日本は、世界に例を見ない速度と規模で進行する超少子高齢社会のただ中にあり、高齢化の進展に伴って生産年齢人口の減少が急速に進行し、社会・経済の持続性そのものが問われる時代に入っています。平均寿命の延伸は一方で、生活習慣病や老化に伴う疾患の増加、寝たきり高齢者・要介護者の増加を招き、介護負担の増大や医療・介護財政への圧迫を深刻化させています。これらは高齢化の進展とともに将来的に多くの国々が直面する人類共通の問題でもあります。
人類は、身体そのものの進化ではなく、テクノロジーを手にすることで、自らの環境を変革し、未来を切り拓いてきました。産業革命から情報革命を経て、物理的・情報的な移動の距離と速度は飛躍的な進化を遂げており、人間の脳や身体はテクノロジーによって拡張されつつあります。人類の未来は常にテクノロジーと共にあり、その進化の方向性が社会のあり方そのものを左右すると言っても過言ではありません。
CYBERDYNEは、こうした認識のもと、社会が直面する複雑かつ構造的な課題を解決するため、「人」と「サイバー・フィジカル空間」を融合する「サイバニクス(人・AIロボット・AI情報系の融合複合)技術」を駆使し、人とテクノロジーが共生し、相互に支援し合う未来社会「テクノピアサポート社会」の構築を目指しています。「テクノピアサポート社会」とは、すべての人が年齢や障がいの有無を超えて自立度・自由度を高め、生活や心身の諸課題を解決しながら、安心して暮らせるWell-being社会です。CYBERDYNEは、「テクノピアサポート社会」の実現と、その過程で必要な社会課題の解決そのものを産業化する新たな産業 - ロボット産業・IT産業に続く「サイバニクス産業」の創出を推進しています。
(1) CYBERDYNEの主な事業内容
CYBERDYNEグループは現在、『人』+『サイバー・フィジカル空間』の融合空間でのサイバニクス医療健康・ライフイノベーションを軸として、「患者・高齢者等の自立度向上」「予防・早期発見・医療健康ケア」「見守り・生活支援による自由度向上」「作業支援・AI自動化で効率化」の分野で、主に下記の事業を展開しています。
① サイバニクス技術を活用した製品の研究開発、製造、販売に関する事業
② サイバニクス技術を活用した治療・トレーニング等のサービスの提供に関する事業
③ サイバニクス産業創出のためのスタートアップ支援・イノベーション創出に関する事業(C-Startup)
(2) 中核技術としてのHAL®の動作原理と制御方法
HAL®は、人が装着して利用します。HAL®の技術は様々な分野で利用でき、CYBERDYNEグループの事業の中核となるものです。HAL®は、装着者の脳神経系からの動作意思を反映した微弱な生体電位信号(Bio-Electrical Signal:BES)で機能する「サイバニック随意制御系」、姿勢や重心バランス等の装着者の動作情報を人工知能処理し機能する「サイバニック自律制御系」、装着者の人間特性に適応調整される「サイバニックインピーダンス制御系」、及びこれらを組み合わせた「サイバニックハイブリッド制御系」などで構成される革新的サイバニックシステムです。
人が体を動かそうとする際、その運動意思は微弱なイオン電流の神経系指令信号として、脳、脊髄、運動神経、筋肉へと伝達され、最終的に筋骨格系が動くことになります。その際、微弱な生体電位信号が皮膚表面にも到達してくるので、これを検出できれば運動意思を捉えたことになります。HAL®はこの微弱な生体電位信号を装着者の皮膚表面に貼付けられたセンサーで検出し、これを活用して機能します。これにより、装着者が身体を動かそうとすると、その運動意思に従ってHAL®が駆動します。HAL®は身体に密着しているため、装着者の意思によって駆動すると同時に、脚などの装着部位を動かすことになり、筋紡錘(※1)からの求心性ニューロン(※2)の信号が感覚神経、脊髄を経て脳に戻る(フィードバックされる)ことになります。更に、このような体内の感覚神経系情報に加え視聴覚情報も脳にフィードバックされることになります。このようにして、「脳→脊髄→運動神経→筋肉→HAL®」、そして、「HAL®→筋紡錘→感覚神経→脊髄→脳」という脳と身体とHAL®との間でインタラクティブなバイオフィードバックが構成されることになります。
これが基本的な「サイバニック随意制御」であり、機能的に人間とロボットとを一体化させることに成功した新しい制御手法の動作原理の一つです。また、重度の運動機能障害を有する場合、特に、生体電位信号がまだ検出できないような状態では、「サイバニック随意制御」が機能しないため、人間の基本運動パターンや動作メカニズムの解析結果を元に予め準備されたプログラムによってロボットのように動作する「サイバニック自律制御」が機能します。また、HAL®の質量・慣性モーメント・粘性摩擦等の機械インピーダンスを補償し、装着感に関する物理パラメータを任意に調整することができるサイバニックインピーダンス制御も組み込まれています。目的に応じて、これらの制御を自在に組み合わせたサイバニックハイブリッド制御を構成できることがHAL®の大きな特徴です。
図1 HAL®の動作原理
図2 HAL®の制御方法
※1.筋紡錘
筋肉の内部の紡錘型の筋繊維にらせん状に巻き付いている感覚受容器です。筋肉の長さや張力に応じて神経伝達物質が生じるため関節の角度や身体の姿勢や筋肉が発揮している力などの身体の内部の感覚を起こします。
※2.求心性ニューロン
末梢の感覚受容器からの刺激を脊髄や脳など中枢に伝達する知覚神経のニューロンです。
HAL®に関する主な学術論文は、下記のとおりです。
(脊髄損傷)
・“Actively Controlled Exoskeletons Show Improved Function and Neuroplasticity Compared to Passive Control: A Systematic Review”Global Spine Journal (2025)
・“Feasibility, safety, and functional outcomes using the neurological controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton (HAL®) following acute incomplete and complete spinal cord injury – Results of 50 patients”The Journal of Spinal Cord Medicine (2023)
・“Feasibility, safety, and functional outcomes using the neurological controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton (HAL®) following acute incomplete and complete spinal cord injury – Results of 50 patients”The Journal of Spinal Cord Medicine (2023)
・“Gait ability required to achieve therapeutic effect in gait and balance function with the voluntary driven exoskeleton in patients with chronic spinal cord injury: a clinical study The International Spinal Cord Society (2019)
・“Functional Outcome of Neurologic―Controlled HAL―Exoskeletal Neurorehabilitation in Chronic Spinal Cord Injury: A Pilot With One Year Treatment and Variable Treatment Frequency” Global Spine Journal (2017)
・“Against the odds: what to expect in rehabilitation of chronic spinal cord injury with a neurologically controlled Hybrid Assistive Limb exoskeleton. A subgroup analysis of 55 patients according to age and lesion level”Neurosurgical Focus (2017)
