丸文グループは、丸文、連結子会社13社及び持分法適用の関連会社1社で構成され、半導体、電子部品、電子応用機器等、国内外のエレクトロニクス商品の仕入販売を主な事業内容としております。
丸文グループの事業に関わる位置付け及び事業の種類別セグメントとの関連は、次のとおりであり、事業の種類別セグメント情報における事業区分と同一であります。
また、「ソリューション事業」につきましては、2026年3月期第1四半期より報告セグメント名称を「アントレプレナ事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、報告セグメントの区分に変更はありません。なお、2025年3月期にかかる記述については、変更前のセグメント名称で記載しております。
デバイス事業 丸文が販売するほか、子会社Marubun Taiwan,Inc.、Marubun/Arrow (S) Pte Ltd.、Marubun/Arrow (HK) Ltd.、Marubun Arrow (Thailand) Co.,Ltd.、Marubun/Arrow (Phils)Inc.、Marubun Arrow (M) SDN BHD.、Marubun/Arrow Electronics (Shenzhen) CompanyLimited.及びPT.Marubun Arrow Indonesiaにおいても販売しております。なお、商品の一部について上記連結会社間で売買取引があります。
子会社Marubun/Arrow Asia,Ltd.は、電子部品等の販売会社(Marubun/Arrow (S) Pte Ltd.及びMarubun/Arrow (HK) Ltd.)の全株式を保有する持株会社であります。
関連会社Marubun/Arrow USA,LLC.は、電子部品等の販売をしており、商品の一部について丸文との間で売買取引があります。
子会社Marubun USA Corporationは、Marubun/Arrow USA,LLC.の50.0%の持分を保有する持株会社であります。
主な商品は次のとおりであります。
各種半導体(アナログIC、メモリーIC、マイクロプロセッサ、特定用途IC、カスタム
IC)、電子部品(水晶振動子、コネクタ、受動部品等)、ソフトウェア
システム事業 丸文が販売するほか、子会社丸文通商株式会社及び丸文ウエスト株式会社においても販売しております。なお、商品の一部について上記連結会社間で売買取引があります。
子会社株式会社フォーサイトテクノは、電子応用機器の保守・技術サービスを行っており、丸文及び国内連結子会社は当該業務の一部を委託しております。
主な商品は次のとおりであります。
航空宇宙機器、製造・検査機器、レーザー機器、医用機器、技術サービス
アントレプレナ事業 丸文が販売しております。子会社株式会社フォーサイトテクノは、ICTソリューションの保守・技術サービスを行っており、丸文は当該業務の一部を委託しております。
主な商品は次のとおりであります。
ICTソリューション、ソフトウェア、AIロボット、モジュール製品、技術ライセンス等
以上の事項を事業の系統図によって示すと、次のとおりであります。
(注)1.Marubun USA Corporationは、Marubun/Arrow USA,LLC.の持株会社であります。
2.Marubun/Arrow Asia,Ltd.は、電子部品等の販売会社(Marubun/Arrow (S) Pte Ltd.及びMarubun/Arrow (HK) Ltd.)の全株式を保有する持株会社であり、商品の一部について丸文及びMarubun Taiwan,Inc.と当該販売会社間で売買取引があります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日)現在において丸文グループが判断したものであります。
(1)企業理念体系について
丸文グループは、長期的視点に基づく「パーパス」「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を経営の基本的な考え方として定義し、株主、取引先、社員などすべてのステークホルダーのご期待に応えるよう企業価値の向上に努めるとともに、社会に貢献することを目指しております。
<丸文パーパス>
テクノロジーで、よりよい未来の実現に貢献する
<丸文ビジョン>
独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社として最も信頼される存在となる
<丸文ミッション>
「先見」と「先取」の精神のもと、人と技術とサービスで社会とお客様の課題を解決する
<丸文バリュー>
「誠実で透明な経営」「健全な経営活動の実践」「社会との調和」「環境保全への貢献」「お客様の満足の向上」「企業リスクの適切な管理」「人権の尊重」「働きやすい職場作り」
「パーパス」は丸文グループの存在意義、「ビジョン」は丸文グループの目指す姿、「ミッション」は丸文グループの日々の取組み、「バリュー」は丸文グループが大切にしている信条・価値観を表しています。
(2)丸文グループを取り巻く環境
