マブチモーター(6592)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


マブチモーター(6592)の株価チャート マブチモーター(6592)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 マブチモーターグループ(マブチモーター及びマブチモーターの関係会社)は、マブチモーター及び子会社36社(うち連結子会社35社)で構成されており、自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器に使用される小型モーターの製造・販売を主な事業とし、これに付帯する事業を営んでおります。

 主要製品の用途は、次のとおりであります。

区分

用途

自動車電装機器

[中型モーター]

パワーウインドウ、パーキングブレーキ、パワーシート、バルブ、ウインドウウォッシャーポンプ、サンルーフ、シートベルトプリテンショナー、ステアリング位置調整、ドアクローザー、ランバーサポート、駆動系シフトバイワイヤー

[小型モーター]

ドアミラー、ドアロック、エアコンダンパー、ヘッドライト、グリルシャッター、操作系シフトバイワイヤー、ステアリングロック、ハプティクスデバイス、トランクオープナー、フューエルリッドオープナー、EV充電ケーブルロック、フラッシュドアハンドル

ライフ・インダストリー機器

[健康・医療機器]

歯ブラシ、血圧計、マッサージャー、呼吸療法装置

[家電機器・工具]

理美容関連

 ・シェーバー、ヘアードライヤー、脱毛器、バリカン

家電・工具・住設

 ・コードレスクリーナー、ロボット掃除機、コーヒーメーカー、電動工具、電気錠

[精密・事務機器]

インクジェットプリンター、複写機・複合機(MFP)、レーザープリンター、自動販売機、

フォトプリンター

[その他]

AGV、AMR、移動体、協調ロボット、自動製氷機、芳香発生器、玩具、模型

 マブチモーターグループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。

 なお、マブチモーターグループは、小型モーターの生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「アジア」、「アメリカ」及び「ヨーロッパ」の4つを報告セグメントとしております。マブチモーター、マブチモーターオーケン株式会社(マブチオーケン)、マブチオービーギアシステム株式会社(マブチオービーギアシステム)、マブチモーターマイクロテック株式会社(マブチマイクロテック)、株式会社アダチ・プロテクノ及びマブチモーターエンジニアリング株式会社(マブチエンジニアリング)は「日本」セグメント、マブチモーターアメリカコーポレーション(アメリカマブチ)及びマブチモーターメキシコエスエーデシーブイ(メキシコマブチ)は「アメリカ」セグメント、マブチモーターヨーロッパゲーエムベーハー(ヨーロッパマブチ)、マブチモーターポーランドエスペーゾー(ポーランドマブチ)及びマブチモーターエレクトロマグエスエー(マブチエレクトロマグ)は「ヨーロッパ」セグメント、その他の関係会社は「アジア」セグメントに属しております。

[マブチモーター]

 関係会社へ部品及び生産設備を供給し、関係会社からモーター(以下「製品」という。)を仕入れ、国内及び世界各国へ販売しております。

[関係会社]

(製品製造・販売)

 マブチモーター及び関係会社または市場から、部品及び生産設備を調達し、製品を生産。マブチモーター、関係会社及び地場・近隣市場へ販売しております。その他、部品及び生産設備を生産し、関係会社へ供給しております。

[会社]

華淵電機工業股份有限公司(台湾マブチ)、万宝至馬達(東莞)有限公司(東莞マブチ)、万宝至馬達大連有限公司(大連マブチ)、東莞道ジャオ万宝至馬達有限公司(道ジャオマブチ)、万宝至馬達(江蘇)有限公司(江蘇マブチ)、万宝至馬達(江西)有限公司(江西マブチ)、万宝至馬達瓦房店有限公司(瓦房店マブチ)、マブチモーターベトナムリミテッド(ベトナムマブチ)、マブチモーターダナンリミテッド(ダナンマブチ)、マブチモーターメキシコエスエーデシーブイ(メキシコマブチ)、マブチモーターポーランドエスペーゾー(ポーランドマブチ)、マブチモーターエレクトロマグエスエー(マブチエレクトロマグ)、マブチモーターオーケン株式会社(マブチオーケン)、万宝至応研精工電子(大連)有限公司(マブチオーケン大連)、マブチモーターオーケンベトナムカンパニーリミテッド(マブチオーケンベトナム)、マブチオービーギアシステム株式会社(マブチオービーギアシステム)、万宝至奥美歯輪系統(香港)有限公司(マブチオービー香港)、万宝至奥美歯輪系統(深圳)有限公司(マブチオービー深圳)、奥美工業(深圳)有限公司、宝至奥美歯輪系統(青島)有限公司(マブチオービー青島)、マブチオービーフィリピンインク(マブチオービーフィリピン)、マブチオービーベトナムリミテッド(マブチオービーベトナム)、マブチモーターマイクロテック株式会社(マブチマイクロテック)、株式会社アダチ・プロテクノ