・“The Effectiveness and Safety of Exoskeletons as Assistive and Rehabilitation Devices in the Treatment of Neurologic Gait Disorders in Patients with Spinal Cord Injury: A Systematic Review” Global Spine Journal (2016)
・“Voluntary driven exoskeleton as a new tool for rehabilitation in chronic spinal cord injury : A pilot study” The Spine Journal (2014)
・“Locomotion training using voluntary driven exoskeleton (HAL) in acute incomplete SCI” Neurology (2014)
(脳卒中)
・“Combined therapy using botulinum toxin A and single-joint hybrid assistive limb for upper-limb disability due to spastic hemiplegia”, Journal of the Neurological Sciences (2017)
・“Gait training with Hybrid Assistive Limb enhances the gait functions in subacute stroke patients: A pilot study”, NeuroRehabilitation (2017)
・“Gait training of subacute stroke patients using a hybrid assistive limb: a pilot study” NeuroRehabilitation (2017)
・“Tailor-made rehabilitation approach using multiple types of hybrid assistive limb robots for acute stroke patients: A pilot study”, Assistive Technology (2016)
・“Feasibility and efficacy of high-speed gait training with a voluntary driven exoskeleton robot for gait and balance dysfunction in patients with chronic stroke: nonrandomized pilot study with concurrent control”, International Jounal of Rehabilitation Research (2015)
・“Gait training early after stroke with a new exoskeleton ― the hybrid assistive limb: a study of safety and feasibility” Journal of Neuro Engineering and Rehabilitation (2014)
・“Pilot study of locomotion improvement using hybrid assistive limb in chronic stroke patients” BMC Neurology (2013)
(神経・筋難病)
・“Enhancing the effects of nusinersen with cybernic treatment using Hybrid Assistive Limb (HAL) in spinal muscular atrophy: a real-world case series and exploratory cohort analysis", Orphanet Journal of Rare Diseases (2025)
・“A preliminary study on the effects of long-term robot suit exercise training on gait function and quality of life in patients with spinal and bulbar muscular atrophy”, Journal of Clinical Neuroscience (2024)
・“Effects of Long-term Hybrid Assistive Limb Use on Gait in Patients with Amyotrophic Lateral Sclerosis”Internal Medicine (2022)
・“Robot-assisted training using hybrid assistive limb ameliorates gait ability in patients with amyotrophic lateral sclerosis”, Journal of Clinical Neuroscience (2022)
・“Cybernic treatment with wearable cyborg Hybrid Assistive Limb (HAL) improves ambulatory function in patients with slowly progressive rare neuromuscular diseases: a multicentre, randomised, controlled crossover trial for efficacy and safety (NCY-3001)”, Orphanet Journal of Rare Diseases (2021)
(その他)
・“Therapeutic effect of knee extension exercise with single-joint hybrid assistive limb following total knee arthroplasty: a prospective, randomized controlled trial”, Scientific Reports (2024)
・“Benefits of a Wearable Cyborg HAL (Hybrid Assistive Limb) in Patients with Childhood-Onset Motor Disabilities: A 1-Year Follow-Up Study”, Pediatric Reports (2023)
・“Biofeedback Core Exercise Using Hybrid Assistive Limb for Physical Frailty Patients With or Without Parkinson's Disease”, Frontiers in Neurology (2020)
・“Feasibility of rehabilitation using the single-joint hybrid assistive limb to facilitate early recovery following total knee arthroplasty: A pilot study”, Assistive Technology (2017)
・“Feasibility of rehabilitation training with a newly developed wearable robot for patients with limited mobility” Archives of Physical Medicine and Rehabilitation (2013)
(3) CYBERDYNEグループ製品及びサービスの内容
《医療:サイバニクス治療》
世界初の装着型サイボーグHAL®を医療機器として展開しています。また、HAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療サービスをドイツ及び米国で展開しています。
《介護・自立支援》
