アストマックス(7162)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】アストマックスグループは、創業以来培ってきたノウハウを活用し、主に総合エネルギー事業を展開しており、アストマックスグループのセグメントは、「再生可能エネルギー関連事業」、「電力取引関連事業」、「小売事業」、「ディーリング事業」の4事業に区分しております。2026年3月31日付でアストマックス及び連結子会社2社に加え、匿名組合4組合及び持分法適用関連会社2社で構成されており、アストマックスグループの事業における各社の位置づけ等について、セグメントとの関連において示しますと、次のとおりであります。なお、アセット・マネジメント事業は2025年3月末をもって廃止しております。 (再生可能エネルギー関連事業)アストマックス及び以下の子会社等で、主として再生可能エネルギー等を利用した発電及び電気の供給に関する事業を行っております。具体的な事業は以下のとおりです。・開発済みの太陽光発電所の売電、保守・運用管理・新たな太陽光発電所の開発及び地熱発電の事業化・PPA(需要家と発電事業者が長期間の電力購入契約(Power Purchase Agreement)を締結することにより、 初期投資不要で太陽光設備等を導入利用可能)を中心とした自家消費モデルの導入・蓄電池事業子会社: アストマックスえびの地熱株式会社また、以下の匿名組合出資も当事業の連結の範囲に含めております。① 株式会社八戸八太郎山ソーラーパークSouth(匿名組合)② 合同会社あくとソーラーパーク(匿名組合)③ くまもとんソーラープロジェクト株式会社(匿名組合)④ 合同会社GreenPower(匿名組合)持分法適用関連会社: 合同会社新川、合同会社ACE(匿名組合) (電力取引関連事業)当事業は、アストマックスが単独で主として以下の事業を行っております。・電力の卸売り販売・代行サービス(顧客管理、需給予測、需給管理、計画値提出、リスク管理、報告等)の提供・蓄電所のアグリゲーター業務 (小売事業)アストマックス及び以下の子会社で、小売電気事業を行っております。ガス小売事業については、2026年3月末をもって廃止いたしました。子会社: アストマックス・エネルギー株式会社 (ディーリング事業)国内外の主要取引所において商品先物を中心に、株価指数等の金融先物を取引対象とした自己勘定取引を行っております。本事業については、事業間のシナジーや投下資本の効率等を改めて検討した結果、規模を段階的に縮小し、2027年3月末までに廃止することを決定しております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、アストマックスグループが判断したものであります。(1) 会社経営の基本方針アストマックスグループの基本理念は以下のとおりです。 <ミッション>「私達の未来を考える ~すべては持続可能な社会のために~」「私達=社会の一員」であるという認識の下、持続可能な社会の実現を目指すために、絶えず未来を考え続けることが私達の使命であり、存在意義であるとの考えを持ち続けることが重要であると考えております。<ビジョン>「変化をとらえ、進化につなげる」今、必要なことは変化の波を的確にとらえ、その大きさ、方向性そして速さを認識することであるとの考えをもとに、独自性を発揮しつつ、自らも変化していかなければならないこと、そして私達の未来は変化に富み、予想しえない事象が起こりうることを認識するという思いを込めて定めました。<バリュー>「SPIRIT of Challenge」常にチャレンジ精神を持ちバリューを発揮していくことを役職員全員がしっかりと認識することを目的にアストマックスグループのバリューとして掲げました。 これら「ミッション・ビジョン・バリュー」の下、アストマックスは創業以来、培ってきたノウハウを活用し、総合エネルギー事業の積極的な展開に取り組むと共に、安定的に収益を確保できる事業基盤の拡充を目指し、持続的な企業価値の向上とステークホルダーに対する一層の付加価値の提供を進めてまいりたいと考えております。また、事業活動を通じ幅広い人財を育成すると共に、経済合理性と強い倫理観を併せ持った企業活動及び社会活動を行ってまいります。 (2) 目標とする経営指標アストマックスグループは、資本政策の重要性を十分認識し、株主資本を効率的に活用することによって、強固な財務基盤を構築し、期間収益の安定的確保を目指してまいりたいと考えています。持続的成長性を測る手段として「フリーキャッシュ創造力」を第一に考え、キャッシュフロー創造により増加した株主資本を分配するか次の成長のために再投資するかを適切に判断し、「投資効率」も重視してまいります。また、資本コストと資本収益性の状況を分析し、資本コストを上回る収益性を確保できる収益構造の構築を目指してまいります。具体的には、中期ビジョン2028の最終年度2028年3月期において、ROE9%超、ROIC8%超を目指しております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略アストマックスグループは、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を事業活動の基本に位置付けております。