日本精工(6471)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】日本精工及び日本精工の関係会社(日本精工、子会社94社(うち連結子会社90社)及び関連会社18社(2026年3月31日現在)により構成)におきましては、産業機械事業、自動車事業、ステアリング事業等を行っています。産業機械事業については、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品及び状態監視システム等の製造・販売を行っています。自動車事業については、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。ステアリング事業については、自動車メーカー向けのステアリング等の製造・販売を行っています。 (ステアリング事業) 2025年9月1日に、JISが保有する日本精工の持分法適用関連会社であるNS&Cの全株式を取得したため、NS&C及び同社の子会社であるNSKステアリングシステムズ株式会社、NSKステアリングシステムズ・アメリカ社、NSKステアリングシステムズ・フランス社、NSKステアリングシステムズ・ポーランド社、NSKオートモーティブ・コンポーネンツ中国社、NSKステアリングシステムズ杭州社、その他6社は、日本精工の連結子会社となりました。 ステアリング事業以外の事業に係る主要な関係会社の異動はありません。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等] [連結財務諸表注記]4.セグメント情報」に記載のとおりです。 各事業における主要製品、日本精工及び関係会社の位置付け等は次のとおりです。 事業主要製品主要製造会社主要販売会社 産業機械 玉軸受 円筒ころ軸受 円すいころ軸受 自動調心ころ軸受 精密軸受 ボールねじ リニアガイド メガトルクモータ XYテーブル 状態監視システム等 ※ 日本精工㈱NSKマイクロプレシジョン㈱日本精工九州㈱井上軸受工業㈱NSKコーポレーション社NSKプレシジョン・アメリカ社NSKブラジル社NSKベアリング・ヨーロッパ社BKVドイツ社NSKベアリング・ポーランド社NSK合肥社NSK韓国社 日本精工㈱ NSKコーポレーション社 NSKプレシジョン・アメリカ社 NSKベアリング・メキシコ社 NSKブラジル社 NSK UK社 NSKドイツ社 BKVドイツ社 NSKフランス社 NSK中国社NSKインドネシア社NSKベアリング・マニュファク チュアリング(タイ)社 NSKベアリング・インド社 NSK韓国社 自動車 ハブユニット軸受 ニードル軸受 円筒ころ軸受 円すいころ軸受 玉軸受 ボールねじ 自動変速機用部品等 ※ 日本精工㈱NSKワーナー㈱NSKコーポレーション社NSKベアリング・ヨーロッパ社NSK昆山社NSK常熟社NSKベアリング・マニュファク チュアリング(タイ)社NSKベアリング・インド社NSK韓国社 ステアリング ステアリング 電動パワーステアリング等 NSKステアリングシステムズ㈱NSKステアリングシステムズ・ アメリカ社NSKステアリングシステムズ・ ポーランド社NSKステアリングシステムズ杭州社 NSKステアリング&コントロール㈱NSKステアリングシステムズ・ アメリカ社NSKステアリングシステムズ・ フランス社NSKオートモーティブ・ コンポーネンツ中国社 その他 鋼球、機械設備等 ㈱天辻鋼球製作所NSKマシナリー㈱ - ※ 持分法適用会社であり、日本精工及び持分法適用会社以外は連結子会社です。 以上の事業の概略を系統図によって示すと、次のとおりです。 なお、米州、欧州、中国及びアセアン・オセアニアにおきましては、NSKアメリカズ社、NSKヨーロッパ社、NSK中国社及びNSKインターナショナル(シンガポール)社が、それぞれの地域の関係会社の統括を行っています。 ※ 持分法適用会社であり、日本精工及び持分法適用会社以外は連結子会社です。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針日本精工グループは、「MOTION & CONTROL™を通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、 ①世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う ②社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する ③柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする ④社員は地域に対する使命感をもとに行動する ⑤グローバル経営をめざすという経営姿勢により社会に貢献する企業を目指していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等日本精工グループを取り巻く事業環境は、世界的なインフレの継続、欧州や中国の経済回復の遅れに加え、米国の追加関税政策、中国のレアアース輸出規制及び中東情勢、それらに対する各国の経済政策や顧客・取引先の生産計画の変更などの影響により、先行きは未だ不透明な状況にあります。自動車産業においては、バッテリーEVの成長鈍化により、完成車メーカーの事業戦略にも大きな変化が見られます。また、産業全般における電動化・自動化・デジタル化などの技術革新により、企業として取り組むべき課題は拡大を続けています。さらには、環境問題、人権の尊重、少子高齢化問題への取り組みなど企業の社会的責任の重要性は増し、経営環境は急速に変化しています。このような環境下、日本精工グループは2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組む一方、厳しい事業環境を鑑み、欧州の構造改革やインフレに対する製品への価格転嫁など、収益改善のための施策に取り組んできました。しかしながら、『中期経営計画2026』で想定していた事業環境に対してグローバル自動車生産台数の下振れに加え、工作機械など生産財及び家電など消費財の需要回復の遅れもあり、軸受業界全体の競争環境はより厳しいものになりました。そのため、更なる収益体質の改善と製品ポートフォリオの改善が必要であると判断し、1年前倒しで次期中期経営計画の策定に取り組み、2026年5月に日本精工グループが10年後に目指す姿である『NSKビジョン2036』と『中期経営計画2028』を発表しました。『NSKビジョン2036』は、「トライボロジーソリューションで理想の動きを共に実現する」です。日本精工グループは100年以上にわたり、製品の品質の向上と高機能化を通じて、自動車、鉄道、工作機械など社会を支えるさまざまな機械の発展に貢献してきました。次の社会では、デジタル技術の進展やフィジカルAIの出現により、ソフトウェア上で設計された理想の動きの具現化が求められます。その実現のためには、低摩擦化や耐久性に加え、摩擦を精緻に制御するための技術や製品が必要です。日本精工グループは、デジタル上の「理想の動き」を実現させるため、世の中に必要とされるパズルピースとして重要な役割を担い続けます。さらには、軸受を中心とした機械部品ビジネスだけでなく、ユニット製品によるシステムの最適化提案や顧客課題を解決するソリューションビジネスへの移行を目指します。また、『中期経営計画2028』においては、既存事業において安定した収益を生み出し続けながら、新事業・新領域において更なる成長を続けることを意味する“Bearings & Beyond”のもと、その実現を目指し、以下のような取り組みをしていきます。 “Bearings”の取り組みとして、既存事業において物量に頼らない体質改善と製品ポートフォリオの強化による収益性の向上を目指します。・欧州の構造改革の完遂及び日本の構造改革の着手、それらに伴うグローバル生産再編を実行します。・開発、設計の段階から生産、販売までの連携によるコストダウン、及びデジタル技術の活用による業務効率化に取り組み、国際的な競争優位性の向上に取り組みます。・アフターマーケット向けなどの高収益製品や、小型軽量化、低摩擦化、特殊環境への対応など日本精工の技術の強みを活かした差別化製品を拡大し、収益性の向上を目指します。 “Beyond”の取り組みとして、新たな収益の柱を育てるため、成長領域へのリソースの移動と将来を見据えた組織体制の整備を行います。・進展を続ける自動車の電動化に伴い、電動ブレーキ用ボールねじは高シェアを維持しながら更なる成長を目指します。それに加え、これまで培ってきた技術基盤や顧客基盤を活かし、メカユニット製品を継続的に開発し、安全で環境にやさしいモビリティの実現に貢献していきます。・補修や交換のための製品の提供だけでなく、状態監視ソリューション、寿命予測、リコンディショニングなどの技術サービスを合わせて提供することにより、循環型社会の発展に貢献していきます。・AIの発展に伴い急拡大していくロボット産業において、ロボットの関節を支える軸受、アームを伸縮させる直動製品の提供に加えて、外部との協業を積極的に行い、アクチュエータなどのユニット製品の開発やロボットの実装化のための技術サービスの提供に挑戦し、高齢化社会における労働力不足の解決に貢献していきます。 日本精工グループは、以上の経営課題に取り組み、改善の積み上げと次のステージへの挑戦を続け、未来志向の高い目標に向かって、前進を続ける活力のある会社を目指します。日本精工のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、企業理念に基づいた企業活動とMOTION & CONTROL™の進化を通じて、社会的課題の解決と社会の持続的発展への貢献を続けていきます。 (3) 目標とする経営指標日本精工は2026年5月に『中期経営計画2028』(2027年3月期から2029年3月期)を発表しました。世界的なインフレの継続、欧州や中国の経済回復の遅れに加え、地政学的リスクの影響など事業環境の先行きは不透明な状態が続いています。このような環境下で新事業・新領域において新たな収益の柱を育てるため、成長領域へのリソースの移動と将来を見据えた組織体制の整備を通じて持続的成長を目指すと共に、既存事業においては構造改革を進め、物量に頼らない体質改善と製品ポートフォリオの強化によって、ROE8%の早期実現に向けた収益改善に継続して取り組んでいきます。さらには、『NSKビジョン2036』の実現に向けた事業ポートフォリオ変革を通じて、ROE10%以上の収益構造の構築を目指します。 経営指標 事業ポートフォリオの変革収益を伴う成長営業利益率8%以上資本コストを上回る資本効率性の追求ROE8%ROIC6%持続的な成長を支える財務基盤の安定維持ネットD/Eレシオ0.4倍未満 また、非財務目標として、環境についてはCO2排出量の削減及び環境貢献型製品の開発、安全な職場環境づくりに対しては休業度数率の減少に取り組んでいます。また、人的資本の価値最大化を目指し、持続可能なエンゲージメントスコアの向上などに取り組んでいます。 日本精工とNTN株式会社は、共同株式移転の方法により共同持株会社を設立し、経営統合(以下「本経営統合」)を行うことについて基本的な合意に達し、2026年5月12日付で、それぞれの取締役会において本経営統合に関する基本合意書を締結することを決議し、締結いたしました。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等] [連結財務諸表注記]32.後発事象」に記載のとおりです。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が中・長期的観点も含め連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、次のとおりです。なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本精工グループが判断したものです。 日本精工は、経営陣の主要なリスク認識を基にグループ全体を対象にリスク・アセスメントを実施し、経営会議にてリスク重要度を決定し、取締役会にも報告しています。リスク・アセスメントのプロセスにおいては、リスクを発生可能性と影響度の二軸で評価し、さらに総合的な重要度に従い数段階に管理レベルを分けています。また、抽出したリスクは、当連結会計年度末時点での残余リスクに基づき評価していますが、対応策を講じることでその発生可能性と影響度を低減することを意図しています。管理レベルの高い重要リスクへの対応策の進捗状況を定期的に経営陣に報告する仕組みを構築しています。 2026年度の重要リスクは次の表のとおりです。 代表的リスクと対応策リスク項目代表的リスク内容対応策1地政学リスク・国際紛争による物流遮断や調達の難化、生産停止、原材料・エネルギー価格の高騰リスク・各国の通商・経済安全保障政策が日本精工の収益を圧迫するリスク・サプライチェーンの可視化と各種代替手段の検討・タイムリーな情報収集とそれに基づく販売価格の調整や生産地変更の検討2技術革新に係るリスク・技術革新に伴う市場の変化や顧客の技術要求に開発対応が遅れるリスク・中・長期方針に基づく開発計画の管理・運営の徹底・オープンイノベーションやアライアンスの活用3安全・防火及び自然災害に係るリスク・自然災害・パンデミック等へのBCP対応不備が操業に影響するリスク・重大な労働災害が発生するリスク・火災発生により操業が停止するリスク・影響度分析を通じた優先付けと具体的対策の特定・実施・重点拠点の管理体制強化と防止活動充実・グループ内教育活動の充実4品質に係るリスク・重大な品質問題の発生リスク・品質保証体制の不備により問題への対応力が低下するリスク・品質データの偽装、改ざんリスク・過去案件の分析に基づく対応策の強化・全社トレーサビリティシステムの導入による問題発生時の影響軽減・情報共有と品質監査活動の充実、教育強化5環境に係るリスク・長期エネルギー削減施策の遅れが事業機会の逸失や企業価値毀損を招くリスク・環境負荷物質の漏洩や排出基準超過が発生するリスク・エネルギー削減目標達成サイクルに基づく投資計画の実行・重点拠点の管理体制強化と防止活動充実6コンプライアンスに係るリスク・各種法令や規制の変化への対応が遅れるリスク・グローバルな税務課題に関する対応力が不足するリスク・グループコンプライアンス体制を通じた情報共有、教育研修の実施・国際税務対応リソースの拡充や親子会社間でのデータとリスク共有など税務マネジメント体制の強化7人材・労務に係るリスク・グローバルに有能な人材の確保ができず事業拡大や戦略遂行に支障をきたすリスク・働き方に対する価値観が多様化する中、人事諸制度、諸施策の見直しが遅れるリスク・各国の労働関連法令に適宜対応できず、事業運営に支障をきたすリスク・各国各地域や事業・機能の状況に応じた採用プロセスの強化とサクセッションプランニングの充実・エンゲージメント調査に基づくグループ内施策・アクションプランの策定と実施及び啓発活動の強化・各地域の人事部門との定期的情報交換とモニタリング、外部専門家との連携8調達に係るリスク・特定供給元への依存が円滑な調達に支障をきたすリスク・代替品の検討、調達先の複数化、現地調達の推進9DXや情報セキュリティに係るリスク・基幹システムの導入に係る納期遅延とコスト増大リスク・サイバー攻撃や機密情報流出などの情報セキュリティリスク・プロジェクト管理の徹底と厳格な追加開発審査プロセスの構築・計画的システム更新と定期的な脆弱性診断評価・早期検知と対処能力の向上、早期復旧体制の強化10中・長期的な企業価値向上に係るリスク・事業環境の想定外の変化により、中期経営計画の達成に支障をきたすリスク・株主・投資家や従業員等ステークホルダーとの対話が不十分なことにより企業価値向上や外部評価に影響を与えるリスク・計画の達成度のモニタリングと変化が生じた際の新たな対応策の策定と実行・各ステークホルダーとのエンゲージメント活動の活発化や開示・発信のレベルアップ 一方、インシデント発生時には、グループ内の各事業所・部署より報告が速やかにリスク管理部署になされる体制を整備し、影響の軽減と収束に向けた措置を講じることとしています。また、日本精工経営監査部は、各拠点や地域の内部監査部門と連携し、各拠点からの報告や実地監査等を通してリスクやインシデントの管理状況のモニタリングを行い、その結果を監査委員会に報告しています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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