カヤバ(7242)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】カヤバグループは、カヤバ及び子会社40社、関連会社7社で構成され、油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売並びに各事業に関連するサービス業務等を行っております。カヤバグループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は次のとおりであります。なお、カヤバは「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、及び「航空機器事業」の3つを報告セグメントとしております。 ◆AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業AC事業では、知多鋼業㈱を完全子会社化し、当連結会計年度より知多鋼業㈱及びその子会社を新たに連結範囲に含めております。国内においては金山カヤバ㈱、知多鋼業㈱他から製品・部品等の供給を受け、カヤバが四輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造のうえ、自動車メーカー及び市販・サービス市場等へ販売しております。また、カヤバモーターサイクルサスペンション㈱から製品・部品等の供給を受け、二輪車用油圧緩衝器等を二輪車メーカー等へ販売しております。カヤバロジスティクス㈱は、物流・サービス提供等に係わる事業を行っております。海外においては、KYB Americas Corporation他は、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造し、各国の自動車メーカー等へ販売しております。また、関係会社間において、製品・部品等の供給も行っております。KYB Europe GmbH他は、欧州・米国・中国・東南アジア及びその他地域の市販市場等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。 ◆HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業HC事業では、国内においては、カヤバ、㈱タカコ及びカヤバCS㈱他が産業用油圧機器等を製造のうえ、建設機械メーカー等へ販売しております。また、海外においては、凱迩必機械工業(鎮江)有限公司他が産業用油圧機器を製造し、各国の建設機械メーカー等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。 ◆航空機器事業航空機器事業では、カヤバが航空機用離着陸装置、操舵装置、制御装置及び緊急装置等を製造し、販売しております。 ◆特装車両事業及びその他特装車両事業及びその他の製品では、カヤバが製造した特装車両等を特約販売会社等へ販売しております。 [事業系統図]以上に述べた事項を図で表すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカヤバグループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営方針カヤバグループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。 <経営理念>「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。 <コーポレートガバナンス基本方針>1.カヤバは、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。2.カヤバは、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。3.カヤバは、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。4.カヤバの取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。5.カヤバは、株主との建設的な対話を促進し、カヤバの経営方針などに対する理解を得るとともに、カヤバへの意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。 (2) 経営環境米国・イスラエルとイランの軍事衝突やウクライナ情勢等の不安定な国際情勢、原材料・エネルギー価格高騰、世界各地で発生する自然災害、米国の関税措置等、カヤバグループを取り巻く経営環境は一層不確実性が高まっております。また、近年著しい進展を見せているAI技術は、人や組織、オペレーションの在り方そのものを抜本的に変える可能性を有し、企業の事業運営の前提条件にも大きな変化をもたらしています。自動車市場においては、カーボンニュートラル実現に向けEVは重要な役割を果たす技術の一つと認識しているものの、その普及状況は地域ごとに差が見られ、政策動向の影響も受けながら、EV市場拡大のスピードにも変化が生じています。さらに、モビリティは社会インフラやデジタル技術との連携を深め、従来の移動手段としての役割を超えた新たな価値創出が求められる段階へと移行しています。建設機械市場においても無人化や省エネ化といったトレンドが広がりつつあります。そのほか、脱炭素化に向けた取り組みをはじめとする地球環境保護に対する社会的要請も一段と高まりを見せており、企業が対応すべき課題も多様化しております。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「KYB GROUP VISION 2035」カヤバは2025年に創立90周年を迎えました。2035年には創立100周年という大きな節目を迎えるにあたり、その先も企業発展の基盤となる終わりなき技術・製品開発へのこだわりを通して、社会課題の解決に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に挑み続けることを目的として、「KYB GROUP VISION 2035」を策定し、2025年11月に公表いたしました。カヤバは、モビリティ・インフラ・リビングにおける安全性と快適性を支える力として、社会に不可欠な存在を目指し、長期ビジョンに「人々の暮らしの未来を支えるパートナー」を掲げるとともに、スローガンとして「夢ある明日をつくる。Inspiring Dreams, Shaping the Future.」を設定しております。一方でカヤバはこの10年間、複数の不適切事象を踏まえ、信頼回復に向けた取り組みを進めてまいりました。今後の10年を「成長の10年」と位置づけ、これまでの取り組みを礎に「新たなるカヤバ」の姿を明確に示すとともに、お客様、株主様、お取引先様、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様とカヤバの目指す方向性を共有し、着実な成長と企業価値の向上を実現していくことが重要な課題であると認識しております。その実現に向けては、迅速な意思決定と実行が不可欠であると考えております。 長期ビジョンの実現に向け、次の3つの挑戦を実践します。1.事業ポートフォリオの最適化成長事業・製品への「選択と集中」を通じて事業ポートフォリオの最適化を推進し、付加価値の創出と資本効率の向上を追求する、活力ある企業風土の構築を目指します。 2.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業を創出し、新領域への進出および収益基盤の安定化を目指します。 3.モノづくり革新現場力とデジタル技術を融合したモノづくりの革新に加え、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進し、工場の変革を進めます。 今後10年間を3回の中期経営計画、「構造改革」「成長加速」「新事業拡大」に区分し、段階的に変革を進めてまいります。2026中期経営計画では、長期ビジョン実現に向けた第一歩として、未来の土台を築くために、事業ポートフォリオの最適化、モノづくり革新、経営インフラ改革に取り組みます。あわせて、新規事業創出に向けた取り組みを着実に進め、2029年度以降の成長に向けた基盤を構築するとともに、自律的に挑戦する企業風土の構築を図ってまいります。2026中期経営計画の遂行にあたり、カヤバは次の項目を「26中期基本方針」として定め、重点的に取り組んでまいります。 「中期基本方針」1.挑戦する企業風土の構築人的資本の高度化に向け、人財要件・スキルの可視化を基盤として、ローテーションや経営幹部育成等を通じ、将来を担う人財を計画的に育成するとともに、従業員の主体的な成長を促す仕組みを整備してまいります。また、新規事業では仮説検証の進捗に応じたマイルストーンを設定し、各段階で客観的な評価と投資判断を行う仕組みを整備することで、経営資源の最適配分を図り、新たな収益機会の創出に取り組んでまいります。 2.事業ポートフォリオの最適化2026中期経営計画は「構造改革」の期間に位置づけています。成長事業・製品への選択と集中を徹底し、成長性および収益性を踏まえた事業ポートフォリオの最適化を推進することで、資本効率を重視した経営資源配分を進めてまいります。オートモーティブコンポーネンツ事業(AC事業)では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。また、電子制御ショックアブソーバの拡販に向け、地域・市場特性に応じたラインナップ拡充や、地域別の最適生産ライン構築等、生産・販売・技術が一体となった取り組みを進めてまいります。さらに、成長著しいインド市場においては、2027年度からインド現地でのショックアブソーバ生産開始を予定しております。二輪市場の旺盛な需要に対応するため、既存工場の能力増強を検討するとともに、競争力あるコスト構造の確立と体制整備を進めてまいります。ハイドロリックコンポーネンツ事業(HC事業)では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。一方、「攻め」の観点では、AC事業のインド拠点を通じてインド市場での在庫販売を開始し、販売拡大に取り組んでまいります。あわせて、CTL(Compact Track Loader)やマイニング等の商品ラインナップ拡充ならびに新規顧客開拓を推進し、建機ショベルに次ぐ第二の成長の柱の育成を目指してまいります。特装車両事業では、既存のミキサ車について改良を継続しつつ、EVミキサの市場投入に向けた開発を進めてまいります。また、環境配慮型の電子制御ミキサ車であるeミキサについては、将来のEVミキサにつなげる取り組みとして、拡販を推進してまいります。 3.新規事業創出コア技術を起点とした独創的な新規事業機会の発掘および事業化を加速し、持続的な成長につながる新たな価値創造を推進するため、2026年4月に新事業イノベーション企画部を新設しました。長期ビジョンで掲げる熱マネジメント、スマートマシナリー、レジリエンス、計測ソリューション領域における事業化モデルの確立と実行を推進してまいります。