武蔵精密工業及び武蔵精密工業の子会社(武蔵精密工業株式会社及び子会社36社により構成)は、自動車用パワートレイン部品・サスペンション部品・ステアリング部品・トランスミッション部品等の製造販売を主な事業内容とし、その製品は、自動車、工作機械、産業機械等多くの産業に使用されております。また、武蔵精密工業と継続的で緊密な事業上の関係にあるその他の関係会社である本田技研工業株式会社(輸送用機器等の製造販売)は主要な取引先であります。
武蔵精密工業及び武蔵精密工業の子会社の事業内容及び当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
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製品事業 |
主要製品 |
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PT(パワートレイン) |
プラネタリィギヤアッセンブリィ、デファレンシャルギヤアッセンブリィ、ベベルギヤ、リングギヤ、カムシャフト、バランスシャフト、減速機ギヤ(リダクションギヤ)・トランスミッションギヤ、ギヤボックスユニット |
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L&S (リンケージ& サスペンション) |
サスペンションアームアッセンブリィ、サスペンションボールジョイント、ステアリングボールジョイント、各種連結用ジョイント |
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2輪 |
2輪車用トランスミッションギヤアッセンブリィ、2輪車用カムシャフト、2輪車用キックスターター部品、その他2輪車用駆動系部品、汎用エンジン部品 |
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(1)PT パワートレイン |
当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。
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(2)L&S リンケージ& サスペンション |
当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。
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(3)2輪 |
当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。
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以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において武蔵精密工業グループが判断したものです。
(1)経営方針
武蔵精密工業グループは、Origin(創業の精神)、Purpose(使命)、Way(行動指針)で構成されるムサシフィロソフィーを基軸に事業を運営しております。
ムサシフィロソフィー
激変する事業環境の中、武蔵精密工業は2023年に創業85周年の節目を迎えました。長い歴史の中で培った挑戦のDNAを受け継ぎ、長期ビジョン「Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~」を実現することで、新たな価値の創出と更なる成長を目指します。
・ムサシ100年ビジョン Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~
-人:自らの限界を壊し、ワクワクする仕事をしよう!
-しくみ:組織・風土の壁を壊し、常に変革を起こそう!
-事業:常識・既成概念を壊し、世界をあっと驚かせよう!
(2)中長期的な経営戦略
武蔵精密工業グループにおいては、ムサシ100年ビジョンの実現に向け、人・しくみ・事業の各視点で以下の方針を定め、既存事業(コア事業)の深化と、新規事業の創出による更なる成長を目指しています。
・人:ムサシフィロソフィーの体現、ビジョンへの挑戦
ムサシ100年ビジョンのグローバルでの実践に向けて、将来を担う、高いスキルを持ったプロ人財や、新しい働き方で価値を生み出す自律人財の育成を目指しています。
全ての活動の基軸であるムサシフィロソフィーについて、階層別の期待行動を具体化し、実践のための教育プログラムの整備やそれに連動した人事評価制度のしくみを導入することで、各個人が能力を高め、発揮し、活躍できる環境・企業文化づくりを進めてまいります。
・しくみ:Musashi DXの実現
デジタル技術を活用した業務の標準化、自動化、最適化により業務プロセスを高効率化し、さらにデジタル化されたプロセスの中で蓄積されるデータの利活用により、新たな価値の創出にも挑戦します。