それは、個々の企業の存続だけでなく、社会全体の持続的な発展が求められている中で、アストマックスグループのビジネスモデルが、その実現のための価値提供を果たすことができると考えているからです。アストマックスグループは、祖業の金融事業中心の事業展開から、収益源の多様化を図るべく2012年の太陽光発電事業への参入を機に再生可能エネルギー関連事業を徐々に拡充させ、2016年には電力取引関連事業、そして2020年には小売事業へ参画してまいりました。「中期ビジョン2028(Shift Up)」においても、基本方針は変わることなく、「総合エネルギー事業会社」への歩みを進めてまいります。アストマックスグループは、強みである再生可能エネルギー開発・運用、BPOサービス、電力トレード及びリスク管理ノウハウをフルに活かし、発電事業者、小売電気事業者、電力需要家等のあらゆるニーズに応える「エネルギートータルソリューションプロバイダー」としてさらに成長してまいります。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指していくことが打ち出されており、電力システム改革においても電力供給のさらなる安定化・自由化を目指すことがうたわれております。こうした施策はアストマックスグループにとって追い風であることは間違いなく、市場価格をベースとした多様な電力価格の提供に強みを持つアストマックスグループは有利な位置にあると考えております。アストマックスは事業・財務・非財務戦略の三位一体推進により、可能な限り早期にPBR1倍超を目指してまいります。また、従来より継続しております「事業の選択と集中」のさらなる推進と獲得キャッシュの成長投資と株主還元のバランスを考慮した分配を行ない、ガバナンスへの取り組みを一層強化しつつ電力を中心とした総合エネルギー事業をより発展させてまいります。 事業戦略:・「事業の選択と集中」のさらなる推進:成長が見込まれるセグメントに各種資本(財務、人的等)を集中(完了)アセット・マネジメント事業廃止(2024年度)ガス取次事業廃止(2025年度)(推進中)ディーリング事業:2027年3月期末までの廃止に向け、段階的に規模を縮小中。トレーディングノウハウを電力取引関連事業へ移管し、電力取引の差別化に取り組みます。・安定収益基盤の強化に向けた小売り事業の拡充・蓄電池を軸とした事業展開 財務戦略:・成長を支えるキャッシュアロケーション・株主還元方針: 配当性向30%以上、中期ビジョン2028の期間中においては1株当たり7.00円の配当を下限とすることを基本 非財務戦略:・ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化・人財育成及び社内環境整備、人事施策上の定量目標設定 なお、2028年3月期の数値目標としては、以下を目標としております。連結営業収益:350億円、税金等調整前当期純利益(実質):8億円、ROE:9%以上 (4) 対処すべき課題アストマックスグループは今後更なる事業及び収益の持続的拡大を図るために、以下の課題に取り組んでまいります。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)①次世代マネジメント人材の育成とマネジメント継承についてアストマックスの取締役会は、高度な専門性を有する複数の社外取締役、業務執行取締役及び社外監査役で構成しております。加えて、業務執行と業務執行状況の管理の分離、業務執行責任者の権限の拡大と結果責任の明確化、並びに経営人材の育成・拡充等を目的として「委任型執行役員制度」を導入しております。今後の更なる事業拡大と企業価値の持続的な向上を実現していくためには、高い専門性と豊富な経験を備え、優れた人格を備えたマネジメント人材の選抜・育成が急務であると認識しております。こうした方針のもと、2026年3月期においては、社内から取締役を新たに1名選任するとともに、部長職以上を対象とした外部研修を実施いたしました。また、外部から執行役員を1名登用したほか、期末には代表取締役社長が退任し、次世代の経営体制を担う新たな経営陣への引継ぎを進めております。アストマックスは今後も、次世代マネジメントへの移行を一層推し進め、引き続き世代交代を図ってまいります。 ②電力需要家、発電事業者のあらゆるニーズに応えるエネルギートータルソリューションプロバイダーに向けてアストマックスグループは、従前より掲げる「総合エネルギー事業会社」への飛躍に向け、アストマックスの強みを再定義した結果、「電力需要家、発電事業者のあらゆるニーズに応えるエネルギートータルソリューションプロバイダー」を目指す方針を決定しております。具体的には、良質な環境価値を生み出すベースロード電源である地熱発電開発を推進するとともに、AIを活用した市場予測等に基づく大規模系統用蓄電所の運用業務、環境価値(再エネ価値)の取り扱いの拡大等を進めてまいります。これらの取り組みを通じて、顧客目線に立った付加価値を提供し、「なくてはならないビジネスパートナー」として成長していく所存です。 ③営業力の強化と事業規模の拡大アストマックスグループは、エネルギートータルソリューションプロバイダーとしての成長を実現するため、営業力の向上と事業規模の拡大を重要課題と位置付けております。まず、多様なソリューションをより多くの顧客へお届けできるよう、従来の縦割り型の営業体制に加え、セグメントを横断して連携できる営業体制の構築・強化を進めております。