いすゞ自動車(7202)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


いすゞ自動車(7202)の株価チャート いすゞ自動車(7202)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】 いすゞ自動車の連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しており、関係会社の状況においてもIFRSの定義に基づいて開示しています。  いすゞ自動車グループは、いすゞ自動車及び連結子会社120社、持分法適用会社等(関連会社、共同支配事業及び共同支配企業)35社で構成されており、自動車事業を主たる事業として、これを補完するための金融事業を行っています。 自動車 当事業においては、大型トラック・バス、小型トラックを中心としたCV・LCV及びパワートレイン(注)の製造・販売、それらに関連する物流等の各種サービス事業をグループの中核事業として国内外に展開しています。 生産体制は、いすゞ自動車による製造・組立と、いすゞ自動車が供給するコンポーネントを在外グループ企業により組立てる現地生産を行っています。また、自動車以外の主力製品であるエンジンは、日本及びアジア地域で生産しています。 国内の販売体制は、中央官庁並びに大口需要者の一部に対しては、大型トラック・バスをいすゞ自動車が直接販売にあたり、大型トラック・バス、小型トラックほかの、その他の需要者に対しては販売会社がその販売にあたっています。 海外への販売は、いすゞ自動車グループ企業の販売網及びゼネラル モーターズ グループ各社等の販売網並びに商社等を通じ行っています。 金融 当事業においては、いすゞ自動車グループが製造する自動車及び他の製品の販売を補完するための金融並びに車両のリース事業を行っています。 各事業における主な関係会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照ください。  (注)文中「CV」「LCV」「パワートレイン」とあるのはそれぞれ「商用車」「ピックアップトラック及び派生車」「エンジン、トランスミッション及び駆動系のコンポーネント」のことを示します。以上、述べた事項を事業系統図によって示すと概ね次のとおりとなります。

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 いすゞ自動車グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においていすゞ自動車グループが判断したものです。 (1)経営方針・企業理念・行動方針 いすゞ自動車グループを取り巻く事業環境の変化は日増しに加速しており、事業は複雑性を増しています。こうした状況下で、いすゞ自動車グループはさまざまな社会課題を解決し、商用車業界をリードしていくために、自らの存在意義、そしてお客様・社会に対する提供価値を問い直すことが必要とされています。 このような課題認識のもと、いすゞ自動車グループは、従業員一人ひとりが高い視座に立ち、同じ価値観を共有し、一丸となって社会課題の解決に取り組むことが必要と考え、2023年5月に新経営理念体系「ISUZU ID」を策定しました。 「ISUZU ID」の概要は以下のとおりです。◆PURPOSE(使命):地球の「運ぶ」を創造するお客様、そしてパートナーの皆さまと地球上のすべてのモノ・ヒトの「運ぶ」を主体的に創造するとともに、カーボンニュートラルへの対応や、進化する物流への貢献など、新たな「運ぶ」の価値を提供し、社会を豊かにしていきたい、という決意を表しています。 ◆VISION(将来像):「安心×斬新」で世界を進化させるイノベーションリーダーあらゆる社会課題の解決に貢献していくために、従来大切にしてきた「安心」に、「斬新」を掛け合わせ、イノベーションリーダーを目指します。 ◆MISSION(任務):あなたと共に「運ぶ」の課題を解決するすべての人々と共に社会を前進させるという意志を込め、4つの分野(お客様満足度・地球へのやさしさ・働きがい・社会への影響力)でNo.1を目指します。 ◆CORE VALUE(コア・バリュー):相互成長イノベーションリーダーとして、一人ひとりが挑戦・変化・貢献する意欲を持ち、集団として尊重・信頼・刺激し合うことで、成長していきます。  今後、いすゞ自動車グループは「ISUZU ID」を起点に、既存事業の更なる強化と新事業への挑戦を通じて社会課題の解決に貢献し、世界を進化させるイノベーションリーダーを目指します。 (2)対処すべき課題 「地球の『運ぶ』を創造する」をPURPOSE(使命)として、「運ぶ」に関わるさまざまな社会課題を解決するためには、多様化するお客様ニーズや不確実性の高い事業環境にもしなやかに対応し、絶えず柔軟に変革し続けることが不可欠です。 変革の実現に向け、いすゞ自動車グループでは2024年4月に、中期経営計画「ISUZU Transformation – Growth to 2030」(以下「IX」という。)を公表しました。「IX」は「ISUZU ID」のVISION(将来像)とMISSION(任務)を、足元からのフォーキャストと「ISUZU ID」からのバックキャストで、2030年目線で具体化し策定したものです。いすゞ自動車グループは2030年に向けて、創造・提供する価値を従来の商品軸から、新たにソリューションへと広げ、ビジネスモデルを変革します。現在の収益拡大と、未来の収益への投資を両輪として、お客様・社会をはじめ、あらゆるステークホルダーが抱える課題を「安心×斬新」な「運ぶ」で解決する、「商用モビリティソリューションカンパニー」を目指していきます。  