また、デジタルトランスフォーメーション実現のため、進化したツールを使いこなし、価値を生み出すことができるデジタル人財の育成にも取り組んでいます。デジタル技術に対するリテラシー向上や、クラウドツールを活用した業務改善アプリの製作といった実践スキルを学ぶプログラムを整備し、新たな時代の成長基盤となるデジタル前提の企業文化を構築してまいります。
・事業:強いコア事業の確立、新規事業の創出
電動化の機会をとらえた、コア事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。QCD+E(品質、コスト、デリバリー+環境)の観点で最適なものづくりを追求していくとともに、将来を担う新技術の仕込みや、オープンイノベーションによる新規事業の創出にも取り組みます。
武蔵精密工業グループの得意技術を活かした電動車向け商品の競争力強化・ラインナップの拡充に加え、既存商品の稼ぐ力を継続的に高めることで、電動化時代のキーデバイスサプライヤーとしての成長を目指します。また新規事業領域においては、主要4分野(Mobility、Energy、Industry、Well-being)において、社会課題の解決に貢献できる事業の創出に取り組んでいます。
・Musashi GX(グリーン戦略の推進)
武蔵精密工業は、2021年5月にカーボンニュートラルの実現に向けた中長期目標を発表いたしました。武蔵精密工業が創業100周年を迎える2038年までに事業活動(*1)でのカーボンニュートラル(グリーンオペレーション100)、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指します。全ての事業活動を対象に、省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みを価値に変えるグリーン戦略を策定・実行してまいります。
製造工程においては、CO2の見える化と徹底的な省エネ化、再エネ活用を進め、CO2排出を抑えた低炭素商品の実現を目指しています。また、自動車のCO2排出低減に貢献できる技術・商品の開発や、一人ひとりの意識・行動を変えていくことによる事業活動全般における低炭素化を通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
(*1) GHGプロトコルのScope1,2を対象
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
武蔵精密工業グループでは、収益性の向上を経営上の重要課題の一つとして捉えています。競争力の高い商品開発や生産プロセスの効率化、財務規律の確保に向けた諸施策により、売上高に対する利益率や資本効率性(ROA・ROE・ROIC)を高め、長期的な企業価値向上を目指しています。このほか、自己資本比率や借入金依存度などの指標により財務の安全性や健全性にも配慮しております。
(4)経営環境及び対処すべき課題等
自動車業界において、中国やヨーロッパ市場を中心に進んでいたBEV(電気自動車)の普及が踊り場を迎え、PHEV(プラグインハイブリッド車)/HEV(ハイブリッド車)等の需要の拡大を受け、完成車メーカーのEV化戦略に変化がみられる状況となっています。
このような事業環境の中、武蔵精密工業グループはICE(内燃機関車)向け、PHEV/HEV向け、BEV向け、どの領域においても競争力のある商品を提供し、“稼ぐ力”の最大化に取り組んでまいります。
また、新規事業領域においては1→10(事業の実現と拡大)フェーズの加速を図り、これまでに育んだ“芽”を“成果=事業の拡大”につなげるべく推進してまいります。
その代表例として、Energy Solution事業では、生成AIの急速な普及に伴うデータセンターの拡大に向けて、新たな蓄電ソリューションを提供してまいります。武蔵精密工業グループのハイブリッドスーパーキャパシタは、生成AI時代の電力消費削減、瞬停・停電防止に対するソリューションとなるキーデバイスです。
武蔵精密工業グループは次の中期計画を、“勝負の3年間”と定め、ムサシ100年ビジョン“Go Far Beyond!”の第2ステージと位置付けて、事業・しくみ・人のトランスフォーメーションに取り組んでまいります。
優先的に対処すべき課題は、以下のように考えております。
1.グローバルオペレーションの強化+マネジメント体質の向上による“稼ぐ力”の最大化
今後の成長につなげる原資を確実に確保すべく、既存のインフラを最大限に活用し、効率的なオペレーションができる生産体質を実現してまいります。
具体的にはデジタル技術を用い、生産状況等をモニタリングできる仕組みの構築を進め、得られたデータを基に管理部門と技術部門の連携により、高速でマネジメントのPDCAを回し、生産体質・品質の強化を実現します。
日本地域にて成果を上げているこの手法をグローバルに展開し、収益力を向上します。
2.EV時代をリードする事業構造への転換
ICE向け、PHEV/HEV向け、BEV向け、いずれの需要に対しても対応できる変化に強い事業構造を構築していきます。
