三陽商会(8011)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 三陽商会グループは、三陽商会、子会社3社で構成され、衣料品等繊維製品の製造・販売を主な事業内容としております。 三陽商会グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであります。 なお、三陽商会グループの事業はアパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。衣料品関連事業衣料品等の製造・販売…… 三陽商会は製造・販売しております。衣料品の縫製加工………… 子会社㈱サンヨーソーイングは衣料品を縫製加工し、商社経由で三陽商会に納入しております。海外生産支援業務………… 子会社上海三陽時装商貿有限公司は海外生産支援業務を行っております。ライセンス管理業務……… 子会社エコアルフ・ジャパン㈱は三陽商会に対し日本国内における商標権の独占使用権を許諾しております。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 非連結子会社1社は持分法を適用しております。
有価証券報告書(2026年2月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 三陽商会グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において三陽商会グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 三陽商会グループは、創業以来一貫してファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献することを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標 三陽商会グループは紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売を収益源とし、営業利益の拡大を目指して売上総利益率、販売費及び一般管理費率及び営業利益率を重視しております。さらに、株主持分に対する投資収益の向上を目指して、ROE(自己資本利益率)を重視しております。また、株主還元の向上を目指して、DOE(株主資本配当率)を重視しております。 (3)経営環境足元の経営環境については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。また、今後のわが国経済の見通しにつきましては、各国の通商・財政・金融政策の動向に加え、中東情勢の緊迫化を背景とした地政学リスクの高まりや資源価格の高騰等により、外部環境の不確実性が高まっているものの、金融政策の正常化や実質所得環境の改善等に支えられ、緩やかな回復が続く見通しです。当アパレル・ファッション業界においても、インバウンド需要や中高級品市場の動向、為替・資源価格の変動、気象要因など、引き続き先行き不透明な状況が見込まれます。実質所得環境の改善を背景に需要の回復が期待される一方で、不確実性が残り、楽観視できない状況にあると認識しております。このような情勢の中、三陽商会グループは、2025年4月14日に公表した「中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)」の軌道修正と再成長基盤の強化を図り、既存事業の建て直しによるオーガニックグロースに加え、新規商圏確保に向けた戦略投資を計画的に実行し、計画未達に終わった2026年2月期の挽回を期すとともに、長期目標として掲げる売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%の達成、及び「アッパーミドル市場で圧倒的な存在感を持ったトップランナー」を目指し、邁進してまいります。2027年2月期には、前期の売上不振要因のうち、主力ブランドの商品構成、フリー客数の減少、百貨店販路の売上縮小等の内的課題に対し、重点的な対策を講じてまいります。主力ブランドについては原点回帰や成功モデルの横展開、商品面ではスーツ・洋品の再強化、エントリープライス商材の開発に取り組みます。フリー客対策としては新規会員の獲得、ヴィジュアルマーチャンダイジング・接客力を強化し、チャネル面では百貨店以外の販路の開拓を促進してまいります。2027年2月期通期連結業績予想につきましては、売上高600億円、営業利益21億円(本社土地一部譲渡及び本社ビル建て替えの影響を除く営業利益23億円)、経常利益20億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億2千万円といたします。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 三陽商会グループは、2028年2月期を最終年度とする三か年計画「中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)」を公表いたしました。中期経営計画の概要、及び進捗状況は以下のとおりであります。 <中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)> Mission(=経営理念) ファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献する Vision 高い価値創造力と強靭な収益力を併せ持った、またサステナブルな社会の実現に 貢献することができる、エクセレント・カンパニーを目指す Values 高品質・高品位・高付加価値商品を生み出すスキル 優良なブランドポートフォリオとブランドビジネス遂行能力 クリエイティブで且つ高い倫理観を持った社員 優れた統治能力を持った経営者及び経営体制 ① 長期目標と中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の位置付け 三陽商会グループは売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%の達成と「アッパーミドル市場で圧倒的な存在感と競争優位性を持ったトップランナーを目指す」ことを長期目標として掲げており、長期目標からバックキャストし、達成に向けた三か年計画を立案しております。一方で、気象条件の変化や国内外の政治経済情勢の不透明感が増していること等により、中期経営計画策定時に前提とした与件条件や市場の拡張性についての予測と初年度を終えた現下の状況との間に大きな乖離が生じております。進捗状況を踏まえ、長期目標の方向性は維持しつつ、2年目及び3年目の定量計画を修正せざるを得ないと判断いたしました。修正後の中期経営計画においては、2026年2月期の売上不振要因のうち、内的課題に対して重点的な対策を講じることにより、最終年度である2028年2月期に売上高620億円、営業利益13億円(本社土地一部譲渡及び本社ビル建て替えの影響を除く営業利益25億円)を定量目標として掲げております。 ② 長期目標達成に向けたアプローチイ.オーガニックグロースの継続 出店加速による売場の拡大、EC専用ブランドの立ち上げ等による売上高の確保、調達原価率の抑制、プロパー販売比率改善、インベントリーコントロールを通じた粗利率の改善に継続的に取り組み、基幹商品の開発、中軽衣料の強化、フリー客への訴求向上のためのエントリープライス商品の拡充等を通じて、2028年2月期に売上高620億円、売上総利益率62.3%を達成してまいります。 ロ.新たな成長戦略/M&A オーガニックグロース以外の新たな成長戦略については、既存ブランドの事業領域拡張、新規自社ブランドの開発、海外展開、M&A等に取り組んでまいります。新規ブランド開発においては、2026年秋冬より商業施設を主販路とするAUREMEを展開、2027年にはHANAE MORIをローンチ予定です。 ハ.ブランド戦略 7つの基幹ブランドはブランド価値を高め、各ブランドの売上高100億円体制を早期に構築することで、確固たる事業・収益基盤の確立を目指します。チャレンジ領域ブランドは中期経営計画期間中に収益基盤を確立し、新ブランドも含めて将来の成長エンジンとします。 ニ.チャネル戦略 主力販路の百貨店は、新たな顧客層の取り込みと売場環境改善、及び運営効率化の両面から改めて出店を強化してまいります。直営店は、基幹ブランドの旗艦店出店を通じてブランド価値の更なる向上を図り、新ブランドと併せて出店を強化します。ECはプロパーサイト化と実店舗との相互補完体制の確立を目指し、ブランド全体の底上げを実現します。アウトレットはプロパー販路との役割明確化のもと、ブランド戦略に則り出店を強化いたします。 <資本政策の基本的な考え方> 株主資本コストを上回るROEの維持・更なる向上、及びIR活動の更なる強化、中期経営計画の実行によりPBRの改善を図ります。7つの基幹ブランドを擁する強固なポートフォリオをベースとした成長戦略の実行と新たな成長戦略やM&Aを通じて利益を積み増し、配当水準の段階的な向上と自社株式取得等、株主還元の更なる強化策を講じることにより平時のROE10%の達成を目指します。また、利益の最大化により蓄積されたキャッシュは成長投資と社員還元、株主還元の強化に積極的に活用し、適正化を図ります。 ① 利益配分に関する基本方針 三陽商会グループは、株主還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、2023年10月6日公表の「PBR改善計画」に掲げた株主還元強化方針に基づき、配当水準を段階的に引き上げてまいりました。また、三陽商会は2025年2月期まで年1回の期末配当を実施してまいりましたが、今般、中長期的な株式価値向上と株主の皆様への利益還元の機会を充実させることを目的として、2026年2月期より、中間配当、期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしております。 ② 自己株式の取得・消却 三陽商会グループは、株主還元の強化方針に基づき、株主還元の拡充及び資本効率の向上を図る為、2026年2月期に、519,400株、1,718,368,000円の三陽商会普通株式の取得を実施いたしました。また、2,425,900株の三陽商会普通株式を消却いたしました。 2027年2月期以降も、業績進捗に応じて自己株式の取得の実施を臨機に検討してまいります。 ③ 政策保有株式の縮減状況 三陽商会グループは、個別の保有株式について、毎年、取締役会においてその保有目的や最近の配当状況及び株価等を確認の上、三陽商会の資本コストと照らし合わせた経済合理性と、保有を継続することに係るリスクについて検証を行います。検証の結果、保有意義の薄れた株式については、当該企業の状況を勘案した上で段階的に売却を進めることとしております。本方針に則り2026年2月に一部売却を実行した結果、2026年2月期末の政策保有株式保有額は連結純資産比で18.1%となりました。引き続き、中期経営計画期間において漸次縮減する方針です。 ④ 株式分割の実施 三陽商会グループは、株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資し易い環境を整えることで、株式の流動性の向上と新規株主の増大を図ることを目的として、2026年8月31日を基準日とする株式分割を行うこととしております。同日最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する三陽商会普通株式を、1株につき3株の割合を以て分割します。なお、今回の株式分割に際し、資本金の額に変更はありません。 ⑤ 株主優待制度の拡充 三陽商会グループは、2026年8月31日を基準日とする株式分割に伴い、三陽商会株式への投資意欲を喚起し、また、より多くの株主・投資家の皆様に三陽商会株式を長期的に保有していただけるよう、株主優待制度を変更します。変更後の新たな株主優待制度においては、これまでと同様に株主様ご優待セールをご案内することに加え、保有株式数及び保有期間に応じ、三陽商会商品の購入に利用できるSANYO MEMBERSHIP(SMS)ポイントを進呈します。変更日は2026年8月31日とし、同日を基準日とした株主名簿に記載または記録された株主様に対して、2026年9月1日の株式分割後の株式数を対象に、変更後の基準を適用します。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 三陽商会グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。 また、記載内容のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年5月28日)現在において三陽商会グループが判断したものであります。 