メディパルホールディングスグループは、株式会社メディパルホールディングスを中核として子会社34社と関連会社18社で構成し、医薬品、化粧品・日用品、動物用医薬品等の販売やサービスの提供を主とする事業活動を展開しております。
事業に関する各会社の位置付けは次のとおりであります。
なお、次の「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の事業区分は、セグメントの区分と同一であります。
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事業区分 |
会社名 |
主要取扱品等 |
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医療用医薬品等卸売事業 |
㈱メディセオ |
医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 |
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㈱エバルス |
医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 |
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㈱アトル |
医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 |
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東七㈱ |
医療用医薬品、医療機器、医療材料、臨床検査試薬 |
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SPLine㈱ |
スペシャリティ医薬品の流通企画 |
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㈱MMコーポレーション |
医療機器、医療材料 |
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㈱アステック |
医療機器、医療材料 |
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㈱MVC |
医療機器、医療材料 |
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㈱ファルフィールド |
疫学研究・臨床研究等の受託 |
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メディエ㈱ |
医療材料データベースの構築、医療施設向け物品マスターの作成 |
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㈱プリメディカ |
予防医療事業・最先端医療技術の研究開発 |
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㈱フローラディスカバリー |
腸内細菌叢測定サービス |
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㈱エム・アイ・シー |
医療事務員の養成・派遣、医療事務業務の受託等 |
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㈱メディパル保険サービス |
損害保険代理店業、生命保険の募集に関する業務 |
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㈱プレサスキューブ |
保険薬局向け経営支援及びマーケティング支援 |
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㈱メディスケット |
医薬品等の配送、検体集荷、その他ヘルスケア領域の物流業務等の受託 |
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化粧品・日用品、 |
㈱PALTAC |
化粧品、日用品、一般用医薬品 |
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動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 |
MPアグロ㈱ |
動物用医薬品、飼料添加物 |
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MP五協フード&ケミカル㈱ |
食品素材、食品添加物、化学製品材料 |
なお、メディパルホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業系統図等は次のとおりであります。
(2025年3月31日現在)
メディパルホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてメディパルホールディングスグループが判断したものであります。
(1)経営方針
経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」
経営方針
1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造
2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底
3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成
(2)経営戦略等
メディパルホールディングスグループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。
この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、本中期ビジョンという)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。
また、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。
(3)経営環境
少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、メディパルホールディングスグループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等卸売事業における事業環境は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、国内の経済活動が正常化した結果、医療機関の受診機会が増加したこと等により伸長しました。
このような中、株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、「メディセオ」)を始めとする医薬事業各社においては、新たな価値創造を目指し、地域医療コーディネーターとして、医療機関・調剤薬局・自治体等を「つなぐ」活動を展開しました。女性診療科領域を専門とする「ウィメンズコーディネーター※1」や希少疾病領域を専門とする「RD-MR※2」をはじめ、医薬品の専門知識と機動性を有したメディパルホールディングスの営業担当者AR※3たちが、予防・診断・治療等の情報を総合的に提供し、疾患啓発や潜在患者の発掘、専門医への橋渡しなどを行い、地域におけるヘルスケア課題の解決に向けて取り組みました。
なお当期は、東七株式会社(長崎県佐世保市、以下、「東七」)を連結子会社化し、また株式会社メディスケット(埼玉県三郷市、以下、「メディスケット」)が本格稼働しました。
[用語解説]
※1 ウィメンズコーディネーターとは、女性診療科領域の専門知識を有するARなどに付与した社内呼称であります。
※2 RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾病領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。
※3 AR(Assist Representatives)とは、MR(Medical Representative)認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。
化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における事業環境は、依然として原材料・エネルギー価格上昇及び、それに伴う物価高騰の影響を受けた一方で、脱コロナの動きが進んだことにより、外出機会や訪日外国人客数が増加するなど、緩やかな回復基調を見せました。
販売面では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後、マスクや消毒液などの衛生関連品の需要減少が続いた一方で、レジャーやオフィス回帰など外出機会の増加や、一部インバウンド需要の回復、セルフケア意識の高まりなどにより、化粧品や一般用医薬品の需要が増加しました。
このような中、市場の変化を的確に捉え、生活者のニーズを満たす新たな商品調達を行い、鮮度の高いマーチャンダイジング提案を行いました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
動物用医薬品等卸売事業における事業環境は、飼料や光熱費高騰等の生産コスト増加により厳しい環境下にありましたが、一方で養鶏の市場が回復し、またコンパニオンアニマル※に関わる市場も成長を見せています。このような状況の中、ワクチンの新規採用やコンパニオンアニマル向けの医薬品の販売を強化しました。
食品加工原材料卸売等関連事業における事業環境は、相場高騰による販売価格への転嫁や新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い需要の回復が見られました。このような中、全国展開の強みを生かした営業の推進や、商品の調達と提案、商品付加価値を高める新製品の企画開発の推進、お得意様の商品企画から流通にいたるまでをトータルにサポートする取組みを行いました。
[用語解説]
※ コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
<主な連結経営目標・計画>
ROE 9% (2027年3月期)
経常利益 1,000億円 (2027年3月期)
成長投資 1,000億円 (2023年3月期から2027年3月期までの累計)
<サステナビリティ中長期目標>
温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+Scope2) 2030年度 50%削減(2020年度比)
2050年度 カーボンニュートラル
管理職に占める女性割合 2030年度 20%以上
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「医療用医薬品等卸売事業」の事業環境につきましては、医療の高度化等に伴う医薬品の厳格な品質管理と迅速かつ安定的な供給がますます重視されてきています。この環境下で医薬品卸売企業に対しては、サプライチェーン全体の最適化を実現する流通ネットワークの構築や、情報収集・提供活動が求められています。また、薬価改定が毎年行われるようになり、医療用医薬品市場の大きな成長が見込めなくなっている状況を踏まえ、顧客ニーズの変化に応じた新しいサービスや製品の提供などビジネスの創出も重要になっています。
このような状況の中、2025年3月期においては、メディパルホールディングスグループ独自の機能である「ALC※1」と「AR」を活用し、新しい時代の流通価値を提供してまいります。
ALCは2009年に神奈川県に設置して以降、全国に拡大し、昨年13か所目のALCとして「阪神ALC」を稼働、これをもって高機能物流サービスを全国の医療機関に提供できるようになりました。メディパルホールディングスグループでは、ALCを通じて医療用医薬品等の安定供給を継続するとともに、メディパルホールディングス連結対象の子会社であるメディスケットへの業務委託を通じ、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体の集荷を最適化することに加え、GDPガイドライン※2に準拠した高品質な物流サービスを提供していきます。メディスケットでは、今後、外部企業からの物流受託を行うことで新しい収益機会の創造にも取り組んでいきます。
