フォーラムエンジニアリング(7088)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


フォーラムエンジニアリング(7088)の株価チャート フォーラムエンジニアリング(7088)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

フォーラムエンジニアリンググループ(フォーラムエンジニアリング及びフォーラムエンジニアリングの連結子会社)は、フォーラムエンジニアリング(株式会社フォーラムエンジニアリング)、連結子会社1社により構成されております。フォーラムエンジニアリングは、1981年4月に主として人材派遣サービスを行う企業として設立されました。

エンジニア派遣サービスは、現在、フォーラムエンジニアリンググループの主業であり、2025年3月期売上高の98.8%を占めております。このエンジニア派遣サービスにおいて、2025年3月31日時点で1,376事業所に正社員として雇用しているエンジニアを4,486名派遣しております。また、フォーラムエンジニアリンググループは、その他に理工系新卒学生の就職支援から転職、教育まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することを目的とした4つの「コグナビ」サービスを提供しております。なお、フォーラムエンジニアリンググループはエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)エンジニア派遣

フォーラムエンジニアリングエンジニア派遣サービスの主なターゲットは、機械・電機系(以下、「機電系」という。)主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)に属しており、従業員数が100名以上の約3,200事業所と、それらに属する部署になります。特定の企業や案件に偏ることなく、多くの取引先から受注を獲得出来ているため、取引基盤が広く安定しております。

フォーラムエンジニアリングは、これらの顧客企業に対し、設計・開発、実験・評価、生産技術、品質保証等の各職種にエンジニアを派遣しております。フォーラムエンジニアリングは、派遣エンジニアを原則正社員として雇用し、通勤可能範囲内の就業先を選定することで、安定した就業環境を提供しております。

フォーラムエンジニアリングのエンジニア派遣サービスの特長として、以下の3点があげられます。

①部署単位での顧客企業管理

フォーラムエンジニアリングの顧客企業は複数県にまたがって事業所を設置していることが多く、派遣契約に関する決裁権限も各事業所に付与されているケースが一般的です。この点を踏まえ、フォーラムエンジニアリングによる顧客企業管理も企業単位ではなく事業所単位としております。さらにフォーラムエンジニアリングは、顧客企業の各事業所に属する部署までを把握して、その業務内容や必要とされるスキルなどの理解に努めております。このような部署単位での業務内容・人材ニーズ把握努力が、スキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「cognavi」(以下、「コグナビ」という。)開発の基となっております。

②「コグナビ」によるスキルをベースにしたダイレクトマッチング

フォーラムエンジニアリングは、顧客企業各部署の業務に必要なスキルをツリー構造で表した「テクニカルツリー」と、エンジニアが保有するスキルや経験をツリー構造で整理した「スキルツリー」をエンジニア派遣におけるマッチングにも利用しております。

フォーラムエンジニアリングは、顧客からの求人案件に対し、業務に必要なスキルの「テクニカルツリー」とフォーラムエンジニアリング派遣エンジニア社員の「スキルツリー」をマッチングさせ、それを可視化することで、求人企業から見ても求職人材から見ても主観に頼らないダイレクトマッチングシステムを提供しております。

③独自のルートによる人材採用

フォーラムエンジニアリングは、求人・求職情報サイトに広告を掲載して応募者を募る一般的な手法に加え、下記4つの派遣エンジニア人材採用ルートを構築しております。採用にあたっては、地域性を重視し、応募者の書類選考から採用に至るまで全てのプロセスを各営業拠点で行っております。通勤可能範囲や地域特性を考慮し、地元での就業を希望するエンジニア人材の意向に沿った就業機会の場を数多く、迅速に提案できる体制を整えております。

a.カムバック採用

フォーラムエンジニアリングで派遣エンジニアとして就業経験のある退職者に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件情報を定期的にメールで配信することで再応募を促進しております。

b.社員紹介制度

フォーラムエンジニアリング社員から紹介された人材を派遣エンジニアとして採用する制度です。

c.過去の就業辞退者

フォーラムエンジニアリングの派遣求人案件に応募されたものの選考過程で辞退された人材に対して、当該人材が居住するエリアの派遣求人案件情報を定期的にメール配信することで再応募を促進しております。

d.理工系大学からの紹介

フォーラムエンジニアリングは、理工系学生が将来エンジニアを目指すきっかけづくりとして、全国の大学でエンジニア経験者による「エンジニア職セミナー」を無料で開催しております。この取組みは機電系学部の教授からも高く評価され、2025年3月末時点で、機電系学部のある大学(144校)のうち125校でセミナーを実施いたしました。

フォーラムエンジニアリングは、通常の新卒採用に加え、このようにエンジニア職セミナーを通してフォーラムエンジニアリングの取組みを評価していただいた教授等からフォーラムエンジニアリングを推薦いただき、理工系学生をフォーラムエンジニアリングエンジニアとして採用しております。

 

(2)エンジニア紹介及びその他

フォーラムエンジニアリングは、設立以来エンジニア派遣サービスを主業としてきましたが、以下の3点に配慮し、市場動向を先取りした新しいビジネスモデルを追求しております。

・フォーラムエンジニアリングの顧客企業・エンジニアについて、明確な選択と集中を行う。

・人材派遣ビジネスで一般的な「求人企業の需要」に対する営業活動ではなく、「求職人材」を起点とした営業活動を推進する。

・採用活動における労働集約的な業務のあり方からの脱却を目指して、業務プロセスの効率化を追求する情報通信テクノロジー(以下、「ICT」という。)を活用し、これらの特長を具現化したものが、エンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」です。

 

