トーヨーカネツグループは、トーヨーカネツ、子会社14社及び持分法適用会社1社で構成され、物流システム及び機械・プラントの企画、開発、設計、製作、施工、販売を主体とし、各事業に関連するリース、メンテナンスなどの事業活動を展開しております。また、産業用設備・機器の製造・販売、建築請負、不動産賃貸・管理、アスベスト等の調査・測定・分析及び環境測定機器の保守管理、その他のサービス等の事業も営んでおります。
トーヨーカネツグループの事業における位置付けは次の通りであります。
なお、次の4事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
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事業区分 |
主な事業内容 |
主要グループ会社 |
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物流ソリューション事業 |
物流システムの製造・販売・メンテナンス、当事業に特化したコンピューターシステムの設計・開発・製造及び販売 |
トーヨーカネツ ㈱スクラムソフトウェア Toyo Kanetsu (Malaysia) Sdn. Bhd. |
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プラント事業 |
各種タンクのメンテナンス及び人材の派遣 |
トーヨーカネツ TKKプラントエンジ㈱ 木本産業㈱※ |
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次世代エネルギー開発事業 |
各種タンクの製造・販売 |
トーヨーカネツ 木本産業㈱※ PT Toyo Kanetsu Indonesia Toyo Kanetsu (Malaysia) Sdn. Bhd. |
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みらい創生事業 |
産業用設備・機器の製造・販売 建築請負 アスベスト、シックハウス、騒音・振動、臭気等の調査、測定及び分析 環境機器及び計測機器の保守管理・点検・修理・データ解析、環境調査(生活環境・自然環境)、環境アセスメント、環境モニタリングシステム販売、環境測定器・試薬などの販売 B to B領域を主とする国内外ベンチャー企業への投資事業 |
トーヨーコーケン㈱ マックスプル工業㈱ トーヨーカネツビルテック㈱ 環境リサーチ㈱ 環境計測㈱ トーヨーカネツ・コーポレートベンチャー投資事業組合 トーヨーカネツ・コーポレートベンチャー2号投資事業組合 |
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その他 |
複写・印刷業及び事務用品・機器の販売 家具・家電、物流システム機器のリース 不動産の賃貸・管理 |
トーヨーカネツ ㈱トーヨーサービスシステム |
(注)無印:連結子会社 ※:持分法適用関連会社
事業の系統図は以下の通りであります。
トーヨーカネツグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてトーヨーカネツグループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
トーヨーカネツは、社是である「わが社は 常にすすんで よりよきものを造り 社会のために奉仕する」を経営理念とし、「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決する「ソリューションイノベーター」」となることを経営ビジョンに掲げ、複雑化する経営環境や社会が直面する課題に革新的・先駆的な技術やソリューションを以って解決することに取り組み、グループの持続的企業価値向上と社会の発展に寄与することを目指しております。
トーヨーカネツグループでは、事業を通じて持続的に企業価値を向上させるため、自らの強みを活かし優先的に取り組むべき重要な経営課題(マテリアリティ)10項目を特定し、各マテリアリティを事業戦略の策定や各事業における意思決定プロセスにおいて考慮すべき重要な要素と位置付けて、事業活動を行っております。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明し、気候変動への取り組みを強化するとともに、提言に基づく開示内容を拡充し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
引き続き、これらの課題解決を通じて、社会的に期待される役割について認識し、関連SDGs達成への寄与にも努めながら、財務面を含む持続的な成長を確実なものとしてまいります。
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A |
事業を通して解決し 企業価値向上を目指す課題 |
