三井E&Sグループは、三井E&S及び三井E&Sの関係会社(連結子会社45社及び持分法適用関連会社15社)により構成されており、成長事業推進、舶用推進システム、物流システム、周辺サービス、海洋開発の5つの事業を主として行っております。これら事業は、セグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。
なお、三井E&Sの持分法適用関連会社であった三井海洋開発株式会社の株式の一部を売却し、2024年6月に同社及びその関係会社を持分法適用の範囲から除外しております。
また、2025年4月28日開催の取締役会において、三井E&Sが保有する三井E&Sの持分法適用関連会社である三井E&S造船株式会社(以下「MES-S社」)の株式の全てを譲渡することを決議いたしました。これに伴い、MES-S社は三井E&Sの持分法適用の範囲から除外となります。
各事業の主な事業内容及び主要なグループ会社は以下のとおりであります。
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(2025年3月31日現在) |
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事業区分 |
主な事業内容 |
主要グループ会社 |
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成長事業推進 |
産業機械、水理実験設備の製造・販売・設計、各種機器のアフターサービスほか |
㈱三井E&Sパワーシステムズ ㈱加地テック |
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舶用推進システム |
舶用エンジン、二元燃料エンジン用燃料供給装置・周辺機器の製造、販売、設計、各種エンジン・機器のアフターサービスほか |
三井ミーハナイト・メタル㈱ ㈱三井E&S DU Mitsui E&S Asia Pte. Ltd. 上海中船三井造船柴油机有限公司※ |
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物流システム |
コンテナクレーン、産業用クレーンの製造・販売・設計、コンテナターミナルマネジメントシステムの販売、各種クレーンのアフターサービスほか |
PACECO CORP. ㈱三井三池製作所※ |
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周辺サービス |
ガス関連エンジニアリング事業、陸上発電プラントの運転・保守、システム開発、システム関連機器の販売、鋼構造物・船舶ブロックの製造、機械・電気設備メンテナンスほか |
三井造船特機エンジニアリング㈱ 三井E&Sシステム技研㈱ Burmeister & Wain Scandinavian Contractor A/S TGE Marine Gas Engineering GmbH 三井E&S(中国)有限公司 |
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海洋開発 |
浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備の設計、建造、据付、販売、リース、チャーター及びオペレーションほか |
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その他 |
エンジニアリング事業ほか |
㈱三井E&Sエンジニアリング 市原バイオマス発電㈱※ 三井E&S造船㈱※ |
(注)無印:連結子会社 ※:持分法適用関連会社
三井E&Sグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において三井E&Sグループが判断したものであります。
(1)経営方針
三井E&Sグループは、「2023年度中期経営計画(以下、「2023中計」)」において、持続可能社会への急速な移行、環境変化や三井E&S自体の変革をふまえ、グループの企業理念・ビジョン・経営姿勢を再定義しております。
■企業理念
エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する。
■ビジョン
2030年までに、マリンの領域を軸に、脱炭素社会の実現と、人口縮小社会の課題解決を目指す。
■経営姿勢
新しい価値の創造を顧客と共に実現
健全な財務体質と堅実な利益を追求
サステナビリティの課題解決を推進
また、三井E&Sは2023年4月に事業持株会社体制への移行に伴い、社名を見直し「E&S」に込める意味を、今後の三井E&Sの目指していく姿勢や事業ドメインに沿って再定義しました。
「E&S」には、「Engineering & Services for Evolution & Sustainability」の意味合いがあり、三井E&Sが社会の進化と持続を目指しエンジニアリングとサービスに注力することで、三井E&Sグループの企業価値の持続的向上を図る企業姿勢を込めております。
(2)経営戦略等
2023中計のビジョンは「2030年までに、マリンの領域を軸に、脱炭素社会の実現と、人口縮小社会の課題解決」を目指す姿として、三井E&Sグループの中核事業である舶用推進事業(舶用推進システムセグメント)、港湾物流事業(物流システムセグメント)の強みをさらに強化し、サービスやソリューション提供へと収益モデルの変革を進めます。
舶用推進事業では、株式会社IHI原動機の舶用大型エンジン事業を譲り受け、2023年4月に「株式会社三井E&S DU」として営業を開始しました。三井E&SグループはMAN-Energy Solutions 及びWinterthur Gas & Dieselのダブルライセンス体制の構築により製品ラインアップを拡充し、グループ内リソースの効率的な活用や生産性の向上、アフターサービスの強化を通じて競争力の向上に繋げてまいります。
港湾物流事業では、米国において港湾クレーンの最終組立を行うための検討を進めており、今後米国の港湾インフラの安全確保への貢献と三井E&Sグループ製品の競争力の強化に繋げてまいります。
(3)経営環境等
三井E&Sグループを取り巻く事業環境は、世界経済の先行きに不透明感が増す中、新造船市場は回復基調にあるものの、競合企業との価格競争や持続可能社会への急速な移行等、既存のビジネスモデルからの変革が求められる環境になっております。一方、これまで新型コロナウイルスの影響により抑制されていた経済活動が徐々に回復し、新興国を中心としたエネルギー需要の増加や環境・省エネ志向の高まり、さらには国内外のインフラ更新需要の増大等、事業拡大の機会も再び大きくなるものと想定されます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2023中計では、2025年度に、連結売上高:2,800億円、連結営業利益率:6.0%、自己資本比率:26%、及びNET有利子負債EBITDA倍率:5倍、を経営数値目標として掲げております。
また、三井E&Sグループは、サステナビリティ課題に対し、以下のマテリアリティ及び2030年度目標を設定しております。各社会課題の解決及び人材育成・多様性の確保に注力してまいります。
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マテリアリティ |
2030年度目標※2 |
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脱炭素社会の実現 |
・環境対応製品市場投入によるCO2削減量 従来比66%削減(2019年度比) ・グループ会社の生産活動によるCO2削減量 従来比17%削減(2019年度比) |
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人口縮小社会の課題解決 |
・港湾関連製品における自動化・システム化率: 40%(年間売上高比) |
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多様化確保への取り組み※1 |
・管理職 女性比率: 5%、外国人比率: 3% ・従業員全体 〃 :10%、 〃 : 5% ・技術職新卒 〃 :10%、 〃 :20% |
※1:提出会社単体として目標を設定しております。
※2:数値目標に関しては、より事業の実態に即した指標・目標を精査、検討中。
2023年度の達成・進捗状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営計画の達成・進捗状況」に記載のとおりです。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
三井E&Sグループは、エンジニアリング事業の海外大型EPC(設計・調達・建設)プロジェクトの損失によって毀損した財務基盤を回復するため、「三井E&Sグループ 事業再生計画」を推進し、計画を完遂することができました。そして、事業と経営との距離を縮め、一体となることで戦略の立案・実行スピードを上げることを目的に、2023年4月1日に純粋持株会社体制を解消し、商号を「株式会社三井E&S」に変更しました。さらに、今後の成長戦略推進及び経営効率化による三井E&Sグループの企業価値の持続的向上を図るために、以下を目的として監査等委員会設置会社へ移行しております。
①組織集約・再編に沿ったコンパクトな経営体制への移行を図る。
②事業戦略及びリスクのある案件に関し、より深い議論を行う環境を整える。
一方で、三井E&Sグループを取り巻く事業環境が大きく変化していることから、2023中計を1年前倒しで2022年度よりスタートさせ、企業価値の向上に向けて取り組んでおります。具体的には以下のとおりです。
(財務体質及び収益体質の強化)
事業再生計画に基づく、事業や資産売却の実行に加え、財務体質の健全化及び成長資金確保のため、昨年度、資本対策を実施いたしました。2023中計では、「事業再生計画の仕上げ」、「成長戦略」、「機能戦略」を基本方針とした戦略を掲げ、成長戦略による売上規模拡大と収益安定化を図り、財務体質のさらなる改善に努めます。なお、資本対策として実施した第1回行使価額修正条項付新株予約権は、当初計画より大幅な前倒しで2023年11月をもって全ての新株予約権の行使が完了し、約85億円の資金を調達し、財務健全性を向上することができました。
