名南M&A(7076)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


名南M&A(7076)の株価チャート 名南M&A(7076)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 名南M&Aグループは、名南M&A、連結子会社1社、非連結子会社1社及び関連会社2社から構成されており、創業から現在に至るまで、一貫して中堅中小企業を対象としたM&A仲介業務に取り組んでおります。名南M&Aグループは、M&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。また、株式会社名南経営ホールディングスは名南M&Aの親会社であります。

 

(1) M&A仲介業務について

 譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせから、提携条件の調整、契約書類の作成、取引の実行に至るまでの一連のM&Aプロセスにおいて、クライアントを支援しております。中立的な立場で提携条件を調整し、譲渡先と買収先の双方から報酬を受領する業務と、譲渡先(又は買収先)の立場に立って支援し、譲渡先(又は買収先)のみから報酬を受領する業務があります。その他、「企業評価」「契約書類の作成支援」「コンサルティング業務」等、一連のM&Aプロセスの中の一部の業務のみを実施することもあります。また、名南M&Aの連結子会社であるマフォロバ株式会社の有するマッチングプラットフォーム機能を活用し、中堅中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤の構築を目指しております。

 上記のとおり、立場や業務範囲は案件ごとに異なりますが、いずれもM&Aに関する業務であることから、すべて「M&A仲介業務」としております。

 

(2) 名南M&Aの特徴について

 名南M&Aは、中堅中小企業を対象としてM&A仲介業務に取り組んでおります。親族が経営を承継する企業が年々減る中で、事業承継手段としてM&A(譲渡)を希望する中堅中小企業や、市場の変化に合わせ事業撤退の手段の一つとしてM&Aの活用が増えております。また、今後国内人口が減少し、多くの業界で国内マーケットの縮小が予想される中、業界内でのシェア拡大や事業の多角化、他地域進出の手段としてM&A(買収)を希望する中堅中小企業が増えております。譲渡と買収、双方のニーズが増加する中で、中堅中小企業のM&Aは増加傾向にあります。

 中堅中小企業のM&Aニーズの増加に伴い、金融機関やM&A専門業者がM&A業務への取組みを強化しておりますが、名南M&Aの特徴は以下の3点です。

 

① 東海地方における強固な営業基盤

 名南M&Aが属する名南コンサルティングネットワークは、東海地方において50年以上にわたり、中堅中小企業の経営を支援しており、東海地方における高い知名度と信用力を有しております。また、東海地方のすべての地方銀行と多くの信用金庫と業務提携しており、案件情報を開発するためのネットワークが構築されております。その他、国が運営するM&Aの公的な相談窓口である愛知県・岐阜県・三重県の「事業引継ぎ支援センター」にM&A専門業者として登録しており、「事業引継ぎ支援センター」からの紹介により譲渡案件を多数受託しております。

 「東海地方に根ざしたM&A会社」として信頼度、認知度向上を図るため2019年12月2日に名古屋証券取引所セントレックス市場へ上場、2020年12月17日に名古屋証券取引所市場第二部へ市場変更しました。2022年4月4日以降は、市場区分の見直しにより名古屋証券取引所メイン市場に移行しております。

 また、関西地方におけるM&Aニーズの増加に対応するため、2019年4月に開設し、2022年7月に大阪市北区に移転した大阪オフィスにおいても、提携先の増加等により堅調に成長しております。

 さらに、2021年10月に開設した静岡オフィスにおいては、提携先の増加やアドバイザーの増員によって順調に成長している状況を受け、2023年8月に拡張移転し、さらなる認知度の向上と営業基盤を確立すべく、営業活動を行ってまいります。

 加えて、2024年10月に開設した高松オフィスと2025年3月に開設した東京オフィスでも、認知度の向上と営業基盤を確立すべく、営業活動を行っております。

 

② 名南コンサルティングネットワーク関係法人との営業連携

 名南コンサルティングネットワークは、東海地方の中堅中小企業を中心に11,000社超のクライアントを有しております。

 クライアントの事業承継問題や事業拡大戦略について、関係法人と協同でソリューション提案を実施することにより、M&Aニーズの発掘に繋げております。

 また、名南コンサルティングネットワークは全国の3,200以上の会計事務所に対し、情報共有及び各種経営ツールを提供するインターネットサービスを展開しております。名南M&Aは、当該サービスのユーザーである会計事務所と連携してM&A案件の発掘に取り組んでおります。

 

③ 人材育成方針

 M&A仲介業務は、実行までのプロセスの中で、税務、法務、労務等の様々な専門知識や、クライアントが属する業界動向を分析し、相乗効果の高いM&A案件を創出するための構想力も求められます。名南M&Aは、名南コンサルティングネットワークに属する様々な専門家と定期的に勉強会や情報交換会を開催することにより、専門知識や業界知識の習得に努めております。継続的に研鑽の場を提供し、従業員のコンサルティング能力を磨くことによって、企業の潜在的なM&Aニーズを顕在化させ、税務、法務、労務等のあらゆる側面から最適なM&Aスキームを提案しております。

 

[名南コンサルティングネットワークにおける名南M&Aの位置付け]

 

(注)PMI(アフターM&A)とは、「Post Merger Integration」の略であり、M&A(企業の合併・買収)成立後の統合プロセスのことです。新しい組織体制の下で当初企図した経営統合によるシナジーを具現化するために、企業価値の向上と長期的成長を支えるマネジメントの仕組みを構築、推進するプロセスの全体を指します。M&Aが企業活動にもたらす成果の度合いは、このPMIの巧拙によって決まると言われます。

 

  (3) 業務フロー

 名南M&Aでは、譲渡を希望する企業と買収を希望する企業の引き合わせから、提携条件の調整、契約書類の作成、取引実行に至るまでの一連のM&Aプロセスにおいて、クライアントを支援しております。中立的な立場で提携条件を調整し、譲渡先と買収先の双方から報酬を受領する業務と、譲渡先(又は買収先)の立場に立って支援し、譲渡先(又は買収先)のみから報酬を受領する業務があります。その他、「企業評価」「契約書類の作成支援」「コンサルティング業務」等、一連のM&Aプロセスの中の一部の業務のみを実施することもあります。

 上記のとおり、案件によって立場や業務範囲が異なりますが、名南M&Aにおいて支援実績が最も多い「中立的な立場で、個別相談からM&A取引実行まで支援する」案件の業務フローは下記のとおりであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①M&Aニーズの発掘

 

 

 

 

 

 

・業務提携先の新規開拓、既存提携先のフォロー営業

・セミナー開催、ダイレクトメール送付、広告宣伝活動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

譲渡先

②個別譲渡相談

 

 

⑤個別買収相談

買収先

・事業内容、経営資料の確認

・簡易企業評価、実現可能性の検証

 

 

・買収ニーズのヒアリング

・匿名譲渡案件情報の提供

③アドバイザリー契約

 

 

⑥譲渡案件情報提供

・アドバイザリー契約の締結、着手金受領

・企業概要書、匿名譲渡案件資料の作成

 

 

・秘密保持契約の締結

・企業概要書の開示、質疑応答、追加資料開示

④買収候補先の探索

 

 

⑦アドバイザリー契約

・買収候補先の選定

・提案方法の確認(提案先、希望譲渡条件)

 

 

・アドバイザリー契約の締結、情報提供料受領

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑧トップ面談・条件調整

 

 

 

 

 

 

・トップ面談、会社見学のアレンジ

・譲渡条件の調整

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑨基本合意契約・買収監査

 

 

 

 

 

 

・基本合意書のドラフト作成

・買収監査の実行支援

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑩譲渡契約・取引実行

 

 

 

 

 

 

・譲渡契約書のドラフト作成、M&A取引の実行支援

・成功報酬の受領、紹介料の支払

 

 

 

 

① M&Aニーズの発掘(譲渡先・買収先)

  名南M&Aでは、以下の2つの方法によりM&Aニーズを発掘しております。

 a)間接的アプローチ

  名南M&Aのニーズの発掘の大半はこの間接的アプローチによっており、中堅中小企業を支援している金融機関や会計事務所と業務提携し、M&Aニーズを有する企業を紹介いただきます。提携先の職員を対象とする研修や提携先の取引先を対象とする共催セミナーを実施する等、提携先と協同でM&Aニーズを発掘しております。提携先からの紹介案件はM&A取引実行まで、提携先と連携して仲介業務を実施し、名南M&Aが受領した報酬の一部を紹介料として提携先にお支払いしております。

 b)直接的アプローチ

  セミナー開催、ホームページや書籍の出版等による情報発信や新聞等への執筆によるM&Aに関する啓蒙活動や広告宣伝活動により、名南M&Aの知名度を向上し、企業からの直接相談に繋げております。

