小森コーポレーショングループは小森コーポレーション、子会社25社で構成され印刷機械の製造販売を主な内容とし、さらに事業に関連する資材・機材の供給及び不動産管理等のサービスを行っております。
生産体制は日本を中心に欧州及び中華圏並びに北米で行う体制になっており、販売体制は、海外の重要販売拠点に子会社を展開してグローバルな体制になっております。海外の重要販売拠点となっている海外子会社はそれぞれ独立した経営単位で、各地域での包括的な販売戦略を立案し、事業活動を展開しております。
各セグメントの事業内容は以下のとおりです。
(1) 報告セグメント「日本」は、一部の製品を除き小森コーポレーショングループの製品の大部分を生産しており、国内、中南米、及び中華圏の一部を除くアジアや海外証券印刷機の販売が含まれます。
a. 小森コーポレーションは株式会社小森マシナリーより小型印刷機械を仕入、販売しております。
b. 小森コーポレーションは印刷機械を構成するインク供給、給紙、排紙、折機、電気機器等の各部分機器、及び機械を構成する部分品、並びに事業関連サービスを株式会社小森マシナリー、株式会社小森興産、株式会社小森エンジニアリングの各社から仕入れております。
c. 株式会社セリアコーポレーション及び株式会社セリアエンジニアリングは印刷機械その他印刷資機材を製造、仕入、販売しております。
(2) 報告セグメント「北米」は、主としてアメリカ合衆国での販売が含まれます。
a. 小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の一部を、主としてアメリカ地区において、Komori America Corporationが販売しております。
(3) 報告セグメント「欧州」は、主として西欧、東欧、中東地域での販売が含まれます。また、紙器印刷機械の製造販売をしておりますKomori-Chambon S.A.S.グループ及び印刷後加工機製造販売会社のMBO Postpress Solutions GmbHグループが当セグメントに含まれております。
a. 小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の一部を、主としてヨーロッパ地区において、Komori International(Europe) B.V.及び同社を経由して、Komori Italia S.r.l.、Komori U.K. Limited、Komori France S.A.S.が販売しております。
b. Komori-Chambon S.A.S.グループは紙器印刷機械を製造販売する他、グループ各社を通じて販売することがあります。
c. MBO Postpress Solutions GmbHグループは、印刷後加工機を製造販売する他、グループ各社を通じて販売することがあります。
(4) 報告セグメント「中華圏」は、主として中国の一部、香港、台湾地域での販売が含まれます。また、印刷機械及び印刷機械関連装置の製造販売をしております小森机械(南通)有限公司が当セグメントに含まれております。
a. 小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の一部を、主として中国の一部地域及び香港において小森香港有限公司及び小森(深圳)印刷技術有限公司が販売しております。
b. 小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の一部を、台湾地域において小森台湾股份有限公司が販売しております。
c. 小森机械(南通)有限公司は印刷機械及び印刷機械関連装置を製造販売しております。
(5) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
a. 主としてアセアン地域において、Komori Southeast Asia Pte. Ltd.及びKomori Malaysia Sdn.Bhd.が小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の販売及びサービスの支援をしております。
b. 小森コーポレーションが製造販売する印刷機械の一部を、主としてインドにおいて、Komori India Private Limitedが販売しております。
事業の系統図は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、小森コーポレーショングループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
小森コーポレーショングループは、1923年の創業以来、品質と信頼を至上とするものづくりの原点にこだわり、印刷機械メーカーとしてまい進してまいりました。その中で、「感動 = Beyond Expectations」は国内外で共感を持ってグループ社員に迎え入れられてきました。これからも小森コーポレーショングループは「感動創造活動」を通して、「感動企業の実現」への努力を重ねることで、企業としての社会的責任・使命を全うしてまいります。
また、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、社員とその家族等、全てのステークホルダーの信頼と期待に応えるとともに、共存共栄を図ることを行動指針として活動しております。
(2) 会社の対処すべき課題及び中期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
小森コーポレーショングループの事業環境につきましては、依然として地政学リスク等不確実な要素が多岐にわたり従来よりも速いテンポで発生すると考えられ、都度、迅速な判断、軌道修正が必要となります。
印刷業界は、出版印刷分野や商業印刷分野での印刷物は減少が予測されるものの、高付加価値印刷やパッケージ印刷の需要は堅調に推移することが予測されており、特にアジア地域においてはパッケージ印刷を中心に好調に推移することが予測されます。一方で、材料費・物流費及びエネルギー価格の高騰や労働力不足は引き続き印刷産業に影響を及ぼしており、ワンパス両面機、多色機、検査装置等の高付加価値機能による生産性向上の取組みや、環境性能向上の取組みがより一層求められております。
小森コーポレーショングループはおかげさまで2023年に創業100周年を迎えることができました。このような事業環境の中、小森コーポレーショングループは、これからの100年に向けて、歴史に胡坐をかくことなく、再創業元年という気持ちで事業変革を本格化させてまいります。そのスタートとして、経営理念を「感動企業の実現」と改定しました。また、パーパスを「プリントテクノロジーで社会を支え感動をもたらす」と制定いたしました。これらをもとに、長期ビジョン「KOMORI 2030」を策定し各事業の方向性を明確にいたしました。「プリントテクノロジーの SHINKA で情報・文化・経済を支え感動をもたらす」ために価値創造エンジンの技術基盤であるプリントテクノロジーの研鑽に努め、ソリューションを生み出す取組みを推進してまいります。2025年3月期からスタートした第7次中期経営計画では、サステナブルな経営体質に向けた事業変革と経営基盤強化の推進を実行してまいります。第7次中期経営計画の骨子、財務方針、目標としている経営指標は以下のとおりです。
① 第7次中期経営計画の骨子
a. 事業ポートフォリオ転換に向けた取組み強化(事業変革)
i). 基盤事業(オフセット事業/証券印刷事業)の付加価値強化による収益力向上
ii). 成長事業 (DPS事業/PE事業) の技術基盤強化により2桁成長を継続
b. 経営基盤強化(戦略投資)
i). 新規市場・成長市場の獲得へ向けた要素技術開発投資の拡大
ii). グローバル化が進む事業環境に合わせた事業体制の刷新とグローバル人財活用
c. 筋肉質な経営体質への転換(経営体質改善)
i). 事業別製販技サービス一体体制の本格運用と資産圧縮・効率化
ii). 販売/サービス顧客管理システム、人事システム、管理システムのグローバル対応
② 第7次中期経営計画の財務方針
a. 資本コストや株価を意識した経営の実現のため、経営資源の適切な配分を実施
b. ROE向上のため総還元性向を50%とし、成長投資への配分比率を高める
(収益向上・成長・サステナビリティへの積極投資)
c. 第7次中期経営計画期間中は新たに最低配当額(40円)を導入し安定配当を継続するとともに、総還元性向(50%)は維持し株主還元を重視
③ 第7次中期経営計画の目標とする指標(2027年3月期)
長期ビジョン「KOMORI 2030」に沿って、2030年までに2段階でROE向上を図り、第7次中期経営計画ではその1段階として『成長投資』と『収益確保』のバランスをとってまいります。
第7次中期経営計画最終年度の経営目標は以下のとおりです。
a. 営業利益率: 7.0%以上
b. ROE: 6.0%以上
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において小森コーポレーショングループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① オフセット印刷市場が縮小するリスク
小森コーポレーショングループは、これまで出版、商業印刷向けオフセット印刷機を主軸に事業を展開してきましたが、印刷業界は、インターネットや電子書籍の浸透によって、特に欧米・日本では書籍、商業印刷の需要が縮小しており、商業印刷向けオフセット印刷機の売上高が減少してきております。今後、電子媒体の増加が新興国を含め世界的に急速に浸透することによって書籍、商業印刷の需要がさらに縮小した場合には、出版、商業用印刷向けオフセット印刷機の需要も縮小し、小森コーポレーショングループのオフセット印刷事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、厚紙(加飾、医薬、中間箱)、段ボール、ラベル、軟包装等といったパッケージ市場は持続的に成長していることから、パッケージ印刷はこれからも成長が見込まれます。小森コーポレーショングループは、今後、オフセット印刷事業の主力分野を商業印刷からパッケージ印刷市場への対応を強化し、製品戦略としてROIを軸とした製品ポジショニングの見直しによる競争力向上と生産体制の再構築を行い、差別化商品の市場投入、ブランド認知度の向上、ソリューション提案による領域の拡大等の施策を行ってまいります。