丸文グループが属するエレクトロニクス業界は、新しい技術や社会課題に対応しながら、進化を続けております。AIやIoT、ロボットが社会生活に普及するとともに、自動車のEV化や電装化、通信の高速化、半導体・電子部品の高集積化、再生可能エネルギーの活用などに伴う需要の増加が見込まれます。また今後も新たな技術革新の到来により、市場は広がっていくものと見込まれます。
① 企業構造
丸文グループはデバイス事業、システム事業、ソリューション事業の3事業セグメントにおいて、丸文を中心に機能別の事業会社によって構成されております。各事業会社は経営の基本方針に則りグループ間で連携した事業運営を行っておりますが、取り扱い商材や地域の特性に合わせ、主体的に事業管理を行い運営しております。
現在の企業体系は、業績の状況、事業運営の状況等から判断し、良好に機能していると認識しております。
② 市場環境
丸文グループが属するエレクトロニクス市場は、技術の高度化に伴って応用製品が広がり、市場拡大を続けています。一方で、企業の生産活動と生活のあらゆる場面で利用されているため、景気の変動や企業の設備投資の動向に影響を受けやすく、変動の大きな市場であります。
製品・技術面では、自動車のEV化やAI/IoT、ロボティクス、次世代通信など新たなテクノロジーの活用が進んでおりますが、ウクライナ情勢、米中貿易摩擦などの地政学リスクや頻発する自然災害、感染症の流行などにより、市場の不確実性が高まってくるものと予測しております。丸文グループはこうした状況下でも成長を図るため、付加価値の高い商品・サービスの開発・強化に取り組んでおります。
③ 顧客動向
丸文グループは、大手電機メーカーや自動車関連メーカー、産業用機器メーカーなど多くの顧客と長年にわたり取引を継続しております。丸文グループでは、これまでに培った信頼と信用をさらに深化させるため、顧客密着型の営業活動と拠点展開を推進するとともに、取引先評価による自社の取り組み改善を実施しており、全体としては顧客との良好な関係を構築できていると認識しております。
また現在は、自動車のEV化や生産現場のスマートファクトリー化といった企業でのDXの取り組みなど、社会基盤の変化も進んでおります。これまでとは異なった市場・分野での顧客層が広がりをみせていることから、丸文グループでは品揃えの拡充と技術サポート力の強化により顧客基盤の拡大を図っております。
④ 仕入先動向
丸文グループは多くの仕入先と代理店契約を締結しております。近年は半導体メーカーの代理店政策の変更により、代理店を担うエレクトロニクス商社の数は減少傾向にあり、今後も当面は同様の傾向が続くものとみています。
丸文グループはデジタルマーケティングの強化やソリューション提案力の向上に取り組み、仕入先とのパートナーシップの強化に努めるとともに、新規仕入先の開拓を行い、関係強化のために必要な場合は投融資やM&A、アライアンスを実施しております。
⑤ 競合他社動向
仕入先のM&Aや代理店政策の変更を背景に、近年は半導体商社間でも事業統合や買収など業界再編が進んでおり、業界全体の競争が激化しております。
丸文グループは長年培ったサプライチェーンのノウハウや専門性の高い技術サポート力、グローバルサポート力により独自のポジションを築いていると認識していますが、他社とのさらなる差別化を図るべく、サービスと機能の拡充に取り組んでおります。
(3)中期経営計画「丸文 Nextage 2024」
このような事業環境の下、丸文グループは、1844年(弘化元年)に呉服問屋として創業し、1947年(昭和22年)に現在の丸文株式会社としてスタートした丸文は、2022年に設立75周年及び東京証券取引所上場25周年を迎えました。その節目の年に、長期的視点に基づく「パーパス・ビジョン・ミッション」を再定義し、中期経営計画「丸文 Nextage 2024」を始動いたしました。“次のステージ(Next Stage)”で、技術革新の“新たな時代(Next Age)”に貢献できるエレクトロニクス商社となるため、実効性のある戦略施策の立案と運営(PDCA管理高度化)を通じて、「事業ポートフォリオの進化と収益力改善」を連結ベースで推進しております。
(中期経営計画「丸文 Nextage 2024」基本方針)
■ サステナビリティ経営の推進
持続可能な成長実現に向けたESG・SDGsへの取り組みを推進し、ステークホルダーとの連携強化や課題解決型ビジネスの実践を通じ、社会的価値を追求します
■ 新たな事業領域への進出と成長基盤の構築
新市場・新領域における果敢な挑戦を通じ、新たな事業成長機会を継続的に追求します
■ 既存事業の「選択と集中」の促進とソリューション開発強化
お客様視点でのソリューション開発を加速しつつ、既存事業の「選択と集中」を通じた競争力強化を図ります
■ グループ経営の強化
セグメント間(デバイス、システム、ソリューション事業間)連携による付加価値と国内外グループ企業間の連携によるグローバルシナジーを実現し、成果をお客様に還元します
■ 業務基盤の整備と内部プロセスの改善
業務インフラ強化や業務プロセスの改善、人材育成、働き方改革により、生産性・効率性を向上します
(中期経営計画「丸文 Nextage 2024」における各事業セグメントの取り組み)
