朝日インテック(7747)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


朝日インテック(7747)の株価チャート 朝日インテック(7747)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

朝日インテックグループは、朝日インテック及び連結子会社18社(ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、ASAHI INTECC USA,INC.、朝日インテックJセールス株式会社、朝日英達科貿(北京)有限公司、フィルメック株式会社、Filmecc USA,Inc.、TOYOFLEX CEBU CORPORATION、ASAHI INTECC LATIN PROMOCAO DE VENDAS LTDA.、ASAHI Medical Technologies, Inc.、ASAHI INTECC EUROPE B.V.、ASAHI INTECC CIS LLC、ASAHI INTECC Deutschland GmbH、朝日サージカルロボティクス株式会社、Rev.1 Engineering, Inc.、Pathways Medical Corporation、KARDIA S.R.L.、朝日英達医療器械(南寧)有限公司) で構成されており、医療機器分野及び産業機器分野における製品の開発・製造・販売を主な事業としております。

なお、朝日インテックグループは非連結子会社及び関連会社8社(日本ケミカルコート株式会社、フィカス株式会社、株式会社walkey、レイクR&D株式会社、株式会社マグネア、ニッタモールド株式会社、NITTA M&T(THAILAND)CO.,LTD.、ELDORET HOSPITAL-ASAHI INTECC HEART CENTRE)を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

朝日インテック及び連結子会社の当該事業に係る位置づけとセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。

 

(メディカル事業)

当事業は、朝日インテックグループの主体事業であり、主に血管内治療に使用される低侵襲治療(注)製品(治療用のガイドワイヤー・カテーテル製品)を開発・製造しており、国内におきましては主に直接販売により、また海外におきましては、大半は販売代理店を通じ、米国、フランス、ドイツ、イタリアは主に直接販売により、病院等へ販売しております。

[会社]

(製造) ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、TOYOFLEX CEBU

    CORPORATION、朝日インテック株式会社、フィルメック株式会社、朝日英達医療器械(南寧)有限公司(注1)

 

(販売) 朝日インテック株式会社、朝日インテックJセールス株式会社、ASAHI INTECC USA, INC.、朝日英達科貿(北京)有限公司、ASAHI INTECC LATIN PROMOCAO DE VENDAS LTDA.、フィルメック株式

会社、ASAHI INTECC EUROPE B.V.、ASAHI INTECC CIS LLC、ASAHI INTECC Deutschland GmbH、

Filmecc USA,Inc.、Rev.1 Engineering, Inc.(注2)、KARDIA S.R.L.

 

(開発)朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC USA, INC.、ASAHI Medical Technologies, Inc.、朝日サージカルロボティクス株式会社、
Pathways Medical Corporation(注3)、朝日英達医療器械(南寧)有限公司(注1)

 

 

(デバイス事業)

当事業は、医療機器分野及び産業機器分野における部材について開発・製造し、国内外のメーカーへ販売しております。

[会社]

(製造) ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、TOYOFLEX CEBU

 CORPORATION、朝日インテック株式会社

 

(販売) 朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、Filmecc USA,Inc.

 

(開発) 朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.

 

 

注1 朝日英達医療器械(南寧)有限公司は、製造工場建設中(2030年12月生産開始予定)であることから系統図の記載を省略しております。

 2 Rev.1 Engineering, Inc.は、医療機器の設計開発に関する受託業務を事業として行っており、当該成果をもって売上を計上していることから、販売拠点として記載しております。

3 Pathways Medical Corporationは、技術の獲得を目的に買収を行っており、事業の実態がないことから、系統図の記載はございません。

 

〔注釈説明〕

注:低侵襲治療 / 患者の精神的・身体的ダメージを最小限に抑えるために、外科手術をすること無く、大腿や手首などから血管を通じて行う傷口や痛みが少ない治療のことをいいます。通常の外科手術と比較し、患者へのダメージが軽減されるほか、入院期間が短縮される等の利点があり、また付随して患者の経済的負担の軽減や、政府の医療費抑制策にも貢献する治療法といわれております。朝日インテックグループは低侵襲治療製品として、循環器・末梢・腹部・脳血管系のカテーテル関連製品を開発・製造・販売しております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

 

