明電舎(6508)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


明電舎(6508)の株価チャート 明電舎(6508)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】明電舎グループは、明電舎及び国内子会社24社、国内関連会社2社、海外子会社20社、海外関連会社1社の合計48社で構成され、①電力インフラ事業セグメント、②社会システム事業セグメント、③産業電子モビリティ事業セグメント、④フィールドエンジニアリング事業セグメント、⑤不動産事業セグメント、⑥その他の6事業分野にわたって、製品の企画・開発から製造、販売、サービス等の事業活動を幅広く展開しております。 明電舎グループの事業における明電舎及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 ① 電力インフラ事業セグメント 15社電気を作り、送るための重電機器やシステムを電力会社等に提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、発電機、変電製品(変圧器、スイッチギヤ、避雷器等)、発電・変電・配電システム、監視制御設備、水力発電設備、エネルギーシステムであります。 ・主な関係会社㈱エムウインズ、イームル工業㈱、MEIDEN SINGAPORE PTE. LTD.、MEIDEN ZHENGZHOU ELECTRIC CO., LTD.、TRIDELTA MEIDENSHA GmbH、MEIDEN T&D (INDIA) LIMITED ② 社会システム事業セグメント 14社電気の需要家となる官公庁、鉄道事業者、民間企業等に、重電機器やシステムを提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、発電・変電・配電システム、監視制御設備、無停電電源装置、電鉄システム、水インフラシステム、上下水道維持管理、セラミック平膜であります。 ・主な関係会社明電プラントシステムズ㈱、明電システム製造㈱、明電システムソリューション㈱、MEIDEN ASIA PTE. LTD.、THAI MEIDENSHA CO., LTD. ③ 産業電子モビリティ事業セグメント 5社半導体分野、一般産業分野及びEV向けコンポーネント製品や自動車産業向け研究開発用システムを提供する事業を行っております。主な製品・サービスは、モーター、インバーター、EV駆動システム、真空コンデンサ、産業用PC、パルス電源、自動車産業向け試験装置、エレベーター用巻上機、無人搬送車であります。 ・主な関係会社㈱甲府明電舎、明電機電工業㈱、MEIDEN HANGZHOU DRIVE SYSTEMS CO., LTD.、MEIDEN AMERICA, INC.、MEIDEN (HANGZHOU) DRIVE TECHNOLOGY CO., LTD. ④ フィールドエンジニアリング事業セグメント 6社電気設備の保守、点検、維持管理等の保守メンテナンス事業を行っております。主なサービスは、保守、点検、保全コンサルティング、予防保全、改良保全、維持管理及び運用管理、事後保全、総合診断、延命措置、更新計画であります。 ・主な関係会社㈱明電エンジニアリング、明電ファシリティサービス㈱ ⑤ 不動産事業セグメント業務・商業ビルThinkPark Tower(東京都品川区大崎)を中心とした保有不動産の賃貸事業を行っております。 ⑥ その他 7社電気化学計測機器や電気絶縁材料の製造・販売、従業員の福利厚生サービス等が含まれております。 ・主な関係会社明電興産㈱、明電北斗㈱ (事業系統図) 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】明電舎グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、明電舎グループが判断したものであります。 (1)明電舎グループの目指す姿明電舎グループは、企業理念である「より豊かな未来をひらく」のもと、「人」と「技術」を企業価値創造の中核に据え、社会と共に発展してまいりました。2030年のビジョンとして「サステナビリティ・パートナー」を掲げ、そこからバックキャストする形で6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、明電舎グループの強みを最大限に活かせる4つの注力領域における事業活動を通じて課題解決に取り組んでおります。注力領域のうち「リニューアブルエナジー」及び「サステナブルインフラ」の領域では、お客様や社会課題に対して、ソリューションを通じた価値を提供します。また、「グリーンモビリティ」及び「スマートインダストリー」の領域では、製品技術及び生産技術をコアコンピタンスと位置づけ、これらを活かした価値を提供します。 図:価値創造を実現するための戦略について  (2) 中期経営計画2027の進捗 ●業績の進捗と評価「中期経営計画2027」(以下、「中計2027」)の初年度にあたる2025年度は、売上高が前期比8.3%増の3,261億94百万円、営業利益が前期比26.1%増の271億22百万円、ROEは15.1%となりました。いずれも当初計画を上回るとともに、売上高及び営業利益は過去最高を達成する結果となりました。受注高については、インド高速鉄道1号線を受注し、過去最高を記録した2024年度に次ぐ額となりました。これらの背景には、電力インフラ事業を中心とした旺盛な需要環境に加え、これまで取り組んできた価格適正化やコスト削減の取組み等の成果や当初想定していたリスク要因の影響を最小限にすることで、社会インフラ事業の業績改善に繋がったことが挙げられます。さらに、保守・メンテナンス等のストック型ビジネスの収益拡大により、外部環境の変動に左右されにくく、利益率と資本効率(ROIC)が同時に向上する収益構造が確立されつつあります。一方で、築き上げてきた収益基盤を維持し、更なる成長を実現していくためには、解決すべき課題も明確になっております。第一の課題は、成長戦略の核となる「生産性向上の加速」であります。労働需給の逼迫に伴う人手不足は明電舎グループにおいても顕著であり、将来にわたって限られたリソースで旺盛な需要に確実に応えていくためには、抜本的な生産性向上が不可欠であります。DX推進による業務プロセス効率化は既に取り組んでおりますが、更に加速させ、生産能力の向上を図ります。第二の課題は、「持続的な成長と従業員エンゲージメント向上の両立」であります。現場の一人ひとりの努力が明電舎グループの成長を支えており、急速な事業拡大により業務負担が増す場面でも、従業員がやりがいと誇りを持って働くことができる環境の整備は重要な経営課題であります。業績の成果を従業員に適切に還元することに加え、多様な働き方を尊重し、キャリア形成の支援や企業風土の改革といった「人的資本の強化」に注力することで、持続的な成長の実現を目指します。 市場環境の変化に加え、明電舎グループの各種取組みの成果及び工程面での改善が相乗的に寄与した結果、営業利益は計画を上回るペースで進捗しております。この傾向は、次連結会計年度においても継続するものと見込んでおります。一方で、外部環境については、引き続き不確実性を伴う状況であると認識しており、今後の事業環境の動向を注視していく必要があると考えております。明電舎グループの中期経営計画は、成長投資、技術開発、人財戦略等を前提に、中長期的な視点で策定したものであり、現時点では各戦略目標の達成に向けた道半ばの段階にあると認識しております。今回の利益目標の早期達成をもって中期経営計画の終着点と捉えるのではなく、引き続き成長投資及び事業基盤の強化を着実に進めるとともに、次なる成長ステージに向けた戦略の検討を進めてまいります。単年度の業績予想については、前事業年度実績を基礎としつつ、最新の事業環境及び足元の進捗状況を適切に見極めながら反映させる方針であります。  ●事業環境認識中東情勢の緊迫化や中国による重要鉱物の輸出規制に伴うサプライチェーンリスクの顕在化等の地政学的リスク、急激な為替変動等は、引き続き明電舎グループの経営に影響を与え得る大きな不確実性要因であると認識しております。このような事業環境のもと、電力インフラ事業においては、AI・データセンターの拡大、電動化の進展、再生可能エネルギー導入の加速を背景に、世界的な電力需要の増加が一層進展しております。これに伴い、設備更新や保守・サービスの需要は、当初の想定を上回る水準で推移することが見込まれており、明電舎グループにとって中長期的な成長機会であると考えております。また、EVの出荷台数増加や真空コンデンサ(VC)市況の回復を見込む中で、これまで低迷していた一部の事業についても、段階的な改善が進むものと想定しております。これらの事業環境及び足元の進捗状況を踏まえつつ、外部環境の不確実性を十分に考慮したうえで、次連結会計年度の業績計画として、受注高3,750億円、売上高3,550億円、営業利益290億円を設定しております。なお、本計画は1米ドル=150円の為替レートを前提としております。  2024年度実績2025年度2026年度予想2027年度目標目標実績受注高3,835億円3,400億円3,582億円3,750億円3,800億円売上高3,011億円3,350億円3,261億円3,550億円3,700億円営業利益(営業利益率)215億円(7.1%)200億円(6.0%)271億円(8.3%)290億円(8.2%)250億円(6.8%)ROE13.9%10.0%15.1%―10.0%ROIC8.2%8.0%9.4%―8.0%  ●中期経営計画2027の成長戦略と進捗状況中計2027では、「製品」「事業」「技術」を成長戦略の柱に据えております。また、これらを支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」、「人的資本の強化」、「社内DXの加速」を着実に進展させることで、持続的な企業価値の向上を目指しております。  成長戦略1:製品(短期)展開事項目指すこと2025年度の主な進捗・成果電力・電子分野等の生産能力増設・増強[国内]・変電・電子分野の生産能力 増強(設備投資130億円以上)・変圧器工場の新建屋増築の投資を決定(2028年度稼働予定)。・真空コンデンサ(VC)の生産設備を増強(2027年度 より段階的に稼働予定)。[海外]・各拠点の生産能力増強・ 再構築(設備投資130億円以上)・変電機器工場(シンガポール)の移転及び拠点統合を決定(2028年度稼働予定)。特長技術を活かした製品・システムのアップデート・環境対応製品の競争力強化・123kVエコタンク型真空遮断器(VCB)の開発が完了し、北米において販売を開始。・系統用電池システム向けパワーコンディショナ(PCS)新機種の販売を開始。DXの加速による生産性向上・リードタイム削減・生産能力25%向上・リードタイム50%削減・生産システムのDX化の中で製品ごとの生産基準情報の整備を実施しており、量産製品ラインのうち代表機種の製造BOM(Bill of Material:工程部品表)の整備が完了。製造BOMの活用により、代表機種製造ラインの作業におけるボトルネックを把握し改善することで、生産性向上を実現。  成長戦略2:事業(中期)展開事項目指すこと2025年度の主な進捗・成果変電・電鉄、半導体関連における海外新市場の開拓[海外インフラ]・環境対応製品等の特長製品の拡販や、信頼性・実績を活かした海外プロジェクト受注の獲得<変電事業>・欧州市場向けの真空インタラプタ(VI)・真空遮断器(VCB)の開発仕様を決定。現地マーケティング体制構築による拡販活動を本格化。<鉄道事業>・インド高速鉄道1号線向け変電設備の出荷を開始。[半導体関連]・技術・開発力の強化による北米新規顧客の獲得・品質強化による北米顧客からの新規開発案件を獲得。市場環境変化に合わせた価値提供手段の多角化[データ活用ビジネス]・既設機器情報のクラウド集約を通じたO&M支援やオファリングビジネスによる価値提供<クラウド基盤「MEIDEN CONNECT」の活用>・架線検測システムのクラウド対応により省スペースと異常の即時検知を実現し、新たに2社より契約内定を獲得。・設備劣化診断等保安業務を効率化するスマート保安サービスで本契約を獲得。[事業領域の拡大]・機器システム販売を超えたサービス事業による価値 提供<モビリティT&S事業>・EV分野にて包括的な試験サービスを提供するサービスプロバイダを目指し、新製品・開発品検証や共同実験・受託試験を実現する実験開発棟の構築・投資を決定(2028年度稼働予定)。  成長戦略3:技術(長期)展開事項目指すこと2025年度の主な進捗・成果指向型研究の加速電気のチカラで自然と人が調和した「エレクトロピア」(電気×ユートピア)を実現するコア技術の獲得 ■重点領域・直流&高周波・パワーケミトロニクス (パワーエレクトロニクス ×電気化学)・デジタルツインO&M<直流&高周波>・半導体式変圧器(SST):高圧高周波トランスの絶縁技術と高効率化技術をはじめとするコア技術の評価を実施。<パワーケミトロニクス>・CO2電解還元:CO2資源化技術の確立に向けた構成要素の製作と基礎実験を実施。<デジタルツインO&M>・4Dデジタルツイン&センシング:巡視点検業務の遠隔化と自律化実現に向けた個別コア技術の評価を実施。  成長を支える経営基盤脱炭素化を加速する「グリーン戦略の深化」、人財の採用・育成・活躍の質を高める「人的資本の強化」、基幹システム刷新を中心とした「社内DXの加速」を中心に、将来の成長に向けた経営基盤を強化しております。展開事項目指すこと2025年度の主な進捗・成果グリーン戦略の深化2030年度(2019年度比) Scope1+250%削減 Scope330%削減 2050年カーボンニュートラル達成・名古屋・甲府地区における使用電力の調達につき、再生可能エネルギー100%を達成。・サプライヤ5社に対してScope3算定の支援を実施。