カシオ計算機(6952)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】当グループ(カシオ計算機及びカシオ計算機の関係会社…以下同じ)は、カシオ計算機、連結子会社36社及び持分法適用関連会社2社により構成され、時計、コンシューマ、その他の分野において、開発・生産から販売・サービスにわたる事業活動を展開しております。当グループの各事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、事業区分は「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。 開発については、基礎研究開発、新製品開発、新生産技術開発は主にカシオ計算機が担当し、生産技術の開発は、主として生産関係会社が行っております。生産については、生産関係会社が主要部品をカシオ計算機から支給を受け、一部自己調達部品をもって製品組立加工を行い、それぞれカシオ計算機に供給する経営形態をとっております。セグメント別の主要製品及び主要生産関係会社は次のとおりであります。 セグメント主要製品主要生産関係会社時計ウオッチ、クロック 等山形カシオ株式会社Casio Computer(Hong Kong)Ltd.カシオ電子(深圳)有限公司カシオ電子(韶関)有限公司Casio(Thailand)Co.,Ltd.コンシューマ電子辞書、電卓電子文具、電子楽器 等山形カシオ株式会社Casio Computer(Hong Kong)Ltd.カシオ電子科技(中山)有限公司Casio(Thailand)Co.,Ltd.その他成形部品、金型非継続事業 等山形カシオ株式会社 当グループの販売関係会社は複数のセグメントに跨る製品を販売しているため、販売については、国内・海外に区分し、上記セグメント及び主要製品に関連づけて記載しております。国内販売については、主としてカシオ計算機が小売店、代理店を通して販売しております。海外販売については、主として販売関係会社(北米地域はCasio America, Inc.等、欧州地域はCasio Europe GmbH等、アジア・その他地域はカシオ(中国)貿易有限公司、Casio Singapore Pte.,Ltd.、Casio Middle East and Africa FZE等)、代理店を通じて販売しております。サービスについては、主としてカシオテクノ株式会社及び販売関係会社が当グループ製品の保守サービスを行っております。 事業の系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(カシオ計算機及びカシオ計算機の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。 当連結会計年度における国内外の経済環境は、米国の関税率引き上げや、地政学的リスクの高まりなどによる影響が各国に波及し、先行き不透明な状況が継続しましたが、全体としては底堅く推移しました。 当グループは、経営理念「創造 貢献」を軸に、2030年に向け企業価値極大化を目指しております。その実現に向け、コア事業を中心とした着実な成長を図るとともに、収益基盤をさらに強固なものとし、持続的成長に向けた基盤を確立してまいります。2027年3月期から2029年3月期の3ヶ年中期経営計画では「持続的成長に向けた基盤確立期」と位置付け、新たな成長領域におけるイノベーションと経営基盤強化により、「足元の収益性強化」と「中期の成長基盤確立」の両輪を実現し、グローバルブランドとしての企業価値極大化を図ってまいります。①収益性強化と成長基盤の確立1)時計事業………………………「G-SHOCK」と「CASIO WATCH」の2軸ブランド展開による収益極大化を図ってまいります。「G-SHOCK」は、商品ラインアップとブランド力を強化し再成長を目指すとともに若年層のユーザーの獲得を強化してまいります。「CASIO WATCH」は、高単価ラインアップの拡充、現代トレンドとの融合、本質的価値を際立たせたデザイン/商品の進化により、高付加価値化を推進し、女性や新世代を中心としたさらなる拡大に取り組んでまいります。インド、ブラジル、ASEANなど成長ポテンシャルの高いエリアでの販売を強化し、拡大を加速してまいります。2)EdTech事業……………関数電卓は、教育現場の意見を反映したユーザーインターフェイスの進化継続、エリア特性に合わせた専用機開発等、商品開発力を強化し、既存市場における普及率拡大と新興国における需要獲得を図ります。また同時に模倣品対策の推進を強化し、売上拡大、収益力強化に取り組んでまいります。教育のⅠCT化、教科書デジタル化を見据え教育アプリビジネスを強化し、ハードとソフトの融合による市場ポジション確立を目指してまいります。3)サウンド事業…………………新しい演奏体験の提供による需要創造を図るとともに、抜本的な構造改革により、早期黒字化に取り組んでまいります。4)新規事業………………………AIペット「Moflin」は、グローバルでの拡大を加速させるとともに、メンタルウェルネス領域で独自のポジションを確立し、パーソナルウェルビーイング領域での事業確立を目指してまいります。また、持続的な成長を支える経営基盤強化のため、人員構造の適正化と組織構造のスリム化による機動的かつ効率的な事業運営の確立、人的資本経営の強化、経営・事業判断を高度化するDX基盤強化を推進してまいります。R&Dについては体制を強化し、意思決定の迅速化と開発スピードを加速させ、当グループの強みであるコア技術の進化と先端領域(AI、ソフトウェア等)との技術融合により、新規事業創出や先端技術開発に取り組むことで、新たな価値を創出し、中長期的な成長を支えてまいります。②資本収益性・資本効率性を意識した経営当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、通常設備投資に加え、アライアンスやブランド投資等の戦略投資及び次世代環境投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的向上を図ります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及びバランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。 ③事業を通じたサステナブルな社会への貢献当グループは、パーパスである「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」を起点に、事業活動を通じた価値創造と社会課題の解決を両立させることを目指し、サステナビリティ経営を推進しております。当グループは、中長期的に取り組むべき経営上及び環境・社会面の重要課題を明確にし、サステナビリティ経営を実効性あるものとするためにマテリアリティを設定しており、サステナビリティ経営の活動指針としております。マテリアリティは、当グループの持続的な成長と社会への貢献が相互に好循環を生む構造を目指すべく、「事業を通じた価値創造」、「経営資本の増強」、「経営基盤の強化」の3つのグループに整理するとともに、マテリアリティごとに目標及びKPIを設定し、継続的に進捗を管理・開示し推進しております。2027年3月期においては、マテリアリティの達成と中期経営計画が連動するよう、2027年3月期から2029年3月期の3ヶ年目標を新たに策定いたしました。今後も、企業成長と社会発展を両輪として、人々の心と暮らしが豊かな社会を目指してまいります。④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実カシオ計算機は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2026年6月開催の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は56%、女性取締役比率は22%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。 カシオ計算機の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、カシオ計算機独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の影響の内容、当該リスクへの対応策は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。 (1) 日本経済及び世界経済の状況当グループの製品は、日本、アメリカ、ヨーロッパ及びアジアなどの世界各国において販売されており、その需要は各国経済状況の影響を受けております。市況が下降した局面においては、売上の減少や過剰在庫などが発生する可能性があり、とりわけ当グループ製品の大部分が個人消費者を対象としているため、各国の個人消費の動向は当グループ事業に大きく影響しております。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行してまいります。 (2) 戦争、テロ、感染症等の要因による社会的混乱戦争やテロなど当グループによるコントロールができない事態によって、当グループの各種設備や生産拠点等が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は、当グループの生産体制等に影響を与え、生産・出荷の遅延、営業活動の停滞などにより、売上高が減少し、また、修繕や代替の為に多大な費用を要する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、特に、中東における地政学リスクの高まりによる世界経済への影響が懸念されます。当該リスクへの対応については、固有の市場状況に応じたきめ細やかなマーケティング活動を展開し、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなど、リスク管理を行ってまいります。 (3) 外国為替リスク及び金利リスク「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の通り、当グループは世界各地で製品の生産販売を行っており、結果として為替レートの変動による影響を受けております。当グループの利益は、円と対象通貨との為替レートが変動した場合に不利益を受ける可能性があり、また、当グループは金利変動リスクにも晒されており、このリスクは全体的な営業費用、調達コスト、金融資産・負債の価値(特に長期債務)に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、為替の変動の影響を軽減し、またこれを回避するために、為替予約取引等の手段を講じてまいります。 (4) 価格変動当グループの関連業界においては、数多くの企業が国内外の市場シェアをめぐり激しい競争を続けております。短期間における急激な価格変動や、販売価格の下落が長期にわたって続きコストダウン活動がこれに追いつかない場合、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは一部の品目で顕在化しておりますが、当該リスクへの対応については、採算の取れるアイテムの選択、他社との差別化を図って優位性を保持することなどにより、採算を確保するよう努めてまいります。 (5) 新製品当グループにおいて新製品開発を行うに際し、新製品の開発プロセスは、複雑かつ不確実なものであり様々なリスクを含んでいます。当グループが新たな人気製品を速やかにかつ定期的に発売できなかった場合、あるいは競合他社が当グループと同様の製品を発売し、特にそれが当グループの新製品発売と同時期であった場合は、市場における唯一の先行者、もしくは先行集団の一員として当グループが享受出来たはずの優位性を減少させる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、新製品の開発スケジュールの管理徹底、市場への投入時期の見極め等により、優位性を保つよう努めてまいります。 (6) 大口顧客との取引当グループの大口顧客の戦略変更、製品仕様の変更、もしくは注文の解約やスケジュール変更は、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、顧客との緊密な連携に努めてまいります。 (7) アウトソーシング当グループは生産効率と営業利益率の改善を目的に、製造・組立工程の相当部分を外部サプライヤーに委託しているため、納入遅延や確実な品質管理が難しくなるといった生産面のリスクが生じる可能性があります。