池上通信機グループは、池上通信機および子会社5社から構成されており、情報通信機器の開発、生産、販売、サービスにわたる事業活動を展開しています。
池上通信機グループの事業に係る位置付けは次のとおりです。
池上通信機が情報通信機器の開発、生産ならびに北米・中南米、欧州・中東・アフリカ、西アジア・東南アジア・大洋州地域を除いた販売、サービス活動を行っています。
㈱テクノイケガミでは池上通信機が生産した情報通信機器の修理・サービスの一部を行うとともに、池上通信機プロダクト
センターの製品の一部を生産しています。
連結子会社であるIkegami Electronics(U.S.A.),Inc.(米国)では、北米・中南米地域で、Ikegami Electronics(Europe)GmbH(ドイツ)では、欧州・中東・アフリカ地域で池上通信機製品の販売、サービス活動を行っています。
また、非連結子会社であるIkegami Electronics Asia Pacific Pte.Ltd.(シンガポール)では、西アジア・東南アジア・大洋州地域を対象として、池上通信機製品の販売、サービス活動を行っています。
事業の系統図は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、池上通信機グループが判断したものです。
池上通信機グループは、社会における池上通信機グループの存在意義(パーパス)を『「技術」のチカラで、あなたをしあわせに。』と定め、「卓越した技術と匠の技で社会が求める新たな価値を創造し、持続可能な社会インフラ構築の一翼を担い、広く世の中に貢献し、社会から必要とされる企業であり続ける。」ことを目指して参ります。
そして、創業理念「技術の向上、開発へのたゆまざる意欲と不屈の精神を支えとし、使って喜ばれる製品を作り出し、世の中に寄与してゆく。その実現に向け、常に努力し、責任を以て事に当たる社員を育てる。」をベースに、以下の4つの経営ビジョンを基本方針として定めています。
・絶え間ない技術の研鑽に努め、時代を先取りした技術革新に果敢に挑戦し続け、技術優位性の確立により、「Ikegami Way」を追求してゆく
・「Ikegami Way」の追求により、顧客ニーズを逸早く具現化し、常に顧客満足と社会の信頼と期待に応え、安定した経営基盤の構築を図る
・その対価を、全てのステークホルダーへの確実なる還元と将来への成長投資の原資とすべく好循環サイクルを確立し、進化させ続け、グローバル企業として成長・発展し、グローバルでの社会貢献を目指す
・その実現に携わる全ての人々が生き甲斐と働き甲斐を見出すことのできる企業であり続ける
池上通信機を取り巻く事業環境は、サプライチェーンの混乱による影響が徐々に緩和され安定的な調達が可能になりつつありますが、一部部材において原材料価格の高止まりや長納期化が続いております。
また、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れリスクと併せ、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響が存在する先行き不透明な状況となっております。
こうした状況のなか池上通信機グループは、「中期経営計画(2023-2025)」に基づいた事業戦略の実行によりさらなる業績の向上を目指すとともに、ESG経営の推進により企業価値の向上と持続的な成長・発展に努めて参ります。
放送システム事業につきましては、IP対応製品の開発強化や4Kカメラシステムおよび本年7月に出荷開始予定のHDカメラの新製品「HDK-X500」の販売促進により、事業の安定化と収益性の向上を図って参ります。
産業システム事業につきましては、セキュリティー事業では防衛省をはじめとした公共性の高い官公庁・鉄道市場等を最注力市場と位置づけ売上規模を拡大、メディカル事業では引き続き海外を中心とした内視鏡および顕微鏡用カメラの新規OEM顧客の獲得や昨年度期中に販売を開始した新製品のカメラ「MKC-X300/X200」の更なる拡販、検査装置事業での医薬市場のシェア拡大と産業市場の売上規模拡大により、産業システム事業の成長・拡大を目指して参ります。
2025年3月期の通期連結業績の目標とする経営指標は、現時点において以下のとおりです。
(単位:百万円)
注意事項
上記の業績見通しは、池上通信機グループが現時点で合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は重要なリスク要因や不確実な要素等により異なる可能性があります。
池上通信機グループを取り巻く事業環境は、中長期の視点では国内外での4Kシステムの需要増加と、放送技術の高度化に伴う設備投資、更には高精細を目指した8Kシステムへの期待、安心・安全の確保によるセキュリティー需要、医療用映像機器の高画質、高精細化需要、品質、安全性の確保による検査工程の自動化要求等が高まっていくことが見込まれます。
こうした環境の中、池上通信機グループは、4つの経営の基本方針に基づき、2023年5月25日に公表した新3カ年中期経営計画2023-2025の実現へ向けて取り組んで参ります。
池上通信機グループは、昨年の5月25日に2025年度(第85期)を最終年度とする「中期経営計画2023-2025」を発表いたしました。本中期経営計画に掲げた目標を確実に達成することで対処すべき課題を解決し、更なる事業の発展と企業価値の向上を目指して参ります。
