ニレコグループは、当連結会計年度末日現在、ニレコ(㈱ニレコ)及び連結子会社7社から構成されており、鉄鋼・化学から食品・印刷に至るまで幅広い産業向けに制御・計測・検査機器の開発・製造・販売を事業内容としています。
ニレコグループの事業内容及びニレコと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
制御機器事業においては、鉄鋼・非鉄金属分野とフィルム・印刷・紙分野向けに製品を提供しています。
鉄鋼・非鉄金属分野向けでは生産ラインを主な対象とした製品を取り扱い、その主な製品として、製銑・精鋼の工程で圧力・流量・温度等の制御を行うプロセス制御装置、連続鋳造の工程で湯面を計測する渦流式溶鋼レベル計、圧延や表面処理の工程で製品の位置を制御する耳端位置制御装置、工程の中途及び完成時に情報を製品に表示させる自動識別印字装置などがあります。フィルム・印刷・紙分野向けでは、製紙、印刷から電子機器材料に至るまで、帯状素材(ウェブ)を扱う広範な業種を対象とした製品を取り扱っています。その主な製品として、耳端位置制御装置は、帯状の細長い素材の縁の位置を検知して一定の位置に揃えるもので、二次電池やその他電子部品などの素材となる高機能フィルムの製造ラインで使用されており、近年では実用化に向けた開発が進むペロブスカイト太陽電池用製造装置においても利用が始まっています。また、張力を一定に保つことによりシワや折り目を防止する張力制御装置は耳端位置制御装置とセットでフィルム等の製造ラインで使用されています。その他、印刷物の位置(見当)を制御し、色ズレ等を防止する見当合わせ制御装置、印刷物の汚れや欠陥を検知する印刷品質検査装置、印刷物の製本や貼り付け加工の際に、ノズルから適量の糊を正確な位置に吹き付ける糊付け制御装置などがあります。
検査機事業は、ニレコグループが長年にわたり培ってきた画像処理技術をベースに、食品から電池・電子部品材料まで幅広い分野を対象とした製品を取り扱う事業です。その主な製品として、電子機器やペロブスカイト太陽電池などの素材となる各種フィルム、金属箔や紙などの汚れや疵を検出する無地検査装置があります。その他に、二次電池の生産工程で電極シートに活性物質をコーティングする際の検査・計測を行う電極シート検査装置、食品の大きさや形状といった外観や内部品質を検知し選別する食品検査装置や成分分析を行う近赤外分析装置などがあります。
オプティクス事業は、半導体検査装置で使用される光学部品や、レーザ機器、光学薄膜部品を主に取り扱う事業です。製造に高度な技術を必要とする特殊な光学部品や、半導体検査などに用いられるレーザ装置などがあります。
また、報告セグメントに含まれないその他の事業において、電子機器設計開発事業などを行っています。
なお、ニレコでは、2024年4月1日に蛇行制御等について共通の技術基盤を持つプロセス事業部、ウェブ事業部を統合し、新たに制御機器事業部を発足させました。本組織変更に伴う各事業活動の実態を適切に表すよう経営区分の見直しを図り、従来「プロセス事業」「ウェブ事業」と区分していた事業を統合し「制御機器事業」とする報告セグメントの一部変更を行いました。
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区分 |
主要製品名 |
会社名 |
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制御機器事業 |
プロセス制御装置 張力制御装置 |
ニレコ Nireco Korea Corporation(韓国) 仁力克股份有限公司(台湾) |
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検査機事業 |
無地検査装置 画像処理解析装置 近赤外分析システム 食品検査装置 |
ニレコ Nireco Korea Corporation(韓国) |
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オプティクス事業 |
レーザ関連製品 光学部品 光学薄膜製品 |
ニレコ ㈱光学技研 京浜光膜㈱(注) |
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その他 |
電子機器設計開発事業 |
西武電機㈱ |
(注)2024年8月26日開催の取締役会において京浜光膜株式会社株式を取得して子会社化することについて決議し、2024年9月12日に締結した株式譲渡契約に基づき、2024年10月1日に同社株式を取得しました。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてニレコグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
ニレコグループは、制御、計測、検査技術を活かした製品ときめ細かいサービスの提供により、お客様から厚い信頼を獲得し、良きパートナーとして共に成長します。さらに、パートナーシップにより生み出された価値を広く社会に応用することで、「技術と信頼」の経営理念の下、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
ニレコグループは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて、財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指しています。財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、収益性の拡大を示す指標として経常利益率を重視し、業績予想等で具体的な目標値を公表します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
ニレコグループは、いかなる環境下においても成長できる体制の実現を目指し、「市場の拡大」、「技術の進化」、「経営体質の強化」を重点テーマに掲げています。具体的には、海外販売の拡大、新規市場の開拓を進めるとともに、ニレコグループが保有する画像解析技術及び光応用技術などの強化により、競争優位性の向上を目指していきます。
(4)経営環境
当連結会計年度においては、ウクライナ情勢や中東情勢に起因した国際関係の不安定化や世界的なインフレの加速、金融資本市場の変化や為替の大幅な変動などもあり、不透明な環境が続いています。
上記の状況の下、ニレコグループの各事業分野においては、以下の環境であると認識しています。
なお、ニレコグループでは、2025年3月期第1四半期から従来のプロセス事業とウェブ事業を統合し、「制御機器事業」へセグメンテーションすることを予定しており、以下の記述は新セグメントの内容に基づき記載しています。
① 制御機器事業
イ.鉄鋼・非鉄金属分野
鉄鋼業界においては、中国経済環境変調などから、鋼材需要は供給が過剰となる懸念があるものと見込んでいます。その中でも、電気自動車などに用いられる高品位鋼のニーズは底堅いものと考えています。また、非鉄金属業界においても、電気自動車の普及に伴う自動車部品やインフラ向けの需要が高まっているものと認識しています。
ロ.ウェブ分野
製紙業界・印刷市場における紙需要はデジタル化の進展に伴い減少しています。また、これまで成長が続いてきた、二次電池業界においても、電気自動車業界の成長に一服感が出たことから設備投資に落ち着きが見られます。一方、食品包装業界などで、環境意識の高まりからロス低減に寄与する蛇行制御装置などの需要が拡大しています。
② 検査機事業
製造業界や第一次産業分野における省人化や高品質化ニーズにより、各種検査機の需要は堅調に推移するものと認識しています。また、ペロブスカイト太陽電池など、新たなフィルム検査用途が出てきているものと認識しています。
③ オプティクス事業
半導体業界における需要が成長する中、当事業の主要販売先である半導体業界の設備投資需要も回復基調となっているものと認識しています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
ニレコグループが持続的な成長と企業価値向上を実現する上で対処すべき主な課題は以下のとおりです。
① 海外展開の推進
海外子会社を、販売のみならず設計・調達・生産・サービス等の機能を持つ拠点に拡充し、各地域に即した製品・サービスを展開していきます。
② 新規事業の創出
ニレコグループが有する画像・センシング・光学技術を融合し、成長市場に対して競争力を持つ新製品の開発を進めていきます。
③ 多様な人材の確保
海外展開の推進や新規事業の創出など様々な経営課題に対応できる多様な人材確保を進めるとともに、グループとしての総合力を高めるべく会社間の連携並びに人材交流を強化します。
④ 各事業別の取り組み
制御機器事業の鉄鋼・非鉄金属分野では、高品位鋼向けの設備投資に向けた販売活動強化や海外販売に注力します。また、ウェブ分野では、海外の二次電池メーカーの設備投資意欲に落ち着きが見られることから、国内での当該分野向けの販売活動に注力してまいります。加えて、新規の国内展示会出展などにより新規取引先の開拓を行うと共に、ロス低減による環境負荷低減に寄与する蛇行制御装置などの販売訴求を図ってまいります。また、協力関係にあるドイツのErhardt+Leimer(エアハルト・ライマー)グループやIMSグループとの協業関係を強化し、検査装置を含め国内外での事業強化に繋げてまいります。
検査機事業においては、二次電池メーカー向けと共に販売活動に注力すると共に、新規の用途として無地検査装置が現在開発の進むペロブスカイト太陽電池の検査に適していることから、この用途開発に挑んでまいります。食品外観検査装置分野においては、加工食品分野における販売活動に注力してまいります。
オプティクス事業においては、2025年3月期は当連結会計年度のようなレーザ装置の大型受注は見込んでいないものの、期初の受注残高が高水準にあることに加え、半導体業界において極紫外光や深紫外光を利用した製造装置や検査装置の需要が拡大していることから、これらの装置に利用される光学部品分野需要の回復と保守部品販売の拡大を見込んでいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は当連結会計年度末現在においてニレコグループ(ニレコ及び連結子会社)が判断したものです。
①経済状況による業績への影響について
ニレコグループは、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、鉄鋼業、製紙・化学・印刷業・食品業および半導体産業まで幅広く産業界の合理化、省力化・品質向上ニーズに応えてきました。このようにニレコグループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向がニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症による経済的な影響は概ね収束したものと考えられる中、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢などを要因としたエネルギー価格上昇や物価上昇などもあり、不透明な環境が続くものと見込んでいます。これらの原材料価格の変動、地政学的リスク、経済状況の変動なども、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②競合に関するリスク
ニレコグループは、激しい競争にさらされている製品を有しています。また、アジア諸国を中心に海外での事業展開に伴い、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっています。ニレコグループとして、このような競合先に打ち克つべく全社一丸となって事業運営に取り組んでいますが、ニレコグループが競合相手に比べて優位に展開できない場合、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③取引先との関係等に関するリスク
ⅰ)顧客に対する信用リスク
ニレコグループの顧客の多くは、代金後払いでニレコグループから製品・サービスを購入しています。ニレコグループでは顧客の信用状況に細心の注意を払っていますが、こうした対策をとっているにも関わらず、ニレコグループが多額の売上債権を有する顧客に業績の悪化等による信用リスクが発生した場合、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ)資材等の調達
ニレコグループの生産活動はグループ内の生産子会社及び外注先が担っており、原材料等が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を敷いています。また、原材料・部品等の一部については、その特殊性から仕入先が限定されているものや仕入先の切替えが困難なものもあります。このような外注先、仕入先による供給の遅延・中断等があった場合に、製品の生産が困難となることや納期が長期化する恐れがあります。加えて、原材料・部品等の調達を他の仕入先に変更した際に購入費用が増加する可能性があり、これらの事象がニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④製品開発に関するリスク
ニレコグループの成長は新製品の開発と販売に依存するものと考え、新製品の開発を進めています。ニレコグループは今後も継続して魅力ある新製品を開発できると考えていますが、そのすべてが想定通りに進み、販売できるようになるとは限らず、また、途中で開発を断念しなければならない事態に陥る恐れもあります。そのような場合、製品によっては、ニレコグループの事業、業績及び状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤製品品質に関するリスク
ニレコグループは厳しい品質管理基準に従って各種の製品・サービスを提供していますが、すべての製品・サービスに欠陥がないとは言い切れません。ニレコグループの製品・サービスの中には顧客の生産ラインにおいて高い安全性が求められるものもあることから、故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険があり、欠陥が原因で生じたそのような損失に対する責任をニレコグループが問われる可能性があります。また、これらの問題に伴い、ニレコグループの製品・サービスに対する顧客の信頼を低下させる可能性があります。上記いずれの要因によっても、ニレコグループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。
⑥海外進出に関するリスク
ニレコグループは経営方針として「グローバル展開」を掲げ、中国、台湾、韓国に生産及び販売拠点を設立し、また、その他の国々への販売も展開しています。これら進出各国における政情の変化、経済状況の変動、予期せぬ法律や規制の変更、未整備の技術インフラ等が、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑦自然災害に関するリスク
地震、火災、洪水等の自然災害や新型コロナウイルス等疫病の蔓延により、ニレコグループの各拠点、サプライチェーン企業、あるいは、ニレコグループの製品ユーザーが壊滅的な損害を受ける可能性があります。そのような場合に、ニレコグループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。
⑧退職給付債務
ニレコグループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、ニレコグループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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