主に高齢者の自立度の改善や重度化防止及び加齢により身体機能が低下するフレイル予防や自立維持に向けて、歩行運動に対応した「下肢タイプ」、肘・膝・足首の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹運動に対応した「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用を展開しています。
また、HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT®」を提供する施設型サービス(ロボケア事業)、個人のお客様にHAL®をレンタルし、自宅で「Neuro HALFIT®」に取り組んでいただく在宅型プログラム「自宅でNeuro HALFIT®」を展開しています。
《作業支援》
腰部にかかる負荷低減による腰痛リスク防止を目的としたHAL®作業支援用(腰タイプ)や、AIを搭載した搬送ロボット及び高速自律走行を実現した除菌・清掃ロボット「CL02」を展開しています。
《予防・早期発見》
造影剤不要・非侵襲で末梢の血管や血液の高解像度3Dイメージングをリアルタイムに実現するLED光源方式の光音響イメージング装置「Acoustic X」を研究機器として展開しています(並行して医療機器化を推進中)。
(4) CYBERDYNEグループの事業系統図
以上に述べた事項を、以下の事業系統図に示します。なお、CYBERDYNEグループのセグメントはロボット関連事業のみの単一セグメントです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてCYBERDYNEグループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
CYBERDYNEグループは、山海嘉之が創出したサイバニクス技術を駆使して、社会が直面する様々な課題を解決するため、革新技術(イノベーション技術)の創出と基礎的研究開発から社会実装までを一貫した事業スキームとして事業展開します。即ち、革新技術の創生と新産業(サイバニクス産業)創出による市場開拓、これらの挑戦を通じた人材育成の3本柱を上向きにスパイラルを描くように同時展開する未来開拓型企業を目指しています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
CYBERDYNEグループは、研究開発型企業として革新的製品の研究開発や臨床・実証研究及び各種認証取得を推進し、その製品の上市やサービス展開によって収益を確保することにより、持続的な成長を図ってまいります。
CYBERDYNEグループでは、経営上の重要な非財務指標として、HAL®等の稼働台数を活用しています。
CYBERDYNEグループの主たる収益源は、HAL®等のレンタル・保守に係る売上であり、レンタル・保守契約に係る売上は、レンタル期間にわたり収益が計上され、翌会計年度以降にわたる継続的な収益計上が見込まれるため、CYBERDYNEグループは、現在の業績や将来の見通しを把握することを目的として、HAL®等の稼働台数を取締役会へ報告しています。
最近5年間のHAL®等の稼働台数の推移は、本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営上の重要な非財務指標」に記載のとおりです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
CYBERDYNEグループは、「テクノピアサポート社会」の実現と「サイバニクス産業」の創出による未来開拓を推進していますが、対処すべき課題は、次のように考えています。
① 革新技術・新産業創出のための研究・製品開発
CYBERDYNEグループが目指す「テクノピアサポート社会」の実現、「サイバニクス産業」の創出のためには、社会が直面する課題の解決に向けたIoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)、AIロボット、AI情報系、HCPS融合等の各種サイバニクス技術の継続的な研究開発・製品開発が必要となります。
CYBERDYNEの先端技術の独自性と優位性は、人の内的情報(脳神経情報・生理情報など)に加えて、人の外的情報(行動情報・生活情報など)や環境情報をスーパーコンピュータで一体的に繋げる点にあります。CYBERDYNEは、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」において、「超高齢社会における世代を超えた人々が直面する社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発」を受託しており、当該プログラム等も活用し、国内外の大学・研究機関、医療機関、行政機関、企業等と連携し、引き続き、最先端サイバニクス技術を駆使したサイバニックシステム(サイバニックデバイス、サイバニックインタフェースなど)の研究開発・製品開発、さらにサイバニックシステムから得られるIoH/IoTビッグデータの集積・解析・AI処理を実現する統合サイバニックシステムの構築を推進してまいります。
② サイバニクス治療の臨床試験の推進
世界初の装着型サイボーグHAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療のグローバルな標準治療化のために、各種臨床試験を通じてサイバニクス治療の有効性と安全性の確認が必要となります。日本国内においては、2015年11月にHAL®医療用下肢タイプが8つの神経・筋難病疾患に対して「新医療機器」として医療機器承認を取得していますが、2020年11月に5年間に渡る市販後の使用成績調査を終了し、実際の臨床使用において極めて高い有効性と安全性を示す結果が得られました。また、HTLV-1関連脊髄症(HAM)等の痙性対麻痺症を対象に行った医師主導治験結果をもとに、適用疾患の拡大の承認を2022年10月に取得しました。脳卒中に関しては、医療用HAL®「下肢タイプ」(単脚モデル)の医師主導治験(HIT2016試験)の結果を踏まえて、最新の患者像や臨床ニーズを捉えた追加試験(治験)の実施について、当局と相談しながら準備を進めています。また、小児脳性麻痺等に伴う運動姿勢障害を呈する患児の粗大運動能力の向上を目的とする医師主導治験が、2022年1月より筑波大学附属病院を中心に現在進行中です。
CYBERDYNEグループは、国内外での適用疾患の拡大や他のタイプのHAL®(単関節タイプや腰タイプ)の医療機器化に向けて、国内外の主要な医療機関との連携を強化し、各種臨床試験を推進してまいります。
③ グローバルでの医療機器承認の取得
HAL®のグローバル展開に向けては、世界各国における医療機器の承認取得が必要となります。HAL®医療用下肢タイプは、米国食品医薬品局(FDA)により、2020年10月に従来の脊髄損傷に加えて脳卒中や神経筋難病疾患に対して医療機器承認を取得しましたが、2024年5月に脳性麻痺、HTLV−1関連脊髄症(HAM)、遺伝性痙性対麻痺でも承認を取得するするとともに、世界に先駆け小型モデルの医療機器承認も取得しました。さらに、APAC(アジア太平洋)の主要国を中心に医療機器化を推進しており、2019年10月以降、マレーシア、タイ、インドネシア、シンガポール、オーストラリアで幅広い疾患に対して医療機器承認を取得しています(台湾では脊髄損傷のみ)。また、HAL®医療用単関節タイプは、2019年10月に、第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより医療機器の認証(欧州医療機器指令への適合に対する認証)を取得し、米国、およびAPACの主要国(タイ、インドネシア、オーストラリアなど)でも医療機器化が進んでいます。サイバニクス治療を必要とする方々へ革新的治療技術を届けられるよう、承認や許認可関連の規制の枠組みを世界的に主導している日米欧の各国において医療機器化を達成したCYBERDYNEの臨床開発実績を活かしつつ、引き続きグローバルでの展開を推進してまいります。
④ 世界各国での保険適用