(1) 気候変動による事業環境変化への対応 |
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(2) 国内人口の減少への対応 |
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B |
持続的な企業価値向上 のために取り組む マテリアリティ |
(3) 人材の育成と活用 |
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(4) 新技術の開発と活用 |
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(5) パートナー企業との協業推進 |
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(6) 生産性の向上 |
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C |
持続的な 企業価値向上の 前提となる取り組み |
(7) 安全衛生の確保 |
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(8) コンプライアンス・ガバナンスの堅持 |
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(9) リスクマネジメントの高度化 |
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(10) 積極的なチャレンジやスピード感がある企業風土への変革 |
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
トーヨーカネツグループは「未来へ向けた成長路線の確立」を基本方針とし、トーヨーカネツグループが解決すべき社会課題を明確化した『グループ中期経営計画(2022~2024年度)』を策定し、推進しています。
物流ソリューション事業では「労働人口減少」に伴う社会課題解決のために、新たな技術革新とソリューション力により物流現場の無人化を実現し付加価値を高めてまいります。
プラント事業及び次世代エネルギー開発事業では「カーボンニュートラル社会」の実現に向けて、高度な技術と実績を活かし、メンテナンス需要に応えるとともに、次世代エネルギー向け等のタンク製造に取り組んでまいります。
みらい創生事業では「生活環境リスク」に対応すべく、高度な計測技術や調査・分析の実績等を活かすとともに、産業機械・建築領域も含め、多様でサステナブルな生活環境の実現に取り組んでまいります。
各事業の基本方針・重点施策は以下の通りです。
・物流ソリューション事業
〔基本方針〕事業領域拡大による高成長企業への進化
〔重点施策〕・部分から全体エンジニアリングへの業務領域の拡大
・強みを活かした提案力の向上と顧客領域の拡大
・人材育成、確保によるサービス事業の強化
・映像とデータを融合した新ソリューションの開発
一般物流につきましては、今後益々、少子高齢化に伴う労働人口の減少・多様化による省力化・省人化技術が浸透していくことに加え、AI・IoT を活用した物流を止めないための予知保全サービスなどの需要が見込まれます。また、空港物流につきましては、回復基調にある国内外の旅行・移動に関連して、新型コロナウイルス感染症 5類移行後の人や荷物の流れを意識した非接触技術や SBD(セルフサービス自動手荷物預けシステム)などの自動化設備によるソリューションへの期待が高まっております。
そのような環境の下、当事業における重点施策の進捗状況は次の通りです。
・業務領域の拡大に関しては、WMS(倉庫管理システム)の充実を図り、日々集積される物流倉庫内の荷動きデータの見える化を通してさらなる効率化提案を進めております。また、ロジスティクス全体に係る外部システムとの連携も視野に施策を推進しています。
・顧客領域の拡大に関しては、主力製品「マルチシャトル」(高能力・省スペース入出庫システム)や新規取扱い製品「Modula LIFT」(垂直保管システム)等を活用したソリューションをものづくりメーカー等へ納入するなど展開を図っております。
・サービス事業の強化に関しては、関東サテライト4拠点(鶴ヶ島、流山、厚木、羽田)を開設しサービス対応の強化を図るとともに、社内外の講師によるメンテナンス人材の育成も進めております。
・プラント事業
〔基本方針〕エネルギー転換の過渡期における安定したエネルギーインフラへの寄与
〔重点施策〕・メンテナンス需要の継続受注及び新規取り込みによる安定収益確保
・TKKプラントエンジのフル活用や協力会社との協業による効率追求
・タンクメーカーの実績と知見を基にした活躍領域の拡大
国内市場における既設タンクのメンテナンスは、安定的な需要が見込まれます。一方で、安定的な受注獲得のためには、現場監督者の高齢化や人材不足に対応する体制強化の推進が必要です。