 

② 個別譲渡相談(譲渡先)

 譲渡先との個別相談では、名南M&AのM&Aアドバイザーが事業内容や譲渡理由、希望譲渡条件等のヒアリングを行うとともに名南M&Aの業務内容について説明します。合わせて、M&Aのメリットとデメリットや具体的な事例、M&A以外の手段との比較等について説明し、相談者にM&Aと名南M&Aについて正しく理解いただくように努めております。個別相談後、ヒアリング内容と経営資料に基づき、M&Aの実現可能性を検証し、譲渡金額の目安となる企業価値を簡易評価します。

 

③ アドバイザリー契約(譲渡先)

 簡易企業評価結果と実現可能性について、譲渡先に報告します。実現可能性が十分認められ、譲渡先が名南M&Aによる支援を希望する場合は、アドバイザリー契約を締結、企業概要書及び匿名譲渡案件資料を作成し、着手金を受領します。

 

④ 買収候補先の探索(譲渡先)

 名南M&AのM&Aアドバイザーは、譲渡先の事業内容や規模、商圏等を踏まえて、買収候補先をリストアップします。また、必要に応じて、提携先に譲渡案件を紹介し、買収候補先の紹介を依頼します。名南M&Aがリストアップした買収候補先と、提携先から紹介を受けた買収候補先を一覧にまとめて譲渡先に提示し、提案の可否や順番について打ち合わせを実施します。合わせて、買収候補先に提示する希望譲渡条件について確認を行います。

 

⑤ 個別買収相談(買収先)

 買収先との個別相談では、名南M&AのM&Aアドバイザーが買収対象とする事業、規模、地域等に関する希望をヒアリングします。合わせて、名南M&Aの業務内容や、買収先の事業、買収ニーズに関連する事例、業界動向等について説明します。その後、買収先のニーズに合致しそうな譲渡案件があれば、匿名譲渡案件情報を開示し、関心の有無を確認します。

 

⑥ 譲渡案件情報提供(買収先)

 買収先と名南M&A間で秘密保持契約を締結した上で、企業概要書等の譲渡案件情報を買収先に開示します。その後、開示資料に基づく質疑応答や追加資料の提供を通して、まずは書面ベースで買収先に譲渡案件に対する理解を深めてもらいます。

 

⑦ アドバイザリー契約(買収先)

 企業概要書等の譲渡案件情報の検証後、買収先が成約に向けた条件調整やトップ面談を希望する場合は、買収先と名南M&A間でアドバイザリー契約を締結し、情報提供料を受領します。

 

⑧ トップ面談・条件調整(譲渡先・買収先)

 譲渡側と買収側の相互理解を促進するため、トップ面談や会社見学・工場見学をアレンジします。名南M&AのM&Aアドバイザーは、トップ面談や会社見学・工場見学が双方にとって有意義な機会となるように、また従業員等への情報漏洩リスク等に配慮したうえで、日程や場所、当日のスケジュール、面談テーマ等を調整します。

 そして、同時並行で、譲渡先と買収先の希望条件を踏まえて、スキームの提案や譲渡条件の調整を進めます。

 

⑨ 基本合意契約・買収監査(譲渡先・買収先)

 譲渡条件の調整が概ね完了した段階で、名南M&AのM&Aアドバイザーは基本合意書のドラフトを作成し、基本合意契約の締結を支援します。

 その後、買収先が実施する買収監査の実行を支援します。トップ面談同様、従業員等への情報漏洩リスク等にも配慮しながら、買収監査が円滑に完了するように日程や場所、当日のスケジュールを事前に調整し、譲渡先と協力して必要な書類を整えておきます。

 

⑩ 譲渡契約・取引実行(譲渡先・買収先)

