キッツ(6498)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】キッツの子会社は34社ですべてを連結子会社としております。キッツのグループの主な事業内容はバルブ事業、伸銅品事業、その他であり、当該各事業区分とキッツ及び関係会社の関係並びにセグメントとの関連は次の通りであります。なお、事業区分とセグメントの区分は同一であります。事業区分主要製品等主要な会社バルブ事業青銅バルブ鉄鋼バルブその他バルブ関連製品濾過関連製品キッツ、㈱キッツエスジーエス、㈱キッツエスシーティー、㈱キッツマイクロフィルター、KITZ(Thailand)Ltd.、台湾開滋股份有限公司、開滋精密機械(昆山)有限公司、開滋閥門(昆山)有限公司、連雲港開滋精密閥門有限公司、開滋半導体器件(昆山)有限公司、開滋流体控制(上海)有限公司、KITZ Corp. of Asia Pacific Pte.Ltd.、KITZ Corp. of America、Metalúrgica Golden Art's Ltda.、KITZ Corp. of Europe, S.A.、Perrin GmbH、KITZ Corp. of Korea、KITZ Corp. of Vietnam Co., Ltd.、KITZ Valve & Actuation India Private Limited他13社 (会社総数 計32社)伸銅品事業伸銅品、伸銅加工品㈱キッツメタルワークス、北東技研工業㈱ (会社総数 計2社)その他ホテル及びレストランキッツ、㈱ホテル紅や (会社総数 計2社)(注)1.東洋バルヴ㈱は、2025年1月1日付でキッツを存続会社、東洋バルヴ㈱を消滅会社とする吸収合併により消滅しております。2.㈱清水合金製作所は、2025年4月1日付で㈱キッツエスジーエスに商号を変更しております。3.台湾北澤股份有限公司は、2025年6月17日付で台湾開滋股份有限公司に商号を変更しております。4.北澤精密機械(昆山)有限公司は、2025年4月3日付で開滋精密機械(昆山)有限公司に商号を変更しております。5.北澤閥門(昆山)有限公司は、2025年5月21日付で開滋閥門(昆山)有限公司に商号を変更しております。6.連雲港北澤精密閥門有限公司は、2025年4月25日付で連雲港開滋精密閥門有限公司に商号を変更しております。7.北澤半導体閥門(昆山)有限公司は、2025年6月18日付で開滋半導体器件(昆山)有限公司に商号を変更しております。8.開滋精密機械(昆山)有限公司、開滋閥門(昆山)有限公司、連雲港開滋精密閥門有限公司、開滋半導体器件(昆山)有限公司及び開滋流体控制(上海)有限公司の各社名は中国語簡体字を含んでいるため、日本語常用漢字で代用しております。9.「伸銅品事業」は、2026年1月1日より「メタルソリューション事業」にセグメント名称を変更しております。 キッツのグループの中核となるバルブ事業及び伸銅品事業に係る企業集団の概要図は次の通りであります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】キッツグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてキッツグループが判断したものであります。 (1)経営方針 ① 企業理念「キッツ宣言」 キッツは、ゆたかな地球環境と持続可能な未来を創造することが、社会に対して果たすべき使命であると考えています。そのために、創業以来培ってきた流体制御技術と材料開発をさらに磨き上げ、社会インフラを支え続けてまいります。 ② 長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030 「流れ」を変える』2030年にありたい姿テクノロジー/ソリューション・「流す」「止める」「絞る」のあらゆるニーズに、オンリーワンの技術とユーザーの期待を超える提案力で挑戦し続けるコアビジネス/成長ビジネス・情報化社会、サステナブル社会に向けて、コアビジネスの基盤を強化し、同時に成長ビジネスへの参入を、リスクを恐れず加速させる事業を通じた環境保全・環境にやさしい商品・材料の開発や製造プロセスを追求し、持続可能な未来に貢献することにより、社会から信頼される多様な人財の活躍・性別、年齢、国籍、文化等を超えて、社員一人ひとりがプロフェッショナルとして、最高のパフォーマンスでいきいきと働いている ③ 行動指針「Do it KITZ Way」 Do it True (誠実・真実) Do it Now (スピード・タイムリー) Do it New (創造力・チャレンジ) (2)経営戦略等① 長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030「流れ」を変える』 第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」を策定するに伴い、一部改訂しております。 1)目指す経営構造と定量目標 2030年に向けて、コア事業を基盤とした成長領域へビジネス領域を拡張させるとともに、成長と投資収益性を重視した両利き経営の経営構造を目指し、定量目標としてROE13%以上を掲げております。 2)ビジネス領域 コア事業と成長分野で収益をあげられる両利きの経営を目指してまいります。○デジタル化・脱炭素化を背景とした成長分野・地域への積極的リソースの投入○投下資本収益性(ROIC)を重視した事業展開 3)サステナビリティ経営への取り組み キッツグループでは、長期経営ビジョンにおいて、サステナビリティ経営を経営戦略の中核に据えています。第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」を策定するにあたり、現状の事業環境の変化や中長期的な将来予想を踏まえ、長期経営ビジョンにおいて定めたマテリアリティの見直しを行いました。これにより、あらためてキッツグループが持続的な成長を実現するためのマテリアリティとして「デジタル社会の発展への貢献」、「地球環境の保全への貢献」及び「進化によるゆたかな暮らしへの貢献」を定め、それらを支える経営基盤を確立するためのマテリアリティとして「未来をひらく人財力の強化」、「持続可能なサプライチェーンの確立」及び「攻守の効いたガバナンスの追求」を定めました。マテリアリティやKPIをグループ全体で共有し、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取り組むとともに、企業として非財務情報のパフォーマンス向上及び積極的な情報開示に努めてまいります。詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 4)DXに向けて(Business Transformation by Digitalization)業務革新活動との連携によるビジネス変革(BX)□経営ビジョン実現に向け、既存事業の徹底した効率化と経営リソースの可視化・流動化を図り、顧客志向の機動的な組織へと転換することを目指してまいります。 ② 第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」1)経営基本方針 ■キッツグループを取り巻く経営環境(リスクと機会)と主要戦略(戦略と対策)■経済動向・人口動態 (リスクと機会) アフリカ、インド、中東などで人口増加が継続、中国、日本、欧州などでは人口減少が予想 -中国、日本、欧州などでの労働力確保が困難に -日本、欧州での建築設備市場縮小 (戦略と対策) ・アメリカ、ASEAN、インド、中東での事業拡大と成熟市場(日本)の守り ・エンジニアリング機能強化 ・イニシャル販売情報を活用したアフタービジネス・ソリューション提供の強化■デジタル(DX) (リスクと機会) 社会のデジタル化による半導体関連産業の活況 -データドリブン経営により企業変革が加速 -AIの普及と進化 -情報関連リスクへの対策コストの増加 -IT人財の不足 (戦略と対策) ・半導体需要に対応した製品供給 ・デジタルマーケティング・販売戦略 ・需給予測、生産・在庫・リードタイム最適化 ・製品統廃合(不採算製品やロングテール製品の見直し) ・AI活用・データドリブン経営による課題の抽出・可視化・具体化 ・情報リスク対策の徹底 ■グリーン(GX) (リスクと機会) 環境規制強化、CO2排出量削減・資源循環要請 -鉛レス銅合金の需要拡大 -石油化学分野の市場縮小 (戦略と対策) ・環境規制強化に対応した製品拡充 -鉛レス銅合金、環境対応製品・他材質シフト -資源循環の強化 ・水素事業・環境ソリューション事業への積極投資による事業拡大■国際情勢 (リスクと機会) 地政学リスクの高まり -自国第一主義の台頭 -高関税による採算悪化 (戦略と対策) ・地域内戦略の推進、地開発・地産・地消 ・グローバル調達ネットワーク構築 ・ステンレス鋼製バルブ生産拠点の再編■気候変動 (リスクと機会) 気候変動による自然災害の激甚化 -自社拠点及び取引先の被災・休業 (戦略と対策) ・BCP対策による他社との差別化 ・持続可能サプライチェーン構築(グローバルベンダー、CSR調達) ・省エネ・CO2削減・生物多様性の積極推進・開示による差別化■ステークホルダーの要請 (リスクと機会) 企業価値の向上(収益性・効率性、成長性・情報開示) 企業の持続可能性 (戦略と対策) ・人財と会社の成長 -人的資本経営・健康経営/労働安全衛生・エンゲージメント向上 -人財の多様性確保 ・コーポレート・ガバナンス、製品安全性・品質保証強化 ■第2期中期経営計画エグゼクティブ・サマリ 2)定量目標(財務・非財務KPI) (単位:百万円)財務KPI2025年度実績(参考)2026年度目標(参考)2027年度目標売上高176,682195,000200,000営業利益15,45417,00020,000ROE10.1%10.4%11%以上連結配当性向(注)40.2%40%以上40%以上(注)2026年2月12日開催の取締役会決議により配当方針を変更し、2025年12月期に係る連結配当性向から、35%前後から40%以上としております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。 非財務KPI(注)12025年度実績(参考)2026年度目標(参考)2027年度目標CO2削減率(注)2(2013年度比、国内グループ)△90.8%(注)5△90%△90%社員エンゲージメントフィードバック指標(注)33.363.503.75女性社員全体比率24.6%24%24%女性管理職(注)4比率8.4%11%12%男性育児休業取得率88.2%100%100%(注)1.CO2削減率以外はキッツのみの数値であります。2.スコープ1・23.2026年度より社員エンゲージメント向上の評価指標を、「働きがい・働きやすさ」から、フィードバック文化の醸成・定着を測る「フィードバック指標」に変更しております(5点満点)。4.管理職:経営専門職に就いている社員5.2026年3月19日時点の暫定値であります。 3)セグメント別中期経営計画■市場別ビジネスユニット制への再編 キッツグループはさらなる事業成長を目指し、第2期中期経営計画のスタートに合わせ、2025年1月より従来の機能別組織から8つの市場を軸とした市場別ビジネスユニット(BU)制に組織改革を行いました。BU制組織のもと、製・販・技が一体となり、より顧客志向となることによって、各市場におけるお客様のニーズに素早く応え、事業戦略の遂行を加速させてまいります。 なお、「伸銅品事業」は、2026年1月1日より「メタルソリューション事業」にセグメント名称を変更しております。当該変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。 ■セグメント別中期計画①バルブ事業 バルブは、配管内の流体(水・空気・石油・ガスなど)を流したり、止めたり、流量をコントロールする機能を持つ「流体制御機器」の総称です。バルブ事業は、水やエネルギーなどの安定供給を支え、安心して暮らせる環境を創造します。キッツグループは、あらゆるフィールドに多彩な商品を提供する総合バルブメーカーとして、青銅・黄銅やステンレス鋼、鋳鉄、鋳鋼などの様々な材質や形状のラインナップを有し、私たちの生活空間から産業分野まで、グローバルに製品を提供してまいります。 バルブ事業では、第1期中期経営計画2024よりターゲット市場を8つに区分し、市場を起点にした事業を展開しております。市場×エリアを軸に以下の戦略を遂行してまいります。 ●市場×エリア戦略 ●市場別売上計画 ●市場別戦略<コア市場> (注)㈱清水合金製作所は、2025年4月1日付で㈱キッツエスジーエスに商号を変更しております。 <グロース市場> ②伸銅品事業 黄銅棒は、各種機械、建築資材などに幅広く使用されています。キッツグループは、黄銅棒及び黄銅加工品(切削品及び鍛造品)の製造・販売を行う伸銅品事業を展開しています。 ③セグメント別定量目標 (単位:百万円)売上高2025年度実績(参考)2026年度目標(参考)2027年度目標バルブ事業141,415156,200167,200伸銅品事業32,51436,00030,000その他2,7522,8002,800合計176,682195,000200,000 セグメント利益2025年度実績(参考)2026年度目標(参考)2027年度目標バルブ事業18,88620,90023,100伸銅品事業8651,0001,500その他171100100調整額△4,467△5,000△4,700合計15,45417,00020,000 4)DX・技術・イノベーション戦略①業務革新活動との連携によるビジネス変革(DX)市場×エリア攻略に向けた機動力を最大化するDXを実践してまいります。(経営リソースと採算性の可視化×顧客接点強化×自動化・生産性向上) ②技術戦略 社会に貢献する技術を開発するとともに、その技術を「進化」と「深化」させ、各市場に向けた製品開発に生かしてまいります。 ③イノベーション戦略 「成長分野への種まき」を標準化/スピードを武器に、新規事業の開発による事業ポートフォリオの変革を進めてまいります。 5)ESG戦略 キッツグループは、「2030年にありたい姿」の実現に向けて、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)への取り組みを進めております。第1期中期経営計画での成果を踏まえ、第2期中期経営計画では、より一層のESG推進を図ります。①環境(E) ②社会(S) ③ガバナンス(G) 6)財務戦略・資本政策 「ROE向上」及び「PER改善」の両輪による取り組みを軸とし、「ROE向上」については、セグメント別に設定したROIC目標を達成するための戦略投資に向けて、適切なキャッシュ・アロケーションを実施してまいります。また、「PER改善」については、財務目標の安定的な達成及び株主還元の強化を図るとともに、サステナビリティ経営のさらなる浸透やIR戦略及び投資家との対話の強化等の非財務ファクターの拡充を通して、継続的な株主価値(PBR)の向上を目指してまいります。 なお、2026年2月12日開催の取締役会決議により配当方針を変更し、2025年12月期に係る連結配当性向から、35%前後から40%以上としております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。また、2026年度経営計画を策定するに伴い、一部改訂しております。 ①PBR向上 ②キャッシュ・アロケーション 7)長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030 「流れ」を変える』における位置づけ ③ 2026年度経営計画1)2026年度全社方針 -計画を実現する6つの主要戦略 2)事業別戦略 第2期中期経営計画のスタートに合わせて8つの市場を軸とした市場別ビジネスユニット制(BU制)へ組織を再編。BU長への権限委譲により、意思決定の迅速化を実現した。 なお、「伸銅品事業」は、2026年1月1日より「メタルソリューション事業」にセグメント名称を変更しております。 ■バルブ事業●市場×エリア戦略 ●コア市場 ●グロース市場 ■メタルソリューション事業 3)CX 高効率・高収益体質企業への変革 第1期中期経営計画で行ってきたDXを基盤としたビジネス変革活動(BX)を踏まえ、第2期中期経営計画ではグループ全体で組織・しくみ・業務改革(CX)を通じて、さらなる効率化を推進する。 4)財務戦略・資本政策■PBR向上 「ROE向上」×「PER改善」の両輪で継続的な株主価値(PBR)向上を目指す。 ■キャッシュ・アロケーション 更なる事業成長実現のため、第2期中期経営計画3ヵ年で600億円の投資を計画。 投資原資はキッツ流ROIC経営により創出した営業CFを中心に、必要に応じて有利子負債を活用。 5)ESG戦略 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 キッツグループを取り巻く経営環境は、エネルギー・原材料価格の高騰や地政学リスクの高まりなど依然として不透明な状況が続いております。また、働き方の多様化や地球環境への意識の高まり、情報技術の進展など、社会の急速な変化に適応する自己変革のほか、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みが求められています。 このような状況において、キッツグループは、2030年にROE13%達成を目標に掲げ、長期経営ビジョン『Beyond New Heights 2030 「流れ」を変える』の実現に向けて取り組んでおります。第1期中期経営計画2024(2022~2024年度)では、事業基盤であるコア事業を強化するとともに半導体市場等の成長分野に対して積極的に投資を進めてまいりました。第2期中期経営計画(2025~2027年度)では「SHIN Global 2027」を掲げ、第1期中期経営計画に基づいて実行した投資を成果に結びつけるとともに、成長分野及び成長エリアへのさらなる投資により、真のグローバル企業を目指してまいります。 2025年度は第2期中期経営計画の初年度として、データセンター需要の高まりを背景に、米国販売拠点の拡張投資やタイ生産拠点の能力増強など、市場×エリア戦略の深化を図ってまいりました。また、社内組織をターゲット市場別のビジネスユニット制(BU制)に再編し、市場やお客様のニーズを的確かつ迅速に汲み上げ、そのご期待に応えるための体制を整えたほか、国内グループ会社の拠点を集約し、“Global One KITZ”としてグループシナジーを強化してまいりました。 2026年度は、こうした取り組みを一層加速させるべく、成長市場へのさらなる投資を進めるとともに、キッツグループにおけるマテリアリティの実現に向けて、目標及びKPIをまとめたキッツグループStrong Will Sheetに対して“強い意思”をもって取り組み、持続的な企業価値向上に向けてサステナビリティ経営のさらなる推進を図ってまいります。 キッツグループでは、社員一人ひとりがこれらのマテリアリティを意識して事業活動に取り組むことにより、持続可能な未来の創造に貢献してまいります。 キッツグループはさらなる事業成長を目指し、BU制のもと、製・販・技が一体となり、より顧客志向となることによって、各市場におけるお客様のニーズに素早く応え、事業戦略の遂行を加速させてまいります。 バルブ事業では、ターゲット市場を8つに区分し、市場を起点にした事業を展開しております。コア市場では、米国を中心としたデータセンター需要や都市開発及び次世代エネルギー事業等の需要の高まりを背景に、キッツグループの中核となる事業基盤をさらに強化します。グロース市場では、世界的な半導体市場の高まりや、脱炭素社会を見据えた水素サプライチェーンへの参入など、成長戦略に基づく投資を成果に結びつけるとともに、成長市場に向けた製品開発と市場投入により、さらなる収益構造の変化を図ってまいります。 2026年1月1日より伸銅品事業からセグメント名称を変更したメタルソリューション事業では、新材質への挑戦や加工事業の強化、材料リサイクルなどの取り組みを通じた事業ポートフォリオの変革を進めていることから、これらの事業内容をBU・事業セグメント名称にも反映することとしました。成長分野における高付加価値製品の販売拡大のほか、継続的な原価低減を通じてさらなる収益性の向上に取り組んでまいります。 財務戦略・資本政策は、「ROE向上」×「PER改善」の両輪で継続的な株主価値(PBR)の向上を目指し、株主還元も重視してまいります。「ROE向上」については、ROIC経営による事業管理と最適資本構成の維持を通して中長期的な投下資本収益性の向上に努めます。「PER改善」については、ESG経営、IR戦略・投資家との対話、株主構成の改革等の非財務ファクターへの取り組み強化に加え、継続的な利益目標・ROE目標の達成により業績のボラティリティを低減し、高収益領域への事業シフトによる成長期待を醸成し、資本市場の信頼獲得を目指します。株主還元については、経営上の重要課題と位置付けている利益還元に加えて、中長期的な株価上昇による株主還元の実現も同時に目指します。2025年12月期から、株主還元強化、事業環境の変化、最適資本構成やROE目標への影響などを総合的に鑑み、連結配当性向の望ましい水準を35%前後から40%以上へ引き上げました。自己株式取得については、財務安定性、手元資金流動性を勘案し、最適資本構成とROE目標達成に向け、投資状況などの環境に応じて実施を検討してまいります。 なお、詳細につきましては、「(2)経営戦略等 ②第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」及び③2026年度年度計画」及び「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通りであります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」及び2026年度経営計画1)財務KPI (単位:百万円) 2025年度実績(参考)2026年度目標2027年度目標売上高176,682195,000200,000営業利益15,45417,00020,000ROE10.1%10.4%11%以上連結配当性向(注)140.2%40%以上40%以上 売上高2025年度実績(参考)2026年度目標2027年度目標バルブ事業141,415156,200167,200メタルソリューション事業(注)232,51436,00030,000その他2,7522,8002,800合計176,682195,000200,000 セグメント利益2025年度実績(参考)2026年度目標2027年度目標バルブ事業18,88620,90023,100メタルソリューション事業(注)28651,0001,500その他171100100調整額△4,467△5,000△4,700合計15,45417,00020,000(注)1.2026年2月12日開催の取締役会決議により配当方針を変更し、2025年12月期に係る連結配当性向から、35%前後から40%以上としております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。2.「伸銅品事業」は、2026年1月1日より「メタルソリューション事業」にセグメント名称を変更しております。当該変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。 2)非財務KPI(注)1 2025年度実績(参考)2026年度目標2027年度目標CO2削減率(注)2(2013年度比、国内グループ)△90.8%(注)5△90%△90%社員エンゲージメントフィードバック指標(注)33.363.503.75女性社員全体比率24.6%24%24%女性管理職(注)4比率8.4%11%12%男性育児休業取得率88.2%100%100%(注)1.CO2削減率以外はキッツのみの数値であります。2.スコープ1・23.2026年度より社員エンゲージメント向上の評価指標を、「働きがい・働きやすさ」から、フィードバック文化の醸成・定着を測る「フィードバック指標」に変更しております(5点満点)。4.管理職:経営専門職に就いている社員5.2026年3月19日時点の暫定値であります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてキッツグループが判断したものです。 (1)リスクマネジメントの基本的な考え方 キッツは、企業経営に重大な影響を及ぼす可能性がある様々なリスクをコントロールするため、キッツ及びグループ各社においてリスクマネジメントに取り組んでいます。 また、取締役会の定めるグループ共通の「リスクマネジメント基本方針」により、リスクマネジメントの目的及びその実現のための行動指針を明確にすると共に、その内容をキッツホームページで公開しています。 https://www.kitz.co.jp/cms/wp-content/themes/kitz/images/sustainability/governance/risk-management/risk_management.pdf (2)リスクマネジメント体制 キッツは、指名委員会等設置会社として、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、リスクマネジメントの監督を取締役会の担うべき重要な役割と位置付けています。そのうえで、監督側では、取締役会によるリスクマネジメントの監督を補助し、経営戦略と一体のものとして、その高度化に資するため、委員長及びその委員の過半数を社外取締役とする任意の機関である「リスク委員会」を設置しています。 また、執行側では、取締役会の監督のもと、リスクマネジメント基本方針に基づき、代表執行役社長を委員長とする「C&C管理委員会」(コンプライアンス・危機管理・リスクマネジメントを主管する専門委員会)の指揮のもと、同委員会の委員を兼務するリスクマネジメント担当執行理事が、キッツ及びグループ各社のリスクマネジメントを推進しています。 その他、キッツグループの業務執行における重要事項の意思決定の適正性を確保するため、代表執行役社長の指揮下にサステナビリティ推進、内部統制、投融資審査その他各種機能別専門委員会を設置し、リスク管理・評価及び提言などを行っています。 (リスクマネジメント体制図) (3)リスクの分析評価 キッツグループでは、キッツのC&C管理委員会が策定したリスク評価に関する基本方針及び評価基準に基づき、グループ各社において事業活動に係る想定リスク(全128項目)について「リスクの発生頻度」と「経営に与える影響度」の2軸からリスクの重要性を定量的に判定し、主要リスク及び重要リスクの特定を行っています。具体的には、リスクの「発生頻度の判定基準」及び「影響度の判定基準」(人的損害、物的損害、賠償責任、利益損害、信用失墜及び環境被害の項目で構成)の評価項目ごとに点数評価し、4象限のリスクマップにおいて、「高損害・高頻度」、「低損害・高頻度」、「高損害・低頻度」及び「低損害・低頻度」のいずれかのゾーンの判定を行います。 (4)リスクマネジメントの実施フロー キッツグループでは、各社・各組織単位で実施するリスク評価の結果を踏まえ、経営会議において「主要リスク」及び主要リスクの中でも特に経営に重大な影響を与える可能性が高い「重要リスク」を特定し、各リスクの重要度から回避、移転、低減または保有のいずれかの対応方針を選択し、各執行役及び執行理事並びにグループ会社社長を責任者として、必要な対策を立案し実施しています。 特定された主要リスク及び重要リスク並びに立案された対策については、リスク委員会及び内部監査室長に共有され、リスク委員会は、取締役会におけるリスクマネジメントに関する監督の補助を行い、内部監査室は、業務監査等において対策の進捗及び結果を確認するなど、独立した立場から、その構築・運用状況の評価を行っています。 また、取締役会は、経営会議で特定された重要リスクと立案された対策及び実施結果並びに内部監査室における評価結果などの報告を受け、キッツグループにおけるリスクマネジメントについての最終的な監督を行っています。 (5)キッツグループにおける事業リスク①重要リスク(4項目)イ.自然災害・戦争テロ・感染症拡大等に係るリスクリスク(自然災害)日本国または他国において、大規模地震、大雨、洪水、落雷及び強風等の自然災害あるいは火災の発生、感染症の蔓延・拡大(パンデミック)、または戦争、テロ、暴動などにより、キッツグループの事業所(生産現場・事務所など)や製品・部品供給元企業の事業所閉鎖、あるいは物流に関連したインフラストラクチャー(道路、鉄道、港、空港など)や生産・情報システム設備が甚大な被害を受けた場合、長期間にわたり生産停止やサプライチェーンの停滞あるいは交通網遮断による物流機能マヒなどの事態が生じ、経営成績及び財政状態に著しい影響を与える可能性があります。自然災害については、キッツグループの国内における主要な製造拠点が山梨県北西部から隣接する長野県中・南部の地域に集中しており、今後40年以内にマグニチュード8から9クラスの規模で発生する確率が90%程度とされている「南海トラフ巨大地震」が発生した場合、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。(戦争テロ)戦争・テロ・暴動については、グローバルに事業活動を展開しているキッツグループにおいては不可避に内在しているリスクであり、これらのリスクが現実化した場合、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。(感染症拡大)感染症拡大(パンデミック)については、キッツグループが感染症拡大の対象国に生産拠点を有する場合、従業員等関係者の感染または当局の政策等により、工場の全部または一部の稼働停止、材料・部品等の調達の困難、あるいは物流の停滞などが考えられ、その場合、製品供給が正常に機能しない状況となる可能性があります。また、キッツグループが感染症拡大の対象国に販売拠点を有する場合、同様の理由により、事業所の全部または一部の使用停止、物流の停滞、あるいは代理店等の顧客が同様の状況に陥ることなどが考えられ、その場合、販売金額及び数量が低下する可能性があります。その他、感染拡大に起因した経済活動の減退による市況悪化、企業による設備投資の抑制などが考えられ、その場合、販売金額及び数量が低下する可能性があります。対応策(自然災害)キッツグループは、自然災害リスクに対応するため、従来から事業継続計画(BCP)の体制構築をはじめ、防災マニュアルの整備、社員安否確認システムの整備、耐震対策及び防災訓練などの対策を進めています。また、当該リスクの移転対策として、地震保険の付保内容を強化しています。(戦争テロ)キッツグループは、戦争テロリスクに対応するため、当連結会計年度も、一部の地域及び国家間における戦争、紛争及び緊張状態などの「地政学リスク」が増大または顕在化していることによるエネルギー資源や原材料価格の高騰、輸出入規制の厳格化など状況に鑑みて、グローバルな視点での材料・部品等の調達に係るサプライチェーンリスクへの対策強化に向けた取り組みを推し進めました。(感染症拡大)キッツグループは、感染症拡大リスクに対応するため、全社的にIOTを活用した新しい働き方を推し進めるなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。 当該リスクの発生により、キッツグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ロ.情報セキュリティ・個人情報保護に係るリスクリスクキッツグループの事業活動は、情報システムに依拠して行われています。しかし、高度情報化への対応の遅れや予期せぬ自然災害のほか、悪意者によるウイルス感染等のサイバー攻撃などにより情報システムや通信回線システムの停止、重要な経営情報の破損、消去、改ざん、窃取及び漏洩等の重大な障害が発生した場合には、業務効率及び社会的信用の著しい低下が避けられず、システム・データの復旧に時間と費用を要する可能性があります。また、内部者や業務従事者の不正により、顧客情報及び個人情報等を含む社内情報が漏洩し、社会的信用の低下に至る可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。対応策キッツグループは、サイバー攻撃及び内部者等による情報漏洩や操業停止等の事業継続に支障をきたすリスク並びに顧客・取引先への影響を最小化すべく、情報セキュリティガバナンスを重要な経営課題の一つに位置付け、情報活用による価値創造とリスクマネジメントの両面から対策に取り組んでいます。キッツグループ情報セキュリティ・個人情報保護ポリシーを定め、社長が任命した執行理事を委員長とする委員会を設置し、情報セキュリティと個人情報保護に関する方針決定や各種施策への取り組みを推進しています。具体的な施策としては、情報システムの管理体制強化及び社員に対する情報リテラシー向上を図る教育を実施するなど、ハード・ソフトの両面からの適切なセキュリティ対策を講じています。重要セキュリティ診断を実施し、その結果に基づき、機器の定期更新及び保守サポート体制構築、OA/FAネットワーク網制御、データセンター(クラウド)化によるデータ保全、データバックアップの実施、リモート通信環境の構築、外部Webセキュリティ診断の実施、情報セキュリティ規程の整備・更新などに取り組んでいます。また、ITリテラシー教育として、毎年実施するeラーニングによる情報管理教育、入社時及び管理職への昇格時の階層別教育、実践的なサイバー攻撃対応訓練などの教育を行っています。 ハ.製品の品質(欠陥、瑕疵等)に関するリスクリスクキッツグループは、社内外の厳格な品質基準のもとに多様な製品を製造しています。しかし、製品の設計・調達・製造に係る欠陥・不具合が発生し、顧客の使用時点でその不具合が発見される可能性があります。また、万一、製品の欠陥、瑕疵等の品質問題が発生し、リコールや製造物責任が問われた場合、回収費用が発生するだけでなく、顧客の信頼を著しく損ない、場合によっては損害賠償請求を受ける可能性があります。対応策キッツグループは、過去に発生した問題やクレームなどの実事例をベースにして、製品の設計・調達・製造のプロセスにおける問題点を洗い出し、新製品の開発工程やその工程変更、業務標準及び量産品の取扱説明書やカタログ等の記載事項等について、今後の被害を最小限に留めるための改善を行う取り組みを行っています。また、当該リスクが発現した場合の損失を補填するため、適切な内容の保険見直しを継続的に行っています。 ニ.データ・表示類の正確性に係るリスクリスク官公庁への提出書類、検査員認証・資格の表示、実験・検査データ及び各種文書・記録に改ざんまたは虚偽の記載が発覚した場合、キッツグループの社会的信用やブランドイメージの低下による経営成績及び財政状態に影響を及ぼすとともに、投資家の投資判断に著しい影響を与える可能性があります。対応策キッツグループでは、実験・検査データ、書類作成プロセス、各種ルールの管理方法の見直しなどの取り組みを継続的に行っています。 ②主要リスク(14項目) キッツは、上記の4項目に加えて、以下の14項目をキッツグループにおける主要リスクと考えます。 イ.経営環境に関するリスク(a.経済状況の変動)キッツグループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国内及び海外の各地域の経済状況の影響を受けるため、景気変動等により影響を受ける可能性があります。主要製品であるバルブは、建築設備、機械、工場、プラントなどの向け先に幅広く販売されており、その需要は国内外の建設動向、石油、石油化学関連等の製造業の設備投資動向に影響を受ける傾向にあります。また、半導体製造装置向けの製品については、半導体市況の影響が大きく、短期間のうちに市場環境が大きく変動する場合があるため、売上・利益に対する不安定要因となります。伸銅品事業については、主要製品である黄銅棒は、水栓金具、ガス機器、家電製品、自動車部品等の素材として幅広く使用され、主に国内市場で販売されており、国内の住宅関連投資動向に影響を受ける可能性があります。また、販売価格は原材料である銅相場に連動するため、市況の影響を大きく受けます。その他では、ホテル事業については、感染症の拡大に伴う行動制限や入国制限措置が行われた場合、近隣での大規模な催事が中止された場合など、団体旅行による宿泊客及び宴会並びに海外からの団体旅行による観光客の減少による影響を受ける可能性があります。なお、キッツグループの報告セグメントにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照願います。(b.為替相場の変動)キッツグループは、日本、アジア、欧州及び南米で生産活動を行うとともに、世界市場における販売活動を行っています。このため、生産拠点と販売拠点の取引通貨が異なり、常に為替レート変動の影響を受けています。キッツグループでは、国内にて生産し輸出する金額と海外子会社で生産し国内販売向けに輸出する金額は概ね均衡しており、為替の急激な変動に耐え得る経営構造になっておりますが、米ドルに対して円高が進むと、営業利益には若干の有利なインパクトとなります。また、輸出入のバランスの変化や、大きなプロジェクト案件等で売上代金の回収に時間を要する場合など一部の外貨建の取引については、為替リスクを回避するため、必要に応じて為替予約を行っています。グループ会社間の借入については、基本的に決算上の機能通貨と同じ通貨で行っていますが、機能通貨と異なる通貨の場合には為替予約によりヘッジを行っています。なお、キッツグループの海外事業への投資については、現地通貨安が進行すると為替換算調整勘定を通じて自己資本が減少するリスクがあります。(c.資金調達環境)キッツグループは、金融機関等からの借入、社債発行による資金調達を行っていますが、金融市場の環境に変化があった場合、キッツグループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、キッツグループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、キッツグループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、借入金利については、原則固定化しており、借入期間中の金利変動リスクは僅少です。資金調達環境の影響を受けないよう直接金融と間接金融のバランスをとり資金調達を実行するほか、総額135億円のコミットメントライン契約をキッツグループの取引銀行と締結し、有事の際の短期資金需要の発生に備えていますが、営業利益、経常利益及び純資産に関する財務制限条項があります。 ロ.事業活動に関するリスク(a.市場構造の変化及び競合他社との競争)キッツグループは、広範多岐にわたる製品・サービスの開発、生産及び販売を行っており、国内外の大企業から小規模ながらも専門性に優れた企業まで、様々な企業と競合しています。キッツグループは、今後も競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進める方針ですが、競合他社がキッツグループよりも優れた技術力、財務力その他の推進力を有している可能性があり、将来にわたって優位に事業を展開できなくなる可能性があります。バルブ事業について、バルブの原材料は、大きく金属と非金属(樹脂等)に分かれ、市場、用途別にすみ分けられています。現在、非金属製バルブは使用される市場、分野が限定されていますが、技術の変化、顧客ニーズの変化等により、非金属への置き換えが進み、金属製バルブ市場規模が縮小する可能性があります。また、特に国内建築設備市場について、人口減少による需要の縮小、建設費高騰による建物規模の縮小や着工の見送り、建設業界全体での人手不足による工事の延期等により、市場全体としては縮小する傾向にあり、これらの影響によってバルブの需要が減少する可能性があります。なお、データセンター市場の需要取り込みにより販売拡大を図っていますが、技術的進歩等により、顧客ニーズに大きな変化が生じた場合、バルブの需要に影響を及ぼす可能性があります。伸銅品事業について、主力製品である黄銅棒は多種多様の用途に用いられていますが、予期し得ない代替製品の出現により、需要が大きく減少する可能性があります。ホテル事業について、子会社である「ホテル紅や」のブランドで一般消費者向けの事業を展開していますが、食中毒や火災等のブランドイメージを毀損する事案が発生した場合には、風評被害によりレピュテーションが低下する可能性があります。(b.販売代理店等)キッツグループのバルブ事業の製品販売は、一部製品についてエンジニアリング会社等のユーザー顧客との直接取引を行うことがありますが、主として販売代理店等を通じて行っており、長年にわたる販売代理店等との協力関係により、キッツグループは国内外において強固な販売・サービス網を構築しています。キッツグループは、今後も販売代理店等と友好的な関係を維持できるものと認識していますが、販売代理店等との関係悪化や取引方針の変更あるいは販売代理店等の信用力の低下等により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、キッツグループの債権回収については、営業部門の責任のもとに確実な回収を徹底するとともに、経理部門において販売代理店等に対する売掛金の回収状況の把握、信用情報の収集などを行っています。また、販売代理店等ごとの与信管理を徹底し、国内取引では商社を経由した販売を行うほか、グループ一体となった取引信用保険の付保を行うなど、債権保全を行っています。また、海外輸出・仲介取引では、前金、LC決済によりリスク軽減を図っています。(c.製品価格の下落)キッツグループは、国内外の市場において激しい競争に晒されております。こうした状況に対応するため、高付加価値製品の開発、コストダウン活動等に鋭意取り組んでいますが、これらの企業努力を上回る価格下落圧力が生じた場合、キッツグループの利益の維持・確保に深刻な影響を与える可能性があり、その影響は特に製品の需要が低迷した状況において顕著となります。なお、国内バルブ市場においては、キッツグループのシェアが高く、比較的価格は安定していますが、海外バルブ市場においては、多数の競合他社が存在しており、特に近年アジアのバルブメーカーの競争力向上により、価格競争が激化しています。伸銅品事業については、黄銅棒の売価及び原材料の購入単価は、銅相場に連動して決定されますが、仕入から販売までのリードタイムが数か月であるため、相場が下降する局面においては損益が悪化する可能性があります。(d.海外事業活動・カントリーリスク)キッツグループのバルブ事業の海外生産比率は約45%であり、主要な拠点は、タイ、台湾及び中国です。また、バルブ事業の海外売上高比率は約42%であり、主要な販売地域はアジア(アセアン、中国、韓国)、米州(北中南米)です。これらの地域の経済、政治、法・税制の変更、自然災害あるいは感染症の蔓延または国家間の外交、安全保障貿易等の情勢により、製品・部品供給等の事業活動及び経営成績が大きな影響を受ける可能性があります。また、グループ会社間の国際的な取引価格については、キッツグループの移転価格方針に基づき適用される日本国及び相手国の移転価格税制を遵守していますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や協議が不調となった場合に二重課税あるいは追徴課税を受ける可能性があります。(e.固定資産の減損)キッツグループは、事業用の資産や企業買収の際に生じるのれんなど様々な有形・無形の固定資産を計上しています。それらについて、減損会計基準を適用し、事業環境の変化に伴い、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれた場合には、減損損失を認識する可能性があり、キッツグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末におけるのれんの未償却残高は僅少です。また、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、キッツグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(f.購買調達)キッツグループの製品の主要な原材料は、銅、ステンレス、アルミ、鉄、亜鉛等の金属材料であり、こうした原材料及び部品等を安定的かつタイムリーに調達することがキッツグループの生産活動にとって不可欠です。なお、金属材料は、市況によって価格が急激に変動する可能性があり、特に銅市況の変動は経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、バルブ事業、伸銅品事業ともに原材料価格上昇分をすべて販売価格に転嫁できる保証はありません。なお、伸銅品事業については、原材料である銅の一部につき、ヘッジ取引を行い、変動リスクの軽減を図っています。キッツグループは、複数のサプライヤーの中から信頼のおけるパートナーを選定し、原材料、部品等を調達する方針をとっていますが、調達品目によっては、仕入先の代替が難しいものがあり、それらのサプライヤーに不測の事態が生じ供給が中断した場合、キッツグループの生産体制に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、特定のサプライヤーが人権、労働、環境、腐敗行為等の観点で、社会から容認されないような対応を行っていたことが判明した場合、当該サプライヤーとの取引停止により部品等の調達が困難となる可能性があるほか、キッツグループの社会的信用やブランドイメージの低下により投資家の投資判断に著しい影響を与える可能性があります。このため、キッツグループでは「サプライヤー・ガイドライン」を策定し、サプライヤーに対し、品質管理のほか、人権、労働、環境、腐敗行為を含む事項についての遵守・尊重を求めています。また「キッツグループグリーン調達指針」を定め、サプライヤーに対して環境負荷を考慮した生産活動を求めるなど、グリーン調達を推進しています。さらには、主要サプライヤーに対し、人権、労働、環境、腐敗行為を含む事項に関するデューデリジェンスを実施し、その遵守状況を確認しています。(g.知的財産)キッツグループは、有効な特許権、その他の知的財産権を取得して強固な知的財産ポートフォリオを構築する方針のもとに、製品開発の過程で発明あるいはノウハウに係る多くの知的財産権の取得に努めています。また、これを強力に推進するため、経営戦略、技術戦略及び営業戦略にリンクした知的財産権創出、新規性や競合他社の技術を意識した権利範囲の取得及び出願の複合化による権利の強化など経営資源としての知的財産権の活用に重点を置いた知的財産戦略を推進しています。しかし、キッツグループが保有する知的財産権に対して異議申立や無効審判などが申し立てられ、あるいは商標権の不使用取消審判などが申し立てられ、その結果、商標権を含む当該知的財産権が無効とされる可能性があります。また、第三者によるキッツグループの知的財産権の侵害による紛争・訴訟に至った場合、期待する賠償金を得られない上に、解決するために多額な費用を支出する可能性があります。キッツグループの事前の入念な他社の権利調査にもかかわらずキッツグループの製品が他社の知的財産権を侵害し紛争・訴訟に至り、キッツグループが敗訴した場合、多額の賠償金を負担するとともに、解決するために多額な費用を支出する可能性があります。また、キッツグループの知的財産をキッツグループの許諾を得ることなく使用して類似品・模倣品を製造・販売することを防止できない可能性があります。図らずも、これらの可能性が現実化した場合、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。(h.退職給付年金債務)キッツグループの従業員退職金制度は、会社が年金運用リスクを負わない確定拠出年金制度、前払退職金及び会社が外部に年金資金を積み立てその運用リスクを負って退職金の額を保証する確定給付年金制度で構成しています。なお、このうち、確定給付年金制度の割合は小さいものの、定期的にモニタリングを行い、継続的な安定性ある運用となっているか否かを検証しています。また、年金資産構成割合及びその変更は、年金資産運用検討委員会において慎重に検討し決定しています。さらに、年金資産運用に係る方法等については運用委託先の判断に委ねており、利益相反の防止を図っています。確定給付年金の資産残高は、年金債務に見合う水準にあり、年金資産は最低運用利率の保証された一般勘定を中心にリスクを抑えた運用を行っています。確定給付年金債務及び確定給付年金費用は、長期期待運用収益率、割引率等の数理計算上の前提条件を基に見積ります。確定給付年金債務は、年金資産の価値の減少、割引率の低下、その他年金数理計算の前提となる比率の変動による予測給付債務の増加に伴う退職給付年金債務の増加をもたらし経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。キッツグループの採用している退職給付年金制度につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」をご参照ください。 ハ.法的規制・訴訟・コンプライアンスに関するリスク(a.訴訟・法的処分)キッツグループは、グローバルに事業活動を展開しており、その過程において第三者との間で訴訟が発生し、あるいは規制当局による法的処分を受ける可能性があります。その場合、結果によっては多額の損害賠償金や罰金その他諸費用を負担する可能性があります。また、事案によっては、キッツグループの信用力やブランド力の低下などのレピュテーションリスクが生じる可能性があります。一方、キッツグループが第三者に対して訴訟を提起した場合、結果によっては多額の訴訟費用を費やしながら敗訴し、または勝訴しても当該訴訟費用以上の回収が見込めないこととなる可能性があります。(b.環境規制)キッツグループは、事業活動を行っているすべての国の様々な環境関連規制の遵守のために必要な経営資源を投入していますが、特に下記のリスク項目について、現在及び過去の生産活動に関わる環境責任に伴う費用負担や賠償責任が発生した場合、社会的信用が著しく失墜する可能性があります。また、環境関連規制が将来さらに厳格化した場合には、追加的義務及び費用が発生し、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、キッツグループは、こうしたリスクに対応するため、環境安全担当役員を委員長とする環境安全衛生委員会を設置し、環境データの収集から目標・実績管理、改善施策の立案・実行、効果の把握までPDCAサイクルを運用する環境マネジメント体制を構築し、推進しています。また、気候変動が事業活動に与える財務上の影響についての情報開示を段階的に進化させていくため、2021年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。これにより、今後、データに基づいた分析を段階的に進め、気候変動に関するリスクと機会の把握を行うとともに、TCFD提言に沿った情報開示の質と量の充実を図ります。なお、その具体的な取組みにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等 ② 第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」 5)ESG戦略」をご参照願います。 (ⅰ.原材料となる金属や化学物質に係るリスク)キッツグループの製品の原材料である金属や化学物質が、RoHS指令(電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についてのEUによる指令)やREACH規則(EUにおける化学品の登録、評価、認可、制限に関する内容について定められた規則)等の環境規制に適合できなくなった場合には、製品を市場に供給することができず、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (ⅱ.地球温暖化に伴う温室効果ガスの排出量に係るリスク)気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や温室効果ガスの排出量などに関する法令等の規制が強まっています。キッツグループは、バルブの製造過程で電力や燃料といったエネルギーを大量に消費しているため、エネルギー消費量の現状把握を行い、生産工程や発生源の改善活動を進めています。また、生産性の向上や不良率の低減はもちろんのこと、太陽光パネル等の省エネ機器の導入やCO2フリー電力の採用、また社員への啓発活動を通じて温室効果ガス排出量の削減を進めています。キッツグループは、温室効果ガスの排出量削減に係る効率的な環境経営を推進するため、グループ環境管理体制を構築しています。具体的には、環境安全衛生委員会において温室効果ガスの排出量削減についての基本方針を策定し、経営会議において計画目標を達成する施策について議論しています。また、取締役会は、活動状況及びその効果についての報告を受け、環境リスクへの対応や環境投資の意思決定を行っています。しかし、このような取り組みにもかかわらず、今後、地球温暖化対策などの法令等の規制がさらに強化された場合、新たな税負担、事業活動における諸資材・燃料の変更あるいは設備の変更等の対応費用を負担することで、キッツグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。(c.コンプライアンス)キッツグループは、事業活動を行う国や地域における会社法、税法、独占禁止法、中小受託取引適正化法、贈収賄関連諸法、貿易関連諸法、環境関連諸法、各種業法など、多岐にわたる法令や規制に従う必要があります。キッツグループでは、キッツ及びグループ各社のC&C管理委員会がコンプライアンス課題に対する解決・改善やコンプライアンスリスクの低減のための教育・研修の実施・監督を行っています。キッツ及び国内グループ会社の全従業員を対象とするコンプライアンス・アンケート結果を踏まえて特定した各グループ会社や各部門固有の課題の解決・改善に取り組んでいます。しかし、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクは完全には回避できない可能性があり、万が一、当該リスクが発現した場合に、キッツグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、事案によっては、キッツグループの信用力やブランド力の低下などのレピュテーションリスクが発生する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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