これにより、需要家から発電事業者まで、あらゆる接点で最適な価値を提供するとともに、顧客との対話の強化、データ分析の高度化、サービス改善を通じて、顧客ニーズを的確に把握してまいります。あわせて、発電から小売まで一貫して手掛けるアストマックスグループの強みを活かし、小売事業の電力販売量の増加を、電力取引関連事業を含む収益拡大に直結させる方針です。顧客基盤の拡大は、新たなサービス提供のビジネスチャンスを生み、他事業にも相乗効果をもたらすものと考えております。今後も新規顧客の獲得と既存顧客の維持・関係性の深化を並行して進め、持続的な事業規模の拡大を実現してまいります。 ④資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について2023年3月に東京証券取引所より、プライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請がなされました。アストマックスにおいては、資本収益性等の分析を進めており、中期ビジョンにおいてROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回ることを基本目標としております。あわせて、セグメント単位での分析も進め、収益性を高め、「BS(貸借対照表)から見る経営」を進めてまいります。 ⑤株主資本の充実と持続的な収益力の確保総合エネルギー事業を展開するアストマックスグループにとって、事業規模の拡大のためには、株主資本を充実し企業体力を強化すること、持続的な収益力を確保していくことが最も重要な課題であります。事業展開の優先度に応じた経営資源配分の最適化を図り、事業目標達成に向けた進捗管理の強化と資本効率の向上を推進してまいります。また、継続的な経費構造の見直しによる経費率の改善とコスト削減にも引き続き取り組んでまいります。 ⑥効率的かつ機動力のある体制の構築とリスク管理の高度化上記の課題の達成のためには、適材適所の人材配置と業務効率の向上を実現させる組織運営が不可欠であると考えております。主に業務代行分野で進めてきたDXの推進を、他の事業分野に展開し、活用を進めております。また、アストマックスグループの事業を取り巻くリスクは変化を続けております。市場取引に係るリスク、信用リスク、流動性リスクに加え、セキュリティリスク、自然災害発生及び感染症拡大等に伴う事業継続に係るリスク等、今後、従来想定していない新たなカテゴリーのリスクも発生し得ると考えられます。こうした状況に鑑み、アストマックスはリスク管理の重要性を明確に認識し、不測の事態にも迅速かつ的確に対応できるよう、リスク管理体制の一層の強化に努めてまいります。 ⑦サステナビリティに関する考え方及び取り組みアストマックスグループは、環境・社会・経済という3つの観点から持続可能な社会の実現に貢献し、長期的に企業活動を維持・向上させることを、サステナビリティ経営の経営方針として捉えております。アストマックスは、この方針を推進するため、代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。同委員会では、気候変動や人的資本をはじめとする重要課題の特定・基本方針の策定を行っており、そのリスク管理状況等について、取締役会に報告を行う体制を構築しております。今後も同委員会の機能を継続的に強化し、サステナビリティ経営を深化させてまいります。 (その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)①再生可能エネルギー関連事業における事業基盤の拡充再生可能エネルギー関連事業においては、太陽光発電による売電収入、発電所の維持管理業務(O&M事業)に加え、長年に亘り培ってきたノウハウとネットワークを活かし、非FIT太陽光発電設備を用いた電力販売契約(PPA)の展開や、固定価格買取制度(FIT)からフィードインプレミアム(FIP)制度への移行(FIP転)と蓄電池を組み合わせた事業、さらには系統用蓄電所や地熱発電の開発等に取り組んでおります。太陽光発電事業では、出力抑制が課されるエリアの増加や経済的出力抑制、及び各種保険料等の増加といった課題に直面しておりますが、引き続き業務効率化や経費の見直し等を行ってまいります。地熱発電事業については、宮崎県えびの市尾八重野地域においてアストマックスえびの地熱株式会社が推進しており、これまでに掘削した4本の井戸により必要な発電能力を確認するとともに、2024年度には総出力4.4MWの連系契約を完了しております。昨今の建設費の高騰といった事業環境の変化に対応し、より安定した事業基盤と採算性の向上を図るため、アストマックスえびの地熱株式会社は、2025年11月に株式会社竹中工務店を引受先とする第三者割当増資を実施いたしました。現在、事業計画の見直しを進め、資本増強や資金調達、発電規模拡大の可能性等を含む今後の事業運営方針について、関係者と協議を進めております。 ②電力取引関連事業における収益力強化電力取引関連事業は、小売電気事業者向けの業務代行及び多様な電力調達ニーズに対応した電力の仕入・販売に注力してまいりました。その結果、収益基盤の強化は進んできております。一方で、取引参加者の増加に伴いマージンが低下傾向にあるなど、事業環境は厳しさを増しております。今後は、サービスの質の向上やコストの見直し等の対策を講じ、収益の改善に努めてまいります。