HAL®のグローバルな普及拡大を進めるためには、各国における公的及び民間保険の適用が必要となります。日本では、HAL®医療用下肢タイプ(両脚モデル)について、8つの神経・筋難病疾患に対して2016年9月から公的医療保険による治療が開始されており、2022年4月の診療報酬改定においては、関連する医学会(日本神経治療学会) からの医療技術評価提案を受け、DPC対象病院においても出来高評価となるとともに増点が認められました。また、並行して民間保険会社とも連携し、医療保険及び介護保険(大同生命)や損害保険(AIG、損保ジャパン)への適用や付帯が始まっています。米国では、民間保険の適用に向けて、パートナー医療機関との連携を進めています。欧州では、EU最大の医療機器市場であるドイツにおいて、HAL®医療用下肢タイプによる治療費の全額が公的労災保険に収載されていますが、公的医療保険の適用を目指し、欧州の主要な国での申請準備を継続しています。ドイツにおいては公的医療保険適用の審査手続きが一段階進み、公的医療保険が先行適用される臨床試験の実施が決定し、試験の準備が進められています。また、ドイツやポーランドでは、脊髄損傷患者に対して大手民間保険会社による保険適用が開始されていますが、引き続き各国の民間保険会社との協議を進めてまいります。
⑤ 自立支援のための個人向けサービス強化
現在、日本は超高齢社会となり、65歳以上の高齢者が2022年10月1日現在約3,624万人(総人口の29.0%)、介護保険制度における要介護者又は要支援者は2020年度末で約668.9万人(※)となっており、年々増加傾向にあります。CYBERDYNEグループは、主に高齢者の要介護度の改善や重度化防止及び加齢による身体機能が低下するフレイルの予防や自立維持に向けて、歩行機能向上の促進を目的とする「下肢タイプ」、肘・膝の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹・下肢機能向上の促進を目的とする「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用モデルを展開しています。HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促す「Neuro HALFIT」プログラムを提供するロボケアセンターの拠点拡大に加えて、自宅でもHAL®が利用できる個人向けサービス「自宅でNeuro HALFIT®」の提供を通じて、個人の方に対して、日常的に脳神経・筋系の機能の向上を促し、自立度を高め、要介護予防をサポートする取り組みを引き続き進めてまいります。
⑥ 事業推進体制の強化及び未来開拓型人材の育成
CYBERDYNEグループの製品・サービスは、統合サイバニックシステムとして全体が統合されているため、医療・福祉・生活・職場・生産の各分野、経営・事業開発・研究開発・生産・営業等の各機能において、高度な専門人材を集積するとともに、全体を統合し一体的に事業推進するコア人材を強化することが必要となります。CYBERDYNEグループの事業領域の拡大、製品・サービスの拡充、グローバル展開の進展に伴い、事業推進体制を柔軟に変化させ、強化することが可能な組織及び人事制度を構築し、あるべき未来の姿からバックキャストさせて新たな技術・製品・事業を創造する発想力を持ち、必要とあれば、たとえ異分野であってもその専門家となって推進し、情熱を持ってやり抜く未来開拓型人材の登用・育成を進めてまいります。
※ 出典 内閣府「令和5年版 高齢社会白書」
CYBERDYNEグループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、CYBERDYNEグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、行われる必要があると考えています。
また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。なお、当該記載事項は本書提出日現在におけるCYBERDYNEグループの認識を基礎とした記載であり、将来の環境変化等によって当該認識は変化する可能性があります。
1.CYBERDYNEグループの事業遂行上のリスク
(1) CYBERDYNEグループの事業が新しい事業領域であることについて
CYBERDYNEグループの主力製品であるHAL®は、CYBERDYNEの代表取締役社長山海嘉之が開発した世界初の装着型サイボーグです。CYBERDYNEグループは、現状、日本、欧州、米国、APAC(アジア太平洋)、中近東において医療用HAL®を、国内においてHAL®福祉用(下肢タイプ)、HAL®自立支援用(下肢タイプ・単関節タイプ・腰タイプ)、HAL®腰タイプ介護支援用・作業支援用等を事業展開しています。CYBERDYNEグループの技術は、医療・介護福祉分野、生活・重作業分野、エンターテインメント分野等さまざまな領域に活用できると考えていますが、従来にない新しい事業領域であることによる不確実性が高く、市場が順調に成長する保証はなく、またCYBERDYNEグループ製品の市場への浸透が計画どおりに進まないあるいは収益性を確保することができない場合等には、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競争について
CYBERDYNEグループは、HAL®を中心として、医療、福祉、生活、職場、生産分野での事業展開を行っています。現在、国内外の企業により自律制御を用いた装着型ロボットの開発が行われていますが、人間の脳から発する生体電位信号を活用するサイバニック随意制御技術はCYBERDYNEグループ独自のものであり、差別化によるCYBERDYNEグループ製品の優位な競争力は保たれていると認識しています。また、HAL®の知的財産については、CYBERDYNEグループと国立大学法人筑波大学が特許を共同保有しています。現在、国内外の様々な企業が装着型ロボットの研究や実用化を進めており、また、巨大なテクノロジー企業を含む多数の企業が商業用ロボットの分野に新規参入するなど、CYBERDYNEグループを取り巻く競争環境は変化しており、競合他社がCYBERDYNEグループと比べて、資本、人材、コスト構造の効率性、ブランド、製品の多様性等の点において、より競争優位性を有する可能性があります。HAL®のような先進的技術を用いた製品の開発、実証試験、安全規格認証や医療機器認証の取得及び保険適用等を含む商用化には多大な時間と費用を要する一方で、これが成功する保証はありません。上記のような事業環境において、他社がCYBERDYNEグループの製品よりも新しい技術やより有用な製品の開発に成功した場合には、CYBERDYNEグループの製品の優位な競争力が持続できず、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 会社組織に関するリスク
CYBERDYNEは、2004年6月24日に設立されましたが、下記のようなベンチャー企業特有の課題があると認識しています。
① 経営面及び新技術の開発において創業者である代表取締役社長山海嘉之に多くを依存しています。今後何らかの要因により同氏の業務執行が困難となった場合には、CYBERDYNEグループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 優秀な研究開発人材を多数有していますが、CYBERDYNEグループが必要とする優秀な人材が退職した場合には、CYBERDYNEグループ製品開発のスピードに影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業の拡大に伴い、営業・生産・管理部門の人員増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針ですが、優秀な人員の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合、CYBERDYNEグループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定製品への依存リスク
CYBERDYNEグループの主力製品はHAL®であり、当連結会計年度において、それに関連する売上収益はCYBERDYNEグループの売上収益の大半を占めています。今後につきましても、当面の間HAL®が主な収益源になると予測していますが、各国の法規制、医療政策等の変更や、医療保険などの保険制度の整備の遅れ等が生じた場合には、CYBERDYNEグループの事業及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの要因に加え、HAL®の使用又はこれに関連した訴訟等の提起、HAL®に代替する新規技術や技術革新、より競争力のある同種製品の発表、関連する法規制等の変更、筑波大学との間のHAL®に関する特許権の独占的に使用する専用実施権の付与に関する関係の変化等、何らかの要因により、HAL®の持続的な市場拡大が見込めなくなった場合には、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 医療機器承認について