丸文は、半導体・電子部品のディストリビューションを担う「デバイス事業」、電子機器及びシステムの販売・保守サービスを取り扱う「システム事業」に加え、2022年度より先端ソリューションの開発・販売・保守サービスを提供する「ソリューション事業」の3事業セグメントで経営しております。
■ デバイス事業:『基盤強化事業』
イ.新規商材・新規商権の開発推進
・付加価値の高い新規商材の開発や新たな販売先の開拓に注力し、事業基盤の強化を図る
ロ.既存事業の収益性の維持・向上
・ローコストのオペレーションを徹底し、事業の生産性と効率性を改善する
■ システム事業:『成長牽引事業』
イ.新規領域における事業規模と収益基盤の拡大
・新規市場と新規商材の開発を推進する
ロ.既存領域における競争優位性の強化
・既存の取扱領域における専門性を研ぎ澄ませ、マーケットにおけるポジションを確固たるものとする
・顧客層の水平展開と垂直深化を進め、顧客基盤を国内外に拡大させる
ハ.グループ連携の強化
・国内外グループ会社との連携を一層強化し、総合力を活かしたサービスをグローバルに提供する
■ ソリューション事業:『価値創出事業』
イ.高付加価値ビジネスの開発推進
・成長市場に向けた革新的な商材や技術を継続的に発掘し事業化を推進する。また有望なベンチャー企業への投資や外部パートナーとの提携機会も模索する
ロ.新規ビジネスモデルの構築と拡大
・サブスクリプションやライセンスビジネスなどの新たなビジネスモデルを確立する
ハ.ソリューション開発力の向上とグループシナジーの創出
・デバイス事業・システム事業との連携を主導し、ネットワークとIoT技術をベースに、商品・技術・サービスを組み合わせて、丸文グループ独自のソリューションを開発し、新たな付加価値を顧客に提供する
■ 経営基盤の強化
・サステナビリティへの取り組みを強化するとともに、情報開示の充実に取り組む
・デジタルマーケティングとカスタマーリレーションを強化する基盤を整備する
・統合的リスクマネジメントの枠組み整備とリスクモニタリングの運用強化を推進する
・プライム市場上場会社として、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実を図る
・人材への投資、働きやすい職場環境の整備、ITインフラの整備に継続的に取り組む
(目標とする経営指標)
2022年度から3ヶ年の中期経営計画「丸文 Nextage 2024」では、最終年度である2024年度に以下の目標値の達成を目指しております。
|
経常利益 |
60億円 以上 |
|
ROE |
8.0% 以上 |
(4)対処すべき課題
丸文が属するエレクトロニクス業界は、当面、半導体の在庫調整が続くものと予想されておりますが、一方でAI活用の広まりやデジタル化の進展、自動車・産業・インフラ分野を始めとした各市場でのグリーン化への取り組みなどにより、今後も市場拡大が続くものと見込まれます。
このような環境の中、丸文グループは、中期経営計画「丸文 Nextage 2024」において、『未来をつなぐ、技術で繋ぐ。』を企業スローガンに掲げ、「サステナビリティ経営の推進」及び「新たな事業領域への進出と成長基盤の構築」に注力するとともに、既存事業においても「事業の選択と集中の促進とソリューション開発強化」を進めております。また各事業セグメント間ならびに国内外のグループ企業間の連携強化によるシナジー創出を図りながら、業務インフラ強化などの基盤整備と、内部プロセスの改善による生産性、効率性の向上に取り組んでおります。
各事業セグメントの取り組み状況は次の通りであります。
(デバイス事業)
デバイス事業は、「新規商材・新規商権の開発推進」と「既存事業の収益性の維持・向上」に取り組んでおります。
「新規商材・新規商権の開発推進」につきましては、新規仕入先との代理店契約の締結や前事業年度より取り扱いを開始した商材の取引を拡大することができました。市場別では民生機器向けが大幅に伸長しております。
「既存事業の収益性の維持・向上」については、既存仕入先で取り扱う商材や販売先が増え、売上の増加に寄与いたしました。デジタルマーケティングの推進により、潜在的な需要の掘り起こしを進め、商談数の増加に結びつけております。
(システム事業)
システム事業は、「新規領域における事業規模と収益基盤の拡大」、「既存領域における競争優位性の強化」、「グループ連携の強化」に取り組んでおります。
航空宇宙分野では、衛星搭載用の高信頼性部品や衛星通信関連商材のラインナップの拡充とシステム提案に取り組みました。産業機器分野では車載向けパワー半導体や半導体の微細化・3次元化への関心が高まる中、高精度の半導体実装・検査・解析装置の販売を強化しております。
またレーザー機器分野では、自動車市場向けに青色レーザーを用いた金属接合技術の提案活動を行うとともに、医療市場向けには樹脂接合機器の拡販を推進しています。さらに、医用機器分野では、主力のMRIやCTなどの画像診断装置に加え、超音波診断装置や放射線治療システムの販売強化や事業エリアの拡大に取り組んでおります。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、「高付加価値ビジネスの開発推進」、「新規ビジネスモデルの構築と拡大」、「ソリューション開発力の向上とグループシナジーの創出」に取り組んでおります。
ICTソリューションの分野では、通信技術の進展に歩調を合わせた商材・サービスの提供に取り組むとともに、丸文独自サービスであるネットワーク監視サービス「Net Predy」や「イーリス顧客ポータル」の提供を開始いたしました。今後もソリューションサービスの拡充に取り組んでいく方針です。
AI・IoTソリューションの分野では、AIコミュニケーションロボットの取り扱いを新たに開始いたしました。これまでの豊富な知見を活かして介護施設を中心に導入提案を促進しております。またデジタルヘルスケアの分野で商材拡充を図るとともに、無線電力伝送技術などの最新技術の活用を提案し、ビジネス拡大に努めております。
金融資本市場の変動や物価上昇、中国経済の先行き懸念や中東地域の緊迫化など、予断を許さない状況が続くものと予想されますが、丸文グループは安定して利益を創出する企業を目指すべく、中期経営計画の取り組みを着実に進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において丸文グループが判断したものであります。
(1)業務関連リスク
① 半導体の需要動向及び企業の設備動向による影響について
丸文グループは半導体や電子部品、電子応用機器等の国内外のエレクトロニクス商品の仕入販売を主な事業とする商社であります。主な販売先は通信機器や産業機器、車載用電子機器、民生機器、パソコン周辺機器等を開発・製造する国内電子機器メーカーであり、顧客企業やエレクトロニクス市場全体の需要が大きく変動した場合、丸文グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
丸文グループでは、安定的なビジネスの維持・拡大のため、販売先の拡大や付加価値の高い商品の開発拡充に取り組んでおりますが、丸文の施策を以て当該リスクを完全に回避できるものではなく、市場が急変した場合には、大きな影響を受ける可能性があります。
② 技術革新・顧客ニーズへの対応について
丸文グループが属するエレクトロニクス業界は、技術革新や事業環境の変化のスピードが極めて速く、顧客が丸文グループに求める機能も年々、多様化・複雑化しております。
丸文グループが提供する商品が陳腐化した場合や顧客ニーズへの対応遅れなどが発生した場合には、丸文グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また商品やサービスに不具合や欠陥が生じた場合、その補償費用や追加コストが発生し、丸文グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
丸文グループでは、技術革新・顧客ニーズへの対応のため、商品ラインナップの拡充や技術サポート力の強化、品質管理体制の整備などに取り組んでおります。加えて、商品・サービスの不具合等による補償費用や追加コストが発生する場合に備え、保険を付保するなどリスクの移転を図り対応しておりますが、顕在化の時期や影響度を事前に予測することは困難であると認識しております。
③ 特定の仕入先への依存度が高いことについて
丸文グループの主要な仕入先は、インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社であります。2024年3月期における総仕入実績に対する割合は、20.5%となっております。
丸文グループでは各仕入先との良好な関係の維持に努めるとともに、継続的に新規仕入先や新規商材の開発に取り組んでおりますが、仕入先の代理店政策の見直しにより契約内容に変更が生じた場合や契約が解除された場合には丸文グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクについては顕在化の時期を事前に予測することは困難でありますが、リスクが顕在化した場合、当該仕入先との取引額によっては大きな影響を受ける可能性があると認識しております。
④ 在庫の廃棄や評価の影響について
丸文グループが取り扱う半導体や電子部品は、お客様からの要求納期にジャストインタイムで所要量を提供できるよう常に一定量の在庫を確保、保有しております。
丸文グループでは、顧客の需要動向ならびに仕入先の供給状況の把握に努め、在庫が滞留しないよう在庫管理を徹底しておりますが、当初見込んでいた所要量に差異が生じた場合には、在庫の評価損や廃棄損が生じる可能性があります。当該リスクの顕在化に備え、丸文グループは事業計画の策定に当たっては直近の在庫保有状況や回転期間に応じて一定額の引当を行っておりますが、その時期や影響額等の影響度を予め正確に見積もることは困難であると認識しております。
(2)財務関連リスク
① 為替及び金利変動の影響について
丸文グループの事業では、外貨建ての輸出入取引の割合が高く、また経済のグローバル化に伴い、国内取引であっても外貨建てでの取引が経常的に発生しております。
外貨建取引において、丸文グループの大部分が仕入と売上が同一外貨取引であることから、仕入と売上の通貨が同一の場合には外貨ベースでの「ナチュラルヘッジ」、仕入と売上の通貨が異なる場合には取引毎に「為替予約ヘッジ」を行うことで、為替変動リスクに対応しております。しかしながら、為替相場が著しく変動した場合には、円建て換算での売上高や売上総利益額、棚卸資産等の評価において大きな影響を及ぼすことがあり、その結果、丸文グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、海外連結子会社の財務諸表を円換算する場合にも影響を及ぼします。
また丸文グループは、事業運営に必要な運転資金の調達を金融機関からの借入を通じても行い、調達手段の多様化や金利スワップ取引など様々な手段を用いて金利変動等によるリスクを軽減するよう努めております。しかしながら、借入通貨の金利変動が大きい時には、丸文グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
為替相場や金利の変動リスクについては、丸文グループの施策を以て当該リスクを完全に回避できるものではなく、その時期や影響度を事前に見積もることは困難であると認識しております。
② 投融資リスクについて
丸文グループは、新規商材の販売権の確保や関係強化を目的として、仕入先への出資や開発資金の貸付などの投融資を行う場合があります。投融資にあたっては、その金額に応じて取締役会などで審議した上で決定し、また投融資先の経営状態や事業の進捗などを定期的にモニタリングしております。投融資先のビジネスプランや業績が投融資時点における想定と大きく乖離し、減損処理が必要となった場合や貸付金の回収が困難になった場合には、丸文グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの顕在化の時期や影響額を予測することは困難でありますが、顕在化した場合には各投融資先の投融資額に応じた影響を受けることになります。
③ 退職給付債務について
丸文グループの退職給付費用及び年金債務は、割引率等の数理計算上で設定する前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されますが、実際の年金資産の運用利回りが低下した場合や数理計算上の前提条件に変動が生じた場合は、丸文グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。数理計算上の差異は、年1回実施している退職給付見込額の再計算や年金資産の運用実績により発生するため、毎年度一定の影響を被ることは不可避と認識しております。
(3)基盤関連リスク
① 法的規制について
丸文グループは、わが国をはじめ、事業を展開する諸外国の国家安全保障に関する規制や輸出入に関する規制、製造物責任、独占禁止、特許、環境規制など様々な法令・規制の下で事業活動を展開しております。
丸文グループでは、各種法令・規制の最新情報の入手に努めるとともに、全社員へのコンプライアンス教育や関係者へのセミナー等を通じて啓蒙活動を行い、法令・規制の遵守に取り組んでおります。これらの法令・規制を遵守できなかった場合、丸文グループの活動が制限され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクの顕在化の時期や影響度については予め見積もることは困難でありますが、顕在化の可能性は現時点では高くないと認識しております。
② 優秀な人材の確保について
丸文グループの競争力を維持、向上していくためには、優秀な人材の確保と育成が重要と考えております。丸文グループでは新卒採用や通年での経験者採用、全社横断的な教育研修ならびにOJTによる育成、本人の能力を活かした適材適所の人材配置などを実施しておりますが、人材の確保や育成ができない場合、丸文グループの将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクの顕在化の時期や影響度については予め見積もることは困難でありますが、顕在化の可能性は現時点では高くないと認識しております。
③ 自然災害などのリスクについて
丸文の基幹コンピュータシステムは東京都内に、物流拠点は千葉県山武郡に設置し、大規模地震被災や台風などの自然災害に備え、事業継続計画を策定、BCP体制を構築し、定期的に訓練を実施するとともに、電力や通信回線などのライフラインの多重化や基幹業務システムのバックアップを確保しております。加えて、丸文グループでは外部からの不正アクセスやサイバー攻撃、コンピュータウイルスの感染等に対する保全策を講じておりますが、災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であり、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化や感染症の拡大などにより、想定していない規模でのリスクの顕在化も考えられます。その場合には、事業活動の縮小など丸文グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性がありますが、かかるリスクが顕在化する時期や影響度を予め見積もることは困難であると認識しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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