当グループは、テイ・エステック及び国内外50社の関係会社により構成され、セグメント別には、日本、米州、中国、アジア・欧州の4地域からなっています。また、その他の関係会社である本田技研工業株式会社とは、事業上、継続的で緊密な関係にあります。
当グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。
(日本)
主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。
<主な関係会社>
テイ・エステック、九州テイ・エス株式会社、サン化学工業株式会社、テイ・エス パーツ アンド サービス株式会社、株式会社テイ・エス ロジスティクス、株式会社ホンダカーズ埼玉北、株式会社今仙電機製作所
2024年4月1日付で、連結子会社である総和産業株式会社を存続会社、連結子会社である株式会社テック東栄を消滅会社とする吸収合併を行い、同日付で存続会社である総和産業株式会社は、テイ・エス パーツ アンド サービス株式会社に商号変更しました。また、2025年4月1日付で、連結子会社であるテイ・エス パーツ アンド サービス株式会社を存続会社、連結子会社であるサン化学工業株式会社を消滅会社とする吸収合併を行っております。
(米州)
主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。
<主な関係会社>
TRI-CON INDUSTRIES, LTD.、TS TRIM INDUSTRIES INC.、TS TECH USA CORPORATION、TS TECH AMERICAS, INC.、TS TECH ALABAMA, LLC.、TRIMOLD LLC、TS TECH INDIANA, LLC、TST NA TRIM, LLC.、TSML INNOVATIONS, LLC、TS TECH CANADA INC.、TRIMONT MFG. INC.、INDUSTRIAS TRI-CON DE MEXICO, S.A. DE C.V.、TST MANUFACTURING DE MEXICO, S. DE R.L. DE C.V.、TS DE SAN PEDRO INDUSTRIES, S. DE R.L. DE C.V.、TS TECH DO BRASIL LTDA.、TS TRIM BRASIL S/A
(中国)
主に四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。
<主な関係会社>
広州提愛思汽車内飾系統有限公司、寧波提愛思汽車内飾有限公司、広州徳愛康紡績内飾製品有限公司、
武漢提愛思全興汽車零部件有限公司、TS TECH (HONG KONG) CO.,LTD.、広州広愛興汽車零部件有限公司
(アジア・欧州)
主に二輪車用シート及び樹脂部品等、四輪車用シート及び内装品等の製造販売等を行っています。
<主な関係会社>
TS TECH TRIM PHILIPPINES, INC.、PT. TS TECH INDONESIA、TS TECH (THAILAND) CO.,LTD.、TS TECH ASIAN CO.,LTD.、TS TECH (KABINBURI) CO.,LTD.、TS TECH SUN INDIA PRIVATE LIMITED、TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED、TS TECH (MANDAL) PRIVATE LIMITED、TS TECH Poland sp. z o.o.、LAGUNA TS LAND, INC.
テイ・エステックの連結子会社であったTS TECH Hungary Kft.の解散に伴い、当連結会計年度より連結の範囲から除外しています。
事業の系統図は、次のとおりです。
本項には将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。
(1) 経営基本方針
当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。
「人材重視」とは、「人こそ企業の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」をもって活き活きと働くことができる企業でありたいという私たちの想いを表しています。また、経営理念には、安全性のみならず、快適さや感動を与えられる製品を車室内空間(キャビン)全体で提供し、社会とともに持続的な成長を続けていくことで、全てのステークホルダーから「喜ばれる企業」であり続けるという強い意思が込められています。
経営理念はTSフィロソフィーとしてグループ全体に共有され、社員一人ひとりが実践していくことで、企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期経営計画
当グループはこれまで蓄積してきたシート・内装品に関する多岐にわたる技術を礎に、変化する事業環境の中でさらなる事業成長を遂げるため、安心・安全・快適なキャビンを提供できる企業へ変革すべく、2030年ビジョンに「Innovative quality company - 新たな価値を創造し続ける -」を掲げています。
このビジョンの実現に向け新たに始まった第15次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期、以下「第15次中期」)は、「ESG経営の実現」を経営方針とし、「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」からなる重点戦略をもって、一層の事業成長と資本効率の向上に取り組んでいます。
第15次中期の初年度となった2024年3月期は、中国市場での日系自動車メーカーの販売不振による生産台数の減少や原材料価格の高騰、労務費の上昇など、自動車業界全体が大変厳しい事業環境を強いられ、先行きの不透明感は依然として残っています。
しかしながら、そのような状況に甘んじることなく、さらなる事業成長に向け、高効率な生産体制の構築に向けたシート組み立てラインの自動化、国内外の生産拠点の再編など、将来の成長につながる投資を着実に推進しています。また、今後も未来の車室内空間を見据えた次世代技術開発をはじめ、新事業拡大に向けた生産体制整備、アライアンス活用など、成長に不可欠な領域へは経営資源を惜しまず投入していきます。
(3) 対処すべき課題(重点取り組み)
① 成長戦略
1) キャビンコーディネート機能の獲得
EV化や自動運転技術の進化など、自動車業界は劇的なスピードでビジネスモデルが変わり、事業環境の変化は加速度的に進んでいます。これをビジネスチャンスとし、さらなる事業成長を遂げるため、異業種企業との連携を図りながら、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対して新たな価値を提案できる企業への変革を加速させます。
次世代自動車を想定した車室内での過ごし方の研究や、スタートアップ企業との共同開発、若手社員の自由な発想を活かし、自分たちの殻を破った提案を目指すプロジェクトなどにより、新技術の創出に取り組みます。生み出した技術はいち早く市場へ送り出すべく、お客さまとの先行開発を通じ、量産車への採用を図っていきます。
2) 新事業のさらなる拡大
当グループは本田技研工業グループ(以下、ホンダ)を主要客先として、着実な成長を遂げてきました。しかしながら、外部環境変化による収益減少リスクを減らすとともに、さらなる事業成長を遂げるためには、新たなお客さまの獲得とその商権拡大が急務です。
インドにおいては、四輪車用シート事業の受注拡大に対応した生産体制構築のため、新工場の建設を進めており、インド市場における一層の事業拡大を目指します。また、その他地域においても、全世界のお客さまをターゲットとし、各機種のモデルチェンジタイミングを見据えた戦略的な営業活動を展開していきます。お客さまごとのニーズを的確に捉えた開発・営業活動によりさらなる拡販を図っていきます。
3) 主要客先シェア向上
新規顧客・新商権の獲得を図る一方、当グループにとってホンダビジネスは最も重要な事業基盤であることに変わりはなく、第15次中期もホンダビジネスのさらなる拡大を目指し、ホンダ向け四輪車用シートシェア向上を図っていきます。
シェア向上には、既存商権の確実な受注と新商権による拡販が不可欠です。激変する自動車業界の環境下においても、開発初期段階からのお客さまとの魅力商品の共創、地域・機能本部連携や地域特性を活かした受注活動により、一層のシェア向上を目指します。
② 地域戦略
1) 北米収益体質のV字回復
米州地域では、その市場の大きさからグループ一の売上収益を計上する一方、変則生産を受けた労務費や生産ロスの増加、原材料価格の高騰など、さまざまな要因から収益性に課題を残しています。これらを払拭し、生産工程の自動化や生産変動に柔軟に対応できる自動立体倉庫システムなどの設備投資、生産アロケーション最適化、調達構造の再編といった徹底した原価低減に取り組み、高収益体質へのV字回復を図ります。
2) 中国事業戦略の再構築
中国地域では、新興EVメーカーの勢力拡大により、日系自動車メーカーは、かつてないほどの苦戦を強いられ、非常に厳しい事業環境となっています。そのような中でも、当グループの収益性を支えるべく、生産の自動化推進や現地ローカルサプライヤーの採用拡大など調達体制の見直しによって、収益の維持・向上を図ります。また、新たな企業とのパートナーシップ構築による新規顧客・新商圏の獲得にも取り組むことで、競争が激化する中国市場での勝ち残りを目指します。
3) 欧州新事業の戦略的拡大
「新事業のさらなる拡大」に向け、本格稼働を開始したポーランド四輪車用シート生産会社は、その立地を活かし、周囲に点在する欧州自動車メーカーへ向け価格競争力のある製品供給を可能とします。日本の各機能本部とドイツ営業・開発拠点が連携を図り、これらの利点を活かした欧州自動車メーカーへの積極的な営業活動により、新規顧客・新商権を獲得していくことで、より一層の拡販を目指します。
③ 機能戦略
1) サプライチェーンの再構築
EV化に伴う利益構造の変化や新興メーカーの台頭など、自動車業界を取り巻く環境は大きく変化しており、新規商権獲得に向けては、コスト競争力のある部品を安定的に供給できるサプライチェーンの確立が急務です。そのため、複雑化した工程系列のスリム化や現地ローカルサプライヤーの採用拡大などによる原価低減に取り組み、安定性と収益性を兼ね揃えたサプライチェーンの構築を目指します。
2) 環境技術開発の推進強化