次に挙げる課題は、「ISUZU ID」及び「IX」の実現のみならず、自動車業界・商用車業界におけるお客様のご期待や技術的変革に対応するため中長期的な観点から抽出したものです。 「運ぶ」を創造する新事業への挑戦 物流業界を取り巻く環境は、カーボンニュートラル(以下「CN」という。)社会の実現が急がれるなか、昨今の慢性的なドライバー不足等の課題を抱えています。こうしたお客様・社会課題の解決に貢献し、未来の新たな収益へと成長させるため、従来培ってきたいすゞ自動車の強みである「安心」を活かし、「自動運転ソリューション」、「コネクテッドサービス」、「カーボンニュートラルソリューション」の3領域を軸に、「安心×斬新」でお客様と社会の課題を解決する新事業に挑戦します。これら新事業への挑戦に向け、総額1兆円規模のイノベーション投資を着実に実行します。 (当連結会計年度の取組み) 「自動運転ソリューション」については、2027年度までの「自動運転レベル4技術」を活用したトラック・バス事業の開始に向け、技術獲得の推進及び複数の実証事業を実施しました。2025年10月には、経済産業省及び国土交通省が推進する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」の「高速道路における高性能トラックの実用化に向けた取り組み(テーマ3)」の集大成として、国内商用車メーカー4社合同で新東名高速道路における総合走行実証を開始しました。また、同じく2025年10月に、神奈川県平塚市で実施された自動運転バス実証実験事業にいすゞ自動車が開発・製造した「エルガEV自動運転バス」を提供したほか、2026年1月には栃木県・愛知県間を結ぶ自社部品物流ルート内において自動運転大型トラックの公道実証を開始しました。さらに、2026年3月からは、自動運転用ソフトウェアスタック技術に強みを持つ株式会社ティアフォー及びAIコンピューティング技術に長けたNVIDIA Corporationと共同で、自動運転レベル4バスの社会実装に向けた取組みを開始しています。 「コネクテッドサービス」では、かねてより運行管理・ドライバー支援サービス「MIMAMORI」、高度純正整備サービス「PREISM」等の先進的なサービスを、業界に先駆けて導入してきました。2025年12月には、これらに加え、商用BEV(※)向けのエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer」の提供を開始しました。同サービスを通じ、1拠点で複数台のBEVを導入・運用する際の充電管理や電気料金の抑制を実現することで、お客様のBEV導入によるメリットを最大限に引き出すことが可能となりました。また、「MIMAMORI」への荷待ち自動判定機能や作業時間集計機能等の追加、「PREISM」への故障予兆検知機能の追加等、既存のサービスの性能向上及び機能追加も実施しました。 「カーボンニュートラルソリューション」では、多様な動力源での技術開発・商品提供及びBEVの普及と市場競争力向上にむけた実証実験の推進に取り組みました。2025年9月には、株式会社ファミリーマート及び伊藤忠商事株式会社と連携し、バッテリー交換式EVトラックを使用した配送実証を横浜市で開始しました。本実証実験では、左右両側からのバッテリー同時交換を可能とした国内初の仕様の車両を使用し、バッテリー交換時間をディーゼル車の燃料給油と同程度まで短縮することに寄与しました。さらに、NGV(天然ガス車)トラックへのバイオメタン充填実証への参画や空港におけるEVトラック活用検証も、パートナー連携を通じて実施しました。 (※)BEV:Battery Electric Vehicle (今後の計画) 「自動運転ソリューション」では、2027年度までに、日本及び北米を皮切りに自動運転レベル4技術を活用したトラック・バスの事業化を目指します。この実現に向けて、当連結会計年度に開始したいすゞ自動車グループ独自の公道実証を引き続き推進するほか、北海道むかわ町に新設した国内商用車メーカー初の自動運転専用テストコースも、2027年9月に本格的な稼働開始を計画しています。これらの取組みによるノウハウの蓄積と、いすゞ自動車が従来培ってきた「通常時、緊急時の車両制御技術」、「お客様による使われ方の熟知」を掛け合わせることで、2027年度より順次、高速道路・ハブ間での輸送や、市街地をはじめとする路線バスの自動運転ソリューションを提供していきます。 「コネクテッドサービス」では、国内においては運送事業者・荷主の輸配送効率を高めるサービスを提供するほか、業界を超えたさまざまなデータを商用車情報基盤「GATEX」と連携させることで、新たなサービスの創出や既存サービスの高度化・効率化を推進します。さらに、北米より高度純正整備サービス「PREISM」とEVトータルソリューションプログラム「EVision」を展開し、2028年までに北米以外の主要地域へも対象エリアを拡大します。 「カーボンニュートラルソリューション」では、「いすゞ環境長期ビジョン2050」に基づき、マルチパスウェイで技術開発を進め、各国の使われ方・地域状況・社会動向に適した商品を展開することで、CN社会実現に貢献します。具体的には、2030年までに全車種でCN商品をラインアップに加える予定です。また、CN商品の開発加速のため、藤沢工場内に電動開発実験棟「The EARTH lab.」を新設し、2026年6月の稼働開始を目指しています。 さらに、2030年代のEV普及期を見据え、価格競争力のあるBEVの投入や、バッテリー交換式ソリューション「EVision Cycle Concept」をはじめとする周辺事業の展開を本格的に推進し、社会のCN化を牽引します。