計測ソリューション領域では、油状態診断システムの上市や、スマート道路モニタリングの行政機関向け有償サービス開始等を通じて顧客基盤の拡大を進めてまいります。さらに、社内外からのアイデア募集に加え、M&AやCVCの活用も通じ、顧客価値起点でスピード感のある事業創出を進めてまいります。 4.モノづくり革新現場力とデジタル技術の融合により、生産性と品質の向上を図るとともに、環境および働く人の双方に配慮したモノづくりを推進してまいります。加工から組立まで連続した一貫生産をコンセプトに、生産工程革新による「運搬・在庫・作業・検査・管理」の極少化と、データ連携されたスマート工場の実現により、生産リードタイムの短縮に取り組みます。また、開発から生産準備に至るプロセスにおいては、デジタル技術活用に向けた検証を進め、設計情報と製造情報の連携を強化することで、エンジニアリングチェーンを起点とした開発リードタイム短縮を進めてまいります。環境負荷低減の観点では、2035年のCO₂排出量71%削減(2018年対比)の達成に向け、CO₂排出量削減ロードマップに基づく取り組みを推進するとともに、Scope3の削減目標達成に向けた活動を進めてまいります。 5.経営インフラ改革カヤバを取り巻く環境は絶えず変化しており、意思決定の迅速化や業務の効率化のための経営管理の高度化が重要な課題と捉えています。基幹システムの刷新と高度化を進め、業務プロセスの標準化・効率化を推進してまいります。また、全社横断でのデータ活用基盤を整備することにより、データに基づく迅速な意思決定体制を構築し、経営の可視性向上および資本効率の向上につながる経営基盤の強化を図ってまいります。 <その他>カヤバは2025年4月24日に公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(現:中小受託取引適正化法。以下、「下請法」)に基づく勧告(以下、「本勧告」)を受けました。カヤバは2025年5月12日開催の取締役会において、本勧告を受けた行為が下請法に違反するものであること、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、下請事業者の利益を不当に害さないことを決議いたしました。また、カヤバは本勧告の対象となった下請事業者と個別に協議を行い、当事業年度内に必要な支払いを実施することにより、金銭的な回復措置を講じました。さらに、再発防止に向けた取り組みとして、下請法に関する法令教育を全社員に実施するとともに、社内規程・運用ルールの見直しを行いました。これらの改善措置および再発防止策を取りまとめ、2026年3月25日に公正取引委員会へ改善報告書を提出し、同委員会の承認を受けております。カヤバは本件を厳粛に受け止め、今後も法令遵守を最優先事項とし、お取引先との継続的かつ誠実なコミュニケーションを通じて、より一層信頼される企業を目指してまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等カヤバグループでは、3年間(2027年3月期~2029年3月期)の2026中期経営計画を策定しております。2026中期経営計画期間における2027年3月期および最終年度の2029年3月期の目標数値は以下のとおりです。 2026年3月期実績2027年3月期目標2029年3月期目標売上高4,815億円4,890億円5,140億円セグメント利益 (注)294億円200億円250億円セグメント利益率6.1%4.1%4.9%ROE12.2%6.6%8.1% (注) セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したもので、日本基準の営業利益に相当いたします。 カヤバグループは、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、重要な経営指標の一つとしてROEを位置付け、その向上を目指して取り組みを進めております。収益力向上については、成長事業・製品への選択と集中により事業ポートフォリオ最適化として、AC事業では、OEM市場におけるグローバルプレゼンスの再強化に向け、高付加価値製品である高機能コンベンショナルタイプのショックアブソーバについて、四輪・二輪の既存のお客様への拡販に加え、新規のお客様の獲得に向けた受注活動を推進してまいります。HC事業では、市場競争力の強化が必要な「守り」の製品群であるシリンダおよび走行モータについて、徹底した原価低減を継続しつつ、生産拠点の集約等を含む再編の検討を進め、収益基盤の強化を図ってまいります。資本効率の向上および財務体質の強化については、政策保有株式の縮減、全社的な棚卸資産や固定資産の圧縮、ならびに自己株式の取得による株主還元の強化を実施してきました。配当性向30%以上を配当方針とし、今後も安定的・継続的な配当の実施を目指してまいります。また、カヤバグループは、中期経営計画の目標達成と企業価値向上に向け、引き続き資本効率の向上および収益力改善に向けた取り組みを加速させてまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】カヤバグループの経営成績および財政状態のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカヤバグループが判断したものであります。 (1) リスク管理の仕組み① 「リスク管理委員会」についてカヤバグループでは、経営目的の達成および事業の運営を阻害する可能性のある事象をリスクと定義し、リスク管理に取り組んでおります。また、全社的リスク低減のため、「リスク管理委員会」を取締役会の下部組織として設置しております。リスク管理委員会において、全社的に対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行っており、大規模災害等のBCPについても同様に活動しています。また、事業リスクに関しては当該リスクを抱える事業部が責任をもって取り扱う一方、リスク管理委員会はモニタリングを行います。体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。また、リスク管理委員会の構成は、以下のとおりです。委員長ESG担当役員委員本社機能部署、事業(本)部の責任者事務局ESG本部 内部統制部 ② リスク管理の流れ1年単位でリスク低減活動を行なっております。11月:リスク抽出12月~2月:重点リスク選定、委員会審議、取締役会決議3月:計画策定4月~:活動活動状況は、四半期毎に委員会報告および定期的に取締役会、執行役員会へ報告を実施しております。 ③ リスク評価方法リスクを、財務、人的被害、操業停止、法令違反、評判などの視点から事業の運営に及ぼす影響度と、発生する可能性から、リスクの大きさを評価しております。 (2) リスク管理の現状① 全社リスクの内容と対応状況2026年度のリスク管理活動では、子会社を含む全拠点から抽出したリスクから、リスクが大きいと評価した以下7件を重点リスクとして選定しております。これらについては、それぞれの責任部署が、年度活動計画を策定し、それに基づいてリスク低減活動を行なっており、活動の進捗や、リスクの状況については、定期的に取締役会、執行役員会へ報告しております。No.リスク・概要方策1.品質不正品質記録の改ざんによる法令および客先合意違反リスク全拠点に対する品質管理部による品質体制と、品質不正再発防止活動の監査の実施2.大規模災害BCP活動管理不備による操業停止リスク地震BCP訓練、サイバーBCPインシデント対応訓練3.人権問題ハラスメント管理不備による事業活動鈍化リスクハラスメント防止教育、海外拠点ハラスメント相談状況の把握4.サイバー攻撃サイバーセキュリティ管理不備による操業停止リスク教育訓練、サプライチェーンセキュリティ対策強化、インシデント対応マニュアルの整備、セキュリティレベル共通ガイドライン設定5.労働災害労働災害予防管理不備による人的被害リスク重点災害発生拠点に対する特別管理および再発防止策の水平展開6.火災火災予防措置管理の不備による操業停止リスク防火体制の点検、設備・購入品の火災リスク確認7.サプライチェーン寸断大規模災害以外での仕入先理由による供給停止リスク供給停止が懸念される仕入先を調査し、協議や代替等の対応 なお、2025年度に重点リスクであった「人財不足」は、目標としていた採用計画充足率を達成したため、全社的な重点リスク管理活動は完了とし、今後は中長期方針活動として定期的に執行役員会へ報告する活動へ移行しております。また、2025年度に重点リスクであった「サプライヤーとの適正取引」は、公正取引委員会からの勧告に対する取り組みが完了したこと、改正された取適法(旧 下請法)遵守に向けた対応が完了したことから、全社的な重点リスク管理活動は完了とし、今後は監査部による運用状況の確認を行う活動へ移行しております。 各全社リスクの詳細は以下のとおりです。1.品質不正品質不正による法令違反やお客様との契約違反は、お客様からの損害賠償請求や是正対応費用などにより、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。カヤバグループでは、品質不正に直結する品質記録の改ざんなどを防止する活動を行っております。具体的には、拠点が自主監査で使用するマニュアルの見直し/改定を行い、拠点自身での発見力強化を行います。また拠点自主監査後の品質管理部による現地又はWeb監査により、品質不正の懸念事項の発見漏れを防ぎ、是正を行うことで品質不正リスクを低減してまいります。 2.大規模災害カヤバグループでは、地震、火災、風水害での自社生産設備の損傷やサプライヤーチェーンの寸断などによる操業停止の可能性があるため、災害発生時の被害を最小化する活動や災害発生時の復旧訓練の実施など、生産能力早期復旧のための対策をとっております。特に発生の可能性が高いと推測される国内地震を中心に、BCP訓練の実施に取り組み、大規模災害時の操業停止リスクを低減してまいります。 3.人権問題職場でハラスメントが発生した場合、職場環境悪化による生産性低下や人財流出によって事業活動が鈍化し、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、労務訴訟などで賠償請求を受けるリスクもあります。カヤバグループでは、いきいきと働くことのできる職場環境の土台づくりの一環として、従業員へのハラスメント防止教育の実施、ハラスメント防止への仕組み・体制を整備し、多様な価値観を尊重する職場づくりをすすめ、ハラスメントによる事業活動の鈍化や労務訴訟リスクを低減してまいります。 4.サイバー攻撃近年の情報システム環境の進化・複雑化に加え、テレワークの普及による従業員の外部からのアクセス機会が増える一方、サイバー攻撃は急増し、複雑・高度化しており、情報セキュリティに係るリスクが高まっています。これらにより、情報漏えいやシステム障害等が発生した場合、カヤバグループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。カヤバグループでは、グループ共通のサイバーセキュリティ教育・訓練、サプライチェーンセキュリティ強化、サイバーインシデント対応マニュアルの整備、セキュリティレベル共通ガイドライン設定等を実施することで、グループ全体の防衛力を強化し、サイバー攻撃による操業停止リスクを低減してまいります。 5.労働災害労働災害の発生は、従業員の生命を脅かすだけでなく、是正対応などのために操業停止又は、生産能力が著しく低下する可能性があります。過去に発生した重点災害の再発防止策をグループ内へ水平展開し点検、対策を実施することで、労働災害の人的被害リスクを低減してまいります。 6.火災カヤバグループの多くの工場では、油の特性を利用した油圧製品の生産を行っており、有機溶剤を使用する塗装設備、作動油・化学薬品等を貯蔵するタンク等が設置されていることから、火災の発生や有害物質が流出する可能性があり、万が一、事故が発生した場合には生産活動が一時的に停止する可能性があります。過去事例を反映した防火体制チェックリストによる点検の実施、防火フォローパトロール、設備仕様・購入品の火災リスク確認にて、火災による操業停止リスクを低減してまいります。 7.サプライチェーン寸断カヤバグループのサプライチェーンには、後継者不足、設備老朽化などによる廃業、事業撤退が懸念される仕入先があります。予期せず仕入先からの部品供給が停止した場合、一時的に生産活動が停滞し、事業継続に影響する可能性があります。仕入先の状況を注視し、コミュニケーションを深めるとともに、懸念仕入先とは丁寧な協議を行うも、供給継続が困難な際は仕入先変更等の代替手段により供給停止リスクを低減してまいります。 ② 各事業の個別リスクの内容と対応状況全拠点から抽出したリスクのうち、各事業や各拠点で個別に対応するリスクについてはリスク管理委員会の活動に依らず、各事業等で対応しており、以下のものがあります。これらは、2026中期および2026年度方針に掲げ、各事業等の日常の管理活動の中でリスク低減活動を実施しております。その進捗については経営報告会等の会議体を通じて定期的に報告されております。リスク分類リスク項目方策生産・販売数量減少需要動向グローバルでの情報収集・分析生産活動の停止品質リスク品質不良の発生品質経営を基盤とした品質管理体制強化価格リスク製品販売価格の価格競争等高品質・高付加価値製品の提供等原材料・部品等の調達価格上昇複数購買の実施・適正価格での調達財務リスク資金調達金融市場の動向を注視為替相場の変動グローバルでの生産拠点の配置等金利上昇リスク固定金利での調達その他得意先の信用リスク与信管理や取引先との関係強化等重要な訴訟等の発生国内外の弁護士と連携 上記のリスクに関する詳細は以下のとおりです。1.需要動向・生産活動停止カヤバグループのAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業およびHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の主要製品は自動車、二輪車、建設機械および産業車両メーカー等(以下、お客様といいます)へ供給する組付用部品であり、世界的な自動車生産台数や建設機械生産台数の動向に大きく左右されます。カヤバは海外売上高比率が60%を超え、グローバルな供給体制を構築しておりますが、各市場における景気悪化を背景とした自動車および建設機械需要の減退等が生じた場合には、これらの事業の収益性に大きな影響を与える可能性があります。また、国際情勢は急速に変化しており、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、米国・イスラエルとイランとの間で軍事衝突が発生しております。このような地政学リスクの高まりを受け、当該地域を中心に生産・販売活動の停止、あるいは事業撤退等が生じた場合には、カヤバグループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。さらに、原油等の原材料における供給制約や供給正常化の遅れにより、原材料価格の上昇や、サプライチェーンの停滞が発生し、お客様およびカヤバの生産調整や生産稼働の停止が生じた場合には、カヤバグループの収益性に重大な影響を及ぼす可能性があります。加えて、米国における関税措置を背景とした生産体制の見直し、世界経済の減速、更には他国による報復措置等に起因する通商リスクが顕在化した場合には、カヤバグループの収益性や生産活動に影響を及ぼす可能性があります。2022年に撤退を表明した航空機器事業については、お客様等との調整を進め、ご迷惑をおかけすることの無いよう適切な管理に努めているものの、その過程において予見し得ない費用や損失が発生した場合には、カヤバグループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特装車両事業において、特にコンクリートミキサ車を主力とする特装車両については、景気動向と相関性の高い建設工事量の増減により需要が変動する可能性があります。カヤバグループは、これらのリスクに対し、グローバルに情報収集および分析を行い、状況に応じた対応をしております。 2.品質不良の発生品質に関しては、自動車では操縦安定性を支えるショックアブソーバや操舵力を補助するパワーステアリング等の重要な部品を供給しており、建設機械・産業車両等では母機を駆動させるコントロールバルブ、ポンプ、シリンダ、モータ等の主要な機能部品を供給しております。また、特装車両事業部ではコンクリートミキサ車などの特装車両をお客様へ納入しております。