日本ホスピスホールディングス(7061)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】日本ホスピスホールディングスグループは、日本ホスピスホールディングス、連結子会社であるファミリー・ホスピス株式会社で構成されており、「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションとして掲げ、「看取り」へ対応するケア(=ターミナルケア)を、末期がん患者と難病患者を対象として提供しております。これは、家で自由に過ごしたいという希望、痛み苦しみを和らげて欲しいという希望の両方を叶えるためのケアサービスです。 「看取り」は、超高齢社会における重要課題の一つであり、年間の死亡者数は、2024年にすでに160万人を超えており、この数値は2040年まで増え続けると予想されており、この方々の「最期を迎える場所」が不足していることが大きな課題となっています。 [日本の死亡者数の推移と将来推計及び老年人口割合(65歳以上)](出典:2024年以前:厚生労働省政策統括官付人口動態・保健社会統計室「人口動態統計」2025年以降:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2023年推計)」) 死亡原因別では悪性新生物(がん)が長年に亘って増加しており、現在年間約38万人ががんによって亡くなっており、今後もこの傾向は変わらないと予測されています(出典:国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防研究グループ「がん罹患・死亡・有病数の長期予測」)。末期がん患者にとっては、身体的な痛み、苦しみのコントロールはもちろんですが、精神的、社会的、スピリチュアルな痛みを合わせた4つの痛みをコントロール(緩和ケア)することが大事であると考えております。また、現在厚生労働省が指定難病としている348疾患の患者は国内に約112万人いるとされており(出典:厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」)、難病患者にとっては療養場所の確保が難しいのが現状です。これらの方々に対するケアニーズが増加しており、早期の体制整備が必要とされております。 [主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移](出典:厚生労働省・2024年人口動態統計月報年計) 一方で、増大する社会保障費の抑制と国民の満足度を上げることを目的に、医療制度改革が推進され、効率的な在宅ケアが行われるよう医療と介護の連携に基づく地域包括ケアが求められています。在宅ケアの主な担い手は、在宅支援診療と訪問看護であり、地域包括ケアの中心を担うのが看護師及び介護士であります。日本ホスピスホールディングスグループは、暮らしの場である「自宅」で療養し最期を迎えるために必要な「在宅ホスピス」を、(1)ホスピス住宅の提供と、(2)在宅ホスピスサービスの提供の形で展開しております。なお、2025年12月期における日本ホスピスホールディングスグループ売上高の9割以上をホスピス住宅の提供により得ております。 [ 連携で利用者を支えるホスピス住宅 ]ホスピス住宅の提供は、看護師・リハビリ療法士・介護士がチームを組んで施設ごとにケアサービスを行うことであり、在宅ホスピスサービスの提供は、訪問看護、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所、訪問介護、通所介護、24時間定期巡回・随時対応型訪問看護介護等を組み合わせる形で行っており、いずれも「地域包括ケアシステム※」の一翼としてケアサービスを行うことであります。※地域包括ケアシステム高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービスを提供する体制のこと(出典:厚生労働省ウェブサイト) [ 人生の仕上げを支えるホスピス住宅 ]日本ホスピスホールディングスグループのターミナルケアは、「死」を意識する状況にあって、人生の仕上げ期をどう過ごすかを一緒に考えるところから関わっております。命を救うことを目的とする病院、介護サービスの提供を目的とする介護施設とは、関わり方や目的が異なり、日本ホスピスホールディングスグループでは、「死」は人生のゴールであり、悲しみは伴うものの忌み嫌うべきものではないと考え、各々が各々の人生の最終段階を迎えられるよう、「死」と向き合い、「死」を恐れず、人生の仕上げを実現できる社会の実現に貢献したいと考えております。 [ 末期がん・難病患者を取り巻く環境 ]高度な医療・急性期医療を担う医療機関の多くは、入院患者を在宅生活に復帰誘導する使命を課せられている一方で、病院における入院生活では、患者は少なからず制約を受けるため、自由度の高い自宅へと戻ることは多くの入院患者の望みでもあります。