そのような環境の下、当事業における重点施策の進捗状況は次の通りです。
・長年の実績と経験を背景に国内メンテナンス需要を弛み無い活動により受注し安定収益を確保するとともに、採算性を精査しながら新規受注の取り込みを推進しております。
・また、それを支える労働力の確保をグループ会社や協力会社との良好な関係性づくりを通じて堅持しております。
・現場の労働環境改善のため、DXを通して熱中症対策や健康意識の向上啓発など働き手への配慮活動を推進しております。
・次世代エネルギー開発事業
〔基本方針〕次世代エネルギー社会到来に向けた高度な技術力の獲得と参画
〔重点施策〕・燃料アンモニア・MCH・液化CO2などの貯蔵ニーズへの取り組み
・海外市場におけるタンク新設需要の取込み
・液化水素タンクの建設技術(設計・溶接検査・施工)の獲得
カーボンニュートラル社会へ向け、次世代のエネルギーへ切り替わっていく過渡期に差し掛かってきており、燃料アンモニアタンク、大型液化CO2タンク、MCHタンクなど新たな需要拡大が期待されます。また、研究開発の進展による液化水素タンクの建設技術獲得への関心が高まっております。
そのような環境の下、当事業における重点施策の進捗状況は次の通りです。
・燃料アンモニアタンク、大型液化CO2タンク、MCHタンクは、技術検討が終了し、建設準備が整いました。また、液化水素タンクの建設技術は、真空排気システム、内槽底部への入熱量算定手法、溶接材料(SUS316L)を使用した溶接施工法についてそれぞれ確立がなされ、さらなる技術開発を進めております。
・海外のタンク新設市場は、厳しい環境に置かれていますが、FS(フィージビリティスタディ)等の受注獲得等、新たな需要の獲得を目指してまいります。
・みらい創生事業
〔基本方針〕グループの成長を加速させる第三の事業確立への挑戦
〔重点施策〕・環境領域のM&Aを含めた事業拡大
・グループ各社の競争力強化による安定収益化
・保有技術、ノウハウ及び外部連携によるビジネスモデルの変革
当セグメントは、環境調査・分析、産業機械、建築等の分野で事業を行うトーヨーカネツグループ関連会社で構成されております。環境調査・分析の市場は、気候変動に伴う大気観測や河川観測、アセスメントの重要性が増し、アスベストに関する法改正など、調査・分析及び機器保守の需要は、引き続き拡大することが予想されます。産業機械事業の市場は、産業現場や土木現場の省力化・自動化、さらに安全性に対する社会的ニーズを背景に、買い替えも含めた需要が望めるものと考えます。建築事業の市場は、人件費や資材等の高騰などで苦戦が予測されております。
そのような環境の下、当事業における重点施策の進捗状況は次の通りです。
・環境領域を中心にM&A活動を積極的に継続し、第三の事業確立を目指しております。また、グループ各社の成長を促すために、当事業部が中心となり情報交換や業務提案を実施し、事業拡張及びシナジー効果の顕在化に努めております。
・CVC投資に関しては、複数のスタートアップ企業への投資を行い、技術等資源の活用を継続的に検討しておりますが、当面は、多面的、総合的に慎重な判断のもと投資を行ってまいります。
・経営基盤強化策
トーヨーカネツグループは、社員の柔軟な働き方を可能にする環境づくりとダイバーシティへの取組み等を通して、健康経営®優良法人2024に継続して認定されました。また、本社及び和歌山工場のGHG排出量の実質ゼロ化、気候変動イニシアティブやGXリーグへの参加など環境対策を行っております。今後も、グループ全体としてより一層のガバナンス強化はもちろん、ESG経営を推進してまいります。
社員一人ひとりが“ACTION FOR THE FUTURE”を実践する企業風土を醸成し、グループ全体の持続的成長を支えるために、以下の重点施策を引き続き推進してまいります。
・人財総合力の向上施策の展開
・企画力の強化と事業支援の展開
・ESG経営施策の展開
(3)目標とする経営指標
現中期経営計画の最終年度となる2024年度の連結業績目標は、最近の社会情勢や事業環境等を踏まえ、売上高585億円、営業利益34億円、ROE7%の達成を目指すことといたしました。
引き続き、スローガンである「ACTION FOR THE FUTURE 期待を超える実行力で、未来を支えるチカラになる」の理念のもと、グループ一丸となって取り組んでまいります。
(単位:百万円)
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連結業績目標への推移 |
2022年度 (実績) |
2023年度 (実績) |
2024年度 (予想) |
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売上高 |
47,351 |
53,787 |
58,500 |
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物流ソリューション事業 |