また、業務代行については、AIを活用した電力の需要予測等、引き続き質の高いサービスにより顧客獲得と事業基盤の強化を目指してまいります。さらに、系統用蓄電所の運転開始に伴い、AIを活用した需給調整や市場予測等の機能を活用した電力取引業務の受託を開始しております。今後、系統用蓄電所は稼働案件の増加が見込まれており、運用業務の受託機会もさらに拡大すると予想されます。アストマックスは、これを確かな成長機会と捉え、より一層のサービス向上と事業拡大に努めてまいります。 ③小売事業における収益力強化小売事業は代理店経由の顧客獲得に加え、既存顧客に対しましても訪問やWeb会議をメインに丁寧なフォローアップに努めております。2024年4月から開始された容量拠出金制度に関するご説明や、固定価格と市場価格を組み合わせた「ハイブリッド・フリープラン」、「キャップ付きフリープラン」などお客様のニーズに合わせた商品のご提案を行い、サービスへの理解を深めていただく取り組みを行っております。低圧小売につきましては、新たなパートナー企業とともに開始したマーケティング手法の浸透により、顧客は徐々に増加傾向にあります。特高・高圧小売につきましては、2026年3月期を通して顧客数、電力の供給量ともに減少傾向にありましたが、大口顧客との新規契約が成就し、2026年3月より電力供給を開始しております。今後も様々な取り組みを通じて、サービスの浸透と顧客獲得を加速させ、収益力の拡大と事業基盤の強化を目指してまいります。 ④ディーリング事業のノウハウを電力取引関連事業へ継承ディーリング事業は、これまで取引対象の拡大や取引インフラを整備し収益源の多様化と収益力の拡大を目指してまいりました。しかしながら、近年の取引市場規模の縮小傾向や、海外を中心とした取引コストも年々上昇しております。そのため、事業間のシナジーや投下資本の効率等を改めて検討した結果、2027年3月期末までにディーリング事業の規模を段階的に縮小し、トレーディング及びリスク管理ノウハウを電力取引関連事業に移行した上で最終的に廃止することを決定しております。これまで培ってきた取引に関する専門知識や経験等のノウハウは、電力取引関連事業へ確実に継承してまいります。 ⑤蓄電池に関する事業の全社横断的な取り組みの強化蓄電池に関する事業は、全社横断的な取り組みを進めております。現在、複数の案件について、具体的な事業化に向けた検討・実行段階にあります。引き続き、各部門の知見を結集し、蓄電池を活用した事業をアストマックスグループのコア収益基盤の一つとしてさらに強化してまいります。 ⑥コンプライアンスの徹底上場企業として、エネルギー事業を展開するアストマックスグループは、極めて公共性の高いビジネスの担い手であることを強く認識しております。この社会的責務を果たすため、役職員一人ひとりに高いモラルが求められていることを再認識し、アストマックスグループの全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を求めるとともに、誓約書を提出させております。今後も、研修の実施をはじめとする継続的な啓蒙活動とチェック体制の維持により、引き続きその徹底を図ってまいります。 ⑦セキュリティ対策アストマックスグループは、情報漏洩のリスクを低減させるため、事業別に業務データのアクセス権を細かく設定するとともに、情報にアクセスする場所やデバイスにおいても制限を設ける等の措置を講じております。さらに、高度なセキュリティ環境を維持するためには、役職員一人ひとりの高いセキュリティ意識が不可欠であると認識し、全役職員を対象としたサイバー攻撃に関する訓練や研修を定期的に実施しております。今後も継続して役職員の意識の向上と啓発に努めてまいります。 ⑧IRの充実アストマックスグループは、規模に比べセグメント数が多いことから、株主や投資家の皆様からそれぞれの事業が分かりにくいとのご意見をいただいておりましたが、現在は非中核事業からの撤退を行い、事業の集約を進めております。また、事業全体の関連性や状況をより分かりやすく可視化するため、月次での太陽光発電所の売電状況の開示、四半期決算の補足説明資料の公表、年に2回のオンライン決算説明会、株主通信の充実、各種適時開示等といったIR活動に注力しております。今後も、事業全体の関連性や状況をより的確にお伝えできるよう、IRの充実に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載したアストマックスグループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、アストマックスグループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績に与えうる影響の程度及び発生の蓋然性等に鑑み、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。アストマックスグループは、これらの重要なリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、これらのほかにも様々なリスクが存在しており、ここに記載されたリスクがアストマックスグループの全てのリスクを表すものではありません。アストマックスの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてアストマックスグループが判断したものであります。 (特に重要なリスク) リスクの内容リスクに対する対応策①グループ経営のガバナンスについてアストマックスグループでは、様々な事業を手掛けておりますが、各々の事業については、迅速かつ的確な経営判断が求められます。ガバナンス体制及び管理業務遂行体制が十分に機能しない場合には、アストマックスグループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。グループ会社を含めた各事業部門における重要事項については、執行役員会、常勤役員会、経営会議及び取締役会において十分に審議され、意思決定がなされています。また、週次で開催している執行役員会の資料共有、月次に開催される社外取締役との定例打合せ等を含め、社外役員との積極的な意見交換を行っております。さらに、必要に応じて、臨時取締役会及び事前説明会を開催し、アストマックスグループにとっての重要な判断に、取締役会のガバナンスが効果的に及ぶ体制を維持しております。各事業の管理業務は夫々のミドルオフィスが行い、バック業務は全社に集約し、アストマックス事業全体の管理業務の効率化及び管理コストの削減を図ると共に、事業部門の迅速な意思決定を可能とする体制としております。②法的規制等に対するコンプライアンスの徹底についてアストマックスグループにおける事業には様々な法的規制がおよびます。ディーリング事業及び電力取引関連事業は、関係法令を中心に、国内外の主要取引所の諸規則の遵守を求められており、再生可能エネルギー関連事業においては、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法や電気事業法等の規制を受けることとなります。また、小売事業においては電気事業法のほか、個人情報保護法等を遵守することが求められています。万が一、上記等に関しての法令違反等が発生した場合には、監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けることがあり、その内容によっては通常の営業活動が制限され顧客ビジネスの展開に支障をきたす可能性もあります。また、一役職員による不祥事等が発生した場合であってもアストマックスグループのイメージが失墜し、アストマックスグループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。アストマックスは、上場企業として、アストマックスグループ各社を含めたコンプライアンスの徹底を最重要課題の一つとして取り組んでおります。アストマックスグループが営む事業毎に存在する様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールについて、グループ各社が企業として遵守することのみならず、役職員一人一人にモラルが求められていると考えております。アストマックスグループでは、全役職員に対して社内規程で法令等の遵守を要求するとともに、毎年度、その旨誓約書を提出させており、加えて継続的な研修を含む啓蒙活動を行っております。体制としては、内部監査を中心とするチェック体制及びコンプライアンスチェックリストを用いた自主点検を定期的に実施する体制を敷くことにより、その徹底を図っております。アストマックスグループとしては、コンプライアンス体制及び内部管理体制の確立・維持に努め、今後も更なるコンプライアンスの徹底を図るべく継続して取り組んでまいります。③企業買収/出資等と統合に係るリスクについてアストマックスグループでは、主要事業及びそれに関連する事業会社またはファンド等に出資等も行っており、連結子会社・持分法適用関連会社として収益等を取り込んでいるものや、関連会社に該当しない出資先もあります。出資先で想定した利益が見込めない場合、出資先の経営状況が著しく悪化した場合、またはファンドの投資成果が大きなマイナスとなった場合などには、連結損益にマイナスの影響を与える可能性があります。出資先の選定にあたっては、出資による投資成果とリスクを見積ると共に、アストマックス事業との関係性やアストマックス事業展開における付加価値及び事業計画等の妥当性等を判断した上で、社内規程に基づく慎重な検討を行っております。また出資後においても、協働または経営指導などを通じて出資先の価値の向上を図ることに努めております。④システム障害に係るリスクについてアストマックスグループのコンピュータ・システムは、業務上不可欠なインフラとなっております。アフターコロナにおいても、アストマックスグループは在宅勤務の併用などを実施しており、オンラインでの効率的な業務体制の維持は更に重要度を増している、と考えております。ハードウェア、ソフトウェアの不具合や人為的ミス、天災、停電、テロ、コンピュータウイルス、サイバー攻撃その他の不正アクセス等によりコンピュータ・システムに障害が発生する可能性は否定できず、システム障害のレベルによっては、アストマックスグループの事業活動及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現状、重要なデータについては外部のデータセンター利用を通じたバックアップ体制を確立、「情報セキュリティ委員会」を定期的に開催して、重要データの漏洩防止を含めた「情報セキュリティ」体制の維持に努めております。