象印マホービン(7965)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】象印マホービングループは、象印マホービン、子会社11社及び関連会社3社により構成され、その事業は、家庭用品等の製造、販売及びこれらの付随業務を営んでおります。なお、家庭用品以外の事業の重要性が乏しいと考えられるため、セグメント情報の記載を省略しております。 製造部門(調理家電製品)国内においては、象印ファクトリー・ジャパン株式会社、海外においては、新象製造廠有限公司があります。(リビング製品)国内においては、象印ファクトリー・ジャパン株式会社、海外においては、関連会社であるUnion Zojirushi Co., Ltd.があります。(生活家電製品)象印ファクトリー・ジャパン株式会社があります。(その他製品) 象印ファクトリー・ジャパン株式会社があります。販売部門国内においては、象印マホービン及び象印フレスコ株式会社、象印特販株式会社、海外においては、Zojirushi America Corporation、上海象印家用電器有限公司、台象股份有限公司、Zojirushi SE Asia Corporation Ltd.、Lin & Partners Distributors Limited、Zojirushi Korea Corporation、そして関連会社であるN&I ASIA PTE LTDがあります。なお、Zojirushi Korea Corporationは、2025年10月1日に設立し、2026年4月営業開始予定です。物流部門象印ユーサービス株式会社、そして関連会社である旭菱倉庫株式会社があります。修理・リサイクル部門象印ユーサービス株式会社があります。 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年11月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】象印マホービングループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、象印マホービングループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針象印マホービングループでは、企業理念を創業以来、経営の根底にある不変の価値観を表した「暮らしをつくる」と定め、経営方針として「BRAND INNOVATION(ブランド革新)~家庭用品ブランドの深化と「食」と「暮らし」のソリューションブランドへの進化~」を掲げております。その背景には、国内における人口・世帯数の減少や少子高齢化の進行、海外新興国における生活水準の向上、デジタル化の急速な進展など、人々の暮らしが変化・多様化していくなかで、従来の家庭用品メーカーとしてのブランドを継続するだけでは持続的な成長が難しくなりつつあることが挙げられます。将来にわたりお客様に支持され、持続的な成長を実現するためには、こうした環境の変化に適応し、生活者の食や暮らしに関する不満や負担を、商品やサービスを通じて解決(ソリューション)していく必要があり、ZOJIRUSHIブランドの革新が不可欠であると考えております。 (2) 中期経営計画の進捗状況象印マホービングループは2022年11月21日より、暮らしの課題、社会の課題を解決しながら持続的に成長するソリューションブランドへ着実に移行(シフト)するため、3ヵ年の中期経営計画『SHIFT』に取り組んでまいりました。『SHIFT』では、ドメイン・シフト「新規領域の拡大と既存領域の深化」、グローバル・シフト「グローバル市場での成長加速」、デジタル・シフト「デジタル化の推進」、サステナビリティ・シフト「持続可能企業への体質転換」の4つの重点課題を掲げ、具体的施策の実行に向けて取り組んでまいりました。「ドメイン・シフト」では、既存の市場やチャネルを深掘りするため、炊飯ジャー「炎舞炊き」やオーブンレンジ「EVERINO」を中心に商品のラインアップを拡大、また、国内を中心に高付加価値化や価格の適正化を進め、採算の改善を図りました。「グローバル・シフト」では、伸長する海外市場のEC化に適応したほか、2023年に韓国支店を設立するなど、直接貿易の営業体制を強化しました。また、中期調達戦略の実行を通じてグローバル生産体制の整備を進めました。「デジタル・シフト」では、生成AIサービスの導入を進めた事に加え、社内システムの完全クラウド化が完了した事で、業務効率化と事業の継続性を高めました。また、営業活動の可視化により、データに基づく活動内容の最適化を図りました。「サステナビリティ・シフト」では、2025年のCO₂排出量の削減率が2019年比で40%以上を見込むほか、健康経営優良法人に継続して認定されるなど、ESG課題への取り組みを進めました。その結果、連結売上高は『SHIFT』で掲げた2025年目標90,000百万円に対し、91,151百万円と目標を上回りました。連結営業利益は、国内で高単価の商品を中心に販売が好調に推移したことに加え、円安による輸入コストの上昇に対する価格転嫁を進めた結果、7,436百万円(利益率8.2%)と目標の7,200百万円(利益率8.0%)を上回りました。ROEは6.8%となり、目標の7.0%を下回りましたが、引き続き資本コストを意識した資本政策を推進してまいります。 (3) 経営環境及び対処すべき課題世界経済は、インフレの沈静化や貿易の持ち直しなどを背景に、底堅い成長が見込まれますが、依然として下振れリスクが高い傾向にあります。我が国においては、賃上げにより実質賃金が改善し、個人消費は緩やかに回復する見通しです。