ワコム(6727)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


ワコム(6727)の株価チャート ワコム(6727)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

ワコムグループ(ワコム及びワコムの関係会社)は、ブランド製品事業及びテクノロジーソリューション事業における製品の開発・製造・販売を主な活動としているほか、サービス業務等を行っております。

ワコムグループの事業内容及びワコムと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」の区分と同一であります。

 

(1)ブランド製品事業

製品区分

主要製品

関係会社

クリエイティブソリューション

・ディスプレイ

液晶ディスプレイ面に直接描画と文字入力ができるペンタブレット

・ペンタブレット

筆圧感知ができるペンにより繊細な描画等が可能なペンタブレット及び簡単な操作で使用できるペンタブレット

 

<使用用途>

コンピューターグラフィックを利用したグラフィックスデザイン、映画やアニメの制作、写真編集、工業デザイン及びイラストレーション、ホームページデザイン、オンライン教育及びテレワークでの利用等

ワコム

ワコムヨーロッパ

ワコムテクノロジー

ワコムチャイナ

ワコムコリア

ワコムオーストラリア

ワコムホンコン

ワコムシンガポール

ワコムタイワンインフォメーション

ワコムインディア

ワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジー

ビジネスソリューション

上記ディスプレイ、ペンタブレット等のビジネス用途向け製品

 

<使用用途>

クリエイティブ、教育、医療・公共、デジタルサイン分野での利用等

 

(2)テクノロジーソリューション事業

製品区分

主要製品

関係会社

AESテクノロジーソリューション

デジタルペン技術(アクティブES:Active Electrostatic/EMR:Electro Magnetic Resonance)を搭載した、デジタルペン、マルチタッチセンサー、タッチパネル等の部品及びモジュール

 

<使用用途>

タブレットPC、電子書籍や携帯端末等のモバイル機器への組み込み利用等

ワコム

ワコムチャイナ

ワコムタイワンインフォメーション

ワコムベトナムサイエンスアンドテクノロジー

EMRテクノロジーソリューション

 

以上の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてワコムグループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題

ワコムグループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』開始から3年が経過し、次期『Wacom Chapter4』に向けた展望とともに、以下のとおり『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」に則って事業を展開してまいりました。

ワコムグループが、人間と社会にとって意味のある体験を、ワコムの技術を通して長い期間ご提供し続け、この世界を少しでも人間的なものにすることに寄与すべく、『Wacom Chapter3』において「Life-long Ink」のビジョンを掲げて設定した5つの戦略軸については変更せず、今後も維持発展させていく所存であります。

①Technology Leadership(ワコムの提供価値の源泉である技術革新に注力)

商品ポートフォリオ刷新の先陣を切って発売した液晶ペンタブレットのフラッグシップモデル『Wacom Cintiq Pro(ワコム シンティック プロ)27』に続き、『Wacom Cintiq Pro 17』及び『Wacom Cintiq Pro 22』を上市し、プロクリエイターの皆様の期待に応える創作体験をご提供しております。

 

②Community Engagement(コミュニティと深く連携し、価値ある体験を形成)

新しい技術を共同で開発していく技術コミュニティ、新しいビジネスを開拓していくビジネスコミュニティ、そして新しい文化体験を創出していく文化コミュニティ等、多岐に亘るコミュニティとの連携を推進中であります。

 

③New Core Tech, New Core Value Proposition(新しいコア技術をもとに新しい価値を創造)

デジタル手書きの技術をXR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)の三分野にて掛け合わせることにより新たな体験価値を提供すべく、具体的な技術開発を推進中であります。XR分野では独自のメタバース空間を立上げると同時に「空間描画」を可能にするWacom VR Penの開発を進め、AI分野では生徒の試行錯誤を可視化する株式会社Z会の新しい学習体験サービスの共同開発、セキュリティ分野ではクリエイターの権利を守るサービス『Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)』の開発が進行しております。

 

④Technology Innovation for Sustainable Society(技術で持続可能な社会の発展に貢献)

商品開発、技術開発の一環として、修理しやすい構造の追求、リサイクルしやすい金属部品やリサイクルプラスチックの活用、商品箱の簡易化やリサイクル素材の活用といった即効性のあるものに加えて、アカデミアとの共同研究を通じて環境ケア新素材の開発にも取り組んでおります。

 

⑤Meaningful Growth(財務的な成長に加えて、多面的な意味を持つ成長を目指す)

私たちは、技術をもとに製品・サービスのユーザー体験を通じてお客様に価値を届けることがワコムの存在意義であり、それを一社だけではなくそれぞれのコミュニティのメンバーとともに学び合いながら実現させていくことが、社会の成長に貢献することにつながると信じております。Meaningful Growthを具現化する体験として毎年11月にコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)」を開催すると同時に、その思いを皆様により深く理解していただくための一環として、ワコムグループの価値提供と取り組みをとりまとめた『Wacom Story Book』を2023年5月10日に発行しました。

 

一方で、2020年に世界規模で発生したコロナ禍に端を発したサプライチェーンの混乱、インフレ圧力の高まり、消費者行動の急速な変化等々、ワコムグループの事業を取り巻く環境が大きく変化し、企業価値の中長期的な向上を目指す観点からワコムグループの事業構造を変革させる必要が生じております。

ワコムグループは、事業構造変革期間である『Wacom Chapter3』の残り1年に、以下の8つの施策に取り組みます。

1.商品ポートフォリオの刷新と粗利改善

2.集中領域での事業構築

3.販路マネジメントの強化

4.在庫マネジメントの改善

5.顧客と用途の拡大

6.一般教育分野での事業開拓

7.資本政策と株主還元のアップデート

8.新ビジネスへの投資と立上げ

 

(2)経営環境

世界経済はロシア・ウクライナ情勢及び中東地域に起因した地政学的緊張の高まりに加えて、エネルギーや食糧価格の高騰を背景とする主要国での中央銀行の金融引き締めが、その後のインフレ動向、景況感に及ぼす影響について依然として不透明感のある状況であります。これらの情勢を背景に、企業業績に与える影響の大きい今後の為替相場の動向についても、対米ドル、対ユーロともに不透明感があります。IT市場を中心とする事業環境については、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術革新に伴う情報処理の低価格化、利用の容易化がさらに進んでいくことが見込まれております。

 

(3)目標とする経営指標

『Wacom Chapter3』策定時に設定した財務方針のガイドラインを2023年5月に以下のとおりアップデートしております。

①事業活動の効率性

2025年3月期のROIC(投下資本利益率)10%以上への回復を目安に事業を運営してまいります(修正前:25~30%程度)。

 

②資本の効率性

2025年3月期のROE(自己資本利益率)10~15%程度を想定しております(修正前:20%程度)。

 

③株主還元

配当支払については、適正な財務の健全性を確保することを前提にしつつ、連結ベースの配当性向が目安である30%程度を上回る場合でも、原則として安定的な1株当たりの配当額の維持を目指してまいります。

自己株式取得については、上記の資本の効率性を実現する観点から配当支払では賄えない部分について、投資機会や財務状況なども考慮の上、機動的に遂行してまいります。


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がワコムグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてワコムグループが判断したものであります。

 

(1)経営環境に関するリスク

①為替レートの変動

ワコムグループにおける製品の販売は、日本国内に関してはワコムで、海外に関しては大半を在外子会社で、また、製品の生産は、中国を中心とした外注製造会社にて行っております。決済通貨は米ドル、ユーロ、日本円等であり、そのうち米ドルによる決済額が最も大きくなっております。米ドルに関しては、主に中国からの製品購入と、アメリカ及びアジア・オセアニア地域への製品販売の決済額をバランスさせることを基本としておりますが、販売地域別の製品ラインの動向や為替変動などを総合的に勘案しつつ、為替リスクの回避に努めております。また、ユーロなどの米ドル以外の通貨に関しては、変動幅などを考慮しつつ、為替予約等の柔軟な運用により為替リスクの回避に努めております。しかしながら、為替に急激な変動がある場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業活動に関するリスク

①業績の季節的変動

ワコムグループは、過去からの販売動向として、年末商戦や国内における年度末需要などの影響により、下期に増加する傾向があり、製品投入の時期によって四半期の業績が変動する可能性があります。

また、直近において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行によりオンライン教育及びテレワークの普及に伴う需要が変化し販売動向に影響を及ぼすなど、新たな事象の発生が各期の業績に変動をもたらす可能性があります。

 

②市場環境の変化

ワコムグループは、世界各国で販売活動を行っていること、クリエイティブソリューションにおいてワコム製品がデザイン制作現場等のプロフェッショナルクリエイターに使用されていること、テクノロジーソリューション事業の主要顧客がスマートフォンメーカー、ノートPC・タブレットメーカーであること等から、世界各国の経済動向、グラフィックス業界の動向、PC市場動向等が業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ワコム製品は、Windows OSやMac OSに対応した製品を主力としており、製品構成上は、ハードウェアは共通であり、ドライバーソフトウェアのみが対応するOSによって異なっております。今後、ワコム製品が新規に登場又は普及するOSやCPU等の新しいプラットフォームへの対応に遅れた場合や、互換性確保に問題が起きた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、市場環境が著しく悪化した場合、棚卸資産評価損や固定資産に係る減損損失の計上により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、これらの問題に対処するため、中期経営方針『Wacom Chapter3』の推進の下、売上成長、粗利改善、市場構築のための諸施策をアップデートし、実行してまいります。

 

③海外進出及び国際的活動

ワコムグループは、国境・地域を越えた生産、販売等を行っているため、地政学的観点から地域紛争が発生する場合や現地の労使関係に問題が発生した場合などは、生産委託先による製品の製造や物流活動、当該地域のワコム子会社の販売活動等に支障を生じる可能性があります。その他、主要な海外市場における経済情勢の悪化、競争激化、移転価格税制等の国際税務リスクが発生した場合においても、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④特定の販売先への依存

ワコムグループの販売先は多岐にわたっておりますが、テクノロジーソリューション事業における主要販売先であるサムスングループへの売上高の割合は、連結売上高に対し、前連結会計年度は33.4%、当連結会計年度は39.7%であります。サムスングループへの売上高は、サムスングループ製品の需要動向の影響を間接的に受ける可能性があり、サムスングループの経営戦略の変更等が、ワコムグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、今後も引き続き、最適なソリューションの提供等による顧客満足の獲得に努め、顧客の多様化による当該リスクの最小化に努めてまいります。

 

⑤他社との競争

ワコムグループは、グローバル市場を指向した製品開発、マーケティングを基本戦略としておりますが、特定の地域に特化した競合メーカーが、地域内シェアの獲得のために極端な市場戦略をとったり、国内産業保護政策などを利用してワコムグループの参入を阻害する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、技術開発については、技術動向に留意し他社技術を積極的に評価しつつ、現行のペンやインクのデジタル技術に限定されずに進めていく必要がありますが、ワコムグループの技術が短期間で陳腐化したり、想定していなかった新たな入力手段が出現し、それが急速に普及した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、技術的環境が著しく悪化した場合、棚卸資産評価損や固定資産に係る減損損失の計上により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、引き続きテクノロジー・リーダーシップの推進により、ワコムグループの提供価値の源泉である技術革新に注力してまいります。

 

⑥外部企業への製造依存

生産委託先は、大量生産能力とコスト競争力に加えて、急速な需要変動に対応する供給力を備えており、ワコムグループの事業戦略において重要な位置を占めております。前述のとおり、中国を中心とした外注製造会社に生産を委託しているなか、米中貿易摩擦に対する関税リスク軽減策として、一部製品ラインの生産については中国以外の地域に移管するなど、コスト面にも配慮しつつ生産委託先の最適化・分散化を進めております。しかしながら、今後、生産委託先の経営上の問題、あるいは、生産委託先の工場において自然災害等の不慮の事故が発生し、製品の継続的生産が難しくなる場合、もしくは、生産委託先の工場を変更又は追加し、工場側の習熟に時間を要する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦基幹部品、部材の供給と価格

今後、プラスチックケースや汎用部品のコストが上昇したり、IC、プリント基板、液晶等の汎用基幹部品が不足する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ペンスイッチ用セラミック部品やカスタムICなどワコムグループ独自の基幹部品についても、自然災害等によりセラミックメーカーやICメーカーからの継続的供給に問題が発生するなど、供給体制に問題が生じる場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。ワコムグループは、基幹部品についてのセカンドソースの早期確保や代替部品の開発に努めておりますが、汎用部品に関しては、長期需要予測による早期部品手配などによりリスクとコストの削減を図る必要があります。なお、ワコムグループ又は生産委託先が調達する部品に含まれる重金属・プラスチック等の素材について、各国の法規制又はワコム製品の販売先の基準等により使用又は使用量の制限等に変更がある場合には、部品・設計の変更等が必要となり、製造コストや管理コストが上昇するなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、かかる部品を含む製品を販売した後に、これらの規制又は基準が変更された場合にも、製品の取替えが要求されるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。

直近においては、半導体を中心とした電子部品や材料の調達納期が長期化し、納期を守れないリスクが増大するなか、鍵となる主要部品に関して、在庫増加や長期供給契約のリスクを十分に勘案しつつ、先行手配と納期管理を強化しております。今後も、半導体製品の世界規模での争奪戦を予想し調達の確保に取り組んでまいります。

 

⑧製品の欠陥又は重大な品質問題

ワコムグループは、品質維持に万全を期しておりますが、製造物責任賠償や大規模なリコールにつながる欠陥が明らかとなった場合は、賠償金その他による多額のコスト負担はもとより、ワコムグループ及びワコム製品への信頼・評価に深刻な影響を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、これらの問題に対処するため、引き続き、生産委託先における生産状況の監視や、管理プロセス及び市場において発見された品質問題の共有データベースシステムの強化等に取り組んでまいります。

 

⑨人材の確保

ワコムグループは、企画、開発、設計、製造、販売、サービス等の各機能に必要な人材確保にグローバルで努めております。しかしながら労働市場における人材の獲得競争は激化しており、有能な人材の採用や雇用の継続が困難になった場合は、研究開発に十分な資源を投入できないことによる製品競争力の低下や労働力不足による製品の安定供給への支障など、結果としてワコムグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、その結果、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩情報セキュリティ

ワコムグループは、コンピューターウイルス等によるサイバー攻撃に対しての備えとして、IT環境の整備・強化や社員の情報リテラシー(情報活用能力)を高めるため定期的な教育等の対応を継続的に行っておりますが、想定外の攻撃によるリスクは残るものと考えております。そのため、外部からのサイバー攻撃やコンピューターウイルスの侵入等によるデータの棄損や漏洩を完全に防止できるものではなく、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、今後も引き続き、外部によるサイバーセキュリティ評価への対応、全社の情報区分・管理体制の構築、社内外に対する技術情報管理対応、全社トレーニングの改善、ローカルサーバーのクラウド移行の継続等に取り組んでまいります。

 

⑪自然災害と事故等

ワコムグループでは、自然災害・事故等の発生に備えたリスク管理を実施しておりますが、大地震等の大規模自然災害や火災等の突発的な事故が発生した場合には、製造設備の損害等によりサプライチェーン全体へ支障が生じるおそれがあり、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型の感染症等が拡大した場合も同様に、業績に影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行において、ワコムグループは、全世界的にテレワークの実施等柔軟な勤務体制を継続することで、コロナ禍後の新しい働き方の在り方を検討するとともに、従業員の安全を確保し、感染拡大防止に向けた社会的責任を果たしております。

 

(3)法的規制及び訴訟等に関するリスク

①知的財産権への抵触・侵害

ワコムグループは、新製品の開発・発売に際し、他社及び個人の特許権・商標権等への抵触・侵害が発生しないよう現地特許事務所等を利用して事前調査を行い、可能性が予見できる場合には回避策をとるなど、他社及び個人の知的財産権の侵害を未然に防止できるよう、万全の注意を払っております。しかしながら、各国の法制度の違いや、データベース調査の限界によって予見できない場合、さらにはワコム製品の発売後に権利化された場合には、特許権等に抵触するなどの可能性は完全に排除することはできません。そのような場合には、他社又は個人から特許権等の知的財産権の侵害としてクレームを受けたり、提訴される可能性があります。一方、他社から侵害があった場合も、クレームや訴訟等断固たる処置をとりますが、経過によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ワコムグループの特許権等の知的財産権の権利期間が満了したり、あるいは、特許訴訟や無効審判請求などによって特許権の権利範囲の変更や無効の判断が出された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

ワコムグループは、今後も引き続き、第三者の知的財産権に対する侵害の予防やワコムグループが保有する知的財産権の保護への対策を検討、実施してまいります。

 

②法的規制等

ワコム製品が販売されている各国においては、電磁波規制や安全規制、製造物責任(PL)関連法等が定められております。ワコムグループは、法規制の動向に留意し、製品・サービスの迅速な対応に努めておりますが、新規規制の制定や規制変更に関して十分な対応がとれない場合や、我が国又はワコム製品の生産委託先国において、輸出規制又は輸入規制の変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、関税などの監督当局による法令の解釈、規制、税率の変更などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③独占禁止法適用等

世界主要地域において、ワコムグループのペンタブレット市場シェア(※)がさらに拡大し、各国政府よりワコムグループが技術の発達や自由な競争を妨げ、市場の発展や顧客利益を損なっていると判断された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(※)株式会社BCN公表による「BCNランキング」(株式会社BCNとデータ提供契約を締結している全国の主要家電量販店やネットショップ等のPOSデータを集計)によれば、ペンタブレット部門におけるワコム製品の年間(2023年1月~12月)販売台数のシェアは95.9%となっております。世界シェアについては、公表されたデータがないため、記載しておりません。

 

④機密情報及び個人情報の管理

ワコムグループは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しておりますが、昨今、国内外においてはGDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)に代表される個人情報を主体とする各種情報の保護に対する法令の制定が進んでおり、その遵守のためのルール整備や情報システムの強化が求められております。ワコムグループにおいても、関係法令遵守のため、ワコムグループの個人情報保護方針を明示し、社内規程類の整備と運用及び社員への教育を行っておりますが、万一、不測の事態によってこれらの情報が漏洩した場合や、違反に対する当局からの制裁金や訴訟による損害賠償金等を支払うこととなった場合は、被害の規模により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

直近においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴うWEBセミナーの増加や、教育などの新規分野へのアプローチにより、個人情報の収集機会は増加しており、各国の法令に合わせたプライバシーポリシーの変更、CCPA対応、クッキー管理ツールの導入、プロジェクト支援等の対応を進めております。今後はさらに、各国毎のポリシーの整備継続、中国個人情報保護法への対応、越境データへの対応、社内トレーニングの実施等に取り組んでまいります。

 

⑤コンプライアンス

ワコムグループは、国内外で事業活動を行っており、また、関連する法令や規則は広範囲にわたっております。国内では、会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、知的財産法、情報管理・個人情報保護法、労働法、貿易・環境規制など、海外でもその地域における事業活動に関連する法令や規則を遵守することが求められております。

ワコムグループでは、コンプライアンス リスク コミッティや第三者が運営する内部通報制度であるWacom Speak-up Lineを設置し、コンプライアンス推進体制を確立しております。役員及び従業員に対しては、ワコム倫理・行動規範を社内ポータルサイトに掲示し、定期的なオンライン教育やセミナーを実施するなどして、コンプライアンスの全社的な徹底を図っております。

しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクを完全に取り除くことは困難であり、関連する法令や規則の義務を実行できない事態が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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