2026年度には、トヨタ自動車株式会社と共同開発を進めている次世代燃料電池路線バス(次世代FC路線バス)の生産を開始します。同取組みを皮切りに、FCV(※)については、実用性・需要を見極めながら、路線バス及び小型車を足掛かりに展開することを計画しています。 (※)FCV:Fuel Cell Vehicle 「運ぶ」を支える既存事業の強化 いすゞ自動車グループは150カ国以上で事業を展開し、うち35カ国以上でシェア第1位、グローバル販売台数は57万台以上と、世界中のお客様・社会の「運ぶ」を支えてきました。今後も業界を牽引するとともに、お客様・社会の「運ぶ」を支え続けるためには、既存事業の商品力・販売力を強化し、グループの事業基盤を一層強固にする必要があります。いすゞ自動車グループは、商用車市場のグローバルリーディングカンパニーとして、2030年度に新車販売85万台(トラック45万台及びピックアップトラック40万台)以上の販売を目指します。 (当連結会計年度の取組み) 当連結会計年度も引き続き、各国の使われ方、地域状況、社会動向に適した商品の開発、展開に取り組みました。 日本においては、小型トラック「ELF 4WD」のフルモデルチェンジと「ELF mio4WD」の追加、中型トラック「フォワード」に対する先進安全装備や軽量・低燃費エンジンの搭載、大型トラック「ギガ」の安全・運転支援機能及びコネクテッド機能強化等、幅広い商品の性能向上を実現しました。また、海外においては、1トン積みピックアップトラック「D-MAX」のバッテリーEVモデルにあたる「D-MAX EV」をタイで生産開始し、2025年夏より欧州主要国で発売しています。 加えて、当連結会計年度においては、「トータルライフサイクルで稼働を支えるサービス」の提供に向け、アフターセールス事業の強化及び海外展開に向けた取組みを加速しました。日本においては、首都圏・東海・近畿を中心に、アフターセールス拠点の新設や拠点更新投資を進めてまいります。また、海外ではグループ初となるリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下「IFSA」という。)を豪州に設立し、2025年10月より営業を開始しています。 (今後の計画) 日本においては、いすゞ自動車とUDトラックスの連携を重視した車両の生産及び販売体制の再構築を推進します。具体的には、大型トラックの共通プラットフォーム共同開発及び市場投入を見据え、生産機能を藤沢工場からUDトラックス上尾工場へ移管し、2028年の稼働開始を目指しています。また、いすゞ連結販売会社とUDトラックスの地域販売拠点の統合を2027年4月までに完了し、ブランド横断でのサービス提供によるお客様の利便性向上と同時に、業務フローやシステムの統一による効率的な運営を目指します。さらに、国内のアフターセールス事業についても拠点新設や拠点更新を継続し、2030年までに2,050億円規模の新規投資を行うことを計画しています。 海外においては、日本国内で先行してフルモデルチェンジした先進装備搭載の小型・中型トラックを、北米を皮切りに順次、豪州や欧州などの市場に投入します。生産機能やサプライチェーンの強靭化に向けた取組みとして、米国においては、サウスカロライナ州の新生産拠点の2027年中の稼働開始を目指すとともに、北米市場での需要増加が見込まれるBEV部材の現地調達化を推進します。また、タイにおいても、LCV旗艦工場の自動化・ライン統合等を通じた競争力強化を目的とした設備投資を行い、2027年の稼働開始を目指します。さらに、アフターセールス事業の海外展開を加速することで、「稼働を守るバリュープロバイダー」としての海外市場での地位確立を目指します。特に、メンテナンスリース事業については、当連結会計年度のIFSA設立を皮切りとして、北米や南アフリカ、東南アジアなどの地域に順次展開・強化します。 「ISUZU ID」を基軸とした経営基盤の確立 「ISUZU ID」で示すVISION(将来像)・MISSION(任務)、「IX」で示す「商用モビリティソリューションカンパニー」への変革を実現するためには、人的資本経営やグローバル視点でのグループ経営を支える経営基盤の確立が必要不可欠です。いすゞ自動車グループではグローバル基準の人財マネジメント基盤の整備、「安心×斬新」を実現する人財への投資を加速し、更なる事業成長を目指していきます。 (当連結会計年度の取組み) 執行体制の強化と社内意思決定の迅速化を企図し、CTO・CLO・CDXOの新設と、部門数を15から11に集約する組織再編を決定し、2026年4月より実施しました。(詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。) さらに、DXケイパビリティの充実に向け、グループ横断的な生成AIの展開及びデジタル人材育成推進に向けた取組みを加速しました。これらの取組みを通じ、開発データ・ツールの一元化により、国内外のグループ会社を横断したグローバルな開発体制の構築を実現しています。 (今後の計画) 「ISUZU ID」のビジョン・ミッションを起点とした人的資本経営への進化に向け、グローバル基準の人財マネジメント基盤を整備し「安心×斬新」を実現する人財への投資を継続し、社員一人ひとりの成長を更なる事業成長へ繋げていきます。従来の職能型を改め、職務型を採用した人事制度については、2024年4月に管理職者を対象に開始、2025年4月より非管理職者にも適用を開始しました。今後、それぞれの特性を踏まえながらグループ各社へ人的資本経営への進化に向けた仕組みや取組みの浸透を図っていきます。職務(ジョブ)の明確化とそれに基づいた適所適財の人財配置、公正な評価・報酬を実現することで、対話と育成の文化を醸成し、従業員の更なる成長を支援します。また、社員が失敗を恐れず積極的に挑戦することで相互成長し、またメンバー間で刺激し合い相互価値を創出する集団へ進化を目指すべく、マネジメント層の負荷軽減等の職場改善の取組みを通じ、エンゲージメントに関する肯定的回答率を2030年までに70%に高めることを目指します。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。 また、いすゞ自動車と100%子会社であるUDトラックスの2027年度中の合併に向けた検討を開始します。この取組みは、両社の人財やインフラなどの経営資源の一体化による、高い付加価値の創出と意思決定の迅速化を目指しています。 さらに、物流に関する課題解決に向け、外部機関と連携した人財育成も強化します。引き続き、2025年2月に東京大学と開設した「トランスポートイノベーション研究センター」にいすゞ自動車グループより毎年3名の技術者を派遣し、物流・交通分野の社会課題解決を推進します。 「IX」を達成するための経営基盤を確固たるものにするべく、迅速かつ適切な意思決定を実現するガバナンス体制及びリスクマネジメントをはじめとした内部統制の強化にも引き続き注力していきます。 強固な収益基盤・財務基盤の確立及び成長投資と株主還元の両立 いすゞ自動車グループは、企業価値の持続的な向上を目指し、事業継続及び将来成長に必要な投資を優先に実行していきます。グループ全体での既存事業の強化を軸に、新事業を強力に推進することで、2030年度には売上収益6兆円、営業利益率10%以上を目指します。 (当連結会計年度の取組み) 当連結会計年度は、国内では市場の堅調な推移により車両販売台数が増加し、海外でもホルムズ海峡封鎖の影響による中近東向けの出荷停止や米国関税影響・市況悪化等に伴うCV(商用車(トラック及びバス))の北米向け販売台数の減少、タイを中心とした厳しい市況の継続といった下押し要因はあったものの、CVは中近東・アフリカ・中南米を中心に、LCV(ピックアップトラック及び派生車)はアフリカ・オセアニアを中心に車両販売台数が増加し、総車両販売台数は前連結会計年度に比べ42,625台(8.1%)増加し565,858台に、売上収益は3兆4,791億円となりました。他方で、米国関税影響・資材費等の上昇・為替影響・成長関連費用の増加の影響により、売上収益営業利益率は5.9%、ROEは9.5%となりました。 投資については、当連結会計年度においてもイノベーション投資としてCN対応や自動運転関連、既存事業投資として販売・サービスインフラ強化に向けた投資を実施し、設備投資及び研究開発支出は合わせて3,092億円となりました。株主還元では、1株当たり配当金を前連結会計年度から据え置き、配当金は638億円となる予定です。また、自己株式取得は500億円と、適正な自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)を維持した、機動的な自己株式取得に取り組みました。財務健全性としては、各格付にてA格を取得しています。 (今後の計画) 企業価値の持続的な向上を目指し、事業により得られた収益をもとに、将来成長に必要な投資を優先して実行するとともに、株主還元と財務健全性を両立していきます。 収益面は、2027年度に売上収益3兆7,000億円、営業利益率7.0%、2030年度には売上収益6兆円、営業利益率10%以上、ROE15%以上を目指します。 投資については既存事業投資とイノベーション投資を積極的かつバランスを見ながら実行することで、長期にわたる持続的な成長の実現を目指します。具体的には、2031年3月期までにイノベーション投資1兆円、既存事業投資1.6兆円、合わせて2.6兆円規模の投資を計画しています。2027年3月期までは既存事業投資として国内販売拠点整備・北米CV新工場・大型トラックのUD上尾工場への生産集約などを実行し、イノベーション投資として自動運転関連の研究開発費などを計画していますが、2031年3月期にかけてはイノベーション投資のウエイトを徐々に増やしていく予定です。このように積極的なイノベーション投資を推進しつつ、既存事業ではDXを活用することで業務効率化を図り、収益を確保します。 株主還元は、配当性向は平均で40%を維持し、着実な配当成長を目指します。2027年3月期の配当金については、2026年3月期から2円増配の1株当たり94円を下限とし、配当性向40%以上の方針に基づき決定します。また、固定資産と自己資本(親会社の所有者に帰属する持分)のバランスを考慮しつつ、適正な自己資本水準を意識しながら、機動的に自己株式取得を継続します。また、財務健全性は、各格付でのA格を維持しつつ、有利子負債(社債及び借入金、リース負債の合計)も活用していきます。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】 いすゞ自動車グループでは、グループ全体のリスクマネジメント活動の責任分担及び実効性を向上させるために、三線防御体制を前提としたリスクガバナンス体制を構築しています。いすゞ自動車における各部門及び当該部門が所管するグループ企業を第一線、いすゞ自動車グループのリスクマネジメントを所管するCRMOの指揮監督のもと専門組織であるリスクマネジメント部を第二線、さらに監査部を第三線と位置づけ、各防御線が相互に連携をしながらリスクマネジメント活動を行っています。 また、リスクマネジメント活動の実効性を担保するため、リスク管理確認会議を毎月開催し、重点リスク項目を中心に各部門及びグループ企業の予防的取組み及びインシデント管理の対応状況を確認するとともに、その内容を経営層へ報告しています。 CRMOは、インシデント発生時には、発生部門又はグループ企業に解決に向けた速やかな対応を指示するとともに、危機に転化するおそれがある場合は、その影響を極小化するために、CRMOが指名するメンバーによる対応チームを組成し、各種対応方針等を決定、実行しています。 なお、事業影響が生じる重大な危機に繋がる可能性がある場合は、速やかに経営に報告し、対応方針について審議・決定しています。  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在においていすゞ自動車グループが判断したものです。 (1)世界経済・金融市場・自動車市場に起因するリスク① 主要市場の経済状況・総需要の変動 いすゞ自動車グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車の需要は、いすゞ自動車グループが製品を販売している国・地域、特に日本、タイ、米国などの主要国市場における経済状況の影響を受けます。 また商用車市場は、新興国においては物流需要の増加が見込まれることから、いすゞ自動車グループは一部の新興国市場を戦略地域と定め、拡販活動を進めています。そのため、一部の新興国市場における経済状況もまた、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 いすゞ自動車グループは、経済状況・需要動向の見通しの正確な把握に努めるとともに、製品を販売する市場の分散によって影響を極小化していますが、追加関税措置等により、世界的に経済環境の不透明さが増しており、いすゞ自動車グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 自動車市場における競争 いすゞ自動車グループの全世界における売上収益のうち、主要な部分を占める自動車市場は、激しい競争が繰り広げられています。競争環境の激化はいすゞ自動車製品の競争力に影響を及ぼし、価格変動やシェア変動を引き起こす可能性があります。競争に影響を与える要素は、製品性能、安全性、燃費、環境負荷、価格、アフターサービスといったいすゞ自動車製品に起因する事項の他、各国の電気自動車(EV)等への補助金政策や関税政策をはじめとする外部起因の事項を含め多岐にわたり、各国の市場によって状況は異なります。 いすゞ自動車グループは、主要市場での競争力を維持・強化するため、いすゞ自動車製品に起因する要素の改善に取り組みながら、競争力の高い製品について継続的に開発・生産・販売並びにそのアフターサービスを実施していますが、主要市場や新興国市場等での他社との競争に劣後した場合や業界再編に伴ういすゞ自動車の競争優位性が失われた場合、及び各国の政策等がいすゞ自動車グループに不利な内容となる等の場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 地政学リスクの発生 いすゞ自動車グループの製品の調達、生産及び販売活動は、日本国内のみならず広く海外で行われ、事業展開する各国・地域において許認可をはじめとした各種政策の影響を受けます。また、戦争や政権交代等の政治情勢の変化、経済安全保障を目的とした保護政策(関税政策等)による経済状況の変化は、いすゞ自動車グループの経営・事業活動及びサプライチェーンに影響を与えます。いすゞ自動車グループでは、こうした不確実性を地政学リスクとして認識し、特に以下の予期せぬ事象が発生した場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。・国家間紛争・内戦、革命、クーデタ、騒擾、テロ・潜在的に不利な租税政策(関税政策等)の変更・輸出入、技術移転の制限・事業等に係る各国の法令、規制(排出ガス規制並びに燃費/CO₂規制)の変更・安全保障上のリスクがある設備、ソフトウエア、クラウドサービス、委託先等の利用・調達に関する制限・事業・投資の許認可基準の変更・いすゞ自動車グループ財産の直接的又は間接的収用・情報やデータの管理や移転の制限・送金や兌換の規制・為替・金利政策・重要な海上交通路の寸断  いすゞ自動車グループは、各国・地域、特に日本、米国、アセアン地域、中国、欧州地域における地政学リスクの情報収集を行い、法規制の変化に備えた投資や新技術・製品の開発を行う等、様々な対策を実施しています。しかし、上記のような地政学リスクが顕在化した場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、2026年2月以降の中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡周辺で海上輸送の安全性及び安定性が低下しており、今後の事態の推移によっては、いすゞ自動車グループのサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替及び金利の変動 いすゞ自動車グループの事業には、世界各地における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レート、特に米ドルやタイバーツ等の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。さらに、為替変動は、いすゞ自動車グループが購入する原材料の価格や販売する製品の価格設定に影響し、実際に原材料価格や製品価格の変動が生じています。 またいすゞ自動車グループは、日頃よりキャッシュ・フローの管理に努めていますが、資金調達に関わるコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大する可能性があります。 いすゞ自動車グループは、為替及び金利の変動による影響を極小化すべく、現地生産に加えて、先物為替予約取引を含むデリバティブ金融商品の活用を行っています。 しかし、為替及び金利の大きな変動が生じた場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 原材料等価格の変動 いすゞ自動車グループは、自動車製造にあたり、鉄、非鉄金属、樹脂等の原材料や半導体をはじめとする外製品を使用しており、加えて、xEVの研究・開発やBEVの市場投入等によってレアメタル等の使用が増加することを見込んでいます。 世界的な需給逼迫等によりこれらの原材料価格、外製品価格やエネルギー価格及び輸送等にかかる費用が上昇すると、いすゞ自動車グループとしての調達コスト・製造コストもそれに伴い上昇する可能性があります。その際、生産性向上などの内部努力や製品価格への転嫁などをもってしても上昇分のコストを吸収できなかった場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業に関するリスク⑥ 新しい技術革新やビジネスモデル変化などへの対応 いすゞ自動車グループの事業に関わる外部環境は大きく変化しています。商用車市場のお客様ニーズの多様化や商用車を用いたビジネスモデルの変化、「CASE」に代表される技術革新、生産・販売・アフターサービス・バックオフィス業務におけるデジタルイノベーションの推進、ESG投資やSDGs達成への社会的な要請は、いすゞ自動車グループの事業の拡大と深耕の好機です。 いすゞ自動車グループは、こうした技術革新や社会的要請に速やかに対応するため、常設部署を設置し、全社横断の複数プロジェクトを推進しています。また、いすゞ自動車グループは商用モビリティソリューションカンパニーへの進化を掲げ、自動運転ソリューション、コネクテッドサービス、カーボンニュートラルソリューション等の「運ぶ」を創造する新事業の創出・拡大を目指しています。しかし、万が一、これらの技術革新や社会的要請に速やかかつ十分に対応できなかった場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 研究開発の失敗や遅延 いすゞ自動車グループの置かれた事業環境は、競争の激化や市場ごとに異なる商品ニーズの多様化などが見込まれます。 このような経営環境に対応し、「運ぶ」を支える「ものづくり事業」を推進していくには高い技術と市場のニーズを的確にとらえた製品を提供する研究開発への取組みが不可欠です。 いすゞ自動車グループは、将来の市場ニーズの予測、研究開発分野の優先順位付けを通じて、新たな技術や製品の開発に取り組んでいますが、求められる技術水準への到達や市場ニーズの的確な把握に失敗や遅延が生じた場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 合弁事業をはじめとするアライアンス先との提携目的の未達 いすゞ自動車グループは、いくつかの国において、各国の法律あるいはその他の要件により合弁で事業を行っています。また、国内外の販売ではディーラーやディストリビュータと提携し、研究開発では合弁事業や業務提携を行っています。 いすゞ自動車グループは、合弁相手やアライアンス先の経営状況、ガバナンス、その他重要な非財務情報も含め、様々な情報をもとに業務提携の要否を検討しています。しかし、合弁相手やアライアンス先の経営方針、経営環境の変化等により、アライアンス先が適時適切な技術・製品の提供に失敗や遅延が生じた場合、及びいすゞ自動車グループがアライアンス先から求められる技術水準への到達に失敗や遅延が生じた場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 販売・供給における大口顧客への依存 いすゞ自動車グループは、いすゞ自動車製品である自動車やその構成部品等を、一部特定の大口顧客企業に供給しています。いすゞ自動車グループは、大口顧客企業との関係を維持するとともに、新規顧客の開拓によりリスク分散を図っていますが、顧客企業の生産・販売量の変動などいすゞ自動車グループが管理できない要因により、上記の対策をもってしてもリスクを受容できない場合は、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 資材、部品等の調達の不足や遅延 いすゞ自動車グループは、生産に必要な原材料や半導体をはじめとした部品及び製品を外部のサプライヤーから調達しています。しかし、以下のような事象がいすゞ自動車グループのサプライヤーや調達網で発生した際には、供給・輸送能力の低下や供給・輸送の中断が引き起こされ、生産に必要な量の原材料、部品及び製品が確保できなくなる、又は確保が遅れる可能性があります。 ・サプライヤーや物流網において自然災害や大規模な事故等の不測の事態が発生した場合・サプライヤーや物流網において労働争議等が発生した場合・サプライヤーや物流網で大規模なシステム障害が発生した場合・サプライヤーの供給能力を大幅に超えるような需給状況になった場合・サプライヤーにおいて許認可取り消し等による製品の出荷停止が生じた場合・サプライチェーン上の人権侵害等、品質・コスト・納期以外の問題が顕在化した場合・海上交通の要衝での事件・事故等により物流網で混乱が生じた場合  いすゞ自動車グループは、サプライヤー各社の生産能力、信用リスク、製品等の品質、コスト等を定期的に把握するとともに、各社の法令・コンプライアンス遵守や気候変動問題等への対応状況を確認し、調達に支障が生じないように努めています。しかし、上記のような事象が発生した場合は、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 製品の欠陥 いすゞ自動車グループは、厳格な品質管理基準に従って各種の製品を開発・生産しています。品質の維持及び改善のため、いすゞ自動車グループは「品証・CS委員会」を通じて、不具合情報の早期発見と共有、品質向上のための全社横断的検討、全社的な品質マネジメントの運用状況の監視を実施しています。また製品の欠陥等を原因とする損害賠償が必要な場合に備えて、製造物賠償責任保険に加入しています。 しかし、万が一、大規模なリコールを実施する場合、加えて、実際に発生した費用が事前に計上した引当金を大きく上回る場合や損害賠償の価額が製造物賠償責任保険により填補できない場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 人権の侵害 いすゞ自動車グループでは、従業員、関係者、取引先等のすべてのステークホルダーの人権を尊重し、事業活動を展開しています。また、「いすゞグループ人権方針」に基づき、サプライチェーン上に労働環境や安全衛生面での人権侵害などがないかを確認する「人権デュー・ディリジェンス」を実施し、人権に対する負の影響を特定・評価し、これらの防止・軽減に取り組んでいます。 しかし、全世界のサプライチェーン全体の人権状況を正確かつリアルタイムに把握することは困難であり、いすゞ自動車グループやサプライチェーンで人権侵害が発生した場合、事業の中断、法令違反に伴う制裁金、レピュテーションの低下等により、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 優秀な人財の確保・定着の困難 いすゞ自動車グループの事業では、人財が最も重要な資産と考え、いすゞ自動車グループの事業推進に必要となる技能・能力をもった多様な人財の確保に努めるとともに、従業員一人ひとりのモチベーション、熱意、技能、能力、パフォーマンスを高め、いすゞ自動車グループに定着させるための取組みを進めています。しかし、今後の人財獲得競争の一層の激化により、優秀な人財確保・定着がより困難になっていく可能性があります。 こうした状況を踏まえて、いすゞ自動車グループでは「ISUZU ID」に掲げる「働きがいNo.1」を目指し、また「IX」で2030年に目指す姿の一つとして掲げた「人的資本経営への進化」を実践しています。従業員の専門性強化と挑戦を後押しするグローバル基準の人財マネジメント基盤を整備すべく、いすゞ自動車では2024年4月より人事制度を刷新し順次展開するとともに、今後、それぞれの特性を踏まえながらグループ各社へ人的資本経営への進化に向けた仕組みや取組みの浸透を図っていきます。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」中の「(3)人的資本・多様性」を参照ください。 しかし、これらの対応が十分ではない場合、従業員の離職、モチベーション低下、期待値に満たない成果、技能伝承の失敗、競争力の低下によって、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 労働災害の発生 いすゞ自動車グループは、自動車及び自動車部品の生産、開発実験、販売にあたり、組立、機械加工、プレス、塗装、自動車整備及び設備メンテナンス等を展開しています。これらの業務において、従業員の労働安全の確保をグループ全体の重要な経営課題と位置づけており、代表取締役 取締役社長CEOを最高責任者とした「安全推進特別委員会」を設置し、安全に関する方針の策定と、その実行状況のモニタリング及び是正措置を継続的に行っています。また、災害リスクの低減に向け、法令遵守の徹底、安全管理体制の強化、安全パトロールの実施、設備の安全仕様向上対策、VR等を活用した実践的な安全教育の導入にも取り組んでいます。発生した労働災害については、専門会議体を設置し、個別事案における原因究明と対策を実行することで、再発防止に努めています。 こうした取組みを通じて安全な職場環境の構築に努めていますが、万が一、労働災害が発生した場合には、操業停止等により事業活動に支障をきたし、いすゞ自動車グループの業績及び財政状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ コンプライアンス違反 いすゞ自動車グループでは、関係法令の遵守はもちろん、社内規範や倫理規範を含めコンプライアンスを徹底しています。 いすゞ自動車では、代表取締役 取締役社長CEOを委員長とし、重要法令を所管する各部門長をメンバーとした「コンプライアンス委員会」を定期的に開催、いすゞ自動車グループのコンプライアンス活動の推進状況をモニタリングし、適切な指示・助言を行っています。さらに、グループ内でコンプライアンス違反又はそのおそれがある事象が発生した場合には、速やかにCRMOに報告するとともに、是正及び再発防止を行う体制を構築しています。またいすゞ自動車グループでは、経営層から従業員まで定期的にコンプライアンス教育を実施しています。 しかし、コンプライアンスの徹底にもかかわらず、将来にわたってコンプライアンス違反が発生する可能性は皆無ではなく、コンプライアンス違反の重篤性及び発生時の対応内容や迅速性等が不十分な場合には、いすゞ自動車グループの社会的信用に重大な影響を与える場合があり、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。特に、道路運送車両法違反による生産停止や各国の個人情報保護、腐敗防止、独占禁止・不正競争防止・中小受託取引、及び金融商品取引に関する法令等への重大な違反が認められ、当局等から勧告を受けたり、高額な制裁金が課せられたりした場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 情報セキュリティへの対応不足 いすゞ自動車グループの事業は多くのシステムに依存しており、情報の機密性、完全性、可用性を一定以上で維持するため、体制整備及び対策強化に努めています。具体的には、個人情報や機密情報の保護、データやシステムの可用性の維持、各種情報の改竄防止等を目的に、様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、製品のサイバーセキュリティ法規(R155 CSMS認証、R156 SUMS認証)も遵守し、お客様が安心安全にご利用できるように努めています。 しかし、不測の事態により情報漏洩等が発生した場合や、製品の安心安全に影響がある事象が発生した場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、システム障害、ランサムウェアを含むコンピューターウイルスへの感染、サイバー攻撃、不正アクセス等が発生した場合には、受発注、出荷、物流、顧客対応、生産・販売活動等の停滞又は中断、データの破損・喪失、情報漏洩等を引き起こす可能性があります。その結果、復旧対応費用、調査費用、代替運用費用、損害賠償責任、信用低下等により、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 またいすゞ自動車グループは、アライアンス先等の取引先との機密情報の管理についても上記のような様々なリスク対策を実施しています。しかし、不測の事態により情報漏洩等が発生した場合、企業としての信用低下、アライアンス先等に対する損害賠償責任が発生するなど、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ 知的財産の保護の不足や侵害・被侵害 いすゞ自動車グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してきましたが、いすゞ自動車グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の国・地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、又は限定的にしか保護されない状況にあります。 いすゞ自動車グループは、知的財産保護のための取組みを進めています。しかし、第三者がいすゞ自動車グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを効果的に防止できない場合やいすゞ自動車グループに対する知的財産権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや損害賠償の請求が認められた場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑱ 気候変動に関する社会的要請への対応遅れ いすゞ自動車グループは、気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置づけ、気候変動に関する規制強化及び頻発・激甚化している自然災害への対応に取り組んでいます。一方で、更なる成長機会の獲得のため、脱炭素社会に貢献するイノベーションの創出を進めています。 いすゞ自動車グループは、「いすゞ環境長期ビジョン2050」を策定し、2050年までに、いすゞ自動車グループ製品のライフサイクル全体での温室効果ガス(GHG)ゼロ及びいすゞ自動車グループの事業活動から直接排出されるGHGゼロを掲げ、GHG削減に取り組んでいます。 また、2024年4月に中期経営計画として策定した「IX」においても、「運ぶ」を創造する新事業として、「カーボンニュートラルソリューション」を掲げています。具体的には、「いすゞ環境長期ビジョン2050」に基づきマルチパスウェイで技術開発を進め、地域の状況や社会動向に適した商品を展開することで、CN社会実現に貢献します。また、燃料代や電気代までを含む総所有コスト(TCO)の観点で価格競争力のあるBEVを投入し、周辺事業の展開を推進します。 しかし、脱炭素に向けたイノベーションの取組みが失敗ないし遅延した場合、気候変動による影響への対応・取組みが不十分である場合には、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動」を参照ください。 ⑲ 災害等の発生 いすゞ自動車グループは、全世界で事業を展開しており、国内外において様々な災害リスクにさらされています。大規模地震、風水害や噴火等の自然災害、停電又はその他の中断事象、疫病・感染症が顕在化した場合、いすゞ自動車グループの生産活動、販売活動、その他事業活動に影響が生じる可能性があります。特に主要な事業拠点が集中する日本・南関東やアセアン地域における主要拠点が多数存在するタイ等で大規模な災害等が発生した場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、設備トラブル、オペレーションミスによる事故、火災等の人為的災害が発生した場合にも、いすゞ自動車グループの生産、販売、その他事業活動に影響が生じる可能性があります。いすゞ自動車グループでは、自然災害や人為的災害等が発生した場合に備え、事業継続計画を予め策定し、それに基づいた訓練を実施することで被害の拡大防止及び迅速な復旧に努めています。しかし、これらの取組みにもかかわらず、災害等による影響を完全に防止又は軽減できない場合、いすゞ自動車グループの業績及び財政状態に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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