しかしながら、現実には医療機能が脆弱で介護力の無い自宅では家族の負担が大きく、また、痛みや苦しみを和らげてくれる緩和ケアも必要となります。従って、退院後も医療ケアを必要とする多くの患者には、24時間365日対応してくれる訪問看護が不可欠となっております。特に、末期がん又は難病等の患者は頻回なケアを必要としており、広域事業者の連携だけでは退院直後に必要となるケアの量が確保出来ず、また退院後の病状の進行に伴って自宅療養が限界となることが少なくありません。 [ 多様なニーズに対応可能なホスピス住宅 ]日本ホスピスホールディングスグループでは、厚生労働省の医療政策を背景として入院日数の短縮を迫られている医療機関、自宅に戻り自由度の高い生活を過ごしたい患者、これら双方のニーズを満たすことを目的として、24時間365日対応が可能な訪問看護、訪問介護及びホスピス住宅を組み合わせて在宅ホスピスを展開しております。また、日本ホスピスホールディングスグループの在宅ホスピスは、医療・介護保険、福祉制度に基づいており、具体的には、訪問看護・訪問介護・ホスピス住宅をベースに、地域の状況に応じて居宅介護支援事業所によるケアプランニングやその他の在宅ケアを組み合わせたサービスとなっております。 [ 日本ホスピスホールディングスグループの収入について ]日本ホスピスホールディングスグループは、在宅ホスピスを提供することにより、医療保険収入、介護保険収入及びホスピス住宅に係る家賃収入等を得ております。医療保険収入は、国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金より支払われる診療報酬及び利用者からの自己負担金で構成されており、介護保険収入は、国民健康保険団体連合会から支払われる介護保険料と利用者からの自己負担金で構成されております。ホスピス住宅に係る家賃収入は、ホスピス住宅の入居に際して、入居者との間で賃貸借契約を締結しており、これに基づいて毎月の家賃等を収入として得ております。 日本ホスピスホールディングスグループの提供する「在宅ホスピス」は、(1)ホスピス住宅の提供と、(2)在宅ホスピスサービスの提供の形で展開しておりますが、それぞれについては次のとおりです。 (1) ホスピス住宅の提供日本ホスピスホールディングスグループの運営するホスピス住宅は、入居者を末期がん患者や難病患者等に限定した賃貸住宅(=ホスピス住宅)です。具体的には、サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム又は介護付き有料老人ホームの指定を受けた住宅であり、訪問看護と訪問介護事業所を併設又は近設し、ケアサービスを提供しております。ホスピス住宅のメリットは、緩和ケアを行う看護師が24時間365日傍にいてくれることであります。痛みや苦しみの症状をコントロールすることは簡単ではありませんが、看護師が人生観、死生観を伺い、人生の終盤の過ごし方、やりたいこと等を盛り込んで個人ごとに必要なケアをプランニングしていきます。入居者の静かに過ごしたい、音楽を聴きたい、人に会いたい等の個々人の生活をサポートし、お花見、お墓参り、お寿司を食べに行く、孫の結婚式に出る、家族と温泉に行く等の希望を叶えながら、人生の総仕上げのお手伝いをする場所としてサービスを提供しております。 ① ホスピス住宅ホスピス住宅は、入居者にとっても、家族にとっても最良であることを願って作ったものであります。末期がん患者や難病患者の人生の最終段階には、痛みや苦しみを取るというケアが必要となります。積極的治療の選択肢がなくなった最終段階では、患者は「おうちに帰り自由に過ごしたい」と願いますが、それを実現するには家族の協力、相当な負担を負うという覚悟が必要となります。この医療面の安心感、おうちで暮らす環境(自由度)の両方の実現を目指し、日本ホスピスホールディングスグループではホスピス住宅を提供しております。ホスピス住宅では、複数の看護師を配置していることから、末期がん患者への緩和ケアサービスの提供が可能であり、入居者が入浴すること、自由に外出することも出来るという特徴があります。また、難病患者も入居する事が可能で、食事を楽しみ、家族が自由に出入りできることで家族との関わりを大事に出来るという特徴があり、そのためにもホスピス住宅には、24時間体制でスタッフが常駐し、相談業務、緊急対応を行う等の生活支援サービスを提供しております。また、日本ホスピスホールディングスグループのホスピス住宅の特徴の一つとしては、食事サービスを提供していることが挙げられます。食べることは栄養を摂ることだけではなく、人の命、人生と深く関わっていると考えており、大好きなものを食べれば元気が出たり、想い出の食事に思いを馳せたりすることもあります。