デファレンシャルアッセンブリィのコンパクト化、減速ギヤ/シャフトの高精度/静音化、リンケージ&サスペンション部品の軽量化/低フリクション化などを通じ、顧客に選ばれる付加価値の高い商品を提供します。
また、より付加価値の高いモジュール部品となるギヤボックスユニットの提供も開始しております。
3.新規事業の1→10フェーズの加速
Our purpose(自社の使命)に掲げる「テクノロジーへの“情熱”とイノベーションを生み出す“知恵”をあわせて、人と環境が“調和”した豊かな地球社会の実現への貢献」に向けて、以下の事業を推進しています。
・e-Mobility事業:インド・アフリカ地域においてスタートアップとの協業により、自社開発e-Axleを搭載したEVスクーターの販売が開始されます。今後新興国向けに小型モビリティ向けe-Axle事業の拡大を進めます。
・Energy Solution事業:ハイブリッドスーパーキャパシタをコアに、事業拡大に取り組んでまいります。新たなマーケットとして、次世代データセンターや鉄道事業者向け電力システム等の事業開発を進めます。
・Smart Industry事業:AI外観自動検査機、無人搬送車を中心とした製造現場向け自動化ソリューションを展開しています。昨年譲受されたS-CART事業を加え、事業の拡大を進めています。
・植物バイオ事業:最先端のバイオテクノロジーを駆使した研究開発により、植物の持つ機能性を活かしたヘルスケア商品を提供してまいります。
4.事業活動を通じたサステナビリティの実現
武蔵精密工業グループの事業活動は、ムサシフィロソフィーを基軸に、ムサシ100年ビジョン“Go Far Beyond!”の実現を目指して、事業活動そのものを通じて、社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長とサステナブルな社会の実現に取り組みます。
武蔵精密工業グループでは、経営におけるリスク、およびそのリスクが及ぼす影響を的確に把握し、事業への影響を回避・低減するリスクマネジメント活動を通じて、事業の競争力を維持し、継続的な企業価値の向上を目指しています。
経営におけるリスクは、国内/海外拠点共通の指標にて評価しており、結果を取締役会での報告/検証をすることで、リスクマネジメントの実効性を保証しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、事業に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月21日)現在において武蔵精密工業グループが判断したものです。記載されたリスクが武蔵精密工業グループの全てではありません。
1)市場環境の変化
景気後退や経済危機により、4輪車、2輪車の需要が減少することで、その部品を製造している武蔵精密工業グループ商品の売上高が減少する可能性があります。
(対応策)
市場・顧客の需要を把握し、ニーズに合わせた柔軟な生産を行うことでリスクの影響を低減します。
2)電動化の進展による自動車業界の構造変化、競争の激化
自動車の電動化による必要部品点数の減少は武蔵精密工業グループの売上高に影響を与える可能性があります。
(対応策)
付加価値の高い商品の開発、製造を通じて、ICE向け、PHEV/HEV向け、BEV向け、いずれの需要に対しても対応できる変化に強い事業構造を構築しています。
3)地域的要因によるリスク
武蔵精密工業グループは世界各国で事業展開をしているため、政情不安、規制の強化等により、素材確保、生産活動、商品の供給が安定的に継続できず、武蔵精密工業グループの業績に影響を与える可能性があります。
(対応策)
海外子会社を通じて、情報の現地の情報収集に努めるとともに、グループ間での相互補完ができる生産体制、サプライチェーンの構築に努めています。
4)感染症によるリスク
新型コロナウイルスのように、突如とした感染症の拡大により、経済活動への制約が長期化した場合、事業活動が停滞を生じる可能性があります。
(対応策)
リスク発生時の体制、対応を文書に定め、被害の最小化と早期解決を図る仕組みを構築しております。
5)地震等の自然災害
大規模な地震等自然災害が発生した場合、生産活動に支障が生じ、復旧に要する費用等の発生が財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります
(対応策)
リスク発生時の体制、対応を文書に定め、被害の最小化と早期解決を図る仕組みを構築しております。
6)環境及びその他の規制
武蔵精密工業グループにおいては、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指しています。省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大のための設備投資等が必要になるほか、管理コストの上昇も見込まれ、武蔵精密工業グループの事業活動に対して影響を及ぼす可能性があります。
(対応策)
段階ごとの具体的な目標値を定めて適切に管理することで、効果的な環境対策に取り組んでいます。