なお、三陽商会グループは、事業活動に関するあらゆるリスクを的確に把握するとともに、リスクの発生頻度や経営への影響度を低減するため、各種リスクに対応可能なコーポレートガバナンス及び内部統制に対する体制を整備しており、経営リスクの可能性を認識した上で、その内容に応じてコンプライアンス委員会、危機管理委員会、内部統制委員会、サステナビリティ委員会において発生回避策を討議、策定し、リスクが発生した場合においても適宜問題の解決を図っております。 (1)特に重要なリスク① 原材料価格の変動リスクについて 三陽商会グループが使用する繊維原料及び副資材の価格は、国際市況、為替動向、各原料生産地における需給バランスの変化等により影響を受けます。価格変動が急激かつ大幅に発生した場合、製品原価の上昇を招き、利益率の低下や販売計画への影響が生じる可能性があります。三陽商会グループでは、複数調達先の確保や調達ポートフォリオの見直し、適切な価格反映等の施策を進めておりますが、市況変動が長期化した場合には財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ② グローバルサプライチェーンの不確実性に伴うリスク 三陽商会グループは、主に中国及びアジア諸国に生産拠点を有しております。これら地域では、政治的・経済的混乱、労働環境の変化、法規制強化、感染症の流行、自然災害、物流網の遮断など、製品供給に影響を与える事象が発生する可能性があります。サプライチェーンに重大な支障が生じた場合、商品の供給遅延、調達コストの増加等を通じて、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 (2)重要なリスク① 感染症拡大によるリスク 新型コロナウイルス感染症で発生した店舗営業制限や消費行動の変化を踏まえ、三陽商会グループは従業員の安全確保、衛生管理、業務継続計画の強化等を進めております。しかしながら、新たな感染症の発生・拡大や既存感染症の再流行により、店舗の営業時間短縮、客数減少、物流の遅延等が生じた場合、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ② ファッショントレンドの変化に伴うリスク 三陽商会グループの主力商品であるファッション衣料は、消費者の嗜好や流行の変化に大きく影響されます。三陽商会グループでは、市場動向の分析や消費者ニーズの把握に努め、トレンドに即した商品開発を行っておりますが、予測を超える急激なトレンドの変化や消費者嗜好の変化が生じた場合、在庫リスクの増大や販売機会の損失につながり、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ③ ブランドライセンス契約に関するリスク 三陽商会グループは、複数の海外ブランドとライセンス契約を締結し、製品の製造・販売を行っております。これらのライセンスブランドは三陽商会グループの売上高の相当部分を占めており、戦略的に重要な位置づけにあります。三陽商会グループは、ライセンサーとの良好な関係維持に努めておりますが、契約条件の変更や契約解除、ブランドの市場競争力低下等が生じた場合、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ④ 気候変動及び異常気象のリスク ファッション衣料の需要は、季節や天候の影響を受けやすい特性があります。三陽商会グループでは、気象情報を活用した生産・販売計画の立案や、機動的な在庫調整を行っておりますが、冷夏や暖冬などの異常気象が発生した場合、季節商品の需要減少や在庫増加につながり、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動に伴う環境規制の強化や消費者の環境意識の高まりに対応するため、三陽商会グループではサステナビリティ戦略を推進しておりますが、これらの取り組みが不十分と評価された場合、レピュテーションリスクや競争力低下につながる可能性があります。 ⑤ 為替変動リスク 三陽商会グループは海外生産・海外調達を行っているため、為替レートの変動は仕入コストに影響を与えます。また、海外子会社の業績換算にも為替動向が影響するため、急激な変動が発生した場合には三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。三陽商会グループでは為替予約等によるリスクヘッジを実施しておりますが、為替相場の急変動による影響を完全に遮断することは困難であります。 ⑥ 製品の品質と安全性に関するリスク 三陽商会グループでは品質管理体制を整備し、製品安全性の確保に努めておりますが、予期せぬ品質不良や製造物責任に関わる事象が発生した場合、製品回収コストの発生、ブランドイメージの毀損、社会的信用低下等により、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 情報セキュリティに関するリスク 三陽商会グループは、顧客の個人情報を多数保有しております。これらの情報管理については、社内規程の整備、従業員教育、システムセキュリティの強化等の対策を講じておりますが、不正アクセスやサイバー攻撃等により情報漏洩が発生した場合、損害賠償、行政処分、信用失墜等により、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 法的規制及びコンプライアンスに関するリスク 三陽商会グループは、国内外で事業を展開する上で、各国の法令や規制を遵守する必要があります。三陽商会グループでは、コンプライアンス体制の強化とその従業員教育に努めておりますが、不適切な行為や法令違反が発生した場合、行政処分、罰金等の法的制裁、社会的信用の低下、事業活動の制限等により、三陽商会グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 以上、10項目の他、地政学リスク、金融市場の変動、自然災害、重大事故などの外部環境の変化により、三陽商会グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。三陽商会グループでは、これらのリスクを認識した上で、その発生可能性の低減と影響の軽減に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー