ニレコ(6863)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ニレコグループは、当連結会計年度末日現在、ニレコ(㈱ニレコ)及び連結子会社7社から構成されており、鉄鋼・化学から食品・印刷に至るまで幅広い産業向けに制御・計測・検査機器・光学部材の開発・製造・販売を事業内容としています。 ニレコグループの事業内容及びニレコと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。制御機器事業においては、鉄鋼・非鉄金属分野と機能性フィルム・軟包材分野向けに製品を提供しています。鉄鋼・非鉄金属分野向けでは生産ラインを主な対象とした製品を取り扱い、その主な製品として、製銑・精鋼の工程で圧力・流量・温度等の制御を行うプロセス制御装置、連続鋳造の工程で湯面を計測する渦流式溶鋼レベル計、圧延や表面処理の工程で製品の位置を制御する耳端位置制御装置、工程の中途及び完成時に情報を製品に表示させる自動識別印字装置などがあります。機能性フィルム・軟包材分野向けでは、製紙、印刷から電子機器材料に至るまで、帯状素材(ウェブ)を扱う広範な業種を対象とした製品を取り扱っています。その主な製品として、耳端位置制御装置は、帯状の細長い素材の縁の位置を検知して一定の位置に揃えるもので、二次電池やその他電子部品などの素材となる高機能フィルムの製造ラインで使用されており、近年では実用化に向けた開発が進むペロブスカイト太陽電池用製造装置においても利用が始まっています。また、張力を一定に保つことによりシワや折り目を防止する張力制御装置は耳端位置制御装置とセットでフィルム等の製造ラインで使用されています。その他、印刷物の位置(見当)を制御し、色ズレ等を防止する見当合わせ制御装置、印刷物の汚れや欠陥を検知する印刷品質検査装置、印刷物の製本や貼り付け加工の際に、ノズルから適量の糊を正確な位置に吹き付ける糊付け制御装置などがあります。検査機事業は、ニレコグループが長年にわたり培ってきた画像処理技術をベースに、食品から電池・電子部品材料まで幅広い分野を対象とした製品を取り扱う事業です。その主な製品として、電子機器やペロブスカイト太陽電池などの素材となる各種フィルム、金属箔や紙などの汚れや疵を検出する無地検査装置があります。その他に、二次電池の生産工程で電極シートに活性物質をコーティングする際の検査・計測を行う電極シート検査装置、食品の大きさや形状といった外観や内部品質を検知し選別する食品検査装置や成分分析を行う近赤外分析装置、主に原子力発電所等において活用される放射線測定機器などがあります。オプティクス事業は、半導体検査装置で使用される光学部品や、レーザ機器、光学薄膜部品、合成光学結晶を主に取り扱う事業です。製造に高度な技術を必要とする特殊な光学部品や、半導体検査などに用いられるレーザ装置などがあります。また、報告セグメントに含まれないその他の事業において、電子機器設計開発事業などを行っています。 区分主要製品名会社名制御機器事業プロセス制御装置自動識別印字装置耳端位置制御装置渦流式溶鋼レベル計板幅計張力制御装置見当合わせ制御装置糊付け制御装置印刷品質検査装置ニレコ尼利可自動控制机器(上海)有限公司(中国)Nireco Korea Corporation(韓国)仁力克股份有限公司(台湾)検査機事業無地検査装置近赤外分析システム食品検査装置放射線測定機器ニレコ応用光研工業㈱(注)仁力克股份有限公司(台湾)尼利可自動控制机器(上海)有限公司(中国)Nireco Korea Corporation(韓国)オプティクス事業レーザ関連製品光学部品光学薄膜製品合成光学結晶放射線測定用シンチレータニレコ㈱光学技研京浜光膜㈱応用光研工業㈱その他電子機器設計開発事業西武電機㈱(注)2025年10月17日開催の取締役会において応用光研工業会社株式を取得して子会社化することについて決議し、2025年10月20日に締結した株式譲渡契約に基づき、2025年10月30日に同社株式を取得しました。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてニレコグループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針ニレコグループは、制御、計測、検査技術を活かした製品ときめ細かいサービスの提供により、お客様から厚い信頼を獲得し、良きパートナーとして共に成長します。さらに、パートナーシップにより生み出された価値を広く社会に応用することで、「技術と信頼」の経営理念の下、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。 (2)目標とする経営指標ニレコグループは、持続的な成長と企業価値向上の実現に向けて、財務の健全性、安定性を保ちながら収益性の拡大を目指しています。財務の健全性・安定性を示す指標として自己資本比率を重視し、その一定水準を維持するとともに、収益性の拡大を示す指標として営業利益、経常利益を重視し、業績予想等で具体的な目標値を公表します。 (3)中長期的な会社の経営戦略ニレコグループでは、事業の拡大と成長に合わせ、今後5年間をめどにオプティクス事業の製造能力強化などを中心とした大型の投資を企図しています。また、これらの経営施策に加え、5年後の2031年がニレコの前身であるアスカニア合資会社の設立から100年にあたることから、2031年に「ありたい姿」を描くべく「人と生産現場に寄り添い課題を『はかる・みつける・ととのえる』」をスローガンとするビジョンの策定を行いました。ニレコは経営理念として「技術と信頼」を掲げ事業活動を行っています。