ダイフク(6383)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ダイフク(6383)の株価チャート ダイフク(6383)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

当企業集団が営んでいる主な事業内容と、当該事業に関わる各社の位置づけは次のとおりです。

 

株式会社ダイフク

マテリアルハンドリングシステム・機器、洗車機等の製造販売及びアフターサービスを行っています。

㈱コンテックの企業グループから製品に組み込まれる電子機器を購入し、㈱ダイフク・マニュファクチャリング・テクノロジーをはじめとする国内の連結会社へ物流機器の設計・製造等を委託しています。

 

コンテックグループ

㈱コンテック及びその連結会社は、パソコン周辺機器・産業用コンピュータ・ネットワーク機器の開発、製造販売及びアフターサービスを行っています。

 

Daifuku North America, Inc.(DNA)グループ

Daifuku North America, Inc.及びその連結会社は、北米を中心にマテリアルハンドリングシステム・機器の製造販売及びアフターサービスを行っています。

 

Clean Factomation, Inc.(CFI)

Clean Factomation, Inc.は、主に韓国の半導体メーカーへのクリーンルーム内搬送システムの製造販売及びアフターサービスを行っています。

 

大福自動搬送設備(蘇州)有限公司(DSA)

大福自動搬送設備(蘇州)有限公司は、主に中国の半導体メーカーへのクリーンルーム内搬送システムの製造販売及びアフターサービスを行っています。

 

その他

その他の連結会社は、㈱ダイフクから供給されるマテリアルハンドリングシステムのコンポーネントと現地で生産・調達する部材を組み合わせて、販売や据付工事、アフターサービスを行っています。

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

<事業系統図>

 


 


有価証券報告書(-0001年11月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在においてダイフクグループが判断したものです。

(1) 経営方針

ダイフクは、事業環境や社会環境の変化、デジタルトランスフォーメーションやサステナビリティ経営といった時代の要請に応えるため、2021年10月1日付で経営理念を改定し、「モノを動かし、心を動かす。」としました。ダイフクグループの競争力の源泉であり、これまで培ってきた「保管」「搬送」「仕分け・ピッキング」、すなわち「モノを動かす」技術でお客さまへの提供価値を変革し、健全で心豊かに生きられる社会の実現を目指していきます。

 

<中期経営計画の総括>

2024年3月期を最終年度とする3カ年中期経営計画「Value Transformation 2023」では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、初年度は当初経営目標(連結売上高5,400億円、営業利益率10.5%、各年度ROE10%以上、連結配当性向3カ年平均30%以上)達成に向け、おおむね好調に推移し、計画2期目に売上高目標を6,000億円に上方修正しました。

2023年3月期以降は、原材料・人件費高騰に伴うコスト増加が顕著になり、利益面に大きな影響を及ぼしましたが、価格転嫁の促進や製品の標準化、部品点数の削減、工期短縮といった自助努力によるコスト削減を推進し、利益率改善に注力しました。

この結果、2024年3月期は、売上高・ROEとも経営目標を達成しました。また、2023年3月期、2024年3月期と2期連続で営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益を更新しましたが、2024年3月期の営業利益率は、わずかに目標には届かない結果となりました。

なお、連結配当性向に関しては、3カ年平均32.7%となり、目標としていた3カ年平均30%以上を達成しました。経営目標に対する達成状況、主な成果と課題は以下のとおりです。

 

<経営目標に対する達成状況>

 

2022年3月期実績

2023年3月期実績

2024年3月期実績

2024年3月期
中期経営計画
最終年度目標

連結売上高

5,122億円

6,019億円

6,114億円

6,000億円

当初:5,400億円

営業利益率

9.8%

9.8%

10.2%

10.5%

ROE

13.1%

13.2%

13.2%

10%以上

連結配当性向

31.6%

33.6%

32.9%

3カ年平均30%以上

3カ年平均32.7%

 

 

 

<成果と課題>

成果

・生産能力を増強(北米・中国・韓国)し、受注高・売上高増加に結び付けるとともに、生産性や内製化率の向上を図り、収益性も改善

・製品の標準化、部品点数削減、工期短縮などによるコストダウンで部材費高騰や人件費上昇の影響を低減

・グループチーフオフィサーを設置し、全社横断的な経営体制を強化

・再生可能エネルギーの導入を進め、2023年度のCO2排出量(スコープ1及び2)は2018年度比で46%の削減を達成見込み

 

