東京機械製作所グループ(東京機械製作所及び東京機械製作所の関係会社)は、東京機械製作所および連結子会社㈱KKSの計2社で構成されており、印刷機械とこれを制御するプレスコントロールシステムの製造販売を主な内容とするほか、各事業に関連するサービスを行っております。
また、その他の関係会社として、㈱読売新聞東京本社および㈱読売新聞東京本社の親会社である㈱読売新聞グループ本社があります。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
東京機械製作所は創業以来、輪転機及び工作機械の製造会社として長い伝統のもとで真の物づくりに邁進してきたことで、内外の一流のお客様に恵まれ、今日の基礎を築き上げてまいりました。
しかし近年はインターネットの普及に伴う新聞発行部数の減少による市場縮小・需要減により、極めて厳しい経営環境を迎えております。
東京機械製作所は、経営方針として以下を掲げ、株主の皆様をはじめ東京機械製作所グループに信頼をお寄せ頂いている方々の期待にお応えしてまいります。
・新聞社との親密感ではなく、顧客満足を追求して対価を得る経営を行う
・主要な機関投資家と定期的に議論を行い、ガバナンス体制を強化する
・自社の強みを再定義し、足りない力は外部に求め、良い製品・サービスを創る
・組織を集約化し、各人が仕事の領域を広げ、グループ全体の利益を追求する
・グループ内各社が対等な関係に立ち、互いの良いところを融合させ、シナジーを創る
・痛みの伴う構造改革を断行し、収益体質を構築し、長期的に公共社会へ貢献する
東京機械製作所は、2022年1月14日に『TKSグループ中期経営計画』を策定し、「顧客の課題に向き合い、柔軟なカスタマイズ力により新たな価値を創造し、課題解決をサポートする」を経営理念として掲げております。
また、中期経営計画において2027年3月期の売上高100億円、営業利益7億円~8億円、ROE6~8%を経営目標数値としております。
中期経営計画の達成に向けて、以下の項目を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。
1. 財務戦略
バランスシートの構造改革(運用勘定、調達勘定)を進め、効率的な財務戦略を進めてまいります。
(1)新規事業の投資資本の確保(運用勘定の改革)
東京機械製作所の主力事業である輪転機事業は、新台の受注から納品までの期間が長く、売掛債権の回収までに時間がかかる場合があります。これにより、新規事業開発の投資資金が不足する課題が生じることがあります。そこで、支払い条件を重視した受注判断を行い、資金回収が早い保守・メンテナンスに人員リソースを注力することで、新規事業に向けた設備投資を実施し、投資資金の不足を解決してまいります。
(2)グループCMSの導入(調達勘定の改革)
東京機械製作所は、グループ各社が金融機関から個別に資金調達を行っていた体制を見直し、窓口を東京機械製作所に一元化し、グループ各社の資金調達をコントロールすることで効率的な資金融通を図ることを検討しております。現在、借り入れはなく、事業展開には自己資金を活用しています。これにより、金利や返済負担を抑え、経営の自律性や安定性を高めています。
2. 事業戦略
「輪転機事業」と「新規事業」、それを支える「ICTプラットフォーム事業」の3区分で事業を再構築し、事業構造を複線化します。
(1)輪転機事業
現在、新聞の製作に必要な諸資材の高騰や物流費用の増大などにより、新聞の製造コストは上昇しており、新聞業界にとって大きな経営課題となっています。東京機械製作所は、このような新聞業界の構造の変化に対応するため、「次世代型標準輪転機COLOR TOP ECOWIDE Ⅲ」の開発を決定しました。新型輪転機は、東京機械製作所が100年以上にわたり築き上げた輪転機製造のノウハウを活かしつつ、従来のメーカー主導ではなく、日々輪転機を使用されているユーザーの意見を積極的に取り入れることを目指しています。東京機械製作所製輪転機を使用されている新聞社様にも、新型輪転機開発プロジェクトにご参加いただき、基本仕様、機能、使用部品の見直しを含む全面的な改善を図り、コストを抑えつつも印刷品質を維持し、新しい時代のニーズに合った輪転機の開発を進めてまいります。
(2)新規事業
FA(Factory Automation)事業では、これまで屋外や雨天、悪路での走行が可能な全天候型のAGV(無人搬送車)などを開発し、工場や倉庫などの物流業務における省人化や効率化の需要に応えてまいりましたが、更なるニーズに対応するために、人と協働する「ロボットアーム搭載型AGV」と、最大500kgの重量物を牽引しながら段差走行が可能な「牽引型AGV」を開発しました。これらのAGVは、本年9月に開催予定の『国際物流総合展2024』でお披露目する予定です。さらに、最大積載重量が2トンにアップした新型AGVや、自律走行清掃ロボットなども展示を予定しております。FA事業は「人にもっと近く、人と機械が共存する未来を実現」をコンセプトに、常に最新の技術と製品を提供し、お客さまのニーズにお応えしてまいります。今後も、より進化したAGVやロボット技術を通じて、産業界における省人化と生産性の向上に貢献してまいります。
加工組立事業は、東京機械製作所ウェブサイトの「加工組立事業 進捗状況」に記載されているとおり、電池製造機械向けの加工・組立だけでなく、プラント関係の部品製造ならびに加工も積極的に受注しております。このように新しい市場での存在感を高めると同時に、信頼性の向上にも努めております。東京機械製作所の加工組立事業は、お客さまからも大変高い評価をいただいており、引き続き更なる事業の拡大に向け取り組んでまいります。
(3)ICTプラットフォーム事業
ICTプラットフォーム事業では、機械制御技術を駆使して輪転機事業およびFA事業の付加価値を高める取り組みを進めています。一例として、新聞印刷プロセスを最適化し、作業効率の向上に貢献する輪転機を提供することや、AGVの制御システムを開発し、より安全で高精度な動作を実現することを目指しております。
