FPパートナーは、個人及び法人顧客向けにファイナンシャルプランニングを行う保険代理業を主たる業務としており、保険代理業の単一セグメントです。
保険代理業として、生命保険会社、損害保険会社合計43社の商品を個人及び法人顧客に販売しており、対面やオンラインによる保険加入時の相談・商品説明・契約手続きからアフターフォローに対応いたします。
FPパートナーは「マネードクター」のブランド名で全国に拠点を展開し、主に訪問型営業を軸に、顧客へファイナンシャルプランニングサービスを提供しております。顧客との密接なコミュニケーションを通じて、一人ひとりのライフプランに応じたコンサルティングを行い、最適なアドバイスの提供に努めております。
FPパートナーの最大の特徴は、集客と販売の分業体制を確立している点です。会社として顧客開拓を組織的に行う仕組みを構築しているため、営業社員の個人スキルに左右されず、安定的かつ継続的な顧客獲得が可能です。これにより、営業社員が顧客へのファイナンシャルプランニングに専念できる体制となっています。
見込み顧客に対しては、ライフプラン表等を活用し、家計のキャッシュフロー改善や老後資金の準備に役立つご提案を行います。また、資産形成や万が一の備えとして、保険商品の販売や投資信託等の金融商品の販売仲介も行っております。
「① 事業の特徴」に記載のとおり、FPパートナーでは会社が集客を担い、営業社員は初回面談からアフターフォローまでの顧客対応を担っております。専門的な知見を持つファイナンシャルプランナーによる顧客への価値提供を通じて保険販売を行い、代理店手数料収入を収益源とする事業モデルを採用しております。
a. 見込み顧客開拓
FPパートナーの集客方法は、自社集客と提携企業集客に大別されます。さらに、2021年11月期から開始した契約譲受ビジネスも、新たな集客方法として大きな成長を遂げ、FPパートナーの集客の柱の一つになっています。
ⅰ)提携企業集客:マーケットホルダー等の提携企業が、自社で保有する顧客からアポイントを獲得し、FPパートナーに送客する集客方法。
2025年11月期はFPパートナー集客の約8割を占めており、FPパートナー事業拡大の原動力となっています。
ⅱ)自社集客:FPパートナーサービスサイト経由での相談申込、マネードクタープレミア店舗等への来店顧客やFPパートナーコールセンターからの見込み顧客リストへの架電によるアポイント獲得等による集客方法。
マネードクタープレミア店舗は大型商業施設を中心に出店しており、ブランド認知向上の役割を持つとともに、自社集客の獲得に寄与しています。
ⅲ)契約譲受(注):体制整備コストの増加や代理店後継者不在問題等を背景に、廃業する保険代理店の顧客をFPパートナーが引き継ぐ仕組み。
担当者が不在となり、FPパートナーが引き継いだ顧客に、ファイナンシャルプランニングの提供や適切なアフターフォローを行い、金融商品の追加販売の機会を創出しております。これにより、集客と同様の効果が得られています。
(注)譲渡代理店からFPパートナーに移管された契約は、FPパートナーの営業社員が新しい担当者として適切な保全業務を行います。また、FPパートナーコールセンターから架電によるアポイント獲得を行う場合もあり、その場合は見込み顧客として自社集客に含まれます。
「ⅰ)提携企業集客」及び「ⅱ)自社集客」により獲得した面談アポイントは、営業社員が使用するセールス系一元管理システム(名称:Hyper Agent)へ自動連係され、顧客の希望日時や場所に対応可能な営業社員を即時に選出いたします。
その他に、既存顧客からのご紹介も新規契約の獲得に寄与しています。また、会社集客で得た見込み顧客も、その後の関係構築を通じて新たな顧客層へ広がり、結果として顧客基盤の拡大につながっています。
b. 販売体制
FPパートナーの主要顧客は、主に20代から40代のファミリー層により構成されています。相談内容は、家計のキャッシュフロー改善や老後資金の準備に関するファイナンシャルプランニングが中心です。そのため、資産形成や万が一に備える手段として保険商品等の提案を行っています。2024年1月のNISA制度改正以降、国の方針である「貯蓄から投資へ」という流れがさらに強まり、幅広い世代の顧客から資産形成に関するご相談が寄せられ、相談件数も増加傾向にあります。
FPパートナーでは、適切なファイナンシャルプランニングを行い、顧客に安心していただくため、営業社員にFP資格(注)の取得を推進しております。さらに、顧客に対して継続的なアフターフォローを実現するため、原則として地元人材を採用し、転勤のない地域密着型の勤務体制を整えております。
(注)CFP®資格・AFP資格(日本FP協会認定資格)及びファイナンシャル・プランニング技能検定1級・2級・3級を指します。
c. 顧客アプローチ
