NITTANの企業集団は、NITTAN及び子会社16社、関連会社6社で構成され、乗用車・二輪車・トラック・バス・汎用製品等の小型エンジンバルブ、船舶用エンジンバルブ、自動車・トラック・農業機械・建設機械・産業機械等の精密鍛造歯車、オートマチックトランスミッション用部品の製造販売を主な内容とし、事業活動を展開しております。
1 NITTANグループの事業の内容及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、報告セグメントと同一の区分であります。
2 連結子会社、持分法適用関連会社、非連結子会社及び持分法非適用関連会社は次のとおりであります。
(注) NITTANは、2024年10月2日付で株式会社恵那金属製作所の株式を取得し、同社及び同社子会社の恵那金属(昆山)
有限公司を連結子会社といたしました。なお、同社は2025年1月1日付で株式会社NITTAN恵那金属に商
号変更しております。
3 企業集団の概要図は以下のとおりであります。
NITTANは、「環境との共生」、「品質優先」、「人間性尊重」を経営の基本理念とし、企業の発展を通じて社会に貢献するとともに、顧客の信頼に応え、職場の活性化を通じて株主の皆様の投資期待に応えるべく常に企業経営の強化をめざしております。
NITTANの経営理念は下記の3項目であります。
① 環境との共生のもと企業の発展を通じて社会に貢献する
② 品質優先に徹し、顧客の信頼に応える
③ 人間性を尊重し、夢と活力のある職場を創造する
NITTANは、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を経営戦略の柱とし、その実現のため、2020年度を初年度とする5ヵ年のグローバル中期経営方針を策定いたしました。経営方針の具体的内容は次のとおりであります。
<2020-2024年度 グローバル中期経営方針>
「基盤強化」・・・一歩ずつ着実に「安全」「安心」「安定」が実現できる企業づくりをする
① 総力をあげて職場環境の改善と改革を進めて、真の「安全第一」企業を実現する
② より品質改革に集中して、お客様の「安心と信頼」を誇りにする企業を目指す
③ 仕事の効率化と原価改善に努めて、「安定した成果と自信」のみなぎる企業にする
「永続的発展」・・・NITTAN Challenge 10の達成に向かう
① 総ての事業の付加価値アップを追求し、事業の競争力と将来性を伸ばす
② 新たな発想、新たな研究、新たなチームワークで、「新たな開発」を進める
③ NPMを改善と革新の武器にして「一歩先」の、「一段上」の仕事に進化させる
「企業風土改革」・・・NITTAN Challenge 80に相応しい企業文化を築いて行く
① たゆまぬ改良と開発、そして、豊かな緑化活動で、地域環境の保護に寄与する
② 法令と法規を守り、モラルとマナーを律して、秩序と健康みなぎる企業体質にする
③ 教育を強化して、個性と能力を伸ばし、認め合う研鑽土壌に変えて行く
※NITTAN Challenge 80:設立80周年に向け、「どのような変化にも、どのようなニーズにも対応出来る工場
への変革」を目指すNITTANビジョン
NITTANグループを取り巻く事業環境においては、急速なEVシフトへの一服感もある一方で、今後も世界的にはカーボンニュートラルに向け、電動車に対応する技術の向上が求められる他、バイオ・合成燃料等の新燃料や各国におけるモビリティごとの排出ガス規制に対応する製品開発などの新たな取り組みが求められております。
他方で、海外の経済・物価情勢や国際金融市場の動向、ウクライナや中東等を巡る地政学的な要因などにより、為替や経済の先行き見通しは不確実性が極めて高い状況が続くと見込まれます。このような混沌とした事業環境の中においても、既存製品の品質向上やコスト低減などで競争力を高めて市場浸透を図るとともに、「NITTAN Challenge 10」に基づき、高付加価値な新製品や次世代へ対応できる新事業を開発していくなど、NITTANグループの強みであるコア技術を生かして関連多角化を実現させ、各モビリティやパワートレイン等に対する「全方位的
アプローチ」を採ってまいります。また、これらの戦略を浸透させることにより、社員の行動力とコミット力を高めることに加え、既存の事業や製品のみに捉われない「新しいNITTAN」としての柔軟性を高めて、生き残りをただ模索するのではなく、VUCA時代の「勝ち組」となれるよう、邁進してまいります。
次年度につきましては、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を柱とする下記のグローバル経営方針を掲げ、その実現に向けた施策や取り組みを展開してまいります。
<2024年度 グローバル経営方針>
「基盤強化」・・・ 「QCDS」は、NITTANを評価するモノサシ
① 品質改革活動を強化し、不良率、不良損金率の20%削減を実現する
② 納期問題はグループ全体で対応し、早期に解決する
③ NPM活動を進め、原価改善10%を達成する
④ 職場環境を改善し、災害ゼロを実現する
「永続的発展」 ・・・ NC10/NCN達成に専念する
① NC10 VISIONⅠの拡販戦略をより具体化し、成長事業とする
② NC10 VISIONⅡの異業種アイテムは拡販を、xEVアイテムは基礎開発を済ませ、事業化目途を付ける
③ 環境改善及びNCN活動を愚直に展開し、CO₂削減目標(2013年比30%削減)を達成する
「企業風土改革」 ・・・ 生き残るのではなく、勝組になるための改革
① 事業環境の変化を正しく理解し、柔軟に対応する
② エシカルな思考を持ち、グローバルで活躍できる人財を育てる
③ コンプライアンスはもとより、健康経営の更なる一歩を進める
※1 ・・・ NPMは、「NITTAN Total Productive Management」の略称で、NITTANグループで展開している生