口から食べられる喜びは、たとえ一口でも感じることができ、日本ホスピスホールディングスグループではこのことをとても大事な要素と考えております。なお、食事サービスは、施設によって委託方式と自社運営方式があり、委託方式の場合には、専門業者に食事サービスを委託しており、自社運営方式の住宅には調理スタッフを配置しておりますが、いずれの場合も末期がん患者や難病患者のニーズに応え食事を提供しております。日本ホスピスホールディングスグループのホスピス住宅の展開に関しては、土地オーナーに対して土地活用の一環としての提案をしておりますが、居室数が平均して30室前後であるために広い土地を必要とせず、建物投資額(土地オーナーの負担)を低く抑える事が出来ると考えております。そのため、立地条件の制約が少なく、ホスピス住宅の候補地をシビアに選ぶ必要がないため、新規施設の展開が比較的容易であるという点が特徴であります。 ② 訪問看護・介護サービスホスピス住宅に併設又は近設する訪問看護及び訪問介護事業所は、24時間必要なケアサービスを提供できる体制を整えております。訪問看護や訪問介護に従事する社員にとって、ホスピス住宅を一つのチームとして、組織として、24時間365日対応の在宅医療を実現することで、安心して働ける職場環境を整えております。特に難病患者の人生の最終段階においては、24時間の介護サービスが必要となることから、介護士にも、深い理解やスキルが要求されます。 (2) 在宅ホスピスサービスの提供住み慣れた自宅での療養生活の継続を目的として、訪問看護を中心に、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所、訪問介護、通所介護、24時間定期巡回・随時対応型訪問看護介護などを組み合せた在宅ホスピスサービスを提供しております。 ① 訪問看護訪問看護サービスの対象者は医療的ケアを必要とする方であり、医師から指示書を受け取った看護師は看護計画を作成し、医療保険と介護保険による訪問看護サービスを提供しております。在宅支援診療所の医師と連携しますが、在宅療養のベースを作るのは看護師であり、ホスピス住宅と連携することで、組織的な働き方を可能としております。訪問看護事業所には、看護師の他、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らリハビリ専門スタッフが所属しております。 ② 看護小規模多機能型居宅介護看護小規模多機能型居宅介護は、地域包括ケアシステムの中で普及の期待が高いサービスとして、在宅看取り率を上げるために2012年に厚生労働省が新たに創設した「複合型サービス」であり、2015年に「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更された介護保険サービスであります。日本ホスピスホールディングスグループにおける本サービスの利用者の多くは、人生の最終段階や重篤な疾病を抱えている方であり、ホスピス住宅との連携が欠かせません。本サービスは、訪問看護に併設して運営することで医療的ケアに対応し、「通い」「泊り」「訪問」の3つのサービスを組み合せた包括的なケアを特長とするサービスであり、ホスピス住宅との親和性が高いサービスと考えております。また、「泊り」サービスを利用しながらの看取りにも対応しております。 ③ 居宅介護支援事業所居宅介護支援事業所ではケアマネージャーを配置しケアプランの作成を行っております。日本ホスピスホールディングスグループの利用者は、医療保険サービスと介護保険サービスの併用者が多く、難病患者においては障害者総合支援サービスまで利用している方も多く、非常に複雑なケアプランを作成する必要があります。日本ホスピスホールディングスグループの在宅ホスピスサービスの実現には、ケアマネージャーが医療保険や介護保険、障害者総合支援を深く理解する必要があるため、日本ホスピスホールディングスグループではケアマネージャーの育成も行っております。その他、日本ホスピスホールディングスグループ外のケアマネージャーにケアプランの作成をお願いすることもあり、地域と連携して事業を行っております。 ④ その他の介護保険サービス上記以外の介護保険サービスとして、前述した訪問看護と親和性が高く、利用者に相乗的メリットを提供できる、訪問介護(訪問介護士が利用者宅を訪問し入浴や排せつ、調理、洗濯など日常生活の支援)、通所介護(利用者が介護施設に赴き入浴やレクリエーションなどのサービスの提供)、24時間定期巡回・随時対応型訪問看護介護(介護士と看護師の連携による、通常の定期的な訪問及び24時間の連絡体制のもとで提供する訪問介護及び訪問看護)を提供しております。日本ホスピスホールディングスグループの訪問看護は、医療ニーズの高い利用者、末期がん患者、難病患者等であることから、利用者のニーズを考慮して、訪問介護や通所介護を、訪問看護と併設すること等によって、複数の介護サービスを組み合わせた一つのチームとしてケアサービスを提供しております。 また、上記(1)ホスピス住宅の提供と、(2)在宅ホスピスサービスの提供の形で展開する日本ホスピスホールディングスグループの在宅ホスピスの特長は次のとおりです。 [ 看護師を中核とするホスピスチーム※によるターミナルケア ]日本ホスピスホールディングスグループの在宅ホスピスは、看護師を中核としたホスピスチームによるケアサービスの提供が特長であり、医療的な症状コントロールは、医師と連携して看護師が中核になり行っております。日本ホスピスホールディングスグループのターミナルケアは、「人生の仕上げ支援」を目的としており、症状をコントロールしながら、残された時間をどう生きるのかをサポートしております。また、訪問看護は24時間365日の対応を行うこと、訪問介護は医療的な処置である喀痰吸引を可能にしていること、ホスピス住宅については、食事サービスを提供したり、極力自立した生活を送れるよう全室トイレを設けたり、容態に応じてベッドの配置が変更できるレイアウトとする等、生活の持続性を高める機能を有していることも、日本ホスピスホールディングスグループの在宅ホスピスの特徴となっております。※ホスピスチームとは、看護師を中核として、介護士、リハビリ療法士、調理師等の専門スタッフで構成されたケアサービスを提供するチームのこと。 [ 働きやすい環境の整備と専門看護師等によるケアサービスの提供 ]訪問看護やホスピスは、看護師にとって働く場所の選択肢の一つでありますが、一人で訪問することへの不安、24時間対応を迫られること等の労働条件が就業への高いハードルとなっております。日本ホスピスホールディングスグループでは、ホスピスチームを編成し、それぞれの能力を補完し安心して働けるような組織を作り、福利厚生や教育・研修制度を充実させることで働きやすい環境の整備に努めております。その結果、日本ホスピスホールディングスグループの看護師には、専門看護師や認定看護師等の資格保持者が複数在籍しており、その他にも、緩和ケア病棟などでの勤務実績を有する者や、難病看護師の資格保持者が在籍しており、これらの専門性に基づいたケアの提供を可能にしております。 [ 看護師以外の専門スタッフの存在 ]看護師を中核としたケアサービスを提供するため、看護師の他、介護士、リハビリ療法士、調理師等の専門スタッフによるチームがホスピス住宅ごとに編成されており、看護師以外の専門スタッフが在籍していることも日本ホスピスホールディングスグループの特長です。日本ホスピスホールディングスグループの介護士は、末期がんや難病への理解や知識を習得し、各種研修を受講して喀痰吸引や経管栄養を担当する等の業務スキルを求められるため、日本ホスピスホールディングスグループではこれらのスキルの習得をサポートしております。介護士は、ホスピス住宅における入居者の生活に看護師と同様又はそれ以上に密接に関わっており、ターミナルケアの提供には欠かせないチームの一員となっております。 日本ホスピスホールディングスグループが運営するホスピス施設数及び部屋数の推移は次のとおりです。[日本ホスピスホールディングスグループが運営するホスピス施設数の推移(単位:施設)]会社名2020年12月期末2021年12月期末2022年12月期末2023年12月期末2024年12月期末2025年12月期末ファミリー・ホスピス株式会社172331404859 [日本ホスピスホールディングスグループのホスピス部屋数の推移(単位:室)]会社名2020年12月期末2021年12月期末2022年12月期末2023年12月期末2024年12月期末2025年12月期末ファミリー・ホスピス株式会社5247159791,2921,6092,024 [日本ホスピスホールディングスグループが運営するホスピス施設(2025年12月31日現在)]ファミリー・ホスピス株式会社所在地施設名北海道ノーザリー厚別西、白石ハウス、中島公園ハウス、北海道ボールパーク、月寒東ハウス札幌南ハウス東京都ライブクロス、成瀬ハウス、池上ハウス、二子玉川ハウス、成城ハウス、荒川ハウス代田橋ハウス、西台ハウス、高井戸ハウス、大泉学園ハウス、片倉ハウス、松庵ハウス西新井ハウス、国立ハウス、堀之内ハウス、上石神井ハウス、西葛西ハウス神奈川県鴨宮ハウス、本郷台ハウス、四之宮ハウス、東林間ハウス、茅ヶ崎ハウス、江田ハウス大口ハウス、本牧ハウス、二俣川ハウス、港南台ハウス、鵠沼ハウス、センター南ハウスたまプラーザハウス、さがみ野ハウス、日吉本町ハウス、千葉県東千葉ハウス、鎌ヶ谷ハウス、新柏ハウス、船橋ハウス埼玉県大宮ハウス、富士見ハウス愛知県OASIS千種(※)、OASIS徳川(※)、OASIS南、OASIS北、OASIS知立、OASIS志賀公園OASIS藤が丘、OASIS天白野並、OASIS金山、OASIS桜山京都府京都北山ハウス大阪府平野ハウス、豊中ハウス兵庫県神戸垂水ハウス、神戸東灘ハウス合計59施設(注)※ナーシングホームJAPAN及びナーシングホームOASISは2025年4月1日にそれぞれファミリー・ホスピスOASIS千種及びファミリー・ホスピスOASIS徳川に名称変更しております。 なお、日本ホスピスホールディングスグループの事業は、「在宅ホスピス事業」の単一セグメントとなっております。 [事業系統図]日本ホスピスホールディングスグループの事業系統図を示すと以下のとおりとなります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当連結会計年度末現在における経営方針、経営指標及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本ホスピスホールディングスグループが判断したものであります。 (1) 経営方針1.ミッションホスピスの普及と推進 2.ビジョンあなたの笑顔と尊厳をさいごまで支えます 3.コーポレートスローガンすべては笑顔のために ~ For The Smile ~ (2) 経営戦略等日本ホスピスホールディングスグループは、末期がんや難病患者等の「ターミナルケア」に特化したサービスを提供しており、在宅での「看取り」を含む同分野での先進的な事業モデルの構築と人材の育成に注力してまいりました。今後、同分野における社会的ニーズがより一層高まり続ける中で、この先進事業モデルを既出店地区の北海道及び三大都市圏に加えて、2026年度より東北及び九州地区に広げ、中長期的には日本全国への普及を目指すことを計画しております。日本ホスピスホールディングスグループにおきましては、在宅ホスピス事業を中心とした、地域ニーズに即応しうる機動的な事業推進体制を構築し、更なる事業運営効率の向上、収益力の向上を図ってまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等日本ホスピスホールディングスグループは、持続的な成長による企業価値の向上を目的として、収益力を高め、経営の効率化を図るため、経常利益率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでまいります。また、日本ホスピスホールディングスグループは、ホスピス施設における提供可能室数及び平均入居率(延べ入居室数÷(提供可能室数×稼働日数))を経営成績に影響を与える主要な経営指標として捉えております。 (4) 経営環境2026年診療報酬改定において、ホスピス等の施設併設型の訪問看護事業所を対象とした「包括型訪問看護療養費」が新たに設けられましたが、この改定はこれまでの実態に即していなかった制度を抜本的に修正するもので、2026年はホスピス業界を健全に広く発展させるうえで極めて重要な年になります。日本ホスピスホールディングスグループにおいては、新しい制度に沿った運営体制を整えてまいりますが、今回の改定は訪問看護サービスの提供方法、管理方法及び人員配置等にも影響があるものであり、2026年6月の改定時に人員数を即時調整することは困難であることから、2026年12月期は新しい報酬体系への調整期として位置付けております。また、当連結会計年度は計11施設の開設を行いましたが、2026年の計画を作成する時点では、診療報酬の改定内容が確定していなかったため、既に賃貸借契約を締結していた施設のみに新規開設を留める事とし、2026年12月期は7施設を新規開設する予定です。 (5) 日本ホスピスホールディングスグループの対処すべき課題① 事業展開に伴う課題日本ホスピスホールディングスグループのサービスは高い専門性によるターミナルケアを特徴としているため、日本ホスピスホールディングスグループの事業を地域・行政機関・病院などの関係者に理解して頂き、浸透させていくことが重要と考えております。また、日本ホスピスホールディングスグループに共感を持って頂く複数の提携医との関係構築も同じく重要であり、今後の課題であると考えております。 ② 人材の確保と社員育成今後の事業展開を図る上で、看護師・介護士等の適時適切な採用及び配置が求められ、その中でも各ホスピス施設及び事業所の管理者クラスの人材確保が早急の課題となってまいります。また、末期がんやALS(筋萎縮性側索硬化症)等の難病のケアには非常に高い専門性が求められることから、訪問看護・介護業務に関する経験の浅い看護師・介護士に対して、経験豊富なベテラン社員によるOJT(職場内実施研修)や終末期ケアの包括教育プログラム「ELNEC-J」をはじめとした、個々人のスキルアップを図る施策を積極的に行ってまいります。③ 内部管理体制の強化質の高いサービスを提供するために社員1人1人の意識向上を図り、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制の更なる強化が不可欠であると考えております。そのために、内部統制体制を構築し、ガバナンスを強化するとともに、情報セキュリティ、労務管理、事故防止をはじめとするコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。 ④ 財務基盤の強化安定的かつ継続的に日本ホスピスホールディングスグループのサービスを提供するため、財務の健全性の確保が不可欠であります。今後は、フリーキャッシュ・フローの確保と自己資本比率の向上に取り組み、財務基盤の強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日本ホスピスホールディングスグループが判断したものであります。 (1) 事業展開のための人員の確保について日本ホスピスホールディングスグループは、在宅ホスピス事業を展開するにあたり、看護師及び介護士の積極的な採用を行い、組織体制の強化及び質の高いケアサービスを提供することで、医療機関等をはじめとした地域医療との連携を図っていく方針であります。また、末期がんやALS等の難病のケアには、高い専門性が求められることから、訪問看護又は訪問介護の経験の浅い看護師並びに介護士でも安心して働けるように、ベテラン看護師並びに介護士によるOJT制度による教育研修を行ってまいります。またそれと同時に、マネジメント研修等の管理職に対する教育体制の充実を図り、安定した人員の確保に努めてまいります。しかし、今後、必要とする看護師及び介護士の採用及び確保ができない場合、十分な研修等を実施できず、看護師及び介護士等の育成が困難となった場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 訪問看護及び訪問介護に関する法的規制について① 訪問看護及び訪問介護の医療及び介護報酬に係るリスク日本ホスピスホールディングスグループは、「医療保険制度」「介護保険制度」「障害者総合支援法」のそれぞれに基づく訪問看護及び訪問介護を行っております。このうち「医療保険制度」に基づく診療報酬は2年に1度、「介護保険制度」に基づく介護報酬は3年に1度の頻度で制度の改定が行われます。今後、診療報酬及び介護報酬の見直しにより、大幅な改定が行われた場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 訪問看護及び訪問介護等に必要な指定に係るリスク日本ホスピスホールディングスグループは、訪問看護及び訪問介護を行うために「健康保険法」並びに「介護保険法」に基づく、各サービス事業者の指定を各都道府県知事から受けております。それぞれの指定には、資格要件、人員要件、設備要件及び運営要件が規定されており、これらの規定に従って事業を運営しております。日本ホスピスホールディングスグループでは、看護師・介護士等の有資格者の入退社や新規施設の開設に伴い、自治体等の基準の確認及び変更に必要な届け出を怠らないよう細心の注意を払って運営しており、本書提出日現在、事業運営の継続に支障を来すような状況は生じておりません。しかしながら、これらの基準を遵守できなかった場合や診療報酬及び介護報酬等の不正請求が認められた場合には、指定の取消又は停止等の処分を受けるおそれがあります。特に介護保険法に基づく各種指定について、日本ホスピスホールディングスグループ内のいずれかの会社が指定取消を受けた場合、当該会社において、指定取消から5年以内における新たな指定の取得及び介護サービス事業所としての更新が出来なくなります。その場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。日本ホスピスホールディングス各事業所が受けている指定は次のとおりです。 取得所轄官庁許認可名称許認可内容有効期限主な許認可取消事由日本ホスピスホールディングス各事業所厚生労働省地方厚生局指定訪問看護事業者健康保険法の訪問看護事業6年毎の更新健康保険法 第95条(指定訪問看護事業者の指定の取消し)都道府県又は政令指定都市指定訪問看護事業者介護保険法の訪問看護事業介護保険法 第77条(指定の取消し等)都道府県又は政令指定都市指定訪問介護事業者介護保険法の訪問介護介護保険法 第77条(指定の取消し等)障害者総合支援法 第50条(指定の取消し等)都道府県又は政令指定都市指定居宅介護支援事業者介護保険法の居宅介護支援介護保険法 第77条(指定の取消し等)都道府県又は政令指定都市通所介護事業者介護保険法の通所介護介護保険法 第77条(指定の取消し等)都道府県又は政令指定都市看護小規模多機能型居宅介護介護保険法の看護小規模多機能型居宅介護介護保険法 第77条(指定の取消し等) (3) 訴訟リスクについて日本ホスピスホールディングスグループの看護師は、主治医の訪問看護指示書に基づいて訪問看護を行っており、訪問介護士はケアマネージャーの作成するケアプランに沿って訪問介護を行っております。また、日本ホスピスホールディングスグループでは、社内でのOJTによる研修をはじめとした教育研修の充実を図り、安全衛生管理に係る規程や各種の運営マニュアルを遵守することにより、事故防止や緊急事態の対応が出来るように取り組んでおります。しかしながら、従業員の人為的なミス又は不測の事態の発生等によって利用者の健康状態が悪化し、利用者、そのご家族又は主治医等からの信頼が失われる等により訴訟が生じた場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 個人情報の漏洩について日本ホスピスホールディングスグループは事業を運営するにあたり、利用者あるいはそのご家族の重要な個人情報を取り扱っております。日本ホスピスホールディングスグループは、「個人情報保護規程」を制定し、個人情報については厳重に管理する等、様々な情報漏洩防止対策を講じていますが、万が一情報の流出等により、日本ホスピスホールディングスの信用が低下した場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 風評等の影響について日本ホスピスホールディングスグループの事業は、利用者やそのご家族に限らず、行政や医療機関等との連携によって円滑な運営が可能になっているものと考えております。日本ホスピスホールディングスグループでは、安定的かつ質の高いサービスを提供するために、技術的な研修を行うとともに、企業方針を浸透させる等の教育を行っております。しかし、従業員の不祥事等何らかの事象の発生や、日本ホスピスホールディングスグループに関する不利益な情報や風評が広まった場合には、利用者、行政、医療機関等との関係が悪化し、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 利用者の逝去、退去等について日本ホスピスホールディングスグループは、行政や医療機関等との連携によって、安定的な利用者の確保に努めており、日本ホスピスホールディングスグループのサービスは、高齢者の増加と共に市場が拡大し需要が増加している状況にあると認識しております。しかしながら、新規開設施設等において想定通り入居者が集まらない場合、ターミナルケアに特化した施設であることから、日本ホスピスホールディングスグループが想定する以上の入居者の逝去、退去等があった場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 差入保証金の返還について日本ホスピスホールディングスグループは、ホスピス施設又は事務所等を賃借する場合に、契約時に賃貸人に対し保証金を差し入れている場合があります。当該保証金は期間満了等による契約解消時に契約に従い返還されることになっておりますが、賃貸人の経済的破綻等によりその一部又は全額が回収できなくなる可能性があり、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 賃貸借契約に係る解約違約金について日本ホスピスホールディングスグループは、一部のホスピス住宅施設に関しては、ホスピス施設を保有するオーナーと賃貸借契約の締結に際し、株式会社LAリビングソリューションズとの間で賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結しております。ホスピス施設に係る賃貸借契約の中途解約時の解約違約金支払義務の免責を図っておりますが、賃貸借契約の中途解約に関する契約を締結していないホスピス施設については、賃貸借契約に定められた期間満了日前に中途解約をした場合は、契約内容に従って多額の解約違約金の支払いが必要となります。何らかの理由によりホスピス施設の運営を中止し、多額の解約違約金を支払う場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 大規模な災害等の影響について日本ホスピスホールディングスグループは、9都道府県(北海道、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、京都府、大阪府及び兵庫県)にて事業展開を行っておりますが、大規模な地震、台風等の災害により、事業所建物や看護師、介護士及び利用者が損害を被った場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 固定資産の減損について日本ホスピスホールディングスグループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として、主に施設を基本単位としてグルーピングしております。日本ホスピスホールディングスグループのホスピス施設は増加傾向にあり、ホスピス施設に関連する固定資産計上額について、総資産に対してその占める割合が高くなっております。万が一、外部環境の著しい変化等により、施設における営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合には、多額の減損損失が発生し、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 有利子負債について当連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務を含む)は13,184,245千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は69.7%となっており、有利子負債依存度が高い状況となっております。そのため、金利水準が上昇した場合や、計画通りの資金調達が出来なかった場合には、支払利息が増加し、日本ホスピスホールディングスグループの事業展開のスピードが減速する等、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 特定経営者への依存について日本ホスピスホールディングスの代表取締役社長CEOである高橋正は、日本ホスピスホールディングスグループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。取締役会や経営戦略会議等において、役員及び社員への情報共有や権限移譲を進める等、組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由で同氏が日本ホスピスホールディングスの業務を継続することが困難になった場合には、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 新株予約権行使の影響について日本ホスピスホールディングスは、日本ホスピスホールディングスグループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、日本ホスピスホールディングスの株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、これらの新株予約権による潜在株式数は56,000株であり、発行済株式総数8,428,100株の0.7%に相当しております。 (14) 配当政策について日本ホスピスホールディングスグループは将来に向けた事業の拡大に向け、必要な人材の確保及び新規開設に係る設備投資等の先行投資を行うため、また迅速な経営に備えるために、内部留保の充実が重要であると認識しております。一方で、株主に対する利益還元として配当を行うことも重要な経営課題の1つであることから、利益を確実に計上できる体制の強化を図ることによって財務体質の強化を行い、財政状態及び経営成績を勘案しながら、配当を実施していく方針であります。ただし、日本ホスピスホールディングスグループの業績が計画通り進展しない場合等、日本ホスピスホールディングスグループの業績が悪化した場合には、継続的に配当を行えない可能性があります。 (15) 集団感染・自然災害・事故等に関するリスク日本ホスピスホールディングスグループでは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、感染症や医療依存度が高い高齢者や障害者が共同生活を営むホスピス施設ならではの食中毒等への集団感染及び地震、津波、台風等の自然災害、及び火災等の生命に関わりうる事故のリスクがあります。日本ホスピスホールディングスグループでは、地震や風水害への備えを行い、防犯環境を整える等の対応により利用者の安全管理などに細心の注意を払っております。この他に、利用者と従業員の健康管理に注意を払い、日ごろ手洗いや手指消毒を励行、定期的に社内研修では感染症の予防、流行及び対応を学ばせ、マニュアルを整備し、これを適切に運用することで集団感染の発生リスクの低減に努めています。しかしながら、想定を上回る規模の集団感染や自然災害、事故が発生し、当該ホスピス施設の稼働が長期に亘って困難になった場合には、日本ホスピスホールディングスグループの管理責任が問われ、当該ホスピス施設のみならず日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 物価高騰に関するリスク木材、鋼材、エネルギー資源、ホスピス施設で使用する消耗品等のインフレにより、既存ホスピス施設の運営費が増加する可能性があります。また、今後更なるインフレによって、前述の費用に加え、地代家賃や建築費用等の新規ホスピス施設の調達コストが増加し、日本ホスピスホールディングスグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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