課題

・海外プロジェクト管理の高度化による収益性の改善

・先端技術の導入加速や新規事業の創出による競争力の強化

・人材の確保、育成に向けた人的資本投資の拡充と人材マネジメント力の強化

・経営管理の高度化による資本効率やキャッシュ・フローの改善

 

 

<長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」及び「2027年中期経営計画」の概要>

次なる成長と企業価値向上を目指すため、2030年のありたい姿として長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」を、その中間点として2027年12月期を最終年度とする「2027年中期経営計画」(以下、新中計)を策定しました。

なお、ダイフクは2024年12月期より決算期(事業年度の末日)を毎年3月31日から毎年12月31日に変更しました。詳細は、「第6 提出会社の株式事務の概要」をご参照ください。

 

<「Driving Innovative Impact 2030」について>

『未来を見据えた新たな発想での取り組みを強化し、ステークホルダーへ革新的な影響を生み出すことにより、目指すべき経済・社会価値を実現する』との強い想いを込めています。

 

<策定のコンセプト>

1.短期志向から長期・バックキャスト志向へ

 未来の社会像や課題を想起し、まず2030年のありたい姿を「Driving Innovative Impact 2030」として設定した上で、その中間点として「2027年中期経営計画」を策定しました。

2.経済価値と社会価値の両立へ

 経済価値と社会価値双方の視点を踏まえた統合目標を設定し、その実現に向けた施策・ロードマップを策定しました。

 

<2030年のありたい姿・2027年経営目標>

 

2030年のありたい姿

2027年経営目標

経済価値

連結売上高

1兆円

8,000億円

営業利益率

12.5%

11.5%

ROE

13.0%

13.0%

社会価値

「モノを動かす」技術で

  物流や生産現場などの社会インフラを支えます

  食や環境などの新たな領域で社会課題解決へ貢献します

 

 

 

<注力する領域・枠組み>

経済価値及び社会価値の実現に向け、「Value Transformation 2023」の課題や事業環境・社会の持続可能性を考慮し、事業領域と事業・経営基盤領域それぞれに注力する枠組みを設定し、各種施策を実践していきます。

領域

枠組み

事業領域

・既存事業の進化

・新領域への挑戦

・次世代事業の創出

事業・経営基盤領域

・成長を支える仕組みの構築

・事業を支える財務戦略

・業務全体の刷新

・経営体制の強化、管理の高度化

・組織の強化

・環境負荷ゼロに向けた活動

・継続した安全活動

 

長期ビジョン及び新中計の詳細は、『長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」、および「2027年中期経営計画」策定のお知らせ』(2024年5月10日公表)又はダイフクウェブサイトをご覧ください。

https://www.daifuku.com/jp/ir/assets/20240510_3.pdf

 

〔図〕長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」と2027年中期経営計画


 

(2) 経営環境

① 事業環境

日本においては人口の減少と物流2024年問題に伴う労働力不足が深刻化する一方、北米を中心とする海外においては人件費が急激に上昇し、物流・生産現場における自動化・無人化ニーズがグローバルで拡大しています。

また、生成AIの普及に伴い半導体需要が飛躍的に増加すると同時に、経済安全保障の観点から各国政府が自国内における設備投資を促進しているため、各地域で半導体投資が活発化しています。

各国政府がCO2排出量削減目標を掲げる中、xEV(BEV、HEV、PHEV、FCEVなど電動車の総称)関連投資も当面継続が見込まれます。

これまで、限定的な自動化投資しか行われてこなかった空港においては、慢性的な労働力不足に伴う各種課題が顕在化しており、「空港のスマート化」が求められています。

これらの事業環境を踏まえ、ダイフクグループが提供するマテリアルハンドリングを核とする「モノを動かす」技術への期待がますます高まっていくことは確実であり、ビジネス機会を着実に捉え、更なる成長に繋げていきます。

② 競争環境

生成AIに代表される先端技術の革新が急速に進展し、特定の技術力・製品を持った新興企業が参入してきています。また、低価格を強みとする中国企業も台頭しています。

日本においては、国内競合企業が自社の製品と海外企業の先端製品を組み合わせることで提案力を強化する等、競争は激化しています。

次世代技術に重点を置いた開発力を強化すると同時に、DX/AIリテラシーの向上に向けた人材育成に注力し、グローバルに最適・最良のシステムを提供するというダイフクグループの強みに磨きをかけ、厳しい競争に打ち勝っていきます。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新中計の根幹となる事業ポートフォリオについては、従来どおり、①一般製造業・流通業向けシステム、②半導体・液晶生産ライン向けシステム、③自動車生産ライン向けシステム、④空港向けシステムの4つのコア事業に、⑤洗車機・関連商品と⑥電子機器を加えた6つの事業で継続的な発展を目指します。

当連結会計年度は、グループ全体の構造改革で収益性向上を図るため、

・事業体質の見直しと新たな事業への挑戦

・現地法人の構造改革による収益性向上

・先端技術・新規事業開発とDX推進の継続

などに取り組みました。

各事業において、お客さまの近くで調達・生産して製品・システムを提供する、いわゆる「地産地消」の推進を図る中で、日本では滋賀事業所を5年程度かけて再編(一般製造業・流通業向けシステム及び半導体・液晶生産ライン向けシステム等を中心とした工場生産設備の維持更新や増強)するプロジェクトが進行中です。

一般製造業・流通業向けシステムでは、インド(Daifuku Intralogistics India Private Limited)で新工場建設を、北米(Daifuku Intralogistics America Corporation)では既存工場と同規模の工場増設を進めています。

半導体・液晶生産ライン向けシステムでは中国(大福自動搬送設備(蘇州)有限公司)で新工場が稼働を開始したほか、韓国(Clean Factomation, Inc.)では工場をリニューアルし生産能力が拡大しました。

一方、市場が大きく変化している中国の自動車生産ライン向けシステム(大福(中国)自動化設備有限公司)、及びプロジェクト管理の不備により一過性コストを計上したオセアニアの空港向けシステム(Daifuku Oceania Limited)では抜本的な構造改革に着手しました。

また、すべての現地法人で、営業利益率10%以上の早期達成に向けた改善計画を実行しており、一部では既に成果が表れています。

事業領域の拡大に向けては、新規事業や先端技術の開発も重要テーマです。2024年4月、代表取締役社長(CEO)直下にCTO(Chief Technology Officer)をトップとする専担組織「ビジネスイノベーション本部」を新設しました。「次世代技術」に重点をおいた開発力の強化と、オープンイノベーション推進により、成長のドライバーとなる先端技術開発を強化すると同時に、企業価値向上に貢献する新規事業を創出していきます。また、DX/AI人材の育成に向けた取り組みも強化していきます。

 

 

また、「サステナビリティ」「コンプライアンス」「ガバナンス」「安全」についても引き続き重要な課題であると捉えています。

① サステナビリティ経営

持続可能な社会の実現に向けて、企業の役割がますます大きくなる中、特に「国内外脱炭素目標の設定と評価」「ダイバーシティの推進」等にこれまで以上にグローバルレベルで取り組んでいくことが求められています。ダイフクグループではこれまで、サステナビリティ経営の推進組織として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を2020年4月に設置し、その取り組みについて適宜、取締役会に報告してきましたが、これを「サステナビリティ経営委員会」及びその下部組織として「サステナビリティ推進委員会」に再編しました。前者で経営戦略の重要な議論や計画の進捗・成果の確認などを行って経営の高度化を図り、後者が経営戦略に基づきグループ横断の取り組み等を推進していきます。

2022年11月より、ダイフクグループ最大の工場である滋賀事業所においてメガソーラーを含め事業所内で使用する電力をすべて再生可能エネルギー由来へと切り替えたのをはじめ、グループ各社でも再生可能エネルギー導入を進めてきました。これにより、「ダイフク環境ビジョン2050」で設定している2030年のダイフクグループのスコープ1、2のCO2排出量削減目標(2018年度比50.4%減)の早期達成が視野に入ってきました。このため長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」策定に合わせて、2030年のCO2排出量削減目標を60%減に上方修正しました。

人的資本への投資では、グループ人材マネジメント基盤を構築し、グローバルかつダイバーシティの観点で、各事業の特性に応じた専門人材の育成・登用に努めています。

② コンプライアンスの徹底・グループガバナンスの強化

コンプライアンスが事業活動すべての前提になることに変わりはありません。単に法律を遵守すればいいということに止まらず、ダイフクグループの今と未来を支えるのは、一人ひとりの高い倫理観と責任ある行動であることを、教育・研修などを通じグローバルベースで徹底していくとともに、不正が起こりうる可能性を想定して事業構造の改革に引き続き注力していきます。