また、当該委託先による関係法令違反や第三者の知的所有権侵害等の問題により、当グループの業績及び製品声価に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、委託先の選定にあたって、技術力や供給能力などについてあらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる取引先の選定に努めてまいります。 (8) 技術開発と技術の変化当グループの事業分野におけるテクノロジーの急激な変化、市場ニーズの激変等から当グループ製品が予想より早く陳腐化する可能性があり、その場合、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループの事業分野におけるテクノロジー変化の動向を注視し、技術開発の促進に努めてまいります。 (9) 国際活動及び海外進出に関するリスク「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載の通り、当グループの生産・製品販売の大部分は日本国外で行われております。従って、当グループの財政状態及び経営成績等はかなりの程度、海外の政治経済情勢並びに法制度に影響されます。特に予期しない規則や制度の変更、法令の適用は予測が難しく、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、海外の法改正情報及び各国の規制動向を継続的に収集・分析するとともに、制度変更等による事業への影響を最小限に抑えるべく、適時適切な対応に努めてまいります。 (10) 知的財産当グループは基本的に自社開発技術を使用しており、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図っていますが、以下のようなリスクが当グループに該当することもあります。・競合他社による同様の技術の独自開発・当グループが出願中の特許申請の不承認・当グループの知的財産の悪用・侵害を防ぐための手段が有効に機能しない場合・知的財産に関する法規制が当グループの知的財産を保護するのに不充分である場合・当グループの将来の製品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる場合当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループは基本的に自社開発技術を使用し、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図ってまいります。 (11) 製品の欠陥・訴訟問題当グループは、創業以来重大なクレームや悪評を受けたことはありませんが、将来において当グループ製品の製造物責任や安全性などを問うクレームが発生しないという保証はありません。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、消費者製品の製造販売会社として、製品そのものの品質にとどまらず、環境保全やリサイクルまで含めた全てを「カシオの品質」と位置付け、お客様にご満足いただける品質をお届けするのが品質保証の役割と考え、厳正なる品質管理を行ってまいります。 (12) 情報管理に関するリスク当グループは、事業の推進・展開に関連して多くの個人情報や機密情報を保有しております。当該リスクへの対応については、グループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施し、情報の管理について社内規程の整備と周知、従業員に対するセキュリティ教育、サイバー攻撃及びシステム障害に関する保全(予防・監視及び対処・復旧準備)等を講じ、情報管理の強化を図っておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。情報が漏洩した場合、営業秘密の流出による競争力の低下及び顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。重要なリスクの一つとして、防止策の徹底を図ってまいります。 (13) 提携・合弁・戦略的出資当グループは、事業の推進・展開を図るため、あるいは経営の効率化を目指すために、国内を含むいくつかの国において提携・合弁・戦略的出資を行っております。これらにあたっては事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討しておりますが、相手先の経営環境、経営方針や事業環境の変化等により協力体制の確立が困難となる可能性や、充分な成果が期待できない可能性、また業務統合に想定以上の時間を要する場合もあり、提携や買収が当初の目的を達成できず、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討するなど、慎重に進めてまいります。 (14) 当グループが保有する有価証券の価値下落有価証券への投資において株価・金利等の変動により影響を受ける他、基本的な経済全般の不確実性により、当グループの資産額に大きな影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、保有の意義や合理性について定期的に検証し、慎重に判断してまいります。 (15) その他リスク上記以外に以下のリスクが顕在化した場合には、将来的に当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がありますが、当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、法令を遵守し慎重に進めてまいります。・IT業界の景気循環性・必要時における、機器、原材料、利用設備、電力等の妥当なコストでの入手可能性・退職給付会計に係る法令の改定、制度改訂、運用環境の激変・税効果会計に係る会計基準の改正、税率変更を含む税制改正・火災や、地震、洪水などの自然災害(気候変動によって発生するものも含む)や業務上の事故などの発生
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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