山一電機(6941)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】山一電機グループ(山一電機及び関係会社)は、山一電機(山一電機株式会社)及び子会社15社により構成されており、半導体検査工程に使用されるIC(集積回路)ソケット製品や電子・電気機器向けコネクタ製品等の機構部品の製造販売を主たる業務としております。山一電機グループの事業内容及び山一電機と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 1.テストソリューション事業主要な製品は、バーンインソケット、テストソケット及び半導体テスト関連サービスであります。山一電機が製造販売するほか、主に海外子会社プライコンマイクロエレクトロニクスINC.及び亜洲山一電機工業㈱が製造しており、海外子会社ヤマイチエレクトロニクスU.S.A.,INC.、ヤマイチエレクトロニクスシンガポールPTE LTD、ヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドGmbH、亜洲山一電機工業㈱、山一電機(香港)有限公司、山一電子(上海)有限公司及びテストソリューションサービセスINC.が販売しております。また、テストソリューションサービセスINC.は半導体テスト工程に使用されるバーンインボード及びテストソケット等のメンテナンス事業を行っております。 2.コネクタソリューション事業主要な製品は、高速伝送用コネクタ、カードコネクタ、インターフェースコネクタ、基板コネクタ、圧接コネクタ、実装用ICソケット、その他各種コネクタ及びYFLEX(高速伝送用ケーブル、実装基板)であります。山一電機が製造販売するほか、主に海外子会社プライコンマイクロエレクトロニクスINC.及びヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドマニュファクチャリングGmbHが製造しており、主に海外子会社ヤマイチエレクトロニクスU.S.A.,INC.、ヤマイチエレクトロニクスシンガポールPTE LTD、ヤマイチエレクトロニクスドイッチェランドGmbH、亜洲山一電機工業㈱、山一電機(香港)有限公司及び山一電子(上海)有限公司が販売しております。 3.光関連事業主要な製品は、RGBフィルタ、UV/IRカットフィルタ、ダイクロイックフィルタ・ミラー、蛍光ダイクロイックフィルタ、ショート/ロングパスフィルタ、バンドパスフィルタ及び半導体レーザ光源であります。光伸光学工業㈱が製造販売を行っております。 概要図は以下のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】山一電機グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において山一電機グループが判断したものであります。 (1)経営方針山一電機グループは、「人の尊重」、「企業価値の最大化」、「企業品質の向上」、「技術立社への挑戦」及び「社会的役割の達成」という経営理念のもと、人・企業・社会・地球とのより良い結びつきを柔軟な技術力と発想力をもって意欲的に創造する「もっとしなやかにBetter Connection」をコーポレートスローガンに、お客様の価値創出に貢献し、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題山一電機グループを取り巻く事業環境は、AI・データセンター投資の拡大、モバイル端末の高機能化・多様化、自動車の電動化・知能化、産業機器・医療分野の高度化を背景に、大きく変化しております。これらの変化を背景として、高信頼・高性能な接続機構部品及び高機能光学部材への需要は、中長期的に拡大していくものと見込んでおります。山一電機グループは、こうした環境変化を成長機会として取り込むため、事業・組織の両面から成長基盤を強化するとともに、人的資本、サステナビリティ、ガバナンスの強化に取り組み、成長投資の実行と資本効率の向上を通じて、企業価値の向上を図ってまいります。 (3)経営戦略山一電機グループは、2026年度を初年度とする3ヵ年の第5次中期経営計画を策定し、2030年及び2035年に向けた利益成長の実現を見据え、その土台を固める3年間と位置付けております。第5次中期経営計画では、事業強化と組織強化を重点施策として推進し、持続的な成長基盤の確立を図ってまいります。 ① 事業強化[テストソリューション事業]テストソリューション事業は、主力のSLTソケットの展開領域をスマートフォン・PC向けに加え、車載、ウェアラブル、ネットワーク分野へ拡大するとともに、高周波、多ピン、微細化、高耐久性に対応した技術開発とものづくり力の強化を進めてまいります。あわせて、自動車用ADAS/ADS、AIサーバー、データセンターなどの成長分野向けバーンインソケットの製品開発・販売を強化し、新分野・新規顧客の開拓、製品ラインアップの拡充、社内一貫生産体制の強化を図ってまいります。 [コネクタソリューション事業]コネクタソリューション事業は、ハイパースケールデータセンター向けソリューションの強化と、次世代高速伝送に対応した内部接続ソリューションの拡大を進めてまいります。あわせて、半導体検査装置・製造装置向けグローバルニッチ製品の投入拡大、次世代I/O規格製品による欧州市場での新規用途開拓を進めるほか、車載分野ではADASセンシング向け次世代カメラモジュール製品の拡大、高速伝送規格製品の強化、EV向け充電ソリューション及びパワートレイン系大電流製品への対応を進めてまいります。 [光関連事業]光関連事業は、スマートフォン向けBlue Glass UVIR cut製品の生産能力拡充、医療用血液分析機器の開発・販売強化、並びにデータセンター向けARコート製品及び光回線用ポリイミドフィルタ製品の販売強化を進めてまいります。 ② 組織強化事業強化を支える組織力・実行力を強化するとともに、人的資本への投資、サステナビリティ活動、ガバナンス強化を進めてまいります。 ③ 投資計画本中期経営計画では、3年間で180億円の設備投資を実行いたします。AIサーバー、データセンター、車載、半導体製造装置向けの新製品開発投資に加え、生産拠点の強化、供給能力増強、生産効率向上を進めてまいります。 ④ 企業価値向上に向けた資本政策山一電機グループは、事業成長と資本効率向上の両立を図ることで、持続的な企業価値向上を目指しております。2026~2028年度の3年間において創出を見込む営業キャッシュ・フロー350億円を原資として、設備投資180億円、戦略投資50億円、株主還元120億円を配分する方針であります。株主還元については、連結配当性向30%を基本とし、新たに累進配当を導入いたします。また、資本効率及び資本構成の最適化の観点から、余剰資金が生じた場合には、機動的な自己株式取得または特別配当を実施し、高い総還元性向を目指してまいります。また、資本効率を重視した経営を推進し、ROE18%以上を安定的に確保することで、市場からの評価向上と株主価値の最大化に努めてまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等山一電機グループは、第5次中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)において、売上高1,950億円、営業利益420億円、営業利益率21.5%、当期利益295億円を目標としております。これらの目標の達成状況を判断するための主要な経営指標として、売上高、営業利益、営業利益率、当期利益、ROE及び設備投資額を設定しております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において山一電機グループが判断したものであります。 1.為替レートの変動に関わるリスク 山一電機グループの事業は、グローバルな製品の生産と販売を含んでおります。日本以外の生産拠点はフィリピン、韓国及びドイツであり、これら地域の通貨価値の上昇は、製造と調達コストを押し上げることになります。コストの増加は山一電機グループの価格競争力を低下させることになり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。販売に関わる通貨は、日本円の他、米ドル、ユーロ、シンガポールドル等があり、これら通貨の価値の下落は山一電機グループの収入減となって業績に悪影響を及ぼします。短期的な為替変動リスクに対しては、為替リスクヘッジ取引により、悪影響の排除に努めておりますが、中長期的な為替変動には対応できなくなる場合もあり、山一電機グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。2.事業環境の変動に関わるリスク 山一電機グループの業績は、営業収入のうち重要な部分を占めるテストソリューション事業製品の需要が過去において世界の半導体需給に大きく影響を受けたように、山一電機グループのコントロールが及ばない要因の影響を受けます。その要因とは、グローバルな経済環境全般の変化(今般では米中間の貿易摩擦がコネクタソリューション事業に与える影響)、地政学的リスクの増大、大規模な感染症の流行などを契機とした企業のビジネス環境や個人のライフスタイルの変化、新製品の市場投入の成否、大口顧客による製品戦略等の変更、大口注文の解約、大口顧客の倒産、大口顧客のM&Aによる消滅などに伴う大きな変化ですが、これらに好ましくない変化が生じた場合は、山一電機グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 3.気候変動に関わるリスク 山一電機グループは、気候変動に関わる課題を山一電機グループの経営に重要な影響を与える主要なリスクのひとつとして認識しております。気候変動による影響は一部顕在化しており、山一電機グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクが山一電機の経営に与える影響については、前記「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)戦略」をご参照ください。 4.価格競争に関わるリスク 山一電機グループが属しているエレクトロニクス業界は、スマートフォンや車載用電子機器等の製品や部材などの技術革新の進展が加速化し、新製品への切り替えが早まることにより、市場での在庫調整への動きや競合他社との価格競争も激化する環境下にあります。山一電機グループは、継続的な開発投資により独自技術の蓄積と新製品・新技術の開発に積極的に取り組んでおりますが、国内外を問わず業界における価格競争は激化しており、顧客からのコストダウン要求や競合他社の参入攻勢などのため、今後一層の価格下落が予想されます。山一電機グループは、グローバルな視点での収益及びコストの構造改革を推進してまいりますが、予想を超えた価格競争や販売価格の下落及び在庫調整が発生した場合には、山一電機グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。5.製品の品質、欠陥に関わるリスク 山一電機グループは、各製造拠点で世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかしながら、製品の微細化、高品位化がますます要求されていることからも、品質問題、リコールが発生しない保証はありません。特に、コネクタについては、最終製品がマスプロダクトであるスマートフォンや車載用電子機器等であることから対象製品が量的に多くなりやすく、製造物賠償責任保険などによるリスクヘッジに努めておりますが、賠償額の大きさによっては山一電機グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。6.知的財産権に関わるリスク 山一電機グループは技術開発型企業として競合他社に対して差別化できる技術を蓄積してまいりましたが、急速な生産工場のグローバル化の結果、一部地域では山一電機グループの知的財産権が完全な保護を受けることが出来なくなる可能性があります。また、競合間での技術の急速な開発競争の結果、山一電機グループの技術が意図せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性もあります。7.訴訟に関わるリスク 山一電機グループが広範な事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、環境、労務等の様々な訴訟の対象となるリスクがあります。重大な訴訟が提起された場合、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 8.海外での事業展開に関わるリスク 山一電機グループの生産、販売活動の大きな部分が、東南アジア、中国、米国、ヨーロッパ等の日本以外の国で行われております。これら海外事業展開でのリスクとして、①予測できない税制、法律の改定 ②最低賃金改定による想定以上の賃上げや労働争議による賃上げ ③伝染病(特に感染規模が大きく、収束までに長期間を要するもの)、戦争、テロ、自然災害による事業継続の困難さ ④インフラの不確実性―エネルギー、ロジスティックス等 ⑤優秀な人財確保の困難さ等があり、山一電機グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 9.外注部品供給元への依存に関わるリスク 山一電機グループ製品は、多くの原材料、部品、治具の供給を外注業者に依存しております。それら外注業者とは安定供給を狙いとした協力関係を築いておりますが、時に原材料、部品の不足や、治具の供給遅延が起こらないという保証はありません。原材料、部品、治具の供給状況の悪化は山一電機グループのコスト上昇に繋がり競争力を失うことから業績に悪影響を及ぼす可能性があります。10.原材料価格の変動に関わるリスク 山一電機グループが使用する金や銅などの金属材料や石油化学原料は、価格が大きく変動することがあり、これら原材料の価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、あるいは品種転換により製品原価を抑えることができない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。11.技術トレンドの予測に関わるリスク 山一電機グループは、革新的な技術と資源を投入する新製品の開発により、業績を確保しておりますが、新技術のトレンド、マーケットでのニーズの予測を間違えると投下資源の回収が出来なくなることから業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 12.量産拠点の集中に関わるリスク 山一電機グループの生産拠点は、テストソリューション事業及びコネクタソリューション事業の製品は一部製品を除きフィリピン、光関連事業の製品は神奈川県秦野市にて生産しており、各生産拠点が一極集中しております。何らかの原因でそれら生産拠点での操業が制限を受けたり不可能になるなど不測の事態が生じた場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。山一電機グループでは、中長期的に国内での生産を拡大することにより、リスク低減に努めてまいります。 13.減損損失に関わるリスク 山一電機グループが保有する土地および設備等の資産について、取得時に想定した収益が見込めなくなった場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。14.資金調達に関わるリスク 山一電機グループが事業を展開するために必要な資金の調達について、金利の上昇や山一電機グループの信用力の低下などにより調達コストが増加した場合、収益性が悪化する可能性があり、また有利子負債の一括返済を求められた場合、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 15.情報セキュリティに関わるリスク 山一電機グループは情報セキュリティポリシーを定め、関連する規程を整備し、管理体制を構築し、定期的に役員及び従業員に情報セキュリティに関する教育を実施することで、情報システムへの脅威から個人情報や機密情報を守るよう努めております。しかしながら、サイバー攻撃が複雑化・多様化する中で、不正アクセスやコンピュータウイルス感染により、山一電機グループのシステムの破壊及び保有する個人情報や機密情報の窃取・漏洩・改ざんを引き起こす可能性があり、このような事象が発生した場合、事業活動や業績及び財務状態に悪影響を及ぼし経営に大きな打撃を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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