・八竜風力発電所リプレース投資を決定(2029年度稼働予定)。人的資本の強化個を惹きつける組織と多様な人財が夢・志で重なり、共に成長する環境の実現・業務や役割に応じた処遇の実現を図るとともに、多様な働き方を踏まえた新たな人事処遇制度の運用を開始。・エンゲージメント向上に向け、役員・上司と従業員との対話を促進するとともに、管理職層のコミュニケーションを強化。社内DXの加速経営・業務情報を有機的に繋ぎ、より効果的・効率的な経営を推進・業務効率化を目指した業務基幹システム刷新を推進。業務仕様及びその仕様に基づく開発範囲の明確化が完了(2028年度稼働予定)。・DXの基盤となるデータ活用力を高めるため、基礎教育を実施。明電舎従業員約3,200名が受講。・生成AIの業務適用を目指した推進活動を展開。説明会、勉強会、体験学習、外部トレーニング等を計39回実施し、明電舎従業員延べ約2,300名が参加。 ● 資本コストや株価を意識した経営明電舎グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、資本コストや株価を意識した経営を重要な経営課題として位置付けております。一般的に、企業価値を示す指標であるPBR(株価純資産倍率)は「PBR=ROE(自己資本利益率)×PER(株価収益率)」により算出されることから、収益力・資本効率の向上によるROE改善と、将来成長に対する市場期待の向上によるPER改善の両面から企業価値向上に取り組んでおります。中計2027で推進する「製品」「事業」「技術」の各成長戦略により、明電舎グループが長年にわたって培ってきた技術力と顧客基盤を活かし、収益基盤の強化と投資効率の向上を図るとともに、クラウド基盤「MEIDEN CONNECT」を活用したソリューション型ビジネスの拡大等を通じて、成長期待の向上を目指します。ROEを株主価値向上の主要指標、ROICを事業採算・投資効率管理の主要指標として運用し、ROE10%、ROIC8%を前提にするとともに、拡大する電力需要や脱炭素化の進展を着実に取り込むことで、目標水準を上回る成果の実現を目指します。また、資本効率性の更なる向上に向けて、保有意義や合理性が認められなくなった遊休不動産や政策保有株式の順次売却を進めております。当連結会計年度は東京都品川区大崎二丁目における土地及び建物の譲渡を実施しました。創出したキャッシュについては事業成長に向けた再投資を重視しつつ、キャッシュ・アロケーションの最適化を通じて、「成長による中長期的な株主価値の向上」と「安定的かつ継続的な配当の実施」を両立させながら長期的な株主価値向上に取り組んでおります。中計2027期間中は成長への投資を優先する方針としており、株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益の30%としております。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】 (1) リスクマネジメントの体制明電舎グループでは、下図のとおりスリーラインモデルによるリスクマネジメント体制を構築しております。  用語の説明第1ライン工場や国内外関係会社を含む事業部門(=第1ライン)では、統制自己評価(Control Self-Assessment = CSA)を導入し、各部門が自らのリスクの抽出、評価、コントロールを実施しております。リスクの抽出にあたっては、網羅性を確保する観点から148項目にわたるリスク事例表を参考にしており、各部門が自ら抽出した重要リスクについて「影響度」と「発生可能性」を主眼に評価しております。第2ライン第2ラインは総務、法務、人事、経理・財務等の専門知識を持ったスタッフ部門で構成され、第1ラインが行っているCSAのモニタリングと支援を行っております。第3ライン内部監査部門(=第3ライン)は定期的な監査の実施により、第1ラインのCSAのサイクルや第2ラインのサポートが有効に機能しているかを検証しております。この内部監査の状況は随時、常務会・取締役会・監査等委員会及び主要な明電舎経営層に報告されております。2.5ライン内部統制推進部は、第1ライン・第2ラインを支援するとともに、第3ラインからの課題提起を第1ライン・第2ラインへ展開する役割を担っております。全社横断的にリスクマネジメント体制の整備・運用を支援・牽引する機能を有することから2.5ラインと位置づけております。リスクマネジメント委員会役付執行役員を委員とし、内部統制推進部が集約した全社重要リスクを審議する目的で年1回開催しております。委員会で経営レベルでの審議を行うことで、リスク選定の十全性とリスク対応の実効性向上を図っております。BCM委員会役付執行役員等を委員とし、明電舎グループの事業継続における基本的な方針や事業継続目標、災害時の対応についての「BCP基本方針書」を策定し、経営レベルでBCP方針や施策を審議・決定しております。内部統制推進部を事務局として年1回開催しております。グループ会社内部統制委員会国内関係会社の社長等を委員とし、各社のCSAの状況報告を受けるとともに、明電舎グループ全体の重要リスク情報を共有する目的で年2回開催しております。委員会では関係会社間のリスクディスカッションも実施して議論を深めております。リスク対策分科会リスクマネジメント委員会で深掘りが必要と判断した重要リスクについて、リスク対策分科会において課題の洗い出しや対策の立案を行っております。第1ライン・第2ラインの関係部門で構成し、検討結果は常務会へ報告のうえ、全社的な対応に繋げております。 (2) 全社重要リスク決定までのプロセス第1ラインのCSAはすべての部門において年度ごとにリスクやそのコントロールの見直しが行われ、その結果を踏まえた翌年度のCSA進捗確認表を作成しております。各部門で抽出された重要なリスクは「影響度」と「発生可能性」の二軸での評価に加えて、「リスクが顕在化する速度」や「リスク発生による影響期間」、「対策レベル」を加味して総合的に評価しております。第1ラインのCSAによる各部門の重要リスク情報は、事業グループ単位のリスクディスカッションを経て内部統制推進部に集約されます。さらに、スタッフ部門へのリスクヒアリングから抽出した第2ラインのリスク情報も加えて総合的な評価を行い、全社的に認識すべき重要リスクの一覧表を作成しております。リスクマネジメント委員会では、重要リスク一覧表をベースに経営レベルでの事業リスクの評価とコントロールの審議を実施しております。その結果は常務会・取締役会にも報告されております。 (3) 重要な事業リスク上記の経営層による議論の結果、明電舎グループは本有価証券報告書に記載している事業に関し、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスク事象をリスクカテゴリー別に分類し、以下のリスク事象一覧表に記載しております。また、これらのリスクの内容とシナリオ及び対応策については、適宜取りまとめて以下(4)「重要な事業リスクの内容と対応策」に記述しております。 リスク事象一覧表番号リスク名称リスク評価影響度発生可能性リスクが顕在化する速度リスク発生による影響期間外部環境リスク1-1市場環境変化への認識・対応不足大高中中1-2自然災害の発生大中速い短い1-3サイバー攻撃大中速い短い1-4地政学リスク中高速い中戦略リスク2-1人財の不足大高速い長い2-2経営方針、事業戦略に対するリスク大中中短いオペレーショナルリスク3-1設備等による生産停止リスク大高中中3-2品質の低下大高中中3-3労務管理・労働環境の悪化大中速い長い3-4労働災害のリスク大中速い短い3-5内部情報の流出、不正利用大中速い短い3-6調達リスク大中中中コンプライアンスリスク4-1建設業法違反大中中中4-2独占禁止法違反・贈収賄大低速い長い4-3環境規制違反大低速い中4-4品質偽装・検査不正大低中長い (注)リスク評価は明電舎グループにおける多種のリスク事象を独自に評価したものであります。 (4) 重要な事業リスクの内容と対応策上記(3)のリスク事象に関するリスクの内容とシナリオ及びリスク対応策は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における明電舎グループの状況に基づく判断であります。 ① 市場環境変化への認識・対応不足(リスク事象一覧表 1-1)リスクの内容とシナリオ明電舎グループの製品・サービスに対する需要は、受注活動を行っている国または地域の社会情勢や経済動向の不確実性、法律・規制等の様々な影響を受けます。そのため、需要の減少や受注した案件の進捗遅延が、明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループでは、外部専門機関などを活用し、国または地域の社会情勢や経済動向を注視しつつ案件の実現性や受注確度を見極めながら受注活動を行うとともに、規模の大きい案件については、法務・財務などのスタッフ部門で構成される事前審査会議を開催して情報整理やリスク評価を実施し、その情報をもとに経営の意思決定を行っております。また、プロジェクト管理を通じて、案件の進捗や採算状況をモニタリングする等、リスクの低減に努めております。 ② 自然災害の発生(同 1-2)リスクの内容とシナリオ自然災害の激甚化により、各種事業活動に支障をきたすリスクがあります。特に明電舎グループの主要な生産拠点は、関東から東海地方の南海トラフ地震の想定被災地域、又は沿岸地域等に立地しているため、大規模な地震が発生し津波、液状化等により生産拠点等が重大な損害を受け、生産設備の稼働が困難になった場合には、明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループでは、災害時における事業継続についての方針・施策を審議・決定する機関としてBCM委員会を設置しており、経営レベルでBCPの策定や維持・更新、対策の実施、点検・改善を推進するとともに、取組みを浸透させるための教育・訓練を実施しております。また、明電舎グループの国内外各拠点で防災対策・防災訓練を実施するとともに、生産拠点での事業影響度の分析も進めており、サプライチェーンも含めた実効的なBCPの整備・強化に取り組んでおります。 ③  情報セキュリティに関するリスク(同 1-3、3-5)リスクの内容とシナリオ近年、サイバー攻撃のリスクが高まっており、その手口も巧妙化しております。また、働き方の変化や情報機器の活用に伴う紛失や盗難等のリスクのほか、生成AIの活用に伴う新たなリスクも増加しております。マルウェア感染等を起因とする基幹システム停止による企業活動の中断、機密情報・個人情報漏洩や著作権侵害による多額の損害賠償責任の発生、社会的信用の失墜により明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策日々変化する脅威へ総合的に対応するため、情報セキュリティ委員会を設置し、全社横断的なセキュリティ体制を構築しております。お客様へ提供する製品・サービスの情報セキュリティ対策を強化する目的のPSIRT※1、社内の情報セキュリティを強化する目的のCSIRT※2、工場を統括するFSIRT※3、サプライチェーンのリスク低減を目指すPrSIRT※4を設置し、通常時の対策とインシデント発生時の対応のための専門チームを組織しております。各部門には情報セキュリティを担当するSIRTマネージャを配置して部門内での点検・改善や教育を継続的に実施しております。情報セキュリティリスクやインシデント発生時の迅速な対応を行うため、各部門との連携を促進する統括窓口を設置するとともに、課題抽出を目的としたワークショップを開催し、インシデント対応力の強化にも取り組んでおります。保有する個人情報や明電舎グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等については、各種セキュリティ管理システムを導入し、不審メール訓練やe-learningなどの社内教育を通じて管理の徹底を図っております。また、情報機器端末の暗号化や資産管理の徹底等により、情報機器の活用に対応したリスク対策を強化しております。生成AIについては、業務の高度化・効率化のために活用を図りつつ、ガイドラインの策定や従業員教育の実施により適正な利用を進めております。※1 PSIRT : Product Security Incident Response Team※2 CSIRT : Computer Security Incident Response Team※3 FSIRT : Factory Security Incident Response Team※4 PrSIRT : Procurement Security Incident Response Team ④ 地政学リスク (同 1-4)リスクの内容とシナリオ近年、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、米中の対立等、国際情勢が大きく変化しております。明電舎グループは主にASEAN、中国、インド、欧米等に生産拠点や営業拠点を有しておりますが、該当地域に影響が及ぶことで事業活動、生産活動に支障が生じる可能性があります。加えて、原材料の調達の停滞や価格高騰、国内からの輸出や技術者の派遣の制約等により明電舎グループの事業運営に影響が生じ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループでは、外部専門機関等からの情報及びサポートを含め、海外各拠点における政治経済の状況、国際情勢や戦争等のリスク情報、法規制の変更等に関する情報を収集しており、各拠点の事業継続計画(BCP)構築に取り組んでおります。経済安全保障については専門の部門を設置して情報収集・分析と対策に取り組んでおります。事業継続に関わる危機や海外駐在員、現地従業員に関わる危機が想定される場合は、早期の情報収集により対策とそれに応じた体制を迅速に決定・構築することとしております。 ⑤ 人財に関するリスク(同 2-1、3-3)リスクの内容とシナリオ明電舎グループの経営戦略の実現にあたっては、多様な人財一人ひとりがその能力を最大限発揮することが不可欠であります。人財の獲得及び育成の停滞並びに人財流出等により必要な人員を確保できない場合には、技術・技能の継承が滞り、明電舎グループの競争優位性の低下を通じて、成長及び業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループは、人財を既存事業の着実な成長及び新たな価値創造への挑戦を支える重要な経営基盤と位置付け、事業を支える人財の確保・育成に加え、自律的に学び挑戦する人財の活躍、多様な人財が能力を最大限に発揮できる組織基盤及び企業風土の整備に取り組んでおります。これらの取組みについては、「第一部第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)戦略 ②未来へ挑む人財・企業風土づくり(人的資本) 」及び「第一部第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」においてその概要を記載しております。 ⑥ 経営方針・事業戦略に対するリスク(同 2-2)リスクの内容とシナリオ明電舎グループは、経営方針・事業戦略を中期経営計画として策定して事業展開を行っておりますが、市場環境や顧客動向の変化を適切に捉えられない場合、これらの方針・戦略が想定どおり機能しない可能性があります。その結果、不採算事業の継続、特定顧客への過度な依存による収益力の低下、投資回収の不能や減損、追加コストの発生等が生じ、明電舎グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策各事業グループの事業運営状況について、取締役会及び常務会による定期的なレビューを通じて進捗及び収益性を確認し、中期経営計画や事業計画との乖離が生じた場合には、速やかに対応を検討・実行できる体制を整えております。設備投資等の重要な投資案件については、事前の情報収集と収益性・回収可能性の検証を行うとともに、投資後も計画に対する進捗や成果を継続的にモニタリングし、必要に応じて投資内容の見直しや追加対応を行うことで、業績及び財政状態への影響の低減に努めております。 ⑦ 設備等による生産停止リスク(同 3-1)リスクの内容とシナリオ明電舎グループは社会インフラを支える製品の生産やお客様の事業を支えるサプライヤとして供給責任を負っていますが、その生産を行う建屋及び生産設備に関する投資や保全が十分に実施されない場合、設備の故障・不具合の増加や火災その他の重大事故の発生に繋がるおそれがあります。その結果、生産性の低下や生産活動の停滞・停止及び労働環境の悪化により製品の品質確保や安定供給ができず、納期遅延や追加対応コストの発生、顧客からの信用低下及び受注機会の逸失等に繋がるおそれがあります。リスク対応策共通インフラを含む重要設備の老朽化リスクに対応するため、計画的な更新投資を継続的に実施するとともに、設備保全に関する仕組みの構築及び運用の定着を進めております。各工場については、個別に立案された設備更新計画及び設備投資計画の内容をもとに、故障や能力低下の兆候に迅速に応じた対応を行うことで、生産への影響の抑制に努めております。また、保全業務に係る帳票類の整備・共通化を進めるとともに、保全担当者の育成やOJTの実施、設備保有部門に対する教育を通じて、設備故障時の初動対応力及び保全能力の向上を図っております。さらに、設備の保全要否や保全周期等について基準の整備・標準化を進めるとともに、設備更新投資に関するヒアリングを通じて投資ニーズを把握し、計画的かつ効率的な設備保全・更新の推進に取り組んでおります。 ⑧ 品質の低下(同 3-2)リスクの内容とシナリオ明電舎グループは、お客様が求める品質を維持しつつ、製品を安定的に供給することが責務と考えておりますが、調達品や生産設備といった有形要因、技術力低下や技術継承不足といった無形要因によって品質が低下した場合、品質のみならず納期や生産性にも影響を与え、製品の競争力を喪失するリスクがあります。また、個別受注製品における設計・製造不良、工事案件における施工不良、EV用モーター等の量産製品においてはリコールや製造物責任につながる品質問題が発生した場合、製造原価の悪化や保険等ではカバーできない損害賠償の発生により、明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループでは、「社長品質方針」に基づき各種品質維持活動を展開しており、不良を「入れない」「作らない」「出さない」の視点で品質管理を徹底しております。主に生産部門で活用されているQRマップ(品質管理工程図)を技術部門にも適用し、品質の確保を図っております。リスク対応は「受入(外注・購入品)」と「社内工程」を重点テーマとして取り組んでおります。外注・購入品については、受入検査の強化や品質監査・指導を定期的に実施することで、サプライヤ管理の強化を図っております。社内工程については、人的要因の不良を防止する視聴覚教育や再発防止策の妥当性評価をすることで、不良発生の抑制を図っております。また、全社QA推進会議を継続的に開催し、不具合情報、品質活動の共有・水平展開等により品質向上活動を推進しております。 ⑨ 労働災害の発生(同 3-4)リスクの内容とシナリオ明電舎グループの生産現場や現地工事において重大な事故・災害により労働災害が発生した場合、当人及び職場への影響はもとより、行政処分を受け、明電舎グループの生産活動等に支障をきたす可能性があります。また、お客様施設において重大な事故を発生させた場合、お客様の事業活動にも影響を及ぼし、信用の失墜や施工遅延、指名停止や損害賠償の発生により、明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策明電舎グループでは、主要拠点に労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)を導入し、安全衛生活動のPDCAサイクルにより継続的な改善を行っております。また、安全の施策として個人の危険感受性向上のため、安全体感教育を始めとする各種教育の実施、リスクの早期摘み取りとしてリスクアセスメント実施による環境の改善、ヒヤリハット活動による不安全箇所の改善及び過去の労働災害の風化防止として安全伝承館を用いた労働災害の再発防止教育等を継続して行い、労働災害の未然防止に努めております。 ⑩ 調達に関するリスク(同 3-6)リスクの内容とシナリオ 明電舎グループの製品・システムは多種多様な部品・部材等を使用しており、代替が困難なものもあります。社会情勢や予期せぬ事情により部品不足や調達コストの増大等が発生し、安定的な供給が停滞した場合、生産、出荷の遅れや製品コストの増大により明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策 明電舎グループでは、調達管理の徹底を推進するとともに、適正在庫の確保を含めたサプライチェーン全体での供給体制の強化により、これらのリスクへの対応を行っております。 また、部品の仕様標準化を推進し、複数の調達先の確保等を通じて、安定的な調達活動の維持・強化に努めております。さらに、お取引先との持続的なパートナーシップ強化のため、2022年度から「明電グループサステナブル調達ガイドライン」を発行し、各種の支援活動等を通じて取引先との一層のコミュニケーションと協力関係の強化を図っております。 ⑪ コンプライアンスに関するリスク(同 4-1、4-2、4-3、4-4)リスクの内容とシナリオ 明電舎グループは、国内外の法令、慣習その他全ての適用されうる社会規範を遵守して事業活動を行っておりますが、それらに反する事象が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜を伴う受注機会の減少により、明電舎グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。リスク対応策 明電舎グループでは、過去に発生させた独占禁止法違反の再発防止をはじめ、遵法意識の向上を図っており、法務部を事務局とするコンプライアンス委員会のもと、グループ全ての従業員に対して「企業行動規準」の周知徹底を図っております。 また、職場へのコンプライアンスマネージャーの配置、内部通報制度の整備やハラスメント相談窓口・品質不正相談窓口の設置など、違法行為や不適切行為の防止、早期発見及び解決を図る枠組みを整備しております。2025年9月にはSOSリスク未然防止相談窓口を新設し、違法行為・不正行為に繋がるおそれのある状況についても早期に拾い上げ、不正の未然防止に努めております。加えて、全グループ会社を対象としたコンプライアンス研修を継続的に実施し、独占禁止法、取適法、建設業法、個人情報保護法などの法令や贈収賄、品質不正防止など、幅広くコンプライアンス・倫理に関する意識向上を図っております。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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