仮にカヤバグループが供給した製品に品質不良が発生した場合、その損害賠償をお客様から求められる等で多額の費用が発生する可能性があります。カヤバグループでは、品質経営を基盤に品質管理体制強化など品質向上を継続して追求し、品質不良発生の未然防止に努めております。また、グループ全体での不正防止活動への取組やコンプライアンス教育を通じ、問題が発生した際には対応が迅速且つ確実に行われるよう体制を整備しています。 3.製品販売価格価格に関しては、国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在します。カヤバグループでは、高品質・高付加価値製品を提供することによる競争優位を目指すと共に、生産性向上などを通じた継続的な原価低減によるコスト競争力向上に努めております。その一方で人件費は上昇を続けており、適正に価格の見直しを実施してまいります。 4.原材料・部品等の調達価格カヤバグループは、原材料、構成部品等を多数の仕入先から購入しておりますが、調達する原材料等は国際商品市況や為替等の影響を大きく受けます。複数購買の実施や購買機能の集約等による原価低減を図っておりますが、原材料等の価格上昇をカヤバの販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、販売価格引下げを原材料および構成部品価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 5.資金調達カヤバグループは、主に国内外の金融機関等より設備資金ならびに運転資金の調達を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況および景気の後退、金融収縮、カヤバグループの信用力の低下等の要因により、カヤバグループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、カヤバグループの財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 6.為替相場変動・金利上昇カヤバグループは、海外売上高が61.8%と海外市場に大きく依存しているため日本からの輸出はもとより在外関係会社の経営成績等も為替の影響を大きく受けます。このような為替変動リスクに対してはグローバルな生産拠点の配置や為替予約等によりリスクの軽減を図っておりますが、想定を超えた為替相場の変動は、カヤバの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、カヤバグループは有利子負債を有しており、固定金利での調達により金利変動リスクの軽減に努めておりますが、日本および海外における将来の金利上昇は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。 7.得意先の信用リスクカヤバグループは、自動車、トラック並びに建設機械メーカー各社様や系列販売会社様をはじめ多くのお客様と取引を行っております。取引先の予期せぬ信用リスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。カヤバグループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信管理や取引先との関係強化等を通じてリスク管理を行っています。 8.重要な訴訟等の発生カヤバグループを相手とした訴訟が起こされ、カヤバの主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、カヤバグループの経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。国内外の弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応しております。 ③ 建築物用免振・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響についてカヤバ及びカヤバの子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもってカヤバを存続会社とした吸収合併により解散しております)は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、その一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。本問題に関する再発防止策および対応については、以下のカヤバホームページ上で公表しておりますのでご参照ください。なお、2022年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、全項目を「完了」しており、引き続きその維持・定着の取り組みを継続しております。再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しております。なお、本件に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、一部案件においては追加費用の発生なく終了し、またその他案件の訴訟手続きも進んでおり、現時点においては経済的便益の流出の可能性は低下していると判断しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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