イーエムネットジャパンは、EMNET INC.(※1)が日本のインターネット広告市場の伸びしろと、中小企業のインターネット広告に対する潜在的なニーズの可能性に着眼し、2007年に日本へ進出して以降、着実に事業を拡大して参りました。
その後、ソフトバンク株式会社によるイーエムネットジャパンの普通株式及び新株予約権に対する公開買付けの結果、2021年6月28日にソフトバンク株式会社がイーエムネットジャパンの親会社となりました。また、ソフトバンク株式会社の親会社であるソフトバンクグループジャパン株式会社及びソフトバンクグループ株式会社もソフトバンク株式会社を通じてイーエムネットジャパンの普通株式を間接的に保有することとなるため、イーエムネットジャパンの親会社に該当することとなりました。
情報通信技術の発達により、情報量が飛躍的に増加した現代社会において、消費者はインターネット上であらゆる情報を検索し、欲しい情報を手に入れています。一方、情報を発信する立場にある企業は、ターゲットである消費者へ効果的かつ効率的に最適な情報を提供することを考えています。
こうした中、イーエムネットジャパンは、設立以来「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げ、クライアント企業のニーズに応えるべく、デジタルマーケティングにおける課題を解決し、更なる利益向上を図るための戦略・運用・分析・改善サービスまで提供するインターネット広告事業を行っております。
また「クライアント企業へのインターネット広告に関する最新の情報と広告運用の提供」と「日本のデジタルマーケティング業界における専門家の育成」という2つのビジョンを掲げ、業界の課題である人材不足に対応するため、新卒を中心に積極的に採用を継続し、入社後、Google LLCの認める一定水準(※2)の運用知識を身に着け、OJTにより広告運用の実践経験を積ませるなど、短期間に即戦力として活躍できる人材を育成する独自の教育プログラムを構築しております。
さらに広告の企画立案、広告クリエイティブの制作、広告配信等の業務において、急速に進歩する生成AIを積極的に活用することで、より良いサービスの提供を目指してまいります。
イーエムネットジャパンは、インターネット広告事業の単一セグメントであり、セグメントごとの記載はしておりませんが、インターネット広告事業の概要と、イーエムネットジャパンが主に取り扱う広告とサービスの特徴については以下の通りです。
インターネット広告事業
(事業概要及びサービスの特徴)
デジタルチャネルの多様化、競争の激化に伴い、現在の主力サービスである検索連動型広告、運用型ディスプレイ広告の他、ソーシャルメディア広告、動画広告、アフィリエイト広告(※3)、アドネットワーク広告(※4)、DSP(※5)、DMP(※6)、ネイティブ広告(※7)、アプリ広告(※8)、純広告(※9)、海外広告(※10)等サービスを拡げております。また、昨今のインターネット広告市場における広告主の広告機能の内製化需要に対応するため、インハウス支援サービス(※11)も実施しております。
イーエムネットジャパンは、一人の担当者がクライアント企業に対して営業、広告の企画提案・運用・分析・改善までをワンストップで行う専任制と、営業と広告運用の業務を分けて対応する分業制の体制を敷いており、インターネット広告専業の広告代理店としてクライアントの多様なニーズに対応できる体制でサービスを提供しております。
また、イーエムネットジャパンでは、これまで運用型広告を主軸に置いたサービス提供をしてきた背景から、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)(※12)を継続的に循環させた広告効果を最大限に高める運用やアクセス解析(※13)を得意としております。さらに、クライアント企業のユーザーとなるペルソナ(※14)の構築から、行動仮説を立て、最適な媒体の選定・配信方法を提供すること、常に最新の情報を把握し、タイムリーな広告施策を実行すること、これらを徹底することでクライアント企業の最適なマーケティング活動を支援しております。
(1)運用型広告
① 検索連動型広告(リスティング広告)
検索連動型広告(リスティング広告)とは、ヤフー株式会社(現 LINEヤフー株式会社)やGoogle LLC等が提供する検索エンジンの検索結果に表示される広告であり、検索キーワードと連動し、検索結果ページに関連する内容の広告が表示される運用型の広告(※15)で、ニーズ顕在層に向けてアプローチが可能な広告であります。
キーワード単位で広告出稿ができ、ユーザーが広告をクリックすることで企業側に料金が発生するクリック課金システムのため、検索結果を表示させるだけでは広告費が発生しない点が特長であります。
イーエムネットジャパンでは、ユーザーが検索を行う際の環境、意図、興味・関心を把握したうえで、配信するデバイスの選定、配信するタイミングの選定、広告を出すキーワードの選定、入札単価の調整、マッチした広告文の作成等を最適に行えるように支援しております。
