日野自動車グループは、日野自動車、親会社、子会社74社、関連会社20社で構成され、トラック・バスの製造販売及びトヨタ自動車株式会社からの受託生産を主な事業内容とし、さらに事業に関連する製品の開発、設計及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。
日野自動車及び日野自動車の関係会社の事業における日野自動車及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次の図のとおりであります。尚、セグメントは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
日野自動車グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において日野自動車グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
日野自動車グループは、基本理念として「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを会社の使命として掲げ、「世界のHINO」として広く社会から評価されるよう、事業活動を進めていきたいと考えております。
会社の使命を果たすため、日野自動車グループの事業活動に対する取り組み方針を下記のとおり定めております。
1.世界の人々から信頼される商用車メーカーを目指し、グローバルな事業展開を行います。
2.技術の継承と革新を続け、お客様のお役に立つ商品やサービスを提供いたします。
3.変化を的確に捉え、社会との調和を図り、持続可能な発展を目指します。
4.社員の多様性を尊重し、活気あふれる企業風土をつくります。
(2)会社の環境及び対処すべき課題
<「目指す姿」の実現に向けた足元の正常化への取り組み>
企業としてあるべき正常な姿に戻るべく、全社の総力を結集して収益力の回復に努めてまいります。日野自動車の「目指す姿」(注1)で掲げている商品品質とトータルサポート品質を掛合せた「総合品質」をより一層向上させ、お客様の事業をお支えし続けることが、日野自動車の収益力を回復することにつながると考えております。
創業の原点に立ち返り、お客様・社会に必要とされる会社になるべく、認証不正問題公表以前の身の丈を超えた事業拡大を改め、お客様に貢献できていない事業および商品の再編を具体的な実行段階に移していきます。
また業務の生産性向上として、事務・技術系職場ではトヨタ自動車株式会社のノウハウも活用した「物と情報の見える化」を進め、徹底的なムダの排除に努めてまいります。
こうした選択と集中、生産性向上により創出したリソーセスを、原価低減活動に加え、「総合品質」の向上へ積極的に投入し、競争力の向上を図ります。
「総合品質」におけるトータルサポートでは「お客様の稼働を止めない」を目指し、「壊れる前に直す・壊れたらすぐに直す」取り組みを拡充してまいります。例としてICTサービス「HINO-CONNECT」のコネクティッド技術を活用した予防整備(注2)のご提案やお客様の困りごとに直ぐに対応するための24時間緊急サポート体制(注3)の構築など、お客様サポートの質を高めてまいります。このような取り組みを通じ、お客様のビジネスの発展に貢献する中で、「総合品質」の価値を認めていただけるお客様を増やし、より深く・より長く繋がり続け、日野自動車も持続的に成長してまいります。
またお客様へお届けするリードタイムの短縮による流通在庫のリーン化、聖域を設けない固定費の徹底的なスリム化、保有資産の有効活用・売却などの取り組みを行い、財務基盤を立て直してまいります。
(注1)日野の「目指す姿」 2023年4月26日公表
(注2)(注3)日本における取り組み
<サステナブルな社会への貢献に向けた取り組みを継続>
日野自動車はサステナブルな社会への貢献を目指したマテリアリティを新たに設定、カーボンニュートラルへの対応やお客様・社会の課題解決への取り組みを継続してまいります。
日本における物流の2024年問題など、社会課題への取り組みは待ったなしの状況です。日野自動車は荷主として自社における荷待ち・荷役の効率化・時間短縮に取り組むだけでなく、日野自動車子会社であるNext Logistics Japan株式会社ではダブル連結トラックによる物流の省人化・効率化に業種・業態を越えた荷主や物流事業者の皆様とともに取り組んでいます。
カーボンニュートラル実現に向けては、市場投入した小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」の稼働を最大化するエネルギーマネジメントプラットフォーム「エモプラっと」(注4)を子会社の株式会社CUBE-LINXにてご提供するなど、電動車の普及促進に取り組んでおります。
一方で日野自動車一社だけで実現できることには限りがあり、志を同じくする仲間との協業が必要になります。2023年5月、日野自動車は「移動を通じて豊かな社会に持続的に貢献する」ことを目指したトヨタ自動車株式会社、ダイムラートラック社、三菱ふそうトラック・バス株式会社との4社協業、三菱ふそうトラック・バス株式会社との経営統合を発表、現在協業に向けた協議を推進しています。
これらの取り組みを継続し、サステナブルな社会の実現に向けて一歩一歩進んでまいります。
(注4)充電設備の選定・設置からシステム導入・運用まで一貫してサポートするサービス
日野自動車および日野自動車グループは、トヨタグループの一員としてトヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」を道標として、「HINOウェイ」を礎に「人財尊重」の組織風土づくりとコンプライアンス・ファーストによる「正しい仕事」を徹底的に追求し続ける経営基盤の下、お客様や社会からの信頼を一日も早く回復し、日野の「総合品質」による価値提供を通じ、世界中のお客様と社会から必要とされる企業になるべく、不断の努力を続けてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
尚、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において日野自動車グループが判断したものであります。
(1)需要及び価格の変動
国内においてのトラック・バス等の販売は、国及び地方自治体による環境規制強化の実施の有無による需要の変動に大きく影響を受けます。また、国内貨物輸送の低迷や物流改革の進行により今後のトラック需要は減少する可能性があります。さらに、他社との価格競争により日野自動車製品の価格変動を引き起こす可能性があります。
海外においてのトラック・バス等の販売は、国・地域及びその市場における経済状況の影響を受け、かつ、他社との価格競争により日野自動車製品の価格変動を引き起こす可能性があります。
これらの需要及び価格変動に対応するため、日野自動車グループは商品力の強化と適正な生産体制の構築、原価改善等を推進し、需要・価格変動に強い企業体質を目指しております。
(2)材料価格の変動
日野自動車グループは国内及び海外の複数のメーカーから鋼材等の資材、部品等を調達し、トラック・バス、エンジン等を生産しております。これらの材料価格は、業界の需要や原材料の価格に伴い変動しております。材料価格が高騰し、かつ、長期化する場合には、日野自動車グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
日野自動車グループはこれらの材料価格の変動に対応するため、原価改善等を推進しております。
(3)為替の変動
日野自動車は円表示で連結財務諸表を作成しており、海外における現地通貨建の売上高、費用、資産等の項目は、連結財務諸表作成時に円換算されるため、換算時の為替レートによって、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、国内外での原材料等の仕入れや製品の販売において、外国為替相場の変動は日野自動車グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。この為替変動リスクを抑えるために一部でデリバティブ取引を行っておりますが、それによって本来得られた利益を逸失する可能性があります。
日野自動車グループは、これらリスクに対応するため、適切なグローバル調達・生産・販売体制を検討・構築しております。
(4)金利の変動
資金調達に係るコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大するなど、日野自動車グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
日野自動車グループは親会社であるトヨタ自動車株式会社とのインハウスバンキングを通じた資金調達のグローバル化等によって当該リスクの最小化を図っております。
(5)貸倒れリスク
日野自動車グループは日野自動車で生産したトラック・バスを全国の販売会社を通し様々な取引先に販売をしております。
これらの取引先において信用不安などにより予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、日野自動車グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
日野自動車グループは取引先の信用リスク情報などを適時入手し、当該リスクの最小化を図っております。
(6)親会社との取引
日野自動車グループは、親会社であるトヨタ自動車株式会社より乗用車及び一部の小型トラックの生産を委託されており、また小型トラックのOEM供給を行っております。当連結会計年度の売上高の6.2%を同社に依存しております。
尚、日野自動車とトヨタ自動車株式会社との取引は、「関連当事者情報」に記載しております。
(7)国内外での事業活動
日野自動車グループは、日本をはじめアジアを中心とした世界各地で事業活動を展開しております。それらの事業活動には、通常、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難等、経済的に不利な要因の存在又は発生、テロ・戦争・自然災害・その他の要因による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、日野自動車グループの事業活動に支障が生じ、日野自動車グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
尚、日野自動車グループの世界各地域における事業活動は、「セグメント情報」に記載しております。
(8)法規制等
日野自動車グループは、国内外でのトラック・バス等の販売において、安全性や排出ガス、燃費、騒音、公害などに関する法規制等やその他各国の様々な法規制等の適用を受けているため、これらの規制に適合するために費用を負担しております。これら法規制等の制定又は改正が行われた場合、費用負担が増える可能性があります。