ARについては、2010年に取組みを開始し、約2,000名のMR認定試験合格者が、医療関係者への総合的な情報提供活動や地域におけるヘルスケア課題の解決に向けた営業活動を展開しています。現在、これらの機能に対する需要や期待が高まっており、この「2つのA」を活用した取組みをより強力に推進することで収益基盤の強化に努めてまいります。
「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、物価高騰に伴う商品単価の上昇が継続することに加えて、賃上げの促進・継続に伴う所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、訪日外国人客数の増加によるインバウンド需要が増加する見通しです。
このような状況の中、2025年3月期においては、営業機能の進化に伴う小売業様との取引の拡大や、さらには2024年9月から食品の物流受託を開始することで新たな収益源の確保へとつなげてまいります。
なお、食品の物流受託開始に伴うイニシャルコスト発生による売上総利益率の悪化、また2024年問題を背景とする配送費上昇や人材投資の負担の影響を受けて販管費の増加を計画していますが、増収による売上総利益額の増加によりこれらの固定費増を吸収することで、営業利益への貢献を見込んでいます。
また、当事業を牽引する株式会社PALTAC(大阪市中央区、以下、「PALTAC」)は、2027年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を新たに策定しました。持続的成長の実現に向けた「変革による新たな価値創造への基盤づくり」の3か年と位置付け、「既存事業の収益性改善」「新たな価値創造に向けた挑戦」を進めてまいります。既存の事業領域で構築した基盤を活かし、新たな価値創造に挑戦することで価値提供領域の拡大及び収益性の向上を図ってまいります。
「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の動物用医薬品では、飼料価格及び生産資材価格の高止まり状況が続く中、一方で養鶏は昨シーズンの鳥インフルエンザから生産が回復し、コンパニオンアニマル向け市場では治療の進歩等による犬猫の長寿化が進むことが予想されます。このような状況の中、畜水産市場では利益率の高い製品の販売強化、またコンパニオンアニマル向け市場では抗体医薬品と新規取り扱い製品の普及拡大と深耕に取り組んでまいります。
食品加工原材料卸売等関連事業につきましては、国内人口の減少や少子高齢化を始め、原料価格の高騰等による厳しい市場環境が引き続き見込まれます。一方で、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化に伴い技術革新が進み、新たな需要が生まれるなど事業環境は常に変化しています。このような中、新たに連結対象の完全子会社となったMP五協フード&ケミカル株式会社(大阪市北区、以下、「MP五協F&C」)が主力とする多糖類※3を軸に国内及び海外での販売を強化し、また化成品分野では、半導体市場向けの電子薬剤を中心に商品開発への取組み等を通じた顧客サービスの強化に努め収益拡大を図ってまいります。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
※2 GDPガイドライン(Good Distribution Practice=医薬品の適正流通)とは、流通経路(仕入・保管・供給)の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されるための手法、さらに、偽造医薬品の正規流通経路への流入を防止するための適切な手法を定めたものであります。
※3 多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物を指しております。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与したり、つくりたての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者の皆さま向けの食品にも活用されております。また、近年では、化粧品など、食品以外の商品にも用いられております。
メディパルホールディングスグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてメディパルホールディングスグループが判断したものであります。
(1)医療保険制度について
メディパルホールディングスグループが主たる事業とする医療用医薬品等卸売業界は、わが国の社会保障制度や医療政策と密接に関連しております。わが国では、人口構造の変化による社会保障給付費の増大などの環境変化に伴い、医療制度改革が進められております。
今後、予測できない大幅な制度変更が行われ、メディパルホールディングスグループの事業構造に関わるような事態が発生した場合には、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)薬価制度について
メディパルホールディングスグループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、薬価基準は保険医療で使用できる医薬品の範囲と使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。従って、薬価基準は実質的に販売価格の上限として機能しております。
医療費抑制策の一環として、薬価基準で定められた価格(薬価)は市場実勢価格の調査結果に基づいて改定が行われております。
(2019年10月消費税増税に伴う薬価改定率(薬剤費ベース):▲2.40%)
(2020年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.38%)
(2021年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表)
(2022年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲6.69%)
(2023年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表)
(2024年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.67%)
これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度からは中間年の改定が実施されております。医療機関等への販売価格低下等の影響が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特有の法的規制等に係るものについて
メディパルホールディングスグループは、各種の医薬品及びその関連商品を取り扱っており、主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」の規定により、各事業所が所轄の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、販売活動を行っております。このため、監督官公庁等の許認可の状況により、医療用医薬品等卸売事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に規制緩和等によって、異業種の事業者がメディパルホールディングスグループの事業領域に参入した場合には、メディパルホールディングスグループのビジネスモデルや従来有する強みを維持または拡大することが困難となり、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)医療機関等との取引慣行について
メディパルホールディングスグループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという特有の取引慣行が存在しております。かかる取引慣行を改善するために、2018年4月に流通改善ガイドラインの運用が開始されましたが、交渉が難航した場合には、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格により売上計上しております。
このため、決定した取引価格と見積価格との差異が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2024年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%、2023年3月期:99.6%)
(5)製薬企業等との取引慣行について
メディパルホールディングスグループの主要取扱商品である医療用医薬品の仕入先である製薬企業等との間には、実質的な仕入価格の引き下げ効果のある「割戻金(リベート)」や「報奨金(アローアンス)」などの取引慣行が存在しております。(2024年3月期の医療用医薬品等卸売事業における報奨金(アローアンス)の未精算額165億67百万円)。製薬企業等とは良好な取引関係を継続しておりますが、製薬企業等の営業戦略に大幅な変更が生じ、かかる取引慣行に変化が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)競争環境の変化について
メディパルホールディングスグループが主たる事業とする化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界において、業種・業態を超えた競争の激化やM&Aによる規模拡大が続いております。このため、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業では取引先のニーズを捉え、環境の変化に即座に対応できる組織を構築しております。しかしながら、今後さらなる競争の激化や取引先の企業再編等により取引先の政策や取引条件が大幅に変更された場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システムトラブルについて
メディパルホールディングスグループでは、「医療と健康、美」の流通を安定的に支える社会インフラとして、サプライチェーンを効率化、高度化するために、IT化を積極的に推し進めております。
メディパルホールディングスグループの事業運営は、コンピュータネットワークシステムに依拠していることから、基幹システムのサーバ・ネットワークの二重化やサーバ設置建屋の免震・防災・停電対策及びデータバックアップ環境の設置などのほか、ウイルス対策、不正アクセス対策、モバイルパソコンのデータ暗号化などのセキュリティ対策を講じておりますが、万が一、システムが機能停止した場合には、販売・物流に大きな支障が生じ、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報の漏洩について
メディパルホールディングスグループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、情報セキュリティポリシーに基づき、外部に漏洩しないよう管理体制の整備に努めるとともに、全従業員を対象に年2回の情報セキュリティ研修を実施しておりますが、不測の事態により、これらの情報が漏洩した場合には、社会的信用の低下による売上高の減少や対策費用の増加等により、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)災害、交通事故、感染症について
メディパルホールディングスグループは、医薬品、日用品など、健やかな生活に欠かせない商品の流通を担っており、平時・有事を問わず、必要とされる商品を確実にお届けするために、さまざまな対策を施しています。
①災害について
メディパルホールディングスグループは、地震・台風等の自然災害や新型インフルエンザの流行などに備え、危機管理体制や有事の際迅速に供給活動を行うためのBCP(事業継続計画)を策定しておりますが、万が一、大規模災害が発生した場合には、事業が停止し、販売機会損失による売上高の減少または復旧費用の発生等により、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②交通事故について
メディパルホールディングスグループでは、お得意先への営業や商品の配送に多くの車両を用いております。メディパルホールディングスグループ全体の車両台数は、約9,600台となっており、環境負荷の低い車両の導入を進めるとともに、交通事故を防ぐために、ドライブレコーダーの設置や自動ブレーキを装備した車両の導入などを進めております。
また、安全運転月間を定めたり、警察の指導による講習会を開催するなど、交通事故防止の啓発活動に積極的に取り組んでおりますが、万が一、重大な交通事故を発生させてしまった場合は、社会的信用が低下し、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③感染症について