(成長戦略の推進)
2023中計では、「マリン領域を軸に、三井E&Sグループの中核事業である舶用推進事業、港湾物流事業を『グリーン』と『デジタル』の切り口で発展させる」ことを成長戦略の柱としております。具体的な施策は次のとおりです。
①中核事業の強化
中核事業を「舶用推進」「港湾物流」と明確にし、中核事業を軸に収益力強化を進めてまいります。
「舶用推進」の分野では、株式会社IHI原動機の舶用大型エンジン事業を譲り受け、2023年4月に「株式会社三井E&S DU」として営業を開始しました。三井E&SグループはMAN-Energy Solutions 及びWinterthur Gas & Diesel のダブルライセンス体制の構築により製品ラインアップを拡充し、グループ内リソースの効率的な活用や生産性の向上、アフターサービスの強化を通じて競争力の向上に繋げてまいります。
「港湾物流」の分野では、米国において港湾クレーンの最終組立を行うための検討を進めており、今後米国の港湾インフラの安全確保への貢献と三井E&Sグループ製品の競争力の強化に繋げてまいります。
②収益モデルの変革
中核事業である「舶用推進」「港湾物流」の各事業を、「グリーン戦略」と「デジタル戦略」により、さらなる強化を進めてまいります。
グリーン戦略では、環境対応製品のエンジニアリングに注力し、新燃料エンジン、ゼロエミッション型港湾クレーンなど脱炭素関連製品の開発・提供を進めてまいります。また、デジタル戦略では、三井E&Sグループのサービス網とデジタル技術の掛け合わせにより、海上輸送と港湾荷役の連携など強みを持つ分野で、デジタル技術・ドローン技術を活用した高度予防保全・遠隔保守サービスなどを開発・提供してまいります。
(サステナビリティ課題の取り組み)
気候変動や人口縮小社会の到来は、三井E&Sグループの事業運営における重要な経営課題であると同時に事業機会と捉え、その対応として、戦略マテリアリティを、「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」と設定いたしました。三井E&Sグループは舶用エンジン、港湾クレーンの国内シェアトップのリーディングカンパニーの責務として、この戦略マテリアリティに向け、環境対応、遠隔・自動化の開発等、中長期の目標を掲げ、取り組みを推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において三井E&Sグループが判断したものであります。
<重要なリスク>
(1)三井E&Sグループの事業の特性によるリスク
三井E&Sグループの事業は、個別受注生産が中心であり、製品の特性によっては契約から引き渡しまで長期間に亘る工事もあります。その間の社会情勢等の変化により、契約を締結した時点の見積原価と実際の原価との間に差異が生じる可能性があります。三井E&Sグループでは対策として、慎重な見積り、多様な調達先の確保をすすめることや、客先の与信リスクに対しては、代金の早期回収、海外事業においては貿易保険を利用する等リスクの回避に努めております。
また、納めた製品の性能、品質、納期の遅れに起因するクレーム等が発生した場合や、生産活動の過程で、不測の事態により有害物質が外部へ漏洩する等環境汚染が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償等による費用が発生する可能性があります。そのような事態を回避すべく、三井E&Sグループでは、品質や安全、環境保全に関する法令等を遵守し、製品の品質及び信頼性の追求と環境汚染防止に努めております。
(2)法的規制及びカントリーリスク
国内外での事業の遂行にあたっては、それぞれの国の各種法令、行政による許認可や規制等を遵守しております。しかしながら、法令の改廃や新たな法的規制が設けられる等の場合や、工事を行う国や地域によっては、政情不安(戦争、テロ)、国家間対立による経済制裁、経済情勢の急変に伴う工事従事者の動員及び資機材調達の遅れ、現地の労使関係等のリスク、商習慣に関する障害、資金移動の制約、特別な税金及び関税等により三井E&Sグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これを回避するため、貿易保険の付保、現地の法律や会計コンサルタント等からの情報収集及び顧客や取引先との間で最適な責任分担を図ることにより、リスクの低減に努めております。
(3)大規模災害のリスク
地震や風水害など各種災害が発生した場合には、物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等により、三井E&Sグループの生産活動を中心とした事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザなどの感染症が大流行(パンデミック)した場合、経済の混乱や、感染拡大防止のための外出自粛・渡航禁止等により商談機会の減少や、顧客の投資意思決定が遅れることが考えられます。これらが受注の遅れにつながった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
三井E&Sグループでは、地震、風水害など各種災害やパンデミックに対して発生時の損失を最小限に抑えるため、設備の点検・訓練の実施、緊急連絡体制、感染症対応ガイドラインの整備など、事業継続計画(BCP)を策定しております。また、損害保険の利用等を通じて負担限度額のコントロールに努めております。
(4)情報セキュリティに関するリスク
事業活動の過程では取引先の機密情報や個人情報、三井E&Sグループの技術・事務管理に関する機密情報や個人情報を取り扱う場合があります。パソコン、サーバー及びネットワーク機器の障害や紛失・盗難、外部からの攻撃やコンピュータウイルスの感染等によりこれらの情報が流出あるいは消失した場合や会社資産が喪失した場合には、三井E&Sグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これら情報セキュリティ上のリスクについては、情報セキュリティ統括責任者の指示のもと経営企画部IT統制室を中心に、セキュリティポリシーの策定、外部機関連携による各種情報の入手、ネットワークやIT機器の監視、外部からの攻撃に対する網羅的かつ多層的な対策、及び教育や訓練等の具体的施策を推進しております。
(5)市場変動によるリスク
三井E&Sグループの国内会社の売上高には、一定程度の海外向け取引が含まれており、為替レートに大幅な変動がある場合には、受注・売上及び損益に影響を受ける可能性があります。ただし、為替レートの変動による影響を軽減する対策として、為替予約の活用や海外調達により外貨建コストの比率を高めるなど、リスク量を適正な水準に調整しております。また、海外子会社においては大部分のコストは自国通貨建てのため、為替レートが三井E&Sグループの損益に与える影響は軽微であります。
新造船市場等顧客企業の市場環境の変化によっては、三井E&Sグループと競合企業との価格競争が激化し、収益性に影響を及ぼす可能性があります。競合企業との価格競争に勝ち残るため、中核事業である「舶用推進」「港湾物流」の各事業を、「グリーン戦略」と「デジタル戦略」により、更に強化してまいります。グリーン戦略では、環境対応製品のエンジニアリングに注力し、新燃料エンジン、ゼロエミッション型港湾クレーンなど脱炭素関連製品の開発・提供を進めてまいります。また、デジタル戦略では、三井E&Sグループのサービス網とデジタル技術の掛け合わせにより、海上輸送と港湾荷役の連携など強みを持つ分野で、デジタル技術・ドローン技術を活用した高度予防保全・遠隔保守サービスなどを開発・提供してまいります。
三井E&Sグループでは一定程度の有利子負債を有しており、金利レートが大幅に上昇する場合には、金融コストが増加する可能性があります。金融コストの増加に対しては、資金管理を厳格に行い有利子負債を適正な水準に維持することで、金利上昇リスクをコントロールしてまいります。
(6)材料調達リスク
三井E&Sグループは、舶用エンジン、コンテナクレーン、産業機械等各種製品の製造及びサービス事業を展開しており、多種多様な原材料・部品等の調達を行っております。例えば鋼材については、その急激な価格上昇・需給逼迫等が生じた場合、コスト増加、工程の遅れにより三井E&Sグループの損益を悪化させる可能性があります。そのため、種々の原材料・部品等について長期安定供給の体制を確保するとともに、価格交渉等を通じて、その影響を軽減するよう努めております。
(7)会計処理に関するリスク
三井E&Sグループが保有する固定資産について、経営環境の変化等により収益性が低下した場合、また、遊休資産について時価等が下落し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
また、保有する株式についても同様に、経営環境の変化等により収益性が低下した場合や時価等が著しく下落し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
税効果会計及び退職給付会計においては、将来の予想・前提に基づいて、その資産・債務等の算定を行っております。そのため、予想・前提となる数値に変更がある場合もしくはこれらの算定を行うための会計基準の変更がある場合には、三井E&Sグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)SDGsに関するリスク
三井E&Sグループが事業活動を続ける中で、炭素税の導入やCO2排出規制の強化など持続可能社会への急速な移行等が進んだ場合、燃料調達コストに対する課税や製造コスト等の増加により、三井E&S事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。既存のビジネスモデルからの変革が求められる環境になっている一方、低炭素化へ向けた動きが加速し、非化石燃料を使用した製品の需要が拡大する場合、三井E&Sに強みのある環境対応製品の販売機会の増大が期待できます。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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