(9)製品の欠陥
日野自動車グループは、基礎研究段階を含め、商品企画・開発からアフターサービスまでの各ステップにおいて、安全性への細心の配慮を行うとともに、品質の確保に努めております。
しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にわたりリコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。そのため、これらのリスクが顕在化する場合には、日野自動車グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)エンジン認証不正問題
日野自動車の日本市場向けエンジンの複数機種について、認証手続上の不正行為があったことが判明し、国土交通省より、一部製品の型式指定の取消等の行政処分を受け、現在も国土交通省やお客様をはじめとして関係各所とのコミュニケーションを継続して行っています。また、日野自動車の米国市場向け2010年モデルから2019年モデルのエンジン認証に関する法令違反の疑いについて、米国司法省及び他の当局による調査が行われております。これに関し、日野自動車及び日野自動車子会社に対し、2004年から2021年に米国で販売された車両に関する損害の賠償を求める訴訟が暫定的な集団訴訟として、米国フロリダ州南部地区連邦地方裁判所で提起されました。2023年10月25日に開示しましたとおり、日野自動車及び日野自動車子会社は、同日、2010年から2019年モデルのエンジンを搭載して米国内で販売・賃貸されたオンロード車両を購入した者又は賃借した者との間で、総額237.5百万米ドルの和解契約を締結しました。この和解契約は、2024年4月1日に裁判所の最終承認を受けた上で、同月11日に上記和解金の支払いを完了し、当該和解は、同年5月2日に確定しております。米国司法省及び他の当局による調査は、引き続き継続中です(なお、日野自動車は2020年エンジンモデル以降米国向けに自社製エンジン搭載車は販売しておりません。)。また、オーストラリアにおいても日野自動車及び日野自動車子会社に対する訴訟が集団訴訟として提起されているほか、カナダにおいても日野自動車及び日野自動車子会社に対する2件の訴訟が集団訴訟として提起されております。今後も米国、オーストラリア、カナダ、その他の法域においてこれらと同様の訴訟を提起される可能性があります。さらに、米国以外の欧州法規等の対象エンジンについても認証手続の総点検を継続中です。これらに関連して日野自動車に生じる金銭的負担について、現時点で合理的に見積もることは困難ですが、上記の当局調査の結果科される罰金などの行政、刑事手続上の制裁に加え、損害賠償や市場措置などにより日野自動車の経営、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に対し、重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)三菱ふそうトラック・バス株式会社との経営統合の成否及び条件等に関するリスク
日野自動車は、2023年5月30日に、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下「三菱ふそう」という。)、日野自動車の親会社であるトヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」という。)及び三菱ふそうの親会社であるダイムラートラック社(以下「ダイムラートラック」という。)の4社で、日野自動車と三菱ふそうとの経営統合(以下「本経営統合」という。)に関する法的拘束力のない基本合意書(以下「本基本合意書」という。)を締結し、今後、日野自動車、三菱ふそう、トヨタ及びダイムラートラックの4社において、本経営統合を実現するための取引の諸条件に関する法的拘束力のある契約(以下「最終契約」という。)を締結する予定です。本経営統合の詳細については、「第2 事業の状況 5.経営上の重要な契約等 (7)三菱ふそうトラック・バス株式会社との経営統合に係る基本合意書の締結」をご参照ください。上記(10)のエンジン認証不正に関連して日野自動車に生じる金銭負担の金額規模及びそれが判明するタイミング次第では、①本経営統合に関する最終契約の締結に至らないおそれ、②最終契約の締結に至った場合であっても、統合比率の決定内容又は調整の結果、日野自動車株主の株式保有割合に著しい希薄化が生じるおそれ、③最終契約の実行に関する前提条件を充足せず、その結果、本経営統合の実施に至らないおそれ、及び④本経営統合の最終契約の規定に基づき、ダイムラートラック及び一定の条件に同意する三菱ふそうのその他の株主に対して特別補償の責任を負うおそれがあり、本経営統合の成否及び条件等、さらには日野自動車の経営、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、最終的に競争法その他法令上必要なクリアランス・許認可等が取得できないことにより、本経営統合の実施に至らない可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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