ポートグループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、企業の経営課題である成約活動に対して、高い成約力とマルチチャネルマーケティング力で、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルの成約支援事業を展開しております。日本の労働市場が抱える少子高齢化に伴う労働人口の減少及び労働生産性の低下という課題に対し、企業の人材採用、販促活動において、現在は人材領域及びエネルギー領域を中心に成約支援事業を展開しております。クライアント(法人顧客)の見込み客となるユーザー集客から成約までを一気通貫で支援し、成果報酬型の成約支援事業を通じてクライアントの採用・販促活動のリスクを最小化させることを目指しております。
ポートグループでは、クライアントにとっては、競争環境が厳しく、ユーザー獲得(採用・受注)難易度が高い領域、ユーザーにとっては人生での体験回数が少なく、意思決定の難易度が高い領域、それらクライアントとユーザーの双方の課題が重なり合う市場はポートビジネスモデルの有効性を発揮しやすいと考え、成約支援事業を展開しております。なお、ポートではこれらの対象市場を「非日常領域」と定義しております。
(2) 成約支援事業各領域の特徴
人材領域では、主に未就業、未経験の若手人材の就職を支援する人材会社向け送客ビジネス「アライアンスサービス」と求人企業へ直接人材を紹介する「人材紹介サービス」を提供しております。いずれもポートグループの潤沢な会員基盤を活用した企業への人材支援を行っております。
「就活会議」は、就職活動を行う学生に向けて、企業の口コミや選考体験談を提供する国内最大級の就活生向け企業口コミ情報サイトです。ユーザーは、選考・内定を受けた就活生の生の声を通じて、選考プロセス、面接対策など、リアルな情報を得ることができます。これにより、就職活動における情報収集の質を高め、ユーザーの最適なキャリア選択を行うための意思決定を支援します。
「キャリアパーク!」は、就職活動を中心にすべての人のキャリア選択に役立つ、国内最大級の就活ノウハウ情報サイトです。ユーザーに対して就職・転職等に関するノウハウを提供するとともに、求人情報や就職・転職情報を掲載することで、ノウハウの取得だけではなくキャリア選択に繋がる行動を支援します。また会員限定のキャリアアドバイス(職業紹介)や、就活イベント等を提供しており、就職等のノウハウから求人情報、支援サービス、個別相談など、キャリアの悩みに対して総合的に支援する仕組みを整えております。
ポートグループでは、ユーザーの就職活動における意思決定プロセスに基づき目的別に設計された様々なプロダクトを展開しております。2024年2月からはOB・OG訪問マッチングサービス「Matcher」、2024年4月からは、就活生同士のコミュニティ型サイト「みん就」がポートグループに加わり、人材領域におけるプロダクトラインナップの強化を図ってまいりましたが、2025年2月には新卒採用支援市場におけるそれぞれのチャネルにおいて国内最大規模の企業となるYouTubeチャンネル「しゅんダイアリー」を運営する株式会社Diary及び、就職活動における筆記試験対策アプリを開発、運営する株式会社yuthとそれぞれ資本業務提携契約を締結いたしました。ユニーク会員数は、約63万人となり(2025年卒会員、2025年3月末時点)、国内最大規模の新卒会員基盤を保持するグループ企業へと成長を遂げております。
2022年1月に子会社化した株式会社INE、2023年7月に子会社化した株式会社Five Lineを中心に、電力・ガス事業者へ成約支援サービスを提供しております。電気代・ガス代の見直しニーズのあるユーザーと電力事業者のマッチングサイト「エネチョイス」や、引越し時に役立つ電気・ガス手続き支援サイト「引越手続き.com」を運営しております。ポートグループのWEBの集客力と意思決定まで支援するインサイドセールス力による洗練された成約力を保有し、成約支援の完全内製による高い成約率が強みとなっております。
エネルギー領域においては、成約件数が増加すると市場内でのプレゼンスが向上し、それにより成約単価上昇・成約売上上昇となり、更に積極的なマーケティング投資を行えることで成約件数の更なる増加につながるサイクルとなるため、成長サイクルにおける最重要ポイントは、総成約件数の最大化にあると考えております。その総成約件数の最大化に向けて自社の経営資源を活用した成長(オーガニック成長)をメインドライバーとしながら、M&Aによるロールアップでの外部リソースも活用した成長(インオーガニック成長)の両輪で事業を推進しております。インオーガニック成長については、総成約件数の最大化を更に加速させるために、M&A形式のロールアップ戦略に加え、マイノリティ出資と併せて、商流統合の実施を前提とする資本業務提携形式のロールアップ戦略も積極的に実行することで、多角的なアプローチによるシェア拡大を図る方針を掲げております。