FPパートナーは、営業社員が顧客の指定する場所(自宅、カフェ、勤務先等)に訪問して相談を承る訪問販売型の営業を主軸としております。全国47都道府県に営業社員の所属拠点を設けており、全国へ訪問可能な営業網を整えております。また、「オンラインFP相談」も実施しており、気軽に保険相談をしたいという顧客ニーズにも対応しております。さらに、来店して相談したいというご要望にお応えするため、主要都市に「マネードクタープレミア」店舗を展開し、対応エリアの拡大に取り組んでおります。このように、顧客が希望する方法やタイミングでファイナンシャルプランニングを提供できる体制を構築しております。
顧客との面談においては、FPパートナー独自のファイナンシャルプランニングツール「マネーカルテ」を使用しております。これにより、顧客のライフイベントや一生涯のキャッシュフローを可視化し、より精度の高いファイナンシャルプランニングを可能としております。また、システムを活用することで、FPの経験や知識による差を抑制し、全国均一のサービス品質を実現しております。
FPパートナーの主たる収益は、生命保険会社との代理店委託契約に基づく代理店手数料であり、以下の3つに大別されます。
・初年度手数料:新規契約後の1年間に支払われる手数料。
・継続手数料:契約成立の翌年以降、4年から9年間、又は保険料収納が続く限り支払われる手数料。
・業務品質支援金:各保険会社の定める業務品質基準に基づき、主に体制整備のために支払われる支援金。
業績伸展により、フロー収益に相当する初年度手数料や業務品質支援金が増加します。一方、継続手数料は保有契約から発生するストック収益となるため、安定した収益基盤を支えています。
FPパートナーは営業品質向上や既存顧客へのアフターフォローにより保有契約の積み上げに努めてきました。今後もこの保有契約の拡大により、企業として安定した成長を続けてまいります。
単位:千円
(注)戻入とは、保険会社からの手数料受領後、早期に解約・失効等で契約が消滅した際に、受領した手数料の一部な
いしは全部を保険会社に返金することをいいます。
(注1)提携企業(保険代理店)とは、集客した見込み顧客の意向に基づき、FPパートナーと共同して保険募集を行う保険代理店をいいます。
(注2)提携企業(募集関連行為従事者)とは、見込み顧客を開拓し、見込み顧客情報をFPパートナーに提供する企業等をいいます。顧客開拓はFPパートナーが行うため、保険募集は行いません。
(注3)代理店手数料とは、初年度手数料、継続手数料、業務品質支援金、更新手数料(損害保険)の総称であり、継続手数料、業務品質支援金の対象とならない保険商品もあります。また、FPパートナーと共同して保険募集を行う保険代理店には、保険会社から業務割合に応じて分担された金額が支払われます。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、FPパートナーが判断したものであります。
FPパートナーは、「私たちは『本来あるべき保険業』を追求し、本気で取り組み、お客さまの大切な人生を保険で守り続けます。」という経営理念に基づき、営業社員が顧客に寄り添い、一生涯を保障で守り、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現することをめざしてまいります。
FPパートナーの主たる事業である生命保険業界を取り巻く環境においては、保険加入経路の選択肢として、複数会社商品を取り扱う乗合保険代理店の優位性が高まっております。
公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の加入チャネルは「生命保険会社の営業職員」からの加入比率は56.7%と高い水準ではあるものの、2012年の調査からは11.5%減少しております。一方で、「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入比率は15.7%を占めており、2012年の調査から8.8%増加いたしました。また、今後の「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入意向の比率も同様に2012年の調査から5.6%増加し、11.8%を占めていることから、依然として乗合保険代理店への期待が高いと考えられます。
顧客ニーズは、死亡保障のような万が一に備えるための商品から、長生きリスクを考慮し、老後生活に備えるための機能も併せ持った商品へと変化しております。また「貯蓄から投資へ」といった国策の流れを受け、比較的短期の資産形成に特化した商品の需要も高まっております。このような顧客ニーズの変化に合わせて保険会社の商品も多様化し、保障機能を備えた資産形成商品や、加入後も健康状態に応じて保険料割引等を受けられる健康増進型商品の販売が増加しております。
2024年は保険代理店業界においてもさまざまな変化や動きが見られ、規制およびコンプライアンスの強化、顧客情報の取り扱いや販売の透明性の確保に力を入れる必要が高まっています。
また、保険業界におけるDXはここ数年で急速に進んでおり、オンライン契約手続きやAIチャットボットの導入による相談強化といったフィンテックの活用等により、新たな顧客との接点創出及び顧客の利便性向上につながっています。