メディパルホールディングスグループでは、生命関連商品の安定供給を担う企業グループとして、社会経済活動に影響を与えるような感染症の流行の際には、様々な事態の発生を想定し、安定供給体制維持(全国物流センターの相互連携によるバックアップ、商品在庫の充実、機器の定期メンテナンスを前倒しで実施)、感染拡大防止(従業員の感染予防の徹底、車両や設備の洗浄及び消毒の徹底、医療機関での感染拡大の防止)に取り組んでおります。
しかしながら、メディパルホールディングスグループの従業員に感染が拡大するなどして、万が一、物流機能が停止する事態に陥った場合には、医薬品等の安定供給が困難となり、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動について
メディパルホールディングスグループは、さまざまなステークホルダーとともに脱炭素社会の実現に向けた取組みを実施しております。一部物流センター間の医薬品輸送において、トラックから鉄道コンテナを利用した輸送へと切り替えるとともに、お得意様と協業し新たな医薬品流通最適化モデルを構築することで温室効果ガス排出量削減を積極的に進めております。
しかしながら将来、災害対策の設備投資、炭素税等のコストが発生した場合や、風水害が甚大化し、営業・物流拠点等の被災や操業停止などが発生した場合には、メディパルホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)労働力の確保について
メディパルホールディングスグループが取り扱う医薬品や日用品などを安定的に流通させるためには、質の高い人材の確保、適正な要員配置が必要不可欠であります。
昨今は、人口減少、少子高齢化などによって、流通分野における労働力の確保は厳しさを増してきております。物流センターの省力化や配送見直しによる効率化を推進するとともに、働き方改革に取り組み、労働環境の改善と整備に努めておりますが、労働需給がさらに逼迫し、人材を十分に確保できなかった場合には、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、法令や制度の改正、物価変動等により従業員に関わるコストが大幅に増加した場合には、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資について
メディパルホールディングスグループは、持続的成長に向け将来への積極投資を行っております。
①物流インフラ投資について
メディパルホールディングスグループは、安全・安心な流通を担うという社会的使命を果たすため、物流やシステムに対する設備投資を積極的に行い、最先端技術を導入しております。これらは、メディパルホールディングスグループの競争力を維持するためにも不可欠なものでありますが、投資コストが増大した場合や想定した投資回収ができない場合には、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2024年3月期における設備投資額は203億円であります。
②事業開発投資について
メディパルホールディングスグループは、事業基盤の拡大と収益源の多角化を進めるため、製薬企業等への新薬開発投資や、海外での新薬開発事業に取り組んでおります。これは、メディパルホールディングスグループがもつ物流力や営業ネットワークなどの経営資源を有効に活用し、希少疾病の治療を待つ患者さんに医薬品を安定供給することを目的とした取組みでありますが、新薬の開発は時間を要するほか、中止に至るなど、必ずしも順調に進行しないことがあります。そのような場合には、想定どおりの収益獲得に至らず損失が発生する可能性もあり、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③資本提携、業務提携について
メディパルホールディングスグループは、「事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働で変革・成長する」という中期ビジョンの基本方針に則り、ライフサイエンス分野のベンチャー企業やスタートアップ企業への出資のほか、デジタル分野やロジスティクス分野といった業界の垣根を越えた提携を積極的に進めております。
こうした資本提携、業務提携の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っておりますが、予期せぬ環境変化や想定した事業計画からの大幅な乖離が生じた場合には、減損損失等が発生するなどして、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)法令違反について
メディパルホールディングスグループは、「コンプライアンスの徹底」を経営方針の一つに掲げ、社員教育や啓発活動を継続して行っております。
また、公益通報に関する窓口を社内及び社外に設置し、グループ内部の問題を早期に発見することに努めております。
なお、2021年1月29日に開催された取締役会において、経営トップがコンプライアンスを重視する姿勢を明確にするため、新たに企業活動指針を制定いたしました。経営トップが全国の拠点を行脚して、当該指針を制定した背景とその精神を全社員に浸透させております。
また、取締役会の諮問機関として、コンプライアンス委員会を設置し、メディパルホールディングスグループのコンプライアンスを継続的にモニタリングし、遵法精神に則った企業風土を確立してまいります。
しかしながら、法令違反等の問題が発生した場合には、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いが生じるだけでなく、メディパルホールディングスグループの社会的信用の失墜による悪影響など、メディパルホールディングスグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他にも、さまざまなリスクが存在しており、ここに記載されたリスクがメディパルホールディングスグループのすべてのリスクではありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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