古野電気(6814)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


古野電気(6814)の株価チャート 古野電気(6814)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

古野電気グループは、古野電気、連結子会社36社、非連結子会社1社及び関連会社1社で構成されており、超音波及び電磁波を中心としたセンサー技術をもとに、舶用電子機器及び産業用電子機器の製造販売を主たる事業としております。

古野電気グループの主な事業の内容と、古野電気及び関係会社の位置づけは次のとおりであります。

なお、以下の事業区分はセグメントの区分と同一であります。

 

舶用事業

主要な製品は航海機器、漁労機器及び無線通信装置等であります。

古野電気が製造・販売するほか、FURUNO FINLAND OY、ELECTRONIC NAVIGATION LIMITED及び古野香港有限公司が製造しており、主にFURUNO U.S.A.,INC.、FURUNO(UK)LTD.、FURUNO DANMARK A/S、FURUNO NORGE A/S、FURUNO FRANCE S.A.S.、FURUNO ESPAÑA S.A.、FURUNO DEUTSCHLAND GmbH、FURUNO HELLAS S.A.、FURUNO SINGAPORE PTE LTD及びFURUNO CHINA CO., LIMITED等が販売しております。

 

産業用事業

主要な製品は、医療機器、ITS機器、GPS機器及び航空機用電子装置等であります。

古野電気及び孚諾科技(大連)有限公司が製造・販売しております。

 

無線LAN・ハンディターミナル事業

㈱フルノシステムズが主に無線LANアクセスポイント、ハンディターミナル等の製造・販売をしております。

 

その他

主に、ラボテック・インターナショナル㈱が電磁環境試験事業を行っております。

 

事業の系統図



有価証券報告書(2024年2月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、古野電気グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

古野電気グループは、「会社存立の原点は社会の役に立つことである」「経営は創造である」「社員の幸福は会社の発展と共にある」との経営理念を掲げております。また、古野電気グループ社員の行動指針は、「未来に向かう」「最良に挑む」「独創を貫く」「率直を好む」を謳っております。今後も、これらを普遍的な価値観として尊重しつつ、2018年12月に迎えた創立70周年を機に、2030年までに目指す姿を示す新たな経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」を策定しました。

古野電気グループは、2030年までの目指す姿を「事業ビジョン」と「人財・企業風土ビジョン」で構成する新たな経営ビジョンとして明示し、その実現に向けた諸活動を展開することを通じて、顧客提供価値と企業価値の両面を持続的かつ発展的に高める方針です。

 

「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」の概要は、次のとおりです。

 

① 事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」

この事業ビジョンは、「古野電気グループのすべての事業は、海でも陸でも、安全安心かつ快適であることを前提に、人と環境に優しい社会や航海の実現を目指す」という、“わたしたちが最も優先する価値”を表現しています。これまで古野電気グループが事業活動で重視してきた「安全安心」「環境」という提供価値を、「安全安心」と「快適」、「環境」と「人」の視点へ拡大することで、既存事業での顧客提供価値の拡充や周辺領域での新規事業育成を推進するための新たな道しるべとします。

古野電気グループは、世界初の魚群探知機実用化を成し遂げた1948年の創立当時から現在に至るまで、「事業を通じた社会的課題の解決」を果たすべき使命としてまいりました。一方で、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の考え方が国際社会の共通認識となる中、企業が事業活動を通じてその実現に貢献することが求められております。古野電気グループは今後も、創立当初からの価値観を大切に受け継ぎながら、企業運営並びに事業活動の基本方針の中にSDGsを積極的に取り入れることにします。

 

② 人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」

企業運営における重要な経営資源である人財と企業風土については、経営理念並びに行動指針を普遍的な価値観として尊重した上で、事業ビジョンの実現に向けて重点的に強化・評価する基軸として「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を謳い、3つのポイントを定めました。

 

(VALUE)さらなる価値共創への挑戦

わたしたちはビジョンを深く理解し、高い自律性を持って行動していくことで、社会へのさらなる価値を、古野電気グループに関わるすべてのステークホルダーと「共に」創り上げていきます。