【中期経営計画2023-2025】
◆基本方針
□ 産業システム事業(※1)の注力事業領域への拡大戦略と放送システム事業の事業安定化戦略を推進し、更な る売上高の拡大と利益の増出を目指す
※1 MS(メディカルソリューション)事業
IS(インスペクションソリューション)事業
SS(セキュリティーソリューション)事業
□ コア技術の進化と深耕、外部リソースの有効活用・アライアンス、更にはM&Aも視野に、既存事業の バリューアップと事業領域の更なる拡大を推進する
□ ESG経営の推進により、企業価値の向上と持続的な成長・発展を追求する
□ 収益力強化のための人材・成長事業への積極的な投資をする
中期経営計画の初年度となる2024年3月期は、成長事業として位置づけているMS(メディカルソリューション)事業において、収益性の高い納入案件が増加したことなどにより、売上総利益が年度を通じて大幅に改善され、各段階利益は期初の業績予想を上回る結果となりました。
また、収益力強化のために以下の投資を実施いたしました。
・メディカル製品の増産体制の構築と生産性向上を目的に、2024年5月にプロダクトセンター(宇都宮)内にて、 クリーンルームの増床工事を実施いたしました。
・2024年1月に大阪支店内に検査装置のショールームをオープン。IS(インスペクションソリューション)事業の強化・拡大と西日本地区でのさらなる拡販を目指すため、錠剤検査装置のフラッグシップモデルである「TIE-10000」を設置いたしました。
これにより、東日本と西日本の2か所にデモ機が常設され、より多くのお客様に実際の装置に触れ、ご評価頂くことが可能となりました。
◆成長戦略
□ 産業システム事業
・MS(メディカルソリューション事業)
画像処理技術の高度化や差異化機能開発により、医療用カメラの更なる更新需要促進と新たな需要喚起を図る。また、既存の硬性鏡カメラ、顕微鏡カメラ以外の新領域カメラ技術へのチャレンジにより新たな医療分野への参入を推進する。
・IS(インスペクションソリューション事業)
医薬市場のシェア拡大と新分野への挑戦にて産業市場を成長路線に乗せ、事業拡大を目指す。
・SS(セキュリティーソリューション事業)
高収益市場である「安全保障(防衛・公共)」「安心安全(鉄道・流通)」「環境(プラント)」への注力とOEM展開による安定した売上高規模・利益体質の構築に取り組む。
□ 放送システム事業
・IP対応製品の開発を強化するとともに、次世代新技術の習得・活用により高度なトータルシステムソリューションの提案強化に取り組むことで、お客様の更新需要を確実に取り込み、全社の基盤事業として事業の安定化を確立する。
・海外市場においては、エリアマーケティング戦略を強化・推進し、次世代4Kカメラシステムの販売促進により、シェア拡大と事業の安定化を図る。
◆財務戦略
□財務体質強化
・「部材入手難における早期部材発注・計画生産推進」に対応した、円滑な資金調達と資金管理
・DEレシオによる有利子負債残高管理と財務コストの圧縮
□利益増出構造の構築
・全社大での徹底した変動費の削減
・DX推進による業務効率化の推進
□安定した株主還元
・収益の状況や経営環境に対応した安定配当の継続を基本とし、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるた
めの内部留保の充実等を勘案し、配当を行うことを基本とする。
引き続き、財務戦略の推進により、財務体質の強化と安定的に利益を増出するための企業体質強化を積極的に推進して参ります。
また、株主還元方針のもと、中長期的な安定配当を維持・継続するとともに、池上通信機グループの業績状況および人的資本投資やM&A等の成長投資等を総合的に勘案したうえでの自社株買い等の資本政策を検討して参ります。
◆非財務戦略
□人的資本の強化
・ 中長期的な人員採用戦略/ジョブローテーションによる人財多能化の推進
・ 女性活躍の更なる推進(継続就業支援、役職者への登用)
※2028年3月期の女性社員比率の目標:25%
・ シニア人財の活用と働きがいのある職場・しくみ(制度)の整備
□知的資本の強化
・ 注力事業領域にフォーカスした知的財産戦略の推進
・ 外部技術教育環境の活用と奨励制度によるプロとしての自己研鑽の推進
□環境への取り組み
・ 省電力設備への入替による電気使用量の削減と、再生可能エネルギー利用への移行によるCO2排出量削減
(scope2)
・ 業務用車両の保有台数削減、およびHV/EV車両への入替(scope1)
・ 開発における環境負荷の軽減対応、開発製品の省電力化、リユースの促進
池上通信機グループでは、人的資本強化の一環として、女性活躍の更なる推進を図っています。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針のなかで、女性社員比率の目標として2028年3月期に25%を掲げています。2024年3月末現在で女性社員比率は前年の19%から21%となりました。
また、知的資本の強化として、従事業務、職務に直接必要な資格および知見の獲得による業務品質の向上等を期待できる資格の取得を奨励し、会社業務の水準の向上・従業員自らの主体的かつ継続的な学びの支援を通じ、従業員の成長促進による人的資本向上に資することを目的として、2024年4月1日付で、あらたに「資格取得奨励制度」を導入いたしました。