DXの取り組みにより、保険業界は業務の効率化だけでなく、顧客との関係性を強化し、より柔軟で迅速な対応が可能となります。今後も他業界含むテクノロジーの進化に伴い、保険業界のDXはさらに進化し、業務フローや顧客体験が大きく変化していくことが予想されます。
これらの動きに加え、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」の一環として、2023年11月29日に公布された「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に基づき、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年4月5日に設立されました。多くの人々が金融経済について学び、適切な金融行動を取れるようになることが期待されております。
FPパートナーは全国規模の伴走型ファイナンシャルプランニングという独自性を持って、顧客からお金に関するあらゆる相談を承り、その解決手段の提案を行います。従来の保険販売だけではなく、保険以外の金融商品やサービス提供をワンストップで行うことが、顧客利益の最大化につながると同時に、顧客の金融リテラシー向上の一翼を担うと考えており、以下に掲げる具体的施策を遂行してまいります。
本業である保険代理業の「営業基盤の強化」と派生分野への進出を含めた「事業領域の拡大」の2つをメインテーマとしており、その達成に向けて、2025年11月期においては、これまで取り組んできた「営業社員の増強」「契約譲受ビジネスの拡大」「マネードクタープレミアビジネスの拡大」「損害保険ビジネスの業績拡大」に加え「DX+教育」を基盤とした事業成長に取り組んでまいります。
上記の経営理念を実現するためには「営業社員数の増加」と「営業社員の質の向上」が重要であるという考えのもと、これまでも全国47都道府県でサービス提供ができる体制を築いてまいりました。
またFPパートナーでは、全ての営業社員がスキル向上を目指せる環境を整備しており、生命保険における優績者の証であるMDRT会員資格基準達成を指標の一つとしております。
2025年11月期においては、引き続き人材開発部を中心に、既存営業社員からのリファラル採用や各地域でのリクルートセミナー開催を推進してまいります。
また、後述の「⑤「DX+教育」を基盤とした事業成長」に記載の通り、DXの推進と教育・研修により、営業社員のスキルアップと業務効率改善を行い、質の向上を図ります。
契約譲受ビジネスは、廃業する保険代理店の顧客フォローが、FPパートナーにおいては顧客利益を確保しながらビジネス機会の創出につながると捉えております。ビジネス開始以降最大の成長となった2024年11月期の経験を活かし、2025年11月期はさらなる躍進をめざしてまいります。
保有契約譲渡を希望する代理店からは、FPパートナーの募集体制整備状況や全国営業拠点網の展開を理由に移管先として選定いただいております。それに加え、東証プライム市場上場企業による社会的信用力も評価いただいております。
契約移管による顧客の獲得は、その契約から生じる継続手数料だけでなく、移管顧客からの新たな新規契約の獲得にもつながります。あわせて、FPパートナーが強みとしているファイナンシャルプランニングの提供や金融商品提案を行うことで、顧客満足度の向上も期待できると考えております。今後は同業の乗合代理店や損害保険代理店、マーケットホルダー企業とのM&Aによる事業拡大に取り組むことで、本業の安定したオーガニック成長に加え、インオーガニックな成長が実現できると考えております。
FPパートナーは、訪問型の営業を主体としておりますが、2021年11月より来店型の営業拠点として、ワンランク上のお金の相談サービス「マネードクタープレミア」の店舗展開をしており、2024年11月期末時点で30店舗となりました。
「マネードクタープレミア」店舗は、顧客が安心して相談できるようプライバシーに配慮した個室の面談ブースを完備しており、貯蓄や資産形成についてのご相談を数多くいただいております。
オンラインでの相談を希望する顧客向けには「プレミアオンラインFP相談」を提供しており、来店相談及びオンライン相談の両方のニーズに対応することで、顧客接点の拡大と利便性向上を実現いたしました。
また、「マネードクタープレミア」店舗による広告宣伝効果は、出店地域でのFPパートナーの認知度向上にもつながります。そのため、人流が多く、高い集客力を持つ大型商業施設を中心に店舗展開しており、2026年11月期には全国50店舗体制を計画しております。
これまでの営業社員による顧客対応に加えて、損害保険の非対面でも契約獲得や更新手続きが可能な点を活かし、営業活動の一部を本社部門が担うことで、より効率的に業績拡大を目指せると考えております。2023年3月に立ち上げた損保事業部ダイレクトセンター室と2024年11月期に増員した損害保険専任営業社員の連携により、火災保険の非対面販売と契約後のフォロー強化に取り組んでおります。加えて架電リスト等の見直しを行い、生産性の向上を図ります。
全国のお客さま(顧客)対応のため、2025年11月期も引き続き損害保険専任の営業社員を増員することで、「②契約譲受ビジネスの拡大」による損害保険契約譲受案件への対応を一層強化し、契約の更新率向上と、新規案件の創出に取り組みます。法人マーケットを保有する損害保険代理店からの契約譲受においては、マーケット自体をFPパートナーが取り込むことで、事業領域の拡大にもつながると考えております。
2025年11月期より、新たな成長戦略として「DX+教育」を掲げました。
システムの刷新をはじめとするDXによる成長基盤の強化・業務の効率化を進めると同時に、教育・研修による社員全体のスキル向上を図ってまいります。
システム面では、保有顧客のデータを利活用するデータベースの整備と、営業社員の使用する顧客管理システムの刷新、人事管理システムの刷新を行います。これら新システムとCustomer Data Platform(CDP)を連携することにより、より効率的に顧客へのアプローチが可能になり、業績拡大への寄与を期待しております。また、CDPによる保有顧客分析や、既存顧客とのコミュニケーションツールであるマネドクLINEの機能強化により顧客接点を強化してまいります。
教育面においては、2024年6月に営業現場経験豊富な執行役員を配置したことで、より実態に則した指導と経営方針のスピーディーな伝達が可能となりました。2025年11月期からは、人的資本経営の一環として外部講師による人材育成研修を開始いたしました。
上記のほか、2024年11月期より本格的に開始したIFAビジネスによる投資信託販売や、住宅ローン紹介・取次等のサービス拡充により、顧客のライフタイムバリューの最大化に努めてまいります。
以上の取り組みによって、既存顧客と営業社員とのコミュニケーションが活性化され、既存顧客からの再販機会創出と顧客満足度向上の実現、そして顧客へのより適切なご案内とフォロー体制構築が可能と考えております。
2025年11月期からの経営戦略において、引き続きデータ活用は重要な役割を果たすと考え、デジタル開発投資を推進し、営業部門だけでなくバックオフィス体制の強化を積極的に行ってまいります。
FPパートナーは事業拡大と企業価値の向上のために、売上高、営業利益、営業社員数、新規契約件数、新規顧客数、会社集客案件数及び契約譲受移管合意件数を重要な指標にしております。
① 保険代理店事業の確実な成長
FPパートナーは、全国展開する営業網を最大の強みとし、これをさらに拡大することで事業の永続的な成長を目指します。お客さまサイドに立ち、共に解決策を考える伴走型ファイナンシャルプランニングを全国のあらゆる地域で提供し、顧客からさまざまなお金に関する相談を承ります。人生設計や資産増大のためのアドバイスを行うことで、顧客に安心を提供することは、FPパートナーの社会的な意義かつ使命であると考え活動しております。
営業社員の増員と質の向上は、保険契約の獲得や顧客フォロー体制の強化に不可欠なため、積極的な採用活動を行い、営業社員の訪問先を確保するための会社集客強化にも取り組んでおります。
また、今後想定される保険業法改正や新たなルールの策定に備え、これまで同様、体制整備への時間と費用を投じるとともに、顧客サービス向上のためのデータ整備やDX(Digital Transformation)を積極的に推進し、業務品質の向上を図ってまいります。また、これらの取り組み状況を開示することで、透明性の高い事業運営を行います。より良いサービスを提供することが業務品質と顧客満足度の向上につながり、確実な成長の基盤になると考えております。
② 成長を加速させる新規ビジネスの開拓と推進
保険業界の国内市場が成熟化する中、持続的な成長を実現するための戦略として、新規ビジネスの開拓と推進が重要性を増しています。収益基盤の強化においては、本業から派生したIFAビジネス以外にも、金融教育事業など近隣分野への進出を通じて収益源の多様化を図ります。また、契約譲受の拡大にも注力することで、顧客基盤の強化や保険契約数の増加を実現し、収益の安定性を高めていきます。その結果として、特定市場への依存リスクを軽減し、より安定的な経営基盤を構築することが可能となります。
同時に、FPパートナーの強みである全国展開の営業網と営業社員数を活かし、経営資源の最適配分を実現することで、全社的なコスト効率の向上も期待できます。顧客価値の創造の観点では、ファイナンシャルプランニングや資産形成など、顧客の多様なニーズに応える総合的なサービスを提供します。これにより顧客接点が拡大し、ブランド価値と顧客満足度の向上が実現します。
さらに、競合他社との差別化が可能となり、FPパートナーの市場におけるシェア拡大につながります。これらの取り組みは相乗効果を生み出します。新規事業を通じて獲得した知見や顧客基盤は、既存事業の強化にも寄与し、総合的な企業価値の向上と持続的な成長の実現を可能にします。
③ 事業拡大を支えるデジタル技術への投資
FPパートナーは、近年の飛躍的なデジタル技術の発展を受け、新たな技術を活用した業務にも積極的に取り組んでおります。今後の事業拡大のため、顧客情報を始めとする大量のデータを整備し、システムを刷新することで業務効率や生産性向上を図るとともに、サイバー攻撃等のセキュリティインシデントに対してシステムリスク統制を継続して行います。また、インシュアテック分野の研究開発や生成AIの活用、マーケティングへの応用など、デジタル技術への投資は企業価値向上と同時に顧客満足度向上に寄与すると考え、積極的に取り組んでまいります。
④ 人的資本への投資
FPパートナーのさらなる成長のためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。社員教育の強化と研修制度の充実により、社員の生産性向上と業務の効率化を図ります。また、社員が希望する職種への異動を表明しやすい環境を整備し、適正に合わせた配置の効率化を行います。同時に、異動に伴うリスキリング機会の提供を通じて、組織力とバックオフィスの機能を強化します。これにより、社員一人ひとりの成長を促し、組織全体の活性化を目指します。さらに、健康経営への取り組みや社員のメンタルヘルスケアの強化にも継続的に取り組み、働きやすい環境を整備します。これらの総合的な取り組みにより、FPパートナーは持続的な成長を実現してまいります。
⑤ 積極的情報開示とIR活動の強化
FPパートナーは株主・投資家との建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指し、IR活動の強化を行います。より幅広いステークホルダーとの接点拡大のため、保険業界並びにFPパートナービジネスモデルの理解促進資料や、海外投資家向けの英語版資料・情報発信の充実に取り組みます。
また、前期から開始したESGデータブックの公開に加え、2025年6月には統合報告書を開示予定です。投資家との対話機会を通じて得られた意見を経営にフィードバックし、透明性の高い企業経営を実現してまいります。
⑥ 個人情報漏えい防止に関する取り組みの強化
2024年8月に発覚しました、保険会社からの出向者による顧客情報漏えい事案を踏まえ、FPパートナーは以下のとおり、社内体制の整備と社員教育を実施いたしました。
ⅰ)保険会社の送受信システムの目的外利用の一切の禁止
ⅱ)顧客情報へのアクセス権限制限の強化
ⅲ)個人情報取扱いルールの再度の周知徹底
ⅳ)個人情報保護に関する社員研修の継続実施
ⅴ)法令遵守意識のさらなる強化
FPパートナーはこれまで個人情報の取扱いにあたり、厳格な取扱い・管理の徹底に努めてまいりましたが、この度顧客情報漏えい事案が発生したことを踏まえ、今後はさらなる厳格化を図り、再発防止に全力で取り組んでまいります。
FPパートナーの将来的な事業展開その他に関し、リスク要因の可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。
FPパートナーはこれらのリスク発生の可能性を把握した上で、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努めます。
具体的には、FPパートナーの事業遂行に関わる様々なリスクについてその主管部を定めてリスクごとに管理を行うとともに、リスクマネジメント委員会において個別リスク分析と重要性判断を行う管理体制を構築しております。詳しくは「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②会社の機関の内容 eリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてFPパートナーが判断したものです。
(1) リスクの分類
FPパートナーは、管理対象とするリスクを、「外部環境」、「事業戦略」、「財務リスク」、「オペレーショナルリスク」、「エマージングリスク」の5つのリスクカテゴリーに分類しております。以下は、大分類ごとの主なリスクを示したものです。
リスク項目
(2) 重要性が高いリスク
「(1) リスクの分類」において管理対象とするリスクのうち、発生した場合の影響度及び発生可能性の観点から特に重要性が高いと評価されるリスクは以下のとおりです。
① 外部環境
法的規制・自主規制について (顕在化可能性:小 / 影響度:大)
FPパートナーは、生命保険代理店・損害保険代理店として「保険業法」に基づく登録を行っており、同法及びその関係法令並びにそれに基づく関係当局の監督等による規制・指導等を受けて、サービス提供及び保険募集を行っております。これら法令に違反する行為が行われた場合、もしくはやむを得ず遵守できなかった場合、FPパートナーの財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
特に代理店登録の取り消しに至った場合においては、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また今後、保険業法等の関係法令、関係当局の解釈、自主規制等の大きな変化を伴う制定・改廃等があった場合には、FPパートナーのサービス提供及び保険募集の方法等が制限を受ける可能性があります。
今後、関係法令等の変更があった場合においても、FPパートナーはその都度、法改正等に対応し、新しいルールに適合する形でのサービス提供及び保険募集を行うことで対応できると考えており、これらのリスクが顕在化する可能性は低いと考えております。
② 事業戦略
a. 人材の確保について (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
FPパートナー事業において、営業社員数の確保が最も重要な経営課題の一つです。しかしながら、人員計画どおりに採用が進まない場合や、退職者が急増した場合には、十分な営業社員数を維持できず、財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
また、管理部門の人材についても高度な専門性が求められ、優秀な人材の確保や人員の維持ができない場合には、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、採用強化とあわせ、従業員の定着率を高めるために、従業員エンゲージメントが向上する職場環境づくりへの取り組みによりリスク軽減を図っております。
b. 特定人物への依存について (顕在化可能性:小 / 影響度:大)
FPパートナー代表取締役社長である黒木勉は、創業者として企業文化の創造、経営方針、戦略の決定等に重要な役割を果たしてまいりました。そのため、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合、精神的支柱を失い、FPパートナーの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えており、現在は経営に関する重要事項の意思決定、判断は取締役会が行っているため、顕在化した場合の影響度も低減できると考えております。
c. レピュテーションリスク (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
FPパートナーに対する新聞・テレビ・雑誌・YouTube等の報道により一時的に信用を毀損する事態が発生し、FPパートナーの株価、営業活動、ブランドイメージなどに影響を及ぼし、その結果として業績悪化などにつながる可能性があります。
当該リスクが顕在化した場合、速やかに社内・顧問弁護士・関係専門機関等と連携する準備は整えており、被害を最小限に食い止めるべく行動できると考えております。
③ オペレーショナルリスク
a. 役職員の不祥事に係るリスクについて (顕在化可能性:中 / 影響度:中)
役職員の業務全般に関しては、関連法令等を遵守して業務に当たる姿勢が求められます。また、業務外においても適切でない商取引などに関与することのないように注意を払う必要があります。しかしながら、これらに関する個人の意識欠如が役職員の不祥事等につながり、FPパートナーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスク低減のため役職員への法令遵守体制の強化と維持に取り組んでおり、定期的に業務全般に関するコンプライアンス研修と確認テストを実施し、法令遵守の周知徹底を図っております。また、業務外においても就業規則及び社会一般通念上の規範遵守はもちろんのこと、適切性の疑わしい事案等への関与がないよう社内研修を通じて注意喚起を行っており、リスク低減は実現可能と考えております。
b. 情報セキュリティリスクについて (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
FPパートナーでは、事業運営にあたり、様々なシステムを活用しております。現時点ででき得る限りの対応は様々行っておりますが、予期せぬシステム障害、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス等による個人情報の漏えい、機密情報の流出、情報システムやデータの破損、改ざん等で損害を受け、事業活動が停止し、もしくは、情報漏洩などで損失を被るリスクがあります。
c. 大規模自然災害、戦争や感染症の流行について (顕在化可能性:小~大 / 影響度:小~大)
水害、地震等の自然災害、戦争や新型コロナウイルス感染症などの流行等により、顧客との面談機会が減少した場合など事業活動が制限され、FPパートナーの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては事象によって顕在化する可能性や影響度合いに差がありますが、FPパートナーでは大規模災害の発生に備えて、「危機管理規程」「災害に関する事業継続計画(BCP)基本計画書」を制定し、緊急時に的確な対応が行える体制整備をしております。また、コロナ禍において、テレワーク勤務や「オンラインFP相談」の導入により影響を最小限に抑えることができたことから、これらは他の事象への対応においてもリスク低減に有効に機能すると考えております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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