3. 組織戦略(持続的成長に向けたガバナンス体制の強化、サステナビリティ経営の実践)
過去の経営の問題に対して真摯に向き合い、痛みの伴う構造改革を断行し、収益体質を構築し、長期的に公共社会へ貢献してまいります。その実現に向けて、ガバナンス体制の強化、サステナビリティ経営の実践に向けた各施策を実施してまいります。
(1)取締役会の独立性・多様性の確保
東京機械製作所は、中期経営計画の実現に向けて、経営陣の多様性の確保も重要な課題であると認識しています。そのため、2024年6月26日開催の第167回定時株主総会において、再任の6名のほかに、新たに女性社外取締役1名を加えた取締役7名の選任議案を承認いただきました。東京機械製作所は、経営陣に様々なバックグラウンドや経験を持つ人材を加えることで、会社の経営戦略や意思決定において幅広い視点や専門的な判断を行うための体制を構築できるものと考えております。
(2)株主との継続的な対話
東京機械製作所経営陣は、中長期に東京機械製作所株式を保有する機関投資家株主と定期的な対話を行っています。この対話では、中期経営計画の内容や進捗状況、ガバナンス体制について話し合い、企業価値の向上や持続可能な成長を目指す取り組みを進めています。
(3)サステナビリティ経営の実践
東京機械製作所は、コーポレートガバナンス・コードの趣旨に基づき、他社に先駆けて65歳定年制度を導入しています。これにより、従業員が長期間にわたって経験と知識を活かせる環境を整備し、持続可能なキャリアを構築できるよう支援しています。働きやすい環境を整えることは、従業員のモチベーションの向上や生産性の向上に良好な影響を与えると考えており、今後も積極的に労働環境の改善に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。東京機械製作所グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。ただし、将来の業績や財政状態に影響を与えるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(新聞輪転機市場について)
東京機械製作所グループが主として事業を展開している新聞業界は、インターネットの普及に伴い、新聞購読者数の減少及び広告収入が減少しており、新聞社の設備投資に対する慎重な姿勢が続いていることから、新聞用オフセット輪転機の市場は縮小傾向にあります。
新聞用オフセット輪転機の市場の縮小傾向は、東京機械製作所グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(売上構成)
東京機械製作所グループの売上高は国内外新聞社を中核とした受注生産により構成されております。
個々の契約が巨額に及ぶことがあり、顧客の設備投資の決定、納期により年度毎の売上高に影響を与え、東京機械製作所グループの財政状況および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(為替レートの変動について)
東京機械製作所グループの事業にはアメリカ、アジア等、海外における販売が含まれております。
現地通貨建の契約は、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
受注、納入、代金回収まで1年を超える長期契約があるため、為替レートの変動は東京機械製作所グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一般に他の通貨に対する円高は東京機械製作所グループに悪影響をもたらします。
当連結会計年度は3百万円の為替差益の計上となりました。
(海外受注案件について)
東京機械製作所は、アメリカやアジアなど海外市場へ販売を行っております。海外の新聞社より大型案件を受注した場合、海外売上高比率が上昇します。
海外受注案件は、顧客が東京機械製作所製品を設置する工場建設の遅延などによる納期延期など、据付検収が予定外に遅延することがあります。
(新規事業について)
東京機械製作所グループは、新規事業として、FA事業へ注力しております。新聞印刷工場向け製品で培った技術を応用した、製造業や物流業向けのAGVを生産・販売しておりますが、FA市場は発展途上かつ競合の多い市場であり、技術革新に対応するための開発と研究への投資が不可欠であることから、東京機械製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(投資有価証券の評価損について)
東京機械製作所グループは、投資有価証券を保有しており、株式相場の下落、発行会社の業績悪化等により評価損が発生する場合があり、東京機械製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(感染症拡大について)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、東京機械製作所グループの国内外の取引先への営業活動の延期や工事の延期などの影響が生じておりましたが、法律上の5類移行に伴い経済活動は活発化しており、状況は解消されておりますが、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症が拡大した場合、工場の操業停止、営業活動及び工事の延期により、東京機械製作所グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(人材確保・育成について)
東京機械製作所グループは、公共性の高い新聞発行事業を支える社会インフラを持続的に提供するため、人材の確保・育成が重要であることを認識しており、従業員の雇用環境整備に取り組んでおりますが、技術の継承や人材の確保ができない場合、東京機械製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー