オキサイド(6521)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


オキサイド(6521)の株価チャート オキサイド(6521)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 光の時代といわれる21世紀。光技術の可能性を追求し、その成果を少しでも早く少しでも多く社会に還元したい。それが創業以来変わらない私たちの願いです。オキサイドグループは、ミッションとして、「豊かな未来を光の技術で実現する」を掲げております。

 オキサイドグループは、オキサイド及び連結子会社2社(Raicol Crystals Ltd.(以下、Raicol社という。)及び株式会社オキサイドパワークリスタル(以下、オキサイドパワークリスタル社という。)で構成され、単結晶(*1)、光部品(光デバイス)、レーザ光源、光計測装置などの光学関連製品を、主に光を使った計測分野の装置メーカーや光学製品メーカー向けに開発・製造・販売しております。例えば、オキサイドグループが製造・販売する放射線を検出するシンチレータ(*2)単結晶は、がんの診断用のPET検査装置に使用されており、オキサイドグループのレーザ光源は、半導体製造に使用されるシリコンウエハの品質検査装置に使用されております。

 2000年の創業以来、オキサイドグループは単結晶・レーザのグローバルニッチトップカンパニー(*3)をめざし、「研究成果を社会に還元し、キーマテリアル(*4)を世界に向けて発信する」、「顧客へマテリアルソリューション(*5)を提供し、社会の発展に貢献する」、「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」という経営理念の下、光学分野のバリューチェーン(*6)の川上に位置する単結晶の開発・製造から事業を開始し、単結晶開発技術を生かしつつ、光学分野での川下の製品群(光部品、レーザ光源、光計測装置)へと展開してまいりました。

 これまで光学分野での先端技術を継続的に蓄積、保有し、その独創性及び競争優位性の確立をめざしてまいりました。単結晶分野において、オキサイドグループは、FZ法(Floating Zone Method)、CZ法(Czochralski Method)、VB法(Vertical Bridgeman Method)、TSSG法(Top Seeded Solution Growth Method)、DCCZ法(Double Crucible CZ Method)、KY法(Kyropoulos Method)、EFG法(Edge-defined Film-fed Growth Method)、フラックス法(Flux Method)など、多くの単結晶育成技術及び装置を保有しております。国内外の企業、大学、研究所などから技術、製品への問い合わせ、引き合いをいただいております。2014年には経済産業省の「グローバルニッチトップ100選」(*3)にも選定されております。今後も、オキサイドグループの光学技術は、その応用範囲及び新たな用途の拡張をめざしてまいります。

 2023年3月には、イスラエルのRaicol社を買収し、新たに「宇宙・防衛」、「美容」、「エネルギー」分野へ参入いたしました。また、2024年12月には、オキサイドパワークリスタル社へパワー半導体向け材料及び関連製品の研究開発・製造販売等に関する事業を吸収分割いたしました。オキサイドパワークリスタル社では、従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な溶液法SiC単結晶の事業化に取り組んでおります。

 なお、オキサイドグループは、光学事業の単一セグメントでありますが、製品の用途から「新領域事業」、「半導体事業」、「ヘルスケア事業」の3つの事業に区分しております。

 「新領域事業」において単結晶技術、光学分野でのコア技術の新用途・新製品を立案・開発し、試作・開発ベースでの小規模案件を中心にビジネスを進めております。「新領域事業」での開発技術であり成果が事業化し、量産化を確立したのが「半導体事業」と「ヘルスケア事業」です。

 こうした展開は、オキサイドグループがこれまでに国内外の企業や大学等から埋れた技術や事業を買収し、製品化・事業化して蓄積したノウハウにより、可能となったと考えております。

 また、工学・理学系の博士号・修士号を保有する技術者が、研究開発及び製造に従事する役職員の23%を占め、研究開発型の事業会社として成長していることなどもオキサイドグループの特徴であり、独創性及び競争優位性の源泉と考えております。

 各事業の概要は次のとおりです。

 

新領域事業

 当事業は、国内外の光計測機器/光学製品メーカー及び大学等研究機関に単結晶、光部品、レーザ光源及び光学測定装置を開発、製造、販売しております。当事業には、Raicol社およびオキサイドパワークリスタル社の事業も含まれております。当連結会計年度における当事業の売上高は、2,464百万円です。同時に、オキサイドグループのコア技術である単結晶技術/光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応、光学分野での問題解決策の提供及びそうしたプロセスの中で有望な新用途/新製品をインキュベートしております。

 国内外の展示会、学会への出展、オキサイドグループのホームページへのアクセスなどを通じて、研究開発/試作の受託を重ねております。また、オキサイドグループのコア技術である単結晶技術や光学技術を活用し、さまざまな顧客ニーズへの対応や問題解決策を提供しております。これらの活動が、新用途/新領域のビジネスに繋がり、オキサイドグループの将来ビジネスへのアンテナ、種まきの機能を担っております。当事業においてすでに商品化段階に至った主な製品は、以下のとおりです。

製品

製品の説明

主な用途

単結晶・デバイス

波長変換(*7)部品(デバイス)

波長変換部品(デバイス)は、光学単結晶を用いてレーザ光の波長を他の波長へ変換する(例えば、赤外光を可視光や紫外光に変換することが挙げられます。)製品です。

量子分野では、もつれ光子対の発生に利用されます。

医療

理化学

情報家電

工業用加工

セキュリティ

娯楽

量子

GPS(Ce:Gd2Si2O7)単結晶

放射線が入射すると発光するシンチレータとしての特性を持つ単結晶です。高発光量、高エネルギー分解能等の特長を有しております。高温環境でも特性劣化が小さいため、広い分野での応用が期待されます。

放射線汚染モニタリング

セキュリティ

石油探査

医療

アイソレータ用単結晶

一方向のみ光が透過する光学部品である光アイソレータに搭載される単結晶です。レーザ機器のレーザ光出射口は、外部からレーザ機器に光が入ると損傷したり、不安定になります。レーザ光出射口に光アイソレータを設置することにより、外部からの光を遮断し、不具合を防ぐことが可能となります。

5G

データセンタ通信用デバイス

GaN(*8)用基板単結晶(SAM(*9))

GaNをエピタキシャル成長させる際に基板となる単結晶です。GaNと基板の格子定数及び熱膨張率のミスマッチが小さいため、高品質のGaN薄膜が得られます。

可視光レーザ

高周波デバイス

パワー半導体(*10)

レーザ

114nmレーザ

真空紫外光と呼ばれる紫外線の中で最も波長の短い光を発生するレーザ装置です。単結晶に加えガスを用いた波長変換技術を利用して、赤外光を114nmに変換しております。このように波長が短くエネルギーの高い光は、最先端の研究開発分野で材料の分析に有効です。特に、量子コンピューティング等への利用が期待される新材料の研究開発に利用されております。

光電子分光

光電子顕微鏡用深紫外CWレーザ

半導体プロセスにおけるパターン検査に利用可能なレーザ光電子顕微鏡が東京大学物性研究所によって開発されており、光電子を発生するための深紫外レーザ光源としてオキサイドの深紫外CWレーザが使用されています。

半導体検査

フェムト秒レーザ

深紫外光のレーザ光を短いパルスで照射することにより、非加熱加工を行います。これにより、バリやクラックが発生しない高精度な微細加工が可能になります。

微細加工

 

 

製品

製品の説明

主な用途

測定器

光学的ノイズ(スペックルノイズ)測定器

スペックルノイズは、レーザを利用したディスプレイ(レーザ光を投影した画面)において発生する、画質の劣化要因のひとつです。例えば、レーザ光を投影した画面に映る画像が、荒い画像に見えること等が挙げられます。オキサイドグループは、スペックルノイズを定量的に表すことができる測定器を開発し、製造・販売しております。この装置は、国際標準に認定されたスペックルノイズ測定器であり、ディスプレイメーカーは画質の評価に使用しております。

プロジェクター

照明

量子

量子もつれ光子対発生モジュール

量子もつれは、2つの光子の状態が強く相関し、一方の光子の状態が決まると他方の光子の状態が瞬時に決まる現象です。この特性は量子暗号通信や量子コンピューティングに利用されています。量子もつれ光子対発生モジュールは、光ファイバを入出力とし高い効率で量子もつれ光子対を発生可能なモジュールです。

量子通信

 

 NoT(Network of Things)やAI(人工知能)のさらなる活用により、クラウドを通じた工作機器の連携と自動化/無人化がさらに進むと考えられます。このようなイノベーションを支える半導体の微細化や医療機器の高度化等に伴い、需要が高まっているレーザ光源の高出力化や短波長化の技術開発を推進してまいります。また、量子コンピューターの開発により既存の暗号技術は脅威にさらされることになります。この脅威に対抗するため量子暗号通信技術の開発が世界中で進展しております。さらに、量子コンピューター等の量子デバイスを繋ぐ量子インターネットの研究開発も注目されております。オキサイドは、量子通信分野の最先端研究者からのご要望に基づき、量子もつれ光子対を高効率で生成することが可能な量子もつれ光子対発生モジュールを開発し、実用性の高い製品として販売を開始しました。さらに、オキサイドの波長変換デバイスが量子コンピューティング用途においても研究開発に利用される等、量子通信関連分野での用途が拡大しています。一方、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現に向け、デジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けSiC(*12)ウエハの、溶液法(*13)による超高品質化及び大口径化の開発や家電向け低コストβ型酸化ガリウム(*14)基板の開発にも注力してまいります。