アストマックスグループは、「情報セキュリティ」を重要な経営課題と捉えて、業務上及びセキュリティ上必要とされる水準の維持・向上に努めております。⑤再生可能エネルギー関連事業について当事業においてアストマックスグループがこれまでに開発等で携わった太陽光発電所の案件は全国20サイトとなります。また、太陽光発電以外では地熱を利用した発電事業や系統用蓄電池等の取り組みも進めております。本事業においては、ビジネスの進展が必ずしも予定通りに進まない事態が発生し得ること、想定しきれないコストが発生すること等により、事業採算が悪化する可能性があるほか、事業全体としての採算が合わない場合は開発を断念せざるを得ないこともあり得ます。また、事業用地の取得を伴うケースがあることから、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による不動産価値の毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、不動産価値の急激な低下による減損等の新たなリスクを負うことになると共に、第三者に対し損害を及ぼし賠償責任を負うというリスクも存在します。こうした問題が発生した場合には、アストマックスグループに対する信頼の失墜に繋がる可能性があります。その際には、アストマックスグループの経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、再生可能エネルギーについては、政府のエネルギー政策によっては諸規則等の改正またはその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、全国的な太陽光発電設備の増加により、電力の供給が過剰となり出力抑制が課されることがエリアによって増加してきております。アストマックスグループが保有する太陽光発電所は出力抑制に上限が付いているものが殆どですが、出力抑制がかかるたびに売電収入は減少することから課される回数によってはアストマックスの営業収益に大きな影響を与えるリスクがあります。それぞれの案件の事業化にあたっては、関係者との連携を図りつつ、且つ厳格な調査に基づき事業化の是非を検討して進めております。特に地熱発電事業に関しては、事業化に向けて地表調査及び4本の調査井の掘削が完了しており、現時点におきましては事業性として有望であると判断しておりますが、想定した蒸気や熱水が得られない可能性もあること、また近隣に地熱発電所が建設される等の場合においては、当初の計画に影響を及ぼすリスクが存在します。専門業者との密接な連携を図りつつ、共同事業者を募って本事業を進めることによって事業リスクの分散化も図っております。また、当事業においては、アストマックスグループの自己資金に加えて銀行借入等を利用し、レバレッジをかけて投資を行うケースがあります。その際にはアストマックスグループが拠出した投資額を上回る規模の事業を行うこととなり、事業採算の僅かな悪化が、アストマックスグループの損益に相対的に大きな影響を与えるおそれがあります。アストマックスグループにおいては、再生可能エネルギー関連事業での資金調達の大半を、SPC(特別目的会社)を用いたノンリコースローン(責任財産限定型ローン)で行っており、アストマックスグループのリスクを出資金等の額に限定することを図っております。⑥気候変動リスクについて気候変動によるリスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み(3)リスク管理 気候変動によるリスクと機会」のとおりです。 (重要なリスク) リスクの内容リスクに対する対応策⑦人財の確保に係るリスクについてアストマックスグループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての事業において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えております。しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、アストマックスグループの事業活動に支障をきたし、これによりアストマックスグループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。アストマックスグループでは、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。従業員教育に注力するほか、より働き易い環境、従業員一人一人の能力を更に伸ばせる職場環境を提供するため、在宅勤務制度やフレックスタイム制度、時差勤務制度等を導入し、ワークライフバランスの充実に取り組んでおります。また、従業員の専門性をより適正に評価することのできる人事制度も導入しております。人財育成や社内環境の整備に関する方針、戦略等は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み」も参照下さい。⑧電力取引関連事業について需要と供給を常時マッチングさせることが求められる電力取引の性格上、同市場の価格は他の市場取引に比し、大きな値動きをすることがあります。特に市場の流動性が縮小する時には、価格が著しく変動するリスク等も存在します。また、当事業においては、事業の拡大に伴い与信供与する取引先が増加しており、電力価格の高騰等により、万が一与信先が破綻した場合は、少なからずその影響を受ける可能性があります。電力取引関連事業においては、発電事業者等他の電力業者及び電力卸売市場等から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回るまたは下回ることで電力量に過不足が生まれることがあり、需給がバランスしない状況で期限が到来した場合は電力価格の変動を直に受けるため損失が発生するリスクがあります。なお、価格変動リスクは、ディーリング事業で培ってきたリスク管理ノウハウを十分に活用してコントロールしております。また、与信リスクについては、取引先毎のリスク限度の管理やリスクを抑制できる取引形態及び与信リスクの転嫁等を通じ与信リスク量のコントロールに努めております。⑨小売電気事業について小売電気事業は、電気事業法に基づく申請を行い、経済産業大臣による登録により事業を開始することが可能となっております。参入障壁が低いことから、新規参入事業者が急増し、自由化以降800を超える事業者が登録されております。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があります。また、電力購入価格の高騰を適切に販売価格に転嫁できない場合は、アストマックスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また営業収益は、顧客の電気使用量の季節的変動(気温や気象等)による影響を受けるため、業績が季節変動するリスクがあります。高圧・特別高圧向けの顧客は増加し、当事業は2024年3月期に黒字転換いたしましたが、顧客が他社に流出するリスクは存在します。小売電気事業への本格的参入は、従来からの再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業に加え、日本における電力のサプライチェーン全体に事業領域を広げ、より機能的なサービスの提供と収益機会の開拓を図る方針に基づいたものです。アストマックスグループの総合エネルギー事業を伸ばしていくためには、自前の小売電気事業が欠かせないものと考えております。増加した高圧・特別高圧の顧客については、アストマックスのサービスの独自性、優位性を紹介すること等を通じて、中長期的な取引の継続に繋げる取り組みを行っております。また、電力販売量の増加に伴う資金需要については、事業推進に必要な資金量を確保すべく、銀行とコミットメントライン契約を締結しております。電力価格の変動等によるリスクについては、電力取引関連事業に関する説明のとおり、的確にコントロールして事業運営を行っております。⑩商品先物市場・金融市場等の動向について電力取引関連事業及びディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場等を利用して取引を行っております。従って、アストマックスグループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。このほか、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故の発生や、それらを原因として商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、アストマックスグループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。アストマックスグループにおけるディーリング事業においては、国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略を主たる取引として、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えることを低減させる戦略をとっております。一方、左記のような事態が発生すると、市場のリスクが高まり、取引に必要な証拠金が増加することがあります。アストマックスは、使用証拠金率の管理や利益管理等を行い、過度なリスクに晒されないように努めています。また、それらを超える状況にも対応できるだけの手元流動性や金融機関からの与信枠の確保を資本効率も考慮しながら確保するよう努めております。⑪訴訟の可能性についてアストマックスグループが2007年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。また、「(特に重要なリスク)②法的規制等に対するコンプライアンスの徹底について及び⑤再生可能エネルギー関連事業について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。アストマックスグループは、前述のとおり、コンプライアンス体制の維持に努めておりますが、単に法令または各自主規制機関の自主規制ルール等を遵守するのみならず、対外契約の遵守、取引先等との適切なコミュニケーションを図ることによっても、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。また、顧問弁護士等への事前相談及び事業進行中の相談を通じても、訴訟等のリスクに備えてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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