日本車輌製造(7102)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】日本車輌製造グループは、日本車輌製造、子会社4社及び関連会社3社で構成しており、鉄道車両、建設機械、輸送用機器・鉄構、エンジニアリング、その他の製造・施工・販売及び付帯するサービスなどの事業活動を行っております。また、日本車輌製造は親会社である東海旅客鉄道㈱の企業集団に属しております。各事業における主な事業内容と日本車輌製造及び主要関係会社の位置付けは、概ね次のとおりです。(1)鉄道車両事業電車、気動車、ハイブリッド車、客車などを日本車輌製造が製造・販売し、連結子会社㈱日車エンジニアリングが部品の製造及び役務提供等を行っております。(2)建設機械事業杭打機、全回転チュービング装置、アースドリル、障害撤去機などを日本車輌製造が製造・販売し、連結子会社重車輛工業㈱及び持分法適用関連会社日泰サービス㈱が建設機械等の販売・修理などを行っております。(3)輸送用機器・鉄構事業タンクローリ、タンクトレーラ、タンクコンテナ、貯槽、大型陸上車両(キャリヤ)、無人搬送装置(AGV)、貨車などの製造・販売、道路橋、鉄道橋などの新設橋梁の製造・架設及び既設橋梁の補修・保全を日本車輌製造が行っております。(4)エンジニアリング事業鉄道事業者向け機械設備、営農プラント、製紙関連設備などを日本車輌製造が製造・販売しております。(5)その他連結子会社㈱日車ビジネスアソシエイツが厚生業務などを請負っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (注) → :製品、部品及び役務提供の主な流れ ☆:連結子会社 ※:持分法適用関連会社
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】日本車輌製造グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において日本車輌製造グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針日本車輌製造グループは、「インフラストラクチャー創造企業」として、ものづくりに誇りを持ち、お客様のニーズに応え、社会基盤の発展に貢献することを企業理念としております。その実現に向けて、社員一人ひとりが理念を理解し実践することで、事業を運営しております。 (2)中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標日本車輌製造の中期経営計画「日車変革2030」において、2030年までになりたい姿を表す長期ビジョン「現場に安全と信頼をスマートに提供し、お客様の課題を解決するビジネスパートナーになる」を掲げ、このビジョンの達成に向けて重点的に取り組む事項を以下の3本柱として推進しております。①「収益力(利益を稼ぎ出す力)の徹底強化」②「成長のための事業基盤改革」③「ビジネスモデル変革の実現」これにより、「連結売上高経常利益率5%の安定的確保」を経営指標として、売上高に対する利益を確保することを目指しております。 (3)経営環境及び対処すべき課題日本車輌製造を取り巻く経営環境は、中東情勢をはじめとする世界各国での地政学リスクの急速な高まりや、国内の人口減少等により、厳しさを増しております。引き続き、日本車輌製造は、品質向上や低コスト化、業務の効率化を更に推進し、経営体力の強化に努めてまいります。なお、各事業別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりです。 (鉄道車両事業)アフターコロナにおける鉄道事業者の車両更新需要の縮小など、今後も厳しい受注環境が継続することが見込まれます。このような環境下において、新幹線電車をはじめ、特急型車両、通勤型車両、事業用車両等、幅広い車種に対応できる強みを活かしつつ、デジタル技術の活用によって車両品質の向上に努めます。また、労働力人口の減少を見据え、事業者のニーズを捉えた車両の省メンテナンス技術や状態監視、環境負荷低減のための車両の空力性能の向上等の技術開発を推進し、新しい価値の提供に向けて取り組んでまいります。さらに、生産プロセスの改善によるコスト低減に努め、競争力の強化を継続して進めてまいります。 (建設機械事業)国内市場では社会インフラ整備や都市再開発が継続して見込まれることから、建設需要は底堅い一方で、国外市場では最大の輸出先であった韓国の市況が低調であり、これに変わる市場の開拓が急務であることから、インフラ投資の増加が期待される米国や台湾の市場動向を注視しております。このような市況において、杭打機をはじめとする建設機械の製造・開発ノウハウを活かし、各地域のニーズに合わせた柔軟な対応を進めてまいります。また、建設現場におけるCO2排出量の削減や労働力不足を補う省人化等の市場ニーズを捉え、建設機械の電動化・自動化等の実現に向けた技術開発を推進するとともに、保守の分野において顧客の省力化に資するサービス等を開発することにより、競争力の強化に努めてまいります。 (輸送用機器・鉄構事業)輸送用機器は、各種タンクローリ、製鉄所向けキャリヤ、無人搬送装置(AGV)については今後も更新需要を中心に一定程度の需要があると見込まれるものの、厳しい受注環境にあることは変わりません。このような環境下において、主力の高圧ガスタンクローリやキャリヤ、AGVを中心に、将来的なエネルギー動向や労働力不足を補う省人化等の市場ニーズを捉えた新製品の投入や新技術の導入に向けた技術開発を進めており、実用化したキャリヤの自動運転技術については今後の普及を進めてまいります。また、設計の標準化等によるコスト低減を進めることで、競争力の強化と新規顧客の開拓に努めてまいります。鉄構は、新設橋梁は「国土強靭化基本計画」などの公共施策はあるものの、依然として厳しい競争環境にあると認識しております。一方、高速道路の大規模更新・大規模修繕の発注量が増加傾向にあるなど老朽化対策による補修・保全事業の重要性が一層高まっております。このような環境を踏まえ、新設橋梁は引き続き技術提案能力の強化に努め、受注量を確保するとともに、補修・保全事業では、東海道新幹線の大規模改修工事における橋梁補修の工事実績を通じて蓄積したノウハウを活かして道路橋の補修・保全工事の受注に努めてまいります。 (エンジニアリング事業)鉄道事業者向け機械設備、穀物乾燥調製貯蔵施設及び製紙機械は社会基盤として不可欠な設備であり、今後も一定の需要が継続すると見込まれます。これらの設備には安全性向上、省力化に加え、高齢化や労働力不足を補う省人化や保守性の向上が求められており、市場ニーズにきめ細かく対応する提案を進めることにより、収益確保に努めてまいります。 日本車輌製造は、過去の米国向け大型鉄道車両案件において発生した多額の損失による財務状況の悪化への対応として、2017年4月に豊川製作所、鳴海製作所、衣浦製作所の工場資産を日本車輌製造の親会社(東海旅客鉄道㈱)へ譲渡し、さらに、同年11月に親会社より350億円の長期借入を行いました。2021年度より上記の長期借入金の返済を開始し、また、譲渡した工場資産のうち豊川製作所を2023年3月に親会社から買い戻しました。引き続き、長期借入金を着実に縮減し財務基盤の強化に努めるとともに、現在取り組んでいる経営改善の取組みを進め、経営体力の強化を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】日本車輌製造グループの業績や財務状況などに影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月25日)現在において日本車輌製造グループが判断したものであり、事業等のリスクがこれらに限られるものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に日本車輌製造グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。 (販売活動に係るリスク)(1)受注契約日本車輌製造グループは、請負金額が大きい等の重要な受注案件について、受注契約締結前に工程、原価、契約等のリスクについて各部門における受注審査や取締役会等の会議体を通じ社内検討を十分行っておりますが、原材料の高騰や設計変更など受注時の社内検討を超えた変更があった場合には、事業採算の悪化により、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法令・規制日本車輌製造グループにおいては、法令・規制の遵守を徹底するために「日本車両グループ倫理規程」を定め、その規程に基づいて遵守体制のチェックや発生した問題への対処策の検討を行うためコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令遵守のための行動基準を定めた「私たちの行動規範」を全社員へ周知することや知悉度確認の実施などコンプライアンス意識の浸透・定着及び知識の向上に努めております。しかしながら、日本車輌製造グループの事業活動の上で各国・各地域の各種法令や規制等の制約を受けており、法令・規制の変更への対応が適切でない等の場合には、過料・課徴金等による損失や行政処分等による受注機会の損失、またそれらに伴う社会的評価の低下により、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (生産活動・開発に係るリスク)(3)原材料及び部品調達日本車輌製造グループの事業には、受注から納入まで時間を要する個別受注案件が多いことから、その間の需給環境の変化による影響を受けやすくなっております。適時調達や歩留まりの向上を進めるなど需給環境の変化に対応するよう努めておりますが、原材料、部品等の急激な価格変動が発生し製品の販売価格に十分に転嫁できない場合や、部品等の大幅な納期遅延により工程に影響が及んだ場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)製品不具合の発生日本車輌製造グループは、ものづくりに誇りを持ち、お客様のニーズに応え、社会基盤の発展に貢献することを企業理念として掲げております。2024年度より、品質に関する全社方針を定め、各事業本部においても「品質第一」意識の浸透や設計・製造品質の向上などの重点取組事項を定めることにより、各職場のレベルアップを図っております。しかしながら、予測できない原因により品質問題が発生し、重大な製品不具合が発生した場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)特定ベンダーへの依存日本車輌製造グループは、部品のさらなる安定的な供給を目指すべくベンダーの拡大に努めておりますが、部品によっては供給できるベンダーが少なく、予期せぬベンダーの廃業や操業停止等があった場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (気候変動・環境に関するリスク)(6)気候変動日本車輌製造グループは、「環境活動方針」を制定し、脱炭素社会・循環型社会の実現に向けた取組みを推進しております。とりわけ気候変動への対処は重要な課題であると認識しており、災害時の事業継続計画を策定するとともに、カーボンニュートラルに資する製品・サービス開発を進めてまいります。気候変動に起因する自然災害が激甚化し、日本車輌製造グループやベンダーの施設が損傷などの被害を受け、生産・販売等の事業活動に影響が及んだ場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)環境規制日本車輌製造グループは、有害物質の使用及び取扱い、廃棄物処理、製品含有化学物質並びに土壌・地下水汚染の規制などを目的とした様々な環境法令の適用を受けており、環境規制及び関連法規等を遵守するため、リサイクル推進による廃棄物の最終処分量の削減やエネルギー効率の良い生産設備への更新などを順次進めております。しかしながら、将来における環境規制の変更により、日本車輌製造グループにとって更に多くの対応が必要になった場合、あるいは製品の開発、生産、販売・サービス活動等に支障をきたした場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (事故・災害等に関するイベント性のリスク)(8)訴訟リスク日本車輌製造グループの各事業活動に関連して、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在することから、重要な訴訟等が提起された場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (9)情報セキュリティ日本車輌製造グループは、技術や営業等事業の機密情報を有するとともに、取引先等の機密情報に接しております。機密情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備やセキュリティシステムの強化等を講じているほか、情報セキュリティに関する教育を実施するなどコンプライアンス意識の浸透・定着に努めております。しかしながら、情報管理上不測の事態が生じて機密情報が滅失ないし漏洩し、社会的評価が低下した場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10)事故・災害等日本車輌製造グループにおいては、発生した労働災害について取締役会等の会議体へ報告を行い、実施された対策等についてチェックを行う体制を整備することでリスク管理を徹底し、労働安全に取り組んでおります。また、地震・台風等を想定した事業継続計画を策定しております。しかしながら、製作所における不測の事故、大規模災害や感染症の大規模な流行等が発生した場合には、日本車輌製造グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー