河西工業(7256)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】河西工業グループは、当連結会計年度末現在、河西工業、子会社15社、関連会社4社で構成され、自動車内装部品の製造販売を主な事業内容としております。河西工業グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。 (日本)日本においては、子会社である河西工業ジャパン㈱は河西工業からの部品等の支給を受けて製造しており、そのほとんどを河西工業を通して得意先に納入しております。エスケイ工業㈱は自動車用天井素材の製造を行う関連会社であります。河西テクノ㈱は自動車内装部品設計開発子会社であり、河西サポートサービス㈱はグループ各社のための保険代理業や業務請負等を行っております。 (北米)北米においては、米国のKASAI NORTH AMERICA, INC.は自動車内装部品を製造し、NISSAN NORTH AMERICA, INC.、Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda Manufacturing of Alabama, LLC、Honda Manufacturing of Indiana, LLC、Subaru of Indiana Automotive, Inc.、Toyota Motor Manufacturing, Indiana, Inc.、Toyota Motor Manufacturing, Mississippi, Inc.、Volkswagen Group of America Chattanooga Operations, LLC、General Motors Corporation等向けに販売しております。メキシコのKASAI MEXICANA S.A. DE C.V.は、NISSAN MEXICANA,S.A. de C.V.、Cooperation Manufacturing Plant Aguascalientes、Honda de Mexico S.A. de C.V.、Mazda de Mexico Vehicle Operation S.A. de C.V.、Toyota Motor Manufacturing, Indiana, Inc.、Toyota Motor Manufacturing, Mississippi, Inc.等向けに製造販売しております。 (欧州)欧州においては、英国のKASAI UK LTDは、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、JAGUAR LAND ROVER AUTOMOTIVE PLC向けに製造販売しております。インドのKASAI INDIA(CHENNAI)PRIVATE LTD.は、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limited向けに製造販売をしております。 なお、VOLKSWAGEN AG、DAIMLER AG、BMW AG向けに製造販売しておりましたKasai (Germany) GmbHの全株式を2025年3月31日付で売却しております。 (アジア)アジアにおいては、中国の広州河西汽車内飾件㈲は、東風日産乗用車公司、本田汽車用品(広東)㈲等向けに製造販売しております。開封河西汽車飾件㈲は、同国において自動車内装部品の製造を行っております。また、東風河西(大連)汽車飾件系統㈲は、東風日産大連工場向けに製造販売しております。東風河西(武漢)頂飾系統㈲は、東風本田汽車有限公司向けに製造販売しております。武漢河達汽車飾件㈲は、同国において自動車内装部品の製造販売拠点であります。東風河西(襄陽)汽車飾件系統㈲は、東風日産襄陽工場向けに製造販売している河西工業の関連会社であります。台湾の穎西工業股份㈲は、台湾裕隆汽車製造股份㈲等向けに製造販売している河西工業の関連会社であります。タイのKASAI TECK SEE CO.,LTD.は、河西工業及びHonda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.及びNissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.等向けに製造販売をしております。インドネシアのPT. KASAI TECK SEE INDONESIAは、PT. Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesia、PT. Honda Prospect Motor等向けに製造販売しております。マレーシアのKASAI TECK SEE (MALAYSIA) SDN. BHD.は、自動車内装部品の製造を行う河西工業の関連会社であります。 事業系統図は次のとおりであります。(注) 1 ◎ は連結子会社、○ は持分法適用関連会社を示しております。 2 連結の範囲に含めております特別目的会社1社は、上記の表に含めておりません。
有価証券報告書(2025年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、河西工業グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針河西工業グループは、次の社訓、経営理念、経営方針及び行動指針を経営の基本方針として掲げ、企業活動を行っております。 <社訓>1.社会の信用を "Gain Trust from Society"2.企業の繁栄を "Seek Prosperity for Company"3.相互の幸福を "Share Happiness with Everybody" <経営理念>河西工業グループは、誠意と新しい技術の創造によって、価値ある商品、サービスをグローバルに提供し、顧客・株主・従業員をはじめ、全ての関わる人々の幸福を実現します。 河西工業グループは、過去数年間で毀損した経営基盤を再構築するため、2027年度を最終年度とする中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration ("KTA")」を策定し、2025年4月28日に発表しました。 <目指す姿>河西工業グループは、不透明な事業環境の中、KTAにて以下の三領域を柱に、主要経営課題(収益・財務・ガバナンス)の解決に取り込むことにより、経営再建を果たし、成長軌道へのスタートラインに立つことを目指します。1. 北米事業構造改革を中心とした収益改善により2027年度営業利益4~5%2. キャッシュコンバージョンサイクルの改善によるフリーキャッシュフロー創出3. グローバル組織、グローバルプロセスの構築 また、河西工業の持続的な成長に向けて、新規事業創出とイノベーション開発投資へのシフト、及び人的資本経営を推進します。河西工業グループは、このKTAを着実に実行することにより、経営の再建と将来の成長への基盤を確かなものとし、企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 河西工業グループを取り巻く経営環境<企業構造>河西工業グループは、自動車分野を事業領域と位置づけ、研究開発・生産技術開発・営業活動を担っている河西工業を中心に、世界各国において製造・販売を行う各事業会社で構成されております。各事業会社は、それぞれの国において、得意先への納入体制を確立し、自律した形で事業運営を行っております。 <事業を行う市場の状況>河西工業グループの事業領域である自動車業界では、企業間の競争が世界規模でますます激しくなっております。原材料費やエネルギー価格の高止まり、人件費の上昇が続いており、市場の回復は依然として緩やかなものとなっております。さらに、地政学リスクの高まりや米国の関税政策の影響もあり、グローバルサプライチェーンに不確実性が増しております。また、電動化へのシフトは一時的には停滞しているものの、中長期的には技術革新と共に普及していく大きな流れは変わらないと思われ、各メーカーは新型電動車の投入を進めております。このような経営環境の中、市場の回復は見通しにくい状況ではございますが、河西工業グループは経営再建を目指して、事業構造改革の取り組みを進めているところであります。 <主要製品・サービスの内容>河西工業の主力事業は、ドアトリム・ルーフトリムをはじめとする自動車内装トリムシステム部品の企画・開発・生産であります。河西工業は独立系部品メーカーとして、全自動車メーカー(OEM)に対しビジネスの門戸を拡げ、高級ブランド車から軽自動車、商用車に至る幅広い得意先ニーズにお応えするために、企画・開発・設計・実験、そして生産に至る一貫した体制で高品質、低コストの製品づくりを追求しております。 <顧客基盤>主得意先は、日本の自動車メーカーであります。自動車メーカー各社の海外現地生産に追従し、河西工業は1986年(昭和61年)の北米を皮切りに、積極的な海外展開を進めてまいりました。近年、飛躍的な成長を遂げている中国やアジア諸国においてもすでに供給体制を構築しており、全世界にネットワークを確立しております。製品の現地開発・生産を進めるとともに、非進出国における現地部品メーカーとの技術援助契約の締結、そしてこれらを統括管理するワールドワイドな経営の確立にも努め、グローバルな競争力強化を図っております。 <競争優位性>河西工業は内外装トリムシステムサプライヤーとして、キャビントリム・ラゲッジトリム・防音部品など取扱製品の性能向上に取り組むとともに、「快適な移動空間の創造」をありたい姿としてイノベーション開発ロードマップを策定し、未来を先取りする付加価値の高い製品づくりに取り組んでおります。河西工業は世界各地に生産拠点があり、それぞれの地域や得意先に対応するための開発機能を持っております。製品設計から制作までを一貫して行う開発体制と、お客様にご満足いただける製品を提供するためのグローバルに統一・強化された生産体制で、自動車内外装部品の新しい価値を創造する製品を提供してまいります。 <販売網>河西工業グループは高い技術力とともに、最高の品質と価格競争力をもった製品をグローバルに供給するために、国内はもとより、世界9か国に所在する子会社等を通じて販売網を確立しております。 (3) 会社の対処すべき課題河西工業グループは、販売先OEMの減産や生産の不安定化等の厳しい環境変化に直面した結果、2021年3月期以降は売上高が大幅に減少し固定費の負担も大きくなり、3期連続で大幅な営業損失を計上しましたが、2024年3月期に4期ぶりに営業利益を黒字化しました。しかしながら、2025年3月期は、北米地域では依然として赤字が継続していることから、営業赤字となりました。これが今後の課題となっています。今後の見通しにつきましては、足元では米国における関税政策、為替変動、原材料・エネルギー価格の高止まりや賃金上昇の影響等により、厳しい外部環境が継続すると予想されます。このような経営環境下、グループの収益力向上及び財務体質の改善・強化を図り、安定した経営基盤を築くべく、 北米地域を中心とした事業改革の継続や不採算事業の撤退等も含めた拠点再編などの抜本的な経営再建策を策定し、実行に取組んでおります。その結果、足元では着実に諸施策の効果が発現し、業績の改善が進んでおります。経営体制につきましても、2024年11月1日に日産自動車株式会社を割当先とする第三者割当の方法による優先株式の発行(以下、「本第三者割当増資」といいます。)に係る払込みが完了し、日産自動車株式会社が指名する者2名が河西工業取締役に就任しております。このうち1名は河西工業の代表取締役社長 社長役員に、他の1名は、製造部門、北米地域統括を担当する取締役 副社長役員に就任しております。2025年4月に公表した中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration」(以下「KTA」)の策定を主導するなど、経営再建に向けた新たな体制をスタートしております。新経営体制の下、事業構造改革への取組みを更に加速し、経営再建の早期達成に邁進していく所存でございます。なお、2026年3月期の連結業績予想を以下のとおり見込んでおります。為替レートにつきましては、1米ドル150円を想定しております。 (連結業績予想)売上高 200,000百万円営業利益 3,500百万円経常利益1,500百万円親会社株主に帰属する当期純損失(△)△2,000百万円
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において河西工業グループが判断したものであります。 (1)経済状況等河西工業グループの連結売上高は、今日までの積極的な海外展開と得意先の海外生産のシフトにより、その海外売上比率は76.1%と高い水準にあります。したがって、河西工業グループの自動車関連製品の需要は、進出先の国及び地域の経済状況の影響を受けます。特に北米地域の売上高は53.4%と連結売上高に占める割合が高く、同地域の自動車市場の景気動向と需要変動が、河西工業グループの経営成績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。河西工業グループでは、北米地域のほか、欧州、アジア地域、を含めたバランスの取れた経営体制を目指してまいります。 (2)グローバル展開河西工業グループは、前述のとおり海外売上比率は76.1%と高い水準にあります。そのため、海外生産拠点に予期しない政治・経済の不安定化、法律又は税制の変更、或いはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等により事業の遂行に問題が生じる可能性があり、河西工業グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特定の取引先への依存河西工業グループの現在の主な販売先は、日産自動車㈱グループと本田技研工業㈱グループであり、当連結会計年度における連結売上高に占める割合は71.7%となっております。河西工業グループは、両社の自動車販売動向が、河西工業グループの経営成績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。河西工業グループでは、両グループとの取引関係を維持発展させつつ、販売先の多様化を推進し、安定した事業運営を目指してまいります。 (4)為替レートの変動河西工業グループの連結売上高に占める海外売上高比率は、当連結会計年度で76.1%(前連結会計年度72.7%)となっており、為替相場の影響を受けやすい状況になっております。河西工業グループの想定を超えた為替レートの変動が生じた場合には、河西工業グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。河西工業グループの想定を超えた為替レートの変動に備え、各地域において現地通貨による取引・決済等を進めてまいります。 (5)製品の欠陥・品質河西工業グループは、予期せぬ製品の欠陥や品質面の不備が発生した場合、その欠陥や不備の内容によっては多額のコストが発生したり、河西工業グループの評価が低下したりすることにより、河西工業グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。