朝日インテックの技術内容は、次のとおりであります。

朝日インテックは、研究開発型メーカーとして、素材から完成品までの一貫した開発・製造が可能であり、お客様からの幅広いご要望にお応えすることが可能となっております。

朝日インテック技術のコアテクノロジーである伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術を応用した製品は、循環器系のみならず、腹部・末梢・脳血管系など幅広い領域における医療機器製品や、レジャー、建築、自動車など多分野での産業機器製品として活躍しております。

 

朝日インテック技術のコアテクノロジーの詳細は、次のとおりであります。

①  伸線技術

自社加工によるダイヤモンドダイスを用いて、ステンレス・プラチナ・チタン等の合金線を、目的に応じた硬度・線径の極細線(ワイヤー)に仕上げる技術であります。この技術は、朝日インテックのすべての製品の素となる技術であり、この技術により高い抗張力や特殊な特性を備えた高精度の製品の開発・製造が可能となっております。

 

②  ワイヤーフォーミング技術

伸線された極細線を、撚り合わせる、平たく圧延する、コイル状に巻く、筒状に編み込む等の技術であります。

この技術は、製品構造による基本技術であり、この技術により、ミクロンレベルで様々に形成された多様な製品の開発・製造が可能となっております。

 

③  コーティング技術

ワイヤーロープやコイルの表面に、ナイロン・ポリエチレン等のコーティングを施す技術であります。大別して、熱可塑性樹脂を押出し成形機により製品上に被覆する技術と、PTFE等の高潤滑剤を製品上に被覆する技術があります。この技術により様々な機能性を付与した多層構成を持つ製品の開発・製造が可能となっております。

 

④  トルク技術

朝日インテック独自の加工設備と高い技術力を駆使し、ワイヤーやワイヤーロープに高度な回転追従性を持たせる技術であります。この技術により、高度な操作性を有した目標到達性の高い製品の開発・製造が可能となっております。

 


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年6月30日)現在において、朝日インテックグループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

(1)経営方針

朝日インテックグループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現すると共に、広く社会に貢献していくこと』を企業理念としております。また特に、朝日インテックグループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、更なる成長を遂げたいと考えております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

① 長期経営ビジョン

朝日インテックグループは、「世界中のプロフェッショナルと共に、「ASAHI TECHNOLOGY」でイノベーションを創出し、次世代の医療や産業のニーズを捉え、グローバルな課題をグローバルに解決する。」という経営ビジョンを定め、長期的な目標として連結売上高1,000億円を超えて更に成長していくことを目指しております。

 

② 中期経営計画

朝日インテックグループは、低侵襲治療を究極的に追究することで、医師や患者様のQOLの向上を目指しております。現中期経営計画「ASAHI Going Beyond 1000」では、連結売上高1,000億円を超えて、更に成長するための事業ポートフォリオの構築を進めており、以下の4つの基本方針を定めております。

①グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大

②グローバルニッチ市場における新規事業の創出

③グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築

④持続的成長に向けた経営基盤の確立

2024年6月期において、中期経営計画のマイルストーンである連結売上高1,000億円を達成いたしておりますが、今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。

なお、朝日インテックグループの重要な経営管理指標としては、売上高、営業利益、営業利益率としております。営業利益率については20%を目安とし、経営の主要パフォーマンスであるEBITDA(営業利益+のれん償却額+減価償却額)の率については30%を目安とすることを、中期経営計画の指標としております。

また、財務指標としては、ROE(自己資本利益率:Return On Equity)とROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)を注目すべき指標として定めております。ROE及びROIC(「運転資本+固定資産」を投下資本として算定)については、共に10%を超えることを基本水準としており、改善を目指してまいります。

 

(a)グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大

朝日インテックグループは現在、世界118の国と地域へ製品を供給しております。朝日インテックグループの製品が使用される血
管内疾患の症例数は、引き続き新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります。

(日本)

日本市場では、病院などに対して自社ブランド製品の直接販売を行っており、循環器系・非循環器系ともに高いシェアを獲得しております。また、非循環器領域では、直接販売体制を活かした他社製品の販売や、消化器分野における自社ブランド製品の強化などを行っております。また、新規事業として、外科手術支援ロボットの「ANSUR(アンサー)」の販売を当年度より開始いたしました。引き続き、収益・事業領域の拡大に努めてまいります。

