タムラ製作所(6768)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】タムラ製作所グループは、タムラ製作所、子会社34社及び関連会社6社で構成され、電子部品、電子化学実装及び情報機器の製造販売を主な事業とし、更に各事業に関連する研究開発等の事業活動を展開しています。タムラ製作所グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる報告セグメントの区分と同一です。電子部品関連事業タムラ製作所が製造販売するほか、国内及び海外の製造子会社でも製造を行い、その製品をタムラ製作所が仕入れて販売するとともに、製造子会社から直接に海外の販売子会社に出荷し販売を行っています。<主な子会社>㈱若柳タムラ製作所台湾田村科技股份有限公司㈱会津タムラ製作所TAMURA CORPORATION OF KOREA田村香港有限公司TAMURA ELECTRONICS (M) SDN. BHD.田村電子(深圳)有限公司TAMURA CORPORATION (THAILAND) CO., LTD.田村電子(恵州)有限公司OP-SEED CO., (BD) LTD.田村(中国)企業管理有限公司TAMURA EUROPE LIMITED田村電子(蘇州)有限公司TAMURA CORPORATION OF AMERICA 電子化学実装関連事業タムラ製作所が製造販売するほか、海外の製造子会社でも製造を行い、その製品をタムラ製作所が仕入れて販売するとともに、製造子会社から直接に海外の販売子会社に出荷し販売を行っています。<主な子会社>田村香港有限公司TAMURA CHEMICAL KOREA CO., LTD.上海祥楽田村電化工業有限公司TAMURA CORPORATION SINGAPORE PTE. LTD.田村化研(東莞)有限公司TAMURA KAKEN (M) SDN. BHD.田村電子材料(天津)有限公司TAMURA CORPORATION (THAILAND) CO., LTD.田村自動化系統(蘇州)有限公司TAMURA CORPORATION VIETNAM CO., LTD.台湾田村科技股份有限公司TAMURA ELSOLD GmbHTAMURA CORPORATION OF KOREATAMURA KAKEN CORP., U.S.A. 情報機器関連事業タムラ製作所が国内の製造子会社に製造委託して、その製品をタムラ製作所が仕入れて販売しています。<主な子会社>㈱会津タムラ製作所 (注1)株式会社光波は2025年6月に株式会社ヨコオを承継会社として、ネットワークソリューション事業の会社分割及び親会社であるタムラ製作所へネットワークソリューション事業以外の全事業の事業譲渡を完了しました。(注2)タムラ製作所は2026年5月11日開催の取締役会において、田村汽車電子(佛山)有限公司の持分をすべて佛山市南海矽鋼鐡芯制造有限公司に譲渡(2026年6月30日予定)することを決議しました。(注3)タムラ製作所は2026年4月8日開催の取締役会において、情報機器関連事業および株式会社会津タムラ製作所を株式会社朋栄へ事業譲渡(2026年10月1日予定)することを決議しました。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針タムラグループは、コーポレートスローガンを「オンリーワン・カンパニーの実現を目指す」と掲げ、経営の基本方針を企業理念として以下のとおり定めています。MISSION私たちは、タムラグループの成長を支える全ての人々の幸せを育むため、世界のエレクトロニクス市場に高く評価される独自の製品・サービスをスピーディに提供してまいります。VISION① タムラグループは、世界的視野にたち、エレクトロニクス産業が求める事業を経営基盤とします。② タムラグループは、市場本位をつらぬき、世界のお客様が求める技術を事業基盤とします。③ タムラグループは、公正な視点で社員を評価し、努力によって成果をもたらす人を最も賞賛します。④ タムラグループは、国際社会の一員として行動し、各国の法規制を順守し文化・慣習を尊重します。⑤ タムラグループは、地球環境の保全に努め、資源の有効化と再資源化を推進します。GUIDELINE① 私たちは、パートナーシップを大切にする。② 私たちは、革新する勇気を大切にする。③ 私たちは、多彩な個性を大切にする。④ 私たちは、社会的な責任を大切にする。(2) 中長期の経営戦略タムラグループでは、上述の経営方針に基づき、長期ビジョンと中期経営計画を策定し事業戦略を展開しています。① 長期ビジョン世界のエレクトロニクス市場に高く評価される脱炭素社会実現のリーディングカンパニー② 第14次中期経営計画(2025年4月1日~2028年3月31日)タムラ製作所グループでは、2025年度より第14次中期経営計画「One TAMURA for Next 100」を始動しました。