7)特定の取引先への依存
武蔵精密工業グループの業績は、今後の自動車産業や2輪車産業の動向によって影響を受ける可能性があります。
2024年3月期は、主要な取引先であるホンダグループへの売上高比率は約49%でした。
今後のホンダグループの事業戦略や購買政策等により、武蔵精密工業グループの業績に影響を受ける可能性があります。
(対応策)
培ってきた高い技術力とグローバル生産体制を活かし、積極的な顧客提案を進めてまいります。
8)特定の原材料等のサプライヤーへの依存
武蔵精密工業グループは、多数の外部の取引先から原材料等を購入しております。製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料については、一部の取引先に依存しております。
安定したコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、武蔵精密工業グループがコントロールできないものも含め多くの要因に影響を受けます。購入品の入手困難、価格高騰により武蔵精密工業グループの生産に影響を与え、コストを増加させる可能性があります。
(対応策)
発注数量の最適化や新たな取引先の開拓、従来のサプライチェーンの見直し等により、競争力のある、安定した価格で原材料等を調達するための取り組みを進めております。
9)製品の欠陥のリスク
大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の不具合が起きた場合、多額の対応コストが必要となります。また武蔵精密工業グループの評価に重大な影響を与えることで、売上が低下し、武蔵精密工業グループの財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(対応策)
開発から量産に至るプロセスを通じて商品の品質を評価、保証する仕組みを通じて、お客様に信頼頂ける生産・供給体制の向上に努めます。
10)新規事業展開に関するリスク
新規事業の創出にあたって、新たな技術の獲得や、事業開発のスピード向上のために、M&Aやスタートアップ企業への出資を伴う共同開発等も行っております。
対象企業の事業活動が想定通りに推移しない場合、また対象企業に想定しなかった問題点が発見された場合等には、減損損失の発生によって武蔵精密工業の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(対応策)
経営会議における投資可否の厳格な検証に加え、リスク顕在化の早期確認や対応を可能とするため、投資会社の事業計画の進捗を継続的にモニタリングしております。
11)合弁事業のリスク
武蔵精密工業グループはグローバル展開並びに新技術や新製品の開発強化のため、直接投資を行うほか外部企業との間で資本提携・業務提携等を推進しております。
これらの合弁事業は、合弁先の経営方針、経営環境の変化により影響を受けることがあり、そのことが、武蔵精密工業グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
(対応策)
経営会議における投資可否の厳格な検証に加え、リスク顕在化の早期確認や対応を可能とするため、合弁会社の事業計画の進捗を継続的にモニタリングしております。
12)固定資産の減損に係るリスク
武蔵精密工業グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合には、減損損失が発生し武蔵精密工業グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(対応策)
経営会議における投資可否の厳格な検証に加え、リスク顕在化の早期確認や対応を可能とするため、事業計画の進捗を継続的にモニタリングしております。
13)為替変動リスク
武蔵精密工業は、武蔵精密工業グループの海外拠点に対し、製品・半製品を輸出しております。
また、武蔵精密工業グループの海外拠点からも、それらの製品を複数の国へ輸出しております。
為替レートの変動は、武蔵精密工業グループの財政状態、経営成績、競争力にも影響し、長期的に武蔵精密工業グループの業績に影響いたします。
(対応策)
武蔵精密工業グループは当該リスクを軽減するため、為替予約契約等を締結しております。
14)情報セキュリティリスク
外部からのサイバー攻撃や武蔵精密工業グループが利用する情報システムにアクセスすることができる者による不正使用等によって、機密情報等の改ざん・流出、あるいは重要な業務・サービスの停止等が発生する可能性があります。
その場合、社会的信用の低下、影響を受けた関係者に対する損害賠償責任の発生等、武蔵精密工業グループの事業・財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(対応策)
リスク発生時の体制、対応を定め、被害の最小化と早期解決を図る仕組みを構築しております。
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