豊田通商グループは、豊田通商及び連結子会社815社・持分法適用会社227社で構成され、国内及び海外における各種商品の売買等を主要事業とし、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供などの事業に携わっております。
豊田通商グループでは、メタル+(Plus)、サーキュラーエコノミー、サプライチェーン、モビリティ、グリーンインフラ、デジタルソリューション、ライフスタイル、アフリカの8営業本部に関係する事業として区分しており、それぞれの事業は、豊田通商の営業本部及び営業本部直轄の関係会社により推進しております。
各本部の事業内容は次のとおりであり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
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本部 |
事業内容 |
主な関係会社 |
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メタル+(Plus) |
自動車用鋼板・アルミ板、特殊鋼板・ステンレス鋼板、条鋼鋼管、電磁鋼板、建材 他 |
豊田スチールセンター㈱、 Guangqi Toyotsu Steel Processing Co., Ltd.、 TT Automotive Steel (Thailand) Co., Ltd. 他 43社 |
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サーキュラー エコノミー |
非鉄金属地金、貴金属地金、レアアース・レアメタル、精密無機化学品、軽圧品、伸銅品、電子材料・電池材料、鉄くず、非鉄金属くず、合金鉄、使用済み自動車・部品、廃触媒、自動車構成用部品、再生樹脂、合成樹脂、ゴム、有機化学品、油脂化学品、添加剤、医薬原料 他 |
豊通マテリアル㈱、 豊通ケミプラス㈱、 Toyotsu Lithium Pte. Ltd. Toyotsu Rare Earths India Private Limited、 Radius Recycling, Inc.、 三洋化成工業㈱ (持)、 KPX Holdings Co., Ltd. (持) 他 136社 |
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サプライチェーン |
ロジスティクス、モビリティパーツ製造・組付、モビリティアクセサリー開発・設計・販売、テクノパーク、空港運営、環境ソリューション、サプライチェーン・モビリティ関連事業開発 他 |
豊通物流㈱、 共和産業㈱、 中央精機㈱ (持)
他 73社 |
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モビリティ |
乗用車、商用車、二輪車、トラック、バス、産業車輌、補給部品の輸入・販売事業、販売周辺事業(架装、中古車、販売金融等)、車両組み立て(ノックダウン生産)事業 他 |
Toyota Tsusho South Pacific Holdings Pty Ltd、 Toyota Caucasus LLC.、 日野セールスサポート㈱ (持)、 Purdy Motor, S.A. (持) 他 102社 |
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グリーンインフラ |
自動車産業を中心とした製造・物流設備、部品・工具類、建設機械等、風力・太陽光、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギー発電事業、バイオ燃料、水素、LNG等各種燃料、カーボンクレジット、石油製品等の事業、電力・空港・港湾等のインフラ事業 他 |
㈱ユーラスエナジーホールディングス、 ㈱豊通マシナリー、 豊田通商マリンフューエル㈱
他 271社 |
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デジタル ソリューション |
自動車用構成部品、半導体・電子部品、モジュール製品、自動車用組込みソフト、ネットワーク構築・保守・運用・ヘルプデスク、情報通信機器、海外ITインフラ輸出、パソコン・周辺機器及び各種ソフトウェア、サイバーセキュリティ、ソフト開発 他 |
㈱ネクスティ エレクトロニクス、 エレマテック㈱、 ㈱トーメンデバイス
他 60社 |
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ライフスタイル |
飼料原料、穀物、加工食品、食品原料、農水畜産物、酒類、保険代理店事業・保険仲介事業、繊維製品、衣料、介護・医療関連用品、建築・住宅資材、オフィス家具、総合病院事業、ホテルレジデンス事業 他 |
PT. Toyota Tsusho Real Estate Cikarang、 NovaAgri Infra-Estrutura de Armazenagem e Escoamento Agrícola S.A.、 第一屋製パン㈱ (持)、 PT. Bungasari Flour Mills Indonesia (持) 他 71社 |