 

半導体事業

 当事業は、半導体ウエハ(*15)の検査装置メーカー向けの単結晶・レーザの開発・製造・販売を行っております。当連結会計年度における当事業の売上高は、4,703百万円です。オキサイドグループの単結晶のうち、非線形光学効果(*16)の強い単結晶及びその単結晶を搭載したレーザは、波長や出力をはじめとする各種性能・品質の観点から、販売先の最新機種に搭載されております。

 半導体製造工程の「前工程」と呼ばれるウエハ処理工程では、投入するシリコンウエハの品質検査が半導体チップの歩留まり管理上不可欠であり、専用のウエハ検査装置が利用されております。オキサイドグループの単結晶と単結晶を搭載したレーザは、そのウエハ検査装置に搭載されております。半導体の微細化に伴い、検査装置に搭載する単結晶及びレーザも、次世代製品の開発が常に求められております。オキサイドグループは、こうした市場の要求に対し、材料工学、光学などの観点から常に開発・提案を行い、あるいは、一部製品に関しては特許権者からのライセンスを受け、次世代製品への取り組みを継続しております。

 拡大する半導体市場の微細化への要求については、光学分野では短波長化と高出力化が重要となります。オキサイドグループの単結晶、レーザ光源は、波長変換による短波長化(266nm)と2W以上の高出力化の特徴を有しております。その結果、単結晶については、2006年に開発を受託、その成功を受けて、2011年から量産へ、またレーザは、2010年に株式会社マグネスケールより事業を買収し生産を開始しました。その後、2011年に開発を受託、その成功を受けて2016年から量産に移行しております。顧客の新製品投入に合わせてこうした「開発」→「量産」のプロセスが繰り返されております。

 一方、顧客が製造販売する検査装置においては、エンドユーザーである世界の半導体工場にて昼夜連続での稼働が要求事項となっております。その結果、搭載された単結晶、レーザはその使用に応じて定期的なメンテナンス需要が発生します。メンテナンスの内容は、概ね1〜2年の一定期間ごとに使用に伴って劣化した単結晶や光学ユニットを交換するものです。これらのメンテナンス需要は、ほぼ事前予想が可能なため、景況の山と谷のギャップが激しいと言われる半導体分野での事業としては収益安定要素と言えます。加えて、10年以上の長期間稼働が求められるレーザの新規出荷売上に従い、累積的に増えることが見込まれるリカーリングの性質を持つ売上収益となります。当連結会計年度におけるメンテナンス売上高は、当事業売上の16%程度を占めております。

 

ヘルスケア事業

 当事業は、がんの診断に使用されるPET検査(*17)装置に搭載されるシンチレータ単結晶の開発、製造、販売を行っております。具体的には、製造したシンチレータ単結晶を加工した各辺数mm角の直方体(PET用素子と呼びます。その素子を数万本、PET検査装置内に配列して使用します。)の形状で国内外のPET検査装置メーカーに販売しております。当連結会計年度における当事業の売上高は、1,226百万円です。オキサイドグループのシンチレータ単結晶は、継続的な品質向上とコスト低減の実績及び品質管理体制の構築により、既に主流となっている全身用TOF-PET検査装置(*18)に採用されております。

 また、オキサイドグループのシンチレータ単結晶は、乳房検査専用PET検査装置や、重粒子線を用いたがん治療中の粒子線位置をリアルタイムで確認することができるOpen-PET検査装置に採用されております。Open-PET検査装置は、従来のがん診断だけでなく、治療にも使われる装置として、国内においては量子科学技術研究開発機構を中心として研究が進んでいるものです。

 加えてPET検査装置は、がんの診断以外にアルツハイマー型認知症(*19)診断への適用範囲拡大が見込まれており、オキサイドグループでも用途拡大に対応すべく研究開発活動を進めております。認知症は、国内外の高齢化により増加傾向が見られることに加え、昨年、アルツハイマー型認知症の治療薬が日本国内においても薬事承認され、併せて、その原因物質であるアミロイドβのPET診断も保険適用となったことから、今後、治療薬の普及に伴い、頭部専用PETによる診断への需要が高まってくることが期待されます。(出所:World Alzheimer Report 2021)

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

<用語解説>

(*1)単結晶

・原子、分子が規則正しく配列している固体を結晶と総称します。その結晶の中でも、物質内のどの部分においても原子、分子配列の向きがまったく同一である物質を単結晶と呼びます。

・結晶に、電気信号を加えたり、圧力をかけたり、光を当てることにより、各結晶の持つ特性が現れますが、単結晶の場合は、その特性(例えば、光を当てることにより光の波長を変換したり、電気信号を加えることにより光の強度を調整すること。)が強く現れます。この特性を活用して、産業分野で単結晶応用製品が実用化されております。

 

(*2)シンチレータ

放射線が当たると微弱な光を出す物質をいいます。

 

(*3)グローバルニッチトップカンパニー

「グローバルニッチトップ100選」は経済産業省が2013年度より継続している事業です。「グローバルニッチトップ企業」の定義は、「昨今の産業構造の変化や、求められるニーズに迅速に対応するため、大企業や主要業界団体だけでなく、ニッチ分野(比較的小規模な市場や潜在的ニーズはあるが、まだ事業の対象として考えられていないような分野)において高い世界シェア(占有率)を有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」です。経済産業省として、認定と顕彰を通じて、対象企業の知名度向上や海外展開を支援するとともに、新たにグローバルニッチトップを目指す企業が経営上の羅針盤として活用することが目的となっております。

 

(*4)キーマテリアル

世の中の役に立つ材料を意味します。

 

(*5)マテリアルソリューション

材料と光に関する問題解決を意味します。

 

(*6)バリューチェーン

単結晶、ウエハ、チップ、光部品、レーザ光源、計測装置の光学分野における川上から川下に至る一連の製品供給プロセスを意味します。

 

(*7)波長変換

波長(周波数や色とも表現されます)は光の重要な性質を表すものであり、波長変換はレーザ光を元々の波長から紫外線や赤外線の領域に拡げる技術です。波長を変換する手法は数多くありますが、原理はレーザ光という強い光と物質の相互作用による非線形光学効果(*16)を用いております。

 

(*8)GaN

Ⅲ属元素とⅤ属元素が1:1の割合で結合した化合物半導体の一種で、融点が高く窒素の蒸気圧が高いため、シリコン(Si)のように融液から大型の単結晶を作製することが困難です。そのため、気相法によって薄膜状の単結晶が作製されます。最近では、GaN半導体は、光デバイスだけでなく、パワーデバイスや高周波デバイスとしても着目されており、そのために高品質なGaN単結晶が必要とされております。

 

(*9)SAM

ScAlMgO4の化学式で表される、スカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の三種類の金属元素を1:1:1の等しい割合で含む酸化物です。

 

(*10)パワー半導体

パワー半導体は、電車や電気自動車、家電製品、照明器具、電磁調理器、コンピューターなど身近なところで使用されております。パワー半導体は、これらの機器の電源制御部品として、直流を交流に変換、交流を直流に変換、周波数変換などを担います。

 

(*11)量子もつれ光子対光源モジュール

特別な光源から「量子もつれ」と呼ばれる特殊な状態の光子のペアを生成する装置です。量子もつれ光子対とは、2つの光子の間に古典論では説明できない相関が存在する状態であり、量子力学の不可解さを示す例として知られております。この量子もつれ光子対は、それぞれの光子がたとえどんなに離れた場所にいても一方を測定することでもう一方の状態が瞬時に確定するという性質を持っております。この性質を利用し、絶対に破ることが出来ない量子暗号通信や高い測定感度が実現できる量子センシングなどの重要な技術が開発されております。「量子もつれ」に関する研究に対し、2022年にノーベル物理学賞が授与されました。

 

(*12)SiC

シリコン(Si)と炭素(C)から成る化合物半導体の一種です。SiCパワーデバイスは、従来のシリコンパワーデバイスよりも高い電圧や温度で動作できるため、電力をより効率的に扱うことが可能です。電気自動車や太陽光発電などの分野で、性能向上に貢献しております。

 

(*13)溶液法

溶媒に溶け込んでいる溶質を種結晶上に析出させ結晶成長させる方法です。SiCの場合、炭素(C)製坩堝内にシリコン(Si)を投入、加熱して液体とし、坩堝材のCがSi溶媒中に溶け込みSiC溶質が作られます。そのSiC溶質をSiC種結晶に析出させ、SiC単結晶を成長させます。従来の昇華法に比べ、原理的に欠陥が少なく高品質な単結晶育成が可能な方法です。

 

(*14)β型酸化ガリウム

β-Ga2O3の化学式で表されるガリウム(Ga)と酸素(O)から成る半導体で、特に高い耐電圧性を持っております。融液成長法により高品質な単結晶基板を安価に製造することが可能です。この材料は、パワー半導体として使用され、電力を効率的に制御し変換するのに役立ちます。β型酸化ガリウムパワーデバイスが実用化されれば、家電や電気自動車などのパワーエレクトロニクス機器のさらなる低損失・低コスト化が期待されます。

 

(*15)半導体ウエハ

半導体素子の製造材料です。一般的にはシリコンを素材とするインゴット(円柱形の塊)を、0.5mm~1mm程度の厚さにスライスした円盤状の板を指します。半導体の主要な応用例はスマートフォン等です。

 

(*16)非線形光学効果

光を受けた物質の内部では、通常の弱い光の場合、光の吸収や散乱などの現象が光の強度に比例して現れますが、レーザ光のような強い光の場合、比例関係から外れた新たな現象が発現します。その効果を非線形光学効果と呼びます。

 

(*17)PET検査

被検者に、がん患部に集まる薬剤を注射し、薬剤が放つ放射線を検出器でとらえて病巣を探るがんの検査方法です。従来のX線検診、CT検診では困難であった早期のがん細胞まで発見することが可能で、全身を一度に診断できることも特長です。

 

(*18)全身用TOF-PET検査装置

最先端のPET検査装置のことで、薬剤が放つ放射線の僅かな検出時間差を計測することで、高精細な診断画像を得ることができます。高速なシンチレータが要求され、オキサイドグループのLGSOシンチレータが搭載されているPET装置の多くがTOF-PETです。

 

(*19)アルツハイマー型認知症

脳が少しずつ萎縮していき、認知機能が低下していく病気で、認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症です。

 


有価証券報告書(2024年2月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 オキサイドグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオキサイドグループが判断したものであります。

(1)経営方針

 我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2024年3月15日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中でオキサイドグループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、

「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」

「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」

「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」

のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。

 

(2)経営戦略等

 オキサイドグループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、経営会議等により議論され、随時進捗確認を行っております。

 また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 オキサイドグループは、2025年2月期から開始する3年間の中期経営目標の策定に伴い、経営指標の見直しを実施いたしました。これまで、会社の規模の増大を目指して売上高成長率及び営業利益率を重要視してまいりましたが、今後は、収益性や効率性を重視し、従来からの指標である①営業利益率に加え、②EBITDAマージン※を新たに重要な経営指標とすることといたします。

※EBITDAマージン=(営業利益+減価償却費+のれん償却費)÷売上高

 

(4)経営環境

 電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンタの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。

 世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。オキサイドグループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。

 ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。オキサイドグループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。

 

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 各種研究開発の促進

 オキサイドグループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、NoTやAI、ビッグデータといったイノベーションを支える半導体の微細化、医療機器の高度化等に伴い、オキサイドグループの製品への需要も拡大基調にあります。一方、パワー半導体向けの超高品質、大口径のSiC単結晶開発や、レーザによる加工やセンシングといった新領域・新用途への的確かつスピーディーな開発、製品化が求められてもおります。こうした展開には各種研究開発の推進が不可欠であり、またオキサイドグループの独自性、技術的な優位性を保つ上でも同様であります。研究開発の推進には、社内の人的及び資金的資源に加え、大学、研究機関との研究連携や、政府機関の研究開発補助などの資金面での支援も積極的に活用しております。

 

② 優秀な人材の採用・育成

 これらのオキサイドグループ製品への需要増や開発促進に対応するため、オキサイドグループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内の大学や研究室、高等専門学校との継続的な連携を進めることや、学生の履修状況に応じた製品製造・開発の実体験型インターンシップ等の実施により卒業生の採用に繋げ、採用難の状況の中でも計画に沿った実績を重ねております。オキサイドにおける過去3年の新卒採用の実績は、2022年4月15名、2023年4月22名、2024年4月25名となっております。中途採用については、優秀な人材について年々採用のハードルが高まる中、人材紹介会社を通じてオキサイドグループの魅力やマーケットでの製品優位性を効果的にアピールし、業務拡大に対応できる即戦力の確保に成果を上げております。オキサイドにおける過去3年の正社員の中途採用実績は、2022年2月期33名、2023年2月期41名、2024年2月期24名となっております。人材開発については、適材適所を考慮した配置や各階層に応じたレベルアップ研修・フィードバックを継続的に実施するとともに、次世代の中核となる技術者の育成を見据えて社会人博士号の取得支援などの施策を重層的に進めております。

 

③ 財務体質の健全化

 オキサイドグループは、オキサイドグループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。

 

④ 資材調達体制の強化

 オキサイドグループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要なものは複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの産出国は中国、オーストラリア等であり、オキサイドグループは中国から調達しております。複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、また在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めております。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、オキサイドグループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でもわずかであるため、仕入先との綿密な調整など連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進してまいります。


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 オキサイドグループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてオキサイドグループが判断したものであります。

 

(1)市場リスク

1.顧客動向によるリスク

リスクの内容

オキサイドグループの顧客層は、医療機器、半導体、レーザなど世界各地のメーカーに拡がっております。さまざまな産業セクターへの営業活動を行い、これら顧客企業の個別の経営状態の変動による影響を極小化する努力をしております。しかしながら大幅な為替変動や、地政学的要因などにより、それらの産業全体が業績に悪影響を被る場合があります。オキサイドグループが提供する製品需要は、常に次世代製品の先行開発投資に追随する性格のものであり、顧客企業での次世代投資、製品転換が遅れることでオキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

特に重要/同水準

対応策

オキサイドグループは医療機器、半導体、レーザなど、幅広い産業セクターへ製品を提供することを強みとしていることから、国内外における経済動向の変化に対して特定の産業に依存しない事業ポートフォリオを更に強化することにより、リスク分散に努めてまいります。

 

2.特定の取引先への依存リスク

リスクの内容

オキサイドグループの2024年2月期の販売先は、300社超ありますが、そのうち、特定の6取引先に対する売上が、約70%となっております。

このため、これらの取引先において事業方針・外注政策に関する変化や業績悪化等が発生しオキサイドグループとの取引額が減少した場合に、オキサイドグループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

特に重要/同水準

対応策

オキサイドグループは事業計画の達成及び将来成長に向けて、顧客ポートフォリオの整理と重点顧客の明確化を継続して行っております。当連結会計年度においては、2024年2月期の売上高に占める特定6取引先の割合は、前年度に対し18.0ポイント減少いたしました。特定6取引先への売上高を拡大しつつ、継続的に新たな用途の市場創造、市場参入及び新規顧客開拓を実施することによりその他の重点顧客の売上高をさらに拡大し、特定の取引先への依存リスクを低減させながら全体の売上高を拡大していくことを目指しております。

 

 

 

 

3.海外事業展開に関するリスク

リスクの内容

材料・部品の調達及びオキサイドグループ製品の輸出等において海外との商取引を行っております。当連結会計年度における売上高のうち、80%超が海外売上高となっております。オキサイドグループの主要な販売国は、米国となっておりますが、今後中国を含むアジア各国との取引が増勢となることが見込まれ、従って、取引先所在国において、予測し得ない税制や法規制などの急激な変更、政治・経済情勢の混乱、テロ・紛争などの勃発、自然災害などによるリスクが顕在化した場合、オキサイドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、米中貿易摩擦により、今後米中間の関係悪化が進み、中国への製品出荷が困難になる場合、オキサイドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、オキサイドの連結子会社であるRaicol Crystals Ltd.はイスラエル中部のロッシュ・ハーアインに本社及び製造工場を有しております。イスラエルにおいては、2023年10月7日の武力衝突の発生以降、政治的・経済的に不安定な状況が継続しておりますが、現時点でRaicol社における従業員の安否や製造設備への被害等重大な影響は報告されておりません。しかしながら、イスラエルとパレスチナにおけるさらなる紛争拡大の影響が懸念され、今後Raicol社の製造計画の遅延やオキサイドの経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

特に重要/上昇

対応策

定期的に事業の状況をモニタリングし、国際情勢、海外経済情勢の変化等によるリスクを踏まえたうえで事業戦略の見直しを定期的に実施するとともに、経営会議や取締役会等において販売対象地域や、事業拠点の状況把握に努めており、情勢の変化に適切に対応しております。

<ウクライナ情勢について>

オキサイドグループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、また同地域向けの事業も手掛けておりません。オキサイドグループの主要顧客においても同地域関連事業が大きな比重を占めている状況にはないものと認識しております。従いまして、現時点でウクライナ情勢がオキサイドグループの事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性は低いと判断しております。

 

4.開発進捗遅延によるリスク

リスクの内容

オキサイドグループの開発投資は、自社での投資や顧客の支援による投資などさまざまな形態がありますが、顧客の開発スケジュールや生産計画又はオキサイドグループ製品の代替技術の台頭などにより、オキサイドグループの開発進捗が大幅に遅延あるいは変更となる場合には、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

経営会議や取締役会等において、開発投資案件の進捗状況の適時把握や市場動向の早期把握に努めており、仮に財政状態や業績に悪影響を及ぼす予兆を検知した場合には、遅滞なく経営判断を行う体制を構築しております。

 

 

 

5.新領域事業に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するため、また、光学分野での新たなマーケットを開拓するために、新領域事業への取り組みを進めていく方針であります。新領域事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新領域事業が当初の計画どおりに推移せず、新領域事業への投資に対する十分な回収を行うことができなかった場合、オキサイドグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

新領域事業展開に関しましては、リスクを最小化すべくスモールスタートでのトライアルを前提とし、既存事業との関連性、収益性等を中心に十分に検討を行ったうえで実施しております。また公的な開発助成制度の活用により投資負担の軽減を図ってまいります。

 

(2)調達リスク

1.資材調達によるリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、さまざまな原材料や光学部品等を購入して使用しておりますが、その中には特殊な原材料や部品も含まれております。重要なものは複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業でシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの産出国は中国、オーストラリア等であり、オキサイドグループは中国から調達しております。従って、中国の国家政策等により、その調達に問題が発生した場合には、生産計画に支障が生じ、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材についてはオキサイドグループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でもわずかであるため、当該部材の確保ができなくなった場合には機会損失が発生する可能性があります。また、品質水準を満たす部材を確保できない場合には、歩留率の悪化を招く恐れがあり、これに伴う原材料費の上昇を販売価格へ転嫁できない場合は、オキサイドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

特に重要/上昇

対応策

複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、また在庫積み増し等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めております。

仕入先が限定される主要部材については、仕入先との綿密な調整など連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進してまいります。

 

2.原材料価格の変動によるリスク

リスクの内容

オキサイドグループが製造で使用する原材料の中で、ヘルスケア事業にてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムは、レアアースであります。レアアースの価格は変動が大きく、価格の変動を販売価格に転嫁できない場合には、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

特に重要/同水準

対応策

経営会議や取締役会等においてレアアースの価格動向の把握に努めており、仮に価格変動の予兆を検知した場合には、原材料の前倒し仕入れ等の経営判断を遅滞なく行う体制を構築しております。また原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する仕組みの構築も合わせて進めております。

 

 

(3)法務(コンプライアンス含む)、知的財産に関するリスク

1.知的財産管理に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者がオキサイドグループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、オキサイドグループが使用する技術及びノウハウ等が意図せずして他社の知的財産権に抵触する疑いが生じ係争に発展する可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、第三者の知的財産を侵害することがないよう外部専門家の意見を参考にしつつ開発プロセスの初期段階から厳格に他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。

 

 

2.情報漏洩リスク

リスクの内容

オキサイドグループの事業の中には、秘密保持契約を締結した上で顧客の製品開発に関わる技術情報や営業情報を預かり、取り扱う業務があるため、当該機密情報の外部漏洩がないよう役職員と秘密保持契約を締結しております。役職員が利用する端末には、データの暗号化、アクセス制限/ログの取得監視、各種システムに対するID管理システム(多要素認証含む)を導入することで、在宅も含めたデータの保全に努めております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、何らかの理由により機密情報の漏洩が発生した場合には、オキサイドグループへの損害賠償責任の追及や社会的信用の喪失等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

オキサイドグループでは機密情報の漏洩リスクに対応すべく、上記施策のほか機密情報の取扱いに関する教育を継続的に実施しております。また、軽微な事象が発生した場合についてもコンプライアンス委員会等を通じて周知徹底し、再発の防止に努めております。

 

3.コンプライアンスリスク

リスクの内容

オキサイドグループの事業拡大に伴い役職員数は年々増加していることから、不正行為が発生しないよう、コンプライアンス関連規程を制定するとともに、オキサイドグループの役職員等が遵守すべき法令・ルールについてコンプライアンス研修等を継続的に実施し、コンプライアンス意識の醸成を図っております。

しかしながら、法令等に抵触する事態や不正行為が発生するといった事態が生じた場合や、事業の急速な拡大により内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じる場合には、オキサイドグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

上記施策のほか、内部通報制度であるホットラインの設置等を行い、法令遵守違反・役職員等による不正行為、不祥事等を早期に発見することに努め、迅速な対応を図っております。

 

 

(4)財務リスク

1.固定資産の減損に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、工場単位、事業単位等(第1・2・6工場、第3工場、第5工場、半導体事業(横浜事業所、第4工場)、Raicol本社)を基本とした資産のグルーピングを行っております。

当該資産又は資産グループが属する工場の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

事業計画や予実管理を通して、業績推移のモニタリングを行っており、早期に減損の兆候の把握に努めており、現時点で減損の兆候は識別しておりません。引き続き事業計画の着実な実行により収益の安定的確保に努めてまいります。

 

 

2.有利子負債に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、将来にわたって必要な設備を新規取得あるいは更新のため、設備投資資金や運転資金を金融機関からの借入金により賄っており、当連結会計年度末における有利子負債は総資産の47.8%となっております。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

金利上昇によるリスクを軽減するため、変動金利による調達については固定金利等への切り替え、新規での長期借入は固定金利での契約を優先させております。また現預金を確保しつつ営業キャッシュ・フローによる借入金の返済促進などによる財務体質の強化に努めております。

 

3.のれんの減損に関するリスク

リスクの内容

オキサイドは2023年3月にRaicol Crystals Ltd.の株式を取得し、現在同社は連結子会社となっております。

この企業買収に伴い、のれんが発生しておりますが、今後、業績が株式取得時の計画を下回るなどにより超過収益力が著しく低下した場合は、のれんの減損損失の計上によりオキサイドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

オキサイドでは、企業買収に関して、事業戦略との整合性、市場等の動向、事業リスク、投資金額及び投資計画の妥当性等について多角的かつ全社的な視点に基づき、取締役会で十分な審議を行ったうえで意思決定を行っております。また、買収後は、技術あるいはマーケティング等各部門での戦略的会議を定期的に行うことによって連携の強化を図るとともに、オキサイド役職員がRaicol Crystals Ltd.ボードメンバーの一部として経営に参画して管理及び事業の推進体制を整えることによって、リスクの軽減に努めております。

 

 

 

4.為替の変動に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、一部の海外との取引において日本円以外の通貨を用いて行っております。当該通貨の急激な為替変動があった場合には、オキサイドグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、連結子会社であるRaicol Crystals Ltd.は、現地通貨新シェケルで決算を行っており、当該通貨の急激な為替変動があった場合には、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

※オキサイドグループにおける海外との取引の場合、円安は利益を増加させる傾向にあるため、今般の円安傾向は業績にプラスの影響がありますが、不安定な為替相場が事業に及ぼす影響という点でリスク水準は低減していないため、前期比同水準と判断しております。

対応策

オキサイドグループにおける海外との取引の場合は、主要な取引先とは円建てで取引を行っております。また、経営会議や取締役会等において、為替動向の把握に努めており、仮に財政状態や業績に悪影響を及ぼす予兆を検知した場合には、遅滞なく経営判断を行う体制を構築しております。また、連結子会社であるRaicol Crystals Ltd.については、リスクヘッジ方針に沿って適切な管理を継続し、リスクの低減を図ってまいります。

 

 

5.修繕引当金に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、ヘルスケア事業で結晶育成のために坩堝を使用しておりますが、坩堝は使用を重ねることで摩耗や変形が生じ定期的な改鋳を要します。そのため、坩堝の改鋳に備えて、当該改鋳見込額のうち当連結会計年度末に負担すべき額を修繕引当金として計上しております。この点、改鋳が必要となる頻度や精製費等に変動が生じ、改鋳費用の実績が見積りと乖離した場合には、オキサイドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

過年度の改鋳時における坩堝の摩耗・変形の程度を分析し、坩堝の肉薄化や形状の改良を進めることで改鋳頻度の長期化に努めております。また、坩堝の肉薄化や形状の改良を進めることで改鋳頻度を長期化することに加え、改鋳時に必要となる増し地金を余剰地金から充当することで市場価格の影響を低減し、見積改鋳費用の安定化に努めております。

 

6.製品保証引当金に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループは、販売済製品の無償修理に対する費用支出に備えるために製品保証引当金を計上しております。この点、予期せぬ不具合の発生により交換修理費用の実績が見積りと乖離した場合には、オキサイドグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/‐

対応策

オキサイドグループは、品質管理に重点を置き、顧客のニーズに沿った高品質な製品の製造に努めております。また、製品の瑕疵責任が極力発生しないよう、顧客とのコミュニケーションを密に行うとともに、無償修理が発生した場合であっても状況に応じた部品の先行手配、部材調達先のマルチベンダー化や内製化等の体制整備を進めております。

併せて修理案件ごとの実態を把握し、見積修繕費用の適正な計上に努めております。

 

 

(5)その他のリスク

1.人材確保に関するリスク

リスクの内容

オキサイドグループの事業継続及び拡大においては、光学関連技術者、管理体制強化に伴う管理部門、オキサイドグループ製品、技術を広く提供するための営業部門への有能な人材確保が必要であり、有能な技術者及び次世代経営幹部の採用を進めております。また、組織活性化と優秀な人材の定着を図っております。

しかしながら、計画どおりの採用が実現できず、技術者の確保が十分にできない場合には、人材確保に関する経費の増加や、適切な人材配置が困難となり事業拡大に制約が発生するなどにより、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

高水準のスキルを有した従業員を安定的に確保するため、採用担当者を中心とした人事部門の体制強化、転職顕在層に留まらない、転職潜在層に対するアプローチの強化等の取り組みを行っております。

 

2.自然災害・事故災害の影響に関するリスク

リスクの内容

オキサイドの生産拠点の内、本社、第1~第6工場は山梨県北杜市に集中しております。突発的に発生する自然災害や火災・爆発等の不慮の事故が発生した場合には、生産活動の停止に伴う売上の大幅な減少や設備の修復等に多額の費用負担が生じ、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、大規模かつ長時間の停電発生や何らかの外的要因による情報ネットワークの遮断などによる事業活動の中断及び停止により、オキサイドグループの財政状態及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

発生可能性

影響度

リスク評価/前期比

重要/同水準

対応策

災害により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検及び設備保守、安全のための設備投資等を行うとともに、レーザ生産拠点の複数化に努めております。また、事業の継続・早期復旧を実現するため、初動対応事項や関係部門の役割分担、緊急時の連絡体制等の整備を行い、基幹システムについては情報ネットワークの遮断に備えてバックアップ体制を構築しております。自然災害等に関しては、火災保険等の保険付保も行っております。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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