QDレーザ(6613)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業などのリスク


QDレーザ(6613)の株価チャート QDレーザ(6613)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】QDレーザグループ(QDレーザ及びQDレーザの関係会社)は、QDレーザ、非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(ドイツ)、QD Laser America,Inc.(米国)で構成されております。QDレーザは半導体レーザ(※)技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っており、レーザデバイス事業とレーザ・オプティカルソリューション事業を展開しております。非連結子会社QD Laser Deutschland GmbHはレーザ・オプティカルソリューション事業が取り組む視覚情報デバイス機器に関する欧州での治験結果の維持管理を目的としております。非連結子会社QD Laser America,Inc.は同じくレーザ・オプティカルソリューション事業が取り組む米国での網膜投影製品の販売対応を目的としております。なお、2026年4月より、従来「視覚情報デバイス事業」としていた報告セグメントの名称を「レーザ・オプティカルソリューション事業」に変更しております。この変更は報告セグメントの名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。なお、前事業年度及び当事業年度の報告セグメント情報についても、変更後の名称で開示しております。 QDレーザのコア技術として、下記6点があります。● 半導体結晶成長・・・MBE法(Molecular Beam Epitaxy法、分子線エピタキシー法)を用いて半導体結晶を半導体基板上に一原子層ずつ成長させる技術です。QDレーザレーザ製品はこの半導体結晶から製造されます。● レーザ設計・・・用途毎に所望の機能を満たす最適な半導体レーザを設計する技術です。例えば精密加工用半導体レーザでは15psの超高速パルスを実現しています。● 小型モジュール・・・半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に実装しますが、そのパッケージのことをモジュールと言います。QDレーザは波長532nmや561nmレーザを実装した世界最小クラスのモジュールを製品化しました。● VISIRIUM Technology・・・超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接映像を投影する技術です。● 回折格子・・・半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメートル程度の凹凸を作り込んでおり、これを回折格子と呼んでおります。これによって、レーザ波長の精密制御が可能になり、黄緑(561nm)、橙色(590nm)等の半導体レーザを商用化しました。● 量子ドットレーザ・・・量子ドットレーザとは、直径約10nm(ウイルスの1/10程度のサイズ)の半導体量子ドットを活性層に用いて、光を増幅、発振する半導体レーザです。この量子ドットレーザは、1)摂氏マイナス40度から120度近辺まで電流無調整で動作する、2)200度以上の超高温でも動作する、3)高信頼で長寿命である、4)シリコンフォトニクスチップに低雑音でレーザ光を導入できる、という優れた特長を持っています。※ レーザ(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字を取ったもので、共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光であり、指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができる等の物理的な特長があります。 (レーザデバイス事業)QDレーザのレーザデバイス事業は、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工及びモジュール実装を、社外協力会社に製造委託する水平分業体制によるファブレス製造を実現し、ハイエンド技術を基にした事業となっております。QDレーザは半導体レーザの特性を決める活性層成長を担っており、特に量子ドットの結晶成長については他社にはないノウハウを有しております。また、研究機関からの基礎技術の研究開発や、メーカの新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託業務も行っています。 QDレーザの技術が使われている製品は以下のとおりとなっております。名称用途等 1240-1310nm量子ドットレーザ 半導体レーザの活性層(発光部)に量子ドット構造を採用しており、温度安定性に優れ、高温にて動作可能です。この温度安定性により、従来の量子井戸レーザ(※)に比べてレーザの評価や調整を極めて容易に行うことができます。波長1300nm帯でレーザ発振するため、データ通信用の光源として利用されています。※量子井戸レーザとは、一般に使用される光通信用レーザです。 1300nm高温度動作量子ドットレーザ 150℃以上での動作に耐性のある波長1300nm量子ドットFPレーザです。このレーザは砂漠や工場、地中資源探査といった過酷な温度環境下でのデータ伝送やセンシング等様々な応用に適しております。 シリコンフォトニクス用量子ドットレーザ 量子ドットレーザは、1)温度が100℃以上の高温のCPUの近くでも安定して動作する、2)反射戻り光に強いためアイソレータが不要となり低コスト化できる、3)高温度で動作させても長寿命である、という3つの特長があり、シリコンフォトニクス用光源として光コネクタ、チップ間インターコネクトやLiDARなどへの適用・検討が進められております。シリコンフォトニクスチップの設計に合わせて、単一チャネル型だけではなく複数の発光点を持つマルチチャネル型も作製することができます。 1020-1180nm材料加工・センサ用DFBレーザ 波長1020-1180nmの単一モードDFBレーザで、連続動作から短パルス動作まで極めて安定に動作します。単一モード安定性は、精密加工用、LiDAR用、ウエハ表面検査用ファイバレーザの種光、ガスセンシング等様々な応用に適しております。 640-905nm高出力FPレーザ(モニタPD付き) 波長640,660,685,785,830,850及び905nmの高出力ファブリペローレーザで、マシンビジョン、パーティクルカウンター、モーションセンシング、セキュリティ、半導体ウエハ自動搬送機及びレベラー等の様々な産業用途に最適です。 532,561,594nm小型可視レーザモジュール 半導体DFBレーザと非線形光学素子PPLN(周期的分極反転ニオブ酸リチウム)を組み合わせた波長変換技術により、低消費電力を実現しております。DPSS(半導体励起固体)レーザと異なり、100MHzまでのパルス変調動作やピコ秒での動作が可能です。顕微鏡、フローサイトメータ、セルソータ、分光及びセンシング等のアプリケーションに使用されています。 高品質エピタキシャルウエハ 様々な光デバイス・電子デバイス用途に、カスタマイズした分子線エピタキシー(MBE)装置を用いたGaAs基板上の高品質エピタキシャルウエハです。量子ドットウエハには、データコム用温度安定レーザや、220℃までの高温度環境で動作するレーザで、世界最高水準の量子ドット技術が適用されております。 Lantana 波長532,561,594 nmの小型可視レーザとドライバを内蔵したオールインワン型のユニットです。超小型ながらプラグアンドプレイが可能で、シリアル通信制御の単一波長光源のため、バイオメディカル用装置の小型化や設計自由度の向上に貢献いたします。 上記製品を搭載している主な製品機器の一例として、次のようなものがあります。1.光通信・シリコンフォトニクス(※1)名称用途等製品特性・概要 シリコンフォトニクス シリコン基板上に光機能素子を集積し、低コストで高性能な光回路を実現する技術です。現在は量子井戸レーザが使用されていますが、量子ドットレーザを用いたデータ通信、ボード間・LSIチップ間通信やLiDAR等の開発が進められています。 量子ドットレーザを使用することにより、温度が100℃以上の高温のCPUの近くでも安定して動作する、反射戻り光に強いためアイソレータが不要となり低コスト化できる、高温度で動作させても長寿命である、という3つの特長があります。 2.バイオ系検査装置名称用途等製品特性・概要 フローサイトメータ(※2)(細菌検査装置) 細胞の測定装置で、細胞の浮遊液や懸濁液を細管に通し、細胞数の計測、蛍光や散乱光の測定等を、短時間で多量に行います。分子生物学、病理学、免疫学、植物生物学、海洋生物学等各種分野にて応用されております。 世界初の緑・黄緑・橙半導体レーザです。1μm帯DFBレーザ技術と波長変換技術を組合せた小型モジュールになります。黄緑・橙色は直接半導体では発光できない波長帯で、独自の技術をもって実現しております。小型・低消費電力特性を活かし、フローサイトメータ(細胞検査装置)やバイオメディカル用顕微鏡光源として採用されております。 蛍光顕微鏡 蛍光タンパク質や蛍光抗体を標識に用いて、細胞やタンパク質を生きたままで観察できる顕微鏡で、生物学・医学における研究、臨床検査、浸透探傷検査等に使用されております。 3.精密加工名称用途等製品特性・概要 ファイバレーザ(※3) 固体レーザ(※4)の一種ですが従来の固体レーザに比べ、繰り返し周波数の自由な設定が可能、ビーム品質が高い、小型軽量で電気-光変換効率が高い、長寿命といった特長があり、金属やセラミック、ガラス等のマーキング、微細加工、溶接、切断等に使用されます。 1064nm帯短パルスレーザを使用することにより、結晶成長技術、グレーティング設計技術、半導体レーザ設計技術により1064nmDFBレーザのナノ秒、ピコ秒の短パルス動作を実現しております。ナノ秒・ピコ秒の短パルス特性を活かし、ファイバレーザの種光として、多くのファイバレーザメーカに採用されております。 4.各種センサ名称用途等製品特性・概要 パーティクルカウンター(※5) マシンビジョン(※6) 空気中や液体中にある塵・ホコリ・異物・ダスト等をカウントする計測器で、工業用クリーンルームと医薬品・食品及びバイオテクノロジー分野向けとして、主に空気中の浮遊微粒子や微生物を制御・管理したクリーンルームやクリーンベンチの管理目的で使用されます。 640,660,685,785,830,850及び905nmでレーザ発振する半導体レーザで各種センサ、マシンビジョン、パーティクルカウンター、水準器、血液検査計、距離計、半導体ウエハ自動搬送機等の産業用途にレーザを提供しております。 光電センサ 物体の有無や表面状態の変化等を検出するセンサで、工場等での外観検査、自動搬送器、駅のホームドア等幅広い用途に使用されます。 半導体ウエハ自動搬送機 半導体工場内のウエハ自動搬送機に搭載されたレーザを照射し、他機との距離を検出することで衝突を回避します。 名称用途等製品特性・概要 距離計 スマートフォンのイヤホンジャックに挿して電源を入れ、計測ガイド(測定点を表示するガイド)用のレーザを照射させ、部屋の壁面等2点間の距離を測定します。 同上 (レーザ・オプティカルソリューション事業)レーザ・オプティカルソリューション事業は、網膜投影技術を使ったXRグラス用の光学ディスプレイユニットの開発、半導体レーザ・光学技術を応用した産業機器用の光学モジュール・光学ユニットのファブレス製造・販売、および網膜投影製品の企画・開発とファブレス製造を行っています。ファブレス製造とは、製品の企画、設計を自社内で行い、部品及び最終製品の製造及び組立てを協力会社に委託する形態です。QDレーザは、部品及び最終製品の製造・調整に必要な製品仕様、部品リスト、部品仕様書、回路図、実装図、プリント配線板製造データ、組み立て指示書、検査指示書、ソフトウエアを協力会社に供給し、製造および検査を委託しております。また販売に関しましては、法人顧客から試作品や製品の開発を受託するもの、法人顧客へ直販及び代理店経由で販売するもの、一般顧客向けに販売パートナー(代理店、通販業者)を通じて販売するものが有り、各々の製品・サービスの取組みに応じた販売活動を行っております。網膜投影技術とは、超小型レーザプロジェクタからVISIRIUM Technologyにより網膜に直接画像を投影し、装着者の視力やピント位置に影響を受けることなく(フリーフォーカス)、カメラの撮像画像や外部入力されたデジタル情報を提示できる技術で、以前に製品化していた網膜走査型レーザアイウェアの基幹技術です。XRグラス用の光学ディスプレイユニットの技術開発を中心に網膜投影技術の開発を継続して進めており、フリーフォーカスに加えて網膜への投影範囲を大きく拡大し、周辺部にまで明るく鮮明な映像を届けられる技術です。 網膜投影技術の仕組みは以下のとおりとなります。 当事業における取扱い製品とサービスは以下の通りとなります。 ① 網膜投影技術を使った製品は、メガネ型民生用機器、医療用機器、非メガネ型民生用機器を販売しておりましたが、現在は以下の通りの取扱いとしております。医療用機器については2024年度に販売を終了しました。メガネ型民生用機器は、「RETISSA Display」を2018年7月に販売を開始、「RETISSA DisplayⅡ」を2019年12月に販売を開始、RETISSA DisplayⅡ向けの専用のアクセサリカメラ「RD2CAM」を2021年8月から販売開始しましたが、全機種の販売を終了致しました。② 非メガネ型民生用機器として「RETISSA ONHAND」を2023年3月に販売を開始し、「RETISSA MEOCHECK NEO」を2025年10月に代理店を通じて販売を開始いたしました。現在も、両製品は代理店を通じて販売しております。③ 新たな非メガネ型民生用機器として「RETISSA VIEWCLEAR」のテストマーケティングを2026年5月より開始いたしました。本製品は、網膜投影技術を用いたスマートフォン装着型の手持ちディスプレイです。従来の「RETISSA ON HAND」と比較してさらなる小型・軽量化を実現し、映像もより鮮明に視認できるようになりました。④ XRグラス向けの網膜投影技術を用いた光学ディスプレイユニットの開発を進めております。同グラスの基幹部材を開発する顧客企業との共同開発契約に基づき、試作品の開発を行っております。顧客企業は、市場が急成長しているAIグラスをはじめとするXRグラスのメーカーへの、当該技術を活用した光学ディスプレイユニットの提供を目指しております。両社の連携により、当該技術のさらなる普及と活用の促進を図ってまいります。⑤ 半導体レーザ技術や網膜投影技術をコアに、産業機器用光学モジュール・光学ユニットの開発・製造・販売を開始しました。具体的には、半導体レーザとMEMSを組み合わせた光学ユニットや、光の3原色(赤、青、緑)をはじめとする各種波長のレーザを組込んだ多波長モジュールを提供しており、標準製品の提案だけでなく、顧客の要望に応じたカスタム品にも対応しております。現在、これら半導体レーザ搭載製品の需要が高まっており、受注活動も活発に推進中です。今後は、網膜投影技術やその派生技術への顧客ニーズを的確に捉え、さらなる製品開発と提供に取り組んでまいります。 (網膜投影技術を使った非メガネ型民生用機器)名称用途等 「RETISSA ON HAND」 民生機器「RETISSA ON HAND」は、2023年3月に販売を開始し、現在は代理店を通じて展開しております。2024年3月には米国市場への進出を果たしました。本製品は、レーザ網膜走査技術を応用・発展させ、手持ち型ディスプレイで文化・芸術施設やスポーツ施設への導入、利用が進んでおります。 「RETISSA MEOCHECK NEO」民生機器「RETISSA MEOCHECK NEO」はレーザ網膜投影技術を応用した、眼のセルフチェックができる小型装置です。 「RETTISA VIEWCLEAR」 (製品にスマートフォンは含まれません)民生機器「RETISSA VIEWCLEAR」は網膜投影技術を用いた手持ち型ディスプレイで、スマートフォンに装着可能な小型・軽量の製品です。RETISSA ON HANDと比較して、小型で映像もより鮮明に視認できます。2026年5月よりテストマーケティングを開始いたしました。 (半導体レーザ技術・網膜投影技術を使った産業向け光学モジュール・光学ユニット)光学ユニットレーザ+MEMS多波長モジュール QDレーザの網膜投影機器はレーザとMEMSを組み合わせたモジュールや光の3原色(赤、青、緑)を束ねたモジュールを使用しております。その技術を産業用途に活用すべくレーザ+MEMSモジュールや多波長モジュールの販売を2025年度より開始いたしました。 (事業構造について)QDレーザの事業構造につきましては、下記のとおりとなっております。(レーザデバイス事業)独自技術を駆使した半導体ウエハを作成し、協力会社に当該ウエハを組み込んだ半導体レーザチップの作製及びモジュールの実装を委託し、QDレーザで品質基準への適合性を検査した後、お客様に製品をお届けしております。 (レーザ・オプティカルソリューション事業)網膜投影技術を使った民生用機器や光学モジュール・光学ユニットの開発を行い、ファブレス形態にて製造・販売しております。一般顧客向けには販売パートナーを通じて提供し、法人顧客向けには直接または代理店経由にて受注を行っております。製造面においては、QDレーザが策定した仕様書に基づき、協力会社へパーツ製造や最終製品の組立を委託しております。QDレーザにおける最終検査を経て、販売パートナーまたは直接お客様へ製品をお届けする体制を構築しております。なお、法人顧客から技術開発を受託する場合も同じ事業構造です。 QDレーザの「レーザデバイス事業」及び「レーザ・オプティカルソリューション事業」の事業系統図は以下のとおりとなります。 本項「3.事業の内容」にて使用しております用語の定義について以下に記します。 No用語用語定義1 シリコンフォトニクス シリコンフォトニクスとは、 LSI(大規模集積回路)やIC(集積回路)に使用されるシリコン基板上に、光集積回路を作製し、様々な光機能をシリコン上に作製する技術です。2 フローサイトメータ フローサイトメトリーと呼ばれる分析手法に用いられる分析装置です。主に細胞を個々に観察する際に用いられます。フローサイトメトリーとは、細胞を含む流体にレーザ光を当てて、その散乱光や蛍光検出により細胞を特定する手法です。3 ファイバレーザ ファイバレーザとは、希土類を添付した光ファイバを増幅媒体とするレーザの一種です。光ファイバ、種光、励起光で構成されております。ビーム品質が高い、小型化可能、長寿命と従来の固体レーザに比べてメリットが多いです。4固体レーザ固体レーザとはYAG結晶等の絶縁性固体材料を増幅媒質とするレーザです。5 パーティクルカウンター パーティクルカウンター(Particle Counter)とは、空気中や液体中にある塵・ホコリ・異物・ダスト等をカウントする計測器のことで、日本では微粒子計と呼ばれることもあります。 パーティクルカウンターは、一般にICR(Industrial Clean Room)と呼ばれる工業用クリーンルームと、BCR(Biological Clean Room)と呼ばれる医薬品・食品及びバイオテクノロジー分野向けとして、主に空気中の浮遊微粒子や微生物を、制御・管理したクリーンルームやクリーンベンチの管理目的で使用されております。6 マシンビジョン マシンビジョン(Machine Vision, MV)とは、産業(特に製造業)でのコンピュータビジョンの応用を意味し、自動検査、プロセス制御、ロボットのガイド等に使われます。コンピュータビジョン(人間の視覚システムをコンピュータが代替する技術)とは、ロボットの目の役割(様々な自動機械が画像認識をする)を果たすものです。7 回折格子形成 半導体レーザにおいて単一波長で発振するレーザを、DFB(Distributed Feedback)レーザと呼んでおります。波長を選択するためにレーザ内部に周期的な凹凸を形成しますが、それを回折格子形成と呼びます。8 クラッド再成長 半導体レーザ用結晶の成長においては、まず半導体レーザの発光層となる量子ドットや量子井戸を形成します。その後、波長を選択する回折格子を形成します。その上部に光を閉じ込める層であるクラッド層を形成します。この層を形成する工程をクラッド再成長と呼びます。9 電極プロセス 半導体レーザ作製には、クラッド再成長後に光を導波させるためのメサ構造や、電流を注入するための電極形成が必要になります。それらの工程を総称して電極プロセスと呼びます。10 端面コート 半導体レーザをレーザ発振させるために、チップ前後に光を反射させる膜を形成する必要があります。この膜形成の工程を端面コートと呼びます。11 チップ選別検査工程 協力会社にて作製した半導体レーザチップを、QDレーザにおいて光出力や波長を検査する工程をチップ選別検査工程と呼びます。12 光学調整 網膜投影製品では、光の三原色であるRGBの半導体レーザの光が精密に設計された光学系によって導かれ、画像を投影します。光学系に関わるパーツでは、投影の品質や安全性が担保できるよう、あらかじめ定められた基準に従った調整を行います。13 光学・外観検査 完成した製品は、消費生活用製品安全法やあらかじめ定められた基準に適合していることを確認するために検査されます。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】  文中の将来に関する事項は、提出日現在において、QDレーザが判断したものであります。(1)経営方針AIの進化による大量なデータの高速処理ニーズの加速や製造業等での高精度な自動化技術の進歩などにより、産業の基幹電子部材であり先端テクノロジーである半導体レーザ技術の有用性はますます高まってきております。QDレーザは「人の可能性を照らせ。」という経営理念のもと、重点施策として下記の5点を掲げております。● 業界をリードする新製品の開発と安定量産化● 納期遵守による顧客満足度の向上● 顧客要求を充足する信頼性の確立● 製品検査レベルでの品質向上● 従業員の継続的スキル向上QDレーザの属する「半導体レーザ」および「半導体レーザ応用製品」の業界は、着実にアプリケーションが拡大しており、世界的に半導体レーザの新製品、高性能製品やその応用製品に対する市場ニーズが高まっています。QDレーザはバイオメディカル、精密加工、半導体製造などの領域でグローバルに顧客の強い支持を得ており、顧客への製品提供と新製品開発を進め、着実に市場に浸透しています。今後もこれらの半導体レーザおよび半導体レーザ応用製品に加えて、量子ドットなどのQDレーザ独自の製品の性能向上と新製品開発を進め、新しい市場へ参入いたします。これらの成長する市場の中でシェアを獲得するために以下のような経営戦略を立案し、推進しております。 Ⅰ.経営計画① 中期経営計画2024年11月に中期経営計画を策定し、2027年3月期の全社黒字化達成に向けて「ベースライン計画」と「成長可能性の追求」を行う事業プランを公表しました。この計画に基づき、レーザデバイス事業では、DFBレーザ、小型可視レーザ、高出力レーザをベースライン計画として売上高を毎年20~25%成長させると共に粗利率を45%に上げる計画とし、また量子ドットを成長可能性の追求としてコンピュータ光回路、次世代自動車、高度医療、人工衛星等での用途に向けた研究開発用の需要の獲得を想定しています。またレーザ・オプティカルソリューション事業では「RETISSA ON HAND」の販売、他社開発視覚支援製品に対するコア部品供給又は技術ライセンス、他社開発ディスプレイ型視覚支援新製品販売をベースライン計画とし、またスマートグラス(XRグラス)、ビジョンヘルスケア(医療応用)を成長可能性の追求として他社との提携等によって将来の成長可能性を確保しつつ足元の負担を軽減し、これらによってレーザ・オプティカルソリューション事業を2027年3月期に黒字化する計画としています。中期経営計画の1期目となる2025年3月期は、レーザデバイス事業部、レーザ・オプティカルソリューション事業部の売上高およびセグメント利益は、中期経営計画に掲げた目標を達成しました。中期経営計画の2期目となる2026年3月期は、売上高は中期経営計画比104%、業績予想比99%となり利益は中期経営計画及び業績予想を大幅に上回りました。② 2027年3月期の業績予想2027年3月期は、レーザデバイス事業部は売上高およびセグメント利益の拡大を行い、また視覚情報デバイス事業部は組織名称をレーザ・オプティカルソリューション事業と変更して事業構造の転換を行い、XRグラス向け光学ディスプレイユニットの開発、産業用途向け光学モジュール・光学ユニットの開発販売、民生機器の網膜投影機器の販売等に再編し、売上高拡大とセグメント利益の収益化を進め、中期経営計画の目標である2027年3月期の全社黒字化に向けて取組む予定です。業績予想に就きましては開示資料にて公表しております。 Ⅱ.経営全般① ファブレス製造自社内においては半導体レーザの最も要となるデバイス設計、結晶成長と完成品の評価のみを行い、それ以外の工程は協力会社の生産ラインにて行っております。このため、生産設備保有による固定費や資金流出が抑えられるとともに、需要の変動に柔軟に対応した生産を行うことが可能となり、低コストで顧客満足度の高い生産体制を実現しております。 ② 幅広い波長領域のレーザの開発、量産化532nmから1064nm、1310nmまでの幅広い波長領域をカバーする製品をラインナップしております。これにより、通信機器、精密加工装置、生命科学機器、計測センサ機器、ディスプレイ機器等の多様なアプリケーションに対応する製品を開発、量産することが可能となっております。 ③ 量子ドットレーザ量産技術のシリコンフォトニクス展開光通信とインターコネクトに用いられる波長1300nmにおいて、量子ドットレーザの量産技術を有しております。この量子ドットは既存光通信デバイスと比較して高温度動作が可能で極低ノイズ特性を有することからシリコンフォトニクス光源として適しており、シリコンフォトニクスによる高速光デバイスの低コスト化・低消費電力化が期待されます。現時点で、世界のシリコンフォトニクスベンダー各社とシリコン融合量子ドットレーザの共同開発を進めており、光コネクタ、チップ間インターコネクトへの適用が検討されております。また、シリコンフォトニクスと量子ドットデバイスを組み合わせてロボティクス、セキュリティ、自動運転用のLiDAR用光源の共同開発も行っております。 ④ モジュールビジネスの展開バイオメディカル用途を中心に小型可視レーザ単体を販売する際、レーザと組み合わせるドライバは顧客が準備する必要がありました。一方で市場ではセットアップ時間や製品開発期間を短縮したい研究者および検査装置メーカなどにPlug&Playで直ぐに使える製品のニーズが有ることを捉え、ドライバを内蔵した新製品Lantanaを開発し、出荷を開始しました。今後も幅広い市場ニーズを捉えるべくLantanaの波長ラインナップを追加するとともに、モジュール製品の開発を強化する予定です。 ⑤ 独自技術のB2B型事業による顧客への価値提供レーザ・オプティカルソリューション事業では半導体レーザ・光学技術を応用した製品や技術を企業の顧客に提供するB2B型事業の展開を開始いたしました。具体的には、QDレーザ独自の網膜投影技術を活かした受託開発(試作品開発)をはじめ、同技術を応用した光学モジュール・光学ユニットを法人向けに提供しております。従来は網膜投影技術を活用した最終製品の製造・販売が中心でしたが、現在は、QDレーザの強みである半導体レーザの顧客基盤を活かし、技術やユニット化された製品を提供するビジネスモデルへと発展させております。これにより、顧客ニーズを的確に製品化し、新たな価値を創造してまいります。 ⑥ 事業協力契約による事業拡大XRグラス分野は、2025年に米国を中心に大きく市場が本格化しており、今後もさらなる高成長が期待される一方、収益化までに数年以上の時間を要することや、グローバル市場への参入に伴う先行投資負担の増大が予想されます。また、これらをB2C向け最終製品として商品化するには、大規模な資金や人的資源、更には量産化・生産管理における高度なスキル・ノウハウが必要となります。QDレーザは、これまで開発を推進してきた網膜投影技術を用いたXRグラス向け次世代RGB光源モジュールおよび光学エンジンの共同開発、ならびに同技術に関する特許権の一部を、製品化に強みを持つTDK株式会社へ移転いたします。今後は同社と強固なパートナーシップのもとで開発を推進し、拡大するXRグラス市場でのさらなる成長機会の獲得を目指してまいります。 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等企業価値を継続的に向上させるためには利益の確保が重要であることから、QDレーザは売上高総利益率を最も重要な経営指標として採用しておりました。今後も売上高総利益率を高めていく方針ではありますが、フリー・キャッシュ・フローの増加に重点を置き、今後はEBITDAを指標といたします。事業別の指標としては、レーザデバイス事業は、これまでは認定顧客数の増加率で管理しておりましたが、各アプリケーションにおいて主要顧客に認定されていることから、今後は顧客内での認定製品の数を増やすことに重点をおき、認定製品数毎年9製品増加を指標といたします。レーザ・オプティカルソリューション事業は、レーザ+MEMSを組み合わせた製品や多波長モジュールなどの光学モジュール・光学ユニット、及び網膜投影機器の認定製品数を指標といたします。なお具体的な数値目標につきまして、今後のマーケティング活動の進捗に応じて設定してまいります。 (3)対処すべき課題今後の世界経済につきましては、中東情勢による石油由来製品のグローバルでの供給不安や価格高騰、中国が行うレアアース規制の影響などの各地の地政学リスクへの警戒感とともに、先行き不透明な状況が継続するものと予想されますが、QDレーザにおきましては、「人の可能性を照らせ。」を念頭に、以下の課題に対する諸施策を講じることで、事業の強化を図ってまいります。 ① 全社黒字化の達成(2027年3月期)収益赤字が継続している中、2024年11月に中期経営計画を策定し、2027年3月期において黒字化を達成し、黒字化と成長可能性のバランスを図る事業計画を公表しました。この中期経営計画の2年目にあたる2026年3月期についても初年度にあたる2025年3月期に引き続き、売上高、利益とも計画を達成しております。中期経営計画の最終年度にあたる2027年3月期の全社黒字化に向けて取り組みを進めてまいります。なお2027年3月期の業績予想については2026年6月1日に公表済みとなっております。 ② レーザデバイス事業の成長加工、センサ、バイオメディカル用光源領域では、既存製品の拡販と低コスト化、高付加価値製品の開発、新規アプリケーションへの参入を進め、中長期的に年率10%以上の安定的な事業成長を図ります。QDレーザのコア技術である量子ドットは中長期的な成長ドライバとして、光通信、LiDAR、民生品応用に向けた研究開発を進めてまいります。 ③ スマートグラス実現に向けた取り組みの継続・拡大レーザ・オプティカルソリューション事業の飛躍的成長を実現するためには、多くの方が日常的に使うスマートグラスへの技術採用が欠かせない要素です。共同事業のパートナー企業とともに、アイトラッキング機能の開発、低消費電力化、小型化、高精細化といった要素技術の成熟に向けて取り組むとともに、これまで蓄積した知財・ノウハウの収益化を目指してまいります。 ④ 光学モジュール・ユニット領域での取り組みレーザ・オプティカルソリューション事業のうち光学モジュール・ユニット領域においては、これまでの網膜投影技術、半導体レーザや光学設計技術、生産ノウハウを活かして、顧客の具体的ニーズに応じた製品や機能を提供することにより、新たなサプライチェーンの安定基盤構築を目指してまいります。 ⑤ ビジョンサポート領域での取り組みレーザ・オプティカルソリューション事業のうちビジョンサポート領域においては、新規スマートフォン装着型網膜投影機器の上市を目指し、テストマーケティングを開始いたしました。認知の浸透には相応の時間がかかると考えられますが、レーザ・オプティカルソリューション事業の祖業ともいえるビジョンサポート領域での市場開拓、事業開発を進めてまいります。 ⑥ マーケティングと営業体制、新製品開発力の強化市場・業界・顧客分析、及び分析に基づく戦略的営業活動を継続的に充実させるとともに、従来の定期的な顧客訪問、展示会の有効活用、国内外代理店との密な連携、企業パイプラインの強化と複線化、ウェブサイトの充実、Eコマースサイト活用を継続して、売上増大と利益確保を図ります。また、製品開発、研究開発基盤とマーケティングを連動させ、新製品開発力を強化します。 ⑦ 水平分業提携先との協業体制の維持と発展チップ作製、モジュールアッセンブリ、網膜投影機器生産提携先と、将来ビジョン、年間計画、各案件のスケジュール連携、結果のフィードバック、定期的な訪問、打合せ等を行い、より一層の関係強化を図ります。 ⑧ 高品質・安定した製品の供給高品質、高性能な製品を市場に供給し顧客満足度を継続して向上できるようISOに準拠した製品開発を行っていきます。また、顧客の性能、品質、価格、納期へのご要求に常に耳を傾け、開発・生産・営業が一体となりスピーディーに対応できる体制の継続的改善を行っていきます。 ⑨ MBE装置(分子線エピタキシー法による結晶成長装置)の維持管理QDレーザの技術を支えるMBE装置は事業部の移転に合わせて2026年4月に横浜市戸塚区の新拠点に移設を行い、生産再開に向けた立ち上げをスケジュール通りに進めているところです。また、2027年度には現在の4倍の生産能力を実現できるよう、新規MBE装置を導入する予定となっています。本装置は繊細な管理を必要とするため、日々の修繕において、安定的な運用を行うとともに、新規MBE装置設置後の早期稼働を実現できる体制の構築を図ってまいります。 ⑩ 適切なコーポレートガバナンスとIR体制強化開示書類の早期作成、業務プロセスの改善、内部管理体制の強化を継続的に推進するとともに、株主とのコミュニケーションを強化し、株主満足度の高いIR体制を構築してまいります。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】QDレーザを取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。なお、以下の各事項は、本書提出日現在において、QDレーザが把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。 (1)市場・外部環境に関するリスク① 市場環境についてQDレーザが参入しているレーザ関連市場は、既存技術の代替や新分野への活用等にて今後の成長、拡大が大きく見込める市場でありますが、今後の更なる技術革新、最先端技術の変化により、レーザに代わる廉価且つ大量生産可能な代替品が市場投入された場合、レーザ関連市場が縮小する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 景気動向についてQDレーザが参入しているレーザ関連市場は、精密加工装置やバイオ系検査装置等の産業用、医療用機器向けを中心に成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の減退等の理由により、市場の成長が鈍化する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 為替変動についてQDレーザは、国内だけでなく、海外とも仕入及び販売取引を行っております。為替の変動については、リスクヘッジ策を行っておりますが、今後、想定外の為替変動が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 国際情勢についてQDレーザが製造する製品は、国内外に販売しており、2026年3月期における国外販売比率は54%(注)を占めております。また、製品の製造プロセスの一部を海外のパートナーに委託しています。アメリカ、欧州、アジア等特定の地域に偏重せずに各地域にバランスよく展開しておりますが、各国・地域の法的規制、慣習、国際情勢の変化等に起因する事態が発生する場合には、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。   (注) 国内代理店を経由した国外の二次顧客分は含んでおりません。 (2)事業内容・サービスに関するリスク① 開発受託業務についてQDレーザが展開している開発受託業務は、QDレーザの先端基盤技術に基づくもので、開発費と利益の獲得、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、QDレーザの利益に資する重要なビジネスモデルであり、今後も幅広く展開していく方針ですが、受託先の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、受注が減少する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 網膜投影製品の販売についてレーザ・オプティカルソリューションにおける各機器は、直接または代理店経由でエンドユーザー(個人、法人)に販売しております。また、QDレーザから機器やパーツ、モジュールを提供し、販売先企業にて製品化またはパッケージ化のうえ、販売されております。さらに、開発受託案件については、その対価を売上計上しております。レーザ・オプティカルソリューションの販売計画の主な内訳は、開発受託による収益です。開発計画については、年度初めに顧客と整合を図り、それに基づき販売計画を策定しております。また、光学ユニットについては、前年度の顧客とのやり取りを踏まえて計画を策定しております。新規のスマートフォン装着型網膜投影機器については、既存製品の売上状況を踏まえ、リスクを勘案して設定しております。 (3)法務・知財に関するリスク① 知的財産権についてQDレーザの事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレーム等の問題が発生した事実はなく、現時点において、QDレーザの事業に関し、他社が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障をきたす可能性は低いものと認識しております。また、技術調査等を継続的に行い、侵害事件を回避するよう努めております。しかしながら、QDレーザの様な研究開発型企業にとって、知的財産侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、今後第三者との法的紛争に巻き込まれた場合には、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討してまいります。QDレーザの技術が侵害されるケース及びQDレーザが第三者の技術を侵害していると指摘されるケースのどちらとしても、解決に際しては、時間及び多額の費用を要する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 法的リスクについてQDレーザの様々な事業活動において、国内外を問わず、QDレーザが関与する技術・製品・サービス等について知的財産権に関する係争や製造物責任問題、薬事、商取引、税務等その他事業に関連する法令、慣行を巡って予期しない問題が提起される可能性があります。その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)サプライチェーンに関するリスク① 部品・部材等の調達及び価格変動についてQDレーザは、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材を外部の取引先から調達しております。中東情勢やレアアース規制など様々な要因により、それらの調達先からの供給に就いてQDレーザの製造に影響が出る様な供給の不安定化、価格の高騰、供給部材の品質劣化等が発生した場合、製品の納期や品質を守る事ができない、もしくはQDレーザ製品の値上げにより販売に影響が生じる可能性があります。QDレーザは一定数量の主要部材・部品を在庫として確保していますが、部品・部材の調達状況の変化が幅広い品目もしくは超長期間に生じる場合、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5)財務・投資に関するリスク① 継続的な投資についてQDレーザは継続的な成長のために、新製品又は新技術の開発のための必要な研究開発活動を継続する必要があると考え、これまで積極的に研究開発費に係るコストに投下しており、今後も継続して必要な研究開発活動を行っていく方針であります。レーザ・オプティカルソリューション事業部においては、2027年3月期の黒字化に向けた準備期間である2026年3月期において、自社での研究開発費の支出を極力抑え、外部顧客からの共同開発費を活用して研究開発を推進してまいりました。今後の研究開発活動についても、その費用対効果を勘案して予算の要否を判断しますが、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、開発コストの増加等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生することが想定され、中期経営計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)品質管理に関するリスク① 製品の品質についてQDレーザでは、ISO9001の基準に加えて、外注管理規程、研究開発管理規程及び生産管理規程を設け、当該規程に則り、各種製品の製造、品質の保持向上に努めております。信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、想定していない理由により、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、QDレーザの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。QDレーザでは、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、完成試験の信頼性向上試験の導入を含め、開発時、出荷時の試験を強化し、製品への非常時対策の機能開発の継続、顧客クレーム、故障等の処理プロセス等について強化してまいります。 (7)研究開発に関するリスク① 研究開発活動についてQDレーザは最先端のレーザ技術に基づく、研究開発に取り組んでおりますが、QDレーザが業界と市場の変化を十分に予測できず、また、間違った判断をすることで、顧客や市場からの支持を得られる新製品、新技術を提供できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、QDレーザの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)組織構造に関するリスク① 小規模組織であることについてQDレーザは、従業員50名の小規模組織であり、内部管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大と事務量の増加に備え、従業員の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、人材の増強及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合には、適切な組織的対応ができず、QDレーザの業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。 (9)人材・労務に関するリスク① 人材の確保及び人件費の高騰について現在、日本経済全体として労働人口の減少等による人手不足や人件費の高騰が大きな問題となっております。QDレーザでは、QDレーザの欲する人材を採用してきましたが、今後において、人材の供給がQDレーザの要望にかなわずスキルの不一致、賃金の不一致等で安定的に適正な人件費で人材確保ができなくなった場合、QDレーザの業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。 ② 退職者による技術・ノウハウ流出についてQDレーザのレーザ関連技術について、特許等によりコアとなる技術は保護されている状態を保っておりますが、退職者によって、QDレーザ技術と異なるも近しいレーザ関連技術が他社により開発された場合や、独自性が失われ市場への訴求力が低下するような事態となった場合には、QDレーザの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)拠点・施設に関するリスク① レーザデバイス事業部拠点の移転についてQDレーザは2026年4月にレーザデバイス事業の拠点を横浜市戸塚区へ移転いたしました。この移転にはQDレーザの技術を支えるMBE装置(分子線エピタキシー法による結晶成長装置)の移設も含まれており、本装置は繊細な管理を必要とするため、移設作業には過去の経験を含めた万全な体制を取っておりますが、移設後の装置立上げが想定通りに進まなかった場合には、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (11)委託・外部依存に関するリスク① 製造委託先の経営悪化、品質事故等QDレーザではファブレス製造の方針を採用しておりますので、外部の協力企業に製造を委託しております。それぞれの企業の特性等を考慮し、QDレーザ製品の製造能力に応じて、各社への製造委託品目を決めております。各社に対しては、QDレーザにて品質検査、経営状態の確認等を実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故等が発生した場合、容易に委託先の変更は可能ではありますが、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (12)内部統制・ITに関するリスク① 情報セキュリティに係るリスク(情報の漏洩、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等)QDレーザの主な事業は顧客の個人情報を取得する必要のあるものではありませんが、一部取引には個人情報を取得する場合があり、また、顧客と秘密保持契約を締結した上で技術情報や営業情報を取り扱う業務もあり、想定していない理由により、これらの情報の漏洩が発生した場合にはQDレーザの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、会計、販売管理等コンピュータによる業務処理を実施しており、地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からのコンピュータウイルス攻撃やサイバーアタック等によるシステムトラブルやデータ破壊、情報の盗難、漏洩等が発生した場合には、QDレーザの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)財務・制度に関するリスク① 配当政策についてQDレーザは、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にありません。当面は、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先させる方針であります。一方、株主への利益還元は重要な経営課題の一つととらえており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が予想どおりに進捗せず、今後も安定的な利益計上ができない場合には、配当による株主への利益還元が困難になる可能性があります。 ② 資金繰り及び資金調達等に関するリスクQDレーザは、事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が見込まれます。今後も財務の健全性を意識した資金使用を行いますが、収益確保または資金調達の状況によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、QDレーザの公募による資金調達の使途に関しましては、レーザ・オプティカルソリューション事業及び本社の人件費、賃料、知財費等の運転資金に充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。また、QDレーザの行使価額修正条項付新株予約権による資金調達の使途に関しましては、主にレーザデバイス事業の生産能力増強やM&Aに充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性があります。 ③ 新株予約権の行使や株式報酬制度による株式価値の希薄化についてQDレーザでは、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度および取締役に対する株式報酬制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度や株式報酬制度を活用していくことを検討しております。これらの現在付与済の新株予約権や今後付与された場合の新株予約権の行使や株式報酬制度による新株発行が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。 (14)自然災害・不可抗力に関するリスク① 地震等の自然災害についてQDレーザは製造委託先の製造拠点を国内外に分散しております。また、地震等の災害について事業継続計画に準拠して、非常事態に対応する体制を構築しております。今後も地震等の自然災害が発生した場合、その規模及び地域によって経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (15)訴訟等に関するリスク① 訴訟についてQDレーザは、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合、それに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、QDレーザの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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