(部品及び生産設備製造)

 部品及び生産設備を生産し、関係会社へ供給しております。

[会社]

華淵電機工業股份有限公司(台湾マブチ)、萬寶至馬達股份有限公司(高雄マブチ)、万宝至馬達(東莞)有限公司(東莞マブチ)、万宝至馬達大連有限公司(大連マブチ)、マブチモーターベトナムリミテッド(ベトナムマブチ)、万宝至精工部件(江門)有限公司(江門マブチ)、マブチモーターエンジニアリング株式会社(マブチエンジニアリング)

(モーター販売)

 マブチモーターから製品を仕入れ、それぞれ南・北アメリカ市場、アジア市場、欧州市場へ販売するほか、マブチモーターが直接行う輸出販売活動の支援サービスを行っております。

[会社]

萬寶至實業有限公司(香港マブチ)、マブチモーターアメリカコーポレーション(アメリカマブチ)、マブチモーターシンガポールプライベートリミテッド(シンガポールマブチ)、マブチモーターヨーロッパゲーエムベーハー(ヨーロッパマブチ)、マブチモーターコリアカンパニーリミテッド(韓国マブチ)、マブチモータータイランドカンパニーリミテッド(タイマブチ)、マブチモーターインディアプライベートリミテッド(インドマブチ)

 

(地域統括及びモーター販売)

 当該地区でのマーケティング活動及び関係会社の統括管理並びにマブチモーターから製品を仕入れ、中国市場へ販売するほか、マブチモーターが直接行う輸出販売活動の支援サービスを行っております。

[会社]

万宝至(上海)管理有限公司(マブチモーターチャイナ)

 

※ 事業の系統図は、次のとおりであります。

 ※ その他、非連結子会社が国内に1社存在します。

 

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

マブチモーターグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてマブチモーターグループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 マブチモーターは、人々の豊かな生活を支える小型モーターのリーディングカンパニーであり続けるために、新たな成長段階に向けた創造活動を続けております。

 経営理念:「国際社会への貢献とその継続的拡大」は、マブチモーターの遺伝子であり、創業当時から未来永劫受け継がれて行くマブチモーター経営の根幹をなす考え方であります。この「経営理念」の実現に至る道筋を「マブチの経営ビジョン」としてまとめ、グループ全体で共有しております。

 経営ビジョンは、「経営理念」に基づく貢献をどのように捉え、いかに具現化するかを「経営基軸」で明確にするとともに、企業活動を遂行する際の行動指針を「経営指針」として明示しております。

 

経営基軸

経営上の意思決定を行ううえでの「規範」となる考え方で、次のとおりであります。

① より良い製品をより安く供給することにより、豊かな社会と人々の快適な生活の実現に寄与する

② 広く諸外国において雇用機会の提供と技術移転を行い、それらの国の経済発展と国際的な経済格差の平準化に貢献する

③ 人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる

④ 地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う

 

経営指針

 経営指針は、「小型モーターの専門メーカーとしてその社会的ニーズを的確に把握し、それに即した製品をより早く、より安く、安定的に供給する」ためのマブチモーターの企業活動を方向付けるとともに、企業としてどのような行動をとるべきかを示すものであります。

 また、海外拠点経営指針は、マブチモーターと進出国との共存共栄をベースとした、海外拠点経営の基本的な考え方を明示したものであります。

 

経営指針

 ① 汎用性を重視した製品を開発し、その最適生産条件を整備する

 ② 価値分析に徹した製品の開発改良と部品・材料共通化を徹底する

 ③ 高度加工技術とムダの極小化によるコストダウンを追求する

 ④ 新市場を開拓し、適正占有率を確保する

 ⑤ 適材適所による人材の活用と業務を通じた人材育成を行う

 ⑥ 環境負荷の極小化と安全の追求を基本とした企業活動を推進する

 ⑦ 長期安定的視点に立つ経営施策を推進する

 

海外拠点経営指針

 ① 長期的な視点に立ち、進出国との共存共栄を図る

 ② 各拠点の強みを活かした国際分業体制を確立し、国際競争力を維持・拡大する

 ③ 社会への貢献を重視するマブチの企業文化の浸透と知識・技術の移転を推進する

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 マブチモーターグループは2024年から2030年を対象期間とする新たな経営計画「経営計画2030」を策定いたしました。

 財務指標と将来の財務に貢献する未財務指標(注)の双方を高めることにより、マブチモーターの考える企業価値として「マブチモーター・バリュー・ポイント(MVP)」の向上を目指していきます。マブチモーター・バリュー・ポイントは、2030年のガイダンスの達成によって得られるポイントを100ポイントと設定し、各年の達成率をポイントで表します。その達成率を見ながら、財務指標・未財務指標の双方を達成するための改善を通じて、企業価値の向上を図ります。

(注)人的資本等の無形資産で現在は未だ財務的に貢献していないが、未来の業績に寄与する指標であり、マブチモーターグループにとって財務指標同様に重要なため、「非財務指標」ではなく、「未財務指標」と表現しております。

 

財務指標

2024-2030年度 目標

売上高

3,000億円

売上高営業利益率

15%以上

ROIC(注)

12%以上

 

(注)ROIC=(営業利益×(1-実効税率))÷(売掛金+棚卸資産+固定資産(投資有価証券を除く)-買掛金)

 

また、未財務指標の目標は下記の項目となっております。

・CO2排出量削減率

・サステナブルプロダクツの売上高成長率

・SDGsに貢献する用途の売上高成長率

・女性管理職比率

・グローバル勤務経験者数

・子供向け工作教室・出前授業等の参加者数

・労働災害度数率

・人権上の重大リスク件数

 

(3)会社の経営環境及び対処すべき課題

 次期の見通しにつきましては、世界経済は、各国における高インフレが緩和の兆しを見せる一方で、依然、政策金利は高水準で推移することが見込まれることに加え、地政学的リスクの高まりによる不透明な国際情勢を背景に各国間の貿易や投資が細る影響等により、景気の減速が懸念されます。米国経済は、上期に消費の減速が見込まれるものの、景気後退の回避が見込まれ、緩やかな回復となる見通しです。欧州経済は、インフレ圧力の低下による個人消費の持ち直しに加えて、各国の財政支援等による下支えにより、緩やかな回復が見込まれます。我が国経済は、インフレ圧力の低下及び所得環境の改善による個人消費の改善を背景に緩やかな回復が見込まれます。新興国経済は、中国経済が不動産不況や個人消費の回復の弱さ等の影響により成長ペースは鈍く、世界的なインフレ影響等により新興国全体としての成長ペースは鈍化する見通しです。

 マブチモーターグループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、引き続き自動車生産の回復が見込まれますが、各国における高インフレとその抑制のための利上げによる需要の減退等の影響により回復の力強さを欠き、依然見通しに不透明感があります。ライフ・インダストリー機器市場は、健康・医療機器用の安定的な需要の持続等を背景に全体として堅調な需要を見込むものの、個人消費の減速により家電・工具・住設用及び理美容機器用の需要は低調となる見通しです。

 このような経営環境下、マブチモーターグループは、次に述べます課題に取り組んでまいります。

 

① 「動き」のソリューション提供による事業ポートフォリオの進化

 マブチモーターはこれまで、小型直流モーター専業メーカーとして、お客様が求める真の価値を実現する高品質なモーターを「標準化戦略」によってリーズナブルな価格でご提供し、自動車電装分野からライフ・インダストリー分野まで、人々の暮らしの利便性、快適性及び安全性の向上に幅広く貢献してまいりました。今後もお客様と社会への貢献を拡大するため、モーターをコアとしつつ事業領域を拡大し、多様な「動き」のソリューションを提供することにより事業ポートフォリオを進化させ、事業の成長を図ります。特に「モビリティ」「マシーナリー」「メディカル」を「3つのM領域」と定義し、注力する事業分野としてその取り組みを加速させてまいります。

 モビリティ:自動車電装分野では、EV化の進展に伴い、限られたバッテリーで航続距離を延ばすための電力消費量の削減が求められており、小型・軽量・高効率というマブチモーターモーターの付加価値を更に高め、開発・生産・販売を推進します。またバッテリーの熱管理を行うためのバッテリー冷却用のバルブ用途の需要が高まっており、ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしているマブチモーターの強みを生かし、ユニット対応を含めてお客様の要望に応じたソリューションを提供してまいります。ライフ・インダストリー分野では、移動体用ブラシレスモーターにおいて、新たなアシスト自転車やシニアカー、農機具用等の様々な用途にて受注を獲得しており、引き続き新たなお客様・用途を開拓し、拡販に取り組んでまいります。

 マシーナリー:今後市場の拡大が見込まれるロボット市場では、人手不足の解消に貢献するような協調ロボット用途での拡販を目指し、中空構造のブラシレスモーター等ラインナップを拡充しており、今後も新規採用に向けた拡販を進めてまいります。また産業設備に関しては、工業製品や食品等の生産過程におけるCO2排出量の削減が急務となっており、エア式や油圧式から、よりエネルギー変換効率の高い電動式へ切り替える動きが広まっており、ビジネス拡大に向けたソリューション提案を進めてまいります。

 メディカル:健康・医療機器用途においては、高付加価値の歯ブラシ用モーターをはじめ、人々の健康に寄与する製品に注力しています。2021年7月にM&Aにより統合した人工呼吸器及び歯科治療機器用モーターなどを手掛けるマブチエレクトロマグの製品ラインナップ及び顧客基盤を足掛かりに医療機器用途の取り組みを強化しております。また、2023年3月には、主に健康・医療機器用の小型ポンプに強みを有するマブチオーケンがM&Aによりグループに加わりました。同社とのシナジー創出を早期に実現し、医療機器用をはじめとする「3つのM領域」における、ユニット対応力とソリューション提案力を強化し、事業拡大に取り組んでまいります。

 

② 自動車電装機器及びライフ・インダストリー機器用モーターの拡販

 パワーウインドウ用モーターにつきましては、搭載車種の拡大に向けた取り組みを一層強化し、販売活動に一層注力することで、更なるシェア拡大を目指してまいります。北米自動車メーカー3社のうち2社において既にマブチモーター製品を採用いただいておりましたが、残る3社目より受注を獲得しました。2025年の販売開始に向け円滑な立ち上げを推進するとともに、更なるシェアアップを実現すべく欧米自動車メーカー向けの新規案件の獲得を目指し拡販を進めてまいります。パワーシート用モーターにおいては、2023年より新たに販売を開始した日系大手のお客様向けビジネスの更なる拡大に取り組むとともに、2024年より新たに販売開始する欧州大手のお客様向け案件の円滑な立ち上げに取り組んでまいります。リクライナー、ハイト及びチルトアジャスターなどの様々な機構に使用可能な新製品を投入することで、既存のお客様におけるシェアアップに取り組んでまいります。パーキングブレーキ及びドアクローザー用等のモーターについては、標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び販売活動に取り組んでまいります。ミラー用をはじめとするマブチモーターが高シェアを有する既存製品分野においては、新たな差別化技術を搭載した製品の投入により更なる拡大に取り組んでまいります。

 ライフ・インダストリー機器用においては、家電製品や健康・医療等の個人の生活に関する用途と、業務や産業に関する用途に向け、高付加価値の製品を提供してまいります。マブチエレクトロマグは、医療機器用モーターに関する高い技術力を有しておりますが、同社の高回転ブラシレスモーターが工具用で受注を獲得するなど、他用途への展開が進んでおります。今後も、開発・生産・販売のあらゆる面でのシナジー創出に取り組み、ライフ・インダストリー機器用途全体の成長へつなげてまいります。

③ マブチグローバル経営によるグローバルリスクマネジメント

 マブチモーターは、各海外拠点の自主・自立性を向上させ地産地消を推進する「世界5極事業体制」に、拠点間の人材の繋がり及び多様な価値観を活用する「ダイバーシティ」を強みとする「マブチグローバル経営」を推進しております。本社・各拠点間の人材交流を促すための基盤となる人事制度の整備及び各種情報共有や拠点をまたぐ会議体の設定等を通じてグループレベルで相互理解と協力を促進し、グループ各拠点の横の繋がりを強化することに加えて、各拠点内における縦の繋がりを強化するための方針展開施策、教育及び階層を超えたコミュニケーション施策等により会社方針や価値観の理解・共有を図っております。各拠点において強固な開発・生産・販売体制を構築することにより、変化の大きい市場環境においても高品質な製品をリーズナブルな価格で安定的に供給できるよう、グローバルレベルでのリスクマネジメントを推進してまいります。

 

④ サステナビリティへの取り組み

 マブチモーターでは、SDGs(持続可能な開発目標)を、人を大切にしながら経済的にも成長できる目標と捉えております。2024年には2030年を最終年度とするサステナビリティ目標を新たに設定し、「地球環境を犠牲にすることのない企業活動」「豊かな社会と人々の快適な生活を実現するものづくり」「すべての人が活躍できる環境の実現」「社会的責任の遂行」をマテリアリティ(重要課題)として、事業活動を通じた地球環境や社会課題の解決に向けた積極的な取り組みを継続しています。気候変動への取り組みとして、2030年までにCO2排出量を2018年比で30%削減する目標を設定し、また、2050年までにカーボンニュートラルに向けた活動を推進しております。目標達成に向け、再生可能エネルギーの更なる活用や環境へ配慮した製品創出の取り組み等の具体的な施策を加速いたします。社会面での取り組みとしては、SDGsに貢献する製品の販売拡大やお取引先様を含むサプライチェーン全体でのCSR活動、人権への取り組み、また次世代を担う子どもたちが科学への関心を深める活動を推進してまいります。今後も、国際社会が直面している課題の解決に事業を通じて貢献することにより、経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」の実現を目指し、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 マブチモーターグループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上重要と思われる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点からこれを記載しております。マブチモーターグループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の損害の低減に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、マブチモーターグループが判断したものであります。

(1)経済状況の変化

 顧客の製品に搭載されるマブチモーター製品の需要は、マブチモーターグループが販売している多様な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、北米、欧州、アジアを含むマブチモーターグループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小等は、マブチモーターグループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を予測した上で、設備投資や人員・在庫等の適正化を図り、市場への対応力を高めています。

 

(2)為替レートの変動

 海外子会社の財務諸表上の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表を作成するために円換算されております。したがって、換算時の為替レートにより円換算後の計上額が影響を受けることになります。特に米ドルに対する円高はマブチモーターグループの連結業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。

 マブチモーターグループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における現地通貨建ての製造と調達のコストを押し上げます。コストの増加はマブチモーターグループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼします。

 マブチモーターグループは、為替リスクを測定した上でヘッジ効果とヘッジコストを勘案し、許容可能な為替リスク量まで為替リスクを軽減するため、社内規程に従い為替予約を利用してヘッジをしています。

 

(3)新製品・新技術の開発

 新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、様々なリスクが含まれます。

 マブチモーターグループが市場ニーズの変化を十分に予想できず、魅力ある新製品をタイムリーに開発できない場合、又はマブチモーター製品が陳腐化するような技術革新等が生じた場合には、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、変化の激しい昨今の事業環境下におけるマブチモーターの競争優位性を更に拡大することを目的として研究開発活動に関する組織体制を構築しております。また迅速な意思決定や市場ニーズの変化へのスピード感のある対応、用途市場別の新機種開発対応力の向上、顧客サポートやCS活動のグローバル化対応等を実現するため、営業部門と一体化し、事業部活動の強化発展を推進しています。

 

(4)価格競争

 マブチモーターグループは、電気・電子機器、機械等製造業界に属する多様な分野の企業を顧客としておりますが、これら業界における価格競争は大変厳しいものになっております。このような環境下で、価格はすべての分野において大きな競争要因になっており、中国競合メーカーの台頭等もあって、競争はさらに激化しております。 直近では、世界的な材料価格及び物流費の高騰が継続しており、不適切な価格設定や、各種コストダウン活動が市況変化に追いつかない場合、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、標準化、省人化をはじめとする知恵と技術を結集し、製品設計・開発段階からのコスト管理、生産技術の改善、部品調達のグローバル化による体系的なコストダウン、適正な価格設定及び付加価値の高い製品の継続的な投入、平均単価及び収益力の維持向上に取り組んでいます。

 

(5)国際的経済取引及び海外進出に潜在するリスク

 マブチモーターグループの事業活動の大部分は欧州、北米、アジア各国等で行われております。これら海外における事業活動においては、政治・経済環境の変動、インフラストラクチャーの未整備、法律や税務その他の諸制度の変動、社会的混乱等のリスクが内在しております。

 例えばマブチモーターグループは、生産活動の多くを中国及びベトナムにおいて行っております。同国における政治又は法環境の変化、経済状況の変化、雇用環境その他の社会環境変化等、予期せぬ事象の発生が生産・販売活動に大きな問題を生じさせ、これが業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、直近ではロシアによるウクライナ侵攻を発端とした地政学上のリスクが高まり、原材料の高騰、エネルギーの供給不安、国際的なサプライチェーンの混乱が生じておりますが、情勢の変化については、引き続き状況を注視してまいります。

 マブチモーターグループは、事業展開する国等の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集・対応するため、世界5極体制の構築も含めた適時適切な対応を検討・実施しています。

 

(6)製品の品質

 マブチモーターグループのすべての製品について大きな品質問題が発生しないという保証はありません。品質問題が発生した場合、その賠償額は、マブチモーターグループ製品を搭載した最終製品の品質に与える影響に左右されます。万一、大規模な製品クレーム又はリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥が発生した場合は、多額のコストの発生や信用の失墜による売上の低下を招き、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループでは、すべての生産拠点で安定した品質を生みだすために、事業拠点ごとに国際規格ISO9001やIATF16949を認証取得し、マネジメントシステムの継続的な改善と向上に努めるとともに、本社が定めた品質システムを遵守し、高品質な製品の供給に努めています。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底をすすめております。

 

(7)知的財産保護

 知的財産の獲得は、マブチモーターグループの成長を大きく左右するものと認識しております。しかしながら特定の地域では、固有の事由によってマブチモーターグループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。その場合、マブチモーターグループの知的財産を第三者が無断使用し、類似製品を製造することによって損害を受けることや、その他の技術やノウハウ等が流出し他社で利用されることにより競争優位性を損なう可能性がある一方、マブチモーターグループが他社の知的財産を侵害したと主張される可能性もあります。

 知的財産権における保護の失敗や侵害、その他の知的財産の流出は、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループでは、製品の拡販・新用途拡大に向け、俯瞰的且つ積極的に知的財産権の獲得・保護を行うことにより、競争優位性の確保を図っております。また、知的財産権の確保だけでなく、権利の流出・侵害といったリスクに対しても、マブチモーターグループ従業員に対し、教育等の意識向上施策を広く実施しております。

 

(8)人材獲得と育成

 マブチモーターグループは、激しい企業競争を勝ち抜くため、関連分野における能力の高い従業員、殊に高度な科学・技術に通じたエンジニアや、ビジネス戦略、組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成が不可欠であり、世代の交代を超えて常に充実・向上させることが必要であると認識しております。一方で、これら人材の積極的採用と継続的な育成には、コストを必要とします。

 優秀な人材の獲得や人材育成が長期的視点において計画どおりに進まなかった場合、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループでは、計画的な新卒採用に加え、ニーズに基づいた通年採用を実施しております。また、能力開発を支援する教育制度の拡充、多様な社員の能力が十分に発揮できるよう適性を重視した配置、各部門において早期にスペシャリストを育成するための体系やワークライフバランス支援制度の整備により、社員のモチベーションを高め、社員の定着・育成に努めております。

 

(9)原材料等の調達

 マブチモーターグループが外部から調達している原材料等の種類によっては、限られた供給元に依存するものがあり、こうした供給元における事故その他の事由による原材料等の供給中断、需要の急増による供給不足等が発生する可能性があります。これらが長期にわたり代替品の入手が困難な場合、マブチモーターグループの生産活動に大きな影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質の確保に支障をきたす可能性があります。また、市況品価格の高騰などにより製造コストの上昇を招くことも考えられます。

 このような事態が生じた場合、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループでは、このようなリスクを回避するため各種の原材料や部品等を複数の事業者から調達し、安定的な供給の維持を図るとともに、CSR調達にも配慮しております。また、一部の素材につきましては適切な先物予約等による価格の安定化を図り、製造コストへの影響を抑制する対策を推進しております。

 

(10)自然災害や事故、感染症の流行

 マブチモーターグループは国際分業体制を確立し、世界各国で事業活動を行っており、本社及び各拠点において工場や事務所等の施設・設備を保有しておりますが、災害、事故の発生や感染症の流行等による事業活動中断等の不測の事態が生じた場合は、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、事業継続基本計画(BCP)を策定しており、本社及び拠点における災害や事故の発生等のリスクの顕在化防止又は保険の付保を含む損害低減策を講じております。新型ウイルス等の感染症への対応では、マブチモーターグループが事業を展開している国・地域において、現地の政府及び自治体等の指導に沿った対応を行っており、マブチモーターグループの従業員及びその家族の健康に配慮し、在宅勤務や時差出勤の推奨、テレビ会議の活用、社内での三密の防止等に取り組むとともに、事業への影響を最小限に抑えるよう日々努めています。

 

(11)環境対応について

 マブチモーターグループは、環境関連諸法令を遵守するとともに有害物資の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し環境被害の発生防止に努めておりますが、サステナビリティに対する意識の高まりなどにより環境に対する規制が厳しくなり、さらなる環境対応が必要になった場合にはマブチモーターグループの事業、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、本社及び海外生産拠点において、環境管理責任者及び各部門長で構成される環境管理委員会を定期的に開催し、環境情報の共有化及び環境保全活動を効率的に行っています。これに加え、本社及び海外生産拠点の環境管理責任者で構成される環境管理責任者会議を開催し、環境問題に関する情報共有の促進及び環境管理についてマブチモーターグループ全体で対策を推進しております。また、サステナビリティ中期目標においても、環境負荷の軽減を重要課題として認識し、具体的な目標を設定しております。

 

(12)世界的な気候変動について

 マブチモーターグループは、気候変動対策に関して、継続的な省エネルギー施策及び太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの導入に取り組み、CO2排出量の抑制に努めておりますが、世界的な気候変動に伴う異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ等)による被害や、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、「2030年までにCO2排出量を2018年比30%削減」との中期目標に加え、2050年カーボンニュートラルに向けた活動を推進しております。国際社会にとって喫緊の課題である気候変動問題に対応するため、マブチモーターグループは、太陽光発電システムの設置、排熱を回収して再利用するシステムの採用、インターナル・カーボン・プライシングの導入、及び生産設備の省電力化等のCO2排出量削減に取り組んでおります。また、気候変動をリスクとしてだけではなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を解決していくことを目指します。

 気候変動に関する情報開示については、2021年3月に賛同を表明したTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に基づき、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報の開示に取り組んでまいります。

 

(13)情報セキュリティによるリスク

 マブチモーターグループは、事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を入手することがあり、同情報が外部への流失及び目的外の流用等が起こらないよう運用しておりますが、人的及び技術的な過失や違法又は不正なアクセス等により漏洩した場合は 、多額のコストの発生や信用の失墜による売上の低下を招き、マブチモーターグループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 マブチモーターグループは、私どもが保有する情報資産の管理及び情報セキュリティ管理を適切に行い、情報の漏洩、改ざん、滅失、盗難等を防止することが企業の社会的責務の一つであると認識し、役員を含めた全ての従業者が情報セキュリティの必要性及び責任について理解を深めるとともに、情報セキュリティポリシーを定め、情報セキュリティの確保に万全を期しております。具体的には、マブチモーターグループはリスクマネジメント委員会の活動を通じて、情報セキュリティに関する継続的な取り組み、評価、改善が可能な体制・仕組みを構築しております。また、情報資産を適切に分類、整理し、その重要性に応じた情報セキュリティ対策を取るとともに、情報の取り扱いについて細心の注意を払い、厳重に管理し、マブチモーターグループの役員、社員、その他の従業者が情報セキュリティの重要性を理解し行動できるよう、必要な教育・訓練を継続的に実施しております。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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