② 欧米の海外現地法人の収益力が弱体化するリスク
現地法人では、電子媒体の増加に伴い、販売主力機である商業印刷向けオフセット印刷機の需要が減少傾向にあり、収益力が弱体化する可能性があります。
そのため、オフセット印刷機の入れ替え需要の獲得、部品販売や保守サービスの推進、さらに資材及び機材販売の強化に乗り出しておリます。また、商業印刷向けオフセット印刷機の需要は漸次減少しつつも、一定の入れ替え需要は存在しております。しかしながら、印刷会社においてコスト競争力の強化が必須になっており、印刷工程の省力化、スキルフリー化が求められております。その対策として、小森コーポレーショングループが開発したKP-ConnectやDPSを活用し、リカーリングインカムの増大を構築すべく工程最適化ソリューションの提案による商機拡大を図ってまいります。
③海外事業に伴うカントリーリスク
外国企業に対する暴動、内乱、テロ、戦争、自然災害、感染症等が発生した場合、財政状態及び経営成績に悪影響を受ける可能性があります。
小森コーポレーショングループは、ハザードリスク発生時の全社対応方針を定めて客先対応ルールを策定する等の対策をとっております。また、市場調査情報を定期的に取得しリスク評価を行い中期計画への影響分析等も行っております。
④ 電子部品等供給リスク
電子部品等の供給不足が引き起こす生産ラインの不安定稼働とそれに伴う納期遅延は大幅に改善されています。しかし、今後の供給のひっ迫と需要の拡大等の複数の要因(米国と中国の経済摩擦・海外における紛争の影響・各国における輸出入の規制・サプライチェーンの混乱や輸送コストの急騰・新規需要の拡大等)が複雑に絡み合い供給リスクが派生する可能性は高く、小森コーポレーショングループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
このような状況への対策として、電子部品や一般市販部品メーカーとの連携強化を図り、先々の使用量を提示してロット発注や適正な在庫確保に努めてまいります。また、電子部品や一般市販部品の代替可能な部品を選定し、同種部品の2社以上の調達先確保を前提に、発注先メーカーの新規開拓の促進を図ってまいります。
⑤ 製品の品質クレームにより損害が生じるリスク
小森コーポレーショングループが製造・販売する製品に販売、製造、サービスに起因する製品の品質クレームが発生した場合は、補修等の損失や損害賠償による損失が発生し、さらには信用問題とともにブランドが毀損する可能性があります。
そのため、小森コーポレーショングループは、「顧客視点」の総合的な品質管理として知覚品質管理を実施しております。この知覚品質管理は、「ブランド管理」を軸にし、「総合製品品質管理」、「顧客対応品質管理」、「見栄え品質管理」を行っており、顧客視点での品質保証体制を整備しております。また、グローバルCRMを活用したサービスケースの迅速な対応を体制強化してまいります。
⑥ 情報セキュリティの侵害に係るリスク
情報セキュリティが侵害され、情報漏洩、データの破壊や改ざん、業務やサービスの停止等の被害が発生した場合、小森コーポレーショングループの業績に影響を与えるのみならず、小森コーポレーショングループへの信用失墜に繋がる可能性があります。
そのため小森コーポレーショングループは、情報セキュリティの推進に係るポリシーを「情報セキュリティ基準」や具体的な利用・運用ルールの要領として定めるとともに、推進組織として情報セキュリティ委員会を設置し、国内外グループ会社を含めセキュリティ体制の構築、維持、整備を行っております。また、定期的な脆弱性診断やリスクアセスメントを実施することにより、リスクを早期に発見し、対策を講じる体制を構築しております。また、一般従業員向けメール訓練や教育も実施する等のリスクを未然に防ぐ対応も実施しております。
今後も脅威動向の変化を捉え、サイバーセキュリティ対策への取組みを継続してまいります。
(2) 新規事業に関するリスク
① デジタル印刷事業の拡大が停滞するリスク
印刷業界では印刷品質と生産性の両面において、デジタル印刷機に対する需要は根強く、小森コーポレーショングループとしては引き続きプロユースのデジタル印刷機の商品化に取り組んでまいります。
