日機装(6376)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 日機装グループは、日機装ならびに連結子会社43社および持分法適用会社4社で構成され、製品の製造方法または製造過程およびサービスの提供方法などにより「工業部門」、「医療部門」の2つのセグメントにて事業活動を展開しています。工業部門は、その取扱い製品によりインダストリアル事業、航空宇宙事業に区分し、医療部門は、メディカル事業のみで構成されており、それぞれ国内外で製造、販売およびメンテナンスを行なっています。 日機装および日機装の関係会社の事業における日機装および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に掲げるセグメントの区分と同一です。 工業部門インダストリアル事業(主な会社) ポンプ・システム事業産業用ポンプ・システム日機装日機装エイコー㈱宮崎日機装㈱上海日機装ノンシールポンプ有限公司キャンドモータポンプ往復動ポンプ液化ガス・産業ガス関連機器・装置日機装宮崎日機装㈱Cryogenic Industries, Inc.極低温用ポンプ(サブマージドポンプ/遠心ポンプ/往復動ポンプ)熱交換器/気化器極低温用プロセスプラント(空気分離装置/液化装置)極低温用機器パッケージソリューション(燃料充填ステーション/液化ガス中継ステーション)精密機器事業発電プラント向け水質調整装置日機装火力・原子力等の発電所向け試料採取装置薬液注入装置放射線モニタリング装置電子部品製造関連装置日機装セラミック基板製造システム製品産業用除湿機シンタリング装置「3Dシンター」航空宇宙事業(主な会社) 民間航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形品および金属接着部品日機装宮崎日機装㈱Nikkiso Vietnam, Inc.逆噴射装置部品(カスケード/ブロッカードア/トルクボックス)主翼部品(前方固定翼/ウィングレット/フラップ/スポイラー/主脚扉)リージョナルジェット用翼部品(エルロン/シュラウド)胴体部品(カーゴドア)エンジン部品(ファンケースライナー)キャビン用部品(カート用パネル)eVTOL用構造部材人工衛星用部品医療部門メディカル事業(主な会社) 血液透析事業血液透析関連製品日機装上海日機装貿易有限公司威高日機装(威海)透析機器有限公司Nikkiso Vietnam MFG Co., Ltd.M.E.Nikkiso Vietnam Co., Ltd.M.E.Nikkiso Co., Ltd.Nikkiso Medical America, Inc.NIKKISO Medical Europe GmbH多用途透析装置多人数用透析液供給装置透析通信システム(「フューチャーネット」)透析用剤溶解装置逆浸透精製水製造システム人工腎臓透析用剤(「Dドライ透析剤S」)透析用血液回路セット中空糸型透析器(ダイアライザー)血液透析ろ過器(ヘモダイアフィルター)微粒子ろ過フィルター(「カットール」)その他マイクロ波外科手術用エネルギーデバイス(「アクロサージ」)アフェレシス関連製品(「イムノピュア」)創薬研究用ヒト腎細胞 3D-RPTEC®日機装 事業の系統図は次のとおりです。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針 日機装グループは、社会の一員として健全な倫理・価値観を社会と共有しながら、法令・定款・社会規範を遵守し、株主、顧客、従業員とその家族、取引先、債権者等の日機装グループの利害関係者と良好な関係を構築するとともに、人々の良質な暮らしの実現のために、他にない技術の提供を通じて、流体を扱う多様な産業、航空宇宙、透析医療等の暮らしの根幹分野で創造的な貢献を果たすことを経営の理念とし、日機装グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 このような経営の理念のもと、それぞれの事業分野において、独創的な技術を活かし、市場のニーズに応えた特長ある製品、サービスを提供することにより社会に貢献することを、経営の基本方針としています。 (2)中長期的な経営戦略および目標とする経営指標①中期経営計画「NIKKISO 2028 – Toward a Healthier World」(対象期間:2026年~2028年) 日機装グループは、2023年から3か年の中期経営計画「Nikkiso 2025 フェーズ2」(以下、「中計フェーズ2」)を推進してきました。中計フェーズ2の対象期間を通して不採算事業の整理が進み、全社の収益性の改善が図られたことに加え、事業環境の変化に伴なう航空宇宙事業、メディカル事業の施策・業績実現の遅れを低炭素関連市場の拡大によるインダストリアル事業の好調が支えた結果、最終年度2025年の営業利益は目標である140億円を上回る結果となりました。 足元では地政学リスクの高まり等による市場環境の変化がよりそのスピードを増しています。