HAL®を中心としたCYBERDYNEグループの製品について、医療機器として販売するためには、各国又は地域における法規制に基づき、一定の治験・審査等を経た上で当局の承認を得ることが必要になります。CYBERDYNEグループは、EU、日本、米国等において医療用HAL®の医療機器としての承認・認証を得ていますが、それ以外の国又は地域において、HAL®又はその他のCYBERDYNEグループ製品について医療機器としての承認を受けられる予めの保証はなく、また承認を受けられるとしてもその時期は各国・地域毎に異なる可能性があります。また、承認後に当該国又は地域における法規制や制度に変更等が生じた場合には、既に得られた承認が更新できるとは限らず、また取り消される可能性もあります。このような場合において、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 保険収載について
CYBERDYNEグループは、HAL®を中心としたCYBERDYNEグループ製品を使用したサイバニクス治療が多くの国又は地域で公的及び民間の医療保険に収載され、HAL®を導入する医療機関が保険金の支払いを受けることができることが、HAL®が普及・浸透するための重要な要素であり、CYBERDYNEグループの事業展開における大きな課題であると認識しています。しかしながら、保険制度は各国又は地域により異なるほか、保険収載に際して適用疾患の範囲や保険金支払いの程度等は各国又は地域の公的保険機関や民間保険会社等によりそれぞれ決定されるため、その状況如何によってCYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(7) スタートアップとの資本業務提携について
CYBERDYNEグループは、国内外のスタートアップと戦略的な資本出資及び業務提携を行っていくことが、CYBERDYNEグループのサイバニクス産業創出を加速するための大きな課題であると認識しており、積極的に推進しています。しかしながら、出資及び提携等を行うに際して、出資及び提携による効果を事前に完全に予測することは困難であり、かかる出資及び提携等が円滑に行われる保証はありません。戦略的な資本提携及び業務提携が、当初見込みとおりの期間で予想どおりの効果を得られるという保証はなく、出資及び提携等による効果をCYBERDYNEグループが適切に活用できない可能性があります。また出資先の経営状況により、株式評価を変更する必要が生じる可能性があります。これらの事情により、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 事業活動全般に関するリスク
CYBERDYNEグループは、国内外で事業活動を展開していますが、全ての国・地域において下記のようなリスクがあると認識しています。
・政治状況、経済状況等の地政学リスク
・感染症等の拡大や災害等のリスク
・法制度、税制等が変更されるリスク
また、海外での事業活動においては、下記のようなリスクがあると認識しています。
・商習慣等が異なるリスク
・大規模なストライキ等、労働環境が混乱するリスク
・文化的な違い等による、現地採用人材、事業運営等の管理が困難となるリスク
・日本への送金等が困難となるリスク
・為替に関するリスク
これらのリスクはCYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製品の不具合による顧客の損失について
CYBERDYNEグループは、ISO13485(医療機器の品質マネジメントの国際標準規格)に基づいて製品品質の更なる向上に継続的に取り組んでいますが、将来にわたって製品に欠陥がなく、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。万が一、製品の欠陥により損害が生じた場合は、製造物責任請求についてはその全部又は一部について製造物責任(PL)保険の対象となりますが、CYBERDYNEグループ及び製品の社会的信用が低下することにより、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産権について
① CYBERDYNEグループのHAL®は人間の生体電位信号を活用する独自の技術を利用するものですが、HAL®に利用されるこのような技術について、CYBERDYNE単独保有の特許を除き、原則として全ての国内特許はCYBERDYNEと筑波大学の共同保有となっています。さらに、CYBERDYNEグループは筑波大学と特許権に関する独占的実施許諾契約を締結することで特許技術をCYBERDYNEグループのみで独占的に利用しています。この契約はCYBERDYNEグループが事業活動を行う上で重要な事項であり、許諾を受けた知的財産権の権利期間の満了日まで効力を有するものの、本契約に違反した場合、合併や重要資産の買収がなされた場合やCYBERDYNE事業の重要部分が譲渡された場合など何らかの理由によりこの契約の継続が困難となった場合には、CYBERDYNEグループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② CYBERDYNEグループの事業に関連した特許権等の知的財産権について、現時点において、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はなく、CYBERDYNEグループの事業に関し他者が保有する特許権への侵害等の知的財産権侵害に関する問題の発生により、CYBERDYNEグループの事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しています。また、技術調査等を継続して行っていくことで知的財産権侵害問題の発生を回避するよう努めています。しかしながら、CYBERDYNEグループのような研究開発型の企業にとって、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難です。今後、CYBERDYNEグループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針ですが、当該第三者の主張の適否にかかわらず、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があり、また、CYBERDYNEグループの技術に関しては、細心の注意を払って管理していますが、第三者がCYBERDYNEグループの技術を侵害した場合であっても、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があります。その場合にはCYBERDYNEグループの事業戦略、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的なリスクについて
CYBERDYNEグループの事業は、以下の事項を含め、各国又は地域における各種法令、規則その他の規制の適用を受けており、これらの法規制等による制約に服しています。例えば、CYBERDYNEグループの様々な事業活動において、国内外を問わず、CYBERDYNEグループが関与する技術・製品・サービス等についての知的財産権や製造物責任、また薬事、商取引、輸出入規制、関税を含む税務、贈賄や腐敗防止に関する法規制、競争法、労働法、消費者関連法、個人情報保護法、環境法、外為法その他事業に関連して様々な法規制等の適用を受けており、またこれらの法規制等や慣行を巡って予期しない課題が提起される場合があります。特に、CYBERDYNEグループが現在取り扱っている製品の一部は、日本では薬機法により定められた医療機器として厚生労働省による製造販売承認を取得しており、日本以外の各国又は地域においても同様の規制当局による承認等が必要であるとともに監督当局による監督に服します。この承認審査は、製品の有効性、安全性等の確認を目的として行われるものであり、審査の結果、製造の承認が取得できなかったり、承認の時期が遅れたりする可能性があります。さらに、承認の取得後、製品を販売している間においても、当該製品の有効性、安全性に問題が生じた場合には、承認が取り消されることもあります。上記のほか、CYBERDYNEグループが、CYBERDYNEグループの事業に適用のある法規制等に違反した場合、民事、行政、刑事上の制裁を課される可能性があり、またCYBERDYNEグループの社会的信用に影響する可能性があります。これらの場合にはCYBERDYNEグループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 個人情報に関するリスク