 名南M&AのM&Aアドバイザーは、買収監査の結果に基づき、最終的な条件調整を行い、譲渡契約書のドラフトを作成し、譲渡契約の締結を支援します。そして、資金決済や重要物品の授受等、M&A取引の円滑な実行をサポートします。また、M&A実行後の引継方法や関係者へのディスクローズ方法、必要な名義書換え手続き等、円滑な事業承継を実現するためのアドバイスを行います。M&A取引実行後、名南M&Aは譲渡先と買収先から成功報酬を受領します。

 提携金融機関などからの紹介案件の場合、取引実行後に紹介料を支払います。

[事業系統図]

  以上の事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(用語の解説)

本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で使用する用語の解説を以下に記載しております。

用語

解説

M&Aアドバイザー

顧客の相談に乗って適切なM&Aの相手を探したり、提携条件等に関する必要なアドバイスや契約書類の起案を行うことを通して、顧客のM&Aを支援するアドバイザー。

事業引継ぎ支援センター

後継者不在で事業の引継ぎを検討する中小企業・小規模事業者と経営資源を引き継ぐ意欲のある中小企業・小規模事業者に対して、47都道府県に設置されたM&Aの公的相談窓口。

企業評価

評価対象企業の決算書類等に基づき、M&A取引における企業の価値を客観的に算定する業務。

アドバイザリー契約

M&A仲介会社と譲渡先企業(買収先企業)との間でM&Aに関するアドバイスや手続きの支援を実施することを目的として締結する契約。一般的には専任契約であり、アドバイザリー契約書において、業務範囲、秘密保持、報酬、免責等に関する事項が記載される。

着手金

企業評価業務や企業概要書等買収先企業に対する提案資料の作成業務等の対価として譲渡先企業から受領する報酬。

金額はM&A仲介会社により異なるが、一般的には案件の成約に至らなくても返金されない。

情報提供料

譲渡案件の提供業務の対価として、買収先企業から受領する報酬。

金額はM&A仲介会社により異なるが、一般的には案件の成約に至らなくても返金されない。

秘密保持契約

契約の当事者間で締結する秘密情報を守秘することを約する契約。
M&Aにおいては、譲渡先企業の経営情報や買収先企業の経営戦略等の秘密情報を第三者に漏洩することを防ぐために秘密保持契約を締結する。

トップ面談

譲渡先企業と買収先企業双方の経営者(トップ)が面談を実施すること。経営者の価値観や経営理念等、書類では確認できない部分に関して、相互理解を深める目的で実施される。

基本合意書

買収監査前のタイミングで提携条件の大枠を譲渡先企業と買収先企業が相互に確認するために締結する契約書。一般的には取引金額、役員の処遇等の基本的な条件、M&A実行までのスケジュール、独占交渉権、守秘義務などの条項が盛り込まれる。

買収監査

買収先企業が公認会計士や弁護士に依頼し、譲渡先企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査。

成功報酬

M&Aが実現した際に、アドバイザリー契約に基づきM&A仲介会社へ支払う報酬。


有価証券報告書(2024年9月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

名南M&Aの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において名南M&Aが判断したものであります。

 

(1) 経営理念及び経営方針

 名南M&Aは、名南コンサルティングネットワークの創業者である佐藤澄男が掲げた「私達は自利利他の精神に基づき、お客様の明日への発展のために今日一日を価値あるものとします」という経営理念のもと東海地方を中心に中堅中小企業の皆様にM&Aの支援を行ってまいりました。

 近年、後継者不在による事業承継のニーズの高まりにより、以前は一般的ではなかったM&Aも、今では経営戦略のひとつとして認知されております。名南M&Aは、東海地方におけるM&Aの先駆者としての自負とともに、激変する経営環境に対応すべく、名南コンサルティングネットワークの様々なリソースを統合したM&A支援を通じ、お客様の明日への発展のための参謀となることを目指しております。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 人材の確保・育成

 名南M&Aの成長戦略においては、人的資本の強化、即ちM&Aアドバイザーの確保・育成を最重要課題として位置付けております。

 この課題を解決すべく、まず人材確保の観点では、M&A業務経験者に限定した採用とせず、金融機関や会計事務所等での勤務経験を通じて、M&Aアドバイザリー業務に資する経験を有している人材を中心に、幅広く積極的な採用を展開しております。その上でインセンティブに偏らない報酬制度、テレワークの導入、男性の育休取得の支援など、働きやすい環境づくりにも注力することで、人材流出の抑止にも取り組んでおります。