コーポレートガバナンスについては、当連結会計年度は取締役10名中5名の社外取締役を選任しています。また、企業経営経験者、財務・会計や法律の専門家、女性・外国人の登用など取締役会の多様性も確保しています。

③ 「安全専一※」の徹底

一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを発揮できる職場環境づくりに努めていくうえで、社員やその家族、お客さま、お取引先の生命・健康・安全を確保することが何よりも優先されます。「安全は、『第一』『第二』と相対的な順位を付けるものではなく、絶対的なもの、『専一』なものである」という意識をグローバルに浸透させ、引き続き、グループ一体となって災害や不安全行為の撲滅に取り組んでいきます。

※「安全専一」は、古河機械金属株式会社の登録商標です。

 

 

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在においてダイフクグループが判断したものです。

 

(1) リスクの管理体制

ダイフクグループは、代表取締役社長(CEO)を最高責任者として、以下のとおり3線モデルを基本とするリスクマネジメント体制を構築しています(下図)。リスク対応の実行主体である事業部門(第1線)が行うリスク管理を、コーポレート部門をはじめとするリスク所管部署(第2線)が支援、指導、監督します。また、監査部門(第3線)が第1線及び第2線のリスク管理の取組みについて監査します。

 

〔図〕リスクマネジメント体制

 

 


 

ダイフクグループは、これらの取組みを全社的な観点でモニタリング、対応指示及び進捗管理を行うために、代表取締役社長が委員長、事業部門長及び事業部長、安全衛生管理本部、コーポレート部門等の責任者を委員とするリスクマネジメント委員会を設置しており、同委員会は以下の事項を所管しています。同委員会は年数回程度の開催を予定しており、2024年3月期は5回開催しました。委員会の取組み状況等については必要に応じ取締役会へ報告を行います。

 

 

リスクマネジメント委員会の所管事項

1) リスク管理体制の企画及び立案ならびに関連規定の整備

2) リスクアセスメント結果を踏まえたシビアリスク(経営層が中心となって組織横断的に優先管理すべきリスク)の選定

3) シビアリスク対応方針の決定、指示、進捗管理及びモニタリング

4) 年次レビューの実施及び結果のフィードバック

5) リスク意識向上のための各種情報共有、その他リスクマネジメントの重要性、考え方及び手法等に関する教育・訓練・研修等の実施方針の決定、指示

6) 危機対応に関する教育訓練及び演習等の対応方針決定、指示

 

② 平常時及び非常時の体制

ダイフクグループのリスクマネジメント体制は、平常時はリスクマネジメント委員会が上記①の活動を行い、リスクが顕在化する前に、その可能性や被害の極小化に努めています。

リスクが顕在化し、危機対応を行うべき事態が発生した際は速やかにBCP推進体制へ移行します。

発見・連絡・対応からなる初期対応を行い、その後は業務継続の可否を見極めながら、被害管理、復旧対応に当たります。同体制はBCP推進部門が全社の対応を取りまとめた上で、リスク所管部署がリスク顕在化後の対応に当たるだけでなく、平常時から事前準備に努めています。

 

(2) 主要なリスク(シビアリスク)の選定及び対応のフロー

 

 


 

(3) 主要なリスク(シビアリスク)の評価と対応

ダイフクグループにおいて「シビアリスク」と呼称しており、ダイフクグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると経営者が認識している主要なリスクは次のとおりです。ただし、これらはダイフクグループのすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。

 

 

主要なリスク(シビアリスク)のリスク評価一覧

リスクテーマ

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

1) 事業環境の変化

市場環境の変化

1年以内

経済危機、景気変動

1年以内

重要顧客の喪失

やや高

特定時期なし

政変、革命、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ

1年以内

2) 調達・サプライチェーン

原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能

やや大

1年以内

3) 成長戦略

新規領域創出・技術開発

5年以内

4) 人材関連

人材育成の取組み不足

やや大

3年以内

従業員(作業者)の不足

やや大

3年以内

後継者(管理職)教育

5年以内

人材の確保・社員の離職

やや大

1年以内

5) グループガバナンス

子会社の管理不備

やや高

特定時期なし

グループ会社の不祥事

特定時期なし

6) 自然災害

大規模な自然災害(例:大規模地震、津波、風水害等)