28,032 |
32,491 |
34,000 |
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プラント事業 |
8,522 |
9,422 |
9,500 |
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次世代エネルギー開発事業 |
1,043 |
1,497 |
2,500 |
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みらい創生事業 |
9,196 |
10,013 |
12,000 |
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その他 |
819 |
629 |
500 |
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営業利益 |
2,497 |
3,090 |
3,400 |
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物流ソリューション事業 |
2,605 |
3,271 |
3,800 |
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プラント事業 |
560 |
708 |
700 |
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次世代エネルギー開発事業 |
△734 |
△481 |
△400 |
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みらい創生事業 |
892 |
786 |
400 |
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その他 |
185 |
86 |
100 |
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ROE |
6.4% |
9.4% |
7.0% |
(注)上表における各事業の営業利益の目標数値はセグメント間の内部取引及び振替高の調整額が含まれておりません。
トーヨーカネツのリスク管理体制は、取締役の中から任命されたリスク管理統括責任者が、トーヨーカネツ及びトーヨーカネツグループのリスク管理を統括し、全社リスク管理部門がリスク管理統括責任者の指揮命令の下、リスクの洗い出し、評価・結果のモニタリング等を行います。重要リスクについては、経営環境の変化やリスク対応状況等を踏まえて定期的に見直しが行われ、適切なリスク対策が適時に実行されるよう努めております。
事業活動に与える可能性のあるリスクのうち、重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。ただし、これらはトーヨーカネツグループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、予見することが困難なリスクも存在します。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
① 気候変動に関する影響
トーヨーカネツグループでは、ESG経営を推進しており、SDGsやパリ協定で示される国際的な目標を重要視しております。また、経営上の重要課題(マテリアリティ)の冒頭に「気候変動による事業環境変化への対応」を掲げております。
世界的な環境意識の高まりや低炭素・脱炭素型社会への移行による、エネルギーシフトが加速する中で、LNG・原油等のタンク需要が減少することは避けられず、トーヨーカネツの事業環境に悪影響が及ぶ可能性があります。そこでトーヨーカネツの技術を活かし大型液化水素貯蔵の開発や、発電用燃料としての水素やアンモニアの需要拡大への対応を通じた、低炭素社会の実現を目指し、トーヨーカネツの強みを活かしたインフラに係る取り組みを積極的に推進しております。また、トーヨーカネツグループ全体として、省エネ型製品・サービスの開発、自家消費型再生エネルギー(太陽光)の活用など、低炭素・脱炭素型社会に向けた施策を推進しています。トーヨーカネツグループの温室効果ガスの排出(Scope1及び2)の削減については、2022年に「2050年までのカーボンニュートラル達成」を宣言、また同年より「TCFD提言に基づく気候変動リスク(及び機会)にかかる情報開示」も開始しております。気候変動対応については、トーヨーカネツグループ経営における長期的リスク(及び機会)への対応を検討する好機と捉えており、投資家等に向けた情報開示や対話を促進していく考えでおります。
また、トーヨーカネツグループの事業に起因した環境問題が発生した場合には、社会的な信用低下につながる可能性があります。そのためトーヨーカネツが掲げる環境方針のもと、ISO14001を取得・更新し、環境マネジメントシステムを積極的に整備・運用をしております。
