THK(6481)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】THKグループは、子会社39社及び関連会社3社で構成されております。産業機器事業は主に直動システムを中心とした機械要素部品等の製造販売及び産業機械の製造販売を行っており、輸送機器事業は主に自動車や二輪車などの輸送機器向けにステアリング部品、サスペンション部品、ブレーキ部品等の開発設計、製造販売を行っております。直動システムは、機械装置等の直線運動部分に用いられ、機械装置等の高速・高精度化を実現した機械要素部品です。機械装置等の運動部分を「ころがり運動」化するため、「すべり運動」に比べて運動部分の摩擦が1/50に低減されることから、省エネルギーに優れた地球環境にやさしい製品です。こうした特長により、高速・高精度を要求される工作機械や半導体製造装置等の精密機器に留まらず、アミューズメント機器や、地震の揺れから建物を守る免震・制震装置等にいたるまで、幅広い分野に採用されております。 THKグループの主な事業内容と、各子会社等の事業における位置づけは次のとおりであります。日本国内においては、工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置などの産業機械メーカー及び代理店等にはTHKが直接販売し、その他メーカーの一部及びその他の代理店の一部に対しては、トークシステム株式会社が販売を担当しております。また、THKに加え、THKインテックス株式会社、THK新潟株式会社、日本スライド工業株式会社及びTHK桐生株式会社が製造を担当しております。THKインテックス株式会社は、産業機械の製造販売を行っており、THKから直動システム等を購入しております。また、THKはTHKインテックス株式会社より製造用機械の一部を購入しております。THKリズム株式会社は、ボールジョイント等を国内外の輸送機器メーカー向けに製造販売しております。米州においては、THK America, Inc.が販売を担当し、THK Manufacturing of America, Inc.が製造を担当しております。THK RHYTHM NORTH AMERICA CO., LTD.、THK RHYTHM MEXICANA,S.A. DE C.V.、THK RHYTHM AUTOMOTIVE MICHIGAN CORPORATION及びTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CANADA LIMITEDは、リンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。欧州においては、THK GmbH及びTHK France S.A.S.が販売を担当しております。またTHK Manufacturing of Europe S.A.S.及びTHK Manufacturing of Ireland Ltd.が製造を担当しております。THK RHYTHM AUTOMOTIVE GmbH及びTHK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH a.s.は、リンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。加えて、THK CAPITAL UNLIMITED COMPANY及びTHK FINANCE UNLIMITED COMPANYがグループファイナンス及び資金管理業務を担当しております。中国においては、THK(中国)投資有限公司、THK(上海)国際貿易有限公司が販売を担当しております。また、大連THK瓦軸工業有限公司、THK(無錫)精密工業有限公司、THK(遼寧)精密工業有限公司、THK(常州)精工有限公司が製造を担当しております。蒂業技凱力知茂(広州)汽車配件有限公司及び蒂業技凱力知茂(常州)汽車配件有限公司はリンクボール・サスペンションボールジョイント等の輸送機器要素部品を輸送機器メーカー向けに製造販売しております。その他の地域においては、THK TAIWAN CO., LTD.(台湾)、THK LM SYSTEM Pte. Ltd.(シンガポール)、THK LM SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.(タイ)が販売を担当しております。また、THK MANUFACTURING OF VIETNAM CO.,LTD.(ベトナム)が製造を担当しております。THK India Pvt. Ltd.(インド)及びTHKの関連会社である三益THK株式会社(韓国)は販売及び製造を担当しております。 事業の状況について系統図で示すと次のとおりであります。 セグメントの区分日本・・・・THK株式会社、THKインテックス株式会社、トークシステム株式会社、THK新潟株式会社、THKリズム株式会社、日本スライド工業株式会社、THK桐生株式会社米州・・・・THK America, Inc.、THK Manufacturing of America, Inc.、THK RHYTHM NORTH AMERICA CO., LTD.、THK RHYTHM MEXICANA,S.A. DE C.V.、THK RHYTHM AUTOMOTIVE MICHIGAN CORPORATION、THK RHYTHM AUTOMOTIVE CANADA LIMITED欧州・・・・THK GmbH、THK France S.A.S.、THK Manufacturing of Europe S.A.S.、THK Manufacturing of Ireland Ltd.、THK RHYTHM AUTOMOTIVE GmbH、THK RHYTHM AUTOMOTIVE CZECH a.s.中国・・・・THK(中国)投資有限公司、THK(上海)国際貿易有限公司、大連THK瓦軸工業有限公司、THK(無錫)精密工業有限公司、THK(遼寧)精密工業有限公司、蒂業技凱力知茂(広州)汽車配件有限公司、蒂業技凱力知茂(常州)汽車配件有限公司、THK(常州)精工有限公司その他・・・THK TAIWAN CO., LTD.、THK LM SYSTEM Pte. Ltd.、THK LM SYSTEM (THAILAND) CO., LTD.、THK RHYTHM (THAILAND) CO., LTD.、THK MANUFACTURING OF VIETNAM CO., LTD.、THK RHYTHM MALAYSIA Sdn. Bhd.、THK India Pvt. Ltd.、三益THK株式会社※主な関係会社について記載しております。※当連結会計年度より輸送機器事業を非継続事業に分類しており、2026年2月2日に輸送機器事業を株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドが間接的に出資する特別目的会社である株式会社AP87に譲渡することを決定しております。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、THKグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 THKグループは、機械の直線運動部分を“軽く”“正確に”動かすため、“すべり”を“ころがり”化する重要な機械要素部品を世界へ供給しています。「世にない新しいものを提案し、世に新しい風を吹き込み、豊かな社会作りに貢献する」という経営理念のもと、1971年の創業以来、創造開発型企業として「LMガイド(Linear Motion Guide:直線運動案内)」をはじめとする機械要素部品を供給し、工作機械、半導体製造装置など様々な機械装置の高精度化、高剛性化、高速化、省エネルギー化を実現し、必要不可欠な部品として産業の発展に貢献してまいりました。 THKグループは、LMガイドを開発して以降、世界のトップメーカーとして、お客様の多様なニーズにお応えする中で蓄積してきたノウハウによる高品質な製品や幅広い提案力により、お客様から高い信頼を獲得しています。近年では産業分野のみならず、自動車、医療機器、航空機、サービスロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野へとTHKグループの製品の採用が広がっています。このように、世界中で多くのお客様より供給が求められる中、本業を通じた社会貢献を実現しながらも、気候変動など地球環境が変化する中で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進め、企業価値の向上を図ってまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略 THKグループは、地理的な領域拡大を目指した「グローバル展開」、用途的な領域拡大を目指した「新規分野への展開」、AI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底活用する「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げ、事業領域の拡大を図っております。 グローバル展開では、日本・米州・欧州・アジアの4極において、現地で生産して販売するという「需要地における販製一体体制」を構築しています。近年は、とりわけ中長期的に需要の拡大が見込まれる中国やその他の新興国において、販売網の拡充ならびに生産体制の強化を図っています。加えて、先進国においてもユーザーの裾野が広がる中で着実に需要を取り込むべく販売網を拡充し、さらなる成長へと繋げています。 新規分野への展開では、LMガイドを中心とする製品群の現在の主な顧客は資本財メーカーですが、医療機器、航空機、サービスロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野へとTHKグループの製品の採用を図っています。 ビジネススタイルの変革では、デジタルテクノロジーが急速な進展を見せる中、AI、IoT、ロボットをはじめとする新たなテクノロジーを販売、生産、開発などのあらゆる面で徹底的に活用することにより、ビジネスの進め方や仕組みの変革を図っております。 そして、これらの取り組みを推し進める中、「ものづくりサービス業」をビジョンにかかげ、製品提供に加え、AIやIoTなどのデジタル技術を活用した付加価値の高いサービスも提供することで、製造業の枠を超え、お客様に新たな価値を提供することを目指しています。 そのような中、これまでは、機械を作るマシンビルダーの課題解決を中心に「機械要素部品ビジネス」を展開してきましたが、今後は、マシンビルダーの先にいる機械を実際に使うマシンユーザーの課題解決にも展開し、「FAソリューションビジネス」としてより一層強化します。特に機械要素部品の進化という観点からすると、マシンユーザーとの接点を増やすことによりマシンビルダー、マシンユーザー双方にとっての課題解決にもつながる良い製品を開発していきます。さらに、このようにして複層化された顧客から集めた、様々な情報を開発・生産などあらゆる面へと還元し、成長分野への開発強化や事業基盤の強化へと繋げてまいります。 今後もこれらの取り組みを加速させるとともに、その前提となる、サステナビリティ、ESGの取り組みを強化し、企業価値の向上を図ってまいります。 (3) 経営環境THKグループを取り巻く環境は地政学リスクの高まり、インフレの進行、米国の関税政策などにより先行きの不透明感が増しています。さらに、デジタルテクノロジーの進展、地球環境保護機運の高まり、そして先進国の生産年齢人口減少等の様々な課題に直面しています。しかしながら、半導体関連においては需要の牽引役が多様化する中で、生成AIなどの新たな成長ドライバーや自国生産拡大の動きなどを背景に今後も大きな拡大が見込まれます。さらに先進国を中心とする自動化・ロボット化の進展、自動車業界における環境対応車へのシフトや再生可能エネルギー関連の投資の拡大など、私たちのビジネスチャンスは大きな広がりを見せています。したがって、これらの需要を顕在化させるとともに着実に取り込むべく、成長戦略を推し進めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題THKにおいては、ビジネスチャンスが拡大する一方、事業環境が様変わりする中で、THK自身が適時適切な対応を取れず、THKのROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)が低迷するなど株主の皆様のご期待に応えられていない状況が続いていました。そのような中、2024年1月に寺町崇史が代表取締役社長に就任し「強くすべきところは徹底的に強くし、変えるべきところは勇気をもって変えていく」との所信表明を行い、同年11月には従来の経営目標を全面的に見直し、新たな経営方針として「ROE 10%超の早期実現」を発表しました。その実現のための施策として、収益性、資本政策、及びコーポレート・ガバナンスと全方位的にこれまでのTHKの課題と向き合う中で、まずは資本政策を見直しました。収益性については「事業の選択と集中」を掲げ、投下資本利益率(ROIC)と資本コストを厳しく比較・精査の上、聖域なく事業の選択と集中を進め、THK製品の需要増加に伴う売上収益に頼るのみではなく、筋肉質になりながら中長期的にリターンを高める体制を構築してまいります。構造改革によって創出した利益は高い規律性をもって株主の皆様に還元するだけでなく成長投資も実行していきます。そのような中、輸送機器事業については、THKに期待される資本コストと投下資本利益率(ROIC)を将来的にも厳しく精査する中で、事業を譲渡することが相応しいとの判断のもと、2026年2月2日付で、同事業を営む連結子会社の株式譲渡及び債権譲渡を決定しました。また、目標達成の実効性を高めるべく取締役会の構成の見直しや第三者機関による実効性評価などコーポレート・ガバナンスの強化も進めています。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のいわゆるPDCAサイクルを回すためのモニタリング体制の強化、役員報酬制度の強化、さらなる取締役会構成の見直し、そして、環境をはじめとするサステナビリティ関連の施策の強化など、様々な取り組みを強力に推し進めていきます。これらによってROE 10%超を早期に実現し、その達成後も安定的な株主還元を継続できるよう、株主資本コストを上回るROEは勿論のこと、その水準をさらに高めていくことにより、企業価値向上を図っていきます。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新たな経営方針「ROE 10%超の早期実現」における経営指標としては、ROEの分母である自己資本の当面の必要水準を3,000億円程度とし、分子としては当期純利益300億円に必要な営業利益として400億円を設定しました。基本的にはマーケット成長に伴う売上収益の増加には頼らずに、自助努力で目標を達成してまいります。そのために2026年度までの2年間を構造改革期間とし、各種改革を推し進め、筋肉質な高収益構造へと変革し2027年度~29年度の間の早期にROE 10%超を実現します。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】THKグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクや不確定な要因は以下のものがありますが、これらのリスクは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できないリスクや重要度が低いと考えられるリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、本項に含まれる将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末において、THKグループが判断したものであります。 (1) THKのリスク管理体制THKは、THKグループの事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、経営陣による適切なリスクテイクを支えるため、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスク管理規程に基づく全社的なリスク管理体制を構築しております。リスク管理委員会では、THKグループの事業活動に関して抽出されたリスクとその対応策を策定するとともに、リスク管理体制が有効に機能しているかどうかの検証を行っております。また、THKは、リスクを組織の収益や損失に影響を与える「不確実性」と捉え、マイナスの側面とプラスの側面の両面があると考えており、マイナス面のリスクに対して適切にリスクヘッジしつつ、プラス面のリスクに対して積極的なリスクテイクを行うことができれば、今後の持続的成長につながると考えております。 (2) リスクの特定方法THKは、リスク管理規程に則り、THKグループ全体を対象にリスクアセスメントを毎年実施しております。日本国内外のグループ会社及びTHKの各部門から報告を受けたリスクアセスメントの結果を基に「発生可能性」、「影響度」の2つの評価軸でマッピングを行うことで、リスクの重要度を評価し、リスク対策の優先度を決定しております。リスクの発生頻度、影響度はそれぞれ5段階で評価し、数字が高いほど、またリスクとして抽出した会社・部門が多いほど、リスクが高くなります。 (3) 事業等のリスク<特に重要なリスク>① 災害・地政学的問題・テロ・戦争・感染症等についてTHKグループは、日本国内はもとより、米州、欧州、アジア等、世界各地に製造・販売拠点を有しておりますが、これらの事業拠点及び取引先の事業拠点において、地震・台風・火災等の自然災害やテロ攻撃・戦争による政情不安または感染症蔓延等による被害を受けた場合には、生産活動をはじめとする企業活動全般に重大な影響を及ぼす可能性があります。THKグループでは、事業継続計画(BCP)を策定し、危機発生時における被害を最小化し、事業の継続や早期復旧を図るための事前対策を講じるとともに、危機管理サービスを導入し、地震・台風・大雨等の自然災害発生時に、被害地域にある自社の事業所及び取引先の把握と被害による部品供給状況を速やかに把握できる体制を整えております。しかしながら、リスクを完全に回避することは困難であり、想定を超える被害が発生した場合には、結果としてTHKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。なお、ロシア・ウクライナ問題は一定の落ち着きを見せつつあるものの、引き続き国際的な地政学リスクが存在しており、中東やその他の地域における不安定な国際情勢も予断を許さない状況です。特に、米国とベネズエラ間の軍事的緊張の高まりや、米国によるデンマーク自治領グリーンランドの領有に向けた動き等、世界的に新たな地政学リスクが顕在化しており、これらの地政学リスクに起因する国際関係の変化が、世界的な物価の高騰、部品・原材料の供給不足等を引き起こす可能性があります。紛争当事国におけるTHKグループの事業活動の規模は比較的小さく、THKグループの事業への直接的な影響は僅少でありますが、先行き不透明な状況にあり、今後の国際情勢の変化により地政学リスクが高まった場合には、エネルギーや原材料価格の高騰、原材料の調達遅延、事業活動の中断等、グローバルに事業展開するTHKグループの事業活動への影響が懸念されます。 ② 海外事業展開についてTHKグループは、米州、欧州、アジア等、世界各地に製造・販売拠点を有しておりますが、中国やその他新興国の製品の台頭により、特に価格面における競争環境はグローバル規模で厳しさを増しています。THKグループでは、顧客の心で考え、行動し、検証する「顧客志向」の立場で日々営業活動を行うとともに、ITを活用して顧客や市場のニーズを的確に捉える仕組みを導入し、高性能で付加価値の高い製品の開発、提供を継続して進めておりますが、顧客や市場のニーズを十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や新製品の市場への投入が遅れた場合、あるいは他社が画期的な新製品を開発した場合には、THK製品が機械要素部品及び輸送用機器要素部品に占める地位を失い、将来の成長と収益性が低下するおそれがあります。また、米中の対立やロシア・ウクライナ問題をはじめとする国際紛争に起因して、各国政府による安全保障貿易管理における様々な政策、規制の変更等、海外事業展開の不安定要素が増している状況です。THKグループでは、グローバルで政治・経済情勢や法規制、関税や安全保障貿易管理に基づく輸出規制等に関する最新の状況をモニタリングし、取引形態やサプライチェーンの見直し等の対策を講じるとともに、グローバルに懸念のある取引を事前審査するプロセスを強化することで、複雑化する各国の輸出規制や制裁による事業への影響の低減を図っておりますが、THKグループの製品を製造・販売している国や地域の政治情勢や経済状況の変動、あるいは予期せぬ法規制の変更等により、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。 ③ 人財についてTHKグループは、人的資本を強化し、競争力を維持するため、新卒採用だけでなくキャリア採用を積極的に進め、日本国内外で優秀な人財を継続的に採用し、“個力の強化”を目標に、従業員の成長支援に取り組んでおります。また、多様で働きがいのある労働環境の実現に向け、ダイバーシティの推進が重要と考えております。子育てや介護を行う従業員が安心して仕事と生活を両立できるよう、出産・育児・介護をサポートする両立支援の取組みを進めるほか、女性活躍の推進の観点から、新卒採用における女性比率の向上を目指しております。さらに、高齢者や障がい者の活躍支援、自己申告制度による従業員の希望の確認等、体制面や従業員エンゲージメントの向上に努めております。さらに、少子高齢化に伴う労働力不足への対応として、省人化・無人化に向けたデジタル技術やAI(人工知能)の活用を推進しております。これにより、業務効率化や生産性向上を図るとともに、従業員がより付加価値の高い業務に従事できる環境を整備しています。しかしながら、少子高齢化を背景とした労働人口の減少等により、各分野における人財の確保競争が激しさを増すなか、特定分野のスキルを持った人財に対する世界的な需要の高まりが競争に拍車をかけており、THKグループが計画どおりに適切な人財を採用できなかった場合やその育成に齟齬が生じた場合、技術・技能の承継にも支障をきたし、THKグループの事業の遂行に制約が生じる可能性があります。また、THKグループでは安定した労使関係の構築に努めておりますが、海外においては労使慣行の相違が存在し、法制度や経済環境、社会環境の変化等予期せぬ事象を起因とする労使関係の悪化や労働争議の発生、また新興国を中心として従業員の賃金が急上昇した場合には、THKグループの経営成績及び財務状況が影響を受けるおそれがあります。 ④ 特定産業界における需要動向の変化による影響についてTHKグループは、産業機器事業と輸送機器事業を展開しております。産業機器事業はLMガイドやボールねじ等の機械要素部品、輸送機器事業はリンクボールやサスペンションボールジョイント等の輸送用機器要素部品を製造・販売しており、産業機器事業は工作機械や一般機械、半導体製造装置をはじめとする産業用機械メーカー、輸送機器事業は自動車関連企業等の輸送用機器メーカーが主要顧客です。THKグループでは、「グローバル展開」「新規分野への展開」「ビジネススタイルの変革」の三つの戦略軸によるビジネス領域の拡大を進め、従来の機械要素部品ビジネスにFAソリューションビジネスを加えることで、マシンビルダーからマシンユーザーまで幅広い顧客の生産活動に貢献できる体制を目指すなど、特定の顧客や製品に依存しないよう、リスクの分散に努めておりますが、現状においては、THKグループの業績は、主要顧客である工作機械、一般機械、半導体製造装置、輸送用機器等の産業界における需要動向に影響を受けており、特に輸送機器事業は自動車業界の動向の影響を強く受ける傾向があります。従って、将来において特定の産業界における急激な需要動向の変化等により、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。なお、2026年2月2日付けで、株式会社アドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドが間接的に出資する特別目的会社である株式会社AP87と、輸送機器事業の譲渡及び債権譲渡に関する基本契約書を締結しております。 ⑤ 原材料や部品の調達についてTHKグループは、製品の製造に使用する原材料及び部品を、日本国内に限らず広く世界中の複数の供給元から調達しております。THKグループでは、これらの供給元を“共に成長するための重要なパートナー”と位置付け、新技術・新工法・新素材等の情報を共有する場を設けるなど協調体制を組み、安定かつ継続的な供給の維持を図るとともに、徹底したコスト管理にも努めております。さらに、紛争鉱物への対応や環境への配慮等、サプライチェーンを通じて、社会からESG観点での高度な対応が求められていることから、供給元の事業者に「CSR調達ガイドライン」を配布し、CSR調達の徹底を図っております。一方で、ロシア・ウクライナ問題をはじめとする国際紛争は、世界的な物価の高騰を引き起こしており、他の地域における国際紛争の発生、または供給元の生産能力不足や品質不良、倒産、コンプライアンス違反、あるいは火災や地震等の自然災害に加え、感染症の発生等を契機としたロックダウン(都市封鎖)等が供給元の所在する国や地域で行われた場合、サプライチェーン寸断による原材料及び部品の不足が生じる可能性があります。また、原油価格の高騰、原材料供給国の社会情勢、新興国における需要の高まり等を背景として、原材料価格が予期せぬ高騰を示した場合、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。 ⑥ 情報セキュリティについてTHKグループは、事業活動を通して個人情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の秘密情報を保有しております。THKグループでは、社長を委員長とする「情報セキュリティ委員会」を設置・運用しており、当委員会には外部の専門家もオブザーバーとして参加し、情報セキュリティに関する管理体制やルールの整備・強化を図っております。また、日本国内外における個人情報保護をはじめとする法規制強化に適宜対応するとともに、情報リテラシーを高めるための社員教育等を実施し、情報の厳格な管理に努めております。さらに、THKグループでは、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するプラットフォームを提供する事業において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001の認証を取得しており、セキュリティ管理体制の継続的な改善を図っています。また、THKグループは、事業全般において様々な情報システム及びITネットワークを活用しており、これらシステムには十分な安全対策を施しております。しかし、近年、サイバー攻撃の手口はAI(人工知能)の活用により高度化・巧妙化しており、従来の対策では防ぎ切れない新たな脅威が増加しています。さらに、クラウドサービスの利用の増加に伴い、情報セキュリティに関するリスクが一層高まっており、またプライバシー保護の観点からも保有する情報の取扱いに関する規制強化の動きが各国で進むなか、適宜セキュリティの強化に努めておりますが、サイバー攻撃、コンピューターウィルスの感染、不正アクセス、インフラ障害、情報システムの不具合等により情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等の不測の事態が生じた場合には、THKグループに対する社会的信用の低下や事業活動の中断、対策費用の発生、多額の課徴金の支払い、取引の停止等により、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。 <重要なリスク>① 製品の品質問題についてTHKグループの製品は、工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置等の産業用機械から、自動車、免震・制震装置、医療機器、アミューズメント機器、航空機等の民生品分野まで幅広く採用されています。THKグループは、日本国内外の各生産拠点において品質マネジメントシステムであるISO9001認証を取得し、それに従った各種製品・サービスの開発や製造を行うことで、産業機器事業の品質保証体制の整備を図るとともに、自動車産業をはじめとする輸送機器事業、また航空宇宙産業等の新たな分野に適応する各種品質セクター規格を認証取得し、あらゆる市場に適合する高い品質保証体制の構築に努めております。しかしながら、製品に欠陥が生じるリスクをゼロに低減することは不可能であり、万が一大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような予期せぬ製品の不具合が発生した場合、多大な費用の発生や社会的信用の低下、取引停止等により、経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。また、THKグループはグローバルな製造物責任保険に加入しておりますが、損害賠償等の損失についてその全てを担保するという保証はありません。 ② 為替レートの変動についてTHKグループは、輸出入等を中心とした外貨建取引について、為替予約等により為替リスクをヘッジしておりますが、為替レートに大幅な変動が生じた場合、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。また、連結財務諸表の作成にあたって在外子会社の財務諸表を円換算しておりますが、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が影響を受けるおそれがあります。 ③ 金利の変動についてTHKグループは、金融機関からの借入、社債及びコマーシャルペーパーの発行等の方法によって資金調達を行っており、資金需要に対してその内容や財政状態及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。金利が上昇した場合にはこれらの調達コストが増加します。この影響を軽減するため、THKグループでは金利スワップ契約等のデリバティブ取引を利用しております。THKグループでは投資した資産について、現在価値の算出に市場金利を基準とする割引率を用いており、金利が大きく上昇した場合、使用価値の計算に用いる割引率が大きく上昇することにより回収可能価額が減少し、対象資産の評価額に影響を及ぼす可能性があります。金利動向によっては、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。 ④ 環境問題についてTHKグループは、地球環境を健全な状態で次世代に引き継いでいくことは企業の社会的責務であるとの認識に立ち、THKグループ環境基本方針を制定し、省エネルギー製品の開発、環境負荷の継続的な低減と自然環境の維持・改善等に努めております。また、THKグループは、各生産拠点において環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得するとともに、日本国内外の環境関連法令の遵守はもちろんのこと、EUの有害物質規制法RoHS指令及びREACH規則や中国の電子情報製品生産汚染防止管理弁法に代表される様々な規制に対しても、日本国内・海外の生産拠点に対して「グリーン調達ガイドライン」を適用し対応しており、これまで重大な環境問題が発生したことはありません。しかしながら、不測の事態により将来において環境問題が発生した場合には、損害賠償や対策費用の発生、罰金等の行政処分、社会的信用の低下、生産活動の停止等により、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。また、環境に関する規制がさらに厳格化し、追加の義務や費用負担が発生した場合には、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。なお、気候変動(気温上昇)による影響について、TCFD提言に沿ったシナリオ分析の結果は、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」(2)気候変動に記載のとおりであります。 ⑤ コンプライアンスについてTHKグループは、グローバルな事業展開を行っており、様々な国の法令・規則の適用を受けています。また、THKグループの職場においてハラスメントや人権問題等が生じた場合、社員の健康やメンタルヘルスの悪化、社会的信用・企業イメージの低下等により、人財の確保・育成に関するリスクが顕在化し、THKグループの発展等に大きな影響が生じる可能性があります。THKグループでは、コンプライアンス意識の徹底と不正を許さない職場環境の醸成のため、社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置・運用しており、当委員会には外部の専門家もオブザーバーとして参加し、法令・社内規範・倫理規範の遵守を目的とした体制の整備、公正な企業活動に努めております。また、THKグループの役職員が共有・遵守すべき「THKグループ行動憲章」を制定し、全役職員に周知するとともに、必要な社内教育を実施するなど、コンプライアンス意識の向上を図っております。また、内部通報制度を整備し、担当部署、監査等委員会、顧問弁護士と社内外に3つの通報窓口を設け、法令や社内規範等に違反する行為、またはそのおそれのある行為について通報を受け付け、コンプライアンスリスクの未然防止に努めております。さらには、THKグループの組織または役職員により行われた、取引先等に対する法令違反行為等について、社外からの相談を受ける窓口も設置しております。しかしながら、グローバルに事業を展開するなか、コンプライアンスリスクを完全に回避することは困難であり、法令違反等が生じた場合には、THKグループが刑事上、民事上、行政上の責任を負い、また社会的信用の低下等により、THKグループの経営成績及び財政状態が影響を受けるおそれがあります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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