JVCケンウッド(6632)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


JVCケンウッド(6632)の株価チャート JVCケンウッド(6632)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

JVCケンウッドグループは、JVCケンウッド及びJVCケンウッドの子会社66社(国内15社、海外51社)、並びに関連会社6社(国内4社、海外2社)により構成され、モビリティ&テレマティクスサービス分野関連、セーフティ&セキュリティ分野関連、エンタテインメント ソリューションズ分野関連の製造・販売を主要な事業とし、かつ、これに付帯する事業を営んでいます。

JVCケンウッドグループの事業区分及び主要製品並びにそれに係わる主要な関係会社の位置付けは以下のとおりであり、事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載されているセグメントの区分と同一です。

 

(2025年3月31日現在)

事業区分

主要製品

主要会社名

モビリティ&テレマティクスサービス分野

カーAVシステム、カーナビゲーションシステム、ドライブレコーダー、車載用デバイス、テレマティクスソリューション

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド長野

株式会社JVCケンウッド長岡

PT JVCKENWOOD Electronics Indonesia

JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD U.K. Limited

JVCKENWOOD Deutschland GmbH

JVCKENWOOD Singapore Pte. Ltd.

 

(開発・生産及び販売会社)

Shinwa Industries (China) Limited

ASK Industries S.p.A.

セーフティ&セキュリティ分野

業務用無線機器、アマチュア無線機器、業務用映像監視機器、業務用オーディオ機器、医用画像表示モニター

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド山形

株式会社JVCケンウッド長岡

JVCKENWOOD Electronics Malaysia Sdn. Bhd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

株式会社JVCケンウッド・公共産業システム

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD Canada Inc.

JVCKENWOOD U.K. Limited

 

(開発・生産及び販売会社)

EF Johnson Technologies, Inc.

Radio Activity S.r.l.

Rein Medical GmbH

 

 

 

 

事業区分

主要製品

主要会社名

エンタテインメント

ソリューションズ分野

プロジェクター、ヘッドホン、ホームオーディオ、ポータブル電源、業務用ビデオカメラ、CD/DVD(パッケージソフト)等の受託ビジネス、CD/DVD(パッケージソフト)の製造、オーディオ・ビデオソフト・配信等のコンテンツ等

(生産会社)

株式会社JVCケンウッド

株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア

JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.

 

(販売会社)

株式会社JVCケンウッド

JVCKENWOOD USA Corporation

JVCKENWOOD U.K. Limited

 

(企画・制作及び販売会社)

ビクターエンタテインメント株式会社

 

その他

サービスパーツ他

(その他の会社)

株式会社JVCケンウッド・サービス

 

 

 

事業の系統図は以下のとおりです。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

JVCケンウッドグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてJVCケンウッドグループが判断したものです。

 

(1)経営方針

JVCケンウッドグループは企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げています。経営方針、行動指針は以下のとおりです。

※JVCケンウッドグループの企業ビジョン「感動と安心を世界の人々へ」を企業理念として再定義しています。

 

 

(2)目標とする経営指標

JVCケンウッドは、2023年度を開始年度とする中期経営計画「VISION2025」を2023年4月に策定しました。「VISION2025」において策定した主な経営指標に対する2023年度の実績及び2025年度の経営指標の最新の見込みは以下のとおりです。

 

 

*上記目標数値は、JVCケンウッドが現在入手している情報をもとに、本有価証券報告書提出日現在におけるJVCケンウッドの判断に基づいて作成されたものであり、また、一定の前提(仮定)の下に作成されています。JVCケンウッドは、上記目標数値の達成を保証するものではなく、実際の結果は上記と大幅に異なる可能性があります。

※1 事業利益率=事業利益÷売上収益。事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなる、その他の収益、その他の費用、為替差損益等を含みません。なお、2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しています。

※2 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)= 親会社の所有者に帰属する当期利益÷期中平均親会社の所有者帰属持分×100

※3 ROIC(投下資本利益率)= (税引き後事業利益+持分法損益)÷投下資本(株主資本+有利子負債)

 

 

(3)経営環境・成長戦略

① 中期経営計画「VISION2025」について

地政学リスク増大によるサプライチェーンの見直しや世界経済動向の不透明化等、JVCケンウッドを取り巻く事業環境は大きく変化しています。JVCケンウッドはこうした事業環境の変化を踏まえて、今回新たに企業価値最大化の観点から2023年4月に「変革と成長」の基本戦略を強化した、2025年度を最終年度とする新中期経営計画「VISION2025」を2023年4月策定しました。

 

② 中期経営計画「VISION2025」の位置付け

JVCケンウッドは企業理念として「感動と安心を世界の人々へ」提供することを掲げており、この理念の実現に向けて「たくましさ」と「したたかさ」を併せ持つエクセレント・カンパニーへの飛躍を目指しています。

「VISION2025」では「VISION2023」で掲げた基本戦略「変革と成長」をさらに進化させ、事業ポートフォリオを最適化することで成長モメンタムを加速し、企業価値最大化を目指していきます。

 

 

③ 中期経営計画「VISION2025」の基本戦略:「変革と成長」

<基本戦略>

「VISION2025」では、「変革と成長」を基本戦略とした事業ポートフォリオとキャピタル・アロケーションの最適化を図るとともにサステナビリティ経営を推進し、企業価値の最大化に向けて取り組んでいきます。またこれらの取り組みを通じて、安定的にROE10%を確保する体質を構築し、PBR1.0倍超の早期実現を目指していきます。

※PBR(株価純資産倍率)= 株価÷BPS(1株当たり純資産)

 

 

④ 企業価値の最大化に向けた事業ポートフォリオの最適化

「VISION2025」では企業価値最大化の観点で、中期的な事業の成長性と自社の資本効率性を考慮した資源配分を行い、2025年度に向けて事業ポートフォリオの最適化をさらに進め、持続的な企業価値と株主価値の向上に取り組んでいます。初年度(2023年度)の振り返りは以下のとおりです。

※2023年度~2025年度の3カ年における売上成長率

 

 

<セーフティ&セキュリティ分野 無線システム事業の成長戦略>

■ 2023~2024年度にかけて100名規模の人員増強を目指す

■ 製品ラインナップを拡充し、2025年度からの3年間で売上収益約300億円規模の創出を目指す

■ 基幹部品の安定確保と製品性能の向上による競争力強化

■ 創業事業のアマチュア無線は、魅力ある製品の開発・導入を計画的に進めていく

 

 

※1 Analog Devices, Inc.

※2 米国の公共安全市場向けに開発されたデジタル無線規格

※3 デジタル無線の国際規格「Digital Mobile Radio」の略

 

 

<モビリティ&テレマティクスサービス分野 OEM事業の成長戦略>

■ 堅調な受注の継続的拡大を目指す

*欧州及び中国市場における車載用スピーカー/アンプ/アンテナ/ケーブルの受注拡大

*APACにおける開発効率を上げたディスプレイオーディオの受注拡大

・日系メーカー向け後継モデル(2025年納入開始予定)、新規大型案件(2026年納入開始予定)を受注

*国内自動車メーカー向けナビゲーション、ディスプレイオーディオを受注(2025年納入開始予定)

 

 

⑤ 財務戦略

<キャピタル・アロケーションの考え方>

「VISION2025」では、資本コストを上回る資本収益性の達成に向けて、利益成長を実現する営業キャッシュ・フロー創出に重点を置いた上で、成長投資、戦略投資等の使途を明確化して、キャピタル・アロケーションの最適化を図ります。

成長投資には設備投資や経営基盤強化に向けた投資を、戦略投資には新規事業等への投資や株主還元、有利子負債返済を織り込んでいき、戦略的なキャピタル・アロケーションを実行していきます。

 

 

<株主還元方針について>

JVCケンウッドは、安定的な利益還元及び今後の成長に向けて経営資源を確保することを経営上の最重要課題の一つと考え、収益力及び財務状況を総合的に考慮して、総還元性向を株主還元の指標としました。業績に応じた株主還元策とした配当に加え、中長期的な利益成長に向けた資本活用、資本効率性改善効果のバランスを踏まえつつ、機動的に自己株式取得を行い、総還元性向30~40%を目安に株主への安定的な利益還元を実施していく方針です。

 

 

 

⑥ サステナビリティ戦略

JVCケンウッドグループは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながると考えています。

「VISION2025」では、「利益ある成長」と「グローバルでの社会課題解決」を両輪とするサステナビリティ経営の推進活動をさらに深化させ、企業価値向上を目指します。

 

<サステナビリティ戦略の方向性>

E:環境への取り組み

環境負荷削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献

S:社会への取り組み

イノベーションを実現する人材の育成及び組織能力強化と、

サステナビリティ調達の推進

G:ガバナンス

サステナビリティ経営を確実に実行する推進体制

持続的な企業価値向上に向けた取締役会実効性評価の継続的な取り組み

 

JVCケンウッドグループのサステナビリティ戦略についての詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

JVCケンウッドは前述の経営環境のもと、中期経営計画「VISION2025」で掲げた各種施策を継続推進することにより、最終年度である2025年度の経営目標達成を目指し、持続的な企業価値向上を強化していきます。

上記の成長戦略を進めるにあたりJVCケンウッドが認識している対処すべき課題は以下のとおりです。

 

① サプライチェーンマネジメント(SCM)改革

経営判断に必要なデータ分析を強化、原材料から顧客までのサプライチェーンを改革し、安定的な商品供給による機会損失の最小化と、中期経営計画「VISION2025」における経営指標の1つである営業キャッシュ・フローの目標達成を目指します。

 

 

 

② ものづくり改革

事業環境の変化に即応する安定した『ものづくり』へ、生産グランドデザインと設計改革を推進します。

 

 

③ SDGsへの貢献

JVCケンウッドグループは、事業と関連の強い社会課題を抽出・分析し、企業ビジョンとのつながりを考慮しながらマテリアリティ(重要課題)を特定しています。SDGsの全17ゴールのうちの8ゴールを最優先で取り組むべき重要課題として選定し、進捗管理のためKPIsとして、定性・定量的な目標を設定しています。社会課題テーマ(社会、労働、環境、品質、経済、安全、ガバナンス、価値創造)を明確にし、課題解決に向けた製品やサービス、ソリューションを提供することで、持続的な企業価値の向上とSDGs達成への貢献を図っていきます。

 

(5)環境保全・社会貢献活動に向けた取り組み

JVCケンウッドグループは、2021年度に環境ビジョンと環境基本方針を策定し、地球環境保全に対する基本的な考え方を示しました。2023年度には、環境基本方針の見直しを行い「JKグリーン2030」を策定し、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」の4項目でそれぞれ目指すべきゴールを再設定しました。特に、気候変動への対応については、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2030年に向けたScope1+2と3でそれぞれCO₂排出量削減の目標を設定しています。

目標達成に向けた活動として、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証取得を継続するとともに、活動を通じてCO2排出量削減、廃棄物や水の使用量削減活動及び化学物質の適正管理等を行っています。また、従業員に対する定期的な環境研修による環境保全についての啓発活動、環境法規制遵守に基づいた飛散性アスベストの除去及びや保管している高濃度PCB汚染廃棄物も計画的に無害化処理を進める等環境リスクの低減を推し進めています。

電機メーカーとして要素技術開発や商品設計に際してアセスメントを行う事によってRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等製品の有害化学物質管理や各国の法規制に対応しながらバリューチェーン全体におけるScope3(購入品の製造、輸送、販売した製品の使用等)のCO₂排出量削減及び環境負荷の低減を目指して製品の消費電力低減、プラスチック使用量削減、個装箱の小型化による積載効率の向上等にも取り組んでいます。

社会貢献活動については、取り組みを通じて得られた知見や社会とのつながりが事業活動のさらなるレベルアップにつながるとの考えに基づき、社会課題を解決するJVCケンウッド製品の有効な活用を推進しています。これらの活動により持続可能な社会づくりにつながる、「災害対策への貢献」「健康と豊かな心や生活への貢献」「次世代育成への貢献」「地域コミュニティへの貢献」を主な活動テーマとして取り組みを進めています。

また寄付活動についても、JVCケンウッドが社会・業界の一員として広く社会的義務・貢献を果たすために、主として極めて公共性の高い社会課題並びに国益や業界と密接に関係する事業・案件に対する財界要請について、加盟業界団体が定めた方針のもとに下した是非判断に準じて寄付対応を行っています。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

JVCケンウッドグループに関するリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、これらの記載したリスクはJVCケンウッドグループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況は、係るリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてJVCケンウッドグループが判断したものです。

 

<JVCケンウッドグループにおけるリスク管理体制>

JVCケンウッドグループでは、リスクを「事業計画の達成を阻害する可能性があるもの」と捉え、全世界で事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、影響及び損害の最小化を図るとともに、これらを機会として活かすための体制を整備しています。全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置き、配下に各事業分野、グループ会社責任者を配置し、リスク管理担当部門を事務局としてリスクマネジメントプロセスに基づいて各職場が主体的に直面し得るリスクを定期的に洗い出し、リスクの事前把握と、発現した際の迅速な対応含め施策を進めています。

また、2023年度よりTCFD提言に沿った気候変動リスクへの取り組みを推進するため、リスク管理体制を強化しており、気候変動問題に起因する移行リスク※1、物理的リスク※2は、一般的なリスクとは別に分類した上で、重要度評価を行い、他のリスクと統合した形で管理しています。

※1 低炭素社会に移行する際に発生するリスク

※2 気候変動による物理的変化によって発生するリスク

気候変動に関するリスク管理体制の詳細につきましては、上記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.気候変動への対応 (2)リスク管理」をご参照ください。

 

<JVCケンウッドグループにおけるリスクマネジメントプロセス>

・JVCケンウッドグループの全部門を対象に毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部、地域、グループ会社において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付けて、影響度・緊急性・発生頻度及び対応状況を踏まえてリスク評価するとともに対策を策定し実行、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルを、それぞれの部門において実施

・最高経営責任者(Chief Executive Officer、略語:CEO)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長により指名された本社部門長及び各事業分野の担当役員を構成員として設置される全社リスク管理会議において、各事業部・地域により洗い出された「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況等を勘案して抽出したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けてリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名

・対応推進責任者は、連結会計年度の事業計画の達成へ向けて、グローバル重要リスクに対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、進捗をモニタリング

 

 

(1)事業環境の変化等にともなうリスク

① 原材料等の調達の外部依存について

JVCケンウッドグループ製品の開発・製造活動において、外部より十分な品質の原材料、部品、機器、ソフトウエア、サービス等について競争力を有するコストでタイムリーに必要なだけ入手することは重要です。JVCケンウッドグループにおいては外部の部品開発業者、生産業者、部品供給業者、製品開発業者、ソフトウエア開発業者等からの購入、生産委託、又は共同開発等により、外部業者に対して一定程度以上の依存をしています。したがって、外部業者との関係悪化、外部業者自身の経営問題、外部業者の自然災害や事故等の罹災、パンデミック等によるグローバルな社会環境・事業環境の変化等様々な要因での供給の遅滞や停止やJVCケンウッドグループ製品に関する開発の遅滞や停止等が発生した場合、製品開発・製造活動に支障が生じ、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、現時点においてロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等によるJVCケンウッドグループの製品の原材料等の調達への直接的な悪影響は無いと判断していますが、ロシア・ウクライナ紛争及びロシア経済制裁等は依然として継続・長期化していることに伴い、部品や製品の原材料不足等への影響は注視が必要と考えています。また、エネルギー価格の高騰、為替相場の変動等により、これらがJVCケンウッドグループへ直接的に、又はJVCケンウッドが依存する外部業者に対して悪影響を与えることによって、間接的にJVCケンウッドグループ製品の開発や製造にも制約や影響が生じるリスクが継続している状況です。JVCケンウッドグループは、サプライヤーと連携の上で、上記の原材料や基材の調達に制約が生じる事情の有無について早期発見に努めており、そのような制約のおそれについて関知した場合にはJVCケンウッドグループの調達への悪影響を可能な限り軽減するための対策に善処するよう図っていますが、これらの連携及び対策が奏功する保証はありません。

 

当該リスクに対し、外部業者との友好な取引関係の確立・維持に努めることは当然ながら、開発のバックアップや調達の停止リスク回避を考慮した取引先の複数確保、BCP在庫の保有、汎用部品の採用、仲介業者活用による在庫確保等の対策を講じ、急なコストの悪化や、JVCケンウッドグループの国内・海外の生産工場における製造活動の停止等が起きぬよう、対策を講じています。特に、JVCケンウッドグループは、前期連結会計年度まで半導体等の部品供給不足による生産遅延の影響を大きく受けました。これについては、部品備蓄の対応や問題部品の代替設計等による生産・販売の継続等、新たな施策を講じ事業影響の最小化を図り、現在では、半導体を中心として電子部品の調達難は解消され、部品調達が実施できる状況となっています。しかしながら、部品の安定供給や価格動向等については依然として不確実性を伴う状況にあり、これらの施策を講じていたとしても、JVCケンウッドグループが想定する規模や期間を上回る外部事業者側の事情や事業環境等の変化(悪化)があったような場合には、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 物流リスク

JVCケンウッドグループ製品の生産・販売活動の多くは日本国外で行われており、物流活動もグローバルに展開されています。各国・各地域の物流上の問題がJVCケンウッドグループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、JVCケンウッドグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

JVCケンウッドグループはアジア地域での生産が多く、その拠点からグローバルに供給を行っています。新型コロナウイルスのパンデミック後における欧米を中心とした経済活動の再開により輸出物量は回復してきていますが、一方でイスラエル・パレスチナ紛争の影響で、輸送ルートの変更を余儀なくされ、物流リードタイムの長期化・物流コストが上昇する場合には、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの発現に対し、販売への影響を低減させるために、販売拠点での在庫水準や搬送手段の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策を進めています。

一方で、日本国内でのJVCケンウッドグループ製品の生産・販売に伴う物流活動では、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、自動車運転業務の時間外労働に関する規制が適用され(いわゆる「2024年問題」)、今後JVCケンウッドグループにおいても物流コストの上昇と輸送能力の低下が生じることが予測されており、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、製品総原価の見直しにより上昇する輸送コストの吸収を目指すとともに、輸送能力の低下に応じ、出荷頻度の見直しを行い、供給量の安定化を図る等の施策により、販売への影響が及ぶ可能性を低減しています。

 

③ サプライチェーンリスク

JVCケンウッドグループ製品のサプライチェーンシステムにおいては多くの取引先がステークホルダーとして存在していますが、これらのそれぞれの取引先での社会的責任の遂行状況は、JVCケンウッドグループ製品のサプライチェーンシステム自体が社会的責任を果たしているかに直結します。取引先で生じた問題がJVCケンウッドグループのグローバルサプライチェーン全体に波及し、JVCケンウッドグループが社会的責任を果たせなくなる結果として、JVCケンウッドグループの事業、業績、財務状況及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、人権や環境に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目的として、サプライヤー向けSAQ(Self Assessment Questionnaire)による実態調査を実施し、取引先に調達方針、 CSR 調達ガイドラインへの理解と実行を要請しています。その活動状況についてはサプライヤーミーティング、SAQ等を通じて定期的に検証・共有し、社会的責任を果たす取り組みを推進します。

 

④ 経済状況等の変化によるリスク

JVCケンウッドグループの製品・サービスに対する需要は、その販売国又は地域の経済状況の影響を受けるため、当該市場における景気後退にともなう需要の減少が、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。個人顧客を主要な購買層とするものについては、個人顧客のライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増減等により販売数量が左右されやすい性質を持っています。これら個人向け製品の販売動向は、その販売地域における経済状況、景気動向等、個人消費に影響を与える諸要因によって大きく変動する傾向があり、これらの諸要因がJVCケンウッドグループにとって有利に作用しない場合、それに対応したJVCケンウッドグループの事業改革が想定どおりに功を奏しない場合や、これらの悪化要因に対応した製品を適時に開発、製造して市場に提供できない場合には、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、各国の政府・官公庁等の公的機関や企業等の法人顧客を主要な購買層とするものについても、経済状況、景気動向、顧客が所在する国・地域の政治・財政動向等によって販売量が左右され、それによってJVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクは、発生の時期・内容・規模・地域等が不明確であり、事前に影響の測定が困難なものですが、JVCケンウッドグループはJVCケンウッドグループの予測からの変化を常にモニタリングし、日々のオペレーション対応からコンティンジェンシープランの実施まで、リスク規模に合わせた迅速でフレキシブルな対応をリスクマネジメントプランに則り対応し、リスクの回避又は影響の最小化を図っています。ただし、国際紛争やパンデミックの長期化・拡大等により、JVCケンウッドグループが想定する規模や期間を上回る経済環境の変化(悪化)があった場合は、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 為替相場及び金利の変動による影響について

JVCケンウッドグループの売上収益に占める海外向の割合は5割以上あり、拠点及び取引先は世界各国にわたっています。外貨建てで取引されている海外での製品・サービスのコスト及び価格は為替相場の変動により影響を受け、加えて連結財務諸表作成にあたり海外の現地通貨建ての資産・負債等が円換算されることから為替相場の変動による影響を受けるため、為替相場の変動がJVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。一般的に、JVCケンウッドグループの為替感応は、ユーロに対する円高で業績は悪化し、米ドルに対する円高で業績は良化します。また、金利の変動は、支払利息、受取利息あるいは金融資産及び負債の価値に影響を与え、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、主要通貨での予定取引及び資産・負債の一部に対して為替予約等ヘッジ取引を実施することにより、急激な為替レートの変動リスクの軽減に努めています。また、一部の通貨においては各国規制等によりヘッジできていない取引及び債権・債務が存在するものの、JVCケンウッドグループの経営成績等の全体に及ぼす影響は限定的になっています。しかしながら、主要通貨においてJVCケンウッドグループの想定を超える長期的な為替相場の不利な変動が生じた場合には、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 顧客の資金状況・財務状況について

JVCケンウッドグループは、代金後払いの条件で顧客へ製品等の販売を行っている取引があります。JVCケンウッドグループが多額の営業債権を有する顧客の財務状況が悪化し、期限通りの支払いを得られない場合、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しJVCケンウッドグループは、取引先毎の財務状況調査により財務体力に応じた与信限度の設定、L/C取引、取引信用保険の付保等の対応を行いリスクの回避に努めています。

 

 

⑦ 業界動向の変化

JVCケンウッドグループが事業を営む業界は、ネットワーク化やブロードバンド化等を含む科学・技術の進歩やビジネスの進化による製品・サービスの融合により、同一業界内にとどまらず、隣接する業界やその他の業界との垣根を超えた新たな市場開拓と機会を秘めています。そのような状況下、競合他社による組織再編やM&Aにより、同一業界内又は隣接する業界やその他の業界における企業間での地位や競争の構造が変化し、あるいは業界内でのビジネススキームの変化や標準規格の変更等が生じることにより、JVCケンウッドグループが規模のメリット、技術開発力、価格競争力、ブランド力、資金調達能力、原材料調達、生産地、販路、持続可能性の評価等において劣後することとなり、業界における現在の地位を維持できなくなる可能性があります。あるいは、JVCケンウッドグループが業界再編の当事者となることにより、JVCケンウッドグループの経営の柔軟性や自由度が失われる可能性があります。このような業界再編等により競争の構図が刷新されるような状況においては、JVCケンウッドグループがJVCケンウッドグループ製品の業界における現在の地位をその後も維持し発展していくことができるとの保証は無く、係る場合にJVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、業界他社動向を常に注視しつつ、他社にない製品・サービスの開発を推進し、業界の変化に左右されない地位の維持、拡大に努めています。

 

⑧ 市場における競争の激化

JVCケンウッドグループ製品の市場においては、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の新興企業まで、さまざまなタイプの企業が激しい競争を展開しています。それらの競合他社のうちJVCケンウッドグループよりも大きな財務、技術及びマーケティング資源を有し得る企業が、市場におけるシェアの拡大や寡占化を実現する目的で大規模な投資を行うことや、商品の低価格化を進めることがあります。このような市場環境において、JVCケンウッドグループがそれらの競合他社との競争に勝つことができない場合、JVCケンウッドグループ製品の需要が減少し、JVCケンウッドグループ製品の価格が下落したり、JVCケンウッドグループのブランド価値が下落したりする恐れや、JVCケンウッドグループが優位にある市場の規模が縮小したりあるいは収益性が悪化したりする恐れがあり、それらの結果、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、JVCケンウッドグループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、市場における激しい競争においてJVCケンウッドグループのそうした企業努力を上回る価格下落圧力が生じ、JVCケンウッドグループにとって十分に利益を確保できる製品価格の設定を困難にし、JVCケンウッドグループの利益の維持に深刻な影響を与える可能性があり、係る影響は製品の需要が低迷した場合に特に顕著となります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、各事業分野において、企業方針に基づき、顧客価値創造を目指した高付加価値な製品及びサービスの企画を継続し、競合優位な企業を目指します。

 

⑨ 技術革新における競争について

技術革新が重要な競争要因になっているなかで、JVCケンウッドグループとして絶えず研究開発活動への資金・資源を投入し続ける必要があります。JVCケンウッドグループの新たな製品開発に必要、又は市場から要求される必要な技術は常に高度化していると共に、近年では、持続可能な社会実現への期待も増してきており、技術の高度化や持続可能な社会への貢献に伴いそれらの対応に要する資金が増加していく可能性がありますが、JVCケンウッドグループがそのような研究開発活動のために十分な資金・資源の注入を将来にわたって安定的に行うことができるとの保証はなく、また、JVCケンウッドグループが将来の市場ニーズに応える新技術や社会的責任を正しく予想して研究開発に取り組み、商品化した際にはJVCケンウッドグループの業績向上に確実に寄与するとの保証もありません。更には、予測を超える広範・大規模な技術革新や社会的要請に急激な変化が起こった場合、研究開発活動等に十分な資金・資源の投入ができない場合、及び有能かつ熟練した研究開発要員を確保できず、あるいは外部に流出してしまった場合には、十分な商品化開発が進まず、売上収益を確保できないリスクがあります。また、構成部品の市況変化による高騰等から総原価が増大した場合、JVCケンウッドグループの業績・財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、リスクを最小化するために、変化する市場環境、社会的要請、技術トレンド、構成部品、及び第三者ソリューションの市況を含めた技術開発・製品化ロードマップを適時改訂するとともに、技術者の人財能力育成も計画的なプログラムを実施し、発生し得るリスクを早期に察知・可視化するモニタリング活動を重要視して事業活動を展開していきます。

 

 

⑩ 国際的な事業活動におけるリスク

JVCケンウッドグループは海外で幅広くビジネスを展開しており、現地における労使関係、宗教や文化、規制の相違、政情・経済上の不安、商慣習等に関する障害や、予期しない会計基準や法規制の導入、持続可能性の評価要件の違い、税務当局との見解の相違等により、コスト、税負担のほか、事業活動上の様々な障害や制約に晒される可能性があります。また、国内外での製品輸入通関申告手続について適切な関税分類に従って実施していますが、輸出国の通関当局との見解の相違により、通関申告への修正を後日当局より要請される可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、各国関連子会社、地域経済団体、当局、弁護士、コンサルタント等との間で情報共有又は連携し、また、AEO特定輸出申告制度に係る法令遵守規則を規程化の上、安全管理と法令遵守に関する従業員研修を定期的に実施する等、事前の必要な対策とリスクが顕在化した際の影響の最小化に向けた準備・対応を行うとともに、持続可能な社会の実現に向けてグループ一体となって取り組んでいきます。

 

(2)事業オペレーションにともなうリスク

① 情報セキュリティリスクについて

JVCケンウッドグループは、お客様の個人情報、取引情報及びサプライチェーンパートナー企業との間で交換される重要な機密情報を扱っています。このような情報が、標的型サイバー攻撃等の悪意ある行為や不注意により外部に流出するリスクは常に存在します。さらに、JVCケンウッドグループの商品ラインナップには、外部デバイスやメディアとネットワークを経由し連携する商品やサービスが含まれています。これらの商品やサービスには、サイバー攻撃等による誤動作を引き起こすセーフティリスク、デバイス操作情報の流出によるセキュリティリスク、そして接続しているシステムや製品が正常に処理できないリライアビリティリスク等が存在します。このようなリスクが現実となった場合、顧客や関係者への損害賠償、対応に必要なコスト、さらにはJVCケンウッドグループ及びサービスに対する社会的信頼の損失といった事象が起こり得ます。これらは、JVCケンウッドグループの事業、業績、そして財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

そこで、JVCケンウッドグループは、このような情報の取り扱いに際して、その安全性を確保することを最優先事項と、情報セキュリティの維持は、JVCケンウッド事業の継続性及び社会的信頼の確保に直接関わる重要な要素と位置づけています。

現在、情報セキュリティの3要素(機密性・完全性・可用性)の維持を目標として、CISO(Chief Information Security Officer)指導のもと、JK-CIRT/CC(JVCKENWOOD Central Incident Response Team /Coordination Center)を中心に、情報セキュリティインシデント対応チームの体制を構築しています。体制は各SIRT(5つのカテゴリー(※)で構成される情報セキュリティインシデント対応チーム)を全社に機能配置し、情報セキュリティインシデントへの迅速な対応にあたっています。これら各SIRTは本社部門や事業部と連携し、社内の通信インフラ、開発ツール、サーバやポータブル記録デバイスに至るまで、製品及びサービスのセキュリティ体制の強化を進めています。

加えて、社内規程の定期見直し、セキュリティポリシーの遵守を通じて、継続的な情報セキュリティ管理体制の見直しと改善に努めています。また、一般的な情報セキュリティ教育とは別に、技術部門に対する専門性の高いセキュリティ技術講習を実施し、全社的な情報セキュリティリテラシーと技術力向上を図っています。

今年度の情報セキュリティインシデントの割合はCSIRT事案が多く発生しましたが、JVCKENWOOD Optical Electronics (Thailand) Co., Ltd.(JKOT)でのインシデントを受け、工場のセキュリティ強化を急務とし、CSIRTとも連携し、FSIRT主導による現地生産工場系部門と連携を強化、再発防止に努めてまいりました。

引き続き、お客様とサプライチェーンパートナー企業様からの信頼を基盤とし、これら情報セキュリティの維持と向上に取り組み、安全かつ信頼性の高いサービス提供に尽力していきます。

(※)5つのカテゴリ:C(コンピュータ)、P(プロダクト)、F(ファクトリー)、S(サービス)、Pr(プロキュアメント)

 

② 品質問題の発生について

JVCケンウッドグループは、様々な製品を製造・販売しており、その製品の特性上、製品に欠陥が発生し、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)が発生する可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、企画・開発・生産の各工程において、品質を重視した各プロセスの基準遵守と有効なフェイズゲートを設け、品質に問題が生じぬよう徹底したチェックを行っています。しかし、それでも品質問題が起こる可能性はゼロではないため、製造物賠償責任保険へ加入しています。併せて、重大製品事故(PL(Product Liability:製造物責任)法問題含む)を含む品質問題防止にむけた全社の取り組みとして、1)新機種の製品安全評価、2)重要安全部品管理強化、3)製品安全マネジメント体制の再構築(PL情報のデータベース化及びオペレーション明確化と迅速化)、4)品質向上・安全性確保に向けた設計及び評価ノウハウの全社共有の推進をしています。また、上記仕組みの構築だけでなく品質月間等のイベント実施や定期的に社内外の品質情報を社内展開する等、従業員の品質に対する意識の向上を図っています。

しかしながら、このような努力をもってしても、JVCケンウッドグループの製品の欠陥を完全に防止できるものではなく、また、製造物責任の範囲がJVCケンウッドグループの加入する製造物賠償責任保険の対象範囲を超える等、JVCケンウッドグループの想定を超える場合には、賠償責任の可能性や、品質対策費用の発生、更にはJVCケンウッドグループのイメージ・評価の低下、ブランド価値の低下等を引き起こし、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人材の確保、喪失、高齢化

JVCケンウッドグループの全ての事業活動の成果の多くは人材に大きく依存しています。特に高度な専門知識や経験を持った有能かつ熟練した従業員が賃金水準、待遇の相対的低下、労働環境の悪化等の事情によってJVCケンウッドグループ外に流出した場合や、人員構成比率の高い50代の従業員が退職した後の人材補充が適正に行われない場合や省人化による生産性向上が十分でない場合には、JVCケンウッドグループの将来の事業活動に悪影響を与え、技術や業務ノウハウの伝承が円滑に行われず、企業競争力の低下を招く等、事業の持続可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループでは、「VISION2025」で掲げている、経営戦略と人材戦略の連動やエンゲージメントの向上を柱とした人的資本経営の実践にむけて、人材の多様性(ダイバーシティ)を尊重し、異なる考え方を受け入れる(インクルージョン)、ダイバーシティ&インクルージョンの推進とそれを可能にする制度作りに積極的に取り組んでいます。多様な発想や価値観を持った人々が互いを尊重し、刺激し合うことで、革新的なアイデアが生みだされ、それにより世界中のお客さまの多様なニーズに応えることができると考えます。また、JVCケンウッドグループは「VISION2025」の達成に向けて「新卒採用の拡充」「中途採用の多角的実施」等により多様な人材を確保するとともに、従業員の育成体系を整備しキャリア開発を促進し、テレワークと出社を効率よく行うハイブリッドワークを中心とした働き方改革との相乗効果で、従業員の定着と年齢構成の適正化、リバランスを進め、企業競争力の維持、事業継承に対するリスク低減に取り組んでいます。

 

④ M&A・他社との提携の成否

JVCケンウッドグループは、新製品・サービスの提供や、企業価値の向上、新たな事業展開を目的とし、他社とのパートナーシップが必要と判断した場合には、M&A、業務・資本提携や合弁会社設立等を行っています。実施に当たっては、リスク分析、JVCケンウッドグループとの相乗効果の可能性等十分に検討を行い進めていますが、市場や競合関係、技術イノベーションの変化等において著しい変化があった場合、当初想定した成果を出すことができず、投資額を回収できなくなる可能性があります。また、JVCケンウッドグループがこれらのパートナーを十分にコントロール又はモニタリングできない場合等、事業展開の過程で相手先がJVCケンウッドグループの利益に反する決定を行う可能性があり、加えて、これらのパートナーが事業戦略を変更した場合等には、JVCケンウッドグループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。その場合にはJVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 持分法適用関連会社の業績・財務状況

JVCケンウッドグループは、持分法適用関連会社の株式を保有しています。係る関連会社は通常、自らの方針のもとで、経営を行っており、こうした関連会社が損失を計上する場合には、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)財務・会計に関するリスク

① 有利子負債に付された財務制限条項を維持できない場合

JVCケンウッドグループの有利子負債に係るコミットメントライン契約及びターム・ローン契約には財務制限条項を含む期限前弁済条項が付されており、これらの条件が維持できない場合には、期限前弁済を行わなければならない可能性があり、その場合にはJVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、キャッシュ・マネージメント・システム等によるグループ資金の効率化を図り、有利子負債を圧縮するとともに、主要取引金融機関との関係強化に努めています。

 

(4)法的規制に関するリスク

① 法的規制

JVCケンウッドグループは、日本及び諸外国・地域の法規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、個人情報保護、税制、会計制度、金融取引、内部統制等に加え、事業及び投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業及び電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制及び輸出入に関する法規制等があります。今後こうした法的規制がより厳格となったり、技術的観点や経済的観点等からJVCケンウッドグループがこれらの法的規制に従うことが困難となった場合には、事業活動が制限を受けたり、法規制等を遵守するための費用が増加するリスクがあります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、事業活動に纏わる全ての関連法規に基づき、それらに則ったプロセスや結果となっているか厳重なチェック体制を維持するとともに、現場管理者向け研修等を定期的に実施して、その重要性を現場に浸透させ、対応を進めることに努めています。

 

 

② コンプライアンス

JVCケンウッドグループは、全世界で業務を遂行するにあたり、各国のさまざまな法令、諸規制及び社内規則の適用を受けており、これらを遵守すべく、役職員へのコンプライアンス意識の向上と体制構築に努めています。しかしながら、これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を失い、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、JVCケンウッドグループ コンプライアンス行動基準及び諸規程を整備するとともに、それらの実効性を確保するために適宜見直しを行っています。さらに、運用状況のモニタリング、コンプライアンス研修等を通じた規程の制定/改定等についての教育・指導を行っています。

 

③ 知的財産権

現在、他社から使用許諾を受けている特許等の知的財産権について、将来使用できなくなったり、条件が不利に変更されたりすることで、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図せず第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、JVCケンウッドグループの評判、ブランド価値の低下を引き起こすリスクがあります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、本社知的財産部に加え、事業セグメントごとに関係スタッフを配置し、他社特許権を侵害しない管理体制の構築・運用等全社的に知的財産リスクの回避に取り組むとともに、強化に努めています。

 

④ 過重労働、安全配慮義務違反

過重労働や安全配慮義務違反により、人財喪失や損害賠償責任等の直接的な損害が発生しうることに加え、JVCケンウッドグループに対する社会的評価の低下やブランドイメージ悪化につながるリスクがあります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドは日々の残業労働時間確認に加え、人事部門においても残業労働時間の全部門確認を行い、経営層との状況共有や対策実施を行っています。また、年休取得やストレスチェックの実施により従業員の健康維持に注力した取り組みを組織的に行っています。加えて、テレワークが増える昨今の状況を考慮し、PCログの取得や休日、深夜早朝時間帯における就労申請外勤務者のPCロック等のIT施策を加え就労状況の見える化に取り組んでいます。

 

⑤ 環境保護について

JVCケンウッドグループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用制限・除去、廃棄物処理、製品リサイクル、及び土壌・地下水汚染等に関する国内外におけるさまざまな環境関連法令の遵守義務が生じており、これらの対応等に関連する費用負担や事故、法令抵触事項等が発生した場合の賠償によりJVCケンウッドグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。またRoHS(電気・電子機器における特定有害物質の使用規制)やREACH(化学物質の登録・評価・認可・制限・情報伝達に関するEU規則)等、環境に関する規制の見直しにより、有害物質等を除去する義務が更に追加された場合、JVCケンウッドグループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

JVCケンウッドグループは、これらの環境に関する規制への取り組みにおいて、事故等の発生により環境基準を超過して制限物質が自然環境に放出されることを、完全に防止又は軽減することを保証することはできません。また、JVCケンウッドグループの工場跡地等の土壌に制限物質が基準を超えて残留することによりその除去や浄化に費用が発生する可能性、あるいはそれらの工場跡地等の売却価格に影響が出る可能性を完全に無くすこともできず、これらがJVCケンウッドグループの社会的評価や、事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、地球環境保全を念頭に適宜改正される製品及び事業所の環境関連法令への対応に努めており、必要な情報を常に収集し、気候変動をはじめとした環境関連のリスクと機会の特定を行い、JVCケンウッドの製品及びサービスへの対応を図っています。

 

 

(5)災害等に関するリスク

① 自然災害、人的災害

JVCケンウッドグループは、日本国内及び東南アジア・中国地区をはじめとして海外にも生産拠点を保有し、各国の営業拠点等を通じて世界中のお客様に製品を供給しています。そのため、予測が難しい自然災害(地震、津波、火災、洪水等)、感染症によるパンデミック等、又は火災や爆発、輸送機関の事故、及び戦争、騒乱、騒擾等の人的災害が発生した場合には、JVCケンウッドグループの拠点の施設や設備又は従業員が損害を被り、事業活動が中断され、更にはJVCケンウッドグループの拠点のみならず、部品調達先や取引先、ロジスティクスを含めて操業、就労が中断され、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、JVCケンウッドグループは、危機対応を想定した各種マニュアルを整備し、有事に備えて防災訓練・事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)訓練、安否確認訓練を実施し、日頃から役員・従業員の防災意識向上に取り組んでいます。このようなJVCケンウッドグループ一体となった事業継続、災害からの早期復旧と、生産・出荷・サービス提供の迅速な再開等、リスク最小化に向けた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を進めています。

また、国内外の工場においても該当国の規制を遵守し、稼働停止によるJVCケンウッドグループに対する影響を最小限に抑える活動を推進しています。しかしながら、感染症や自然災害、人的災害の発生等に対しては、一企業グループとして最善と考えられる施策を展開した場合でも、そのリスクを完全に回避することは困難であり、JVCケンウッドの想定を上回る被害が生じた場合等においては、JVCケンウッドグループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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