これからの事業成長には環境負荷を回避・低減する“環境技術”が重要となります。軽量化技術はもとより、従来より取り組んでいるサステナブルマテリアル※への置き換えを見据えた、製品適用技術開発をより一層推進します。リサイクル材やバイオマス材料の活用、スクラップ鉄を使った電炉鋼材加工技術の確立、部品点数が少ない製品構造の実現など、開発・製造の両面から取り組み、環境技術をいち早く製品として世に送り出すことで、一層の事業成長と持続可能な社会への貢献に努めます。
※継続的に利用可能な資源から得られ、ライフサイクル全体で環境への影響が小さい原材料
3) 高効率生産体制の構築
他社を凌駕する高効率な生産体制の構築に向け、徹底した生産や検査工程の自動化を推進しています。埼玉工場内に製造技術と量産性の実証検証を可能とする新たな技術棟の建設を進めており、製造技術開発を一層加速させ、日本拠点がマザーとなり、生み出す製造技術をグループ生産拠点へと発信していきます。
併せて、さらなる部品競争力の強化と収益性向上を目的とし、かねてより推進してきた国内外の生産拠点再編は、計画通りに進んでおり、再編完了に向けて着実に取り組んでいきます。
また、サステナビリティへの取り組みとして、省エネ技術活用による電力使用量削減や環境負荷を低減する生産技術の導入を図り、持続可能な“モノづくり”へと進化させていきます。
④ 資本効率の向上
当グループは、盤石な財務基盤を持つ一方、積み上げた資本をいかに効率的に活用していくかが重要な課題であると捉えています。財務安全性は維持しつつ、資本構成を改善し、キャッシュをより有益な資産へアロケーションしていくべく、重点戦略に基づく積極的な成長投資を行っていきます。
また、第15次中期は、株主還元方針として「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施」を基本方針と新たに定め、配当と自己株式に関する具体的な指標をもって一層の株主還元を行います。尚、2024年5月10日に150億円を上限とする自己株式の取得を公表しています。
今後も、成長投資による持続的成長と株主還元の拡充により、資本効率の向上へとつなげていきます。
⑤ サステナビリティ取り組みの強化
当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業活動を通じて社会課題に取り組んでいくことが不可欠です。
持続可能な社会の実現に向けて「当グループ」と「ステークホルダー」にとっての重要性の両軸から、優先的に取り組んでいくべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、中長期的な視点で目標設定しています。第15次中期はマテリアリティへの取り組みをさらに加速し、企業価値向上と持続的な成長を実現していきます。特定したマテリアリティおよびKPIについては、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略および指標と目標」に記載のとおりです。
当グループでは、リスク管理の統括責任者として、取締役よりリスクマネジメントオフィサーを選任するとともに、経営会議の諮問機関として「グローバルリスク管理委員会」を設置し、事業を運営する上で顕在化する可能性のある、あらゆるリスクの抽出・評価・予防活動に取り組んでいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、別途記載がない限り、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。
(1) 製品製造・販売に関するリスク
① 本田技研工業株式会社及びそのグループ会社に対する販売依存度について
当グループの連結売上収益に占める本田技研工業株式会社及び同社関係会社(以下、同社グループ)に対する比率は87.9%(同社グループの取引先への売上収益を含めた最終販売先が同社グループとなる売上収益の比率は91.2%)に達しています。従って、同社グループの事業戦略や購買方針の変更、同社グループにおける生産調整、特定車種の生産拠点移管、生産拠点再編成、当グループの製品を採用した車種の販売開始時期の変更や販売動向、同社グループ及び同社グループ取引先におけるリコールやその他重大な問題による販売動向への影響等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、魅力商品創出による顧客満足度の向上や、開発初期段階からの同社グループとの商品共創を通じ、同社グループ向けビジネスの維持・拡大を図るとともに、当該リスクの低減とさらなる事業成長に向け、同社グループ以外の顧客獲得に向けて設立された新事業統括本部の指揮の下、全世界のお客さまをターゲットとした戦略的な営業活動を展開し、新規顧客の獲得及び新規商権拡大に努めています。
② 競合の状況について
新たな競合先の台頭や既存競合先の競争力向上により、市場におけるシェアが低下する可能性があります。
当グループは、あらゆる面での競争力向上施策に加え、キャビン全体をコーディネートし、顧客に新たな価値を提案できる企業を目指し、次世代技術開発をはじめ、独自技術のさらなる進化とともに、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との連携によって、顧客の潜在ニーズを引き出す魅力ある商品の開発・新規顧客の獲得に取り組んでいます。
③ 購買取引先の信用リスクについて
当グループは、主力製品の構造上、数多くの取引先から原材料・部品を調達しており、取引先における財務状況の悪化や経営破綻等が発生した場合には、サプライチェーンが寸断され、製品製造に遅れや停止が生じる可能性があります。
当該リスクに対しては、取引先の経営状態について定期的に確認を行い、取引先とともに財務体質の強化に取り組むほか、特定の取引先への依存度が高い部品を把握し、有事の代替策をあらかじめ策定しておく等、リスクの最小化に努めています。
④ 製品の欠陥への対応について
当グループは、自動車部品の中でも乗員の身体に直接触れ、かつ保護する役割を持つ安全上重要な部品を製造しており、リコール等が発生した場合には、多額の賠償費用、製品保証引当金の計上や信用の低下等が発生する可能性があります。
当グループは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001/IATF16949等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。
⑤ 災害・事故・感染症・戦争・ストライキ等による事業活動への影響について
当グループの所在地において、大規模な地震等の自然災害及び感染症、戦争、テロ、ストライキ等により、物的、人的被害及びインフラの遮断等、操業を中断する事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、各社で事業中断リスクの評価を行い、高リスク事象に対しては、事業の早期復旧を図るための対応手順書の整備や訓練に取り組んでいます。また、当該リスクが顕在化した場合に備え、継続的な事業を行うために留保すべき運転資金が定められた「安全資金ガイドライン」をグループ全体に適用する等、有事でも円滑な事業運営と雇用維持を可能とする資金管理体制の構築に努めています。
なお、ウクライナをめぐる情勢悪化による影響範囲が拡大した場合等には円滑な事業運営が困難となることも予測され、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国際情勢や経済動向等の外部経営環境に関するリスク
① 市場環境の変化について
当グループは、日本、中国、その他のアジア地域、北米、南米、欧州において事業を展開しています。これらの国々における経済の低迷や、自動車市場構造の変化、物価等の動向による消費者の購買意欲の低下は、二輪車及び四輪車等の販売減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、顧客の多様化を図るとともに、開発効率の向上、生産の自動化、管理体制の強化等、あらゆる角度から効率性の向上、原価低減に努めることで高収益体質づくりに取り組んでいます。
② 原材料や調達部品の市況変動等の影響について
当グループの主要製品である四輪車用シートは、鋼材、樹脂材、ウレタン、表皮材等の原材料及び、機構部品等の調達部品で構成されており、これらを取り巻く規制の変化、調達先の減産、価格の市況変動等に起因して、テイ・エステックが対応または吸収できない原材料や半導体等の調達部品の供給不足によるサプライチェーンの混乱、急激な価格上昇等が発生した場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、原材料や部品の調達において、供給元との基本取引契約をベースに安定的な調達に努めるとともに、市況変動影響を取引価格へ機動的に反映できる取引形態を採用しています。
③ 為替変動の影響について
当グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国間で部品相互補完等のために行う外貨建取引において、為替変動の影響を受けます。
当グループは、主要通貨間における為替予約等の為替ヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替相場の変動リスクを最小化しています。なお、当グループにとっての主要通貨はUSドル及び中国元であり、それらの平均為替レートは「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しています。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
① 知的財産権保護について
当グループは、自社が製造する製品に関連した技術とノウハウを蓄積してきましたが、将来にわたって知的財産権が有効に活用できない可能性があります。また、知的財産権が違法に侵害されることによって、当グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当グループの開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、中長期的視点の知的財産戦略に基づき、知的財産ごとに独占化やライセンス化等の判断を行い、ノウハウの流出防止や、事業及び収益の拡大に努めています。また、知的財産部門が他社製品の構造を解析し、テイ・エステックの知的財産権侵害がないかを随時確認するとともに、テイ・エステックが他社の知的財産権を侵害しないよう、製品・技術開発に際しては先行調査を実施する等、十分な注意を払っています。