低 

特定時期なし

7) 情報セキュリティ

機密情報の人為的な漏洩

特定時期なし

サイバー攻撃

特定時期なし

 

 

主要なリスク(シビアリスク)の内容と対応策

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 1) 事業環境の変化

市場環境の変化

1年以内

経済危機、景気変動

1年以内

重要顧客の喪失

やや高

特定時期なし

政変、革命、戦争、内乱、紛争、暴動、テロ

1年以内

リスクの説明

 世界的なインフレや金利上昇、中国経済の減速、各国の政策の大幅な転換、世界各地で発生した紛争や政変など、経済動向に悪影響を与え得る事象が散見されます。ダイフクグループの主たる製品は物流システム等の設備であり、景気変動ひいてはお客さまの設備投資動向が売上に大きく影響します。特に半導体業界を主体とするエレクトロニクス業界は、技術革新のスピードが非常に早く、AIの利活用の加速による半導体需要増は見込まれるものの、同業界の設備投資動向は短期間で急速に変化するため、業績に想定以上の影響を及ぼす可能性があります。
 一方で、少子高齢化や人手不足による自動化・省人化ニーズの高まり、いわゆるグローバルサウス諸国の経済発展、自動車産業のEVシフト、国際的な人の往来回復など、これら中長期の経済・社会のトレンドがダイフクグループの受注・売上増に好材料となり得ます。

リスク対策

 好影響、悪影響を問わず、ダイフクグループを取り巻く環境において発生した事象の実際の影響を完全に予測することは困難ですが、経済情勢、市場環境、お客さま業界のニーズ、動向を注視し経営計画、事業計画に機動的に反映させるよう努めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 2) 調達・サプライチェーン

原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能

やや大

1年以内

リスクの説明

 ダイフクグループが製造・提供する主たる製品は、多種多様な部品・部材で構成される物流システムであり、部品・部材の調達の成否及び停滞によりダイフク製品の生産、工事、サービスの提供の遅れにつながる可能性があります。半導体等、部品の世界的な供給不足は落ち着きを取り戻したものの、依然としてエネルギー価格・部品及び原材料価格の高騰、またいわゆる「物流2024年問題」に端を発する物流コストの上昇が想定されます。加えて、ダイフクグループの安定的な調達活動にあたっては、サステナブル調達の要請の高まり、下請法コンプライアンス等への対応が不可欠であると考え、それらの取組み不足はダイフクグループのレピュテーション低下を招くだけではなく、サプライチェーンにおける中長期的な関係の構築・維持に失敗し、部品・部材の調達遅延・不足・不能のリスクにつながり得ると考えています。

リスク対策

 部品等の価格高騰・調達困難などを十分考慮して、コストや納期を管理するとともに、今後受注する案件についても契約条件等にも留意して影響の最小化を図っていきます。2024年3月期においても、引き続きCPOをヘッドとする事業部横断の調達や物流関連のワーキンググループにおいて情報共有や部品の融通を図るなどして原材料・部品・購入品等の調達遅延・不足・不能のリスク対応及び物流2024年問題の対応にあたりました。また、昨今の気候変動をはじめとする地球環境問題や人権問題など、多岐に渡る社会課題の解決に向けてサプライチェーン全体での取組みをさらに推進するため、従来のCSR調達基準を全面改定する形で「サステナブル調達ガイドライン」を策定し、ダイフクグループ全役員・従業員の規範となる「ダイフクグループ調達方針」も見直しました。加えて2024年4月より「SCM委員会」の運用を開始し、生産・工事系業務におけるコンプライアンスの徹底を図るとともに、サステナブル調達活動とサプライチェーンの最適化に向けた施策を事業横断的に展開しています。これらの取組みを通してお取引先様との共栄を実現し、責任ある調達活動を推進していきます。

 

 

 

 

 

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 3) 成長戦略

新規領域創出・技術開発

5年以内

リスクの説明

 ダイフクグループは、産業界の幅広い領域をカバーする総合マテリアルハンドリングメーカーとして成長してきました。今後、ダイフクグループの持続的な成長を図るためには、既存事業の伸長に加え、新規領域、新規事業の創出が欠くことができない取組みであると考えています。しかしながら、近時の産業構造や社会情勢はダイナミックに変化しており、それらをタイムリーに捕捉した上でダイフクグループの業績拡大をもたらす新規領域、新規事業を創出するには一定程度の時間を要するものと考えております。
 また、ダイフクグループは、マテリアルハンドリングを核とした「モノを動かす」技術で、様々な業界のお客様にソリューションをご提供してきました。昨今、高まる自動化、省力化ニーズにお応えすべく、これまで蓄積してきた技術やノウハウを製品やサービスに反映し、日々進化に取り組んでおります。一方で、お客様のニーズも多様化、高度化しているため、新製品、新サービスの開発も重要な経営課題となります。しかし、マテリアルハンドリング業界でもAIなど新技術の利活用の進展が見られる中、人材不足により技術開発活動に支障をきたしダイフクグループの競争力が低下するおそれがあります。

リスク対策

 グループ全体の事業領域の拡大を図るため、2024年4月より、CTOをトップとする、「ビジネスイノベーション本部」を新設しました。これまで事業部内で推進していた新領域における事業拡大の取り組みに加え、次世代事業の創出を進めていく予定です。
 あわせてAIなどの先端技術の導入推進やダイフクグループの事業横断的な開発体制の構築をおこない技術競争力の強化を図ります。また人材育成の取り組みとしてDXやAIに関するスキルやリテラシーの向上を図るためにグループ役員・従業員が受講するeラーニングシステムやAI教育プログラムを導入いたします。

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 4) 人材関連

人材育成の取組み不足

やや大

3年以内

従業員(作業者)の不足

やや大

3年以内

後継者(管理職)教育

5年以内

人材の確保・社員の離職

やや大

1年以内

リスクの説明

 ダイフクグループの持続的な発展には、次世代を担う後継者の教育及び対象となる人材の育成が重要と考えています。世界的な人手不足の中、eコマースの進展などによりマテリアルハンドリングシステム業界においても、特に技術者・技能者不足の深刻化が懸念されており、ダイフクグループにおいても専門的知識や技術を持った人材不足による競争力低下をリスクと捉えています。これらのリスクが顕在化することにより、事業運営の継続性や技術・技能のノウハウ、優位性が失われ、ダイフクグループの業績に影響を与える可能性があります。

リスク対策

 後継者(役員、役職者)の育成に関しては、グループ共通コンピテンシー(求める行動特性・姿勢)の策定やグループ人材マネジメント基盤(グループ全体でキーポジションを明確化し、一定層以上の人材をグループ人材と位置付け、その「評価」と「育成」を計画的にグループ横断にて促進する体制)の構築を進めています。また、海外ナショナルスタッフ向け育成支援プログラムを階層ごとに体系化するとともに、海外グループ会社16社を対象にエンゲージメントサーベイを実施し、個社別に結果報告会を行いました。サーベイ結果をもとに個社毎にアクションプランを策定し、エンゲージメント改善活動に取り組んでいきます。加えて、女性インターンシップ生向けに、女性活躍の観点からの各種フォローアップイベント(女性従業員との座談会等)の実施や外国籍従業員に関しては海外大学からの直接採用や留学生の積極採用に取り組んでいます。また、キャリア採用者の職場定着に関する施策として、キャリア採用者の個別面談やキャリア採用者研修を実施しています。

 

 

 

 

 

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 5) グループガバナンス

子会社の管理不備

やや高

特定時期なし

グループ会社の不祥事

特定時期なし

リスクの説明

 ダイフクグループの急成長、子会社や従業員の急速な増加により、2024年3月期のダイフクグループの連結会社数は67社、従業員数は13,071名に達し、そのうち連結海外子会社の従業員数は8,999名(68.8%)となりました。このように拡大した枠組みで、国内外の子会社の管理が行き届かず、不正・不祥事の発生や組織運営の失敗により、ダイフクの社会的信用の低下や業績の悪化を招く可能性があります。

リスク対策

 このような状況下で、ダイフクグループは、「グループ行動規範」を策定しダイフクグループの役職員として取るべき行動の指針を示した上で、多言語の「コンプライアンス・ガイドブック」の配布及び継続的周知活動、海外子会社の役職員も対象とするeラーニング、階層別研修、コンプライアンス強化月間、内部通報制度の周知等でコンプライアンス意識の醸成、浸透を図っています。また、各種方針・規程類の見直し及びグループ内での周知に向けた浸透策の実施、特に海外での大型プロジェクトにおける損失リスク軽減のための各種施策の立案・実施を進め、国内外の子会社管理体制を整備してまいります。

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 6) 自然災害

大規模な自然災害(例:大規模地震、津波、風水害等)

特定時期なし

リスクの説明

 地震、台風、津波など大規模な自然災害が世界各地で頻発しています。それらの発生に起因して、ダイフクグループの生産設備や拠点への被害が発生したり、ライフラインの停止や従業員の出勤が難しくなったりすることにより、企業活動が中断するリスクがあります。発生した事象が甚大な場合(南海トラフ地震、超大規模台風など)は、影響は想定より大きくなる可能性があります。

リスク対策

 拠点ごとの自然災害ハザード調査を実施し、2024年3月期においては、日本国内において今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の高い拠点の特定と「避難計画」の確認を行いました。また、発生時の時系列対応計画策定と安否確認などの各種訓練、備蓄品の拡充などを進めました。加えて、必要に応じて既存の事業継続計画(BCP)などの実効性向上のため、事業影響度分析、各事業部体制表の見直しなどを実施しています。これらの取り組みにより、大規模な自然災害が発生した際の被害規模極小化、影響度の低減に努めています。

 

 

 

 

 

 

 

リスクテーマ

 

リスク項目

影響度

発生可能性

リスク顕在化の
可能性のある時期

 7) 情報セキュリティ

機密情報の人為的な漏洩

特定時期なし

サイバー攻撃

特定時期なし

リスクの説明

 近年世界的に、内部不正による情報漏洩やサイバー攻撃が増加傾向にあり、情報セキュリティに対する脅威が非常に高まっています。
 情報の漏洩が発生した場合、またはサイバー攻撃を受けたことにより、ダイフクグループのITインフラが機能不全となった場合、重要な情報資産の流出や不正利用、企業活動の中断、ダイフクグループのレピュテーションの毀損などの被害・損害が想定され、ダイフクグループの企業活動の継続や業績に悪影響を与える可能性があります。

リスク対策

 2004年より情報セキュリティ委員会を組成しグループ横断で情報セキュリティ対策強化に取り組んでいます。2024年3月期は情報セキュリティ関連の社内規程をISMS※1とNIST要件※2を網羅した文書へ改定を行いました。
 機密情報の人為的な漏洩に関する対策として、国内外の全部門に配置された情報セキュリティ推進責任者を中心に、機密情報の棚卸と機密区分に応じたゾーン管理策の実施、強化月間での役員・従業員への教育、階層別教育や誓約書等の対策を行っています。また、情報セキュリティ監査員体制の構築・育成による全職場の管理策のチェックを実施し、継続的な改善活動と管理レベルの向上により、個人情報等の重要な情報資産の保護を図っています。
 サイバー攻撃については、情報セキュリティ委員会を軸にCSIRT※3を運営し、サイバー攻撃を受けた場合の影響範囲や損害の特定、被害拡大防止の初動対応、再発防止策の検討などを実施しています。また、多言語に対応した動画コンテンツによるeラーニングや標的型攻撃を想定したメール訓練などを役員・従業員に対してグローバルで定期的に実施しています。
 
※1 ISMS:情報の機密性、完全性、可用性を守るための体系的な仕組み
※2 NIST要件:NIST(米国標準技術研究所)が提供するサイバーセキュリティフレームワーク
※3 CSIRT:Computer Security Incident Response Team:サイバー攻撃による情報漏洩など、コンピューターセキュリティにかかる事故に対処するための組織

 

 

 

(4) 主要なリスク(シビアリスク)の変動

「レピュテーションリスク」の評価見直しについて

2023年3月期有価証券報告書においては、「マスコミによる批判、風評被害」、「メディア対応の失敗」、「広告・宣伝の失敗」といったリスクを「レピュテーションリスク」と総称して主要なリスク(シビアリスク)としておりました。企業規模や業績の拡大によりダイフクグループの社会的な認知度の上昇、マスメディアへの露出機会増、またSNSによる誤情報及び不適切な表現の拡散のおそれが増すといった状況は引き続き存続しています。しかしながら、記者会見を想定した役員層へのメディアトレーニング実施や、SNSを利用する際の留意点を示したガイドライン策定及び不適切投稿や情報漏洩発見時の報告ルート整備等を進めた結果、一定程度リスクが低減したものとして、「レピュテーションリスク」は、2024年12月期における主要なリスク(シビアリスク)の対象外とすることとしました。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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