 

 

(米国)

米国市場では、自社ブランド製品について直接販売を行っております。

循環器領域の拡大に加えて、非循環器領域の末梢血管系と脳血管系を重点市場と位置付け、新製品の積極的な投入に加え、更なる販売促進のために、最終顧客である医師に密着して市場動向をより早く把握できるマーケティングや販売機能の体制を更に強化するなどし、シェア拡大に努めております。これらの戦略により、更なる収益拡大に努めてまいります。

 

(欧州)

欧州市場では、自社ブランド製品について、直接販売や、現場に密着した複数の代理店を通じて販売を行っており、主に循環器系製品において高いシェアを獲得しております。欧州市場の一部の地域におきましては、段階的に、直接販売化を進めており、2019年7月よりフランス、2021年1月よりドイツ、2021年7月よりイタリアにおいて直接販売化に移行しております。今後も、シェア拡大に伴う更なる収益拡大を図ってまいります。

 

(中国)

中国市場では、主に自社ブランド製品について、現地代理店を通じた販売を行っており、主に循環器系製品において高いシェアを獲得しております。循環器・非循環器領域ともに、症例数の増加が堅調であり、グローバル市場の中でも中国は、特に高い成長と発展が見込まれております。

入札制度などの事業を取り巻く環境変化が進むものの、今後におきましても、市場の状況を鑑みながら、新製品の投入、マーケティングや販売活動の充実、現地代理店に密着したバックアップ体制の強化などにより、更なる収益拡大に努めてまいります。

 

(その他地域)

アジア・中近東・オセアニア・南米地域などにおいて、潜在成長力のある新興国を中心に、主に現地に密着した代理店を通じて、自社ブランド製品の販売を行っており、循環器系製品において高いシェアを獲得しております。循環器・非循環器領域ともに、更なる収益拡大を目指してまいります。

 

(Number One製品戦略)

循環器領域の主力製品PCIガイドワイヤーにつきましては、引き続き総合的なラインナップの充実などにより、ナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。

また、PCIガイドワイヤーに次ぐ第二の主力製品として、貫通カテーテルなどがございますが、このような更なる主力製品の確立に向け、カテーテル分野の製品群を一層強化・拡大してまいります。

さらには、循環器領域のみならず、末梢血管系・脳血管系・腹部血管系・消化器系などの非循環器領域への製品展開を強化する施策を継続して進めてまいります。非循環器領域については、循環器領域で培った技術を応用した横展開を行い新製品の拡充に努めると同時に、特に海外地域における販売体制を強化し、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。

 

(Only One製品戦略)

現在、治療が困難とされているCTOに対するPCI治療は、PCI治療の先進国である日本においても完全というわけではなく、海外市場を中心にバイパス手術で対応するケースが残っております。このような中、朝日インテックグループは、他社にはない高い製品優位性を持ち、CTO治療も可能なPCIガイドワイヤーや貫通カテーテルなどの低侵襲治療に必要な製品群を開発・販売し、CTO領域におけるPCI治療選択率の拡大に寄与してまいりました。今後も、研究開発型企業として、プラズマ・ガイドワイヤー(循環器系・末梢血管系)やストローク・スマート・ガイドワイヤー(脳血管系)など、先端技術を使った新しい機能を保持した製品を開発し、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。

 

 

(b)グローバルニッチ市場における新規事業の創出

研究開発型企業である朝日インテックグループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、樹脂コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えております。また、これらの技術に加え、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することにより、朝日インテック独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。これは、医療機器分野以外に、産業機器分野を有する朝日インテックグループならではの強みであり、医療機器分野での競合先とのコスト面・技術面における差別化を図る大きな要因となっております。

今後もグローバル競争に勝ち、連結売上高1,000億円を超えて永続的に成長発展する企業であり続けるために、その礎となる施策に今から着手していくことが必要であると認識し、朝日インテックグループの高い技術力の強化により消化器分野・脳血管系分野・ロボティクス分野などの新領域への進出をはじめております。また、新テクノロジーとの融合が必要な場合には、より積極的に技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入を含め、有力パートナーとの戦略的提携についても推進しております。

グローバルニッチ市場における新規事業の創出により、事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。

 

(C)グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築

販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映でき、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.の研究開発拠点を更に拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。

国内においては、朝日インテックグループの研究開発拠点の中心であるグローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)において臨床現場に近い製品開発を行っております。また、基盤技術開発強化を目的とした大阪R&Dセンターや、次世代医療機器技術の研究開発を目的とした東京R&Dセンターなどの拡充に加え、本社敷地内に、新たな製品開発を中心とする研究開発拠点として「ANNEX棟」を増設いたしました。国内の研究開発体制をより充実させてまいります。

また、朝日インテックグループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場)、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう、3工場で同じ製品が製造できる体制の構築を進めております。これらの目的に加えて、更なる増産体制を構築するために、現在、ハノイ工場の増設を行っております。

今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、朝日インテックグループの成長戦略を下支えしていきます。

 

(d)持続的成長に向けた経営基盤の確立

サステナビリティへの取り組みを推進する体制を構築し、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進しております。

現在、この7つの重要課題を中心に、全社的な取り組みを進めております。サステナビリティに関わる朝日インテックの考え方や、取り組みにつきましては、統合報告書やウェブサイトにて随時開示してまいります。

重要課題1 イノベーションを通じた現場の課題解決

重要課題2 環境負荷低減への取り組み

重要課題3 サプライチェーンマネジメント

重要課題4 安全・安心な製品の供給

重要課題5 グローバル人財基盤の強化

重要課題6 リスクマネジメントの強化

重要課題7 コーポレート・ガバナンスの強化 

 

〔注釈説明〕

注:CTO/(慢性完全閉塞)

長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、朝日インテックグループがCTOにも使用可能なPCIガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPCI治療(カテーテル治療)が主流となっております。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年6月30日)現在において、朝日インテックグループが判断したものであります。

① 医療機器分野について

(法的規制について)

朝日インテックグループの事業は、厚生労働省、米国食品医薬品局、EU当局、並びに中国当局等による諸規制を受けており、朝日インテックグループに関連する主な法的規制は次のとおりであります。

(a) 医薬品医療機器等法及び厚生労働省令

朝日インテックグループは、各種の医療機器及びその関連製品の設計・製造・販売を行うに際し、日本国内では医薬品医療機器等法、医薬品医療機器等法施行令、医薬品医療機器等法施行規則及びQMS省令等により規制を受けております。医薬品医療機器等法では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることが目的とされております。製造販売業者・製造業者は、安全で有用な医療機器を提供するために、品質、有効性及び安全性を確保した継続的な生産体制を維持するためのシステムとしてQMS(Quality Management System:品質マネジメントシステム)を確立し、設計・製造から市販後に至るまで管理する必要があります。

厚生労働省は、国際的な整合性や、科学技術の進歩、企業行動の多様化等、社会情勢の変化を踏まえ、医薬品・医療機器規制及び制度について常に見直しを図っており、承認・許可制度の見直し、市販後安全対策の充実等当該法規制の変更等により、規制が強化された場合には、朝日インテックグループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。

また、今後、医薬品医療機器等法に関連し、朝日インテックグループの承認、許可及び登録が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、朝日インテックグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(b) MDR(Medical Devices Regulation / 医療機器規則)及びMDD(Medical Devices Directive / 医療機器指令)

欧州市場で医療機器を流通させるためには、MDR若しくはMDDに基づく要求事項を満たす必要があり、製造業者は定められた適合性の評価基準を満たさなければなりません。また、これらの法規制に適合していることを証明するCEマーキングが製品に表示されていなければ欧州市場において製品の流通が出来ず、法規制の必須要求事項を満たすための品質システム(EN ISO 13485)の認証維持が条件となります。よって、これらの規制内容や要求事項が変更若しくは強化された場合には、朝日インテックグループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。

また、朝日インテックグループは、MDDへの適合を満たしておりますが、新規制であるMDRへの適合に向けた対応を現在進めております。今後、MDRについて、朝日インテックグループの品質システムの適合性が認められない場合、認証、登録が認められない場合、あるいは遅延した場合には、朝日インテックグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(c) FD&C法(The Federal Food,Drug, and Cosmetic Act / 連邦食品・医薬品・化粧品法)