河西工業グループでは、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格(IATF16949)を国内・海外拠点において取得し、グローバルで品質保証体制の強化に努めております。このシステムを継続的に実践し、製品品質の安定と向上を図るために、マネジメントシステムの定期的な監査と経営層による診断を実施しております。 (6)原材料等の供給不足・供給価格の高騰河西工業グループの事業にとっては、十分な品質の原材料、部品、サービス等を調達することが不可欠であります。しかし、供給業者での不慮の事故、震災などにより供給が中断した場合や不安定となった場合、河西工業グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、河西工業グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定しておりますが、原油価格上昇等により原材料・部品価格が高騰する可能性があり、この場合には河西工業グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。河西工業グループにおきましては、不測の事態に備え、複数の供給網を構築し、原材料等の供給不足への対策を講じております。 (7)自然災害等河西工業グループの生産拠点において、大規模な地震、台風による水害、昨今の気候変動による洪水・大寒波などの自然災害、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック等は、経済活動に大きな影響を及ぼしております。これら異常事態が発生した場合、一時的な操業停止や減産対応、サプライチェーンへの影響による製品部材等の調達遅延や価格高騰、経済活動の停滞による製品やサービスの受注・売上の減少など、河西工業グループの経営成績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。 (8)情報セキュリティ河西工業グループは、製品の開発、生産、販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しております。これらの情報技術やネットワーク、システムには安全な対策が施されておりますが、サイバーテロ、不正アクセス、コンピューターウイルスへの感染等により、情報システム障害による業務の停止、重要なデータの喪失、機密情報や個人情報の漏洩などが発生する可能性があります。この結果、河西工業グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。河西工業グループでは、一般的なセキュリティ対策とされる外部からの不正アクセスを防ぐファイヤーウォールの設置、リアルタイムでのウイルスチェックによる検疫、サーバーやネットワーク回線の冗長化に加えクラウドサービスの利用促進、サイバー攻撃を考慮したバックアップシステムの確立、生産系とOA系のネットワークの論理的分離の対策により不測の事態による業務停止リスク軽減など取引先への影響極小化に向けた各種の対策を講じております。 (9)価格競争河西工業グループの製品は、価格的、品質的、技術的に十分競争力を有していると考えておりますが、新たな競合先の台頭や、既存競合先による市場シェア拡大を目的とした低販売価格に対して、販売を維持、拡大し、収益性を保つことができなくなる可能性があります。この場合には、河西工業グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。河西工業グループでは、ユーザー及び自動車メーカー各社のニーズに積極的に応える新製品・新工法を提供するため、強力に研究開発を進め、競争力確保に努めてまいります。 (10)有利子負債依存度、支払利息の増加並びに財務制限条項への抵触河西工業グループは、設備投資、システム投資及び研究開発投資等のための資金調達を主に金融機関からの借入金に依存しており、当連結会計年度末現在における有利子負債依存度(有利子負債額/総資産額比率)は53.3%であります。適切な設備投資計画の策定や資産の効率化を図ることで、これ以上有利子負債依存度を高めないように取り組んでおります。しかしながら、現時点における有利子負債依存度は相当程度高く、今後有利子負債依存度がさらに増加した場合には、期待した金利・時期・金額での資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、市場金利の上昇から、今後借入金利の上昇等により支払利息が増加した場合には、河西工業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、河西工業グループの借入契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うため、ただちに河西工業の財務状況、キャッシュ・フロー、事業継続性等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 第90期2021年3月期第91期2022年3月期第92期2023年3月期第93期2024年3月期第94期2025年3月期総資産額 (百万円)145,327141,461148,500142,738144,831有利子負債額 (百万円)60,39371,12479,83574,17977,126有利子負債依存度 (%)41.650.353.852.053.3売上高 (百万円)152,755146,375175,430214,239218,801支払利息 (百万円)5505821,1851,9122,049支払利息/売上高 (%)0.40.40.70.90.9 (11)希薄化及び流動性に関するリスク河西工業は、2024年11月1日付で、第三者割当の方法により日産自動車株式会社(以下「日産自動車」といいます。)に対してA種優先株式を5,827,274株発行しました(以下「本第三者割当増資」といいます。)。A種優先株式には、発行後原則として1年経過後に行使可能な普通株式を対価とする取得請求権が付されており、A種優先株式の累積未払配当金相当額及び日割未払優先配当金額がいずれも存在しない前提でA種優先株式全てについて当初取得価額をもって河西工業普通株式に転換された場合、2025年3月31日現在の河西工業発行済株式総数に係る議決権の数を分母とする希薄化率は260.97%となります。したがって、A種優先株式の河西工業普通株式への転換に伴い、河西工業普通株式の1株当たりの株式価値及び持分割合が希薄化する可能性があり、また、A種優先株式の累積未払配当金相当額及び日割未払優先配当金額の増加に伴い希薄化規模は増加し、河西工業株価に悪影響を及ぼす可能性があります。また、全てのA種優先株式が一括して河西工業普通株式に転換された場合には、株式会社東京証券取引所がスタンダード市場の上場維持基準として定める流通株式比率25%以上の水準に抵触する可能性があります。また、この場合には、河西工業株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)大株主との関係に関するリスクA種優先株式には河西工業普通株式と同等の議決権が付されており、2025年3月31日現在の総議決権数に占める割合は13.05%となります。また、A種優先株式には普通株式を対価とする取得請求権が付されており、全てのA種優先株式が一括して普通株式に転換された場合には、河西工業の議決権の3分の2を超える議決権を有する支配株主となります。さらに、日産自動車との投資契約においては、河西工業の重要事項について日産自動車の事前の承諾を要することとされており、河西工業の意思決定に対し影響力を持つことになります。 また、日産自動車は、A種優先株式発行後2028年3月31日までは、原則としてA種優先株式(A種優先株式の取得請求権の行使により河西工業普通株式を取得した場合には、当該普通株式)を譲渡することができませんが、かかる譲渡制限期間経過後、日産自動車が河西工業株式の一部又は全部を売却する可能性があり、市場で売却した場合には、売却の規模等によっては、河西工業株式の需給関係及び市場価格に影響を与える可能性があります。 さらに、本第三者割当増資の実施を条件として、日産自動車から2名の取締役が派遣されております。河西工業は、日産自動車との人的関係を維持する方針ではありますが、何らかの要因により日産自動車の方針等の変更が生じ、人的関係が見直された場合には、河西工業の経営・事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。 (13)金銭を対価とする取得請求権に関するリスク当種優先株式においては年率7.0%の優先配当条項(複利、累積型)が定められており、当該配当が行われなかった場合には翌期に複利で累積することとなります。また、A種優先株式には、2028年4月1日以降行使可能な金銭を対価とする取得請求権が付されており、その対価の金額はA種優先株式の払込金額相当額並びにA種累積未払配当金相当額及びA種日割未払優先配当金額の合計額となります。したがって、A種優先株主が金銭を対価とする取得請求権を行使した場合、一括して上記の金銭の支払いを行う必要があり、河西工業グループの財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (14)継続企業の前提に関する重要事象等河西工業グループは、①当連結会計年度末において自己資本が低い水準に留まっていることから、収益力向上、財務体質の改善・強化、安定した経営基盤の構築及び安定的な資金繰りの確保を求められていること、②2023年度に策定した経営再建策に従い、当連結会計年度において営業利益48億円を見込んでおりましたが、北米事業は継続的な再建への取組みの遅延などの影響により経営再建策を大幅に下回り、2億89百万円の連結営業損失となったこと、③当連結会計年度の業績には販売先OEMによる支援も含まれていること、④下記のとおり各取引金融機関と締結しております借入契約における確約条項及び財務制限条項に抵触していることから現時点では依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。これに対して、河西工業グループでは当該事象又は状況を改善、解消すべく、当連結会計年度も引き続き、全社を挙げて以下の取組みを実行しております。 (1) グループの収益力向上① 取引先との販売価格・数量等の改定交渉、材料の市況変動による高騰や労務費高騰の販売価格への転嫁、生産現場における生産ロスの圧縮、人員体制の最適化等による人件費抑制の継続などの経営改革を断行し、グループ収益力の向上を引き続き取り組んでまいります。② 取引先との販売価格等の改定交渉は、着実に合意形成が図られており、グループ収益力の向上に取り組んでおります。③ 特に課題である北米拠点においては、上記取組みに加えて、主要販売先OEMのご協力による生産現場改善や、間接部門における早期退職の実施、並びに事務のメキシコへの集約によるコストダウンなどの経営改革を着実に実行しております。④ 米国関税の影響に関しては、販売先OEM等との交渉を通じて、利益圧迫を最小限にすべく取り組んでおります。⑤ 欧州拠点においても、拠点再編・不採算事業の撤退による収益改善施策を実行しております。 (2) 財務体質の改善・強化と安定した経営基盤の構築① 河西工業グループの安定的な事業運営の継続、自己資本の充実による財務体質の改善・強化及び経営再建を確実とするための抜本的な構造改革施策の実施に必要な資金を確保することを目的とした、第三者割当増資による総額60億円の資金調達(以下、「本第三者割当増資」)が2024年11月1日に完了しております。② 2024年11月1日に本第三者割当増資に係る払込みが完了したことで、古川幸二が河西工業の代表取締役社長 社長役員に新たに就任し、稲津茂樹が河西工業の取締役 副社長役員に新たに就任しております。2025年4月に公表した中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration」の策定を主導するなど、経営再建に向けた新たな体制をスタートしております。 (3) 安定的な資金繰りの確保① 2024年11月1日に株式会社りそな銀行との間の、2024年5月9日付劣後特約付準金銭消費貸借契約書に基づく、デットデットスワップ(以下、「本DDS」といいます。)の効力が生じております。本DDSは、河西工業の既存借入金(総額約176億円)の一部(総額60億円)について2033年3月31日を返済期限とする資本性劣後ローンへ転換するものであり、河西工業の資金繰りの安定化に大きく寄与するものです。② 河西工業は2022年5月26日に締結したシンジケートローン契約について、2024年10月23日付で変更契約を締結し、これにより最終返済期限を2028年3月31日に変更しており、短期的な債務返済に関する懸念は解消されています。 ③ 河西工業は2022年9月30日に締結したコミットメントライン契約について、2024年10月23日付で変更契約を締結し、コミットメント期日を2028年3月31日に変更すると共に、2024年11月1日より貸出コミットメントの総額を55億円に増額しております。④ 河西工業は2024年10月23日付で全取引金融機関との間で、「債権者間協定書」を締結しており、新たな財務制限条項を設定すると共に、同「債権者間協定書」において定められた新たな弁済条件に基づく金銭消費貸借契約書を併せて締結しております。⑤ 上記に加えて、投資案件の厳選及び抑制等を図るとともに、グループ収益力の向上による営業キャッシュ・フローの獲得により、事業及び運転資金需要の抑制に努めてまいります。 しかしながら、現在進めている経営再建策の進捗のみならず、主要販売先の生産台数の動向による売上減少要因や原材料等の供給価格の高騰によるコスト増加要因などの外部環境の急激な変化により河西工業の業績に影響を及ぼす可能性があることから、計画している業績の回復が早期に達成できない可能性があります。さらに、河西工業は2025年3月期有価証券報告書の提出が法定期限内に行えなかったことにより、各取引金融機関と締結しております借入契約における確約条項に抵触していることに加え、当連結会計年度において営業赤字となったことにより借入契約の財務制限条項に抵触しております。この結果、当該契約に基づき、金融機関からの請求により期限の利益を喪失する事由に該当する可能性があります。現時点において、金融機関からの期限の利益喪失に関する請求は受けておりませんが、河西工業としては、金融機関と協議を進めており、有価証券報告書提出遅延の原因となった事象の解消及び再発防止策の策定・実施を講じること及び、グループの収益力向上へのさらなる取組みを実施することにより、期限の利益喪失請求等の権利を放棄いただくことに理解を得られるよう努めております。これらの取組みに対して金融機関の理解が得られず、期限の利益を喪失する事態となった場合には、河西工業の財務状況、キャッシュ・フロー、事業継続性等に重大な影響を及ぼす可能性があります。上記のとおり各金融機関に期限の利益喪失請求等の権利を放棄いただくことが確定していないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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