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アフリカ |
モビリティ(新車及び中古車販売・アフターサービス・生産支援、他)、グリーンインフラ(再生可能エネルギー・港湾開発、他)、ヘルスケア(医薬品の生産・卸売・小売)、コンシューマー(リテール事業の開発、他) |
CFAO SAS Aeolus SAS Toyota Tsusho Manufacturing Ghana Co. Limited
他 220社 |
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その他 |
経理、財務、人事、総務、コンピューター運営・管理等の職能業務 他 |
豊通ヒューマンリソース㈱ 他 7社 |
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現地法人 |
主要な海外拠点において豊田通商と同様に複数の商品を取り扱う商社として多種多様な活動を行っております。 |
Toyota Tsusho America, Inc.、 Toyota Tsusho Europe S.A.、 Toyota Tsusho (Thailand) Co.,Ltd.、 Toyota Tsusho Thai Holdings Co., Ltd.、 Toyota Tsusho Asia Pacific Pte. Ltd.、 Toyota Tsusho India Private Limited、 Toyota Tsusho (Australasia) Pty. Ltd.、 Toyota Tsusho (Shanghai) Co., Ltd.、 Toyota Tsusho (China) Co., Ltd. 他 19社 |
(1)経営方針
豊田通商グループは、「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」という企業理念のもと、オープンでフェアな企業活動に努めるとともに、社会的責任の遂行と地球環境の保全に取り組み、創造性を発揮して、お客様、株主、従業員、地域社会等、すべてのステークホルダーにご満足いただける付加価値の提供を経営の基本理念としております。
(2)経営環境
地政学面では緊張が高まる中東情勢やアメリカ大統領選挙をはじめとする、各国での代表選挙に向けた政治の分断が発生しており、経済面ではインフレ抑制を目的とした金融引き締めが消費行動を鈍化させる等、引き続き不確実性の高い状況が続いております。また、自動車の電動化・自動化や生成AIに見られる技術革新、気候変動を背景とする環境問題への意識の高まり、世界各地で市場が地政学リスクの影響を受ける等、変化のスピードは早まっております。
(3)経営戦略等
豊田通商グループは、2016年5月に「Global Vision」を策定し、あるべき姿として「Be the Right ONE」を掲げ、豊田通商グループらしい事業を広げております。また「未来の子供たちへより良い地球環境を届ける」というスローガンのもと、産業ライフサイクルを通じて温室効果ガス排出削減に貢献する事業を加速・推進してまいります。2030年には2019年比50%削減し、2050年には実質カーボンニュートラルとする目標実現に向けてグローバルでの脱炭素社会への移行に貢献してまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
脱炭素社会の実現を含む未来社会への貢献を加速させるために、豊田通商グループが強みを持つ事業と社会課題解決に向けたカーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの取り組みを掛け合わせ、成長戦略「7つの重点分野」へと整理しております。この成長戦略の更なる加速のため、組織体制を見直すとともに、明確なミッションに基づいた社会やお客様への提供価値を表す本部名称へ変更いたしました。
また、これまで豊田通商グループが、成長の過程で育んできた強みの源泉である「豊田通商らしさ」は豊田通商グループ従業員の共通価値観として大切にしてまいります。そして「安全とコンプライアンスは全ての仕事の入口」の考えのもと、安全と品質に配慮して事業運営を行い、足元を固めつつ着実に成長戦略を推進し、事業を通した社会課題の解決、企業価値の最大化を目指してまいります。
豊田通商グループは新たな成長戦略と新たな組織体制のもと、社会やお客様にとってかけがえのない存在「Be the Right ONE」を追求し、「社会・環境にもたらす価値」と「お客様と豊田通商グループが共に創造する価値」という2つの価値の最大化を目指してまいります。
新組織体制(2024年4月以降)
(1)豊田通商グループのリスク管理
①リスク管理基本方針
豊田通商グループは、「リスク管理基本方針」において「リスク」を「業務に不測の損失を生じさせ、豊田通商グループの財産、信用等を毀損する可能性を有するもの」と定義し、業務から生じる様々な「リスク」について認識・検討を行い、経営の安全性を確保し、企業価値を高めるため、適切かつ統制された範囲内でリスクを取ることを基本的な考え方としております。
同方針に基づき、連結ベースのリスクエクスポージャー(RA元本)に与信格付やカントリーリスク等に基づく最大予想損失率であるリスクウェイト(RW)を乗じてリスクアセット(RA)を算出し、豊田通商の財務的な企業体力であるリスクバッファー(RB) との均衡を図る「リスクアセットマネジメント」に取り組んでおります。
財務基本方針である「RA÷RB<1.0」を堅持する為、投資パイプライン等を踏まえたRA÷RBのシミュレーションを行い、投資と財務健全性の両立を図っております。相対的にカントリーリスクが高い新興国へのエクスポージャーについては、NEXI(㈱日本貿易保険)の保険等によるリスクヘッジのほか、リスクバッファーに応じて国別の上限値を設定し、特定国への過度な集中を防ぐカントリーリスク管理を行っております。
また、取引審査や投資案件の協議ではRVA(Risk adjusted Value Added)による評価を実施し、リスクに対する十分なリターン確保の意識付けを図っております。
これらの取り組みによるRAの管理とRBの継続的な積み上げの結果、2024年3月期は引き続きRAがRBの範囲内(RA÷RB=0.6<1.0)となっており、健全かつ安定した財務体質を維持しております。
[地域別RAの分散状況(2024年3月末)]
②リスク管理体制
リスク管理基本方針を具体的に遂行する体制として、COSO-ERMフレームワークなどの考え方を参考に、従来各リスクに対してリスク主管部が個別に行ってきたリスク管理に加えて、よりグローバルなリスク管理を推進するため、2020年4月に「統合リスク管理委員会」を発足いたしました。同委員会は、CFOを委員長とし、海外各地域のリスク担当ヘッドである地域CFOを中心に、営業本部企画部長や各リスク主管担当役員・部長により構成されております。
豊田通商グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを明確化し、経営目標に関する全社的な重要リスクの特定及び対応方針の協議・決定と、リスク管理プロセスの有効性検証を行い、社長への報告及び取締役会へリスクマネジメントに関する議題の提言を行っております。取締役会はその提言に基づいてリスク管理プロセスの有効性を継続的に監督し、変更が必要な場合は適切な措置を講じております。また、同委員会では、各リスクの中から豊田通商として特に注力すべき10のリスク項目を抽出し、各リスクに対してグループ会社各社が当該項目の達成度を自己点検し、グループ会社の所在する地域の中心となる地域統括部門が点検結果をレビュー、その結果を踏まえてグループ会社各社が改善活動を行う「Check10」という仕組みを導入しております。
Check10では、リスク項目ごとにリスクの大きさと管理体制の2軸評価による評点を付けてヒートマップを作成、グループ会社各社のリスク項目ごとのリスク管理状況を視える化することで、脆弱な部分をあぶり出し、適切に改善策を打つことを狙いとしております。改善には必要に応じてリスク主管部が支援を行っております。このCheck10活動を拡充することにより、本社のリスク主管部とグループ会社各社の連携強化のみならず、当該地域内での関係強化も図り、連結ベースでの統合的なリスク管理体制の構築を図っております。
[Check10活動のPDCA]
[Check10のリスク項目]
[リスク影響度と管理体制の2軸マトリックスによる評価]
[リスク評価結果(ヒートマップ)のイメージ]
(2)個別のリスクについて
当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が豊田通商グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、豊田通商グループが合理的であると判断したものであります。
<全社管理が必要なリスク>
①カントリーリスク
豊田通商グループは、海外の多岐の地域にわたり、商取引及び事業活動を行っており、各国の政府による規制・政治的不安・資金移動の規制等による製品の製造・購買に伴うリスクに加え、投資の損失またはその他の資産が毀損するリスクが存在しております。豊田通商グループは、カントリーリスクが高い国における商取引及び投資については、貿易保険等によりリスクを低減することに努めております。また、最大想定損失額であるリスクアセットの上限値を各国ごとに設定し、定めた上限値の範囲内に抑えることで、特定の地域または国に対するリスクの過度な集中を防ぐことに努めております。しかしながらこうした管理やヘッジ策を講じていてもなお、取引先所在国や豊田通商グループが事業活動を行う国の環境の悪化によるリスクを完全に回避することは難しく、状況によっては債権回収や事業遂行の遅延・不能等により豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
②世界マクロ経済環境の変化によるリスク
豊田通商グループは、国内及び海外における自動車関連商品、その他各種商品の販売を主要事業として、これらの商品の製造・加工・販売、事業投資、サービスの提供等多岐にわたる事業を行っております。このため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けております。ロシア・ウクライナや中東情勢、米国や中国等の影響による世界的な景気後退に伴う個人消費や設備投資の低迷が、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③自然災害等による影響について
2011年3月の東日本大震災と同年10月のタイ大洪水でサプライチェーンが深刻な影響を受けたため、2012年4月に専門組織として総務部内にBCP推進室を設置いたしました。現在はコンプライアンス・危機管理部の危機管理・BCM推進室が、「豊田通商グループ事業継続基本方針」に従い、地震、台風等の自然災害、テロ、パンデミック等、あらゆるシナリオにおいても社員が出社不可、本社が入館不可、IT使用不可、長期停電のように重要な経営資源が使用不可になった場合のリスクへの対応として、国内外210事業でオールハザードの事業継続計画(BCP)により平時の対策と有事の対策を文書化し、事業継続マネジメント(BCM)の運用を実施しております。また、毎年3月と9月には、大規模地震によって名古屋本社または東京本社が重度に被災するシナリオで状況付与訓練(参加者にシナリオを開示せず臨機応変に対応させる訓練)を実施し、災害対策初動マニュアル並びに対策の継続的改善を実施しております。しかしながら、地震・洪水等の自然災害により、豊田通商グループの事業活動に支障が生じ、追加の対策コストが必要となった場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④特定の販売先への依存
豊田通商グループの収益のうち、トヨタ自動車㈱グループへの収益が占める比率は17.4%であります。従いまして、トヨタ自動車㈱グループとの取引の動向が、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤金利変動リスク
豊田通商グループは、営業債権等による信用供与・有価証券取得・固定資産取得等のために金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により事業資金を手当てしておりますが、一部が変動金利条件となっており、金利上昇局面では利息負担が増加するリスクがあります。ただし、その相当部分は、変動による影響を転嫁できる営業資産に見合っております。また豊田通商グループでは、アセット・ライアビリティ・マネジメント(ALM)を通じて金利変動リスクをミニマイズすべく取り組んでおりますが、完全に金利変動リスクを回避できるものではなく、今後の金利動向によっては豊田通商グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑥上場有価証券の価格変動リスク
豊田通商グループは、取引先との関係維持・強化、事業収益拡大及び企業価値向上を目的に、活発な市場で取引されている有価証券を保有しております。活発な市場で取引されている有価証券は価格変動の影響を受けることがあり、価格下落の場合には豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<Check10にて注視しているリスク>
①商品リスク
豊田通商グループが取り扱う非鉄金属・レアアース・食料・繊維等の相場商品には価格変動のリスクが存在いたします。そのため、商品ごとにポジション限度枠を設定し、限度枠内での運用状況を定期的にモニタリングしております。こうした価格変動のリスクを低減する施策を講じておりますが、必ずしも価格変動リスクを完全に回避できるものではなく、商品市況や相場の動向によっては、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
②信用リスク
豊田通商グループは多様な営業活動により生じた国内外の取引先に対する金銭債権回収に関するリスクが存在いたします。こうした信用リスクに対応するため、豊田通商グループでは取引先に対し、売掛金・前払金等の取引種別ごとに債権限度、約定限度枠を設定、全社システムによりグループの信用リスクを把握しております。また、財務内容を基にした豊田通商独自基準の格付(8段階)を定め定期的に取引先の状況を確認し、低格付の取引先に対しては、取引条件の見直し、債権保全、撤退等の取引方針を定め、個別に重点管理を行い、損失発生の防止に努めております。このような与信管理を行っておりますが、取引先の財務内容が悪化した場合や予期せぬ事態発生によるリスクを完全に回避することは難しく、取引先の倒産等による債権回収が困難となった場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③事業投資リスク
当連結会計年度末現在、豊田通商は780社の連結子会社及び242社の持分法適用会社を有しており、既存提携関係の強化や新規提携を行うことにより既存事業の拡大や機能強化または新規事業への参入を目指しております。
豊田通商グループの投資スタンスは、短期的な利益を狙うのではなく中長期的に事業を育て、豊田通商グループのバリューチェーンの拡大・強化に繋がるような戦略的投資を基本としております。「豊田通商ならでは」の強みを発揮できる事業に経営資源を集中するため、全社方針を踏まえて営業本部の方針や投資パイプラインを方針会議で協議し、一定額を超える投資は投資戦略会議で戦略性・優先順位付けを協議し、推進可否の見極めを行っております。
投資案件の検討過程では、コーポレート部門が専門的観点と定量的指標(TVA(※1)やRVA(※2)等)に基づいて事業計画を検証しております。投資案件毎にリスク評価とリスク低減策を検討した上、投融資協議会・委員会の議論を経て最終的な機関決定に至っております。また、投資意思決定の迅速化を目的に、一定の条件や金額的重要性に応じた決裁権者の設定や、国内外の一部の関係会社への決裁権限の委譲を進めております。投資実行後は、課題のある案件について、コーポレート部門と営業本部共働で課題の進捗管理・支援を継続的に実施しております(チェック&サポート活動)。また、業績悪化兆候、事業計画進捗、撤退条件等の投資モニタリングを実施し、計画通りに進行していない案件に対する再建・撤退ルールを厳格に運用しております。
しかしながら、事業環境の変化や技術革新、その他不測の事態により投資先企業の価値または株式の市場価値が低迷した場合には、豊田通商グループが投資金額の全部もしくは相当部分を失う、またはこれらの投資先企業に対する追加の資金提供を余儀なくされることがあります。このような場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[投資サイクル]
※1 TVA:Toyotsu Value Achievementの略称=(基礎収益-利息収支)×(1-各国税率)-使用資金×
国別使用資金コスト率
-基礎収益とは、営業活動以外から発生した、非経常的で臨時的、かつ多額の損益を調整した税引前
当期利益であり、営業本部・事業体の「稼ぐ力」を示す
-国別使用資金コスト率とは、営業活動・事業活動に要する使用資金から生じる、国別資本コストと
国債利回りの加重平均によるコスト率を示す
※2 RVA:Risk adjusted Value Addedの略称=税引後基礎収益-リスクアセット×リスクコスト率
-リスクアセットとは、不測の事態が起こった場合に発生し得る最大予想損失額
-リスクコスト率とは、豊田通商の株主資本利益率(ROE)目標値13%以上を目線とした株主期待収益率
④外国為替リスク
豊田通商グループが行っている商品の売買及び投資活動等のうち、外国通貨建ての取引については、外国為替の変動による影響を受けることがあります。豊田通商グループはこうした外国為替のリスクを一定程度まで低減するよう為替予約等によるヘッジ策を講じておりますが、必ずしも完全に回避できるものではありません。
また、豊田通商は海外に多くのグループ会社が存在しており、各社の財務諸表を円貨に換算する際に、為替変動により、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤資金調達リスク
豊田通商グループは、事業資金を国内外の金融機関からの借入及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により調達しているため、金融市場の混乱や格付機関による豊田通商信用格付けの大幅な引き下げ、取引金融機関の融資方針変更等の事態が生じた場合、豊田通商グループの資金調達に制約が課される可能性や、調達コストが増加する可能性があります。そのため、資産構成に合わせた最適資金調達を行うと同時に、長期資金の返済・償還時期の分散を図ることで借り換えリスクの低減を図っております。また、現預金、コミットメントライン等の活用により、安定的な流動性を確保すると同時に、金融機関との良好な取引関係の維持に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥人事労務リスク・人権リスク
(a)人事労務リスク
豊田通商グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、本社及び海外拠点にて研修実施やツールの提供などによる労務管理知識向上や事業継続計画(BCP)整備による体制強化を働きかけておりますが、ストライキなどの労働争議を原因として操業が停止・制限される事態が発生した場合には、サプライチェーンや豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b)人権リスク
豊田通商グループは、各国・各地域で事業を行うにあたり、全連結子会社への人権デューデリジェンスを通じた人権尊重に取り組んでいるほか、国連「世界人権宣言」を含む国際人権章典、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際基準に則った「豊田通商グループ人権方針」を定め、サプライヤーを含むすべてのビジネスパートナーのみなさまに対し、当該方針を遵守頂くことを働きかけております。しかしながら、不測の事態が発生した場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦情報セキュリティリスク
豊田通商グループは、トヨタグループ及び豊田通商グループ標準の情報セキュリティ規程・ガイドラインを制定し、グループ全体の対応状況の可視化と継続的な改善を実施しております。また、本ガイドラインに合わせ、ネットワークやメールセキュリティ等のITインフラ領域については、システム共通化によって、グループ全体で効率的に有効性を高める施策を実施しております。サイバー攻撃対応体制も構築し、定常的に製品脆弱性情報やセキュリティ事故等の脅威情報の収集と、迅速な対策・予防措置を実施しております。また、昨今のサイバー攻撃トレンドに鑑み、攻撃を受けた際に被害を最小化する施策として、常時通信監視及び端末のふるまい監視・自動隔離を導入しております。しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性は排除できず、この場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧コンプライアンスリスク