 また育成の観点では、属人化しがちなM&Aアドバイザリー業務を構造化し、キャリアマップと連動することで、入社間もない未経験者から実務経験を数年間積み上げたプレイヤーまで網羅的に対応可能な育成モデルを構築しております。これにより、未経験者は当人の有する経験に応じて必要な部分から中心に学ぶことで早期の戦力化を、経験者は「医療・介護」業界を筆頭とした高度な専門的ノウハウの共有を受けることで、名南M&Aの強みである高難易度案件に対応できる付加価値の高いプレイヤーへの成長を促します。

 

 

② M&Aを中心とした事業領域の拡充

 中小企業のM&A市場は依然として活況が維持されており、中でも後継者問題を理由とした事業承継M&Aは、未だに高い需要を維持しております。しかしながら、名南M&Aとしてはこれに限定せず、スタートアップ企業のイグジット、成長過程にある企業の事業拡大、事業再編など、時代の変化に応じたニーズに対応することが課題であると認識しております。

 この課題を解決すべく、2022年10月にJ-Adviser資格を取得しTOKYO PRO Marketへの上場支援を行うIPO支援事業の立ち上げ、金融機関やスタートアップ支援拠点等と連携してスタートアップ企業への投資実行を行うベンチャーキャピタル事業の運営など、M&Aを中心とした事業領域の拡充にも取り組んでおります。

 また、これらの事業領域の拡充においては、各事業にかかる専門性の高い多様なノウハウが必要であることから、グループの税理士法人・弁護士法人との連携を強化することにより、より適切なコンサルティングができる体制の整備を進めております。

 これらにより、同業他社との差別化を図り、経営者や提携先に選ばれるM&Aコンサルティング会社としての価値提供ができるよう取り組んでおります。

 

③ 提携先の開拓及び関係性の強化

 名南M&Aの事業モデルは、提携営業を中心とした事業モデルであるため、従前より提携先との取引がある等十分な与信のある先が譲渡企業または譲受企業となり、いわゆる「不適切な買手」が介在し辛い安全な取引網があることを強みとしております。

 このモデルにおいては、提携先開拓による取引網の拡大は重要課題の一つであると認識し活動しており、大阪オフィスを拠点とした関西・中国地方への提携エリアは手堅く拡大しつつあります。また、2025年春に開設予定の東京オフィスにおいては、関東エリアの金融機関及び会計事務所等への提携拡大を図っております。

 また、名南コンサルティングネットワークのグループ会社である株式会社名南経営ソリューションズが全国の会計事務所向けに情報共有及び各種経営ツールを提供するインターネットサービスを展開しておりますので、これらのサービスのユーザーである会計事務所と連携してM&A案件の発掘に取り組む等、営業活動における関係性を強化していく方針であります。

 

④ 社会的信用力の向上

 中小M&A市場においては、昨今の譲渡企業と譲受企業間でのトラブル等を受け、2024年8月中小M&Aガイドライン(第3版)が改訂され、仲介業者は、収受する手数料の説明だけでなく、最終契約後にトラブルに発展するリスク及びその対応についての説明を行うよう求められております。

 名南M&Aにおいては、従前よりガイドラインの趣旨に賛同し、「重要事項説明書」により適切な説明を実施し、お客様から信頼され対等な関係において意思決定をいただくよう、信頼関係の構築に時間をかけて取り組んでおります。

 これに限らず、名南M&Aは名南コンサルティングネットワークの理念である「自利利他」の精神を念頭に、お客様に寄り添う高品質なサービス提供の追求が、社会的信用力の向上に繋がり、ひいては業界全体の健全な発展に資すると考えておりますので、引き続きM&A専門業者の中でも特に高い遵法意識、高い倫理観を保ち、中小企業庁を中心に官民との連携にも取り組んでまいります。

 

⑤ 案件マッチング力の強化

 収益力向上においては、成約件数の増加が重要課題であると考えております。成約件数の増加においては、その案件の成約までのプロセスの管理だけでなく、関係者の意向の汲み取りが必要となります。特に、案件の特性が多岐にわたる状況においては、その特殊性、専門性等にかかる見極めが重要であり、適切に幅広くマッチングを実施し成約の合意を得る力を高めることが課題であると考えております。

 この課題に対しては、提携先金融機関や会計事務所等の紹介のみではなく、名南M&A内でのシステム化された仕組みを活用することや、案件毎の特徴に応じて進捗管理のノウハウを活用して効率的なマッチングを図ります。また、スキル研修によるインプット、案件を通じたそのノウハウのアウトプットの繰り返しにより、アドバイザー個々のコンサルティング能力を向上させ、成約までの過程を経営者とともに伴走し最適な解決策を模索し提案し続けることにより、その成約率の向上を図ります。

 

 

(3) 目標とする客観的な指標等

  名南M&Aでは、競合他社と同様に、成約件数、M&Aアドバイザー数及び譲渡企業との新規アドバイザリー契約受託件数を重要な指標と捉えております。これは、M&Aアドバイザー数の増加に比例し、案件成約件数の増加が見込まれ、売上高の増加につながるためであります。

 

第9期

2023年9月期

第10期

2024年9月期

売上高

1,453,440千円

1,924,183千円

成約件数

92件

93件

M&Aアドバイザー数

47名

47名

新規アドバイザリー契約受託件数

112件

154件

(注)M&Aアドバイザー数は、M&Aにのみ従事するものを表示し、別にVC事業・J-Adviser事業専任のコンサルタントが6名在籍しております。


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において名南M&Aが判断したものであります。

 

 (1) 事業環境について

 ① 同業者との競合

M&A仲介業務は、必要な許認可や資格等が存在するわけではなく、設備投資等の大規模な投資も必要ないため、参入障壁が比較的低い事業であり、中堅中小企業のM&Aニーズの拡大に呼応して、競合他社の新規参入が増加しておりましたが、中小企業庁によるM&A支援機関の登録制度が始まって以降、その増加率は収束し淘汰の様相が窺える状況となりつつあります。名南M&Aの東海地方における充実した営業基盤やこれまでの実績、名南コンサルティングネットワーク各社との連携から獲得した専門的なノウハウ等は短期間に模倣することはできないと認識しておりますが、提携先金融機関の取組方針の変化(M&A専業会社との協業から自社単独で仲介業務を実行等)や競合他社の営業方針の転換により競争環境が激化した場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ② 人材の獲得・育成

M&A仲介業務は、人材に依る部分が大きく、人材の獲得と育成は、最も重要な経営課題の一つであると考えております。しかしながら、雇用情勢の変化等により人材を適時に獲得できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、育成が計画通り進展しない場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 事業エリア

名南M&Aはこれまで東海地方を中心に営業活動を行っており、顧客や提携先等の営業基盤が東海地方に集中しております。今後、東海地方において自然災害やテロ等が発生した場合、名南M&Aの事業活動に支障が生じ、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 業績の変動

名南M&Aのビジネスモデルは、報酬の大部分を案件成約時に受領する成功報酬型のビジネスモデルであり、また、案件の規模により成功報酬の金額が大きく異なります。そのため、大型案件の成約や破談、期間ごとの成約案件数の偏り等により、期間ごとの業績が大きく変動する可能性があり、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤ M&A市場の低迷

M&A市場は、政府主導による中小M&A推進計画の策定を始めとする経営資源集約化の推進施策や、後継者不在企業を中心とした事業承継型M&Aの認知度向上、ベンチャー企業を対象としたEXIT型M&Aの増加、国内市場の縮小に伴う業界再編型M&Aに対するニーズ拡大により、今後も拡大していくものと考えております。しかしながら、景気の悪化や自然災害等により、買収ニーズが著しく縮小する場合には、M&A市場が低迷し、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容について

 ① 単一事業

名南M&Aは、M&A仲介事業の単一セグメントです。今後も国内人口の減少に伴う国内市場の縮小を背景に、事業承継型M&Aや業界再編型M&Aのニーズは、ますます高まるものと考えております。しかしながら、M&A業務をとりまく経営環境が著しく悪化した場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② クレーム・訴訟

名南M&Aは、コンプライアンス体制の構築に努めております。また、社内チェック体制の整備により、サービス品質向上とクレームへの適切な対応を図っており、本書提出日現在において提起されている訴訟、その他の請求が発生している事実はありません。しかしながら、何らかの要因により訴訟を提起される可能性があり、この結果、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 組織体制について

 ① 小規模であることについて

名南M&Aは、取締役4名(うち社外取締役1名)、監査役3名(うち社外監査役2名)、従業員63名(2024年9月30日現在)の小規模な組織であります。今後の事業拡大に備え、人材の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針ですが、計画通り進展しない場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 情報セキュリティ管理

名南M&Aは、法人の機密情報を扱うことが多いため、顧客との間で秘密保持契約を締結しており、守秘義務を負っております。名南M&Aでは、顧客情報が漏洩しないように社内規程を整備し、情報管理を徹底しております。しかしながら、不測の事態によって守秘義務の対象となる顧客情報が漏洩した場合、損害賠償請求や信用の失墜により、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 個人情報の管理

名南M&Aは、セミナーの開催等において個人情報を取得する場合があります。名南M&Aでは、個人情報の保護に関する法律及びその関連法令に基づき、個人情報保護に関する規程等を定めることで、個人情報を厳正に管理しております。しかしながら、このような対策にも関わらず、不測の事態により、個人情報の漏洩や不正利用等が生じた場合には、名南M&Aの信用の失墜により、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (4) 親会社グループとの関係について

名南M&Aは株式会社名南経営ホールディングスを中心とした企業集団(以下、「親会社グループ」という。)に属しており、同社は本書提出日現在において名南M&A発行済株式総数(自己株式を除く)の56.46%を保有しております。

なお、株式会社名南経営ホールディングスのいわゆる財産保全会社である一般社団法人名南経営は、名南M&A株式を間接的に保有する主要株主でありますが、財務諸表等規則上の親会社には該当いたしません。

親会社グループは、経営コンサルティング事業、会計事務所支援事業、海外進出支援事業、不動産仲介事業、M&A仲介事業を主な事業内容としております。

 ① 親会社グループにおける名南M&Aの位置づけについて

名南M&Aは、M&A仲介事業を展開しております。親会社グループにおいて、名南M&A以外にM&A仲介事業を行っている会社はなく、現時点において、親会社グループとの間に競合関係は生じておりません。また、今後競合関係に発展するような事象はないものと認識しております。

しかしながら、将来において親会社の事業戦略や名南M&Aの位置づけ等に著しい変化が生じた場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 取引関係について

名南M&Aと親会社グループとの取引について、親会社グループの主催する教育研修の利用等の取引を行っておりますが、取引条件は一般の利用者と同条件の取引であります。また、立替精算は対象外取引として整理しております。その結果、2024年9月期における親会社グループとの取引金額は49,587千円となっております。

なお、親会社グループとの重要な取引については、取締役会決議を経ることで、取引の健全性及び適正性確保の仕組みを整備しております。

 

 ③ 親会社の影響力について

名南M&Aは、親会社グループから独立した事業経営を行っております。しかしながら、親会社は本書提出日現在、名南M&Aの発行済株式総数(自己株式を除く)の56.46%を保有しております。将来的には持分を減少させていくことを予定しているものの、このような影響力を背景に、親会社は名南M&Aの株主総会における取締役の任免等を通じて名南M&Aの経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、親会社の利益は、名南M&Aの他の株主の利益と一致しない可能性があります。

 

 (5) その他

 ① M&Aに関する法的規制

現在、M&A仲介業務を直接規制する法令等はありませんが、昨今の中小企業庁によるM&Aにかかるガイドラインの改定等その動向は注視する必要があります。今回のガイドライン改定にかかる事項については名南M&Aは既に営業活動において取組み済みの事柄でこの影響は得にありませんでしたが、今後、法令等の制定・改定により、M&A仲介業務に何らかの規制が導入されることになった場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税法や会社法等の改正により、M&Aに対するニーズが変化した場合には、名南M&Aの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 調達資金の使途

名南M&Aの株式上場及び市場変更時に実施した公募増資等による調達資金の使途につきましては、人材採用、広告宣伝、システム投資に充当する予定であります。しかしながら、調達した使途のすべてが必ずしも名南M&Aの成長に寄与するとは限らず、期待通りの成果をあげられない可能性があります。

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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