本中期計画は、事業戦略・財務戦略・サステナビリティ戦略の一体推進で、ターゲットとする2027年度にROE8%以上・PBR1倍以上を目指します。中期計画初年度となる2025年度は、事業ポートフォリオ見直しおよび構造改革として、光波ネットワークソリューション事業の譲渡、情報機器関連事業の譲渡決定、中国事業の再編、転身支援制度特別措置などを行いました。また、成長基盤の強化として、先端パワーエレクトロニクス技術研究所設立、モジュール製品の国内生産開始、電子化学事業製造棟新設などを進めました。株主還元向上施策としては、自己株式取得および増配を実施しました。(第14次中期経営計画の概要) (第14次中期経営計画進捗) (基準年)2025年3月期(初年度実績)2026年3月期(中期計画)2028年3月期ROE4.6%△2.2%8%以上営業利益率4.6%4.3%7%以上ROIC4.8%3.6%6%以上PBR0.65倍0.76倍1倍以上 中期計画第2年度は、構造改善の成果を収益化し、V字回復、成長フェーズへと移行する1年と位置付けています。2025年度の売上高は1,236億円と過去最高を更新し、営業利益も53億円と過去最高に迫るものでしたが、親会社株主に帰属する当期純損失14億円を計上しました。これは、今後の資本効率向上を優先し、構造改革に関わる措置を先行して講じた戦略的意思決定の結果です。中期計画第2年度からは、初年度で整備された基盤の上で、構造改革により生み出された経営資源を成長領域に再配分し、高収益な市場で圧倒的な成長を実現する事業ポートフォリオへの転換を目指します。ターゲットの一つが、北米を中心とするAIデータセンター市場です。メキシコ工場の大型トランス・リアクタ生産能力拡張、高電圧化に関して優れた技術を有する欧州企業との業務提携などにより、更なる高みを目指します。中長期を見据えた研究開発としては、次世代パワー半導体向け受動部品の開発を強化します。長年培ってきた高周波・高耐圧技術をベースに、独自素材からの一貫体制による垂直統合モデルによって競争優位性を築き、新たな高付加価値製品群のラインナップ拡充を目指します。また、PBR1倍超の経営体制を恒久的なものにするためには、事業戦略のみならず、財務戦略・サステナビリティ戦略との一体で、市場の信頼に応えることが不可欠です。財務戦略では、2026年10月に予定している情報機器関連事業の譲渡や、中国拠点最大3割削減をはじめとする国内外再編施策などの完遂とともに、営業キャッシュフローの確実な創出を軸に、資産効率改善と財務レバレッジを活用して、成長投資の強化と、中期計画で目指すDOE(株主資本配当率)3%を目途とした安定的な株主還元の実現につなげます。サステナビリティ戦略では、コーポレートガバナンスに関して2025年6月より社外取締役が半数以上を構成するモニタリングボードへ移行しました。取締役会の監督機能強化と執行役員会への権限移譲により、経営の透明性と意思決定迅速化の両立を図ります。(サステナビリティ戦略)マテリアリティ大分類マテリアリティ中分類KPI2028年3月期 目標成長戦略の推進脱炭素社会実現への貢献GHG(Scope 1&2)削減率25%以上削減*再生可能エネルギー調達比率35%以上注力市場売上比率36%働きがいの追求グローバルエンゲージメントスコア毎年3pt改善経営基盤の強化コーポレートガバナンスの強化取締役会実効性評価の継続的実施実効性の改善グループ管理職対象コンプライアンス研修受講率100%全社的リスクマネジメントの強化リスク管理委員会による安定したPDCA実効性の改善情報開示リスク開示の充実品質重視の文化醸成顧客満足度前年比改善*2021年度比第14次中期経営計画の折り返し地点である2026年度はこれらの対処すべき課題に着実に取り組み、2027年度の中期計画目標達成を目指してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】タムラグループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、経営成績、財務状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクに適切に対応すべく、グループリスクマネジメント(ERM)体制を整備しています。また、その一環として、リスク管理・危機管理規程の制定に加え、取締役会の監督のもと執行役員会を中心にリスクへの対応方針を決定し、さらに執行役員会をサポートし、そのマネジメント活動を推進するために、リスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、執行役員会メンバーで構成されています。リスクマネジメントのプロセスは以下の表に示すとおりです。グループリスクマネジメント(ERM)プロセスステップ担当内容リスクアセスメント(年1回)リスク管理委員会タムラグループを取り巻く潜在リスクを抽出し、発生可能性と影響度、現状対応度の3つの視点で評価し、優先して取り組むべきリスク、部門横断的に対応が必要なリスクを、重要リスク案として特定する。リスクオーナーを決定し、対策案を策定する。重要リスク案と対策案の検討執行役員会リスク管理委員会で特定した重要リスク案とその対策案を審議し、取締役会に上程する。承認取締役会重要リスクとその対策を承認する。対策実施執行役員会執行部門執行役員会から執行部門に対し、対策実行を指示し、執行部門で実行する。進捗確認(年2回)リスク管理委員会執行部門の対策進捗状況を確認し、執行役員会に報告する。進捗確認・是正執行役員会執行部門の対策進捗を確認し、必要に応じ是正対策を指示する。結果を取締役会に報告する。進捗確認取締役会リスクマネジメントの進捗を監督する。 また、リスクが顕在化した場合またはその恐れがある場合に、経営陣に対し迅速に情報を伝達し、対応する仕組みとして、アラームエスカレーションWeb報告システムをグループで運用しています。特に、重大な危機が発生した場合には、危機管理対策本部を設置し、社長が直接指揮を執るなど、グループに対する損失を最小限にとどめる体制を構築しています。タムラグループのリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、タムラ製作所が判断したものです。事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。関連する記述は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 a.会社の機関の内容および内部統制システムの整備の状況」をご参照ください。(1) 事業環境に関するリスクタムラグループは、脱炭素社会の実現に向け拡大するクリーンエネルギー関連市場を注力市場としていますが、この市場には、コア事業である電子部品・電子化学材料の幅広い製品が関わり、タムラグループでは中長期的な成長を目指して開発投資や設備投資を進めてきました。しかし、当該分野は各国の経済環境や政策の動向に加え、最終顧客の販売戦略や競争力の影響を受けます。このような事業環境の変動は、タムラグループ製品の需要に変化をもたらし、その結果タムラグループ製品の需要拡大が進まない場合には、設備投資の回収が遅れるなど、タムラグループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。タムラグループでは、市場のニーズを常に見極め、時代の変化を先取りした製品・サービスを提供し、注力市場に経営資源を集中すべく事業ポートフォリオを間断なく見直すことで、リスクの回避と成長戦略の推進に努めています。(2) 素材価格に関するリスク電子部品関連事業における銅や鉄、電子化学実装関連事業における錫や石油化学製品等の素材価格の変動は、利益に対して影響を与えるリスクがあります。主要な素材については、定期的な相場連動による価格改定により価格変動の影響を吸収できるように対策していますが、素材価格が急激に変動し価格改定が追い付かないような場合は、企業収益を圧迫する可能性があります。タムラグループでは、価格改定に加えて、設計変更による材料比率の低減や代替部材の開発、予約購入によるリスクヘッジなどを継続して実施することで、素材価格の変動による影響の低減を総合的に進めています。(3) 海外展開におけるリスクタムラグループは、中国に多くの生産・販売拠点を有しています。競争力のある製品の製造と中国市場の展開のためにその重要性は変わりませんが、世界の経済圏の分断が進む中、各国の政策動向によっては、特定の国で製造した製品の輸出入が困難になる、または高い関税がかけられ競争力を失うなど、事業活動に悪影響が生じる可能性があります。このようなリスクに対し、タムラグループは、中国拠点の見直しと同時に、欧米やアジアにおける拠点整備を推進しています。環境変化に応じてスピーディに生産販売ロケーションを見直すことで、地域毎の対応力を高める取組みを進めています。(4) 自然災害、地政学、経済安全保障等の問題による緊急事態に対するリスクタムラグループの本社は東京にあり、日本国内では埼玉県および東北地方に製造拠点を有しています。日本の生産高はグループ全体の3割程度ですが、電子化学事業では、日本の製造拠点が生産した材料を部材として使用する海外拠点もあり、日本の拠点所在地で大地震などの自然災害が発生した場合には、建物や機械設備、棚卸資産の被害に加え、日本のみならず海外拠点の生産活動に影響を及ぼす可能性があります。