豊田通商グループは、国内外において多岐にわたる事業を行っており、日本における会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法等の各種法令、事業活動を行う各国・地域の各種法令・規制といった様々な分野における広範な法律及び規制に服しております。豊田通商では、役職員の職務の執行がこれら法令、規制及び企業倫理に適合することをコンプライアンスの基本方針としております。コンプライアンス専任部署であるコンプライアンス・危機管理部は、同部をハブとしたグローバルネットワークを通じてグループ全体のコンプライアンス体制を強化し、法務部等、関連するコーポレート部署の協力を得て、各種コンプライアンス施策(コンプライアンストップメッセージ、階層別コンプライアンス教育、グローバル内部通報制度整備等)を策定・実施することで、法令遵守の徹底等コンプライアンス意識の向上を図っております。
なお、物流関連のコンプライアンスリスクについては、国内の外国為替及び外国貿易法・関税法等、海外では当該国の法令、それに加えて国内・海外共に米国制裁法・米国再輸出規制等を遵守する貿易管理体制を整えることや、国内外において輸入通関時のHSコード誤りによる事後追徴を回避するための適切なHSコード判定規程の制定に努めております。また、物流業者の起用においては豊田通商の管理規則に則った物流業者選定ルールの浸透を図り、物流業者の関与する不正・異常損等の発生を阻止する対策を行っております。
しかしながら、このような施策を講じても、事業活動におけるコンプライアンスリスクは完全に排除できるものではなく、役職員が不正・不法行為を行った場合、社会的な信用を毀損する可能性があります。このような場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨安全関連リスク
従業員並びに委託者の労働災害、及び火災・爆発により、豊田通商グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。災害未然防止に関する設備、作業標準の整備、教育、日常管理を行っておりますが、大規模な労働災害、及び火災・爆発の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩環境関連リスク
気候変動、水資源、生物多様性保全を含む環境関連のリスクは、豊田通商グループ経営に与える影響が高いと判断し、安全・環境会議やサステナビリティ推進委員会で審議、取締役会へ適宜報告され、担当部門や構成メンバーを通じて事業戦略や活動に組み込まれております。
気候変動については、影響が大きい事業を選定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。「リスク」では、移行リスク及び物理リスクを、「機会」では、資源効率・エネルギー源・製品及びサービス・市場を考慮しております。また、豊田通商単体・国内海外連結子会社における、豊田通商グループの事業活動を通じた温室効果ガス排出量を、2030年までに2019年比で50%削減を目指し、2050年にカーボンニュートラルとする目標を策定しております。加えて、2018年に策定したサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)においても、「クリーンエネルギーや革新的技術を活用し、自動車/工場・プラントCO₂を削減することで脱炭素社会移行に貢献」することを掲げております。
気候変動や森林破壊、人口増加等に伴い世界規模で水不足、水質悪化、洪水、生物多様性の毀損が深刻化しております。水資源の持続可能な利用・生物多様性の維持は、豊田通商事業活動に多大な影響を及ぼすリスクであり、重要課題と認識しております。水リスクについては、連結子会社を対象にAQUEDUCT(世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツールの一つ)で調査し、利用効率の改善や使用量削減等を含むリスクに応じた対応を行っております。
生物多様性については、新規の投資案件に対し生態系サービスへの影響を事前に調査・評価し、森林保全、環境負荷低減に努めております。既存事業に対しては、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム内部監査により、水及び生物多様性を含むリスク評価を実施しております。しかしながら、このような施策を講じても、不測の事態が発生した場合、豊田通商グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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