米国市場で医療機器を流通させるためには、FD&C法に基づき、品質、有効性及び安全性確保が必要になります。この法律は、食品、食品添加物、医薬品、医療機器、化粧品等の規制を目的としており、米国内での流通に際して、必須要求事項であるQSR(Quality System Regulation)に基づく体制の維持・確立が必要であります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、朝日インテックグループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。

また、今後、FD&C法に関連し、朝日インテックグループの登録、認可が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、朝日インテックグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(d) 医療機器監督管理条例

中国市場で医療機器を流通させるためには、医療機器監督管理条例に基づき、品質、有効性及び安全性の確保が必要になります。医療機器監督管理条例の下に、医療機器の分類、登録、生産監督、経営許可、品質管理システムの審査、ラベリング等に関する規則が定められており、中国国内において医療機器の販売及び使用を行うにあたっては、NMPA(National Medical Products Administration /国家薬品監督管理局)の審査を経て、「医療機器登録証」を取得する必要があります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、朝日インテックグループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。

また、今後、医療機器監督管理条例に関連し、朝日インテックグループの登録、承認が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、朝日インテックグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(医療制度改革について)

朝日インテックグループはグローバル規模にて販売を行っておりますが、日本を含め世界各国では医療制度改革が進められております。今後、予想を超える大規模な医療制度改革が行われた場合には、朝日インテックグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また国内では、高齢化の急速な進展等に伴う国民医療費抑制策及び内外価格差問題の解決として、医療制度改革が進められております。2003年4月に特定機能病院において診療報酬包括制が導入されたほか、2002年4月より隔年で保険償還価格の引下げが実施されております。医療制度改革の動向により販売価格が下落する等の影響があった場合は、朝日インテックグループの業績も影響を受ける可能性があります。

(品質管理体制について)

朝日インテックグループは、人命に関わる高度な技術を要する医療機器を取り扱うことから、社内において徹底した品質管理体制を確立しておりますが、特異な要因による不良品の発生や、臨床現場での不適切な取扱いの可能性は完全に否定出来ません。医療事故が発生した場合には、製造物責任により、係争事件等に発展する可能性があります。また医療機器規制 により、関連する製品の回収責任が生じる事も予測されます。このような場合、朝日インテックグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(特定製品への依存について)

朝日インテックグループの主力製品であるPCIガイドワイヤーの、当連結会計年度における連結売上高は509億52百万円となっており、連結売上高全体の47.4%を占めています。従ってPCIガイドワイヤーの売上動向が、朝日インテックグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(中国向け売上高について)

朝日インテックグループの当連結会計年度における連結売上高のうち、メディカル事業の中国売上高は240億33百万円となっており、連結売上高全体の22.3%を占めています。中国市場は、中長期的に高い成長性を有する重要な市場と認識しておりますが、米中貿易摩擦の激化、中国政府・当局による国産優遇策や集中購買の推進など、不確実性が高まっております。

今後の政治情勢や政府・当局の政策・規制の動向などによっては、朝日インテックグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(技術革新への対応について)

医療機器市場では、技術の変革は著しく速く、企業が成長を続けるためには、新技術・新製品の研究開発は必須であります。朝日インテックグループにおいても、研究開発型企業として研究開発活動に注力しておりますが、現行の検査及び治療方法を革新する新技術が開発され、朝日インテックグループの対応が遅れた場合、あるいは他社から極めて優良又は革新的な製品が販売された場合には、朝日インテックグループの提供する製品が陳腐化し、その結果、朝日インテックグループシェアが低下する可能性があります。そのような事態が生じた場合、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(特定取引先からの仕入について)

朝日インテックグループは、原材料の一部について、特定の仕入先に依存している場合があります。朝日インテックグループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合には、朝日インテックグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 産業機器分野について

(客先仕様である事について)

朝日インテックグループの産業機器分野の製品は、レジャー、建築、自動車、OA機器等広範囲にわたって使用されております。今後も新素材及び新製品の開発体制の充実を図り、新規分野の需要開拓に注力する所存ですが、大半が客先仕様に基づく部材レベルの製品であるため、客先の仕様変更等により朝日インテックグループの製品に替わる他社の製品が採用された場合には、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(競合状況について)

