大同信号(6743)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


大同信号(6743)の株価チャート 大同信号(6743)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

大同信号グループは、大同信号及び連結子会社(大同電興㈱、大同信号電器㈱、大同信号化工㈱、大同テクノサービス㈱、㈱三工社)の計6社で構成されており、事業は、鉄道信号保安装置、産業用機器の製造販売を主にこれらに付帯する保守修繕等を行っているほか、鉄道信号保安装置の設置工事、金属表面処理及び金型の製造販売、不動産賃貸を行っております。

大同信号グループの事業における大同信号及び関係会社の位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

鉄道信号関連事業:

大同信号が鉄道信号保安装置の製造販売並びに設置工事をするほか、子会社㈱三工社及び子会社大同電興㈱においても販売並びに設置工事を行っております。鉄道信号保安装置部品の一部について子会社大同信号電器㈱に製造を委託しております。子会社大同テクノサービス㈱は、鉄道信号保安装置等の製造販売に対する業務受託業を行っております。

産業用機器関連事業:

 

大同信号が情報通信機器の製造販売をするほか、子会社㈱三工社は交通信号機器、鉄道車両用品及びガス検知器等の製造販売を、子会社大同信号化工㈱は可塑成形製品、金属表面処理及び金型の製造販売を行っております。

不動産関連事業:

大同信号及び子会社㈱三工社並びに子会社大同信号電器㈱が不動産の賃貸を行っております。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大同信号グループが判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

大同信号グループは、永年にわたり鉄道信号保安装置、踏切保安装置、運行管理システム等の製造・販売を中心に事業を展開してまいりました。鉄道をとりまく環境や関連技術が大きく変化する中、大同信号は一貫して高信頼・高品質な製品の提供と鉄道事業者のニーズに沿った製品開発を行い日本の鉄道の安全・安定輸送に貢献してきました。

核となる、具体的な大同信号グループの企業理念は次のとおりであります。

①安全で信頼性の高い製品と質の高いサービスを提供し、より快適な社会の実現に寄与する

②新技術に挑戦するとともに、会社の発展と社員の幸福を追求する

③健全な企業活動を通じて、社会に貢献し環境との調和を図る

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略 

長期にわたる新型コロナウイルスの影響等による国内市場の縮小や、国際情勢変動による海外市場の混乱等、鉄道信号業界は構造的な変化の様相を見せています。その一方で、この業界にも、GNSSの活用や自動運転等技術革新の波が押し寄せています。

このような中、大同信号は、10年後のあるべき姿を見据え、3ヶ年毎に中期経営計画を策定し、めまぐるしく変化する事業環境に対応しつつ、これまで培ってきた鉄道の安全・安心を実現する技術を基盤とし、さらなるデジタル化の推進やAI活用等新しい技術を取り入れた開発にも挑戦し、安全・快適で効率的な鉄道運行をグループ一丸となり支えるとともに、産業機器や民生品への応用展開にも努め、社会に貢献してまいります。

中期計画PLAN2023では持続的発展を遂げるための基礎固めに取り組んでまいりました。この2024年4月からスタートする新たな中期経営計画PLAN2026においては、これまでの経営施策の継続に加え、新規技術開発の比率を高めるとともに、施工・運用・保守の容易性等の顧客ニーズに沿った製品作りや海外プロジェクトへの参画を進めていきます。円相場の変動や不穏な海外情勢等未だ混沌とする国内外の情勢の中、「アフターコロナ期」の見通しも不透明感は否定できませんが、世界的規模における物流・人流の増加と地球環境の両方を考慮したとき、鉄道信号ビジネスの重要性はますます増大するものと考えます。大同信号は今回のPLAN2026、さらには次期のPLAN2029を経て当面の到達点と定めている2030年に向けて、 鉄道信号ビジネスを通じて社会に貢献してまいります

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①目標とする経営指標

受注高、営業利益、ROE(株主資本当期純利益率)を主な経営指標としております。

②会社の対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の指定感染症法上の扱いが変更される等、行動制約の緩和が進み、経済活動の正常化が期待される中、旅客需要の回復を背景に、鉄道業界においても設備投資や経費抑制に一部緩和が期待されます。さらに半導体を中心とする部品不足の長期化についても一部改善の兆しが見られます。このような中、売上と利益の確保の観点より、引き続き、中長期的な縮小環境下における市場の確保と新規獲得に努めながら、生産面の効率化・管理強化、経費節減に努めてまいります。