 

(GLOBALIZATION)グローバリゼーションの浸透

わたしたちはグローバルマインドセットを醸成し、ビジョン実現に向けて、社内外の資源を所属、地域、国等の属性に依らず最適かつ最大限に活用いたします。

※グローバルマインドセット:異なる文化・習慣・価値観を持つ人たちやグループに対して影響を与えることを可能とする思考を意味しています。

 

(SPEED)迅速かつ柔軟な判断と行動

 わたしたちは変化することに躊躇せず、新しい時代を創り続けることを目指します。

 

 

古野電気グループは、創立から間もない1955年に「世界のフルノ」を宣言し、海外展開を加速してまいりました。現在では連結売上高のうち海外売上比率が6割を超え、世界80カ国以上に開発・生産・販売・サービス拠点を有するようになりました。今後は、顧客提供価値と企業価値の最大化を目標に、事業と市場の特性に応じて古野電気グループの人財と組織機能をグローバリゼーションの観点からより有機的に活用するとともに、顧客や取引先との連携を積極的に推進することで名実ともに「世界のフルノ」となることを目指します。

 

「FURUNO GLOBAL VISION “NAVI NEXT 2030”」の実現は、次の3つのフェーズに分けて段階的かつ速やかに挑む方針です。

  フェーズ1・・・変える

 事業の体質改善による資源の捻出・体力強化のフェーズ(2021年2月期~2023年2月期)

  フェーズ2・・・つなぐ

 技術と事業の柱・収益構造の構築に向けた行動のフェーズ(2024年2月期~2026年2月期)

  フェーズ3・・・変わる

 あるべき企業規模・収益性・事業構造を実現するフェーズ(2027年2月期~2031年2月期)

 

これらすべてのフェーズが完結する2030年度の成長目標は、連結売上高1,200億円、営業利益率10%、新規事業構成比率30%です。

 

(2)中期経営計画及び目標とする経営指標

古野電気グループは、2023年2月に、2024年2月期から2026年2月期までの3年間を対象期間として、フェーズ2となる中期経営計画を策定いたしました。フェーズ2では利益水準向上の取り組みとして、体質改善・体力強化によるコストダウンに加え、売上規模拡大による利益の確保も進めてまいります。また将来成長に向けた投資を推し進め、企業価値を向上させてまいります。経営指標としては利益の確保に加え、資本効率の観点から、自己資本経常利益率向上※による企業価値の増大に努めてまいります。また、株主還元に当たっては連結配当性向を重要な経営指標としております。最終年度にあたる2026年2月期には、自己資本経常利益率10%以上を計上し、配当性向30%以上を安定的に実現できる経営基盤を構築いたします。

※2010年2月期から2018年2月期の平均自己資本経常利益率は6%

 

主な基本施策

① 利益水準の向上

体質改善・体力強化による収益性改善に焦点をあてたフェーズ1の取り組み(品質水準向上、在庫適正化、商品開発機能・総合モノづくり機能の最適化)の継続及び強化(水平展開による対象範囲拡大)によるコストダウンを目指します。

 

② 売上規模の拡大

将来成長への投資を進めていく更なる原資獲得に向け、リモート管理による高品質なサービスの提供、舶用Digitalization等を中心とした舶用DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、成長期待事業へのリソース投下等を推し進め、売上規模の拡大を目指します。

 

③ サステナブル経営の実行

未来に向けた将来事業の道標となる長期方針を表明し、戦略的な投資枠を活用した事業創出の強化、新規事業・領域拡大事業の早期事業化、人財投資、ダイバーシティ等を推し進め、サステナブル経営の実現を目指します。

 

 

個別事業戦略

(舶用事業)

新造船竣工時から保守メンテナンス、機器換装に至るまで、船のライフサイクルを通して顧客に寄り添う「ライフサイクルサポート」を舶用事業の共通理念とし、市場及び地域別の戦略・戦術によるグローバルな販売・サービスを推し進めます。また新規取り組み分野における売上の拡大と舶用DXの推進を加速させます。

 

① グローバルに展開する販売体制を最適化しつつ、市場に近い現場での製品・ソリューション開発を強化することで新たなグローバル戦略の進化を図ります。

 

② サービス品質の更なる向上とともに、予兆サービス及びリモートメンテナンスを促進し、顧客の満足度と収益力向上を目指します。

 

③ 舶用事業で培った強みを活かし、養殖や洋上風力等、新たな取り組み分野での事業展開を加速させます。

 

④ データを活用した製品・サービスを市場投入し、新たな顧客価値の創造を目指します。また既に獲得した自律航行支援技術の普及によって、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」に貢献していきます。

 

(産業用事業)

事業ポートフォリオを見直し、防衛装備品事業やモバイル基地局向けに製品展開する時刻同期事業等、今後市場の成長が見込まれる成長期待事業にリソースを集中させ、収益の向上を図ります。

 

(無線LAN・ハンディターミナル事業)

顧客の求めるDXの実現に貢献する新たなシステムソリューションを展開し、無線LANアクセスポイントの文教市場での更なるシェア拡大とともに、新たな市場を開拓し事業領域の拡大を目指します。

 

〈フェーズ2 主な基本施策の取り組み結果について〉

① 利益水準の向上

生産リードタイム短縮を図る合理化策の水平展開等により工場稼働率を向上させるとともに、販売価格の適正水準への調整や収益性による取り組み案件選別を継続しました。また、信頼性評価展開による故障の未然防止強化及び品質の安定性向上やロスコスト率低位安定を図るとともに、サイバーセキュリティ対応や製品安全に対する体制強化に取り組みました。2年目となる今期は、引き続き工場の生産効率向上に向けたスマート化を推進し、また品質の安定維持に努めてまいります。加えて、在庫関連費用の抑制に向け、在庫水準の適正化を進めてまいります。

 

② 売上規模の拡大

リモートサービス推進によるサービス及び機器拡販機会の創出や養殖事業をはじめとした新規事業の推進、顧客との直接取引による関係強化を目的に欧州販売代理店の買収等を実施しました。また、自律航行支援システムや漁業データ活用クラウドサービスの開発継続や実践投入を進めました。2年目となる今期は、舶用事業におけるプレジャーボート向け戦略商品を上市し、米州を中心に販売拡大を進めてまいります。欧州とアジアでは、各地域の販売子会社間の連携強化によるデリバリーも含めた販売体制の最適化により、各地域における更なる競争力強化を推し進めてまいります。保守サービスにつきましては、サービス品質及び作業効率の向上に向け、古野電気グループ独自のサービスノウハウを集約したデータベースの構築に取り組んでまいります。

 

 

③ サステナブル経営の実行

事業を通じた持続可能な社会への貢献と、持続的な企業価値向上を実現すべく、古野電気グループとして取り組むべきマテリアリティを特定しました。また、気候変動対応に向けたGHG排出量削減目標設定の他、人財育成やその環境整備の方針を定め、中期人財戦略を策定しました。これらの取り組みに対するガバナンス体制の構築を進め、サステナブル委員会の設置を決定しました。2年目となる今期は、新たなガバナンス体制のもと、特に人的資本に関する取り組みを充実させ、企業風土ビジョン浸透を通じた風土改革、チャレンジ意欲向上に向けた社内制度改革、多様な人財の確保と多様な人財が成長・活躍できる風土の醸成に向けたD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進等に取り組んでまいります。

 

設定したKPIにつきましては、当連結会計年度は、自己資本経常利益率14.4%、配当性向は30.4%となりました。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

世界経済の状況は、政策金利の上昇、ウクライナ情勢の長期化等の地政学リスクの高まりから、先行き不透明感が増しており、不安定で不確実性の高い状況にあります。このような状況の中、古野電気グループは増加した受注に対する未生産品の解消に取り組むとともに、フェーズ2で掲げる利益率向上の取り組みを推し進め、産み出した経営資源を将来成長に向けた投資に充てることで、古野電気グループの持続的成長を可能とする基盤構築に努めてまいります。また、以下の施策に取り組むことによりグループ全体の企業価値を高めてまいります。 

 
① 新たな価値の創造

商船向け事業における「ライフサイクルサポート」戦略の奏功、漁業向け事業におけるハード・ソフト両面から漁業者を支える「勘と経験の見える化」ソリューションのグローバル展開等により、古野電気グループの収益性は中長期的に向上傾向にありますが、依然改善の余地は大きいと認識しております。また、主力の舶用事業は中期的に安定した売上収益を獲得することが見込まれ、総じて成熟傾向にありますが、船舶のDX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えた製品やソリューションの研究開発として、自律航行船実現に向けた動きや、漁業先進国を中心に資源管理型漁業推進の流れが加速しており、古野電気グループは舶用電子機器のグローバルトップメーカーとして関連技術の研究開発をリードしていく必要があります。産業用分野においても、高齢化や人手不足等、古野電気グループが解決すべき社会的課題はより多様化し、ますます顕在化しており、対応する商品やソリューションを産み出し続けることが求められております。

 

② 働き方改革の推進

2019年4月より働き方改革関連法が順次施行され、2020年4月には派遣労働者の同一労働同一賃金の実現に向けた改正労働者派遣法の施行、70歳までの雇用延長の法令化が検討される等、従来の雇用や勤務のあり方を見直す動きが広がっております。古野電気は経営理念のもと、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、明るく活き活きと働くことができるよう、従業員の健康意識向上と、安心して働きつづけることのできる職場環境の整備に向けた取り組みを推進しております。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営有料法人(ホワイト500)」に2019年度から6年連続で認定されているほか、女性の活躍支援に取り組む企業として厚生労働大臣が認定する「えるぼし(2つ星)」を取得しました。また、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)を推進する一環として、休日対応の見直しを含む長時間労働の削減、有給休暇取得の奨励、在宅勤務対応やフレックスタイム制度の拡充等をはじめとする勤務形態の見直し、諸手当の見直しを含む人事処遇制度の改革等を推進してまいります。

 

 

③ 人財の育成、確保

古野電気グループは、従業員は、まさに「人財」であり重要な経営資源と認識しております。現状としては、中核人財に占める中途採用者は多く、また海外現地法人を多数有することから、中途採用者・外国人という観点では比較的良好な水準にありますが、持続的な成長に向けて、優秀な人財の育成、確保が不可欠であります。特に古野電気グループのグローバルビジョン「NAVI NEXT 2030」の事業像で描かれている新規領域を実現するためには、イノベーションや新しい価値創造の源泉である人財の多様性確保は欠かすことのできない施策であり、多様なスキルや個性をもった全ての人財が成長・活躍できる環境の整備に取り組んでまいります。また、失敗を恐れない価値の共創、自主性・自律性の高い人財を増やすこと等を目的に各事業部門及びグループ会社毎の表彰に加え、その中からグループ全体の最優秀賞を選出する社員表彰制度を設けております。なお、多様な人財を活用するため、ダイバーシティ(多様性)を推進するとともに、性別、国籍、年齢等に関係なく採用、評価等を行っており、先進的かつ独創性のある人財発掘等に努めております。

 

④ 配当政策

古野電気は、配当政策を経営における最重要政策のひとつと位置付けております。現在の中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)では、配当性向30%以上を安定的に実現できる経営基盤を構築することを目標に掲げております。また、内部留保につきましては、将来を見据えた投資や企業体質の一層の強化のために活用してまいります。

 

⑤ 株主、機関投資家等との建設的な対話

古野電気は、毎年、株主や機関投資家等と継続的な対話を行うことで、経営方針や成長戦略等についての理解促進に努めております。また、株主、機関投資家、顧客等ステークホルダーとの建設的な対話から得られた意見等を経営層と共有し、持続的な成長と企業価値向上に活かしております。

その他、古野電気のホームページ等を通じて株主総会や決算内容等の情報を提供していることに加え、ご要望ご質問等に対して迅速かつ、適切に対応するよう心掛けてまいります。

 

⑥ コーポレート・ガバナンスの取り組み

古野電気グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。また、経営の健全性や透明性を高めるため、任意の指名・報酬諮問委員会及びコンプライアンス委員会を設置する等、ガバナンスが機能する組織体制を構築することによりリスク回避や不祥事防止に努めております。また、コーポレート・ガバナンス強化の観点から、執行役員制度を導入することにより、経営と執行を分離し、取締役会の意思決定・監督機能と経営方針・戦略立案機能に重点を置いた体制強化を図るとともに、業務執行機能を強化することで、事業環境の変化に迅速適切に対応できる体制を構築してまいります。

 

⑦ サステナビリティへの取り組み

古野電気グループは、会社の持続的な成長とともに持続可能な社会を実現するため、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを重視した経営を進めてまいります。事業を通じた社会価値の提供(海難事故や海洋汚染の防止、水産資源の保護と食料需要増加への対応、船員や漁業者の人手不足解消等)をはじめ、環境(環境汚染防止と予防、空調の省エネ化や照明のLED化等電力やCO2排出の削減への取り組み、産業廃棄物の削減等)、社会(多様な人財の活用、事業活動、社会活動による貢献等)及び企業統治(健全なコーポレート・ガバナンス体制の確立、社外取締役比率の向上、指名・報酬委員会の設置等)を勘案した経営戦略を推進しており、ステークホルダーの皆様(株主、投資家、顧客、取引先、債権者、従業員、地域社会等)との信頼を構築することにより企業価値の向上に努めています。また、新たにサステナブル委員会を設置し、関連する取り組みの推進を図ってまいります。

 

 ⑧ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み

古野電気グループは、継続した市場からの評価、更なる PBR 向上に向け、株主資本コストを上回るROEの達成を目指しております。株主資本コストの適正化や、将来の事業運営についての不確実性の解消、古野電気グループに対する成長期待の拡大・醸成を図るための積極的且つ適正なIR活動の継続に努めるとともに、投下資本を意識した収益性向上のためのROIC経営の導入を進めてまいります。


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が古野電気グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に古野電気グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において古野電気グループが判断したものであります。

 

(1) 国際情勢等の影響について

古野電気グループは、日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に商品を供給しております。これら国・地域の経済状況の変化や対象市場での古野電気商品に対する需要の変化、また、米中貿易摩擦やウクライナ情勢の長期化等による地政学リスクの高まりから、安全保障、人権関連を中心に国家の政策・法律の変更、関税の引き上げ、製品供給・技術提供の制限等が発生する事が懸念されております。それにより、生産・物流・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として関係国の政治・経済情勢や法規制・関税の動向等を、関係部署・関係会社にてグローバルでモニタリングし、最新状況を踏まえた対策を講じております。また、海外子会社を含むグループ全体として適切な貿易管理を行うために、代表取締役社長を最高責任者とした安全保障貿易管理体制の整備や、輸出入に関する規制・新興技術等に対する取引制限等の政策に対して分析を行い、関係する従業員への教育や必要に応じた取引形態やサプライチェーンの見直し等を行うことにより、事業への影響の低減を図っております。

 

(2) 情報セキュリティについて

古野電気グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の秘密情報を保有しており、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合、信用低下、損害賠償等の費用の発生、又は業務の停止等により、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 

対応策として「情報セキュリティ基本方針」を定め、当該情報の盗難・紛失等を通じて第三者が不正流用することを防ぐため、情報の取り扱いに関する管理を強化するとともに、法規制強化への対応等も都度実施しています。また、情報セキュリティ認証基準であるISO27001の取得、高度化するサイバー攻撃に対する技術的対策、情報リテラシーを高めるための社員教育の実施、古野電気グループを装った不審メール・詐欺サイトに関する社内外への注意喚起等も行っております。インシデントが発生した場合や早期警戒対応時には、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)等の体制により、継続的な監視・情報収集、インシデント対応を行い被害拡大防止・早期鎮静化を図っております。

 

(3) 調達・生産について

古野電気グループは、商品を製造するにあたって高品質な原材料、部品等をタイムリー且つ必要数入手するため、信頼のおける仕入先を選定しています。しかし、予期できない自然災害や事故等によるサプライチェーンへの大きな影響、仕入先の経営状態悪化による部品の供給制限や製造中止、市場での需要増加による供給制限等が生じた場合、古野電気グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、古野電気グループは、環境への配慮等、サプライチェーンを通して、社会からESG観点での高度な対応を求められています。古野電気グループは仕入先に対してCSR調達の徹底を図っていますが、仕入先における対応不備により、調達に影響があった場合、商品の販売にも影響を与え、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として仕入先の所在地情報を一元管理し、地震・水害や工場火災等の発生時に、影響を早期に把握する体制を整備するとともに、第三者機関を活用し、仕入先の財務情報をはじめとする経営リスクを定期的に評価し、リスクレベルに応じた対策を実施しております。また、古野電気グループのCSR活動をサプライチェーン全体で実践すべく、仕入先に対して積極的な啓蒙活動、協力要請及び、必要な支援に努めております。

 

また、急激な需給環境の変化等により、原材料、部品等の供給不足が続き、生産の遅延が避けられず商品の販売に影響がある場合、及び原材料や部品等の著しい価格変動が商品原価の上昇を招いた場合には、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として仕入先との関係強化・調整や関係各部門の連携による生産管理の強化等により影響を最小限に抑えることに努めております。

 

(4) 為替変動について

古野電気グループは、海外子会社及び代理店を経由して海外市場へ販売を行っており、連結売上高に占める海外売上高の割合は当連結会計年度において68.2%と高い状況にあります。このため、為替相場の変動は、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、社内規程に基づき事業活動の中で発生する為替取引リスクを正確に把握・管理し、適切な為替リスクヘッジを行うことにより、為替差損を極小化する施策を実施しております。また、為替リスクヘッジ取引は、将来の市場変動による損失の回避、コストの確定等を目的とし、事業活動から生じる為替取引に限定し、実需に基づかない投機取引は行わないことを基本方針としております。

 

(5) 自然災害等について

古野電気グループは、地震、火災、台風、洪水等の災害や感染症の流行の発生時にも、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行する義務がありますが、古野電気グループの本社・研究開発拠点・主要工場は兵庫県南部に集中しており、同地域において大規模な地震、その他事業の継続に支障をきたす災害、事故の影響、世界的な経済活動の停滞等が生じた場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、定期的な防災訓練の実施及び社員の安否確認システムの構築を行うとともに、南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震等の大規模地震に対する事業継続計画(BCP)を策定して災害時の体制整備や資機材の備蓄を行っております。また、感染症の流行に対し、事業運営を可能な限り維持するために必要な対応・措置を定める等の対策に取り組んでおります。加えて、事務所の高台・内陸部への移転等、中長期的な対策にも取り組んでおります。

 

(6) 舶用事業の市場環境変化について

古野電気グループの連結売上高に対する舶用事業の売上高比率は当連結会計年度において85.5%と、高い水準を維持しております。対象となる漁業向け市場は資源減少に伴い世界的に漁獲高・漁船数の管理が強化されており、商船向け市場はこれまで大きな景気変動を繰り返しています。プレジャーボート向け市場は欧米の景気及び個人消費動向に影響を受けます。漁業向け市場における管理漁業化の一層の進展や商船需給の悪化、欧米諸国の景気の悪化等に伴い、従来の舶用電子機器の需要は縮小する可能性があります。また、自律航行をはじめとする、業界における大きな転換に対応できない場合は、古野電気グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、予測される市場変化に対応できる体制構築のほか、サービス業務の収益向上、新規分野への取り組み、舶用DXの推進、産業用事業等の拡大を目指していく方針であります。

 

(7) 知的財産権について

古野電気グループは、自社が製造する製品に関連して、特許等の知的財産権を保有しておりますが、古野電気グループが保有する知的財産権に対し異議申立がなされたり、無効請求がなされる可能性があります。また、古野電気グループが知的財産権に関し訴訟を提起されたり、古野電気グループが自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起しなければならない可能性があります。このような重大な係争問題が発生した場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、自社が保有している知的財産権の権利確保及び他社が保有している知的財産権の調査による係争発生のリスク低減を図っております。

 

(8) 価格競争について

古野電気グループの市場における価格競争は、舶用電子機器、産業用電子機器とも大変厳しくなっており、今後もこの傾向は継続するものと予想されます。新たな競合先の台頭、競合他社の低価格商品の投入等により、更に価格競争が激化し、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、フェーズ1より継続して取り組んでいる製造コストの削減に向けた施策の完遂に向けて、在庫・品質・生産・開発の各部門によるコスト削減に努めるとともに、デジタルを活用した高付加価値商品の拡販等により、かかる価格低下傾向に対処しております。

 

(9) 人財の確保について

古野電気グループの将来の成長・発展は、科学・技術、マネジメント分野等での優秀な人財の確保に大きく依存しています。古野電気グループは、事業の拡大やグローバル化の推進を図るため、積極的な採用活動を行っていますが、人財確保における競争は年々高まっており、それが困難となった場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として目標管理制度に基づいた公平な評価・充実した処遇制度等の仕組みを構築するとともに、自律型人財やグローバル人財を育成し、古野電気グループの価値観、知識及びモノづくりのDNAを伝える教育プログラムの拡充に取り組み、在籍している従業員の流出防止や古野電気グループの求める人財の獲得に努めております。

 

(10) 品質について

古野電気グループは、ISO規格認定された品質システムを構築し、それに従った各種商品の開発や製造を行い、品質チェック体制の整備を図り、品質監査を行う等グループをあげてすべての商品の品質向上に継続的に努めております。しかしながら、品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や、それに起因するリコールが発生する可能性があります。古野電気製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合、回収コストや損害賠償等の費用が発生し、また売上が減少するおそれがあります。さらに古野電気ブランドを冠した製品の品質上の欠陥によりブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招くことも想定されます。これらが発生した場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として国際規格ISO9001で認定された品質システムを構築し、それに従った開発・製造や、本社の品質関係部門による指導等により、品質管理体制の整備・強化に努めるとともに、製造物責任賠償保険に加入する等の対策を講じております。また、製品・システムに関するサイバーセキュリティ基本方針の制定や脆弱性の報告受付フォームを古野電気ホームページに開設する等、製品・システムのサイバーセキュリティ確保を進めております。

 

(11) 環境・気候変動について

古野電気グループは、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物、商品リサイクル及び土壌・地下水の汚染、気候変動等に関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けておりますが、自然災害、事故等により、環境汚染が発生する可能性があります。また、将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、信用低下、損害賠償等の費用の発生、また環境対応に関する費用の増加や又は業務の停止等により、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として環境関連法令及び規制等に従った商品の開発や製造を行い、チェック体制の整備を図り、監査を行う等、グループを挙げて環境保全の対応を実施しております。また、CSR活動をサプライチェーン全体で実践すべく、古野電気資材調達基本方針を取引先にも共有し、環境配慮の要請等を行うとともに、TCFD提言に準拠した、環境情報の適切な開示に取組んでまいります。

 

(12) 法規制・コンプライアンスについて

古野電気グループは、事業の展開において適用を受けている、国内外の各種法令・規制や行政による許認可等に違反した場合、古野電気グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、法令・社会規範・契約・社内ルール等に則った活動を推進するために、社外の弁護士や監査役を含めた「コンプライアンス委員会」を設置するとともに、国内外の役員・従業員へ各種研修や教育を行い、周知・啓蒙に努めております。また、コンプライアンス違反の予防・把握のために、社内外に相談・通報窓口「フルノほっとライン」を設けた内部通報制度を整備しております。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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