CYBERDYNEグループではHAL®の利用者の個人情報を取得しています。CYBERDYNEグループでは、当該情報に接することができる者を制限するとともに、全役職員との間で守秘義務契約書を締結しています。また、CYBERDYNEグループは、個人情報保護規程を制定するとともに、個人情報保護管理者を任命する等、個人情報の管理には十分留意し、現在まで顧客情報の流出等による問題は発生していません。しかしながら、今後、顧客情報の流出等の問題が発生した場合、CYBERDYNEグループへの損害賠償請求やCYBERDYNEグループの社会的信用の低下等により、CYBERDYNEグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 平和倫理委員会について
CYBERDYNEグループは、CYBERDYNEグループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用されることを防止するため、平和倫理委員会を設置しています。平和倫理委員会は、代表取締役社長及び全ての社外役員により構成され、審議事項の判定は、出席委員の3分の2以上の賛成をもって行うものとしており、CYBERDYNEグループの企業行動規範で定める「医療、介護福祉、災害復旧」の事業領域に含まれないおそれがある事業領域へ参入する際に、その参入により、CYBERDYNEグループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用される可能性の有無について審議・検証し、判定の結果を取締役会へ報告します。
この平和倫理委員会の審議・検証の結果が、短期的にはCYBERDYNEグループの業績向上に必ずしも資さない可能性があります。
2.大学教授等兼任に関するリスク
(1) 筑波大学教授等の兼任について
CYBERDYNE代表取締役社長である山海嘉之は筑波大学の教授職並びに内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム (以下「SIP」)のプログラムディレクター(以下「PD」)を兼業しています。当該兼業に伴う①代表取締役社長及び大学教授並びにSIPのPDを兼ねていることによるCYBERDYNEグループと筑波大学並びに内閣府のSIPの研究推進法人である国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)との間における利益相反防止体制、②代表取締役社長兼務への支障の有無については、それぞれ以下のとおりです。
① 利益相反防止体制
大学並びにNEDOとの取引や共同研究契約の締結など利益相反に係る意思決定は全て取締役会決議を行っており、当該決議に際しては、山海嘉之を含む筑波大学関係者を除いた取締役4名(うち社外取締役3名)並びに内閣府関係者である山海嘉之を除いた取締役5名(うち社外取締役4名)によって意思決定を行うことにより、利益相反を防止する体制を構築しています。更に監査役監査にて利益相反に係る事項を日々モニタリングし、取締役会で報告する体制を構築しています。
② 代表取締役社長業務への支障の有無
サイバニクス研究にかかるCYBERDYNEグループと筑波大学並びに内閣府SIPでの業務は一体的且つ不可分であり、純粋な筑波大学職員としての職務(授業、大学教授としての学内会議への出席等)並びにSIPのPDとしての職務(企画・マネジメント等)が、CYBERDYNE代表取締役社長固有の業務(取締役会出席、稟議決裁、投資家対応等)に与える影響は限定的であり、代表取締役社長としての職務執行が十分に可能な状態にあります。
しかしながら、山海嘉之がCYBERDYNE代表取締役社長としての立場よりも大学教授並びにSIPのPDの立場を優先した場合、CYBERDYNEグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.先端機器事業全般に関する事項
(1) 開発事業全般に関するリスク
先端技術開発の分野では、世界各国の企業が技術革新の質とスピードを競い合っています。また、先端技術の基礎研究、開発から製造及び販売に至る過程では、各国における諸規制に従ってこれを推進していくことから、長期間にわたり多額の資金を投入することになります。このため、研究開発には多くの不確実性が伴い、CYBERDYNEグループの現在及び将来における開発品についてもこのようなリスクが内在しています。また、CYBERDYNEグループは、事業計画に基づき、事業領域を拡大してまいりますが、事業領域が計画通り拡大する保証はなく、また適用された保険等の制度が将来的に見直されたり、変更されたりするリスクが存在しています。このようなリスクが顕在化した場合は、CYBERDYNEグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新規開発品の創出に関するリスク
CYBERDYNEグループは、研究開発型企業として積極的に新規開発品の探索及び創出を図っており、既に事業化されているHAL®下肢タイプ(医療用・福祉用・自立支援用)や単関節タイプ及び腰タイプ(作業支援用・介護支援用・自立支援用)、人工知能AI搭載型の搬送ロボットや除菌・清掃ロボットに加えて、複数の新規開発製品をリリースすることを重要な事業戦略としています。
しかしながら、これらの新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、CYBERDYNEグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発に内在する進捗遅延に関するリスク
CYBERDYNEグループは、研究開発型企業グループとして筑波大学との共同研究関係を中心として外部との協力関係を構築することで効率的な研究開発の推進を図っています。しかしながら、研究開発活動が計画通り進む保証はなく、当初計画したとおりの研究開発による結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合あるいは医療機器としての製造販売承認の取得が遅れる又は制限される可能性などは否定できません。CYBERDYNEグループは、このような事態を極力回避すべく、各開発品の進捗管理及び評価を適時に行い、各開発品の優先順位付け、投下する経営資源の強弱の変更あるいは一時中断の決定などの対応を図っています。
このように、CYBERDYNEグループは研究開発費が大きく増加するリスクを低減していますが、研究開発が計画どおりに推移しない場合には、CYBERDYNEグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4.B種類株式の導入について
(1) 本スキームの概要
CYBERDYNEグループは、「テクノロジーは人や社会に役立ってこそ意味がある」という基本理念のもとで、HAL®を中心とした先進技術を平和的な目的の場で活用しており、人の身体能力を改善・補助・拡張・再生するサイバニクス技術を平和目的に利用することは、到来した超高齢社会のニーズと合致し、CYBERDYNEグループの長期的な企業価値の向上に繋がるものです。一方で、当該技術は、人の殺傷や兵器利用を目的とした軍事産業への転用など、平和的な目的以外の目的で利用される可能性があります。そこで、CYBERDYNEは、資本市場から資金調達を行いつつ、先進技術の平和的な目的での利用を確保するため、上場する普通株式とは異なる種類のB種類株式を発行しています(CYBERDYNEのB種類株式を用いたスキームを、以下「本スキーム」といいます。)。
CYBERDYNEグループの将来ビジョンである、超少子高齢化という社会が直面する課題を解決しつつ、サイバニクス産業という新しい産業分野を開拓するためには、サイバニクス技術の研究開発と事業経営を一貫して推進する必要があります。CYBERDYNE代表取締役社長である山海嘉之は、このサイバニクス技術を創出し、現在もサイバニクス研究の中心的な存在であり、更にその革新的な技術を社会に還元するための事業推進者でもあります。このため、CYBERDYNEグループの企業価値向上(株主共同利益)には、当面の間、山海嘉之が経営に安定して関与し続けることが必要であると考えており、これを実現可能とする本スキームは、株主共同利益の観点で必要性の高いスキームであると認識してします。