また、ビジネス基盤拡大の観点では、技術面で、汎用性のあるシステム開発や将来の信号システムに向けた各種開発着手、及び保有技術を用いた新ビジネスの提案を実施し、市場のニーズに対応してまいります。

海外市場につきましては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等、地政学リスクが高まっていますが、世界的情勢を見極めながら慎重かつ入念に準備を進めてまいります。

また、経営基盤の強化に関し、ROEやPBRをはじめとする経営指標を意識し、コストダウン等による利益率向上、政策保有株式の縮減等の財務体質強化、株主還元の充実を進めていきます。製品品質とコンプライアンスについては従来通りすべての基盤と位置付けているほか、コーポレートガバナンスコードで追加された「人的資本施策」についても適宜情報を開示していきます


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

(1) 製品に関するリスク

経営の最重要課題として製品の品質管理の徹底・品質の向上に取り組んでおります。大同信号グループの鉄道信号関連事業は、鉄道交通の安全・安心に係る事業であり、列車運行の安全を支える製品(ATC(自動列車制御装置)・運行管理システム等のシステム製品及びATS(自動列車停止装置)・集中監視装置・電子踏切装置・軌道回路・リレー等のフィールド製品)をお客様に提供するために、品質のさらなる向上と過去発生した不具合発生事象の再発防止を徹底しています。しかしながら、大同信号グループの取り組みの範囲を超える品質問題が発生した場合には、大同信号グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。

 

(2) 鉄道業界を取り巻く環境リスク

鉄道業界においては、新型コロナウイルスに起因する行動制限の解除により経済活動正常化の流れが継続する中で、リモートワーク等の定着、訪日外国人数の低迷等により落ち込んでいた鉄道利用者が、コロナ前の約9割程度まで回復しました。さらに、個人消費やインバウンド需要増加により、今後も堅調に推移するものと期待されます。これに伴い、これまで継続されてきた設備投資や経費の抑制についても一部緩和が期待されますが、長期的には、コロナ禍を契機に、鉄道事業者各社の構造改革への取り組みが進み、設備や業務のスリム化が進められることも予想され、今後とも、鉄道事業者の設備投資計画如何によっては、大同信号グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます

 

(3) 経営成績に重要な影響を与えるリスク

鉄道信号コア技術の堅持と新技術への挑戦に努めていますが、大同信号グループを取り巻く事業環境は、重電各社の参入等により競争が激化しており、経営成績に重要な影響を与えるリスクがあります。大同信号グループとしては、永年培ってきたユーザーとの信頼関係をベースに、お客様満足度の向上に注力するとともにきめ細かい営業活動の展開により受注の確保を図ってまいります。

また、大同信号製品の部材の多くは海外製品に依存しており、為替変動の影響を、調達先を通じたコスト増の形で受けることがあります。特に、原油高をはじめとする原材料費上昇や半導体を中心とする部品・素材不足の長期化等、取り巻く環境の厳しさが増すことも想定されますが、これまで以上に、生産体制の効率化等に取り組んでまいります。

 

(4) 天変地異等に関するリスク

製造リスクの分散の観点から、大同信号グループの製造拠点等は、東京・福島・山梨・盛岡に分散しています。しかしながら、地震や洪水、台風、火山噴火等の大規模自然災害やテロ等が発生した際は、生産能力の低下等が懸念され大同信号グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。

また、大同信号の海外事業に関しては、海外輸出先における政治的及び社会的要因、経済の動向等様々な要因により、事業開発に悪影響を受ける可能性があります。

加えて、グループ会社における火災被害の経験を踏まえ、再発防止の実施を進めるとともに、万一火災が発生した場合も被害の最小化に努めてまいりますが、被害規模によっては、大同信号グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクが考えられます。

 

(5) 将来に関する事項について

以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において大同信号グループが判断したものであります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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