コニカミノルタ社と共同開発の上で製品展開を行っておりますB2サイズのデジタル印刷機「Impremia IS29」については、技術課題を克服し製品の完成度が向上しています。また、B2サイズのデジタル機については市場に登場してから約10年が経過していることより、競合他社より次世代機の開発計画が示され更には同市場への新規参入を表明するメーカーもあることから小森コーポレーショングループも次の製品に向けた製品改良、新規開発の必要性に基づく開発投資が発生する可能性があります。
また、B1サイズの次世代デジタル印刷機「Impremia NS40」については技術課題に対応し、早期市場投入に向けて準備をしております。
② PE(プリンテッドエレクトロニクス)事業における、対象分野の変動リスク
市場変化のスピードに追随できず、事業収益を大幅に低下するリスクがある新規事業の一つの柱であるPE事業では、開発対象分野の技術革新の影響より収益が見込めると判断した分野が急速に収縮したり、逆に他の分野が急速に立ち上がったりなどの環境に置かれています。
従って新しい市場開拓に時間を要し、対象分野の急速な市場変化により想定した事業拡大等ができず、事業収益が大幅に低下するリスクがあります。
小森コーポレーショングループは市場調査を徹底し事業推進体制による商品化機能を強化しております。さらに次世代プリンテッドエレクトロニクスのイノベーションを推進するために、山形大学と包括的な連携協定を締結致しました。今後は市場変化を見極めながら次世代プリンテッドエレクトロニクスの開発を推進して参ります。
(3) 財務に関するリスク
① 為替レート変動によるリスク
小森コーポレーショングループの主要な海外市場は、欧州、北米、中国を含むアジアであり、海外売上高比率は全体の60%超となっております。円以外の主要な取引通貨はドル、ユーロであり、為替変動の影響を受けやすい構造となっており、想定為替レートに対し急激な円高が発生した場合は売上高、利益の減少等収益に影響を与えます。
為替レート変動によるリスクを軽減するため、小森コーポレーショングループは原材料や部品の海外調達や、一部製品の海外生産を実施しております。また、円建て契約を優先するほか、先物為替予約等でヘッジすることにより短期のリスクの合理的な軽減を図っております。しかしながら、大幅な変動が生じた場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② のれんの減損が顕在化するリスク
小森コーポレーショングループは、印刷需要が伸びている新興国市場でのシェア拡大を目的とした企業買収を行っております。この企業買収に伴い、のれんを計上しておりますが、買収後の事業が計画に対して実績が下回る等により、その乖離が継続して生じた場合は、のれんの減損損失の発生等により、小森コーポレーショングループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
小森コーポレーショングループは、企業買収に当たりましては、企業価値算定、投下資金の回収見込み、買収金額の妥当性、リスク等について取締役会で十分な審議を行った上で意思決定を行っております。また買収後は出向者の派遣並びに連携の強化等を通じて、管理及び事業の推進体制を整え、リスクの軽減に努めております。
③ 棚卸資産の過多によりキャッシュ・フローが悪化するリスク
小森コーポレーショングループが販売予測の前提条件と実績の乖離により過剰な製品在庫を生じさせた場合は、生産調整にとどまらずキャッシュ・フローを悪化させる可能性があります。
そのため、過剰な製品在庫を生じさせない対策として、適正在庫の全社目標を設定するとともに、関係会社ごとに売上水準に合わせた在庫目標を設定し、月次で乖離を管理しております。一方で、昨今の電子部品等の供給リスクに対しては、中長期的な販売予測を元に部品毎に適正在庫量を設定することで、棚卸資産の管理と安定供給生産の両立を目指してまいります。
(4) 災害等によるリスク
緊急事態における本社機能、製造拠点の集中に係るリスク
本社及び小森コーポレーショングループの主要製造拠点であるつくばプラント・製造子会社において、地震や竜巻等自然災害が発生した場合には、本社の財務集計等の経営管理機能、製造設備の破損、サプライチェーンの機能麻痺等が発生し、操業停止等の事態に陥り、小森コーポレーショングループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、サプライチェーンについては、東日本地域のサプライヤーだけでなく、西日本や海外のサプライヤーとの取引拡大等の対策を講じています。今後は、適正な部品在庫を確保するために発注方法の見直しを検討・計画し対策を講じていく予定です。
直下型地震対策については「事業継続計画(BCP)」の策定、「首都圏直下型地震発生時リスクマネジメント」(地震対策マニュアル)の社員への配布、防災訓練(コロナ禍の中においては、リモート防災訓練)等の対策を講じています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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