具体的には、CYBERDYNEは、上場する普通株式と比較して、剰余金の配当及び残余財産の分配については同一の権利を有しますが、単元株式数について異なるB種類株式を設けています。普通株式の単元株式数を100株とし、B種類株式の単元株式数を10株とすることにより、B種類株式を有する株主(以下「B種類株主」といいます。)が有する議決権の数は、同数の普通株式を有する株主(以下「普通株主」といいます。)に比べて、10倍となります。B種類株主は、山海嘉之、山海嘉之が代表理事を務める一般財団法人山海健康財団及び一般財団法人山海科学技術振興財団(以下「本財団法人」と総称します。)のみであり、山海嘉之は、当連結会計年度末時点において普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、CYBERDYNEの総株主の議決権の数の約85%となります。
普通株式及びB種類株式並びに本スキームの概要は、以下のとおりです。
(i)株式の概要
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普通株式 |
B種類株式 |
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剰余金の配当・残余財産 の分配 |
同順位・同額 |
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単元株式数 |
100株 (100株につき1個の議決権) |
10株 (10株につき1個の議決権) |
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譲渡制限 |
制限なし |
取締役会の承認が必要 (B種類株主間の譲渡には不要) |
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種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定め |
あり |
なし |
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取得請求権 |
なし |
あり (B種類株式1株を 普通株式1株に転換) |
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取得条項 |
なし |
あり (B種類株式1株につき 普通株式1株を交付) |
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株式の分割・株式の 併合等 |
同時・同一の割合 |
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上場 |
上場 |
非上場 |
(ⅱ)単元株式数の相違
普通株式とB種類株式は、剰余金の配当及び残余財産の分配は同順位かつ同額で受領する権利を有しますが、単元株式数については、普通株式は100株、B種類株式は10株と異なります。これにより、例えば、B種類株式100株を有するB種類株主は株主総会において10個の議決権を有するのに対し、同数(100株)の普通株式を有する普通株主は株主総会において1個の議決権を有することとなり、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなります。なお、当連結会計年度末時点におけるCYBERDYNEの普通株式の発行済株式の数は137,445,809株、B種類株式の発行済株式の数は77,700,000株であり、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、CYBERDYNEの総株主の議決権の数の約85%を有するため、取締役の選任及び組織再編を含む株主総会の決議事項を自らの議決権行使により可決させることができます。
(ⅲ)B種類株主の変更を抑制するための仕組み
B種類株式は、CYBERDYNEグループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものです。そこで、B種類株式が本書提出日におけるB種類株主又はCYBERDYNE以外の者に譲渡されることを防止するため、定款上、①B種類株主以外の者がB種類株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を要する旨、及び、②B種類株主以外の者によるB種類株式の取得について譲渡承認請求(会社法第136条又は第137条に定める承認の請求をいいます。)がなされた場合及びB種類株主が死亡した日から90日が経過した場合(ただし、他のB種類株主に相続又は遺贈されたB種類株式及び当該90日以内に他のB種類株主に譲渡されたB種類株式を除く。)には、当該請求がなされたB種類株式又は当該死亡したB種類株主が有していたB種類株式の全部を普通株式に転換(CYBERDYNEがB種類株式を取得し、B種類株式1株と引換えに、B種類株主に対して、普通株式1株を交付することをいいます。以下同じです。)する旨が定められています。
本書提出日におけるCYBERDYNEのB種類株主は、山海嘉之及び本財団法人であり、それぞれが有するB種類株式は、山海嘉之が77,696,000株、本財団法人が4,000株です。山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡することを予定しています。また、本財団法人は、B種類株式を継続して保有する予定であるとのことです。
なお、B種類株主である本財団法人は、CYBERDYNEグループの先進技術の平和的な目的での利用を確保し、CYBERDYNEグループの企業価値が毀損されることを防止するため、いずれも以下の内容の議決権行使ガイドラインを定めています。
財団法人は、その所有するCYBERDYNEが発行するB種類株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使するにあたり、次の各号に規定する決議事項について、それぞれ当該各号に規定する場合には、反対の議決権を行使するものとする。なお、財団法人は、議決権行使ガイドラインの内容を変更する場合には、理事会の決議による承認を得るものとし、財団法人が定める方法により変更内容を公表する。
a.取締役の選解任に係る決議については、当該取締役の選解任によって、CYBERDYNEグループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又はCYBERDYNEグループの企業価値が毀損される形での経営が行われると判断される場合
b.その他の決議については、当該決議が可決されると、CYBERDYNEグループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又はCYBERDYNEグループの企業価値が毀損されると判断される場合
(ⅳ)ブレークスルー条項
CYBERDYNEは、極めて小さい出資割合で会社を支配するような状況が生じた場合には本スキームの解消が可能となるようにするため、CYBERDYNEの発行する株式につき公開買付けが実施された結果、公開買付者の所有するCYBERDYNEの株式の数がCYBERDYNEの発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対して占める割合が4分の3以上となった場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のブレークスルー条項(注)を定款に定めています。
(注)「ブレークスルー条項」とは、発行済株式総数のうち一定割合の株式を取得した者が現れた場合にスキームを解消させる条項をいいます。
(ⅴ)サンセット条項