産システム効率化を極限まで追求する企業体質づくりを目標とするNITTAN流の改善活動です。
※2 ・・・ NC10 VISIONⅠは、ICE領域において既存事業の付加価値追求を目指す取り組みです。
※3 ・・・ NC10 VISIONⅡは、EV領域において新規事業化や商品化によるSDGsへの貢献を目指す取り組み
です。
※4 ・・・ NCNは、NITTANカーボンニュートラルの略称で、NITTANグループの事業活動で発生する温室効果
ガス排出量の削減を目指す取り組みです。
NITTANグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるリスク及びそれに対する主な対応策は以下のとおりです。ただし、以下のリスクはNITTANグループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。NITTANグループではこのような経営ないし事業リスクを最小化するために様々な対応を行ってまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNITTANグループが判断したものであります。
(1)外部環境リスク
世界的な経済社会活動の正常化が一段と進むなかで景気は緩やかな回復の動きが続いておりますが、ウクライナ
や中東等の国際情勢の不安定化等を背景とする資源価格の高止まり、世界的な金融引き締め等、為替や経済の見通
しの不確実性が極めて高い状況が続くと見込まれます。世界的な半導体等の部品不足による供給制約等は緩和して
おりますが、同様の制約等の再発によるサプライチェーンの混乱や生産調整はNITTAN製品の受注に与えるリスクとな
ります。
また、自動車用等の内燃機関の電動化の進展、世界的な環境規制の強化等による内燃機関の生産減少は、NITTAN既 存事業領域の市場規模縮小につながり、NITTANグループの経営を圧迫する恐れがあります。
(2)経営プロセスリスク
製造業であるNITTANグループにおいて、製造現場における効率化の遅延は価格をはじめとする製品競争力の低下に
つながります。間接部門においてもIT化の遅延は効率的な経営の妨げとなり、適時的確な経営判断の障害となる危
険性があります。この対応として、ITシステムの適時の更新及び構築を進めております。
また、NITTANグループは海外関係会社を有し、様々な法制の下で企業運営を行っておりますが、言語の問題や十分
な人員配置が困難なことも要因となり、グループ全体に対するガバナンスが不十分となるリスクを有しておりま
す。本リスクに対応するため、現地法人トップとの情報交換による状況把握、NITTAN本社による定期的な監査等によ
りリスクの低減を図ってまいります。
(3) 支援プロセスリスク
NITTANグループが必要とする各種の優秀な人材の採用は容易ではない状況になっておりますが、採用体制の強化、採用ツール・施策の充実により対応しております。
また、NITTANグループは事業活動における法令遵守に努めており、『NITTANグループ・グローバル行動規範』のNITTANグループ内への浸透、ガバナンス委員会を中心とするNITTANグループ内のコンプライアンス強化活動の推進をしております。しかしながら、『NITTAN Challenge 10』による新規商品の開発においては知的財産権に関するリスクを十分に考慮して進める必要がある他、製造物責任、独占禁止法等の法的手続に関する当事者になり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
その他、NITTANグループでは情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規程等を制定しITセキュリティ対策の推進に努めておりますが、サイバー攻撃を受けた場合やシステムに予想し得ないトラブルが起きた場合、業務に支障をきたすおそれがあります。また、情報へのアクセス制御、パスワード管理の徹底等を図り不正アクセス等による情報漏洩対策をしておりますが、予期し得ない事象により個人情報や秘密情報の漏洩が起こるおそれがあり、対応費用が発生するリスクがあります。
そして、NITTANグループでは環境汚染の防止に努める他、カーボンニュートラルに向けたCO2削減の為、電力使用量の削減、グリーンエネルギーの活用を主とする「NITTAN Carbon Neutral」活動を実施しており、環境汚染、CO2削減の未達成によるリスクの低減を図ってまいります。
(4) 基幹プロセスリスク
革新技術の出現によるNITTANグループの既存製品の競合先に対する製品競争力の低下、リコール・品質不良による顧客への損害の発生及び費用求償、工場火災、機械設備の故障等による生産停止、納入遅延・不能による顧客への損害の発生及び費用求償、これらによる社会的評価の低下等を通じて、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がございます。なお、NITTAN堀山下工場(舶用部品工場)の火災発生により、その再発リスクを低減するための対応も進めております。NITTANグループでは、継続的なコスト削減活動や顧客ニーズに沿った製品開発を進めることに加え、「品質優先に徹し、顧客の信頼に応える」という品質に関する基本方針の実現の為、ISO9001及びIATF16949規格に基づく品質マネジメントシステムの徹底による取り組みを推進しております。
また、取引先が限られる材料・部品調達等が困難になることによる生産への影響等が考えられますので、該当取引先との綿密な情報交換及び動向把握に基づく早期対応により、本リスクが顕在化した場合の影響を可能な限り軽減してまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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