池上通信機グループは、東京証券取引所より要請があった「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、2023年12月14日に、池上通信機グループの現状分析に基づき、ROEおよびPBRの向上を目指すべく、改善に向けた方針・目標、および具体的な取組みを公表しております。
今後の持続的成長と中長期的な企業価値向上を図るために、「中期経営計画2023-2025」を着実に確実に実行し、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を推進して参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において池上通信機グループが判断したものです。
(1) 事業等のリスク
① 国際情勢について
池上通信機グループは国内のみならず米国、欧州、アジア、中近東、ロシア等の地域で商品を供給しています。従って、これらの国または地域の経済状況や地政学的要因、法的規制等により池上通信機グループの販売活動に影響を及ぼす可能性があります。特に、ウクライナ情勢の長期化や、中東地域の混迷などにより、資源価格をはじめとした過度の物価上昇によるインフレが世界経済への悪影響を及ぼした場合、池上通信機グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。池上通信機グループでは、こうしたリスクが顕在化した場合、その影響を最小限に留めるため、米国、ドイツ、シンガポールの現地法人との連携を密にし、各地域の情勢を的確に把握するとともに、サプライチェーンの強化を図って参ります。また、国際情勢の変化に伴う為替相場の変動リスクにも備え、為替予約等によりリスクの最小化に努めて参ります。
② 災害・事故について
池上通信機グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生に配慮するとともに、環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得し、地球環境に配慮した生産活動に努めております。また、首都圏における大規模地震の発生などにより本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための震災マニュアルも策定しています。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備の被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで、池上通信機グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 品質リスク
① 品質について
池上通信機グループは設計から製造・検査に至るまで、製品の品質および安全性には細心の注意を払っています。しかしながら、製品の品質面でのリスクを全て排除するのは不可能であり、製造物責任(PL)問題を提起される可能性があります。また、その他にも製品の不具合による賠償など品質や安全面での問題を提起される可能性も考えられ、池上通信機グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。池上通信機グループは、こうしたリスクに備え、製品の設計段階からデザインレビューを実施するともに、製品化の前段階での品質、性能評価試験を徹底しています。また、製品として出荷前に品質管理部門での出荷前テストを綿密に実施しています。
② 製品開発について
池上通信機グループは、国内外の市場へ向けた新製品、新技術の開発を進めておりますが、各事業において、市場で競合する各社との競争の激化により、製品競争力が相対的に低下し、池上通信機グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。池上通信機グループは、こうしたリスクが発生しないよう、常に次世代技術の習得・獲得・活用に注力し、各事業において市場でのマーケティング戦略の立案・実行による製品開発へのフィードバックを徹底します。
(3) コンプライアンス・リスク
池上通信機グループは、事業の遂行にあたって、国内はもとより、事業を展開する各国において、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受けたりお客様からの信頼を失ったりする可能性があります。池上通信機グループでは、コンプライアンスの取り組みを横断的に統括するRC委員会を設置し、具体的な計画を策定、実行することで、リスクの未然防止に努めています。また、リスクマネジメントやコンプライアンスに関する研修を通じ、従業員へ法令順守の意識醸成と徹底を推進し、違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
(4) 財務制限条項に関するリスク
池上通信機グループは、資金需要に対する機動性と安定性の確保および資金効率向上を図ることを目的に、取引銀行3 行とコミットメントライン契約等を締結しています。これらには純資産の減少および経常損失の計上に関する財務制限条項が付されています。これに抵触し、借入先の請求に基づき借入金の返済を求められた場合、池上通信機グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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