一方で、中国の不動産不況の長期化や、米国の保護主義の高まりによる貿易摩擦への懸念など、今後も不透明な経営環境が続くと推測されます。このような経営環境のなか、2030年までの経営方針である「BRAND INNOVATION(ブランド革新)~家庭用品ブランドの深化と「食」と「暮らし」のソリューションブランドへの進化~」に向けて、引き続き「領域の水平的拡大」、「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」の三次元的拡大に取り組みます。また「事業を通じた社会課題解決」および「経営基盤の強化」の領域で、ESGにおける4つの重要課題を下記の通り特定し、継続して実行してまいります。 <ESGにおける重要課題>① 持続可能な地球環境への貢献 ・脱炭素社会の実現 ・環境負荷や生物多様性への配慮② 社会課題に対応する商品・サービスの提供 ・商品の安全性と品質の追求 ・環境配慮型商品の開発 ・CSV事業の拡大 ・知的財産の保護 ・持続可能なサプライチェーンの実現 ・社会貢献活動の推進③ 価値創造にチャレンジする人材/職場づくり ・人権の尊重/ダイバーシティ&インクルージョンの推進 ・労働安全衛生・健康経営の推進 ・経営目標の達成に必要な人材の育成・獲得④ ステークホルダーに信頼されるガバナンス体制の確立 ・公正かつ透明性・実効性の高いガバナンス体制の構築 ・株主・投資家との信頼関係の構築 ・お客様満足度の向上 「BRAND INNOVATION(ブランド革新)」とともに、社会課題の解決に向けたESGの取り組みを推進することにより、社会的価値、経済的価値、従業員価値の向上をはかります。 中期経営計画『BEYOND』の概要(2026年11月期~2028年11月期) 前中期経営計画『SHIFT』の3年間は、暮らしの課題や社会の課題を解決しながら、持続的に成長するソリューションブランドへと着実に移行するための期間となりました。2026年11月期から2028年11月期の3ヵ年は、これまで培ってきたソリューションブランドの価値をさらに高めるため、既存の枠組みを越えた施策を実行し、成長の壁を越えていく期間と位置付け、新たな中期経営計画『BEYOND』を策定いたしました。 『BEYOND』では、主要戦略として、「コア領域の高成長と新規マーケットの開拓」、「人材・組織の強靭化、それを支えるDX」、「ブランドを軸とした企業価値の持続的向上」の3つの重点課題を掲げ、取り組んでまいります。各重点課題に対する施策は以下の通りです。 1. コア領域の高成長と新規マーケットの開拓 ・炊飯ジャーブランドのグローバル浸透 ・レンジ事業の成長によるコア領域の拡大 ・マホービンを基礎としたリビング事業の再成長 ・国内市場を攻略するマーケティング戦略 ・海外重点地域のマーケティング強化 ・飲食事業・製品などの新規領域拡大 2. 人材・組織の強靭化、それを支えるDX ・人的資本経営の推進 ・DX推進による生産性向上・競争力向上 3. ブランドを軸とした企業価値の持続的向上 ・ブランド価値を高める丁寧なコミュニケーション ・資本コストを意識した資本政策の推進 上記の重点課題に取り組み、各施策を確実に実行することで、2028年11月期の業績目標である、連結売上高100,000百万円、連結営業利益9,000百万円(利益率9.0%)、ROE8.0%の達成を目指します。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において象印マホービングループが判断したものであります。 (1) 新製品開発について象印マホービングループは、新規カテゴリー商品の投入や市場ニーズに応じた高付加価値製品や価格競争力のある製品の開発を目指しております。しかしながら、市場から支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれら製品の販売が成功しない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスクが顕在化する可能性は、予測困難でありますが、製品の基本性能の向上に常に取り組むことでお客様のご使用時の満足度を高め、次回も象印製品をご使用いただけることを目指して商品開発を進めています。さらには、製品の基本性能に加えて、使用時の不満点や改善点を見つけ、解決する工夫や製品の安全性や使いやすさにもこだわることで、付加価値の高い製品を提供しています。 (2) 製品価格の下落について象印マホービングループでは、競争力のある新製品の投入等により製品価格の維持、上昇を図っておりますが、市場からの納入価格引き下げの圧力やリベートの要求などは、ますます強まる傾向にあります。価格下落が象印マホービングループの想定を大きく上回り、かつ長期にわたった場合、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 競合他社との競争について象印マホービングループの主力製品は、家電メーカー等と競合しており、その一部には象印マホービングループより多くの研究、開発、製造、販売資源を有する企業もあります。そうした中で象印マホービングループは安定的なシェアを確保しておりますが、将来において競争が激化し、シェアが低下した場合は、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスク軽減のため、商品ラインアップ拡充、社会や生活の変化に合わせた既存商品の活性化、ニーズに対応する新規商品の開発により、売上やシェアの拡大を図ってまいります。