朝日インテックグループの産業機器分野の新たな競合先として、近年、韓国・中国等のメーカーなどが存在しております。

朝日インテックグループは、新素材及び新製品の開発体制の充実を図り、新規分野の需要開拓に注力する所存ですが、これらの競合先メーカーが、朝日インテックグループと同品質で、なおかつ低価格の製品を供給できる体制に成長した場合には、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 各事業共通事項について

(海外事業展開について)

朝日インテックグループは現在、世界118を超える国と地域へ製品を供給しており、当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は83.8%となっておりますが、今後、朝日インテックグループがさらに飛躍するために、海外販売をより積極的に展開する方針であり、今後は需要拡大に備え、海外生産拠点の強化・拡充を引続き進めていく所存であります。朝日インテックグループが引続き成長を続けるためには、新たな市場における販売ルートの確立や設備投資を引続き慎重に進めていく所存ですが、海外環境の動向等により、海外事業が計画どおりに展開されない可能性があります。仮にこのような事態が発生した場合、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(海外生産への依存について)

朝日インテックグループは、日本国内施設は主に研究開発拠点と位置付ける一方、連結子会社のASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.及びTOYOFLEX CEBU CORPORATIONは重要な生産拠点として位置付け、現在、量産品については、原則として当該連結子会社に生産移管しております。

一番の主力の生産拠点であるASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.より、第二の生産拠点であるASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.に継続的に生産移管を行い、また第三の生産拠点であるTOYOFLEX CEBU CORPORATIONにおいても医療機器分野の生産を可能にする体制構築を進めるなどし、リスク分散を図っておりますが、これら3つの連結子会社が洪水、地震等の天災や政治、経済、法律、文化、ビジネス慣習、労働力不足や労働賃金水準の上昇、その他様々な現地事情等により操業低迷や不能に陥った場合には、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(原材料価格の高騰について)

朝日インテックグループが製造する製品の多くは、原材料の一部に、ステンレス及びプラチナを使用しております。売上高に対しての原材料比率は比較的低いものの、これら原材料の価格の高騰が予想を上回る状況で進行した場合、特にプラチナ価格の高騰については、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(知的財産権について)

朝日インテックグループは製品の開発・製造・販売に関し、知的財産権の確保に努めておりますが、他社から当該権利を侵害される可能性は完全に否定できず、当該権利期間経過後は、他社による同一製品の新規参入の可能性も予測されます。

また、製品に関連し得る他社の知的財産権の侵害防止に努めておりますが、万一、侵害の事実が発生した場合は、係争事件に発展することも含めて、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(自然災害や大規模災害等について)

朝日インテックグループはグローバル規模にて販売を行っております。朝日インテックグループが事業を展開している地域において、自然災害、戦争、テロ等が発生した場合には、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(疫病や感染症による影響について)

朝日インテックグループは、グローバル規模にて製品の販売を行っております。昨今の新型コロナウイルス感染症の発生より、全世界的にカテーテル治療の症例数は減少しておりましたが、現在、症例数は回復基調にあります。

また、朝日インテックグループの製造工場はタイ・ベトナム・フィリピンにありますが、これらの製造工場の稼働に関しては、新型コロナウイルス感染症による大きな問題は無く、製品供給について問題は生じておりません。

ただし今後において、疫病や感染症の拡大の影響によって、症例数の大幅な減少、生産工場の大幅な稼働の縮小、朝日インテックグループの従業員への感染が拡大するなどした場合には、朝日インテックグループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(気候変動によるリスク)

年々激甚化する自然災害や生物種の喪失などを受けて、気候変動への取組みは大きな社会課題となっており、顧客を含むステークホルダーからのサステナビリティに関する要求は増加しています。また、欧米をはじめとして、気候変動対応や環境政策に関する法規制やそれらへの取組みの開示が強化されるなどもしております。

よって、これらのステークホルダーからの要請に応えられない場合には、顧客取引の停止や入札に参加できないなどの事業機会損失や、投資家からの投資が制限されるなどのリスクがあります。