日機装グループは、こうした環境変化に適切に対応し、ビジネス機会を創出することでこれまで発展、拡大してきました。 しかしながら、今後の企業価値の最大化および持続的な成長の実現に向けては、より長期的な視点を持って既存のビジネスモデル・ビジネス領域からの更なる飛躍を模索する必要があるため、日機装グループは「10年後(2035年)にありたい姿」を定め、その実現に向けた通過点として、2026年から始まる3ヵ年の新中期経営計画「NIKKISO 2028 – Toward a Healthier World」(以下、「NIKKISO 2028」)を策定しました。 ●「NIKKISO 2028」は、以下の5本の柱を基本方針として据え、企業価値の最大化および持続的な成長を目指します。・「品質」を原点に、確かな価値の創出・技術革新への飽くなき追求と社会実装の加速・長期ビジョン実現に向けた事業・製品ポートフォリオの拡大・再構築・資本効率の最大化と収益力の強化・グローバル事業インフラ・ガバナンスの強化 ●長期ビジョンの実現に向けて、継続成長を見込むLNG関連事業や海外血液透析事業等での利益創出をベースに、脱炭素関連ビジネス等、新規ビジネス領域への積極的な投資を実行します。併せて、成長の鈍化が見込まれる事業の構造転換を図ります。 このように、「NIKKISO 2028」では、これまでの事業活動に基づいた成果の刈り取りを確実に行なうとともに、10年後にありたい姿に向けた新たな事業機会の開拓と経営基盤を強化することで、その最終年度となる2028年には売上収益2,700億円、営業利益220億円(営業利益率 8.1%)、ROE9.0%以上の達成を目指します。 (3)経営環境および対処すべき課題①事業の課題と取り組み「NIKKISO 2028」の初年度となる2026年12月期は、全社では増収増益とする計画です。足元では、不採算事業の整理による利益体質への転換や、成長ドライバーとなるインダストリアル事業の拡大、航空機産業の市場回復、血液透析事業のグローバル展開の加速等により、売上収益は拡大局面にありますが、長期ビジョン実現に向けた先行投資を果敢に実行することで、収益性は2025年12月期並みにとどまる見込みです。このような全社的な事業環境および業績見通しを踏まえ、各事業の状況と今後の取り組みは以下のとおりです。インダストリアル事業は、低炭素関連投資の拡大が見込まれる市場環境を背景に、製品の拡充や新規領域の開拓を進め、増収増益を見込んでいます。航空宇宙事業についても、産業全体での増産体制の進展を背景に増収増益を見込んでいます。メディカル事業は、国内血液透析市場の鈍化が見込まれる一方、海外市場は中国市場を含め堅調に推移する見通しであり、2027年以降の米国市場への本格的な進出に向けた準備を着実に進めていきます。そのため、経費先行局面となり収益面では2025年12月期並みとなる計画です。 ②品質保証体制の見直しに関する対応状況前事業年度において、一部ポンプ製品について、出荷前に実施すべき社内規程に基づく耐圧検査の一部を実施していなかった事実が確認されました。日機装は直ちに社内調査を実施するとともに、2025年2月に外部有識者を含む特別調査委員会を設置しました。2025年8月に受領した同委員会の調査報告書では、耐圧検査の未実施が一部ポンプ製品で継続していたことが認定され、品質保証と品質管理体制の不備が原因として指摘されました。なお、製品の安全性および業績への重大な影響はないことが確認されています。日機装は、同調査報告書による再発防止に関する提言を受け、当事業年度において、インダストリアル事業本部における製造部門と検査部門の分離、ならびに品質保証部門と品質管理部門の役割の再定義等の組織体制の見直しや、業務フローの明確化等の業務プロセスの改善により、牽制機能を果たしうる組織体制への変更を柱とする再発防止策を策定しました。これらの再発防止策の実行にあたっては、改善プロジェクトチームを組織し、各種施策を順次実行するとともに、全社的な品質保証意識の醸成のための取り組みを開始しました。取締役会は引き続き、再発防止策の有効性と、品質保証体制の改善について継続的に監督しています。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 日機装グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載します。なお、以下の記載はすべてのリスクを網羅したものではありません。想定困難なリスクや重要性が低いと判断した他のリスクの影響を受ける可能性も否定できません。また、日機装グループは、以下記載の主要なリスクに対して、実効的と判断する対応策を継続的に実施していますが、これらの対応策によっても日機装グループの経営成績等に悪影響を及ぼすことを完全に防止できるものではありません。以下の記載中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在における日機装グループの判断によるものです。 (1)法令・規制変更に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、複数地域において事業運営を行なっており、各国・地域の法令・規制動向を注視しながら製品調達および販売活動を進めています。特に、医療機器等に関わる調達要件や現地化比率に関しては、事業遂行に影響を及ぼし得るため、制度変更の可能性を慎重に把握しています。しかしながら、特定地域で部品や装置に関する調達比率の引上げが法制化または実質的に要求される場合、求められる調達条件を満たせないと、入札参加の制約や販売機会の減少が生じる可能性があります。また、法令・規制の新設・変更・厳格化が発生した場合、事業運営やサプライチェーン再構築に追加コストが発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<現在の対応策>日機装グループは、法令・規制変更に伴なう事業影響を最小化するため、複数地域の法令・規制に関する情報収集を継続的に実施し、変更内容を早期に把握することで、制度改定への対応方針の策定や事業計画への反映を適時に行ない、リスク低減に努めています。また、調達方針の見直しや評価プロセスの迅速化を進め、要求される調達条件への柔軟な対応力を高めています。さらに、製品の適合性を確保するため、技術検証体制の強化や現地拠点との連携強化を図り、将来的な規制強化にも耐え得る体制構築に取り組んでいます。 (2)税務に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、グローバルに生産・販売拠点を有しており、グループ会社間で国際取引が多く発生しています。これらの取引価格については、各国の移転価格税制に準拠するよう管理を行なっていますが、税務当局や税関当局との見解に相違がある場合、追加の税負担やペナルティが発生する可能性があります。また、世界各国において租税法令の改廃や新制度の導入がある場合、税負担が増加する可能性があります。<現在の対応策>税務当局との見解相違を回避するため、移転価格税制に関して取引金額が大きいグループ会社との取引には移転価格ポリシーを定めて運用を行なっています。また、各国の法令に従って移転価格文書を作成し、価格の妥当性を検証しています。さらに、租税法令の改廃に対応するため、組織再編成など重要な取引については専門家の助言を得ながら、関係国法令への準拠性を高めています。(参考)※2021年7月8日、日機装グループが2017年8月に買収したClean Energy & Industrial Gasesグループの外国子会社3社に対してタックス・ヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていないとして、同社らの親会社となる日機装インターナショナル株式会社の2018年度事業所得金額に係る更正処分等を受けました。日機装グループは本更正処分等を不服として東京地方裁判所に取消訴訟を提起しておりましたが、2025年5月16日、日機装グループの請求を棄却する判決が言い渡されました。その後、日機装グループは東京高等裁判所へ控訴しましたが、2026年1月29日、同様に請求を棄却する判決が下されました。これを受け、日機装グループは本判決を不服とし、2026年2月12日、最高裁判所に対し上告手続き(上告受理申立て等)を行ないました。現在も係争中であり、引き続き、日機装グループとしての正当性を主張してまいります。 (3)為替変動に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、世界の様々なマーケットにおいて製品およびサービスを提供しています。主な取引通貨は米ドルとユーロであり、これらの通貨の為替変動が日機装グループの業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。日機装グループ全体では、外貨建売上が外貨建仕入を上回り、また外貨建資産が外貨建負債を上回っているため、円高が進行した場合には、収益やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。<現在の対応策>日機装グループでは、外貨建資産・負債残高について継続的にモニタリングを行なっています。また、必要に応じて一部を円貨へ転換するほか、一括かつ多額の外貨取引については、為替予約やその他のヘッジ手段を活用し、為替リスクの低減に向けた対応を実施しています。 (4)事業環境変化に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、国内透析装置市場で高いシェアを占めていますが、国内透析患者数は中長期的には減少に転ずると予想されます。国内患者数減少という市場構造変化に対応できない場合、国内血液透析事業の経営成績等が悪化する可能性があります。<現在の対応策>国内患者数減少という市場構造変化への対応をするために、治療の安全性や利便性ならびに経済性に寄与する顧客のニーズに応える製品を提供しつづけるとともに、米国をはじめとした海外販売増加に取り組みます。 (5)気候変動、低・脱炭素化社会への移行に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、グローバルに事業を展開しており、温室効果ガス(GHG)排出量の削減や水・廃棄物等の適切な管理に対する社会的要請の高まりや、サステナビリティに関する法令や規制の動きについて細心の注意を払っています。しかしながら、これらへの対応が不十分な場合は、サプライチェーンにおいてリスクの高いサプライヤーとして認識され、取引関係に支障を及ぼすおそれがあります。また、エネルギー価格の上昇により、製造コストが上昇する可能性があります。<現在の対応策>日機装グループが、企業の社会的責任を果たすことに加え、安全性の高いサプライヤーとして良好な取引関係を維持するために、GHG排出量の測定と削減目標を定め、各種取り組みを行なっている他、水・廃棄物の適切な処理・再資源化による環境負荷低減に努めています。また、サステナビリティに関する法令や規制の動きに関しては、情報収集を行ない、対応方法を検討し実行しています。さらに、費用増加の可能性があるエネルギー価格の上昇については、省エネルギー対策・再生エネルギーの活用・カーボンオフセットなどの組み合わせによる対応を行なっています。 (6)技術革新・事業展開の遅れに関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、技術進歩の速い市場において複数事業を展開し、新製品・新プロセスの開発と事業拡大を進めています。主要市場の技術動向や顧客要求の変化に関しては、開発のスピードと適合性を確保することを重視しています。しかしながら、市場・顧客ニーズの変化を適切に捉えられない場合、新製品の開発・上市が遅延し、競争力が低下する可能性があります。また、新素材・新製法・需要シナリオの転換への対応が遅れる場合、開発コストや期間の増大、投資回収計画との乖離が発生する可能性があります。<現在の対応策>日機装グループでは、市場・技術の変化速度に対応するため、顧客・研究機関・サプライヤー等との連携を強化し、要素技術や新素材・新製法の開発を加速するとともに、量産化を見据えた実証を段階的に進めています。また、開発・事業化の遅延リスクを抑制するため、外部情報の機動的な取り込みを通じて開発インプットを高度化し、優先順位づけと資源配分の見直しを適時に実施しています。加えて、需要や規格の変化に備えるため、段階的な改良投入(マイナーチェンジ等)による製品ライフサイクル管理と、次世代製品の早期開発着手を並行して進め、部品の供給終了等にも対応できる体制を整えています。 (7)製品・サービスの品質に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、インダストリアル、航空宇宙、メディカルの各事業本部において多様な製品を設計・製造し、グローバルに生産・販売拠点を有しています。製品・サービスの品質に関しては、国際的な品質基準や各国の法令・規制に適合するよう万全を期して対応しています。しかしながら、万一法令・規格・顧客要求への不適合や品質不正が発生した場合、リコールや顧客対応等に伴なう多額のコストが発生し、日機装グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<現在の対応策>日機装グループにとって、品質に関わるガバナンスの強化は経営上の重要事項と捉え、全社を挙げて品質保証体制の強化に取り組んでいます。製品・サービスの品質不具合を未然に防止するため、ISO9001 をはじめとする品質マネジメントシステムの有効性を定期的に評価し、その適正な運用の確保に努めています。また、国内外の生産拠点に対するコンプライアンス監査を通じて、業務運用プロセスの適正性を確認し、コンプライアンス上のリスク低減を推進しています。さらに、全従業員を対象とした遵法意識および品質意識の向上を目的とする教育を継続的に実施し、組織全体のコンプライアンス意識の向上に取り組んでいます。 (8)サプライチェーンに関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、多様な原材料・部品を調達しています。地政学リスクやインフレ、需要回復・増産動向、通商政策や規制の変更、特定地域への依存、主要部材の生産終了(EOL)やサプライヤーの事業撤退等の影響により、供給の逼迫や納期の長期化、価格の上昇および物流コストの増加が生じる可能性があります。また、サプライヤーの選択肢が限定されることや、物流・保管体制の変更が必要となる場合には、部材供給の遅延・途絶により生産の停止・遅延が発生し、日機装グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。<現在の対応策>日機装グループは、重要部材のデュアル/マルチソーシングや調達先の地域分散、新規サプライヤーの開拓、在庫・物流体制の最適化等により、供給途絶およびコスト上昇への耐性強化を図っています。また、需要動向を踏まえた生産・調達計画の精緻化に加え、設計段階からの代替材料・代替仕様の事前検討を進め、EOLや事業撤退リスクへの対応力を高めています。加えて、調達本部の設置や特定国・地域への過度な依存からの脱却を志向した製品開発も検討しています。 (9)人事採用・確保と人材育成に関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、生産・開発・販売をはじめとする多様な専門分野で事業を推進するため、必要な人材の確保・育成を重要課題として位置付けています。しかし、人材獲得競争の激化により、計画どおりに必要な人材を確保できない場合、事業戦略やグローバル展開の遂行に遅れが生じる可能性があります。また、優秀人材や経験豊富な人材の流出が進んだ場合、技術・技能の伝承が滞り、日機装グループの技術力や事業推進力の低下につながる可能性があります。加えて、育成機会の不足等により従業員の成長が停滞した場合には、組織全体の競争力の減退を招く可能性もあります。<現在の対応策>日機装グループは、競争力ある報酬水準の検討やチャレンジを後押しし、やりがいと働きがいを実感できる人事制度への見直しを進めるとともに、働きやすい職場作りや定着促進のための施策などを通じて、採用と定着の強化に取り組んでいます。また、人材育成の観点では、要職のサクセッションプラン策定、将来の事業推進の核となる人材の選抜と計画的な育成などの教育体系の再構築を進めています。これらの取り組みにより、日機装グループは事業成長を支える人材基盤の強化および技術力の持続的向上を図っています。 (10)情報セキュリティに関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、クラウドサービスや社内ネットワークを活用して業務を行なっています。情報セキュリティに関しては、外部からの不正アクセスやマルウェア感染の脅威に晒されています。システムの脆弱性が放置された場合、機密情報の漏えいや業務停止の可能性があります。また、従業員の操作ミスや不適切な権限管理により、データ改ざんや情報漏えいが発生する可能性があります。<現在の対応策>外部攻撃による情報漏えいを防止するために、ファイアウォールや侵入検知システムを導入し、定期的な脆弱性診断を実施しています。また、内部要因によるリスクを低減するために、従業員へのセキュリティ教育を定期的に行なっています。さらに、日機装グループ全体でのセキュリティ対策の標準化を推進し、情報セキュリティレベルの継続的な向上に取り組んでいます。 (11)コンプライアンスに関するリスク<想定されるリスク>日機装グループは、多様な背景を持つ従業員で構成されており、また、事業活動は世界各地へ広がり続けています。そのため、各国・地域で高度化・複雑化する法規範や社会規範、倫理基準を理解し、適切に対応すること、さらに、変化する社会の価値観をとらえ、企業文化や制度を進化させることが、日機装グループの企業価値向上のための重要なテーマであると認識しています。しかしながら、コンプライアンス活動が従業員に十分浸透しない場合、法令違反などの問題が発生する可能性があります。その結果、行政処分や罰金、訴訟費用の発生、信用低下、ブランド価値の毀損が発生する可能性があります。<現在の対応策>日機装グループは、コンプライアンス活動を従業員へ確実に浸透させるため、各国・地域の法規範および社会規範・倫理を遵守すること、ならびに多様な価値観を尊重することを基本方針としています。その取り組みとして、「日機装グループ グローバル行動規範」を含む各種規範・規程を定期的に見直し、周知・運用を行なっています。さらに、グローバル内部通報制度を整備し、利用を促進しています。加えて、コンプライアンス教育を継続的に実施し、従業員一人ひとりの意識向上に努めています。 (12)ガバナンスに関するリスク<想定されるリスク>日機装グループとして、企業価値の向上と業務の適正を確保する体制を整備していますが、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しない場合や、国内外のグループ会社全体の統制が不十分な場合、法令違反等のコンプライアンス違反を招き、企業の信用失墜や事業継続に支障をきたし、その結果、企業価値が低下するなど日機装グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。<現在の対応策>日機装グループは、ガバナンスが全社的に機能するよう、グループ会社の重要事項に関する決裁・報告プロセスを整備し、事業運営の透明性と適正性を確保しています。また、事業規模や事業環境の変化に応じて、権限や報告項目の見直しを継続し、統制レベルの適正化を図っています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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