② 訴訟等への対応について
当グループは、原材料・部品の調達や顧客への製品販売をはじめ、事業運営に必要な各種取引を行なっていますが、取引条件の疑義から発生する訴訟等の法的手続きにおいて、当グループの主張が認められなかった場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、事業に関連する法規の制定・改正情報のタイムリーな把握や対応に努めるとともに、契約締結時の審査体制の整備や、弁護士等の専門家との連携を通じ、問題の未然防止に努めています。
③ 国際的活動に潜在するリスクについて
当グループは、北米、南米、中国、その他のアジア地域、欧州に生産子会社を設立し、海外での事業展開に積極的に取り組んでおり、それらの拠点間における国際間取引は年々、複雑・多様化しています。予期しない法律・規制の制定及び変更、移転価格税制等における当局との見解相違、関税・輸出入規制の強化等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、テイ・エステックからグループ各社に重要な法規の制定・改正情報の配信を行なうとともに、グループ各社で現地関係機関からの積極的な情報収集に努め、変化への円滑な対応を図っています。また、移転価格税制においては、取引規模の大きい日米間のグループ内取引について、両国税務当局間であらかじめ当グループ内における取引価格の設定等を事前承認するAPA(事前確認制度)を活用しています。
④ 製品への法規制について
当グループは、事業を展開する各国において、自動車等に関する安全、環境等のさまざまな法的規制の適用を受けています。さらなる法的規制の強化または新たな規制の制定に際し、それらを遵守できなかった場合、当グループの事業活動を制限される可能性があります。また、これらの法的規制の強化または新たな規制の制定は、コスト増につながる可能性があります。
当グループは、常に自動車等に関連する最新の法規を把握し、これを遵守した事業活動を行っています。また、欧米を中心とする自動車の最新の法規動向を注視し、今後の法的規制にも対応が可能な開発体制を整えています。
(4)その他のリスク
① サステナビリティへの取り組みについて
当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業活動を通じて社会課題に取り組んでいくことが不可欠です。また、サステナビリティへの取り組みの遅れや誤った対応が発生した場合、地域社会との関係性悪化や投資家や市場からの信頼を損ない、当グループのレピュテーションが低下することにより、株価の下落やビジネスチャンスを逃す可能性があります。
当グループは、刻々と変化する社会の期待に応えながら企業価値の最大化を図っていくために、ESGの観点で経営を行い、サステナビリティへの取り組みを通じ持続可能な社会の実現に貢献していきます。第15次中期は経営方針「ESG経営の実現」の下、当グループとステークホルダーにとっての重要性の両軸から、優先的に取り組んでいくべき課題を整理し特定した重要課題(マテリアリティ)及び2030年目標の達成に向けた諸施策への取り組みを加速させていきます。
② 情報漏洩リスクについて
当グループは技術情報や従業員の個人情報、顧客から受け取ったさまざまな重要情報を保有しています。予期せぬ事態により機密情報の滅失、改ざんもしくは社外への漏洩が発生した場合には、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、損害賠償責任等が発生する可能性があります。
当グループは、これらの情報が外部へ流出することを防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムやネットワーク監視体制の強化に取り組んでいます。また、各顧客からのセキュリティ要件を踏まえた環境整備や、対象拠点においてはTISAX(Trusted Information Security Assessment Exchange)※の認証を取得する等、情報管理の徹底に努めています。
※自動車業界向けの情報セキュリティ基準であり、VDA(ドイツ自動車工業会:Verband der Automobilindustrie)が策定した、VDA情報セキュリティ評価基準(VDA ISA)に基づき、認証機関の審査を受ける制度。
③ 退職給付債務について
当グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等の前提条件に基づいて算出しています。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更となった場合は、当グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、従業員の年金資産運用に際しては、適宜外部専門家の意見を得るほか、審議会等の機関を設置する等、各社で適切かつ慎重な審議を経て行っています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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