B種類株式は、上記(ⅲ)のとおり、山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡し、本財団法人はB種類株式を継続して保有する予定であり、本スキームは、CYBERDYNEグループの先端的なロボット技術の開発を行った山海嘉之がCYBERDYNEの取締役を退任し、又は死亡した後も継続することが予定されています。しかし、山海嘉之が取締役を退任した後も本財団法人がB種類株主としてCYBERDYNE議決権を行使することが、普通株主を含むCYBERDYNE株主の意思と合致しない可能性があるため、山海嘉之が取締役を退任(但し、重任その他退任と同時若しくは直後に選任される場合を除く。)した場合は、当該退任の日(当該退任と同日を含む。)から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までに、また直前の株主意思確認手続の日の後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものの終了後3か月以内に普通株式及びB種類株主全体の意思を確認するための株主意思確認手続を実施することとしています。具体的には、B種類株式の単元株式数を100株とみなして計算される普通株主及びB種類株主の議決権の3分の1以上を有する株主の意思が確認でき、意思を確認した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数が賛成した場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のサンセット条項(注)を定款に定めています。
(注)「サンセット条項」とは、議決権種類株式導入の目的が終了した場合又はこれらの事由が生じたとみなすことのできる場合に、スキームを解消させる条項をいいます。
(ⅵ)普通株主を構成員とする種類株主総会の排除
CYBERDYNEは、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合には、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨を定款に定めています。
但し、種類株主総会を排除しても普通株主が不当に害されないようにするため、会社法第322条第1項各号に掲げる行為のうち、①株式の併合、株式の分割、株式無償割当て、新株予約権無償割当て、株式及び新株予約権の株主割当、株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合を除きます。)並びに単元株式数の変更については、同時に同一の割合で(株式移転については同一の割合で)行う旨を定款に定めており、また、②CYBERDYNEが消滅会社となる合併、完全子会社となる株式交換又は株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合に限ります。)にかかる議案が全ての当事会社の株主総会(株主総会の決議を要しない場合は取締役会)で承認された場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨の取得条項を定款に定めています。
(2) 本スキームのリスク
B種類株式は、CYBERDYNEグループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものですが、本スキーム導入により想定されるリスクには、以下のものが含まれます。これらのリスクが顕在化した場合、CYBERDYNEの普通株式を保有する株主の権利や利益に影響を及ぼす可能性があります。
① B種類株主の議決権行使による強い影響力に関するリスク
当連結会計年度末において、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式3,042,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、CYBERDYNEの総株主の議決権の数の約85%を有することとなり、CYBERDYNEの事業運営に強い影響力を有することとなります。これにより、普通株主による議決権行使によるCYBERDYNEに対する影響力は限定的となります。また、B種類株主の議決権行使は、特にCYBERDYNEグループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために行使される場合、普通株主の利益と相反する可能性があります。
② CYBERDYNE株式の買付けを妨げるリスク
本スキームの導入により、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなり、より少ない数のB種類株式でより多くの議決権を有することが可能です。CYBERDYNE定款にはブレークスルー条項及びサンセット条項が定められていますが、ブレークスルー条項及びサンセット条項によりB種類株式の全部が普通株式に転換するのは、それぞれ、公開買付者が普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の4分の3以上を所有することとなった場合及び株主意思確認手続(上記(1)(ⅴ)に記載)において3分の2以上の多数の株主が普通株式への転換に賛成した場合に限られます。よって、本スキームは、普通株主にとって利益となるようなCYBERDYNE株式の買付けを妨げる可能性があります。
③ 普通株式を構成員とする種類株主総会の排除に関するリスク
CYBERDYNEは、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合(法令又は定款に別段の定めがある場合を除きます。)であっても、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要せず当該行為を行うことができるため、普通株主の意思がCYBERDYNEの意思決定に反映されない可能性があります。
④ B種類株式の転換に関するリスク
B種類株式には普通株式を対価とする取得請求権及び取得条項が付されているため、今後、B種類株式が普通株式に転換することにより、上場している普通株式の発行済株式の数が増加し、普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
5.その他のリスク
(1) 配当政策について
CYBERDYNEグループは、早期の営業黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針です。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が想定通りに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。
(2) 資金繰り及び資金調達等に関するリスク
CYBERDYNEグループでは、研究開発活動の進捗に伴い多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じています。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資、設備投資及びM&A等の資金需要の増加が予想されます。今後も継続的に財務基盤の強化を図ってまいりますが、収益確保又は資金調達の状況によっては、CYBERDYNEグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) マイナスの利益剰余金を計上していることについて
CYBERDYNEグループは、これまで研究開発活動を重点的に推進してきたことから、多額の研究開発費用が先行して計上され、CYBERDYNE個別決算上マイナスの利益剰余金を計上しています。CYBERDYNEグループは、早期の黒字化を目指しており、その後も安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指していますが、CYBERDYNEグループの事業が計画通り進展せず、マイナスの利益剰余金が計画通りに解消できない可能性があり、CYBERDYNEグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 税務上の繰越欠損金について
CYBERDYNEグループは研究開発型企業として先行的に開発投資を行ってきたため、本書提出日現在において、税務上の繰越欠損金を有しています。今後の税制改正により欠損金の繰越控除制度が見直され、欠損金の繰越控除制限が強化された場合、研究開発に投下した資本の一部を回収する機会を喪失する等、CYBERDYNEグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替相場の変動について
CYBERDYNEグループの連結決算においては、海外グループ会社決算を現地通貨から邦貨換算してCYBERDYNEの連結財務諸表に反映するため、為替変動による影響を受けるリスクがあります。従いまして、今後、大幅な為替変動が生じた場合、CYBERDYNEグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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