「コグナビ」の主な特長は以下のとおりです。

①エンジニアのスキルをツリーで体系化

「コグナビ」では、エンジニアのスキル、顧客企業の各部署における業務内容の双方を、わかりやすく可視化して把握するために、「技術・ツール」「製品・部品」「職種・工程」「学問」の4分野から構成された技術要素に係る用語を、ツリー構造で体系的に整理しております。「製品・部品」を例にとると、「自動車関連」⇒「自動車」⇒「ボディ」⇒「内装部品」⇒「エアバッグシステム」のように、ツリーの階層が深くなるほど細分化されます。選択肢となる技術用語は、2025年3月末時点で約178,000語が登録されております。

 

②「スキルツリー」と「テクニカルツリー」

エンジニアが保有するスキルや経験を、ツリー構造で登録したものを「スキルツリー」と称しております。登録したスキルにはそれぞれ5段階の習熟度を設定することで、保有スキルの幅と深さを体系化、可視化しております。ツリーを構成する技術用語は、それぞれ「関係線」で結ばれております。ひとつの技術用語を選択すると、その関係線が関係する他の技術用語にも結び付きます。これにより、「このスキルを持っていれば、この製品も扱えるのでは?」といった、業界や職種の枠にとらわれない、それまで見えていなかった新たな可能性を見出すことが可能です。

一方、顧客企業における各部署の業務内容や必要とするスキルを、ツリー構造で登録したものを「テクニカルツリー」と称しております。「スキルツリー」同様、選択した技術用語に対し、それぞれ5段階の重要度を設定することで、必要とするスキルの幅と深さを体系化、可視化しております。なお、エンジニアが選択する「スキルツリー」と、顧客企業が選択する「テクニカルツリー」の項目は、同一のものとなっております。

 

③ツリーの技術用語を結ぶ「関係線」

ツリーの技術用語は分野ごとに繋がり、体系化されておりますが、各技術用語はそれぞれの分野を超えて技術的、学術的に関連し合っております。フォーラムエンジニアリングでは、これらの関係性を線で繋ぐ「関係線」によって、エンジニアが気づかなかった職種や製品分野で活躍する可能性を提案できるようになりました。また、顧客企業においても、他業種で活躍したエンジニアの採用や、ジョブローテーションのための自社エンジニアの異動部署選定などに活用できる仕組みを提供しております。2025年3月末時点で、約150,000本の関係線が登録されております。

ツリーの技術用語間を結ぶ関係線イメージ図

 

④「マッチングスコア」と「マッチングツリー」

顧客企業における各部署の「テクニカルツリー」と、エンジニアや理工系学生の「スキルツリー」を重ね合わせてマッチングを行い、それを数値化した結果(「100」を完全マッチングとした場合の比率)を「マッチングスコア」と称しております。「マッチングスコア」のスコアは、エンジニアの持つスキルと顧客企業が求めるスキルが多くマッチするほど高くなります。

スキルのマッチングに際し、「スキルツリー」と「テクニカルツリー」を重ね合わせ、マッチングした箇所をハイライトしたものを「マッチングツリー」と称しております。「マッチングスコア」での判断に加え、「マッチングツリー」では具体的にどの技術要素がマッチしているかを視覚的に判りやすく把握できるため、顧客企業の各部署が重要視するスキルをエンジニアがどの程度保有しているかなど、より双方のニーズに合致した、客観的な意思決定を可能としております。

     テクニカルツリー・スキルツリー・マッチングツリー(例)

 

⑤「マッチングマップ」

上記の「マッチングスコア」は、「マッチングマップ」と称する地図上に表示されます。顧客企業側の画面には事業所を中心として、通勤圏内に居住するエンジニアとの「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのようなスキルを保有するエンジニアがいるのかを地図上で確認できます。一方、エンジニア人材側の画面には自宅を中心として、通勤圏内にある顧客企業における各部署との「マッチングスコア」が表示されます。通勤可能範囲内にどのような企業の求人があるのかを同様に地図上で確認し、応募することが可能です。

 

 

顧客企業側のマッチングマップ(例)

エンジニア人材側のマッチングマップ(例)

 

 

⑥ダイレクトマッチング支援機能

顧客企業の担当者は、上記の「マッチングマップ」上の転職・就職希望者を確認したうえで、着目したエンジニア人材に対して応募を促すためのオファーメールを送信することが可能です。また、エンジニアは、「マッチングマップ」上の興味のある企業に対して、採用を働きかけるアピールメールを送信することが可能です。

応募やオファーメール、アピールメール送信後における、エンジニアと顧客企業担当者とのやりとりは、「コグナビ」上にてチャット形式で行います。書類選考から面接の設定、面接結果の連絡まで、全て「コグナビ」上で完結させることが可能です。

フォーラムエンジニアリングは、上記の「コグナビ」の6つの特長を活かした人材サービスを提供しております。「コグナビ」をベースとして、エンジニア人材市場における全ての人材流動パターンを捕捉するため、以下の4つの「コグナビ」サービスをラインアップしております。これにより、フォーラムエンジニアリングは全てのエンジニア採用ルートを備えたビジネスモデルを構築しております。

(人材サービス)

a.コグナビ 派遣(エンジニア派遣サービス)

b.コグナビ 転職(機電系エンジニア人材紹介サービス)

c.コグナビ 新卒(新卒理工系学生就職紹介サービス)

d.コグナビ カレッジ(企業内エンジニア向け研修仲介サービス)

これら「コグナビ」各サービスの概要は以下のとおりです。

 

a.コグナビ 派遣

上記(1)に記載のとおりです。

 

b.コグナビ 転職

顧客企業と機電系エンジニアの転職希望者を「コグナビ」の根幹となるツリーと「マッチングマップ」によって結びつける人材紹介サービス「コグナビ 転職」を2018年7月に立ち上げました。このサイトは「コグナビ」の仕組みを活用して求人企業と求職人材をダイレクトマッチングする機能を有しております。

 

c.コグナビ 新卒

「コグナビ 転職」における、ツリーと「マッチングマップ」を核としたマッチングの仕組みを、顧客企業と新卒理工系大学・大学院学生の就職希望者とのマッチングに応用する理工系学生専門の就職支援サービス「コグナビ 新卒」を2019年7月に立ち上げました。このサービスは「好きな科目が仕事につながる」をコンセプトとし、「学生が自分にどんな仕事が合っているかよくわからないため、知名度のある企業に応募が集中してしまう」という従来型就職活動の課題を解決し、自分の学んだ科目を生かして就職先企業を見つけることができるサービスです。求人企業にとっても、大学名や成績で判断するのではなく、各部署に応じた業務に必要な知識を備えた学生の採用につながるものと考えております。

基本的な仕組みは「コグナビ 転職」と同じですが、「コグナビ 転職」における「スキルツリー」の代わりに、就職を希望する学生が大学で学んできた「履修科目」と「実験実習」に関する「履修ツリー」を作成して利用します。また、「コグナビ 転職」における5段階のスキル「習熟度」の代わりに3段階の実験実習「習得度」を設定し、さらに好きな履修科目に対して「好きな科目」マークを付すことができる仕組みになっております。

また、「コグナビ 新卒」は、文系・理工系双方の学生を対象としている既存の総合型求人・求職情報サイトと異なり、理工系学生が就職後の環境がイメージしやすい独自コンテンツを掲載しております。企業単位ではなく事業所単位でコンテンツを準備し、それぞれの事業所でどのような製品を扱い、どのような部門があるのかを紹介しております。また、実際のオフィスや実験設備、就業している若手エンジニアへのインタビュー等を、写真や動画、360度パノラマ動画にて掲載しております。

これらの企業紹介コンテンツは、当該企業が「コグナビ 新卒」の管理画面上で作成及び更新できるようになっております。この機能により、掲載企業は常に最新の情報を維持することができ、フォーラムエンジニアリングは掲載コンテンツの作成及び更新に関する工数負担を削減することが可能と考えております。なお更新にあたっては、フォーラムエンジニアリング管理担当者による内容確認を経て公開される流れとなっております。

なお、「コグナビ 新卒」のターゲットとなる顧客企業は、「コグナビ 派遣」のターゲットと同一となります。

 

d.コグナビ カレッジ

顧客企業内の各部署における不足したスキルをカバーするためには、人材を社内もしくは社外からの補充、又は在籍エンジニアへの教育が必要となります。教育の受け皿として、機電系製造業の自社エンジニア向けリスキリング研修を近隣の大学で実施するために両者の仲介を行うサービスを「コグナビ カレッジ」という名称で2019年2月より提供しております。

これまで企業の研修は、外部研修業者の施設で実施するか、企業内でのOJT、Off-JTという形が殆どでしたが、より専門的な知識の習得や、技術革新に伴う企業の業態変換等に対応するにあたっては、選択肢の少なさや講師の不在が課題となっていました。また採用環境が厳しい中、設計部門に理工系以外の学生を採用してから育成するといったニーズも発生しております。

一方、大学にとっては少子化に伴って学生の確保が年々困難となる中、施設や教授の稼働率向上、競合となる近隣大学との差別化、近隣企業との関係強化による就職率の向上等、様々な課題を抱えております。

専門知識を持った大学教授と充実した大学の設備を活用し、企業のニーズに沿った研修をフォーラムエンジニアリングがカスタマイズして提供することで、双方の課題を解決すると共に、企業と大学とのコミュニケーションが強化されることで、将来の新卒採用や共同研究の可能性を広げ、地域活性化にも貢献し得るサービスです。

また、2025年3月末時点で、12大学と基本契約を締結しております。2025年3月期においては、814名が受講しております。

 

以上のほか、フォーラムエンジニアリングから派遣されているエンジニアを顧客が直接雇用したい場合に、本人の希望を確認のうえ、一定の手数料を受け取り、雇用関係を変更する場合があり、これを「転籍」としております。

以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

 

[事業系統図]

 

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

フォーラムエンジニアリンググループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてフォーラムエンジニアリンググループが判断したものです。

(1)経営方針

日本国内のエンジニア人材市場は、高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面しております。一方で、2020年に施行された改正労働者派遣法、所謂「同一労働同一賃金」や、新型コロナウイルス感染症拡大による景況感の悪化により、中小派遣事業者の淘汰の可能性が増すなど、国内エンジニア人材関連サービス業界は転換期を迎えているというのがフォーラムエンジニアリングの基本的な環境認識です。

このような認識のもと、フォーラムエンジニアリングは「エンジニア人材の流動性の向上」が求職人材と求人企業双方のニーズを満たす鍵となると考え、フォーラムエンジニアリングのミッション「スキルがつながる世界へ。」のもと、フォーラムエンジニアリングのビジョンとして「機電系エンジニア領域の総合化」と「テクノロジーによるマッチングの効率化」の2つを掲げております。

 

(2)経営戦略等

フォーラムエンジニアリングは、上述のミッション及びビジョンの実現を目指して、長期的な視点に立ってICTへの先行投資を行ってまいりました。その成果がAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」であり、2020年3月期にエンジニア人材の全ての流動局面を捕捉できる5つの「コグナビ」サービスが出揃いました(第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 ご参照)。今後フォーラムエンジニアリングは、顧客企業に対してこれらの「コグナビ」サービスを提供することを通じて、エンジニア人材不足に悩む顧客企業のニーズを充足し、フォーラムエンジニアリング収益基盤を拡充する方針です。

従来フォーラムエンジニアリングは高い収益性と安定した需要の存在の双方を兼ね備えた機電系エンジニア人材サービスに加えて、機電系エンジニアと同様に樹形図によってスキルを可視化できるITエンジニア人材セグメントの開拓も進めてまいりましたが、今後は、収益成長を向上させるため、収益性の高いエンジニア派遣サービス及び理工系学生の就職支援サービス等、フォーラムエンジニアリングの専門である機電系エンジニア人材サービスに経営資源を集中してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

フォーラムエンジニアリングは、収益性を判断する指標として売上高や売上総利益・営業利益及びそれぞれが売上高に占める比率を重視しております。

また、フォーラムエンジニアリングの売上高と売上総利益の大半を占めるエンジニア派遣サービスの売上高に大きく影響する稼働人数を、収益目標の達成度を判断する指標として重視しております。

 

(4)経営環境

フォーラムエンジニアリングが特化する機電系エンジニアの需要は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、景気は持ち直しの動きを見せており、顧客企業の機電系エンジニア人材採用意欲は堅調に推移しております。

また、わが国の15~64才までの労働力人口約6,000万人(出典:総務省統計局 2023年3月 労働力調査)の中で、機電系エンジニアは概ね64万人(出典:2020年国勢調査、フォーラムエンジニアリングが元データの「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、機械技術者、輸送機器技術者」合計人数から65歳以上の人数を除いて算出)であり、機電系エンジニアが労働力人口に占める割合は低い状況にあります。

さらに、少子化に伴う就労人口の減少や学生の理系離れなどを背景として、機電系エンジニアは正社員、非正規社員共に構造的な不足状態が続いております。

一方、世界的にカーボンニュートラルをはじめとした新たな技術的課題への対応が求められる中、フォーラムエンジニアリングはエンジニアに対するニーズが今後も拡大するものと見込んでおります。

このような環境のもと、近年機電系エンジニアの派遣単価は継続的な上昇傾向が続きました。2020年4月の所謂「同一労働同一賃金」の導入もその傾向を後押ししております。

また、一連の労働者派遣法の改正に伴い、人材派遣業界では中小派遣事業者の淘汰の可能性が増す一方で、近年のHRテック企業の台頭により、人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れる可能性がございます。

フォーラムエンジニアリングは、国内エンジニア派遣業界大手の一角を占めておりますが、このような経営環境の動きを的確に捉えて事業機会を見出し、フォーラムエンジニアリングミッションの達成と持続的成長の実現を図ってまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上述の経営方針、経営戦略等、経営環境を踏まえ、今後フォーラムエンジニアリンググループは主に以下の課題に対処いたします。

①エンジニア人材の確保

日本国内のエンジニア人材市場は社会の高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面していることから、今後もエンジニア人材の確保が難しい状況が継続するものと予想されます。従いまして、エンジニア人材を確保することはフォーラムエンジニアリングの重要な経営課題であると考えております。

このような環境下、フォーラムエンジニアリングはAIを活用したスキルマッチング機能を駆使することで機電系エンジニア人材のあらゆる流動局面を捕捉し得る「コグナビ」各サービスを有しております。今後フォーラムエンジニアリングが持続的に成長するためには、主業のエンジニア派遣サービス「コグナビ派遣」において、派遣エンジニア社員の採用に注力すると共に、エンジニア紹介サービスである「コグナビ新卒」、「コグナビ転職」の求人側利用者、求職側利用者の両方を増やし、AIマッチングを行うことで、エンジニア人材のあらゆる流動局面を捕捉し続けることが最重要課題であると考えます。

 

②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立

いわゆる「同一労働同一賃金」の実現を目的とした2020年4月の労働者派遣法改正や近年のHRテック企業の台頭等を背景として人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れております。その一方で、様々なHRテックが登場しているものの、大きな変化を起こして市場を制覇する革新的なテクノロジーやビジネスモデルが業界内に見当たらないことも事実です。

AIを活用した独自のテクノロジーにより、スキルマッチング機能を駆使することで学生から経験者、正社員から派遣社員まで、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得るフォーラムエンジニアリングのビジネスモデルは、業界内を見渡しても類例を見ない革新的なものになっております。フォーラムエンジニアリングは、この独自のスキルマッチング機能を特長、強みとした営業活動を展開し、ターゲット顧客である大手機電系製造業との取引拡大を目指してまいります。このように、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルはフォーラムエンジニアリングの差異化の源泉であり、これらを活用したテクノロジーとビジネスモデルで競争優位性を確立することはフォーラムエンジニアリングの重要な経営課題であると考えております。

 

③財務体質の強化と流動性資金の確保

フォーラムエンジニアリンググループは中長期的な収益の柱の一つとして、インドに子会社を設立し、システム開発・運営を支援しております。

今後も健全な財務体質を維持し、取引金融機関からの高い信用力のもと、流動性資金を適宜確保することがフォーラムエンジニアリンググループの重要な経営課題であると考えております。

 

④リスク管理の強化

フォーラムエンジニアリンググループはリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることが重要であると考えております。

事業を進める上での様々なリスクの特定、リスク低減に向けた適切な対策の構築を目的に、リスクマネジメントの基本方針及び推進体制に関する基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を定めております。

事業活動及びその他付随するリスク要因のうち、特に発生の可能性が高いと想定されたリスクについては、コンプライアンス委員会においてモニタリングを行うと共に、リスクとなる事象が発生した際には、総務担当部門、内部監査担当部門等の関係部門が連携・協議し、再発防止策等の対応を行います。

自然災害、新興感染症、サイバー攻撃等、経営資源に損害を与え、業務の停止・機能低下をもたらしかねない事象や緊急事態に迅速かつ一貫して対応するために、対策本部等の組織を設置し、危機管理体制の確立に努めております。

具体的な施策として、自然災害等不測の事態に備えたBCP(事業継続計画)の策定や情報セキュリティ基本規程等を定めると共に、社内教育や訓練の実施、備えるべきリスク項目の見直しやその対応策を検討する等、リスク管理を継続的に強化していくことはフォーラムエンジニアリングの重要な経営課題であると考えております。

 

⑤海外事業への取組み

フォーラムエンジニアリンググループは、今後飛躍的な経済成長が見込まれるインドにおいて、エンジニア専用のジョブポータルサイトの開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開してまいります。日本国内においては、理工系学生とメーカーをメインターゲットとしておりますが、インドにおいては、全ての学生を対象としたジョブポータルサイトをインドで開発し、インドの全ての企業と大学、そして学生をつなぐ、インド市場に適合したシステムを運営することが重要であると考えております。

 

 

(6)対処すべき課題に対する具体的な取組状況等

①エンジニア人材の確保のための取組み

フォーラムエンジニアリングのエンジニア派遣サービスにおいては、上述のとおり、顧客となる大手製造業からの需要が存在するものの、エンジニアの確保が難しい市場構造ができております。

このような環境下において、フォーラムエンジニアリングは、AIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」システムを基盤として、全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備し、理工系新卒学生の就職支援から転職、人材派遣、教育まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することが可能となりました。

今後フォーラムエンジニアリングは、エンジニアを持続的に確保していくために、引き続き採用施策に注力してまいります。派遣エンジニア採用に関しては、外部媒体(転職サイト)を通じた採用のほか、ストック人材活用や社員紹介制度、カムバック制度等を強化してまいります。また、元エンジニア社員が理工系学生にエンジニア職の魅力や、大学での学びがどのような職種・業種につながるかを伝える「エンジニア職セミナー」を通して、理工系学生就職支援サービス「コグナビ 新卒」の利用につなげていく方針です。

 

②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立のための取組み

フォーラムエンジニアリングは、これまで製造業のうち収益性の高い「主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)」に集中し、同時にICTの活用による営業活動の効率化に取り組むことで、エンジニア派遣他社よりも高い売上高総利益率を実現してまいりました。

さらにフォーラムエンジニアリングは、独自のAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有する「コグナビ」を構築し、この「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備いたしました。「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系エンジニア人材の流動局面を捕捉するというフォーラムエンジニアリングのビジネスモデルは、あまり類例を見ない革新的なものであり、国内エンジニア派遣企業他社のそれと明確に異なっております。従って、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルはフォーラムエンジニアリングの差異化・競合優位性の源泉であり、フォーラムエンジニアリングが求人企業・求職人材双方に対して独自の付加価値を提供する基盤となります。

今後フォーラムエンジニアリングは、「コグナビ」各サービスを本格展開することを通じて、競合優位性を顕在化させていく方針です。

 

③財務体質の強化と流動性資金の確保への取組み

フォーラムエンジニアリンググループは、取引金融機関とシンジケートローン方式のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しており、高い信用力のもと、適時に流動性資金を確保できる状況を整備しております。

 

④リスク管理の強化への取組み

フォーラムエンジニアリンググループは、これまでもリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることに取り組んでまいりましたが、外部機関を利用したリスクの洗い出しを実施し、定期的な社内教育の実施や、BCPに基づいた訓練や情報セキュリティに関する社内教育を継続的に実施するなど、リスク管理の体制を強化してまいります。

 

⑤海外事業への取組み

フォーラムエンジニアリンググループは、今後飛躍的な成長が見込まれるインドにおいて、企業と学生をAIマッチングでつなぐジョブポータルサイトの自社開発・運営を行うCognavi India Private Limitedを主体に事業を展開してまいります。この事業をさらに加速させるために、現地人材の確保は急務と考え、採用と育成に努めてまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

フォーラムエンジニアリンググループの事業活動及びその他に係るリスク要因について、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には例えば以下のようなものが挙げられます。但し、これらはフォーラムエンジニアリンググループの事業活動全てのリスクを網羅したものではなく、従ってフォーラムエンジニアリンググループの業績に影響を与え得るリスク要因はこれらに限定されるものではありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてフォーラムエンジニアリンググループが判断したものです。

 

(1)人材採用

エンジニア派遣サービスが売上高の大半を占めているフォーラムエンジニアリンググループにとって、十分な数のエンジニアを採用しこれを維持することは業容拡大の必須事項であります。フォーラムエンジニアリンググループは、機電系エンジニア人材市場全体を網羅し、AIを活用したマッチング機能を有する「コグナビ」により、派遣社員・正社員・理工系学生と、全ての求職者との直接的な接点を持つサービスを展開しており、今後もエンジニアの確保を目指す企業の役に立ちたいと考えております。

しかしながら、日本社会全体の人口減少による国内におけるエンジニア数の減少、派遣労働者としての就職を希望するエンジニアの減少、メーカーによるエンジニアの直接雇用の拡大や、同業者による採用競争の激化、エンジニア業界におけるフォーラムエンジニアリンググループのレピュテーションの低下等によりエンジニアの確保が困難となった場合や、エンジニアの採用競争の激化に伴うエンジニア人材の給与上昇等に対し、これに応じた派遣料金を設定できない場合などにおいて、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

さらに、日本国内における人口減少等に伴い、エンジニア人材市場の規模は今後縮小することが考えられるため、それを克服する施策が不十分である場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、十分な数のエンジニアを採用し、在籍エンジニア数を維持・拡大することが重要であると認識しており、独自のAIを活用したエンジニアのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」によるエンジニア確保のためのインフラになるよう努めていく方針です。

 

(2)マクロ経済動向

大規模な自然災害等の事象、感染症の拡大、金融危機、国家間での貿易摩擦、地政学的リスクの顕在化などを契機として経済活動が長期間にわたって低迷し国内外の景気が悪化した場合、特にフォーラムエンジニアリンググループの主要顧客企業である機電系8業種の製造業の業績や景況感に悪影響を与える事象が発生した場合には、顧客企業における経費の削減や人事方針の転換、採用需要の減少等により、エンジニア派遣サービスにおける派遣エンジニア数の減少及び稼働率の低下、稼働時間の減少、契約条件の悪化、エンジニア紹介サービスにおける成約数の低迷や利用企業数の減少等が起こる可能性がございます。また、フォーラムエンジニアリンググループのエンジニア派遣に係る契約期間は多くの場合3ヶ月であるため、景気が急激に悪化した場合には比較的短期間のうちに多数の契約が終了する可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」のスキルマッチングの仕組みを活用し、顧客企業のニーズに即したエンジニアを抽出し、また、求職人材のニーズに即した就業先企業を抽出しております。フォーラムエンジニアリンググループは「コグナビ」のスキルマッチングを駆使することにより、厳しい外部環境のもとでもその影響を最小限に留め、業績回復に努めてまいります。

 

(3)フォーラムエンジニアリンググループ事業に関する許認可及び法的規制等

フォーラムエンジニアリンググループは、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)、職業安定法に基づき、下記のとおり厚生労働大臣より労働者派遣事業、有料職業紹介事業の許可を取得しております。

許可事業

届出官庁

事業許可番号

許可年月日

有効期限

労働者派遣事業

厚生労働省

派13-304405

2009年7月1日

2027年6月30日

有料職業紹介事業

厚生労働省

13-ユ-304168

2009年7月1日

2027年6月30日

フォーラムエンジニアリンググループは、取得した事業許可に従い、エンジニア派遣及び有料職業紹介を行っておりますが、禁止業務への派遣や当局による是正指導に従わない等、関係諸法令に違反した場合には、事業の許可取消、事業停止等の処分を受け、又は違反の事実が公表されるなどのリスクがありますが、現時点でそのような問題はございません。フォーラムエンジニアリンググループでは、社内規程の整備、運用の徹底により法令遵守の体制を構築しておりますが、関連諸法令に抵触する行為が発生した場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

また、労働者派遣法をはじめとする関係諸法令は、経済環境、社会情勢の変化に伴い、その内容の見直しが行われており、フォーラムエンジニアリンググループ事業に著しく不利な改正が実施された場合には、当該改正に対応するための追加的な支出が必要となり、また、顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少する可能性もあり、これらの場合、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

労働者派遣法の改正により、2020年4月から、正規労働者と非正規労働者の待遇格差を是正するための所謂「同一労働同一賃金」が導入されました。「同一労働同一賃金」に係る規制を遵守するために、派遣元事業主において労働者の過半数代表者又は労働者の過半数により組織された労働組合との間で、派遣労働者の待遇に関し法令の要件を満たす労使協定を締結することが認められておりますが、当該労使協定においては、派遣エンジニアに支払う給与の金額が「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」と同等以上となることを定める必要があります。これにより、平均的な賃金の額が上昇した場合には、フォーラムエンジニアリンググループが支払う給与の金額がその分増加することになり、この増加に応じた派遣料金の改定を実施できない場合や派遣料金の改定により顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少した場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、社内規程の整備と適切な運用に努め、関連諸法令を遵守する体制を構築しております。今後も関連諸法令の改正動向を注視しながら、事業許可の維持と関連諸法令の遵守に注力する方針です。また「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣料金改定が完了していない顧客企業との交渉を継続し、適切な単価改定の実現に取り組む方針です。

 

(4)競争環境

フォーラムエンジニアリンググループが属するエンジニア派遣・紹介市場は、激しい競争にさらされており、その競争は近年激化しております。

エンジニア派遣サービスにおける競合企業は、規模、派遣料金、資金力、営業力、マーケティング力、ブランド力、顧客基盤、エンジニアへのアクセス及び技術力等の点においてフォーラムエンジニアリンググループより優れている場合がございます。また、フォーラムエンジニアリンググループは、エンジニア紹介サービスにおいて、オンラインで求人情報を提供する企業とも競合しております。これらの競合企業が「コグナビ」と類似のマッチング機能を使用したサービスを導入する可能性もございます。さらに、労働者派遣法の改正による「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣エンジニアの人件費増加や市場成長の鈍化を背景として今後エンジニア派遣・紹介業界において寡占化や再編が起こる可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループが競合企業やその他の競合するサービスに対する競争力を維持することができなかった場合、あるいはエンジニア派遣・紹介業界における寡占化や再編の動きに対応できなかった場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは「コグナビ」の技術的優位性の維持・向上、サービス認知度向上などによる人材獲得の強化、顧客企業のサービス利用度向上などによって競争力の維持・向上に努める方針です。また、業界動向を注視し、寡占化や再編の動きをフォーラムエンジニアリンググループにとって有利な形で活用するよう努めてまいります。

 

(5)技術革新

フォーラムエンジニアリンググループはAIを始めとする様々なICTを活用して事業を展開しておりますが、ICTに関する技術革新のスピードは極めて速く、またフォーラムエンジニアリンググループが属するエンジニア派遣・紹介市場における顧客ニーズも技術革新と連動しつつ様々に変化しております。

今後、技術革新や顧客ニーズの変化が世間一般の想定を超えたスピードと範囲で進んでいく可能性が考えられます。こういった動きに対するフォーラムエンジニアリンググループの対応が遅れた場合は、フォーラムエンジニアリンググループの技術的優位性が低下したり、あるいはその対応に多額の投資・費用が必要となったりする可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループのスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」は、ツリーによるスキルの構造的・体系的記述方式、AIに蓄積されている技術用語(約178,000語)、AIによる自然言語処理(文献の自動読み込み、技術用語の自動抽出、技術用語を相互に関連付ける「関係線」の自動設定など)、「スキルツリー」「テクニカルツリー」に基づくマッチングアルゴリズム、「マッチングスコア」の算出など、様々な付加価値の源泉の多重構造をその基盤としており、他社には容易に模倣されない知的財産であると自負しております。

 

(6)新規事業の成否

フォーラムエンジニアリンググループは、従来からの主業であり、現在のフォーラムエンジニアリンググループの売上高の大半を占めるエンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」に加えて、スキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを駆使した下記4つのサービスを提供しております。(詳細につきましては前記「第1 企業の概況 3 事業の内容」の記載をご参照ください。)

 

●コグナビ 転職(機電系エンジニア人材紹介サービス、2018年7月開始)

●コグナビ 新卒(理工系新卒学生向け就職紹介サービス、2019年7月開始)

●コグナビ タレントマネジメント(企業内エンジニア配置最適化サービス、2019年10月開始、2023年3月31

 日終了)

●コグナビ カレッジ(企業内エンジニア向け研修仲介サービス、2019年2月開始)

しかしながら、これらのサービスで予定どおりの機能が実現できないなどにより計画どおりサービスを提供できない状況となった場合や、新規サービスの知名度を高めることを目的とした広告等がエンジニアや顧客の十分な獲得につながらなかった場合、サービスの開始に遅延又は障害が生じた場合などには、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

また、サービスに係る各分野におけるフォーラムエンジニアリンググループの経験不足や競合企業の存在、フォーラムエンジニアリンググループ及び「コグナビ」の知名度や評判の低迷、その他、本「事業等のリスク」に記載のリスク要因の顕在化等により、サービスが計画どおりに普及しない場合などには、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

このほかフォーラムエンジニアリンググループには、連結子会社として、2022年10月に設立した「Cognavi India Private Limited」があり、2023年6月にAIマッチング技術を駆使したジョブポータルサイト「Cognavi(コグナビ)」をオープンし、インドでの事業拡大を目指しております。大学や企業のニーズなど、インドの市場環境に合わせたビジネスモデルを現地スタッフが考案し、機電系学生のみならず、すべての学生を対象とした新卒採用メディアとしてビジネス展開を進めています。学生会員数や提供大学数、採用企業数を指標に事業を進めておりますが、計画通りに事業が進まなかった場合などには、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、今後も全ての機電系エンジニアのキャリアシーンをサポートするために、「コグナビ」サービスを強化してまいります。

 

(7)エンジニア正社員雇用・労務

フォーラムエンジニアリンググループは2024年3月31日現在で4,340名の技術社員を正社員として雇用しております。

技術社員の解雇は法令上容易でなく、また、顧客企業に派遣されていない技術社員についても法令上一定割合の給与を支払う必要があります。そのため、エンジニア需要の減少、紛争、法規制の変化、経済危機などの急激な社会情勢の変化、他社との競合激化等によってエンジニアの派遣者数の減少、エンジニア派遣に係る契約期間の短縮、稼働率・稼働時間・稼働日数の低下などが発生した場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

また、給与や就業時間をはじめとした雇用条件等に関して、フォーラムエンジニアリンググループ技術社員やその他従業員との間で係争が発生する可能性がございます。このような場合、フォーラムエンジニアリンググループの社会的信用が失われ、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを活用して、求人企業のニーズに即したエンジニアと求職者のニーズに即した就業先企業をそれぞれマッチングすることで、常にフォーラムエンジニアリンググループ技術社員の稼働率を最大化しながら最適な雇用条件を設定するように努めております。さらに、フォーラムエンジニアリンググループは、社員の労働環境に配慮した労務管理を実施しており、eラーニングを活用して各自の経験や技術に応じた教育研修を実施し、技術社員のスキルアップに努めております。

 

(8)コンプライアンス

フォーラムエンジニアリンググループが派遣する技術社員は一般的に顧客企業事業所内で業務に従事しておりますが、彼らが各種法規制や、顧客企業の規程、フォーラムエンジニアリンググループの規程等に違反して業務遂行の過程で取得した機密情報を漏洩するなどした場合、顧客企業との間に紛争等が発生する可能性がございます。

さらに、これらの紛争等が訴訟に発展すると、その推移によっては損害賠償義務が発生したり、社会的信用が失われたりする可能性があり、そのような場合にはフォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

また、コンプライアンスに反する行為がフォーラムエンジニアリンググループ役職員により行われた場合、直接的な損害への賠償に加え、フォーラムエンジニアリンググループの社会的評価の悪化等によって顧客企業との取引が停止になったりエンジニアの採用が困難になったりするなどして、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、コンプライアンス規程を定め、社員に対して定期的に研修を行って、コンプライアンスの徹底を図っております。また、フォーラムエンジニアリンググループは、顧客企業に対しても、契約に基づく労働時間の管理や必要な手続きの徹底を要請し、法令遵守を働きかけております。

 

(9)情報の管理及びセキュリティ

①顧客情報の管理

フォーラムエンジニアリンググループは、技術社員である多数のエンジニアを顧客企業に派遣しております。フォーラムエンジニアリンググループが派遣したエンジニアは、フォーラムエンジニアリンググループの事業に係る情報のほか、顧客企業の機密情報に触れる機会が多く存在し、また、顧客企業の組織に関する情報も取り扱っております。特に開発部門等は機密性の高い業務に従事することが多く、就業規則やマニュアル等で機密情報の管理を周知徹底しておりますが、これらの情報について漏洩が発生した場合には、顧客企業からの信用を損なうリスクや法的責任を負う重大なリスクが発生することを認識しております。

②個人情報の管理

フォーラムエンジニアリンググループは、エンジニア派遣・紹介事業を主たる事業としており、エンジニア及び理工系学生を始めとした多くの個人情報を取り扱っております。これらの情報(フォーラムエンジニアリンググループの機密情報、個人情報等)を適正に管理・保管し、利用することが、特に重要であると考えております。

また、フォーラムエンジニアリンググループはプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関しては常に細心の注意を払っております。

これらの施策にも関わらず、顧客企業の機密情報や個人情報の外部流出が発生した場合やそれらの情報を違法又は不適切に管理又は利用したものとみなされた場合には、フォーラムエンジニアリンググループの社会的信用が失われるほか、損害賠償請求等によりフォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。また、フォーラムエンジニアリンググループの情報システムにおけるデータ損失や漏洩により、フォーラムエンジニアリンググループの業務運営に支障が生じる可能性がございます。

さらに、将来的に機密情報や個人情報の取扱いに係る規制又はその運用が厳格化された場合、フォーラムエンジニアリンググループの提供するサービスの質や利便性の低下等をもたらし、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、フォーラムエンジニアリンググループが派遣したエンジニアが機密情報に触れる機会が存在し得る業務に関与することが多いことを踏まえて、就業規則やマニュアル等で情報管理の重要性の周知徹底に努めております。また、フォーラムエンジニアリンググループはプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関して常に細心の注意を払うように努めております。加えて、監視ソフトウェアを導入して情報漏洩の抑制にも取り組んでおります。

 

(10)ICTシステム障害

フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」の各サービスでICTを駆使したビジネスモデルを構築し、効率的に事業を推進しております。従って、情報システムの停止、ネットワークのトラブルや大規模な自然災害等によるシステム障害が発生した場合、それらの復旧作業による直接・間接コストの発生や業務の停滞、フォーラムエンジニアリンググループの社会的信用の低下や法的責任が生じる可能性がございます。フォーラムエンジニアリンググループは、システム障害リスクを検討し、障害を未然に防ぐ体制を整備しております。

しかしながら、フォーラムエンジニアリンググループの想定を超えた事態により、システム障害が発生した場合には、事業活動が停滞し、又は情報システムの整備に係る費用が増加することにより、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

また、フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」によるマッチング機能の開発及び管理の一部について、第三者が提供するシステムやソフトウェアを利用しております。そのほか、フォーラムエンジニアリンググループは、フォーラムエンジニアリンググループのサービスに関するデータの保存について、第三者が提供するクラウド等のサービスに依存しております。

従って、ネットワークのトラブルや自然災害等による情報システムの障害・停止などが発生した場合、それらの復旧・整備作業に伴う直接・間接コストの発生、フォーラムエンジニアリンググループ業務の遅延・停滞、フォーラムエンジニアリンググループの社会的信用の低下、これらに関する法的責任などが生じる可能性がございます。また、フォーラムエンジニアリンググループが当該第三者のサービスを利用できなくなった場合には、フォーラムエンジニアリンググループのサービスの運営が困難となり、他の代替サービスを利用するための費用が生じるため、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

さらに、フォーラムエンジニアリンググループの情報システムにおいてデータの損失や漏洩が発生した場合、フォーラムエンジニアリンググループの業務運営に支障が生じる可能性やフォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、これらのシステム障害リスクを検討し、障害の未然防止と損害の最小化に取り組む体制を整備しております。例えば、社内システムで保存しているデータについては、一定の頻度でバックアップ保存を行っております。また、第三者サービスの利用にあたっては当該サービス及び提供事業者の評価を行い、セキュリティの確保に努めております。

 

(11)知的財産権

フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」の基盤となっている技術等に関連した複数の特許を既に出願しておりますが、また今後も必要に応じて知的財産権の出願・登録などを行っていく方針です。但し、それらによって競合他社によるフォーラムエンジニアリンググループの知的財産権の不適切な使用を完全に防止できる保証はなく、また、競合他社が独自に類似の技術を開発する可能性もございます。また、万一、フォーラムエンジニアリンググループが第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者から訴訟等を提起され補償等の支出が必要となる可能性があるほか、社会的信用の低下や当該知的財産権を利用したサービスの停止等により、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、「コグナビ」の基盤技術等は他に例を見ないものであると自負しております。また、特許出願にあたって関連特許の調査を行っており、今のところ第三者特許侵害の可能性はございません。

出願済み特許は、他社によるフォーラムエンジニアリンググループ知的財産権の不適切利用に対する一定の抑制効果を有しており、さらにフォーラムエンジニアリンググループの知的財産が長年にわたって構築された重層的構造を有していることから、フォーラムエンジニアリンググループの知的財産は総体として他社が容易に模倣しにくいものであると考えております。

 

(12)自然災害・事故

フォーラムエンジニアリンググループは、国内に複数の事業拠点を有しておりますが、自然災害や事故については、全役職員の安否確認システムを導入するほか、損害保険等による被害の補填対策を講じております。

しかしながら、地震や風水害等の自然災害や予期せぬ事故等により、フォーラムエンジニアリンググループあるいは顧客企業の施設や設備が損壊する等の被害が発生した場合には、サービスの提供を継続することができなくなる等の可能性があり、そのような場合には、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

 

(13)疫病、感染症等の蔓延

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大のような感染症や疫病の蔓延に対処するために、緊急事態宣言等の措置が取られることで、人や物の流れが滞って経済活動が停滞し、フォーラムエンジニアリンググループ顧客企業の事業所が雇用調整や休業を余儀なくされる等の状況が発生した場合、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

さらに、感染症や疫病の感染を防止するため、在宅勤務等の勤務形態の多様化が進んだ場合、顧客企業への訪問機会が減少したりフォーラムエンジニアリンググループのエンジニア採用活動や業務活動に制約が発生したりする等、フォーラムエンジニアリンググループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。

フォーラムエンジニアリンググループは、ICTの活用による顧客企業向けの営業活動やエンジニア採用活動の効率化に取り組んでまいりました。また、感染症や疾病の蔓延に対処するために、エンジニアとの面接や社内会議をリモート形式で実施するためのオンラインシステムを整備しております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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