太平洋工業(7250)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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太平洋工業(7250)の株価チャート 太平洋工業(7250)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】 太平洋工業グループは、太平洋工業(太平洋工業株式会社)と子会社17社(連結子会社16社)、持分法適用関連会社1社により構成されており、その主な事業内容と各社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメント情報の区分と同一であります。 (プレス・樹脂製品事業) 当事業においては、軽量化と高強度化を両立させる超ハイテン材の成形技術をもつプレス製品、フィルム加飾技術や防音防振技術など多彩な分野にまたがる樹脂製品およびプレス金型、樹脂金型などの金型製品を製造・販売しています。 [主な関係会社] 国内 … 太平洋産業株式会社、     太平洋精工株式会社[持分法適用会社であるPECホールディングス株式会社の子会社]   海外 … PACIFIC MANUFACTURING OHIO, INC.[米国]、PACIFIC MANUFACTURING TENNESSEE, INC.[米国]、 太平洋汽門工業股份有限公司[台湾]、PACIFIC INDUSTRIES (THAILAND)CO., LTD.[タイ]、 天津太平洋汽車部件有限公司[中国]、長沙太平洋半谷汽車部件有限公司[中国] (バルブ製品事業) 当事業においては、タイヤバルブ・バルブコア、空調用の各種バルブをはじめとする複数の世界トップシェア製品をもつバルブ製品、航空機、産業機械、エネルギー産業向けバルブや鍛圧製品ならびに世界各国で装着が法規化されているTPMS(タイヤ空気圧監視システム)製品を製造・販売しています。 [主な関係会社] 国内 … 太平洋精工株式会社[持分法適用会社であるPECホールディングス株式会社の子会社] 海外 … PACIFIC MANUFACTURING OHIO, INC.[米国]、SCHRADER-BRIDGEPORT INTERNATIONAL, INC.[米国]、      SCHRADER SAS[フランス]、GURTNER SAS[フランス]、PACIFIC INDUSTRIES EUROPE SAS[フランス]     太平洋汽門工業股份有限公司[台湾]、PACIFIC INDUSTRIES (THAILAND)CO., LTD.[タイ] 太平洋バルブ工業株式会社[韓国]、太平洋エアコントロール工業株式会社[韓国]     太平洋汽車部件科技(常熟)有限公司[中国]、PACIFIC INDUSTRIES EUROPE NV/SA[ベルギー] (その他) 製品とIoT、AI技術の組み合わせであるIoT製品やアプリケーションなどの開発・販売・サービス提供、リサイクル材の利用やリサイクル可能な製品などのアップサイクル製品の開発・販売、損害保険の代理業務などを行っています。 [主な関係会社] 国内 … ピーアイシステム株式会社 事業の系統図は、次のとおりであります。  (注)1 ⇒は、製品・部品・役務等の内部取引の流れを示しています。   2 →は、得意先と太平洋工業を含む子会社・関連会社との取引の流れを示しています。

有価証券報告書(2025年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、提出日現在における太平洋工業グループの判断で記載したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営の基本方針太平洋工業グループの主力事業分野である自動車産業は、モビリティ社会に向けた大変革期にあります。 そうしたなか、多様な従業員が力を発揮し、新しい価値を創造することが太平洋工業の社会的存在意義であると考え、2023年4月に「思いをこめて、あしたをつくる」をパーパスと位置付けました。 これに併せて、中長期経営構想としての「Beyond the OCEAN」、そのマイルストーンとしての中期経営計画「NEXUS-26」を発表し、その方針に基づいて取り組みを進めています。詳細は、太平洋工業WEBサイトに記載しています。(https://www.pacific-ind.co.jp/company/our_way/management_plan/) 太平洋工業グループは、これからも社会から必要とされる存在であり続けるため、ステークホルダーの皆様との信頼を醸成し、太平洋工業グループの世界中の仲間たちと新たな価値づくりを進め、持続可能な社会の実現に貢献する企業をめざします。