また、需給バランスの変化や地政学的な影響等に伴うエネルギー価格の上昇や、脱炭素対応のための追加設備投資、炭素税導入、化学物質管理などの規制が強化されることにより、事業コストが増加する可能性があります。

 

④ 全社的な事項について

(為替リスクについて)

朝日インテックは、日本に本社を置き事業運営を行っているため、連結財務諸表作成等のために、海外子会社の現地通貨建て財務諸表を円換算しています。従って換算の為替レートに変動があると、円換算後の損益に影響を及ぼすこととなります。大きな変動が生じた場合には、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は83.8%であり、その大半は米ドル建てですが、ユーロや元などの外貨についても、取引量の増加に比例し、増加しつつあります。一方、朝日インテックグループの主要な生産拠点はタイ、ベトナム、フィリピンにあり、連結子会社のASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.(タイバーツ建決算)、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.(米ドル建決算)及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(円建決算)との取引は、原則的に全て円建てで取引をしております。したがって、為替が円高米ドル安タイバーツ安に進んだ場合、海外売上高の円換算額が目減りするとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて主に売上原価等の円換算額が減少します。また逆に、為替が円安米ドル高タイバーツ高に進んだ場合、海外売上高の円換算金額が増加するとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて売上原価の円換算額が増加いたします。

米ドルとタイバーツが連動すれば、為替変動によるメリット・デメリットは概ね相殺されますが、円に対し米ドル安タイバーツ高に進んだ場合には収益が圧迫されるなど、朝日インテックグループの業績にマイナスの影響を与える可能性があります。

また、前述の通り米ドルの流入量が多く、タイ及びベトナムの連結子会社においては円の流入量が多いため、急激な為替相場の変動時には、これらの決算通貨への交換時に発生する為替差損益が朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(保有株式に関するリスクについて)

朝日インテックは、原則として、取引先や業務提携先とのさらなる事業発展やシナジー効果等を目的として保有しております。したがって、将来、株式相場の悪化や投資先の業績不振等により、大幅な株価下落が発生した場合には、保有株式に減損が発生し、朝日インテックの業績と財務状況に影響を与える可能性があります。

(減損・評価損に係るリスクについて)

朝日インテックは、中長期の成長戦略に基づき、各事業における効率的な経営資源の活用、投資回収の最大化に努めています。しかしながら、当初見込まれた成長を実現できなかった場合、固定資産や投資などの資産の減損により、朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

(企業買収に関するリスクについて)

朝日インテックグループは、企業価値を向上させるために必要な技術やその他の要素の外部からの獲得が、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合や、市場における優位性の確立に資するといった効果が見込める場合には、必要に応じて、企業買収を実施しております。企業買収の実施にあたっては、市場動向や、当該企業の財務内容、契約内容、技術優位性や市場競争力、朝日インテックグループの事業ポートフォリオ並びに企業買収に伴うリスクなどについてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めております。しかしながら、事前の調査・検討にも関わらず、買収後の事業環境に急激な変化が生じた場合、不測の事態が発生した場合、買収した事業が計画通りに展開することができず投下した資金が回収できない場合、追加的費用が発生した場合や、のれんのやその他無形固定資産の減損が必要となった場合などにおいて、朝日インテックグループの事業展開、経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報セキュリティについて)

朝日インテックグループは、事業全般においてITシステムを活用しております。コンピューターウイルス対策などの外部攻撃に対する対応や、セキュリティ遵守に関する従業員教育などにより、リスクの低減に努めておりますが、ITシステムへの不正アクセスやサイバー攻撃、又は自然災害などの不測の事態により、ITシステムの長期間の停止、個人情報や機密情報の流出などが発生した場合、朝日インテックグループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(人材確保に関わるリスクについて)

グローバル規模にて、多様で優秀な人材の獲得競争は激化しております。朝日インテックグループが今後も高い成長性を持続するためには、多様で優秀な人材を確保し、育成し続けることが重要です。しかしながら、そのような人材の獲得が困難となり、高い専門性や豊富な経験を持つ多様な人材が計画とおりに採用、定着化できない場合、または成長に必要な機会、教育、リソースを提供できない場合、競争力低下につながり朝日インテックグループの業績に影響を与える可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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