この理念を今後も持続しながら社会に継続的に貢献するとともに、2031年の創業100周年から先もニレコグループが成長を続けることを目指すべく、本ビジョンのもと、これからの時代に合った企業として人材の育成とDXの活用に注力するとともに、「技術と信頼」に磨きをかけ、生産現場の抱える様々な課題解決を通じてサステナブルな社会の実現に貢献する企業を目指します。 (4)経営環境 当連結会計年度における世界経済は、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策による影響や中国における景気停滞の継続などにより不透明感が高まりました。我が国においては、雇用・所得環境が改善する中、企業の設備投資とともに個人消費にも持ち直しの動きが見られ景気は緩やかな回復基調となりましたが、物価の上昇が続いたことや中東情勢の影響による消費者マインドの陰りも見られました。 上記の状況の下、ニレコグループの各事業分野においては、以下の環境であると認識しています。 ① 制御機器事業イ.鉄鋼・非鉄金属分野鉄鋼業界においては、中国経済環境変調などから鋼材は供給が過剰となっており、鉄鋼メーカーは生産能力の調整を図りつつ、高品位鋼の生産や環境負荷の低減、設備の集約や海外生産に向けた設備投資に注力していくものと見込んでいます。 ロ.機能性フィルム・軟包材分野製紙業界・印刷市場における紙需要はデジタル化の進展に伴い減少基調が続いています。また、二次電池業界においても、電気自動車業界の成長に一服感が出たことから設備投資に落ち着きが見られます。一方、食品包装業界などで、環境意識の高まりからロス低減に寄与する蛇行制御装置などの需要が拡大しています。加えて、ペロブスカイト太陽電池や燃料電池など、新たな発電方式に用いられる製造装置用のニーズが拡大しているものと認識しています。② 検査機事業製造業界や第一次産業分野における省人化や高品質化ニーズにより、各種検査機の需要は堅調に推移するものと認識しています。また、ペロブスカイト太陽電池や燃料電池など、新たなフィルム検査用途が出てきているものと認識しています。加えて、国内原子力発電所の再稼働進捗に合わせ、放射線計測機器の需要は拡大するものと見込んでいます。③ オプティクス事業当事業の主要販売先である半導体業界の設備投資需要は、先端半導体の製造設備の需要が強まる中、成長基調が続いており、特に半導体の微細化に対応する製品の需要が強いものと認識しています。 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題ニレコグループが持続的な成長と企業価値向上を実現する上で対処すべき主な課題は以下のとおりです。① 海外展開の推進海外子会社を、販売のみならず設計・調達・生産・サービス等の機能を持つ拠点に拡充し、各地域に即した製品・サービスを展開していきます。② 新規事業の創出ニレコグループが有する画像・センシング・光学技術を融合し、成長市場に対して競争力を持つ新製品の開発を進めていきます。 ③ 多様な人材の確保海外展開の推進や新規事業の創出など様々な経営課題に対応できる多様な人材確保を進めるとともに、グループとしての総合力を高めるべく会社間の連携並びに人材交流を強化します。④ 各事業別の取り組み制御機器事業においては、鉄鋼・非鉄金属業界に向けた販売活動強化や海外販売の拡大に注力します。また、放射線板厚計で世界トップシェアを持つドイツのIMSグループとの協業関係強化によるグローバル展開と収益性の向上に取り組みます。機能性フィルム・軟包材分野では、二次電池業界は軟調であるものの、国内でペロブスカイト太陽電池向け製造設備に期待が持てることから、当該分野向けの販売活動に注力します。加えて、食品包装業界向けなどで原材料ロス低減により環境負荷低減に寄与する蛇行制御装置への展開など、ニレコの製品と親和性の高い分野での用途開発を図ります。また、協力関係にあるドイツのErhardt+Leimer(エアハルト・ライマー)グループとの協業関係を強化し、制御機器のみならず、検査装置を含めた国内外での事業強化に繋げます。 検査機事業においては、無地表面検査装置や電極検査装置の販売活動を、ペロブスカイト太陽電池などの新発電方式の製造設備での検査向けに注力します。食品検査分野では、新技術の導入による付加価値の向上などに取り組みます。また、ニレコの認知度が高い鉄鋼業界に対し、新たなAI弁別方式を用いた表面検査方式を提案することで、用途開発を進めます。加えて、国内原子力発電所の再稼働進捗に合わせた応用光研工業株式会社製の放射線計測機器の販売活動を推進します。 オプティクス事業においては、半導体業界において深紫外光を利用した製造装置や検査装置の需要が拡大しており、受注残高が高水準で推移しています。この強い需要に応えるべく、本事業では増産に向けた設備投資を進めてまいります。生産能力増強のための設備投資は今後数年間で20億円規模を想定しており、2029年3月期の稼働開始を目指します。また、新たにニレコグループに加わった応用光研工業株式会社とのグループ内連携を強化します。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は当連結会計年度末現在においてニレコグループ(ニレコ及び連結子会社)が判断したものです。 ①経済状況による業績への影響について ニレコグループは、制御・計測・検査機器・光学部材の専門メーカーとして、鉄鋼業、製紙・化学・印刷業・食品業および半導体産業まで幅広く産業界の合理化、省力化・品質向上ニーズに応えてきました。このようにニレコグループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向がニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当連結会計年度はロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、中国の輸出規制などの不安定要因が継続する中、世界的な物価上昇や米国の関税政策の変化などもあり、不透明な環境が続くものと見込んでいます。これらの原材料価格の変動、地政学的リスク、各国の政策変更や経済状況の変動なども、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②競合に関するリスク ニレコグループは、激しい競争にさらされている製品を有しています。また、アジア諸国を中心に海外での事業展開に伴い、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっています。ニレコグループとして、このような競合先に打ち克つべく全社一丸となって事業運営に取り組んでいますが、ニレコグループが競合相手に比べて優位に展開できない場合、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③取引先との関係等に関するリスクⅰ)顧客に対する信用リスク ニレコグループの顧客の多くは、代金後払いでニレコグループから製品・サービスを購入しています。ニレコグループでは顧客の信用状況に細心の注意を払っていますが、こうした対策をとっているにも関わらず、ニレコグループが多額の売上債権を有する顧客に業績の悪化等による信用リスクが発生した場合、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。ⅱ)資材等の調達 ニレコグループは、原材料等が適時、適量に調達できることを前提とした生産体制を敷いています。また、原材料・部品等の一部については、その特殊性から仕入先が限定されているものや仕入先の切替えが困難なものもあります。このような外注先、仕入先による供給の遅延・中断等があった場合に、製品の生産が困難となることや納期が長期化する恐れがあります。加えて、原材料・部品等の調達を他の仕入先に変更した際に購入費用が増加する可能性があり、これらの事象がニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④製品開発に関するリスク ニレコグループの成長は新製品の開発と販売に依存するものと考え、新製品の開発を進めています。ニレコグループは今後も継続して魅力ある新製品を開発できると考えていますが、そのすべてが想定通りに進み、販売できるようになるとは限らず、また、途中で開発を断念しなければならない事態に陥る恐れもあります。そのような場合、製品によっては、ニレコグループの事業、業績及び状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。⑤製品品質に関するリスク ニレコグループは厳しい品質管理基準に従って各種の製品・サービスを提供していますが、すべての製品・サービスに欠陥がないとは言い切れません。ニレコグループの製品・サービスの中には顧客の生産ラインにおいて高い安全性が求められるものもあることから、故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険があり、欠陥が原因で生じたそのような損失に対する責任をニレコグループが問われる可能性があります。また、これらの問題に伴い、ニレコグループの製品・サービスに対する顧客の信頼を低下させる可能性があります。上記いずれの要因によっても、ニレコグループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。 ⑥M&Aに関するリスク ニレコグループは成長戦略の一環としてM&Aを積極的に推進しています。しかしながら、新たに取得した企業において、事業運営、組織文化、人事制度等の統合が計画どおりに進まない場合や、経営上重要な役職員の離職が生じた場合には、期待したシナジーが実現できず、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、M&Aに際しては将来の収益性を見込んだ適切な企業価値評価を行っていますが、事業環境の変化等により期待した収益が確保できない場合には、のれん等の減損損失の計上を余儀なくされる可能性があります。 さらに、ニレコグループ自体が買収対象となる場合においても、経営体制や事業方針の変更等に伴い、ニレコグループの事業推進に重要な役職員の離職が発生することで、事業継続や業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦海外進出に関するリスク ニレコグループはグローバル展開を重視し、中国、台湾、韓国に生産及び販売拠点を設立するとともに、その他の国々への販売も展開しています。これら進出各国における政情の変化、経済状況の変動、予期せぬ法律や規制の変更、未整備の技術インフラ等が、ニレコグループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ⑧自然災害に関するリスク 地震、火災、洪水等の自然災害や疫病の蔓延により、ニレコグループの各拠点、サプライチェーン企業、あるいは、ニレコグループの製品ユーザーが壊滅的な損害を受ける可能性があります。そのような場合に、ニレコグループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。 ⑨退職給付債務 ニレコグループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、ニレコグループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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