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中長期経営構想「Beyond the OCEAN」長期的なトレンドと、モビリティ価値の変容のなかで、太平洋工業が生き残っていくためには、「技術×現場力」と「信頼とNo.1シェア」といった太平洋工業の強みを徹底的に活かすことが重要となります。そのための鍵は、一人ひとりの従業員が力を発揮して新しい価値づくりにチャレンジしていくための「パーパスを実現する人財戦略」です。そこに、「売上と利益の共成長」「多様な技術による価値創出」「サステナビリティと経営の統合」を加えたの4つの注力テーマを長期的な基本戦略とし、取り組みを進めています。中長期的な成長の前提として、サステナビリティに関する課題を経営に統合することが重要です。これは、太平洋工業と社会・環境のつながりを経営基盤としてとらえ、事業成長との相乗効果を創出するということです。その要となるのが、従業員です。従業員が力を発揮して、技術やデジタルといったツールを駆使することで、「売上と利益の共成長」を実現し、財務価値とともに非財務的な価値を創造していきます。事業戦略としては、多様な技術を活かし、主力のプレス製品の収益力をさらに高めていきます。また、バルブ製品と樹脂製品で新市場を積極的に開拓し、資本効率を高めつつ成長をめざしていきます。さらにモビリティ以外の分野にも果敢に挑戦し、次世代の柱を創造する芽を育てていきます。これらは太平洋工業のサステナビリティ経営におけるマテリアリティとも合致しています。(マテリアリティについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略」に記載しています。)経営目標としては、財務的な価値のみでなく、非財務的な価値も踏まえた目標を策定しています。財務価値目標は、資本効率を高め、持続可能な成長を実現するべく、売上高を2026年度2,100億円とし、その後も持続的な成長をめざしていきます。また、2026年度の営業利益率を7%以上、ROEを8%以上としましたが、2030年度には、それぞれ10%以上に高めることを目標としています。非財務価値目標として、事業を通して社会課題を解決するというマテリアリティも踏まえ、主力事業のモビリティ分野では、2026年度の電動車向け売上比率を50%、2030年度には70%に高めていきます。新事業では、2026年度までの新規商品・サービス上市件数を15件、2030年度には35件をめざしていきます。また、サステナビリティ価値の目標として、従業員が力を発揮し、持続可能な成長を実現するため、従業員エンゲージメントを指標としています。2023年度に第1回の調査を実施し、肯定的回答率を48.2%から2026年度に60%向上、2030年度に70%に向上することを人的資本の目標としました(対象は単体)。自然資本では、既に長期目標として、CO2排出量の削減を2030年度に2019年度比50%にすることを掲げていますが、そのマイルストーンとして、2026年度には30%削減をめざしていきます。 中期経営計画「NEXUS-26」「NEXUS-26」では、パーパスとして多様な人財が活躍できる企業となる人財戦略を基盤としています。その人財が、太平洋工業の強みである多様な技術のポテンシャルを引き出し、既存の顧客基盤の深耕に加え、新市場を開拓していくこと、さらにサステナビリティも踏まえた価値を一体的に創造していくことで、売上と利益の共成長を図っていくというのが、基本的な考え方となります。 プレス事業については、超ハイテン技術を活かした電動車向け新製品や既存ボディシェル部品の拡販による受注の拡大をめざしています。開発・拡販は順調に進んでおり、2023年に稼働を開始した東大垣新工場は順次稼働率を上げているほか、米PACIFIC MANUFACTURING OHIO, INC.でも第5工場の建設を進めるなど、堅調な需要に裏打ちされた設備投資を継続しています。樹脂事業についても、BEV(電気自動車)向けの製品開発・拡販は順調に進んでおり、物量増加に向けた生産体制の構築に取り組んでいます。今後のBEV動向も見極めながら、需要に合った生産能力の増強を進めていきます。 バルブ事業では、熱マネジメントシステム用電子膨張弁をはじめとした、電動車向けバルブの開発・拡販を進めています。今後の市場拡大を見据え、事業拡大と競争力強化のため、電動車向けバルブを生産する工場を建設し、今年3月に竣工しました。 新事業では、モビリティ以外の分野で長期的な太平洋工業の事業の柱を作っていくために、社会課題解決に貢献する商品を軸に開発を進めており、昨年度には6件の新商品・サービスをリリースしました。これまでにリリースしてきた、牛体調モニタリングシステムや、物流管理システム、ウレタン端材活用の防災マットなど、ポテンシャルのある商品を、いかに認知度を高め、拡販していくかが課題だと考えており、それぞれの製品特性に合わせた効果的な拡販活動を進めていきます。 サステナビリティに関する取り組みは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。 財務戦略財務戦略としては、太平洋工業は財務価値指標としてROE目標を設定し、資本効率の向上をめざしています。収益体質基盤の強化、投資効率の向上、バランスシートマネジメントを進めることで、資本効率を向上しつつ、持続的な成長を進め、継続的に株主に還元していきます。基本的な考え方は、以下のとおりです。 *財務方針・ 創出した営業キャッシュ・フローを源泉に戦略投資・株主還元を実行し、一時的な不足分は借入で充当・ 資本効率を意識した投資がもたらす利益成長とバランスシートマネジメントの推進で、ROE「2026年度8%以上」、 「2030年度は10%以上」をめざす *資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応ROEを重要な経営指標と位置づけ、中長期的な企業価値向上をめざした取り組みを推進します。PBR1倍以上の達成に向けては、ROEの向上による資本収益性の改善にとどまらず、市場からの将来への成長期待を表すPERの改善にも取り組みます。IR・対話・開示の充実に加え、サステナビリティ経営の推進により事業リスクを管理・低減することで、資本コストを低減します。 *収益体質の強化および資産効率の向上ROE目標達成に向けては、事業戦略と財務戦略の両輪で進めていきますが、事業面における収益体質の強化や資産効率の向上に向けた取り組みは重要と考えています。事業別に販売・コストなどのKPIを設定し、デジタルツールの活用により生産・管理業務の効率化を進め、コスト低減を図るなど、収益体質の強化を図っています。資産効率とキャッシュ獲得能力向上のため、事業別のROA・キャッシュフロー・設備投資収益率の向上、遊休設備の処分、棚卸資産・低収益資産の圧縮を推進し、その結果としてグループのROE向上につなげていきます。 *キャッシュアロケーションとめざすバランスシート構成持続的な成長のための投資や配当の原資は、持続的に創出する営業キャッシュ・フローを基本とし、必要に応じて外部資本も活用し資本効率の向上を図ります。成長機会を逃さず、必要時に機動的な資金調達を可能とするため、外部機関(日本格付研究所:JCR)の格付評価も重視しています。株主還元を強化することで、過剰に自己資本を増やさないようコントロールしつつ、現在の格付評価A-を維持するため、自己資本比率60%を目安としてバランスシートをマネジメントし、資本効率向上と財務健全性維持の両立を図ります。 *投資の考え方太平洋工業グループでは、電動化の進展に向けた市場ニーズの増加に応え、プレス・樹脂・バルブの各事業において電動車向け製品の生産能力を拡大するため、積極的な成長投資を推進しています。新規投資の意思決定時には資本コストを意識し、能力増強設備投資の実施時には投資利回り・投資回収期間、WACCを指標として投資効率の検証を行うことで、資本効率の向上をめざしています。また、従業員エンゲージメント向上のための人的資本投資も推進しています。2023年11月に稼働開始した東大垣工場のプレス新工場は、デザインやレイアウトの工夫、空調設備の導入など、働きやすい環境を整備しています。2025年7月に完成する技術開発センターでの開発環境整備も含め、従業員のパフォーマンス向上により、収益性向上と中長期的な成長をめざしています。 (3) 経営環境、中長期的な経営戦略及び対処すべき課題太平洋工業では、中期経営計画「NEXUS-26」で、以下の4つのテーマを主要課題としてとらえ、取り組みを進めています。 ① パーパスを実現する人財戦略人財戦略は、パーパスである「思いをこめて、あしたをつくる」に込められた、全ての働く人が、「思い」をもち、活躍できる企業となることをゴールとしています。そのためには、従業員エンゲージメントを把握し、高めていくことで、挑戦できる風土を醸成していくことが必要となります。挑戦できる風土を醸成していくことが、人権の尊重、安全と健康、労働環境改善といった基盤整備と、人財育成・ダイバーシティ&インクルージョンといった事業成長に結びつく施策の強化を促し、それらがさらに従業員エンゲージメントを高めるという好循環を生み出すものと考えています。具体的な人財戦略の考え方は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 人財戦略の考え方(環境整備方針)」を参照ください。 ② 売上と利益の共成長前中期経営計画「OCEAN-22」の財務目標のうち、営業利益とROAが未達であったこと、資本市場から資本効率に対する要求が強まっていることなどから、太平洋工業では資本効率を意識しながら、営業キャッシュ・フロー内で成長投資を果敢に実施し、「売上と利益の共成長」を実現していきたいと考えています。各事業の成長戦略の基本的な考え方は以下のとおりです。・プレス製品は、生産変動に耐えうる改善に支えられた現場力をベースに、軽量化や生産時のCO2削減など脱炭素への寄与を踏まえ、ボディ骨格の構造提案により大物部品の一括受注を増やし、付加価値を高めることで売上も利益も高めていきます。・樹脂製品は、強みである防音・加飾技術を応用し、新規顧客への拡販を強化するとともに、サーキュラーエコノミーを踏まえた材料・製品開発で、持続可能な成長をめざしていきます。・バルブ・TPMS製品は、無線通信技術や高品質といった強みを活かし、電動化時代に選ばれる高い付加価値を生み出す、スピード感ある開発型事業展開の実現をめざしていきます。・新製品は、これまで開発した製品をバージョンアップして深化を追求しつつ、新分野への探索を強化し、社会課題を解決するデータビジネスを柱へ育てていきたいと思っています。 ③ 多様な技術による価値創出太平洋工業全体の技術開発戦略としては、既存事業の多様なコア技術を深化させ新価値を創造するとともに、開発環境を整備し新規事業の創出を加速することにより、既存事業と新規事業の開発連携を図っていきます。今年7月には東大垣工場に技術開発センターが完成予定で、「共創空間」をテーマに、開発・生産技術の一体的な研究開発と、新規事業創出の実現を図っていきます。また、知財戦略として、新価値創造に資する効果的な知財を生み出すべく、知財分析・人財育成・体制整備を進め、グループ全体の知財マネジメント力強化を図っていきます。これらの取り組みが一体となり、高付加価値で社会に資する事業成長を推し進めていきます。 ④ サステナビリティと経営の統合太平洋工業は、サステナビリティに関する15の重要課題(マテリアリティ)を特定し、KPIを定め取り組んでいます。また、「PACIFIC環境チャレンジ2050」を公表し、2050年のカーボンニュートラルを含む長期目標を掲げ、取り組みを加速しています。こうした取り組みを経営課題と位置付けるため、「Beyond the OCEAN」「NEXUS-26」について、あるべき姿からのバックキャスティングの視点を踏まえ、時間軸を長期におきつつ策定を進めました。その過程で、あるべき姿として、「思いをこめて、あしたをつくる」をパーパスと位置付けるとともに、マテリアリティとの整合性を確認しています。「NEXUS-26」は、「人財の活躍・人権の尊重」、「自然共生社会の実現」、「ステークホルダーとの信頼醸成」といったマテリアリティ(2025年改定)を基盤としており、事業においても、プレス製品やバルブ製品を通じた脱炭素への貢献、樹脂製品におけるサーキュラーエコノミーへの取り組み、社会課題解決を意識した新事業開発と、それぞれサステナビリティの視座が含まれています。さらに、経営目標の非財務価値目標では、マテリアリティに関連した事業価値目標として、電動車向け売上比率、新規商品・サービス上市件数、サステナビリティ価値目標として、従業員エンゲージメント、CO2排出量を掲げ、サステナビリティと経営の統合を図っています。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 記載したリスクは全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。このようなリスク要因のいずれによっても、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。 なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において、太平洋工業グループが判断したものであります。 ① 世界経済情勢・グローバル展開太平洋工業グループは、日本・アジア・欧米に生産拠点を有して事業展開しており、海外売上高は連結売上高全体の約67%を占め、今後も増加が見込まれます。グローバルな事業展開を推進するにあたり、予期せぬ法令・税制・輸出入その他各種の規制の変更、戦争・テロ・感染症などの政治的・社会的混乱の発生により、太平洋工業グループにおいて生産・販売活動の縮小を余儀なくされるおそれがあります。こうした事態に適切に対処できない場合、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、事業展開する国又は地域の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集し、グローバルな視点でリスクマネジメントを強化する体制を構築し、適時適切な取り組みを行っています。