また、タムラグループは、日本の他にも、中国を含むアジアや欧米などの世界各地で事業活動を行っており、サプライチェーンも世界各地に広がっています。これらの国や地域における自然災害、感染症、戦争、暴動等を含め、政治的・社会的・経済的要因により、事業活動の停止や遅延が生じる可能性があります。タムラグループでは、これらのリスクを想定し、緊急事態対策構築ガイドラインを整備して、販売・生産体制をグローバルに連携し、事業継続できるように対策しています。また、緊急事態に備えた事前準備計画の策定、緊急事態発生時の出張者を含めた社員安否確認システムの構築と初動対応計画の策定、事業復旧計画の策定など、事業継続の取組みを行っています。(5) 自国以外の赴任者・出張者におけるリスク自然災害や、政情不安、戦争・テロなどが発生した場合、その国に滞在している赴任者や一時的な出張者が、けがや死亡など、大きな危険にさらされる恐れがあります。さらに状況に応じ、安全な場所への移動や国外退避なども必要になります。これらの事態に対するリスク管理として、タムラグループのすべての拠点を対象とした、自国以外の国への赴任者や出張者の安全管理に取り組んでいます。問題が発生する前の平時サポート、問題発生の恐れがある場合の警戒時サポート、そして実際に問題が発生した場合の緊急対応サポートに分けての対応を検討しています。(6) 製品やサービスの品質不良に起因する補償に関するリスク大規模な製品補償や製造物責任賠償につながるような製品やサービスの欠陥は、会社の評価に重大な影響を与え、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対策として、製造物責任賠償保険に加入していますが、保険で賠償額を十分にカバーできる保証はありません。これに対して、タムラグループでは、品質方針の周知徹底と顧客満足度の追求による品質第一の文化の醸成、製品不具合再発防止策の強化、不良発生原因の上位概念化による異なる製造工程への不良事例の水平展開、タムラグループ内における品質指標の標準化、国際的な品質マネジメント規格の技法を活用した品質保証プロセスの改善などにより、品質保証を強化する取組みを進めています。(7) 知的財産権に関するリスクタムラグループは、独自に開発した設計・製造工程に関する技術および製品などの特許権やその他の知的財産権を所有しています。これら知的財産保護のための様々な取組みを行っていますが、完全な保護は難しく、想定している効果を得られない可能性があります。また、タムラグループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っていますが、全ての知的財産権を完全に調査完了することは、時間・コスト・技術的観点を考慮すると困難であり、さらに、知的財産権者が自己の権利をどのように解釈し、どの範囲まで権利行使手続きを行うかを予想することは極めて困難です。万一、タムラグループの製品が第三者の知的財産権に近似する場合には、当該第三者より損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があり、その結果、和解やライセンス契約の締結、または多額の損害賠償金の支払いが必要となる可能性や、タムラグループの製品やサービスの一部の製造販売などができなくなる可能性があります。(8) 情報セキュリティに関するリスクタムラグループに対し、サイバー攻撃やコンピュータウイルスの侵入などがあった場合には、機密情報の外部流出、身代金目的でのデータ暗号化などのリスクが顕在化し、その対応費用の増加や、信用低下による売上減少などにより、タムラグループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客からの情報セキュリティ水準の強化の要請に対応できない場合は、事業機会を逸する可能性もあります。これに対して、タムラグループは、機密情報の適切な保護および管理をより強固にするために、情報セキュリティ方針と情報セキュリティ管理規程に基づき、情報セキュリティ管理体制を見直し、PDCAを回すリスクマネジメントに取り組んでいます。また、情報セキュリティにおける重点施策として、サイバー攻撃や情報漏洩などに備えたネットワークへのセキュリティ対策、データへのアクセス制御、外部記憶装置の使用制限などの技術的安全管理措置に加え、不正な侵入の防止を目的としたIDカード認証システムの導入などの物理的安全管理措置および、従業員に対する適正な情報の取扱いに関する教育等を実施しています。また、情報セキュリティについて第三者によるアセスメントを定期的に実施して、継続的な改善に取り組んでいます。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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