東京衡機グループは、東京衡機及び子会社2社より構成されており、試験機事業、エンジニアリング事業及びその他の事業を営んでまいりました。
「試験機事業」は、㈱東京衡機試験機において、試験・計測機器の製造・販売、海外の販売業務提携先製品の輸入販売及び受託試験を主に行い、関連会社の㈱ZR東京衡機サービスにおいて試験機の保守サービス・メンテナンスを行っております。また、「エンジニアリング事業」は、㈱東京衡機エンジニアリングにおいて、自社で生産施設を持たないファブレスメーカーとして、ゆるみ止めナット、ゆるみ止めスプリング、その他の締結部材の開発、設計及び販売並びに知的財産権の保有を行っており、製造については外部に委託しております。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
〔事業系統図〕
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、東京衡機グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
東京衡機グループは、①技術への挑戦と顧客からの信頼、②人間性の尊重、③地域社会への貢献を企業理念とし、「技術と知識で豊かな社会の実現に貢献する」ことを目指しており、1923年創業当初からの試験機事業をはじめとして、社会インフラの安全・安心を支えるエンジニアリング事業などの事業を展開しております。
(2)経営戦略等
試験機事業では、マーケットシェアの拡大と収益基盤の強化に向けて、標準製品のブラッシュアップや代理店網を活用した営業基盤の強化、顧客の様々な試験ニーズに応えるための製品・技術開発力の強化、オーダーメイドの特殊製品の受注拡大、安定的な取引の継続が期待できる修理・校正・メンテナンスサービスの拡充等に取り組んでおります。エンジニアリング事業では、道路業界、建築業界、鉄道業界、電力業界等の既存顧客の深耕、海外を含む新規顧客の開拓、顧客との共同製品開発による売上の安定的拡大、生産性の向上等によりインフラマーケットへのさらなる浸透を進め、着実な成長を目指しております。
(3)目標とする経営指標
東京衡機グループは、持続的な成長と安定的な収益の確保による企業価値の向上を基本的な経営目標としており、中長期的な経営指標としては、成長性の指標として売上高成長率10%以上、収益性・効率性の指標として営業利益率7%以上、ROE(自己資本利益率)5%以上を目標としております。
(4)会社の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、ウィズコロナの下で、政府の各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念、ロシアのウクライナ侵攻や中東地域をめぐる情勢、物価の上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分留意すべき状況となっております。
このような状況の下、東京衡機は、2024年2月27日に2025年2月期から2027年2月期までの3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定・公表いたしました。当該中期経営計画では、「未来志向の経営戦略」として、以下の3点を掲げております。
①デジタル化の推進
ハードウェア一辺倒の事業から、ソフトウェア、AI、ネットワーク等のデジタル化技術との融合を提案するハード・ソフトを一体化した事業体への発展を目指します。
②持続的成長のための投資
事業の基本である「先行投資⇒差別化製品開発⇒高付加価値提供⇒高収益」という本来あるべき企業体へ生まれ変わるための3ヵ年といたします。
③人財教育への投資
人財育成ほど確実な投資はありません。高付加価値を生み出し、提供できる人財を育成いたします。
また、各事業年度のミッションは以下のとおりとしております。
①2025年2月期のミッション:「事業拡大のためのプラットフォーム作り」
(主な戦略)
・社内デジタル化推進による業務効率化
・顧客サービスのデジタル化推進による高付加価値製品提供
・リスク管理体制の強化と収益性の高い事業への投資
②2026年2月期のミッション:「収益基盤の拡大」
(主な戦略)
・売上増加に寄与する核となる事業の特定と強化
・コスト構造の最適化と効率化
③2027年2月期のミッション:「市場の期待に応える」
(主な戦略)
・マーケットシェアの拡大と競争優位の確保
・カスタマーエクスペリエンスの向上と顧客ロイヤルティの構築
東京衡機グループのコア事業である試験機事業とエンジニアリング事業は、産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品の品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。この点、東京衡機は、2023年4月21日に試験機事業のさらなる磨き上げを目的として、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所と業務提携契約を締結し、新たな収益機会の創出や事業の開発について定期的に会合を行い、両社協働によるCAEソフトウェアを組み合わせた試験装置の引合いの獲得など提携効果の実現に向けて協力関係を築いてまいりましたが、今後、デジタルツイン技術を駆使したソリューションを提供する企業としての地位を確立することを目指し、提携関係をさらに強化するために、2024年3月18日に資本提携についての基本合意書を締結し、最終契約締結に向けて協議をすることになりました。
また、東京衡機は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、東京衡機株式について特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受けたことから、上場維持とステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けてガバナンス・内部管理体制の整備・強化を進めるべく、2023年8月28日付で「改善計画・状況報告書」を策定・公表し、グループの役職員一丸となって内部管理体制等の改善に向けて取組みを進めました。その後、東京衡機は、2024年4月1日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出するとともに、同年4月2日に改善措置の実施状況および運用状況を更新した改善計画の進捗状況を公表いたしました。
東京衡機は、上場会社としてステークホルダーの皆様の信頼の下で事業の発展を目指すために、引き続きコンプライアンス・ガバナンス強化に努めてまいります。
東京衡機グループの事業活動その他に関するリスクについて、投資家の判断上、重要であると考えられる主な事項は以下のようなものがあります。東京衡機グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の防止および発生した場合の適切な対処に努めております。
なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末において東京衡機グループが判断したものであります。
① 災害・事故
地震・豪雨等の自然災害や火災等の事故に対しては、防災対策や設備点検等を実施しておりますが、万一災害・事故が発生した場合、設備の損壊、電力供給停止および道路・橋梁等の周辺インフラの機能不全に起因する生産活動の停止・停滞により、東京衡機グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外での事業活動
東京衡機グループの事業には、海外における商品の仕入・販売が含まれております。このため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受け、東京衡機グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、海外での事業活動には、予期せぬ法律や規制の変更、インフラの脆弱性、地域紛争、感染症蔓延その他の要因による社会的または経済的混乱といったリスクがあるため、東京衡機グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品の欠陥
東京衡機グループは、製品・商品・サービスに対して、品質管理体制を強化し、信頼性の維持に努めておりますが、予期せぬ欠陥およびリコールが発生する可能性があります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品等の欠陥は、多額のコストにつながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 市場の動向
東京衡機グループが参入する諸市場に大きな収縮を与える国内あるいは世界的な金融または経済的混乱が発生した場合、売上高の減少、債権の回収長期化等が発生し、東京衡機グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新製品開発と他社との提携
東京衡機グループは、新製品開発が業容拡大の最適手段と考え、多様な製品の開発を継続しておりますが、新製品の投入時期の遅れ等により市場ニーズに対応できない可能性もあるため、たとえば試験機事業においては、海外有力メーカーとその製品の販売契約等を締結し、市場ニーズに即応する最先端の製品を市場に供給する体制を構築しております。ただし、万一、これらの契約が不測の事態により継続しない場合は、東京衡機グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
⑥ 人材の確保と育成
東京衡機グループは、事業基盤の強化・拡大のために、必要な人材確保と育成を重要な経営課題と認識しており、社員の自立的な成長を基本とする人事制度等により人材育成を図っておりますが、事業展開のスピードに見合った人材採用と育成が計画通りに進まない場合は、東京衡機グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
東京衡機グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、既存の株主が有する株式の株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
なお、当連結会計年度末時点における新株予約権による潜在株式総数は13,391株であり、発行済株式総数7,133,791株の0.2%に相当しております。
⑧ 東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準について
東京衡機グループは、2023年2月28日時点において、㈱東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額の基準を充たさない状況となったため、2023年4月21日に上場維持基準に適合するための取組およびその実施時期を記載した計画を作成し公表しておりましたが、当該計画に基づき上場維持基準に適合するための各種取組みを進めた結果、2024年2月29日時点において、株主数、流通株式数、流通株式時価総額、流通株式比率の全ての上場維持基準に適合することとなりました。今後も上場会社としてステークホルダーの皆様の信頼の下で発展していくために、引き続きコンプライアンス・ガバナンスの強化と上場維持基準への適合に努め、業績および企業価値の向上を目指してまいりますが、業績の変動等に対する株価の動向によっては上場維持基準に抵触する可能性があります。
⑨ 特別注意銘柄の指定
東京衡機は、㈱東京証券取引所より2023年3月30日付で特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受けたことから、東京衡機グループのガバナンス・内部管理体制を抜本的に改善し整備していくための「改善計画」を策定し、取組み状況とあわせて、2023年8月28日付「改善計画・状況報告書の公表に関するお知らせ」にてその内容を公表し、グループの役職員一丸となって内部管理体制等の改善に向けて取組みを進めました。その後、特別注意銘柄に指定されてから1年経過し、東京衡機は、2024年4月1日に、有価証券上場規程に定められた「内部管理体制確認書」を提出し、東京証券取引所の審査を受けておりますが、特別注意銘柄の指定解除に向けて、引き続きガバナンス・内部管理体制の改善・強化に取り組んでまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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