上記の方針に基づき2024年11月に株式会社ライフアップ、同年12月に株式会社エンクスとの資本業務提携契約を締結し、リアル販路の拡大やM&Aによるシナジーを発揮させることで、市場におけるポートグループのプレゼンスが向上し、2025年3月期はグループ年間約90万件の成約実績を誇る国内最大規模の成約支援事業者として大きく成長を遂げております。
ポートグループの新たな柱となる新規事業への投資も行っております。具体的には、カードローンに関するプロの解説とみんなの口コミが集まるカードローン情報サイト「マネット」など、これまで培ってきたビジネスオペレーションノウハウを活かした事業開発を進めております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、ポートグループが判断したものであります。
ポートグループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、WEBマーケティング×セールスの融合で、企業の経営課題を成果報酬型で解決する成約支援事業を展開しております。「非日常領域」におけるサービス提供を通じて、社会課題に対して「あったらいいな」ではなく、「無くてはならない」、世の中にとって大切なものを社会に実装できるよう取り組んでおります。
ポートグループは、少子高齢化・生産年齢人口の減少、労働生産性が低下する日本社会において、企業における販促活動、人材採用の効率化を最も解決すべきテーマと特定し、集客から成約まで一気通貫で支援し、なおかつ企業にとって導入リスクの低い成果報酬型サービスを展開することを基本戦略として掲げております。
ポートグループは2026年3月期を最終年度とする3ヵ年中期経営計画を2023年5月12日に公表いたしました。フリーキャッシュフローの最大化を長期方針に掲げ、中長期のEBITDAの最大化を達成するにあたり、オーガニック成長への投資、収益モデルのポートフォリオ化、インオーガニック成長への投資を中期成長戦略として掲げております。
a.オーガニック成長への投資
ポートグループは高いWEB集客力と成約支援オペレーションの確立による高い成約率を備えた独自の立ち位置を確立しています。今後もその立ち位置を確実なものとすべく、主にプロダクトと成約支援オペレーションの強化に向けたオーガニックな成長投資を積極的に実施してまいります。具体的には、人材領域においては、市場の成長性が高い人材紹介と新卒人材会社向けアライアンス支援に注力投資を行い、新卒支援市場でのシェア拡大を目指してまいります。また、会員データベースを活用したターゲット年代の拡大により、20代若年層市場(既卒・第二新卒)への進出を目指してまいります。エネルギー領域においては、当該領域における更なる成約支援事業の強みを洗練させ、成約件数の最大化に向けたマーケティング投資、成約支援オペレーションの強化によりシェア拡大を目指してまいります。
ポートグループの成果報酬型ビジネスにおいて、2023年3月期時点はショット型収益(成約時点で受け取る収益)が大半を占めておりましたが、ストック型収益(成約した契約の期間中継続して受け取る収益)の比率を向上させていくことで収益のポートフォリオ化を図り、総収益の向上及び成長の蓋然性を高めてまいります。具体的には、2024年3月期よりエネルギー領域を中心にストック型収益の比率を高め、顧客との長期にわたるリレーションシップの構築及び1成約あたりの総収益を増加させ、持続的な成長を目指してまいります。
ポートグループにおける成約支援事業の更なる拡大にあたって、M&Aを主要戦略の一つとして位置付けております。中期経営計画期間中においては、既存事業のロールアップ型M&Aと新領域への参入を目的とした大規模なM&Aに限定し、明確なM&A方針を定めております。既存事業のロールアップ型M&Aとは、人材領域、エネルギー領域においてスピーディーな成長を目指すためのM&Aであり、企業規模については制約条件を定めておりません。新領域参入型M&Aとは、投資基準を明確に定め、全体の業績に対し最低10%以上のインパクトがある大規模なM&Aを積極的に志向し、これらの積極的且つ大胆なM&A戦略により非連続的なインオーガニックな成長を実現してまいります。
ポートグループの売上収益を構成する主なKPIとして「成約社数×ARPU」を重要指標と認識しております。それら重要指標を拡大するにあたり、重要項目である「集客件数」「成約率」「成約単価」に対して、競争力の源泉となる「WEBマーケティング」と「セールス(成約支援組織)」の2つの優位性を有しております。
ポートグループにおける人材領域では、就職活動生の75%にあたる約45万人が毎年度継続的にポートグループのサービスの会員となり、盤石なユーザー基盤を構築できております。(注1)また、毎年度の会員数の積み重ねにより、総会員数は約300万人を突破しております。
ポートグループは、人生において経験回数が少なくユーザーにノウハウが蓄積しにくい「非日常領域」でノウハウ・口コミ情報を提供しております。ユーザーボリュームの多い潜在層からアプローチをすることで圧倒的な母集団形成の実現を可能とし、加えて、ビジネスモデルの構造の違いからも、広告を主体サービスとはしていないためクライアント都合による情報の制約なしにユーザーの立場に寄り添った情報提供を可能としています。それにより、ユーザーからの高い支持を獲得し、潜在層から顕在層まで、見込み顧客をWEBマーケティングで集客し、その後の成約支援オペレーションを介したユーザーの意思決定支援を提供しております。
ポートグループは、「非日常領域」において、人々が日常生活の中で抱える悩みに対して、インターネット上でノウハウコンテンツや企業の口コミ情報等をWEBコンテンツとして提供しております。これらのコンテンツは、キャリアやファイナンスなどの領域において基本的に流行に左右されにくいノウハウ情報を中心に作成しているため、新規の記事作成に依存せずともユーザーから継続的に検索、閲覧され、中長期的に安定したアクセスが期待できます。また、ニュース記事のような流行性の高い記事を中心とするメディアと異なり、継続的に記事作成を行う必要がなく、一定の記事作成を終えるとコストが抑制されることから、メディア立ち上げ段階の投資フェーズを超えると、大きな投資コストをかけることなく安定した収益を生み出すものと考えております。
ポートグループが展開する成約支援事業は、一つのプロダクトに依存せずユーザーの意思決定プロセスに基づいた様々な角度からユーザーニーズを満たすべく、複数のプロダクトを提供しております。また、プロダクトの特徴やユーザーの意思決定フェーズに応じて、配信方法や配信チャネルを分散化させることでユーザーの様々なニーズに合わせたサービス提供を実現しております。
ポートグループは、ユーザーの情報収集から問い合わせ、比較検討、意思決定という行動プロセスにおいて、WEBマーケティングのみならず、洗練された成約支援組織を構築することで、ユーザーの比較検討・意思決定の行動フェーズにおいて、成約支援組織を通じた意思決定の支援を行い、高い成約率を実現しております。ポートグループにおける成約支援組織(インサイドセールス・キャリアアドバイザー・コンサルタント)は、ポートグループ全体職種比率のうち、約50%以上(注2)を占めており、今後も拡大を予定しております。また、組織を拡大させながらも1人当たり生産性を落とさない体制の構築に向け、以下の3点の取り組みを進めております。
蓄積されたユーザーの行動データや成約データを生成AI等の最新のテクノロジーを駆使し、商談時に活用することで、効率的に成約獲得(受注・内定承諾)に繋げております。
高い選考倍率によって厳選した人材採用活動を進めております。採用した人材の入社後の成果状況を分析や採用ターゲット人材見直しを行うことで、優秀な人材の確保に取り組んでおります。
動画コンテンツなどのマニュアルやナレッジの共有、規定を徹底したリスク管理、少数精鋭のチーム体制の構築でマネジメント体制の強化つなげております。
また、ポートグループは成約に応じた報酬体系と、成果にコミットメントする専属のリレーションシップ担当を配置しております。クライアントのサービス導入ハードルを下げ、クライアント数の拡大や長期リレーション構築による成約単価の上昇によって、ポートグループの市場シェア拡大に寄与しております。このような成約報酬システムを構築することにより、顧客リレーションが長期で継続するため、新規顧客の開拓が大きな資産になると捉え、現在は新規顧客の開拓に注力しております。
(注1)「45万人」2024年3月卒業予定の新卒会員数(2024年3月末時点)
(注2)「50%」グループ全体職種別比率(2024年3月末時点)
ポートグループは、株主価値向上のため、中長期的にはROE(自己資本利益率)を最大化していく方針でありますが、短期的には売上を増加させ利益を安定的に出す体制を構築することに注力しております。2024年3月期から収益のポートフォリオ化を成長戦略の一つとし、主にエネルギー領域において1成約ごとにショット型で収益が発生するショット型契約での成約件数を増やすとともに、ユーザーの利用状況に応じて毎月収益が発生するストック型契約の成約件数の積み上げを行っており、継続的な利益成長の蓋然性向上に努めております。そのため、現在は売上収益及びEBITDA(営業利益+減価償却費+固定資産除却損及び評価損益+株式報酬費用)に加え、将来収益(1件の成約によって将来生まれる総収益)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として取締役会等でモニタリングを行っております。
また、ポートグループは、2024年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を推進しており、最終事業年度である2026年3月期には、売上収益250億円、EBITDA40億円の達成を目指しております。
ポートグループの経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、ポートグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 認知度の向上とユーザー数の拡大
ポートグループが持続的に成長するためには、ポートグループのサービスの知名度を向上させ、ユーザーの意思決定までに必要な良質な情報を提供することで新規ユーザーを継続的に獲得し、ユーザー数を拡大していくことが必要不可欠であると認識しております。そのためには、効果的な広告宣伝活動等によりポートグループの知名度を向上させること、また既存プロダクトにおいてユーザーの立場に寄り添った良質な情報を蓄積していくことや、様々な角度からユーザーニーズを満たすべく複数プロダクトを展開することにより認知度の向上とユーザー数の拡大に努めてまいります。
② 成約支援組織の拡大及び生産性の維持
ポートグループは、WEBマーケティングによって集客したユーザーを洗練させた成約支援組織による意思決定支援を行うことで成約につなげております。成約件数を増加させるためには、成約支援組織の人員数を拡大させながら、1人当たりの生産性を低下させない成約支援組織の構築が必要であると考えております。高い成約率と生産性を維持、向上させる体制構築のために、テクノロジー活用による生産性向上、採用体制強化による組織力向上や、独自の教育体制による成約率維持向上に取り組んでまいります。
③ M&Aの活用
新規事業やサービスの拡大のため、M&A等の事業投資の実行による成長の実現が重要であると考えております。M&Aを行うにあたっては、投資効果はもちろん、対象事業等の将来性やポートグループが展開する成約支援事業とのシナジーをはじめとした相乗効果を十分に検討した上で、事業領域の拡大と業績の向上に繋がるよう進めてまいります。
ポートグループは、中期経営計画に基づく、積極的な事業投資やM&A等により、事業・組織規模を急速に拡大させております。今後も積極的で適正なリスクテイクを行い、持続的な成長を実現するためには、内部管理体制及び内部統制の継続的な強化が必要であると考えております。第13期においては、リスク管理及び内部統制システムの運用強化のために、内部通報制度の充実化、内部統制委員会の設置を通じてリスク情報の集約から内部統制への反映までのPDCAサイクルの改善に努めたほか、「内部統制システムの基本方針」を刷新し、同方針に連動した内部監査計画の策定、実施及び取締役会、監査等委員会へのデュアルレポートの確立を進めてまいりました。
また、企業集団の拡大に合わせ、グループ会社管理やリスクマネジメントに関する規程を充実化させ、各社の役員への研修も実施してまいりました。引き続きグループ全体で業務の適正を確保し続けるべく、迅速で網羅的なリスク情報の把握と内部統制への反映、監査等委員会・内部監査によるモニタリングの徹底、役職員への研修の充実化等をグループ全体で実施し、企業集団、組織、事業の規模拡大に合わせ、より一層の内部統制の強化に努めてまいります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 継続的な事業の創出
インターネット関連事業は、サービス等の新陳代謝が激しく、一般的にプロダクトライフサイクルが短い傾向にあります。こうした環境の中で継続的な成長を実現するためには、既存事業の成長を図るだけではなく、様々な新規事業の開発が重要であると考えております。
ポートグループは、就職系プロダクト「キャリアパーク!」で構築したビジネスモデルを水平展開及び垂直展開させることで、事業を拡大してまいりました。今後も中長期の競争力確保に繋がる事業開発のノウハウの蓄積を積極的に行い、継続的に新規事業の開発に取り組むことで、将来にわたる持続的な成長につなげてまいります。
② 優秀な人材の確保と育成
ポートグループは、新卒、中途両面から積極的な採用活動を行い人材を確保しており、事業成長を牽引しております。今後も持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を確保・育成し人的資本を拡充させ続けることが重要であると考えており、ポートグループでは「人的資本マネジメント方針」を策定しております。同方針では、ポートの経営戦略を実行し、中期経営計画を達成すること、ひいてはパーパスを体現する上で必要となる「6つの重要指標」を特定しており、それぞれ目標を定め、各種施策に取り組んでおります。引き続き、同方針に従い、積極的な採用活動とポートグループの経験とノウハウに基づく多様かつ有益な研修の実施や各種人事施策を展開することで、継続的に人材の確保・育成に取り組んでまいります。
③ 情報セキュリティの強化
ポートグループにおいては、事業規模の拡大に伴い、保有するユーザーの個人情報や顧客情報が年々拡大しております。当該情報はポートグループの重要な経営資源の一つであり、各種営業機密を適切に保護・管理することが持続的な成長のために不可欠であると考えております。ポートグループでは情報セキュリティポリシーを定め、同ポリシーの下、機密情報管理規程、個人情報保護規程等の規程の整備及び見直し、定期的な役職員への研修を実施しているほか、サイバーセキュリティシステムへの投資も積極的に行っております。引き続き、事業・組織規模の拡大、社会的・技術的な動向に合わせ、適切にセキュリティ管理体制を強化し続けてまいります。
④ 技術革新や事業環境の変化への対応
ポートグループの事業領域であるインターネット関連市場は、技術革新のスピードが速く、次々と新規参入企業が出現するなど、変化のスピードが速い環境となっております。
ポートグループは、このような変化に対しても迅速に対応し、各プロダクトの利用価値を継続的に高めていくことにより事業規模を拡大するため、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築してまいります。
これらの対応を進める中で、人の生活にとってなくてはならない領域における多くのユーザー、多くのアクセスログを有することとなるため、解析をはじめとした技術革新を続けることはポートグループにとって必要不可欠であると考えます。
ポートグループの事業展開上、リスク要因となりうる主な事項を記載しております。また、ポートグループは、リスク管理委員会におけるリスクアセスメントの結果のうち投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性のある事項について積極的に開示していく方針であり、透明性を重視しております。ポートグループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努める方針でありますが、ポートグループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてポートグループが判断したものであります。
ポートグループはパーパスである「社会的負債を、次世代の可能性に。」を実現するため、そしてグロース企業として、持続的な成長を実現するため、積極的なリスクテイクが必要であると考えており、事業投資、人的資本投資、M&A等、投資活動を継続して行っております。
今後も積極的な挑戦を継続して行うために、適切なリスク管理を通じて、リスクとリターンのバランスを見定め、リターンに対してリスクを最小化していくことが肝要であると認識しております。
そのため、ポートグループでは「PORTグループリスクマネジメントガイドライン」を策定し、ポートグループのリスク管理に関する基本方針として、
(a) リスクとリターンのバランスを考慮し、リスクの最小化に向けた努力を徹底すること
(b) 実効性のある対処を追求すること
(c) 透明性あるディスクロージャーを心がけること
を定めております。
また、具体的な実務指針として、グループ全体のリスク管理を行うリスク管理委員会を設置し、当該委員会に置いて実施されたリスクアセスメントの結果をステークホルダーへ透明性高くディスクローズすることを定めております。加えて、グループ各社においても毎年定期的にリスクアセスメントを実施し、リスク管理委員会に報告することとしております。また、リスク管理委員会には社外取締役が構成員として関与し、取締役会による監督機能を確保しております。
実効性の高いリスク管理のためには、リスク事項、インシデント等の情報を迅速に集約し、適時適切にリスク管理及び内部統制システムを再構築し運用することが肝要であると認識しております。
ポートでは、インシデント等の情報を集約し、内部統制システムを再構築するための体制として、
1.内部通報ホットライン制度の充実化
2.リスク管理委員会・コンプライアンス委員会・内部監査室の量的質的な基準に基づく情報連携
3.インシデント発見者への委員会等への報告の義務化
4.内部監査室から内部統制委員会への、コントロールの運用状況・評価の情報連携
5.内部監査室から、取締役会・監査等委委員会へのデュアルレポートラインの確保
を行っております。これによりポートのあらゆるインシデント情報が目詰まりなく集約され、リスク事案の把握、具体的なコントロールの実施、コントロールの効果の評価を一貫して適時適切に実施できるものと考えております。
ポートではリスク管理委員会において、グループ全体のリスク分類表を作成し、少なくとも年に1度、各リスク項目、その評価及びコントロールの見直しを行いリスク分類表を更新しております。2024年5月現在では事業環境や社会情勢を踏まえ、141のリスク項目(小カテゴリ)を抽出し、各リスク項目を「発生可能性」と「影響度」の2軸で評価しております。
「発生可能性」と「影響度」はそれぞれ、上述の情報集約システムによって集約された情報等に基づき、4段階で評価し、最終的に各リスク項目に対して重要性を6段階で分類しております。重要度評価が4以上のリスク項目を重点リスクとして識別し、各リスク項目(小カテゴリ)のグルーピングを行ったうえで、リスク管理委員会での審議を踏まえ、経営・事業等を取り巻く重要なリスクとして開示しております。
リスク管理プロセス
リスク対応表
ポートのリスクアセスメントプロセスに基づき、開示すべき重要なリスクとして識別したリスク項目は以下のとおりです。なおポートリスク管理委員会が重要度が高いと判断したリスク項目の順に記載しております。
ポートグループは、中期経営計画に基づく、積極的な事業投資やM&A等により、事業・組織規模を急速に拡大させております。今後も積極的で適正なリスクテイクを行い、持続的な成長を実現するためには、内部管理体制及び内部統制の継続的な強化が必要であると考えております。第13期においては、リスク管理及び内部統制システムの運用強化のために、内部通報制度の充実化、内部統制委員会の設置を通じてリスク情報の集約から内部統制への反映までのPDCAサイクルの改善に努めたほか、「内部統制システムの基本方針」を刷新し、同方針に連動した内部監査計画の策定、実施及び取締役会、監査等委員会へのデュアルレポートの確立を進めてまいりました。また、企業集団の拡大に合わせ、グループ会社管理やリスクマネジメントに関する規程を充実化させ、各社の役員への研修も実施してまいりました。引き続きグループ全体で業務の適正を確保し続けるべく、迅速で網羅的なリスク情報の把握と内部統制への反映、監査等委員会・内部監査によるモニタリングの徹底、役職員への研修の充実化等をグループ全体で実施し、企業集団、組織、事業の規模拡大に合わせ、より一層の内部統制の強化に努めてまいります。しかしながら、規模拡大の速度に内部管理体制、内部統制の構築が間に合わない場合、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新卒、中途両面から積極的な採用活動を行い人材を確保しており、事業成長を牽引しております。今後も持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を確保・育成し人的資本を拡充させ続けることが重要であると考えており、ポートグループでは「人的資本マネジメント方針」を策定しております。同方針では、ポートの経営戦略を実行し、中期経営計画を達成すること、ひいてはパーパスを体現する上で必要となる「6つの重要指標」を特定しており、それぞれ目標を定め、各種施策に取り組んでおります。引き続き、同方針に従い、積極的な採用活動とポートグループの経験とノウハウに基づく多様かつ有益な研修の実施や各種人事施策を展開することで等継続的に人材の確保・育成に取り組んでまいります。
しかしながら、ポートグループの必要とする人材が必要な時期に確保できない場合、又は、人材育成が計画通り進まない場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じ、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループは新規事業やサービスの拡大のため、M&Aをその有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。M&Aに際しては、対象事業等のビジネス、財務及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針であります。
しかしながら、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることや、対象事業等の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループは、成約支援事業により付加価値の高いサービスを提供しているため、情報こそが最大の資源であり、情報セキュリティの確保を重要課題のひとつとして位置付けております。ポートグループは、サービスを提供するにあたり個人情報等、貴重な情報資源を有しておりますが、情報資源を適切に管理するため情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティに対する積極的な投資を行うとともに、情報セキュリティ責任者は情報セキュリティを定期的に評価し適正化を図り、業務を継続的かつ効率的に遂行することに努めております。
加えて、個人情報管理については特に重要視しており、ポートグループは、個人情報の漏洩防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉えております。個人情報保護規程及び情報システム管理規程を制定し、個人情報を厳格に管理するとともに、プライバシーマークの取得や全従業員を対象として社内教育を徹底する等、「個人情報の保護に関する法律」及び関連法令並びにポートグループに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、ポートグループや委託先の関係者の故意・過失、又は悪意を持った第三者の攻撃などにより、情報資源が外部に流出する可能性があります。個人情報等の情報が流出した場合、ポートグループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループは、事業規模拡大に伴い必要となる運転資金やM&A資金を、自己資金及び金融機関から調達した有利子負債等によって賄っております。ポートグループの連結有利子負債残高は、当連結会計年度末において5,321百万円となっており、連結資産合計に占める有利子負債の比率は、当連結会計年度末において32.8%となっております。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の借入金については、財務制限条項が付されておりますが、当該条項を遵守しております。当該条項につきましては要求される水準を維持するようモニタリングしております。
ポートグループでは、上記リスクに対して、金融機関との関係性を継続的に維持・強化し事業拡大に必要な融資の獲得と金利変動リスクを低減するとともに、資金使途を吟味したうえで、ポートグループ全体の資金使途に応じて事業資金の調達・運用を実施しております。
ポートグループが事業展開しているインターネット関連市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に速く、インターネット関連事業者はその変化に柔軟に対応する必要があります。特に、昨今において生成AIの進化がめざましく、当該技術はポートの成約支援事業におけるWebマーケティング及び成約支援組織による競争優位性を低下させる恐れがあります。そのためポートグループは、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築し、メタバースや生成AI等の最新技術の事業応用可能性を積極的に検証することに加え、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。
しかしながら、ポートグループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループが提供しているサービスにおいては、個人のユーザーから個人情報を預かっているため、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。また、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」におけるアクセス管理者の立場から不正アクセス行為に対する必要な防御の措置を取る必要があります。さらに、ポートグループはシステム開発等の一部を外注する場合があり、「下請代金支払遅延等防止法」の対応が求められます。加えて、ポート多くの情報資産を保有しており、採用、業務委託等含め人員が増加しているため、「不正競争防止法」に基づく情報の持ち出し、及び持ち込みを防止するための措置をとる必要があります。
ポートグループは、上記を含む各種法的規制などに関して法律を遵守するよう、社員教育を行うとともにそれらの遵守体制を整備・強化しておりますが、今後これらの法令の改正や、ポートグループの行う事業が規制の対象となった場合、ポートグループの業績及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループは、インターネット関連事業を主たる事業対象としているため、インターネット及び関連サービスの更なる発展が事業の成長を図る上で重要であると考えております。インターネットの普及、インターネット活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等は今後も継続していくと考えております。
しかしながら、インターネットの普及に伴う個人情報の漏洩、改ざん、不正使用等や、社会道徳又は公序良俗に反する行為等への対応としての新たな法的規制導入や、その他予期せぬ要因によって、インターネット及び関連サービス等の発展が阻害されるような状況が生じた場合、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループは、インターネット広告等に係る売上高が一定の比率を占めておりますが、インターネット広告は市場の変化や景気動向の変動により広告主が出稿を増減する傾向にあり、そのような外部環境の変動により当初想定していた収益を確保することができず、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループメディアに掲載するコンテンツの制作に関わる関係者には法令遵守の徹底に加え、所定のルールに従い掲載前のコンテンツのチェックを入念に実施するなどして編集業務を行うよう努めております。また、各領域における関連法令に抵触することがないよう、加えてコンテンツの信頼性を確保できるよう、専門家と連携を図りながら監修体制を導入しております。
しかしながら、何らかの理由により正確性、公平性に欠けたコンテンツが掲載された場合、ポートグループの業績及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役である春日博文は、ポート設立以来、ポートグループ事業に深く関与しており、また成約支援事業におけるコアコンピタンスであるWebマーケティング及び成約支援組織による運営に関する豊富な知識と経験を有していることから、経営戦略の立案や遂行に関して重要な役割を担っております。
ポートグループは、適切に取締役会等の意思決定機関を運営し、事業成長を牽引できる経営人材を育成するため、グループの経営陣としての意思決定における基本方針として「経営判断ポリシー」及び「PORTグループ役員行動規範」を定めているほか、経営陣への定期的な役員研修の実施を取締役会規程等に義務付けております。
また今後もグループ拡大に合わせ積極的に権限委譲可能な経営人材を継続的に輩出できるよう、ポートでは、経営陣の一角である執行役員及びグループ会社の役員を会社法上の重要な使用人に相当するもの(「重要な使用人等」)と位置づけ、その選任及び教育方針をポート指名委員会の審議事項として定めており、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。加えて、代表取締役に緊急事態が発生した場合のエマージェンシー体制の決定を行い、当該影響の軽減のための施策を行っております。
しかしながら、現時点で何らかの理由により同氏が長期間の業務を行うことが難しくなった場合は、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループの事業にとって、ユーザー数の増加は業績に繋がる重要な要素であるため、インターネット等を用いた広告宣伝活動だけに依存しない体制に必要と思われるセミナーなどのマーケティング活動に注力してきております。一定の成果を有しているものの、新規獲得では広告宣伝活動の影響を受ける部分もあるため、今後もユーザー獲得効果を勘案して最適な施策を実施してまいります。しかしながら、ポートグループの想定通りユーザー数が増加しない場合、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループ人材支援サービスは主に新卒就職活動者を対象に展開しております。第3四半期以降は企業の広報活動が本格化することもあり、ポートグループメディアからの送客も増加します。また、販促支援サービスにおいて成長を牽引しているエネルギー領域では、主に電力切替希望のユーザーと小売電気事業者の成約を支援しており、転勤就職等による引越し等に伴う切替ニーズが大きいことから、毎年3月、4月の成約数が最も多くなっております、そのため年間を通じてグループ売上が平準化されずに、四半期決算の業績が変動する可能性があります。加えて、新卒採用市場において、通年採用化の流れが徐々に発生しており、四半期ごとの業績比重が変化していく可能性があります。なお、当連結会計年度の四半期ごとの業績につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (2)その他 当連結会計年度における四半期情報等」に記載のとおりであります。
ポートグループが取得している以下の許認可(登録)につき、本書提出日現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識しておりますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループが取得している許認可等
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大等が発生した場合、ポートグループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、ポートグループの事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が止むを得ず一時的に停止する可能性もあり、係る場合、ポートグループの信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、ポートグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ポートグループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策検討と準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には、事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー