塵衣 ワイパー クリーンペーパー 防護服 マスク(注)クリーンクリーニングは2025年12月19日をもって事業を終了しました。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 日本エアーテックの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において日本エアーテックが判断したものであります。 (1)経営方針 日本エアーテックは、2022年12月に制定した「きれいな空気で、未来を支える。」とのパーパスのもと、日本エアーテックのクリーンエアーシステム技術は自らの研究・実験に基づくことを主とし、創業以来蓄積された技術力により顧客ニーズに合致した製品を連続的に創造する専業メーカーとして、収益性を維持しつつ企業規模の拡大を図ります。従業員の創造性を第一とし自主性を重んじております。また、ESG・SDGs関連施策に取組み環境側面・社会側面の双方から持続可能な社会と日本エアーテックの持続的成長の実現を目指し、情報開示を充実させ企業価値を継続的に向上させてまいります。 (2)経営戦略等 日本エアーテックは、クリーンエアーシステムの専業メーカーとして、半導体・電子工業分野及びバイオロジカル分野の双方に多数の製品及び設計・施工技術を有しております。現在、微粒子・菌・ウイルス等を必要とされるレベルまで除去又は制御する設備機器は、分野を問わず幅広く導入されており今後益々その需要と必要分野は拡大しております。 そのような状況において日本エアーテックでは2024年度から2028年度における中期経営方針を以下のように定めております。 方針1は、標準・準標準品の売上比率の向上であります。2028年までの目標を60%から80%に引き上げました。従来は45%前後でありましたが、2025年度は43%であり目標とは開きが有ります。省エネルギー性能を特徴として、標準的な製品の売上拡大に取組んでまいります。 方針2は、差別化であります。単なる価格競争に陥らないよう競合他社との差別化をハード面、ソフト面共に創造性を追求することにより脱価格競争に取組み、ブランド価値の向上も図っております。 方針3は、グローバル化であります。東南アジアの各提携会社との連携強化を図り、その後欧米への展開を目標としております。 方針4は、新市場進出への積極的な取組みであります。クリーンエアーシステム(空気清浄化)を必要とする市場が電子分野・バイオロジカル分野共に年々拡大中ですので、B to Bを原則とし各方面の代理店と関係を深め、拡販してまいります。 方針5は、株主還元及び配当に関する基本方針の変更であります。従来は配当性向30%を基本としておりましたが、株主還元を重要課題と捉え、PBRの向上を視野に本計画期間中の総還元性向を65%以上といたしました。2025年度は配当を1株当たり55円とし自己株式取得を188,400株実施した結果、総還元性向は68.9%となりました。 方針6は、サステナビリティ経営への取組みであります。「きれいな空気で、未来を支える。」とのパーパスのもと、各種産業及び技術開発に必要なクリーンエアーシステム技術やノウハウを生かした事業活動によって、環境、従業員、取引先、社会、株主・投資家に関する社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会と日本エアーテックの持続的成長の実現を目指すものです。さらに、2024年12月には「ありたい姿」を策定し、人的資本向上への注力及び人材育成と環境整備を実施すると共に、SDGs の各目標への具体的な貢献及び温室効果ガス削減に取組んでおります。 (3)経営環境 当事業年度における我が国の経済は、堅調な企業業績を背景とした積極的な設備投資及び雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により景気は緩やかな回復基調を維持しております。一方で、中東及びウクライナ情勢や米国の通商政策、対中関係の悪化等による地政学的リスクの高まり、物価や人件費高騰に伴う影響等が懸念され、先行き不透明な状況が継続しております。 日本エアーテックにおける事業環境は、世界的にAIに使用される半導体の需要増加に対応し半導体分野への国内外投資が継続しており、全体として半導体関連の製造装置及び材料・電子部品産業におけるクリーンエアーシステムの設備投資が継続しております。また、自動車産業においても継続して車載用蓄電池関連の設備投資が継続しました。一方、バイオロジカル分野においては、超高齢化が進む国内にて健康寿命を高めるための製薬・再生医療関連の投資は堅調に推移しており、研究用及び再生医療用クリーンルームの他、医薬品製造工場における設備投資が堅調でした。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 日本エアーテックは2024年11月13日に開示しました「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた日本エアーテックの対応について」に記載のとおり、事業成長と収益性の向上を図る各種方策に取組み、ROE、PER双方の改善によりPBR向上を目指しております。中期経営計画(最終年度 2028年12月期)を推進し、その結果としてROE7%以上とすることを目標としております。その施策の一環として、2024年11月13日開催の取締役会決議に基づき、2025年1月1日から同年3月31日までに日本エアーテック普通株式を33,100株、取得金額35百万円にて自己株式の取得を実施し、2025年11月14日開催の取締役会決議に基づき、同年11月17日から同年12月30日までに、同155,300株、同194百万円にて自己株式を取得しました。また、2025年3月27日の発行決議による取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式報酬及び従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとして、各々同年4月25日に7,000株及び同年6月20日に14,820株の自己株式を処分しました。総還元性向は、2025年度の配当金総額5億49百万円(1株当たり55円)を加え、68.9%となりました。今後とも中期経営計画期間(最終年度 2028年12月期)中は、総還元性向目標値の65%以上を維持する方針です。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 日本エアーテックの継続的な成長への戦略は、以下の3点です。① 継続成長が見込まれる半導体を主とした電子工業分野需要の取込み。② CO2削減を目指すEV等への投資及び省エネルギー化推進需要の取込み。③ 顧客ニーズを捉えた潜在的需要の開拓(フィルター交換、定期検査等)。具体的には、市場に必要とされる新製品の開発に注力するとともに、生産性の向上やサービス業務の拡大に取組んでおります。客観的な指標として、「営業利益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置付けており、2028年12月期の「売上高」の目標180億円に対する「営業利益」については14億円(売上高比7.8%)以上を目標とし、「経常利益」については18億円(売上高比10.0%)以上を目標としております。さらに、2024年11月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた日本エアーテックの対応について」初版を公表し、2025年8月14日にアップデート版を公表しました。ROE、PER双方を改善することによりPBRの向上を目指し、中期経営計画(最終年度 2028年12月期)を推進し、その結果としてROE7%以上とすることを目標としております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において日本エアーテックが判断したものであります。 (1)事業内容及び特定の業界への依存度が高いことについて 日本エアーテックは、半導体、液晶等の電子工業分野及び医薬品工業、医療機関、食品工業等のバイオロジカル分野を対象に、空気中の汚染制御に関する機器の製造、設置、販売並びにシステムのエンジニアリングを単一セグメントに属する事業として行っております。それぞれの分野に占める割合は下表に記載のとおりであります。日本エアーテックの業績は電子工業分野及びバイオロジカル分野の国内外の設備投資動向に影響を受ける場合があります。販売分野2023年12月期2024年12月期2025年12月期売上金額構成比売上金額構成比売上金額構成比(百万円)(%)(百万円)(%)(百万円)(%)電子工業分野6,51647.76,60548.97,41652.4バイオロジカル分野5,89043.24,91236.35,22436.9そ の 他1,2399.12,00014.81,51010.7合 計13,646100.013,517100.014,151100.0 (注)「その他」は最終顧客の分野が捕捉不能な物件の売上金額及び構成比を記載しております。(2)競合について 日本エアーテック製品については、他社との競合が発生します。日本エアーテックとしては基幹部品の内製化、代理店との関係強化、効率的な資材調達や生産性の向上を図ること等で利益を確保する方針ですが、競合による日本エアーテック製品の販売価格の下落等が日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (3)品質管理・製造責任について 日本エアーテックは、クリーンエアーシステムに関してはクリーンルームからクリーンルーム機器及びクリーンサプライ商品に至るまで、幅広い製品を取扱っております。製造部門ではISO-9001による厳格な品質管理を実行し、顧客に納得して頂ける製品作りを継続しております。 しかし、装置の不具合や使用部品の不良等が原因で、顧客の生産や実験に支障をきたす等、顧客に損害が発生する可能性があります。現時点までに製造物責任及び瑕疵担保責任に関する訴訟は生じておりませんが、そのような事態が発生した場合、製品への信頼性低下や損害賠償請求等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)災害等について 地震等の自然災害や新興感染症の流行、事故、テロ等により、日本エアーテックの生産拠点や設備等が損害を受ける可能性及び営業及び生産活動が中断する可能性があります。さらに原材料等の供給不足が生じた場合、電力・物流・人の移動をはじめとする社会機能が低下した場合等には、日本エアーテックの操業が中断し売上高が減少する可能性、生産拠点等の修復又は代替のために多額な費用と時間を要する可能性があります。 (5)大口案件について 電子工業や医薬品工業の生産施設等に係る大口案件については、仕様の複雑さ、頻繁な仕様変更及び強い値下げ圧力等が予想されることから、受注に際しての可否判断から受注後の採算管理に至るまで、慎重に対応しております。 受注に際しては、過去の類似案件を調査の上、取締役が会議において、想定される仕様、受注の可否及び提出する見積り等について検討を行います。 また、受注した大口案件については、リストアップの上、取締役会において原価、工事の進捗、売上計上時期等を適宜共有しています。しかしながら、日本エアーテックの想定を超えて費用が発生し、それに見合う値上げが困難な場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (6)標準品と特殊品について 日本エアーテックは創業以来、特殊品の製造に注力してまいりました。様々な顧客からの要望に応える中で、新製品を開発し、技術力を高めてきた一方で、生産効率の低さや、不良の発生のしやすさ等が問題点として認識されてきました。 日本エアーテックでは、顧客要望に基づき頻繁に改良を実施することで標準品比率の向上を目指すと同時に、特殊品に関しては、技術向上等の観点から選別受注を行うことにより利益率の確保を目指していますが、日本エアーテックの計画どおりに標準品の比率が高まらない場合や、特殊品の受注に際して想定どおりに選別できない場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (7)協力会社について 日本エアーテック製品の製造においては、受注量の変動への柔軟な対応や効率的な人員体制の維持の観点から、適宜協力会社を活用しております。特に板金と塗装の工程については、大部分を協力会社に依頼していますが、当該工程の約1割を社内で製作することにより、原価・工数・技術を把握すると同時に、品質の維持・向上を図っております。また、協力会社に対しては、定期的に品質の確認を行い、情報の共有に努めています。さらには、内製化の増強や新規の協力会社の開拓に絶えず注力することにより、不測の事態による製造への影響の抑制を図っております。 しかしながら、資材コストの急騰や労務費の上昇、また協力工場の人手不足による生産減少等の発生により外注費が増加し、これらを製品販売価格に転嫁することが困難な場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (8)人員体制について 日本エアーテックでは、小規模な組織による効率的かつ柔軟な運営を基本として、要員計画を策定・実施しています。現在のところ、特殊品への対応のため、技術部及びサービスセンター(搬入据付、保守サービス等)では、生産量に見合った人員を確保していますが、特殊品の選択受注、標準品の販売促進、新製品の開発による市場占有率の向上及び生産性の向上等により、人員増加を抑制していく方針です。 今後、日本エアーテックの要員計画の想定を超えて特殊品の受注量が変動し、人員数に過不足が生じた場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (9)取引先の信用リスクについて 日本エアーテックの販売は、ルートセールスを基本とし、建築設備会社、装置メーカー等への直接販売する場合があります。日本エアーテックでは、与信管理を徹底することにより、不良債権の発生を極力減らしていますが、これらの販売先で急激な収益状況や財政状況の悪化等が発生し、売掛債権等の回収が困難となった場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (10) 保有資産について 保有する有価証券、不動産等について、時価の下落により減損処理が必要になった場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (11) 退職給付制度について 日本エアーテックの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場や債券市場が低迷した場合、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用の増加や追加的な年金資産の積み増し等が必要となります。このような状況となった場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (12) 施工中における人的災害及び工事災害について 工事の安全衛生や品質管理には万全を期しておりますが、施工中の災害又は事故により損害賠償等が発生する可能性があります。不測の事故に備えて保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (13) 情報セキュリティについて 自社にて利用する社内システム等においては、個人情報、顧客情報等を取り扱いますが、コンピュータウイルスの侵入や技術的、人為的な要因により情報の漏洩、破壊等を引き起こす可能性があり、これらの事象が発生した場合には、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (14) コンプライアンス、内部統制について 日本エアーテックでは、法令遵守の徹底を図り内部統制システムの強化に努めております。しかしながら、法令違反が発生したり、構築した内部統制システムが十分でなかった場合には、日本エアーテックの社会的な信用の著しい低下、法令に基づく処罰ないし、法令遵守のための追加的な費用の発生等により、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (15) 知的財産権について 日本エアーテックは、研究開発に力を入れており、知的財産権の申請取得に注力しております。しかし、申請は日本国内が主であり海外への申請は多くはありません。従って、海外において日本エアーテックの知的財産を用いて類似した製品を製造することを効果的に阻止できない可能性があります。一方、日本エアーテックが認識し得ない知的財産が存在し、日本エアーテックが当該知的財産を無断で使用した場合には、日本エアーテックが訴訟において当事者となりうる可能性があります。 これらの状況が生じた場合には、権利を侵害されたことによる損害や逸失利益、訴訟に係る費用等を通じて、日本エアーテックの業績に影響を与える可能性があります。 (16) 使用部品の調達について 日本エアーテックは、製品を構成する鋼板材・送風機・フィルター類・半導体制御基板等の電気部品及び樹脂製部品等すべての部品及び原材料を外部供給者から調達しており、採用する部品の選定や仕入先の決定は、安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により行っております。また、仕入先との長期的な信頼関係の構築、顧客への安定的な製品供給を実現するための戦略的な在庫の積み増し、部品選定において仕入先を複数にすることにより置換え可能とする等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、部品の市場需給の逼迫、仕入先の事業の統合や売却等による業界再編や生産撤退、又は事故や自然災害等の影響により供給が逼迫した場合、一定期間において日本エアーテックにおける生産の停止、販売の遅延等が生じ、日本エアーテックの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 気候変動について 気候変動は、国・地域を超えてグローバルに影響を与える問題であり、政策・技術・市場及びステークホルダーからの要請・評判等の「移行リスク」及び極端な気温変化や大雨等の異常気象に伴う「物理的リスク」が想定されます。このようなリスクに対して、迅速な事業再開及び被害の最小化を図るため事業継続マネジメント(BCP)の構築に取組んでおりますが、それらのリスクの顕在化により日本エアーテックの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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