また、グループ内資金を有効活用する資金マネジメント、地域社会・行政との連携などを実施し、危機管理能力の優れた企業として顧客の信頼を得るべく取り組みを進めていきます。 ② 得意先との関係太平洋工業グループは、トヨタ自動車株式会社向けをはじめとする、自動車部品が連結売上高の大半を占め、特定得意先への依存度が高くなっています。これら特定得意先の生産動向・方針変更による受注の減少等により、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、新規顧客の獲得に注力するとともに、得意先との長年の信頼関係を礎に、得意先のニーズを先取りした製品や新工法の提案による新規製品の受注獲得に努めています。また、モビリティ分野以外の新事業の推進を図っています。 ③ 価格競争太平洋工業グループの主要製品である自動車部品は、国内外で競合他社との厳しい価格競争や、原材料の仕入れ価格高騰等により、価格競争力や製品の優位性が維持できない場合、製品に対する需要の低下により、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループは、高品質な製品の提供を前提とした原価低減活動を推進し、価格競争力の維持・向上、新技術・新工法を駆使した高付加価値製品の提供に努めるとともに、ニーズのある地域でグローバルに生産できる体制を整備することで、優位性の確保に努めています。 ④ 新製品・新技術開発太平洋工業グループでは、連結売上高の大部分を自動車関連部品が占めています。国内外で再編・提携の動きが加速し、技術開発競争が激化する自動車関連業界において、技術の急速な進歩と市場ニーズの変化に十分に追従できず、継続して魅力ある新製品を開発できない場合、将来の成長性と収益性を低下させ、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループは、「思いをこめて、あしたをつくる」をパーパスとして掲げ、将来の飛躍に向けた成長基盤の構築を進めています。プレス・樹脂製品事業では軽量化に寄与する超ハイテン製品やアルミ製品、電動化により求められる快適性能向上のための樹脂製品の開発を進めています。バルブ製品事業では、TPMSの事業領域拡大に向けた開発、センシング技術や流体制御技術などのコア技術を活かした電動車向けの製品開発を加速しています。また、主力製品への開発投資に加え、長期的な事業領域の拡大を見据え、センシング技術などを活用し、モビリティ以外の分野を含め社会課題や顧客課題を先取りした新事業開発にも果敢に挑んでいます。2025年10月には新東大垣工場に技術開発センターを稼働させ、「共創空間」をテーマに、開発・生産技術の一体的な研究開発と、将来の新事業創出の実現を進めていきます。 ⑤ 原材料の調達太平洋工業グループは、鉄鋼をはじめ黄銅やアルミなどの金属材料や、ゴム材料、樹脂材料などを原材料として使用しており、これら原材料の価格が資源やエネルギー費などの高騰により上昇し、太平洋工業グループで吸収または、販売価格に転嫁できない場合や、需給の逼迫や物流停滞による納入遅延等、供給能力の制約により、生産に必要な量を確保することが困難になった場合、製造コストの増加や売上収益の減少により太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、紛争鉱物等の使用は、社会や取引先からの信頼を失い、太平洋工業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、原価低減等の改善により価格上昇分を吸収するとともに、売価への転嫁に努めています。また、原材料の需要予測に基づく在庫管理、グローバル調達による調達先の多拠点化、物流ネットワークの強化などサプライチェーンの最適化に取り組み、原材料の需給逼迫に備えるとともに、人権・環境などの社会課題を考慮した調達活動を行います。 ⑥ 製品の品質管理太平洋工業グループは、高度な加工技術や精度の高い品質を要求されるプレス・樹脂製品やバルブ製品を生産しており、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の品質不具合が発生した場合には、多額のコスト負担や売上の減少、太平洋工業グループの信用低下による失注などを招き、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、高品質な製品を提供するため、設計・生産準備の段階から品質の造り込みを行うとともに、各工程で徹底した品質チェックと製品データ管理を行い、グローバル基準での品質保証体制を構築しています。 ⑦ コンプライアンス太平洋工業グループは、グローバルに拠点を有し、各国の法規制の適用や当局による法的措置による賦課や事業活動の制約、訴訟提起や損害賠償請求など法的手続きの当事者となる可能性があります。また、製品データの改ざんや下請法違反等、重大なコンプライアンス違反が発覚した場合、規制当局・監督官庁からの操業停止命令や社会的信用の失墜による売上低迷など、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、社会から信頼・共感されるために、従業員が高い倫理観を持って公正・誠実に行動することが重要と考え、「行動ガイドライン」を策定し、全従業員に周知して意識向上を図るとともに、従業員の誰もが前向きな意見を自由に発言でき、問題や不正をbad news firstで報告できるよう心理的安全性の向上に努めています。また、自動車業界全体で注視している取引の適正化についても、公正取引委員会のガイドラインに則り、取引条件の設定には取引先との十分な協議を行っています。海外では、国際規範や各国・地域の法令・慣習を踏まえた自国の行動ガイドラインを運用し、各国・地域の実情に即したコンプライアンス活動を行っています。また、「贈収賄・腐敗防止の基本方針」、「仕入先サステナビリティガイドライン」を制定し、従業員への啓発・教育、サプライチェーンへの展開を実施し、コンプライアンスの徹底を図っています。 ⑧ 安全と健康の確保太平洋工業グループでは、大小様々な生産設備を有しており、重大な労働災害が発生するリスクを負っています。重大な労働災害が発生すれば、人的影響はもとより、社会や取引先からの信頼を失い、事業停止を余儀なくされるなど、太平洋工業の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、重大災害につながるSTOP6災害(挟まれ・巻き込まれ、重量物、車両、墜落・転落、感電、高熱物による災害)の視点に基づき、設備・機械の設計・導入段階からリスクアセスメントを実施し、設備への安全装置の付設や危険エリアの見える化などリスク低減と安全な作業環境づくりを進めています。また、机上・体感教育を通じて、危険予知能力の向上やリスクアセスメント手法・安全な異常処置の体得など、危険感受性を高めるとともに、考えて行動できる高い意識と深い知識を有する人財の育成に取り組んでいます。なお、健康経営にも取り組んでおり、4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されています。 ⑨ 人財の確保・育成太平洋工業グループでは、事業の持続的な成長には、人財の継続的な獲得・育成が不可欠であると認識しており、計画通りに人財の獲得・育成が進まない場合、競争力の低下を招き、太平洋工業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、ローカル人財を海外拠点でのリーダー層として積極的に登用しています。また人的資本経営を推進するため、働きやすく快適な職場づくりや様々な施策により会社と従業員との信頼関係を構築することで従業員エンゲージメントを向上させ、従業員自ら挑戦できる風土への変革を進めています。さらには日常業務の改善に全従業員が取り組む改善活動の実施、オンラインビジネスプログラムの導入など、自らがスキルアップを実感できる教育・育成を実施しています。 ⑩ 情報セキュリティ太平洋工業グループは、生産管理などの管理業務、会計システム、社内外の情報伝達などにITを活用しています。クラウドサービスの利用増加やデジタルトランスフォーメーションの進展によりIT活用の重要性が高まる中、悪意あるサイバー攻撃や過失によるシステムダウンなどの危険が増大しています。このようなリスクの完全な排除は困難であり、情報システムの障害発生による事業活動の一時的な中断や情報漏洩による信用低下が、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループは、外部専門家によるセキュリティ監視の強化、従業員への啓発・教育によるITリテラシーの向上、バックアップ環境の強化などに取り組んでおり、有事に備えた生産継続体制を構築し、仕入先とともにセキュリティ対策を継続的に推進しています。 ⑪ 知的財産管理太平洋工業グループでは、独自性、先進性を有する技術を駆使した高付加価値製品の開発に取り組み、多くの知的財産権を有しています。これら知的財産権が侵害され、または第三者から思いがけない権利侵害の指摘を受けるなど、適切な知的財産管理が行われない場合、経済的損失や信頼失墜など、太平洋工業の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、太平洋工業製品に使用される独自性、先進性を有する技術を特許出願により確実に保護するとともに、他社による権利侵害が持続しないような対策を講じています。また、技術開発・製品設計プロセスの各段階で知的財産権に関する調査を行い、他社の権利を侵害しないよう努めています。さらに、知財戦略として新価値創造に資する効果的な知財を生み出すべく、知財分析・人財育成・体制整備を進め、グループ全体の知財マネジメント力強化を図っています。これらの取り組みが一体となり、高付加価値で社会に資する事業成長を推し進めていきます。 ⑫ 為替・金利太平洋工業グループは、為替レートおよび金利の変動により、太平洋工業グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に為替レート変動により、外貨建取引による売上高・原価、資産・負債およびキャッシュ・フローならびに連結財務諸表における売上高・原価、資産・負債の現地通貨の円換算額の二つの側面で影響を受ける可能性があります。太平洋工業グループでは、為替レート変動の影響を軽減するため、米ドル、ユーロ等の主要通貨では為替予約を中心としたリスク管理を行っています。また、グループ間決済の一部について、同一通貨で入金と支払いの相殺を行っています。 ⑬ 災害などの影響太平洋工業グループでは、過去の被災経験やハザードマップなどから、国内外の各拠点にて、大規模地震、集中豪雨・河川氾濫等の風水害、火災・爆発等の事故、感染症の蔓延など、人的・物的被害が生じることにより、国内外のサプライチェーンや太平洋工業グループの事業活動の停止・停滞などのおそれがあり、太平洋工業グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループでは、災害の発生に備え、人命第一・地域復興・早期復旧を柱とするBCPや従業員の行動ガイドラインを策定し、建屋・設備の耐震対策、社員安否確認システムの導入、定期的な防災訓練の実施、応急手当普及員の増員、法令および日常的な防火点検・対策の実施、感染症対策など有事を想定した対策を講じています。また一極生産のリスクを回避するため、生産拠点の分散化や各拠点間で設備・生産方法の互換性を担保し、代替生産が可能な体制を構築するなど安定的な供給の確保に取り組んでいます。 ⑭ 気候変動による影響太平洋工業グループは、気候変動によるリスクと機会に関する取り組みを最重要課題の一つとして認識しています。脱炭素社会への移行リスクとして、市場・顧客ニーズの変化、EUをはじめとする国内外の気候関連法令に関する要請に適切に対処できないことで、競争力や企業価値の低下を招くおそれがあります。また、物理リスクとして、局地的豪雨や洪水、水不足や干ばつなど異常気象の深刻化により、工場の操業停止やサプライチェーンが分断されたり、猛暑日の増加等が従業員のパフォーマンスに影響を及ぼし生産能力の低下や製品供給の遅延が発生する可能性があります。太平洋工業グループは、「PACIFIC環境チャレンジ2050」を策定し、スコープ1、2のCO2排出量を2019年度比で、2050年にネットゼロに、2030年に50%削減する目標を掲げ、自社開発のエネルギー使用量の見える化システム「エネグラフ」を活用した省エネ活動の推進、再生可能エネルギーの積極導入、設備投資判断へのインターナルカーボンプライシング導入による設備の高効率化など、継続的にCO2削減活動に取り組んでいます。また、シナリオ分析も踏まえ、リスクと機会を明確にし、活動内容の開示を行っています。適応策として、生産拠点の分散、複社調達、風水害や落雷対策のBCPへの組み込み、サプライヤー研修、熱中症対策などを進めています。 ⑮ 人権太平洋工業グループは、労働安全衛生、強制労働、児童労働、差別・ハラスメント、労働時間、製品の安全等の人権課題を重要なリスクとして認識しています。これらの人権課題に対し、バリューチェーンを通じて適切な行動がとられていないと、顧客との取引停止や行政罰、社会的信用の失墜につながり、太平洋工業グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。太平洋工業グループは、マテリアリティを人財戦略に組み込みつつ、従業員の安全確保や心理的安全性をベースとした誰もが働きやすい職場づくり、さらには製品の品質や安全性の確保に努めています。さらには、「国際人権章典」や「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」などの国際規範に沿った「太平洋工業グループ人権方針」に基づき、サプライチェーンも含めた人権の尊重に努めています。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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