また、商品の基本機能だけではなく、商品の使用によって新たな価値を提供したり、商品の新しい使用方法やライフスタイルを提案する活動を積極的に行っています。 (4) 原材料価格の変動について象印マホービングループの製品の主要原材料であるステンレス、樹脂、銅等の価格は、国際市況に大きく影響されております。原材料価格や部品価格の上昇は、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスク軽減のため、完成品の販売価格見直しなどのリスク対応に努めております。 (5) 為替変動による影響について象印マホービングループにおける海外事業の現地通貨建ての資産等は、換算時の為替レートにより円換算後の価額が影響を受ける可能性があります。また、海外から輸入する製品や部材は日本円以外の通貨で決済しております。そのため予測を超えた円安が進行した場合などは、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスク軽減のため、輸出により受け取る米ドルを支払いに充てており、またリスク管理方針に従って不足分の一部を為替予約によりリスクヘッジしております。 (6) 製造物責任について象印マホービングループは、高品質の製品の提供を目指し、厳密な品質管理基準にしたがって各種の製品を製造しておりますが、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任賠償に備え保険に加入しております。しかし、大規模な製品の欠陥やリコールの発生は、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (7) 知的財産権の保護について象印マホービングループは、事業の優位性を確保するため、開発する製品及び技術について知的財産権の保護に努めておりますが、特定の地域では充分な保護が得られない可能性があります。また、象印マホービングループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。象印マホービングループの主張が認められなかった場合には、損害賠償やロイヤリティの支払等の損失が発生し、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (8) 模倣品の出現について象印マホービングループはブランドの重要性を認識しており、国内外でのブランド価値向上を目指しております。国内外にて商標の出願及び登録を実施し、模倣品対策を講じておりますが、象印マホービンブランドの模倣品が市場に出現した場合、象印マホービングループのブランド価値を毀損し、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (9) 業績の季節変動について象印マホービングループの業績は、製品の特性や国内外の商戦期等の関係上、取引先への出荷が秋口から春先に集中するため、第1四半期に偏重する傾向にあります。 (10) 情報セキュリティについて象印マホービングループは事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手し保有しています。しかしながら、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、象印マホービングループの信用低下や業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスク軽減のため、これらの情報に対するシステムのセキュリティ対策及び監視体制ならびにリスクマネジメント体制の強化を推進しており、ISMS認証の取得や従業員教育の徹底など、システムと運用の両面で機密保持に努めております。 (11) 災害の発生について象印マホービングループは国内外で生産、販売活動を展開しておりますが、当該地域で地震、洪水、台風、火災、戦争、感染症等が発生し、象印マホービングループや取引先企業が被害を受けた場合、事業活動に支障をきたし、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。そのリスクが顕在化する可能性は、予測困難でありますが、危機管理マニュアルを策定し、全社員に啓蒙しています。本マニュアルでは、象印マホービンの本社が被災し、使用不可能となった場合の本社機能移転など、さまざまなリスクを想定しています。外部環境の変化や想定されるリスクの増減を鑑み、適宜改定を行っています。また、管理業務や、生産場所の一極集中化の回避検討などのリスク対応にも努めております。 (12) 地政学リスクについて象印マホービングループは、中国を中心とした生産拠点のほか、世界各地に販売会社を有しております。このため、米中関係やロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの国際情勢の変化は、象印マホービンの事業運営に大きな影響を及ぼすリスクとなります。特に、米国の関税政策は既に発動されており、今後さらなる強化や対抗措置が講じられる可能性も懸念されます。また、各国の貿易政策やエネルギー政策の変更、予期しない法制度や規制の改定なども、象印マホービングループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのリスク軽減のため、関税動向や規制変更を常に注視し、サプライチェーンの見直しや販売価格への適切な転嫁を進めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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