② 運用型ディスプレイ広告
運用型ディスプレイ広告は、ユーザーの性別、年齢、住所、職業といったデモグラフィックデータや、興味・関心などの条件を設定することで、当該ユーザーの閲覧するポータルサイトやブログ等の広告エリアに広告を表示するもので、検索連動型広告ではアプローチができないユーザーへ接触が可能な、多くの見込層、潜在層に向けたアプローチが可能な広告であります。
イーエムネットジャパンでは、ペルソナを構築し、ペルソナに応じたピンポイントな広告運用サービスの提供を得意としております。さらに、検索連動型広告と併用する事により、効果的かつ効率的な広告出稿が可能となる広告運用を提供しております。クライアント企業の目先の売上げだけではなく、長期的な利益につながるような広告運用サービスを提供することを目指しております。
③ ソーシャルメディア広告
Facebook、X、Instagramを筆頭としたソーシャルメディアに表示される広告であり、運用型ディスプレイ広告のようにデモグラフィックデータや、興味・関心などの条件設定や各ソーシャルメディアの特長に応じたターゲティング設定を行うことでタイムライン上に表示させることが可能な広告であります。多くの見込層、潜在層に向けたアプローチができる他、ターゲットユーザーの周辺ユーザーへ派生効果を図ることも可能です。
イーエムネットジャパンでは、これまでの各ソーシャルメディアの特長を活かした運用実績からクライアント企業に最適なメディアの選定と、ペルソナを活用したピンポイントなコンテンツの提供を可能としております。
(2)クリエイティブ制作
イーエムネットジャパンはこれまで扱ってきた多くのクライアント企業の広告運用の実績からノウハウを得ることにより、広告効果を更に高めるためのランディングページ、クリエイティブ制作を受注して自社又は外注を活用して行っております。制作物のリリース後、広告成果を確認し、細かな改善を加えていくことで広告効果の最大化を目指しております。
(3)インハウス支援サービス
イーエムネットジャパンはこれまでインターネット広告専業の広告代理店として、数多くの運用型広告等のサービス提供実績がございます。このような実績から、運用型広告について、WEBマーケティング施策の運用方針策定、広告運用の実施、広告運用結果の分析や改善戦略の立案等のノウハウを蓄積してまいりました。このノウハウを活用することで、広告機能の内製化を望まれている広告主に対して、効率的に広告機能の内製化の体制を構築できるようにコンサルティングサービス等を提供しております。
(4)受託業務サービス
イーエムネットジャパンはこれまでインターネット広告専業の広告代理店として、数多くの広告の企画提案営業の実績があり、また運用型広告等の豊富なサービス提供実績がございます。このような実績から、広告を出稿するクライアント企業に限らず、広告媒体や事業会社、広告代理店等に対して、運用型広告の運用サービスや広告の営業支援サービス等の受託業務を提供しております。
(用語集)
※1 EMNET INC.は、2024年12月31日時点において、イーエムネットジャパン発行済株式総数の20.46%を実質的に保有するイーエムネットジャパンの親会社であった韓国のオンライン広告代理店です。
※2 Google LLCの認める一定水準とは、「Google広告の認定資格」の認定試験を受け、合格した場合を指します。リスティング広告のアカウント作成、運用、効果検証、最適化に関する基礎知識から高度な知識まで幅広い知識があることを証明する資格です。
※3 アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告の一種であり、商品やサービスをWEB媒体に掲載し、商品が購買されたことによって報酬が支払われる広告を指します。
※4 アドネットワーク広告とは、多数の広告配信枠を集めて広告配信ネットワークを作り、それらの広告配信枠に広告を一括して配信する仕組みを指します。
※5 DSP(Demand Side Platform)とは、アドエクスチェンジの広告効果を最大限に活かすために作られた広告効果を支援するツールを指します。アドエクスチェンジとは、各アドネットワークの抱える広告枠を相互に交換する仕組みを指します。
※6 DMP(Data Management Platform)とは、外部のデータ提供企業が保有している「Webサイト行動履歴」や「年齢・性別などの属性情報」などの外部データの管理・分析をするパブリックDMPと、自社独自で保有するデータの管理・分析をするプライベートDMPに大別され、これらのデータを活用することで、顧客に合わせた最適なマーケティングアプローチをするツールを指します。
※7 ネイティブ広告とは、広告のデザイン・フォーマットが掲載メディアに自然に溶け込んでいる広告のことを指します。
※8 アプリ広告とは、アプリの認知拡大やダウンロードを促す広告を指します。
※9 純広告とは、特定の媒体の広告枠を一定期間買い取り、掲載する広告を指します。
※10 海外広告とは、海外企業が日本国内への広告出稿を行うこと、日本企業が海外へ広告出稿を行うことを指します。
※11 インハウス支援サービスとは、広告主が自社内でインターネット広告及びその他WEBマーケティング施策の運用方針策定・施策実施・施策結果の分析・改善戦略の立案などを進めるための体制構築を支援するサービスを指します。
※12 PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)とは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つで、WEBマーケティングでも活用されています。「計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)」この4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法を指します。
※13 アクセス解析とは、Webサイトのアクセス数、滞在時間、閲覧、離脱、流入元、ブラウザ等を解析し、Webサイトの現状を知り、訪問者や購買を増やすための有効な手段の1つであります。
※14 ペルソナとは、性別、年齢、居住地等の定量的な情報から、趣味、価値観、消費行動等の定性的な情報を含んだ、より詳細な架空の顧客像を指します。
※15 運用型の広告とは、運用状況に合わせて入札額やクリエイティブ、広告枠、ターゲット等を変更・改善しながら運用し続けていく広告です。多くの運用型広告は掲載枠をオークション形式の入札額と品質によって優先順位が変化するようにしています。そのため、予算のコントロールだけではなく品質を高めることが運用の主体となります。
[事業系統図]
イーエムネットジャパンの事業系統図は次の通りであります。
(注)1.メディアレップとは、インターネット広告の取引において、広告の媒体運営会社と広告代理店や広告主との仲介を行っている事業者のことです。
2.取引の一部について、代理店を通じて取引を行っております。
3.販売管理・社内情報共有システムについては、契約により関係会社(EMNET INC.)からイーエムネットジャパンの情報へのアクセスを制限しております。
イーエムネットジャパンは、今後も成長が見込まれるインターネット広告市場において、更なる利益成長と企業価値の向上を目指すべく、以下の施策に取り組んで参ります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、イーエムネットジャパンが判断したものであります。
(1)経営方針
イーエムネットジャパンは、設立以来「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げており、また「クライアント企業へのインターネット広告に関する最新の情報と広告運用の提供」と「日本のデジタルマーケティング業界における専門家の育成」という2つのビジョンを掲げております。
イーエムネットジャパンでは、クライアント企業のニーズに応えるべく、生成AI等の最新のテクノロジーとナレッジを用いながら、デジタルマーケティングにおける課題を解決し、クライアント企業の更なる利益向上を図るための戦略・運用・分析・改善サービスまで提供するインターネット広告事業を行っております。
また、イーエムネットジャパンのコーポレートスローガンであります「Beyond the Internet Advertising」のもと、インターネット広告事業以外の新たなビジネスも展開していくことで、顧客満足度の高いサービス展開を続けていきたいと考えております。
(2)経営戦略等
イーエムネットジャパンの経営戦略として、サービスについては、検索連動型広告や運用型ディスプレイ広告に加え、ソーシャルメディア広告だけでなく、動画広告への注力も強化して参ります。この戦略の一環として、対話型の人工知能「ChatGPT」に代表される生成AI(文章、画像、プログラムコードなどの様々なコンテンツを生成することのできる人工知能)等の最新のテクノロジーの活用を積極的に進め、新たなサービスの提供と業務の効率化による生産性の向上を目指して参ります。具体的には、生成AIを用いることで、広告の配信対象とするペルソナをより効果的・効率的に自動生成し、そのペルソナに訴求すべきバナー広告や動画広告等の広告クリエイティブの自動生成や最適化により、広告配信の効率性と広告成果の両方を向上させて参ります。
また、営業戦略では、生成AIによるデータ分析を活用し、デジタルシフトを検討している企業や地方企業への最適な広告提案が可能です。またソフトバンク株式会社との協業により、これまでイーエムネットジャパンではアクセスしていなかった企業へのサービス提供等を積極的に進めて参ります。
生成AIを活用することにより、新たなサービスの提供と業務効率化を実現し、クライアント企業に高い価値を提供することで、イーエムネットジャパンのサービスの成長を目指して参ります。
(3)経営環境
イーエムネットジャパンの事業領域であるインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響は収束しつつあり経済社会活動の正常化が進み、また社会のデジタル化の進展を背景に、2023年には前年比107.8%の3兆3,330億円となりました(出典:株式会社電通「2023年 日本の広告費」による)。一方で、インターネット広告の事業環境の変化は非常に早く、生成AIの活用等による新たなサービスの提供や拡充が進んでおります。こうした事業環境の変化に伴い、クライアント企業のニーズが絶えず変化しております。そのため、更なる利益成長と企業価値の向上を実現するためには、事業環境の変化への適応が非常に重要であると認識しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 運用型広告サービスの強化
インターネットメディアの広告費は進展する社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、総広告費に占める構成比は45.5%に達しました(広告費データは、株式会社電通「2023年 日本の広告費」より引用)。一方で、同業他社との競争環境も厳しさを増しており、またアドフラウド(広告詐欺)問題や、個人情報保護の観点からWebページにおける個人情報の取り扱いが厳格化されたことによるcookie規制等、インターネット広告特有の問題もあります。
こうした環境の中、イーエムネットジャパンは、これまで蓄積してきた広告運用のノウハウを生かし、現在の主力サービスである検索連動型広告(リスティング広告)や運用型ディスプレイ広告について、最新のインターネット広告情報を取得し、また個人情報保護に関する規制等の情報を取得し、社員教育等を通じて更なるサービスの品質の向上を図り、クライアント企業の満足度の向上を追求して参ります。
② 新技術や市場変化への対応
新型コロナウイルス感染症拡大により、テレワークの普及やオンラインショッピングの拡大等によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透、生成AIといったデジタルテクノロジーの進化が、今後、企業経営に大きな変化をもたらす可能性があると考えております。そこで、こうしたデジタルテクノロジーの新技術に対応すべく、必要に応じた投資や人材育成に取り組み、これら新技術の活用を進めサービス開発に繋げていくことで市場の変化に適切に対応し、クライアント企業にとって最適なソリューションを提供し続けられるよう努めて参ります。
③ 新規クライアント企業の開拓
イーエムネットジャパンのインターネット広告事業は、代理店ビジネスという特質上、広告需要の動向及び企業が属する市場の景気にイーエムネットジャパンの業績が影響を受けやすい事業です。そのため、イーエムネットジャパンの業績が特定の市場の景況感に左右されることを避けるため、今後も営業体制の強化を図ることで、様々な業種の新規クライアント企業の開拓を推進し、継続的な事業の成長に努めて参ります。
④ 人材確保と人材育成
イーエムネットジャパンは、事業環境が流動的なインターネット広告市場に属しており、より一層の利益成長と企業価値の向上のために、経営方針を深く理解し、協調性と高い倫理観を持った優秀な人材の採用・育成に取り組む必要があると認識しております。またインターネット広告は、広告配信方法や広告配信のターゲティング等、デジタルテクノロジーの進化と密接な関係があります。現在、イーエムネットジャパンでは、新卒を中心に積極的に人材を確保しておりますが、コンプライアンスへの高い意識を持ち、デジタルテクノロジーの進化に対応できる人材を育成することを目的とした教育や研修について充実・実施に努めて参ります。
⑤ 内部管理体制の強化
イーエムネットジャパンは、今後、更なる継続的な成長を実現するためには、企業規模拡大に伴う業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。また、イーエムネットジャパンは株主をはじめ、クライアント企業、取引先、社員等、様々なステークホルダーや、社会から信頼される企業であり続けるため、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンス体制の整備及び向上が重要事項であると認識しております。
このため、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図り、経営の公正性・透明性を確保し、コーポレート・ガバナンスを重視した内部管理体制強化に取り組んで参ります。具体的には、監査等委員会と内部監査室との連携によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員による監査の実施によるイーエムネットジャパンのコーポレート・ガバナンス機能の強化及びイーエムネットジャパンの事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化への対応などを行っております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
イーエムネットジャパンは、継続的な企業価値向上を達成するために、営業収益及び営業利益を重要な経営指標と捉え、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
そのためイーエムネットジャパンの重視する経営指標は、まず①営業収益、②営業利益となります。また、利益獲得の効率性の指標として③営業系社員の一人当たり営業収益を経営指標としております。なおイーエムネットジャパンは、当事業年度の期首より表示方法の変更にともない前事業年度まで売上総利益を経営指標としておりましたが、当事業年度より営業収益へ変更しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。イーエムネットジャパンは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてイーエムネットジャパンが判断したものであります。
(1)インターネット広告事業に係るリスクについて
① 技術革新について
イーエムネットジャパンのインターネット広告事業を含むインターネットビジネスの業界環境は、事業に関連する新技術の開発やそれらを利用した新サービスの導入が相次いで行われており、変化が激しくなっております。このため、イーエムネットジャパンは、新技術の導入及び新サービスの提供を継続的に検討するとともに、優秀な人材の確保に取り組んでおりますが、激しい環境変化への対応が遅れた場合には、イーエムネットジャパンのサービスの陳腐化、競争力の低下が生じる可能性があります。また、環境変化への対応のために新技術及び新サービスに多大な投資が必要となった場合には、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 景気動向の変動について
イーエムネットジャパンの事業領域であるインターネット広告市場を含む広告市場は、一般的に市場変化や景気動向の変動により広告主が広告費用を削減する等、景気動向の影響を敏感に受けやすい傾向にあります。例えば、最近では新型コロナウイルス感染症の感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻に伴う物流の停滞や資源価格の上昇等の事象が発生したことにより、消費需要の低迷に起因した広告の需要減少が発生しており、わが国経済の景気動向の変動によって、イーエムネットジャパンの成長に影響を与える可能性があります。したがって、わが国経済の景気動向の変動によって、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
③ インターネット広告市場の動向について
イーエムネットジャパンの事業領域であるインターネット広告市場は、スマートフォン端末の普及等によるインターネット利用者の増加、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等により、2023年は3兆3,330億円(前年比107.8%)と継続して成長を続けております(広告費データは、株式会社電通「2023年 日本の広告費」より引用)。また今後もテレワークの普及等によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速やビッグデータ時代到来に伴う消費者行動等により、更なる市場の成長が継続すると考えております。しかし、今後の日本におけるインターネット利用者人口の推移やインターネット広告市場の成長を阻害する状況の発生等、何らかの事情により、このような市場の成長が将来にわたって継続する保証はなく、結果として、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 疫病・災害・事故等の発生について
広告主の広告宣伝活動は、新型コロナウィルス感染症のような疫病の感染拡大、自然災害、大規模な事故、電力その他の社会インフラの障害等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。そのため、これらの疫病・災害・事故等が発生した場合、広告需要減退等により、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 媒体運営会社への依存について
イーエムネットジャパンは、インターネット広告事業の単一セグメントで事業を展開しております。インターネット広告事業は、取引形態の性質上、媒体運営会社からの広告枠の仕入れに依存しています。媒体運営会社のうち、Google LLCの提供する「Google 広告」及びLINEヤフー株式会社の提供する「Yahoo!広告」の取次額(媒体費用)への依存度は依然として高く、2023年12月期における当該2社合計の取次額(媒体費用)は、媒体費総額の79.2%(前年比1.8%減少)を占めております。イーエムネットジャパンは当該2社との良好な取引関係維持に努めておりますが、当該2社の事業方針の変更や契約の更新内容、また契約の更新ができなかった場合には、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 競合について
インターネット広告事業は、新規参入する競合会社も多く、また近年ではM&Aや業務提携等により競争力を強化する企業も増えており、競合会社を含め取り巻く環境の変化が激しい状況にあります。イーエムネットジャパンでは、イーエムネットジャパンの特徴でありますワンストップサービス(一人の担当者が営業、広告の企画提案・運用・分析・改善までをワンストップで行う専任制)により、企画力や営業提案力等の強化や広告主との良好な取引関係の維持等に積極的に取り組み、競争優位性の確保に努めております。またソフトバンク株式会社との資本業務提携による同社との協業による成長をはかっております。しかし、競合との間で顧客獲得のための価格やサービス競争の激化等により収益性の低下を招き、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 法的規制について
現在のところ、イーエムネットジャパンの事業領域であるインターネット広告事業に関する直接的な法規制又はインターネット広告業界の自主規制はありません。
しかし、広告主は掲載する広告の内容により、「商標法」、「著作権法」、「不正競争防止法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」等の規制を受ける可能性があります。イーエムネットジャパンでは、上記の各種法的規制に抵触しないように、広告取扱ガイドラインを制定し、広告の内容について管理統括部の専任担当者が慎重に確認しております。広告主がこれらの法律に違反しても直ちにイーエムネットジャパンの広告取引が違法となるわけではありませんが、イーエムネットジャパンが広告主の違法行為を助長するものとみなされた場合、イーエムネットジャパンの社会的信用が失墜し、場合によっては損害賠償請求の対象となるリスクがあります。
今後、このような法令の改正や新たな法令の制定等が行われ、既存の法令等の解釈に変化が生じたり、インターネット広告事業の自主規制が制定されイーエムネットジャパンの事業活動に対する重大な制約が生じたり、広告内容に起因する損害賠償が発生した場合、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報の取り扱いについて
イーエムネットジャパンでは、インターネット広告配信において個人情報を取得する可能性がありますが、その取扱いについては「個人情報保護法」に準拠し、個人情報取扱規程に従い適切に管理しております。しかしながら、イーエムネットジャパンより個人情報が漏洩するような事態が発生した場合、個人情報の漏洩による損害倍書等により、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)経営管理体制について
① 人材の確保・定着及び育成について
イーエムネットジャパンの事業を継続及び拡大させていくためには、優秀な人材の確保・定着及び育成が必要不可欠であると考えております。そのため、イーエムネットジャパンでは、新卒を中心とした採用を積極的に実施しており、教育体制を充実させることで、人材の育成・確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、今後の事業展開の制約要因等になり、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
② 知的財産権について
本書提出日現在、イーエムネットジャパンではこれまで、特許・著作権・その他知的財産に関して第三者の知的財産権を侵害した事実や損害賠償及び使用差止の請求を受けた事実はありません。今後においても、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払って参りますが、イーエムネットジャパンの事業分野でイーエムネットジャパンの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは困難であります。
万が一、イーエムネットジャパンが第三者の知的財産権等を侵害した場合には、直ちに、事例に応じて弁護士・弁理士等と連携し解決に努めて参りますが、損害賠償請求、差止請求や知的財産権の使用に関する対価等の支払い等により、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟について
イーエムネットジャパンは、本書提出日現在、損害賠償を請求されている事実や訴訟を提起されている事実はありません。また、イーエムネットジャパンは、法令違反となるような行為を防止するため、取引先、従業員その他第三者との関係において訴訟リスクを低減するよう、コンプライアンス研修による役員及び従業員への教育や内部監査の実施等、努めております。しかし、イーエムネットジャパンの役員及び従業員による機密情報の漏洩、事務処理のミス、不当な労務管理、取引先とのトラブル、その他不正・不適切な行為等が発生した場合、また外部からの不正アクセス等の何らかの要因から個人情報保護法の適用を受ける個人情報等の流出が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、イーエムネットジャパンの社会的信用に悪影響を及ぼすほか、事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 与信管理について
イーエムネットジャパンの事業領域であるインターネット広告市場の取引慣行として、広告代理店の広告主への広告代金の請求には、代理店手数料の他に媒体運営会社等に支払う媒体料金等を含んでいる場合があります。したがって、広告主の倒産等により、広告代金の回収が不可能となった場合には、イーエムネットジャパンが媒体運営会社等に支払う媒体料金等も含めて負担することとなります。イーエムネットジャパンでは、与信管理規程を制定し、信用リスク低減を図っておりますが、広告主の倒産等により、広告代金の回収が不可能となった場合には、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ システム障害について
イーエムネットジャパンのインターネット広告事業は、インターネットを介してサービスを提供しており、自然災害、火災等の事故、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、ソフトウエアの不具合、コンピュータウイルス等により、システム障害が発生し、継続したサービス提供等に支障が生じる可能性があります。
イーエムネットジャパンでは、このような事態に備え、外部からの不正アクセスを防止するためのファイアウォールやセキュリティソフトの導入等といった対策をとっており、また定期的なバックアップや稼働状況の監視を行うことで、情報漏洩の事前防止又は回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他
① ソフトバンク株式会社との資本業務提携契約について
イーエムネットジャパン及びソフトバンク株式会社は、2021年5月21日付で資本業務提携契約を締結して以降、事業運営の独立性を相互に尊重し、イーエムネットジャパンの事業でありますインターネット広告事業について協業を進めております。ソフトバンク株式会社との取引については、取引の経済合理性を検討し、取引条件は独立者間取引と比較して適正であるか判断を行っております。また、イーエムネットジャパンは経営の独立性を確保するため独立社外取締役を選任し、少数株主の利益を保護するためのガバナンス体制の整備に努めております。一方で、ソフトバンク株式会社は、2023年12月末現在、イーエムネットジャパンの株式の発行済株式総数の40.73%を保有する親会社であります。その為、今後、ソフトバンク株式会社の経営方針に変更があった場合、ソフトバンク株式会社によるイーエムネットジャパン議決権の行使がイーエムネットジャパンの事業運営並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
イーエムネットジャパンは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、役員及び従業員に対してストック・オプションとして新株予約権を付与しており、今後もストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権の割合は発行済株式総数の1.4%に相当します。
③ 風評被害について
イーエムネットジャパン及びイーエムネットジャパンが属するインターネット広告業界に対して、インターネット上の掲示板への書き込みや、それを起因とするマスコミ報道等によって、何らかの否定的な風評が広まった場合、その内容の正確性にかかわらず、企業イメージの毀損等により、イーエムネットジャパンの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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