② プロジェクトの遂行に関するリスク
物流ソリューション事業では、Eコマース市場の拡大、物流業務のアウトソーシングの広がりなどにより、サプライチェーンの中で物流センターにおける役割が増えると共に、物流業務の効率化、拠点の集約化の動きに合わせて物流センターが大型化する傾向にあり、これまで以上にプロジェクト管理・遂行能力の重要性が高まっております。
そのため、当事業においては、営業提案から施工まで一貫した納期管理の徹底を行い、標準化や生産性向上によるコスト・作業負担の低減に努めると共に、協力会社の拡大など、持続可能なプロジェクト遂行体制の整備に努めており、2023年6月には、株式会社スクラムソフトウェアを子会社としてグループに迎え、WMS(倉庫管理システム)構築体制の強化による新領域への進出にも注力しております。しかしながら、短納期化が求められるなかでの予期せぬ建築施工計画の変更による工期圧縮や、一定期間内に複数の大型プロジェクトを同時進行することに伴う納期調整など、様々な要因によって想定外のコストが発生する可能性があります。
また、当事業が提供する主要な製品や部材の中には、海外の特定取引先から調達しているものが存在し、取引先の経営方針・経営環境の変化や、国際需給の変動、自然災害、事故などにより、安定的にこれら製品や部材を調達できない場合にはプロジェクトの遂行に影響を与える可能性があります。
プラント事業・次世代エネルギー開発事業においては、国内製油所を中心にタンク補修工事を請け負っており、工事従事者が不足した場合や資機材の調達価格が高騰した場合、現場監督者の技術の継承が遅れた場合には事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。そのため、パートナー企業との連携強化の一環として、木本産業株式会社の株式取得(持分法適用会社化)や、安定的な施工体制を整えながら、現場人材の確保・育成を図るため新会社「TKKプラントエンジ株式会社」を設立しております。またタンク新設プロジェクトへの対応として、受注から施工まで少数精鋭による一貫した管理・情報集約体制を整え、迅速かつ効率的なプロジェクトの遂行を行っております。
トーヨーカネツグループでは、プラント事業・次世代エネルギー開発事業を中心に海外でも事業を展開しており、トーヨーカネツ連結子会社のインドネシア現地法人においてタンク等の鉄鋼材料の加工や現地工事、マレーシア現地法人では現地空港における手荷物搬送設備のメンテナンス、及び現地石油化学プラント関連設備のメンテナンス事業を行っております。これらの海外事業には以下に掲げるようなリスクが内在しており、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
1.法律又は規制の予期せぬ変更
2.政治経済の不安定性
3.人材確保の困難性
4.不利な税制改正
5.テロ、戦争、疫病、災害、その他の要因による社会的混乱
新型コロナウィルス感染症の影響や地政学リスクの影響による部品等の不足や価格高騰に対し、早期手配に取り組むなどリスク低減を図っております。
プロジェクトの遂行にあたっては案件に応じて製造物責任賠償保険等に加入すると共に、品質を担保するため、トーヨーカネツグループでは社内規定を制定し、品質マネジメントシステムを整備するなど、品質管理を強化しております。また品質問題が発生した場合でも品質管理の主管部門を社長直轄とすることで、迅速な対応を可能とする体制を整備しております。しかしながら万が一製品に重大な品質クレーム・トラブルが発生した場合には、修繕費用や賠償の発生等によりプロジェクト収益が悪化するのみならず、トーヨーカネツグループの社会的評価の低下に繋がり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
③ 人材の確保・育成に関する影響
トーヨーカネツグループでは、人材の確保と育成は重要課題の一つであり、人材の流出や採用コストの上昇は、事業活動に影響が生じる可能性があると認識しております。
そのため、多様な人材確保のため採用対象を多様化させると共に、女性活躍推進行動計画を策定し、女性管理職候補者の育成・登用、時差勤務の利用促進、有給取得率向上、男性の育児休業取得促進などの取り組みを進め、「健康経営@優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されるなど、働きやすい職場環境づくりによる人材の定着化を推進しております。
また、物流ソリューション事業では、エデュケーションセンターにおいて、人材のさらなる技能強化や安全教育指導を実施しております。
④ 受注競争の激化による影響
トーヨーカネツグループの主力事業は何れも受注型産業であり、厳しい受注競争に晒されているため、採算面での不合理な下方圧力に直面した場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の政策・方針や、業界の経営環境変化、業界再編の動きは、受注活動に影響を与える可能性があります。
こうしたリスクに対し、物流ソリューション事業においては、国内外における顧客領域の拡大を進めつつ、外部技術の柔軟な導入による最適なソリューション提供を行うと同時に、製品の内製化、標準化を推し進め、価格競争力を強化しております。また、更なる業務効率向上を図るために社内システムの刷新を行うなどの対策を進めております。
プラント事業・次世代エネルギー開発事業では厳しい事業環境が長期化する中で、コア技術であるタンクEPC(設計・調達・施工)遂行能力を向上・発展させ、品質面での優位性を活かした受注活動に取り組むと共に、海外子会社による事業領域の拡大を図っております。
また、厳しい受注競争の中で、トーヨーカネツグループは持続的企業価値向上と社会の発展に貢献することを目指し、「革新的な技術と実行力で、社会課題を解決するソリューションイノベーター」となることを経営ビジョンとして掲げ、最先端技術を有する国内外の企業やCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)を活用したスタートアップとの連携などを通じて、様々な技術開発に取り組んでおります。
しかしながら、製品・技術のライフサイクルが短命化する中で、市場からの要請に対応が遅れた場合には、トーヨーカネツグループの競争力が低下し、中長期的に業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、トーヨーカネツグループは、有形固定資産及び無形固定資産等の固定資産を保有しています。継続的な業績のモニタリング等により、当該固定資産に対する投資の回収が困難となる前に対策を講じるように努めておりますが、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、当該資産に対する減損損失の計上により、トーヨーカネツグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業の立ち上げに関するリスク
トーヨーカネツグループは、長きにわたり物流ソリューション事業、プラント事業・次世代エネルギー開発事業を主力事業として展開をし、これまで相互補完的にグループ収益を支えてまいりましたが、これら事業環境の変動幅は大きく、収益のボラティリティが高いと認識しております。
そのため、M&Aの実行や、CVCの立ち上げとスタートアップとの連携など、あらゆる手段を講じてその可能性を追求しておりますが、第3の柱となる事業の創出が遅れた場合、トーヨーカネツグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 労働安全衛生に関する影響
トーヨーカネツグループでは、安全をすべてに優先すべき事項と捉え、「労働安全衛生方針」のもと、OHSAS18001・ISO45001の取得・更新、社長直轄の主管部門の設置、グループ安全会議の開催、現場パトロールの実施、パートナー企業を含めた安全体制の維持・拡充等により、安全衛生の確保・向上に努めております。
しかしながら、このような対策を取っていながらも、事件、事故が発生した場合、工場の稼働や顧客対応に支障が生じるだけでなく、損害賠償の発生、刑事罰や行政処分の執行、社会的信用の失墜などにつながり、事業活動や財政状態に影響を与える可能性があります。
⑦ コンプライアンスに関するリスク
トーヨーカネツグループは、社会インフラという社会からの信頼なくしては成り立たない分野で事業を行っており、法令等を遵守するコンプライアンスは、信頼される事業活動のもっとも重要な基盤の一つであると認識しております。
そのため、トーヨーカネツではコンプライアンス委員会の設置や統括責任者の任命など組織体制を整備する他、グループ企業行動憲章をはじめとした諸規程を定め、グループ全取締役及び社員へ社会的責任及び公共的使命を周知徹底し、意識を醸成するなど、コンプライアンスを堅持する取り組みを推進しております。
しかし万が一、国内外の関連法規などに抵触する事態が発生した場合には多額の課徴金や損害賠償が発生するなど、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすだけでなく、トーヨーカネツグループの社会的な信用が低下し、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 自然災害・疫病等に関するリスク
トーヨーカネツグループは、火災や地震、大規模な自然災害や疫病の流行等に備え、BCP(業務継続計画)マニュアルを策定し、連絡体制の整備、災害備蓄の実施や、国内主要製造・開発拠点における耐震補強工事や避難所の設置、和歌山県橋本市の新工場建設用地取得を進めるなど、事業継続に必要な対策を講じております。
しかしながら、想定以上の災害の発生により深刻な物的・人的被害を受けた場合、社員の健康のみならず施設に重大な影響を与え、損害保険の付保による適切なカバーを行なっているものの、直接的・間接的損害や復旧費用などが予想以上に多額となり、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、疾病等の感染拡大による影響は、多方面にわたるリスクとの認識のもと、トーヨーカネツグループでは、感染防止指針や事例別対応マニュアルを策定し、感染拡大への防止策を講じながら、リモートワークの推奨、休暇・補償制度の拡充などの制度面の整備や、電子申請システム、クラウドストレージなどITツールの強化も行っております。
⑨ 情報セキュリティ並びに情報インフラ整備に関する影響
トーヨーカネツグループは事業を通じて顧客、技術情報等さまざまな機密情報を取り扱っており、これら情報の管理強化のため、情報セキュリティ小委員会を組織し社員教育の実施等、その重要性の周知徹底を行うと共に、情報システムのセキュリティ対策を行っており、2023年4月にはISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得しております。
しかしながら、コンピュータウイルスなど予期せぬサイバー攻撃により、不適切な形で機密情報が消失、漏洩した場合には、トーヨーカネツグループの信頼性を損なうこととなり、事業活動そのものに影響を与える可能性があります。これらへの対応の一環として、トーヨーカネツ情報資産の適切な管理運用、及びトーヨーカネツの関係取引先の安全性確保の観点から、メールへのファイル添付を禁止(PPAP廃止)し、ファイル共有サービス(BOX®)を導入いたしました。
また、トーヨーカネツグループではRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)による業務の自動化・効率化や業務標準化システムの導入を進めるなど、IT技術によるビジネスモデルの変革を目指しておりますが、これらDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みに遅れを取った場合や、既存業務系基幹システム等の稼働に支障をきたした場合には、事業機会を失う可能性があります。
⑩ 市場動向等に関するリスク
物流ソリューション事業では、小売、卸売、生協などの業界を中心に製品・システムを納入しております。また国内空港を中心に手荷物搬送システム等を提供しております。そのため、景気後退や少子高齢化の進展等による物流量の低下などで、物流施設関連への投資が停滞した場合や、航空関連需要の動向によっては、当事業の展開に影響を与える可能性があることから、AI、IoT技術を活用した事業領域の拡大を図っております。
プラント事業・次世代エネルギー開発事業においては、LNGプラントや製油所等に各種タンクを納入すると共に、既設の原油タンク等のメンテナンスを実施しております。そのため世界的な景気動向の他、産油・産ガス国や消費国の経済・社会情勢、各国のエネルギー・環境政策の動向、原油・LNG価格の動向等により、プラントオーナーの投資計画の中止・延期・大幅見直し等が発生した場合には、当事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があることから、安定収益源の確保による受注変動に強い事業体質を確立すべく、メンテナンス案件の収益性向上等の取り組みを強化しています。
また、経済環境が悪化した場合には次のようなリスクを想定しております。
a)為替相場の変動
トーヨーカネツグループの事業活動には、海外における製品の生産、資材の販売、建設工事等が含まれており、主に米ドル建てでの取引が発生します。現時点において、外貨建ての取引高、及び保有資産額は相対的に僅少であるため、為替相場の変動リスクは低いと認識しておりますが、想定外の変動は将来的なトーヨーカネツグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
b)金利の変動
トーヨーカネツグループは営業債権などによる信用供与、固定資産取得などのため、短期・長期の調達比率のバランスを鑑みながら金融機関より資金調達を行っております。大規模な金融緩和政策などにより、低金利が継続しているものの、金利が上昇する局面においては、資金調達コストが増大し、トーヨーカネツグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
c)保有有価証券の評価
トーヨーカネツグループは、時価のある有価証券を保有しております。決算期末日の株価によって再評価を行っており、大幅に株価が下落した場合は、トーヨーカネツグループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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